シンジ「……」レイ「……」トコトコ

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:30:14.64 ID:OLRDmBc90

学校 廊下

シンジ「……」スタスタ

レイ「……」トコトコ

シンジ「……」ピタッ

レイ「……」ピタッ

シンジ「……なに?」

レイ「……あの……」

シンジ「なに?」

レイ「なんでもない……」タタタッ

シンジ「……?」


なんでもない日、おめでとう!のごはん。



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:32:18.32 ID:OLRDmBc90

教室

レイ「……」ジーッ

シンジ「……ふわぁ」

レイ「……」ジーッ

シンジ「ん……?」

レイ「……」サッ

シンジ「……?」

レイ「……」チラッ

シンジ(なんだろう……?)

レイ「……」ササッ

シンジ(最近、綾波の様子が変だな……)

シンジ(僕、なにかしたかな……?)



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:34:11.98 ID:OLRDmBc90

昼休み

アスカ「バカシンジ!!」

シンジ「なに?」

アスカ「お弁当」

シンジ「渡してなかったっけ?」

アスカ「ええ」

シンジ「ごめん」

アスカ「謝る前に出しなさいよ」

シンジ「うん」

アスカ「全く……とろいんだから……」ブツブツ

シンジ「ごめん……」

レイ「……」ジーッ

アスカ「ん?」

レイ「……」ジーッ

アスカ(なんかこっち見てるわね……)



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:36:29.72 ID:OLRDmBc90

放課後

アスカ「帰るわよ」

シンジ「待ってよ、アスカ」

アスカ「早くしなさいよ」

シンジ「う、うん……」

レイ「……」

シンジ「綾波!」

レイ「……?」

シンジ「また明日」

レイ「……」コクッ

アスカ「はやく!!」

シンジ「わ、わかってるよ……」

レイ「……」

レイ「碇くん……」

レイ「……こういうときどうしたらいいんだろう……?」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:39:31.37 ID:OLRDmBc90

本屋

レイ「……」フラフラ

レイ「……男の子が好きな女の子……?」

レイ「……」ペラッ

レイ「……」ジーッ

レイ「……よくわからない」

レイ(そもそも私は何がしたのかもよくわからないし……)

レイ「はぁ……」

ヒカリ「あ、綾波さん?」

レイ「……」ペコッ

ヒカリ「き、奇遇だね」

レイ「そうね」

ヒカリ(どうしよう……思わず声をかけちゃったけど……あんまり話した事ないから緊張する……)

レイ(えっと……誰だっけ、この人……?)



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:42:52.05 ID:OLRDmBc90

ヒカリ「あ……」

レイ「なに?」

ヒカリ「その本……」

レイ「たまたま手にとったの。読む?」

ヒカリ「ううん!!いい!!」

レイ「そう」

ヒカリ「綾波さんって……す、好きな人とかいるんだ」

レイ「……わからない」

ヒカリ「え?」

レイ「人を好きになるってよくわからないから」

ヒカリ「えっと……」

レイ「……」

ヒカリ「特定の人と一緒にいたいとか、この人のために何かしてあげたいとか、そういう気持ちが芽生えることじゃないかな?」

レイ「そう」

ヒカリ(反応薄いなぁ……)



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:45:17.35 ID:OLRDmBc90

ヒカリ「碇くんのこととかどう思ってるの?」

レイ「……!」バサッ

ヒカリ「あぁ……本を落としたら駄目だよ……」

レイ「ごめんなさい」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……っ」ピクッ

ヒカリ「……」

レイ「なに?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……!」ピクッ

ヒカリ「……綾波さん……」

レイ「なに?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……!?」ビクッ

ヒカリ(なんか面白い……)



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 11:47:42.66 ID:OLRDmBc90

レイ「……帰るわ」

ヒカリ「待って」

レイ「なに?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……」ピクッ

ヒカリ「―――が、好きなの?」

レイ「わからない」

ヒカリ「……」

レイ「さよなら」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……!?」ビクビクッ

ヒカリ「―――とは、付き合ってるの?」

レイ「いいえ」

ヒカリ「そうなんだ……」

レイ「もういい?」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:00:48.02 ID:OLRDmBc90

ヒカリ「綾波さん」

レイ「なに?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「ん……」ピクッ

ヒカリ「―――は、最近アスカと仲いいもんね」

レイ「そうね」

ヒカリ「碇くん」

レイ「ぁ……」

ヒカリ「―――が、アスカのものになってもいいの?」

レイ「……」

ヒカリ「どう?」

レイ「構わないわ。い……か、り、くんは私の所有物じゃないから」

ヒカリ「ふーん」

レイ「さよなら」トコトコ

ヒカリ「……」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:04:49.36 ID:OLRDmBc90

自宅

バタン

レイ「はぁ……はぁ……」

レイ「……」

レイ「……どうして」

レイ「疲れた……」

レイ「……碇くん……」

レイ「……」

レイ「碇くん……碇くん……」ゴロゴロ

レイ「碇くん……」ゴロゴロ

レイ「ふー……」

レイ「お弁当箱、洗わないと……」

レイ「はぁ……」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:07:34.73 ID:OLRDmBc90

翌日 学校

ヒカリ「おはよう、綾波さん」

レイ「え……」

ヒカリ「ふふーん」

レイ「どうかしたの?」

ヒカリ「お節介かなぁって思ったんだけど、やっぱり応援したいの」

レイ「な、なにが?」

ヒカリ「綾波さんのこと!」

レイ「……?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「ひっ……」ビクッ

ヒカリ「―――と、仲良くなりたいでしょ?」

レイ「……」

ヒカリ「私にまかせて」

レイ「……あの……別に私は……」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:10:32.05 ID:OLRDmBc90

ヒカリ「はい!」

レイ「なに?」

ヒカリ「まずはラブレターから書いてみましょう」

レイ「ら、らぶれたー……」

ヒカリ「今の気持ちを文字に表すって結構、重要だから」

レイ「……」

ヒカリ「ささ、遠慮なく」

レイ「うーん……うーん……」

ヒカリ「素直な気持ちでいいのよ、綾波さん」

レイ「素直……」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……」ピクッ

ヒカリ「―――に、対する想いを紙に書くの。それだけでも全然、違うから」

レイ「……わかったわ」

レイ(碇くんへの気持ち……)



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:13:56.78 ID:OLRDmBc90

レイ「―――か、書けた」

ヒカリ「どれどれ……?」

レイ『昨日の野菜炒めが美味しかったです。いつもお弁当ありがとう』

レイ『すごく感謝しています。これからも作ってください』

ヒカリ「……」

レイ「どう?」

ヒカリ「なんかお弁当の感想になってるんだけど……」

レイ「だめ?」

ヒカリ「綾波さん、好きなんでしょ?」

レイ「え?」

ヒカリ「碇くん」

レイ「……っ」ビクッ

ヒカリ「―――の、ことが」

レイ「よくわからないの……」

ヒカリ「もう……」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:17:02.73 ID:OLRDmBc90

アスカ「もう!!しんじらんない!!」

シンジ「だから、謝ってるじゃないか」

アスカ「謝って済む問題だと思ってるわけぇ?!あんたバカァ!?」

シンジ「なんだよ……」

ヒカリ「あ、きたきた」

レイ「……」ガタッ

アスカ「バカシンジのくせに!!」

シンジ「うるさいなぁ……」

ヒカリ「ほら、いっていって」

レイ「う、うん……」トコトコ

シンジ「綾波、おはよう」

アスカ「む……」

レイ「おはよう……。あの……これ……」スッ

シンジ「なに……これ?」

レイ「ラブレター……書いてみたの。読んでみて」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:20:34.09 ID:RR7XAcUK0

きたーーー



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:20:54.45 ID:OLRDmBc90

アスカ「はぁ!?!」

シンジ「え……!?」

レイ「な、なに……?」

アスカ「あんた……気は確かなの!?」

レイ「……」

アスカ「このバカにラブレター!?はっ!!眼科か脳外科にいったほうがいいんじゃないの?!」

レイ「どうしてそんなこというの?」

アスカ「だってこいつにラブレターよ!ラブレター!!」

レイ「それがどうかしたの?」

アスカ「なっ……」

シンジ「あ、あの……綾波……」

レイ「なに?」

シンジ「その……い、悪戯……じゃないよね?」

レイ「……」

シンジ「あ、ご、ごめん!!あの、疑ってるとかじゃなくて……その……綾波がラブレターなんて……びっくりして……」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:24:05.78 ID:OLRDmBc90

レイ「想いを伝える手紙のことをラブレターっていうんでしょ?」

シンジ「そ、そうだけど……」

レイ「読んでみて」

シンジ「こ、ここで?」

レイ「……できれば」

アスカ「だめよ!!」

シンジ「え!?」

レイ「……」

アスカ「どういうつもり?」

レイ「なにが?」

アスカ「こんな白昼堂々とこんなもの渡して……」

レイ「意味がわからないけど……」

アスカ「とぼけるんじゃないわよ!!」

シンジ「アスカ、どうしたの?!」

アスカ(こんにゃろ……大人しそうな顔して……なんて大胆な……!!)



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:27:07.11 ID:OLRDmBc90

ヒカリ(修羅場になっちゃった……)ドキドキ

アスカ「……」

レイ「……」

シンジ「あの……あの……」オロオロ

アスカ「シンジ!!」

シンジ「は、はい!」

アスカ「まだ、見ちゃ駄目よ!!」

レイ「それは貴女が決めることじゃないわ」

アスカ「あぁ!?」

レイ「碇くんが決めることだもの」

アスカ「ぐぬぬ……」

シンジ「えっと……えと……」オロオロ

アスカ「バカシンジ!!五分!!五分だけ読むの待ちなさい!!」

シンジ「な、なんで?」

アスカ「なんでも!!!」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:31:17.50 ID:OLRDmBc90

アスカ「くそ……!!あんな能面女に負けるか……!!」

ヒカリ「アスカー?」

アスカ「あぁ?」

ヒカリ「ひっ……」

アスカ「ちょっと黙ってて、ヒカリ」

ヒカリ「う、うん……」

アスカ「私は天才よ……。文才だって……あるんだから……!!」

ヒカリ「……」

レイ「……」

シンジ「あの、綾波」

レイ「なに?」

シンジ「どうして手紙を書こうと思ったの?」

レイ「今の気持ちがよくわからないから」

シンジ「え?」

レイ「碇くんに対する気持ち、こうすればわかるかもしれないって思ったの」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:34:00.34 ID:OLRDmBc90

シンジ「それで……わかったの?」

レイ「あまり。でも、碇くんが読んで感想が聞けたら、分かるかもしれない」

シンジ「そっか」

レイ「だから、読んで欲しいの」

シンジ「じゃあ―――」

アスカ「シンジ!!あと2分!!」

シンジ「……だって」

レイ「碇くんの好きにしていいから。読んだら感想を聞かせて」

シンジ「う、うん……」

レイ「それじゃあ」

シンジ「ありがとう」

レイ「……」コクッ

シンジ(綾波……僕のことを……)

アスカ「えーと……えーと……」

アスカ(くそ……おもいつかない……)



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:36:38.33 ID:OLRDmBc90

昼休み

アスカ「うー……!!!」

ヒカリ「アスカ……あの……」

アスカ「ヒカリ!!」

ヒカリ「は、はい!!」

アスカ「ちょっとトイレまで一緒にきて!!」

ヒカリ「はい!!」

レイ「……」モグモグ

シンジ「綾波」

レイ「……!?」ガタッ

シンジ「ど、どうしたの?」

レイ「急に声をかけられたから」

シンジ「ごめん……」

レイ「なに?」

シンジ「い、い、一緒にご飯、どうかな?」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:40:26.02 ID:OLRDmBc90

レイ「……うん」

シンジ「あ、ありがとう……」

レイ「……」

シンジ「お弁当、どうかな?」

レイ「おいしい」

シンジ「よかった」

レイ「読んでくれた……?」ボソッ

シンジ「え?ごめん、よく聞こえなかった」

レイ「……」モソモソ

シンジ「綾波……?」

レイ「……なんでもないわ」

シンジ「そう……ごめん……」

レイ「……」

シンジ「……」

レイ(なんだろう……今、とても顔があつい……)



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:43:50.52 ID:OLRDmBc90

トイレ

アスカ「協力して……お願い……」

ヒカリ「な、なにが……?」

アスカ「ら、らぶれたー……」

ヒカリ「え?」

アスカ「ラブレターを書くの手伝って!!」

ヒカリ「ど、どうして……!?」

アスカ「……私があいつに負けるなんて……嫌なの……」

ヒカリ(アスカ……)

アスカ「ヒカリ……おねがい……もう、アンタしかいないの……」

ヒカリ「えっと……うん……協力する。親友だもん」

アスカ「ありがとう……。実際、こういうの……書いたことなくて……」

ヒカリ「……」

アスカ「愛してるとか大好きとか……そういうのいっぱい書けばいい、の?」

ヒカリ「……そ、そうかもね」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:48:44.55 ID:OLRDmBc90

シンジ「あ、綾波……」

レイ「な、なに……?」

シンジ「あの……」

レイ「うん……」

シンジ「きょ、今日は良い天気だね」

レイ「そうね」

シンジ「あの、さ。今日……暇、かな?」

レイ「どうして?」

シンジ「その……たまには……一緒に帰ろうかなって……」

レイ(一緒に帰る……)

シンジ『あやなみー!!こっちだよー!!』

レイ『まってー♪』

レイ「うっ……」

シンジ「綾波!?どうしたの!?」

レイ「ちょっと……鼻血……でそうで……」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:53:10.68 ID:OLRDmBc90

アスカ「―――できたわ」

ヒカリ「見せてくれる?」

アスカ「う、うん……」

ヒカリ「どれどれ……」

アスカ『シンジへ。いつもキツイことばかり言ってるけど、あれは全部嘘だから』

アスカ『中々、素直になれなくて、ごめんなさい。でも、本当はシンジのこと大好きだから』

アスカ『本当はぎゅーってしたいの。いっぱいチューもしたいの』

アスカ『愛してるよ、シンジ。 アスカより』

ヒカリ「……」

アスカ「ど、どうかな?」

ヒカリ「い、いいんじゃないかな?」

アスカ「ほんと!?」

ヒカリ「ギャップがあって……うん……これなら……」

ヒカリ(お弁当の感想しか書いてない綾波さんのラブレターよりは全然いいとは思う……)

アスカ「ありがとう、ヒカリ!あなたと友達でよかったわ!!」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:56:54.21 ID:1JjIHSMb0

いかんニヤニヤが止まらねぇ



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 12:57:06.38 ID:OLRDmBc90

シンジ「大丈夫?」

レイ「平気。ありがとう」

シンジ「えっと……じゃあ、帰りは……」

レイ「うん。一緒に帰りましょう?」

シンジ「ありがとう」ニコッ

レイ「……っ」

シンジ「綾波!?」

レイ「ごめんなさい……ちょっと……天井を見上げるけど……気にしないで……」

シンジ「綾波って鼻血が出やすいの?」

レイ「……」

シンジ「……」

アスカ「―――シンジ!!」

シンジ「アスカ」

アスカ「……」

シンジ「な、なに?」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:00:51.43 ID:OLRDmBc90

アスカ「こ、これ……」スッ

シンジ「え?なにこれ?」

アスカ「……受け取って!!」

シンジ「う、うん……」

アスカ「じゃあ、ラブレターを読んでもいいわよ」

シンジ「綾波の?」

アスカ「ええ。今、渡した紙と同時に開いて、同時に読むのよ?いい?」

シンジ「どうして?」

アスカ「うっさい!!言うとおりにするの!!」

シンジ「わ、わかったよ……」

アスカ「で、なんでアンタは上を見てるわけ?」

レイ「気にしないで」

アスカ「ふん……」

レイ「……」

シンジ「えっと……」ペラッ



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:04:24.35 ID:OLRDmBc90

シンジ「……」ジーッ

アスカ「……」ドキドキ

シンジ「……綾波」

レイ「なに?」

シンジ「野菜炒め、美味しかったの?」

レイ「ええ。とっても」

シンジ「じゃあ、わざわざ紙に書かないで口で言えばよかったのに」

レイ「想いを伝えるのがラブレターだってきいたから」

アスカ「……え?」

シンジ「あはは、そっか」

シンジ(ちょっと残念だけど、綾波らしいか)

アスカ「あの……え……野菜炒めがどうしたの……?」

シンジ「綾波のラブレターにはお弁当の感想しか書いてないんだ。ほら」

アスカ「……」

シンジ「さてと……次はアスカの―――」ペラッ



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:07:08.48 ID:OLRDmBc90

アスカ「とぅ!!」パシッ

シンジ「あ……」

アスカ「……」ビリビリ

シンジ「あー!?」

アスカ「ふぅ……」

シンジ「まだ読んでないのに……」

アスカ「気が変わったわ。読まなくていいから」

シンジ「そ、そう……」

アスカ「ふん……本気にした私がバカみたいじゃないの……!!」

シンジ「……変なアスカだね」

レイ「そうね」

シンジ「また野菜炒め作るね」

レイ「うん」

アスカ「……」

アスカ「はぁ……」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:10:13.28 ID:OLRDmBc90

放課後

ヒカリ「アスカ、かえろ」

アスカ「ええ」

ヒカリ「ラブレター、どうしたの?」

アスカ「え?捨てたわ」

ヒカリ「やっぱり?」

アスカ「どういうこと?」

ヒカリ「いやー、今時あんな恥ずかしい手紙なんて渡せないよねー」

アスカ「……」

ヒカリ「あ……ごめん……」

アスカ「ちょっと、トイレまできて」

ヒカリ「ごめんなさい……!!あの……言いにくくて!!!ごめんなさい、アスカぁぁ―――」


シンジ「綾波。帰ろうか」

レイ「ええ」

レイ(碇くんと下校……どうしよう……)



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:15:11.69 ID:OLRDmBc90

シンジ「……」トコトコ

レイ(黙ったままでいいのかな……私は……碇くんと一緒にいれるだけで……)

シンジ「綾波」

レイ「な、なに……」ビクッ

シンジ「アイスでも……食べる?」

レイ「え……?」

シンジ「ほら、暑いし」

レイ「ええ……食べたい」

シンジ「じゃ、コンビニに行こう」

レイ「……」コクッ

シンジ「……」

レイ(碇くん……)

レイ「はぁ……」

シンジ(綾波、ため息ついてる……)

シンジ(やっぱり……迷惑だったのかな……?)



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:18:15.96 ID:OLRDmBc90

シンジ「はい」

レイ「ありがとう」

シンジ「それじゃあ、僕はこっちだから」

レイ「え……」

シンジ「また―――」

レイ「……っ」ギュッ

シンジ「え……」

レイ「……」

シンジ「……綾波……手……」

レイ「も、もうすこし……だけ……」

シンジ「……」

レイ「アイスが……無くなるまで……で、いいから……」

シンジ「迷惑じゃ……ないの?」

レイ「……」フルフル

シンジ「そ、そうなんだ……」



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:22:30.69 ID:OLRDmBc90

公園 ベンチ

レイ「……」ペロペロ

シンジ「……おいしい?」

レイ「うん……」

シンジ「……」

レイ「……」ペロペロ

シンジ「綾波……」

レイ「な、なに……?」

シンジ「えっと……その……誘って……ごめん」

レイ「どうして?」

シンジ「いや……綾波に気をつかわせたのかなって……」

レイ「私はなんとも思ってないから」

シンジ「そ、そう……なんとも思ってないんだ……」

シンジ(そうだよね……綾波は……そういう女の子だ。僕が期待しちゃっただけか……)

レイ(こういうとき……どうすればいいかわからない……)ペロペロ



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:38:36.52 ID:OLRDmBc90

レイ「……あ」

シンジ「食べ終わった?」

レイ「ええ……」

シンジ「それじゃあ、帰ろうか」

レイ「……」

シンジ「また明日ね」

レイ「ええ……」

シンジ「……」スタスタ

レイ「……」

ミーンミンミンミン……

レイ「……当たり」

レイ「……碇くん……」



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:43:48.06 ID:OLRDmBc90

自宅

レイ「ふぅ……」

レイ「私は……何がしたいのか……自分でもよくわからない……」

レイ「今のままじゃあ……エヴァに乗れないかもしれない……」

レイ「……」

レイ「碇くん……」

レイ「碇くん……碇くん……」バタバタ

レイ「うぅ……」ゴロゴロ

レイ「はぁ……」

ピリリリリ

レイ「―――もしもし?」

ミサト『レイ?元気ー?』

レイ「はい」

ミサト『今から迎えにいくから、出かける準備だけしててくれる?』

レイ「わかりました」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:47:39.50 ID:OLRDmBc90

車内

ミサト「ごめんねー」

レイ「なにかあるんですか?」

ミサト「リツコが試したいことがあるんだってさ」

レイ「そうですか」

ミサト「レイにだって用事ぐらいあるでしょうに、やめたらって言ったんだけど」

レイ「いえ。私に用事なんてありません。エヴァに乗ることぐらいしか……」

ミサト「……そう」

レイ「はい」

ミサト「シンジ」

レイ「……」ピクンッ

ミサト「―――くんとはうまくいってる?」

レイ「はい」

ミサト「そう。なら、いいんだけど」

レイ「……」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:53:34.81 ID:OLRDmBc90

レイ「初号機に?」

リツコ「一応ね。パイロットが不在の場合にどこまで動かせるのか、見ておきたいの」

レイ「……」

マヤ「初号機は一番使徒との戦闘で成果を挙げていますからね」

リツコ「やってくれる?」

レイ「わかりました」

リツコ「今はダミープラグもあるし、そういう事態はあまり想定していないのだけれどね」

レイ「着替えてきます」

リツコ「はい、これ」

レイ「これは?」

リツコ「シンジくんのプラグスーツ」

レイ「……!?」ビクッ

リツコ「どうかした?」

レイ「あの……私の、は……?」

リツコ「初号機用のプラグスーツでもあるから、是非着て欲しいの」



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 13:59:37.26 ID:OLRDmBc90

レイ「……」ゴボゴボ

レイ(碇くんの匂いがする……)

レイ「……」


マヤ「安定してますね」

リツコ「以前にもしたことがあるし……大丈夫そうね」

マヤ「ええ」


レイ「碇くん……の匂い……」

レイ「……」ハァハァ

レイ「うっ……」


マヤ「大変です!!パイロットが流血!!」

リツコ「なんですって!?」

マヤ「そんな……どうして……?!」

リツコ「実験中止!!」

マヤ「はい!!」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:05:04.78 ID:OLRDmBc90

医務室

レイ「ん……?」

ミサト「大丈夫?」

レイ「すいません……」

ミサト「体の調子は?」

レイ「もう平気です」

ゲンドウ「―――レイ」

レイ「あ……」

ゲンドウ「大丈夫か?」サワサワ

レイ「はい」

ゲンドウ「そうか……」サワサワ

レイ「あの……」

ゲンドウ「どうした?」サワサワ

レイ「触らないでください……」

ゲンドウ「……すまん。つい……」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:10:53.23 ID:OLRDmBc90

ミサト「リツコ。原因はわかったの?」

リツコ「一時的な血圧の上昇が見られたわ」

ミサト「あのレイが高血圧になったの?」

マヤ「鼻血が出た原因はそれしかありません」

リツコ「でも、どうして血圧があがったのかまでは分からないわね」

ミサト「リツコ、本気で言ってる?」

リツコ「なにが?」

ミサト「どうして血圧が上がったか。どうしてあのレイが興奮したか。わからないの?」

リツコ「ミサトにはわかるの?」

ミサト「わーかるわよ。もう肌でビンビンに感じるわね」

マヤ「それは……一体……?」

ミサト「愛よ」

リツコ「もっと具体的に」

ミサト「だーかーらー、レイはシンジくんのことが大好きだから、初号機に染み付いたシンジくんの匂いに大興奮しちゃったのよ」

リツコ「はっ。ありえないわ」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:14:45.46 ID:OLRDmBc90

ミサト「これだから理系は……」

リツコ「確証がないわね」

ミサト「む……じゃあ、確証があればいいわけ?」

リツコ「ええ」

ミサト「ふーん」

リツコ「もしもあの子にそういった揺らぎがあるのなら、今後の実験も見直さないといけない」

マヤ「ですね」

ミサト「おっけー。じゃあ、私がその確証をもってきてあげるー」

リツコ「どうするの?」

ミサト「リツコ、ちょっち手伝ってもらうわよん」

リツコ「何をする気?」

ミサト「ま、一応実験ってことだから、あんたの許可もいるでしょ?」

リツコ「……?」

ミサト「レイの引越しよ」

リツコ「まさか……」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:20:02.42 ID:OLRDmBc90

ミサトのマンション

ミサト「はい、到着」

レイ「あの……」

ミサト「今日から一週間だけだから、ね?」

レイ「でも……」

ミサト「はいった、はいったー!」

レイ「きゃ……」

ミサト(ふふ……これでレイがシンちゃんのことをどう思っているか……すぐにわかっちゃうんだから)

レイ「……」

ミサト「シンジくーん!アスカー!!」

シンジ「はーい……あ、れ……綾波?」

レイ「碇……くん……」

シンジ「あの……」

ミサト「今日から一週間、この家で預かることになった、美少女の綾波レイよ」

シンジ「えぇぇ!?」



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:27:39.79 ID:OLRDmBc90

レイ「……」モジモジ

シンジ「そ、そうなんだ……よろしく」

レイ「え、ええ……」

アスカ「なにー?―――なななな!?」

ミサト「部屋はどうする?」

レイ「え?」

ミサト「私の部屋かアスカの部屋か……シンジ」

レイ「ふぁ……」ゾクッ

ミサト「―――くんの部屋がいいか」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「まぁまぁ。レイの意思を尊重しましょうよ」

アスカ「……」

レイ「えっと……じゃあ……い、いかり―――」

アスカ「私の部屋に来なさい」

レイ「え……?」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:32:20.06 ID:OLRDmBc90

アスカ「ほら」グイッ

レイ「あ……」

シンジ「アスカ……」

アスカ(好きにさせるもんですか……!!)

ミサト「シンちゃんモテモテねー」

シンジ「え?」

ミサト「さーてと、着替えましょうか」

シンジ「あの、ミサトさん」

ミサト「なに?」

シンジ「綾波は……」

ミサト「ま、一週間だけだから」

シンジ「でも……」

ミサト「どうかしたの?」

シンジ「いえ、なんでもないです」

ミサト「そう?」



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:49:56.80 ID:OLRDmBc90

アスカの部屋

レイ「……」

アスカ「あんたはここで寝るの。いい?」

レイ「わかったわ」

アスカ「シンジの部屋に行こうとしたでしょ?」

レイ「……」

アスカ「どうして?男の部屋にいくとか、普通じゃないわよ?」

レイ「でも、一番安心できるのは碇くんの傍だから」

アスカ「安心できるですって?あんたバカァ?」

レイ「……どうして?」

アスカ「アイツは寝ている私にキスをしようとするケダモノなんだから」

レイ「……」

アスカ「一緒の部屋で寝起きを共にしてたらいつの間にか襲われて泣きを見るわよ?」

レイ「信じられないけど……」

アスカ「はっ!私はあんたの貞操を守ってやったの。感謝しなさい」



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:52:31.40 ID:OLRDmBc90

レイ「……うん」

アスカ「……」

レイ「ありがとう」

アスカ「くっ……」

レイ「ところで、私の寝る場所は……」

アスカ「え?」

レイ「ここ狭いから……」

アスカ「ちょっと片付ければいいじゃないの」

レイ「そうね……」

アスカ「こら!!勝手に触らないで!!」

レイ「……」

アスカ「ちょっと待ってて。片付けるから……」

レイ「ええ」

アスカ「えっと……」ガサガサ

アスカ「むー……」ガサガサ



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:56:01.76 ID:OLRDmBc90

アスカ「バカシンジ!!」

シンジ「なに?」

アスカ「片付けるの手伝って」

シンジ「え?」

レイ「ごめんなさい。私の寝る場所を作るには少し整理が必要みたいで」

シンジ「……」

アスカ「なにぼぉーっとしてるのよ!!」

シンジ「えっと……二人でベッドを使ったらいいんじゃないの?」

アスカ「はぁ?」

シンジ「アスカと綾波ならそのベッドで寝れるでしょ?」

アスカ「な……!?」

レイ「そうね」

アスカ「な、なんで私がこいつと一緒のベッドで寝なきゃいけないのよ!!」

シンジ「そのほうが楽だよ?」

アスカ「あんたバカァ!?」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 14:58:38.99 ID:OLRDmBc90

シンジ「でも、今日中に片付けるには時間もないし」

アスカ「ぐぬぬ……」

レイ「よろしく」

アスカ「よろしくじゃないわよ!!」

レイ「どうやら嫌われているみたいね」

アスカ「当たり前でしょ!」

レイ「碇くん」

シンジ「なに?」

レイ「碇くんの部屋で―――」

アスカ「よし!!妥協した!!」グイッ

レイ「あ―――」

アスカ「一緒に寝ましょう?」

レイ「いいの?」

アスカ「いいわよぉ?」

シンジ「よかったね、綾波」



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:02:18.33 ID:OLRDmBc90

シンジ「それじゃあ、また明日」

レイ「おやすみ」

シンジ「うん」

アスカ「……」

レイ「……」

アスカ「アンタ、いつも何時ごろに寝てるわけ?」

レイ「9時には寝ているけど……」

アスカ「はや……」

レイ「ごめんなさい」

アスカ「じゃあ……もう寝たいわけ?」

レイ「いいえ。貴女に合わせてもいい」

アスカ「ふーん。そう」

レイ「ええ」

アスカ「じゃ、私はゲームでもしとくわ」

レイ「……」



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:04:54.76 ID:OLRDmBc90

アスカ「……」ピコピコ

レイ「……」ウトウト

アスカ「ねえ……」

レイ「……なに?」

アスカ「アンタ……あのバカのこと好きなの?」

レイ「誰のこと?」

アスカ「シンジ」

レイ「……っ」ピクッ

アスカ「どうなの?」

レイ「……わからない」

アスカ「なによそれ……」

レイ「この気持ちが好きなのか……分からない」

アスカ「……なによ、優等生みたいな回答しちゃって……」

レイ「……」ウトウト

アスカ「……」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:07:18.90 ID:OLRDmBc90

レイ「……」ウトウト

アスカ「あー!!もう!!」

レイ「な、なに……!?」ビクッ

アスカ「寝るわ!!」

レイ「まだ9時30分だけど……」

アスカ「知るか!」

レイ「……?」

アスカ「電気消して!」

レイ「……」パチンッ

アスカ「横でウトウトされたら鬱陶しいのよ……」

レイ「……」モゾモゾ

アスカ「……」

レイ「ありがとう」

アスカ「ふん……」

レイ「おやすみなさい」



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:12:38.89 ID:OLRDmBc90

アスカ(もう……こんなに早く寝たことないわよ……)

アスカ(訓練して疲れてるわけでもないし……)

アスカ(羊が一匹……羊が二匹……)

レイ「ん……」モゾモゾ

アスカ「あ……?」

レイ「んー……」ギュゥゥ

アスカ「きゃぁ……」

レイ「いかりくぅん……」スリスリ

アスカ「こいつ……何幸せそうな夢を……!!」

レイ「んん……」スリスリ

アスカ「ひゃぁ……!!」

レイ「ふぅん……」モゾモゾ

アスカ「ちょ……そこは……」

レイ「んー……」スリスリ

アスカ「ぁ―――」



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:16:23.64 ID:OLRDmBc90

翌朝

レイ「うーん……」

レイ「おはよう」

アスカ「……」ブルブル

レイ「どうしたの?」

アスカ「……今日からミサトの部屋で寝て」

レイ「どうして?」

アスカ「……」

レイ「あの……」

アスカ「あんたと一緒にいたら変になりそうだから!!」

レイ「……?」

アスカ「うぅ……」

レイ「ごめんなさい……」

アスカ「もういいから……」

レイ「……」



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:20:26.96 ID:OLRDmBc90

リビング

シンジ「あ、おはよう、綾波」

レイ「う、うん……」モジモジ

ミサト「ふふーん?」

レイ「な、なんですか……?」

ミサト「シンちゃんが朝一でみれて嬉しい?」

レイ「そ、そんなこと……」

ミサト(レイも普通の女の子ね……)

シンジ「あれ?アスカは?」

レイ「もう少し寝るって」

シンジ「なんだそれ……」

レイ「あと今日は学校休むって」

ミサト「それはNGね。無理やりでもつれていって。これは命令よ」

シンジ「わかりました」

レイ「了解」



118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:24:30.72 ID:OLRDmBc90

通学路

シンジ「でも、びっくりしたよ。まさか綾波が家にくるなんて」

レイ「私も驚いてる。でも、あの……」

シンジ「なに?」

レイ「碇くんと……いれて……うれ―――」

アスカ「ちょっと」グイッ

レイ「な、なに?」

アスカ「シンジにくっつきすぎ……」

レイ「え?」

アスカ「え?じゃない」

レイ「わかったわ。どれぐらい離れていればいいの?」

アスカ「……私が間に入る」ズイッ

シンジ「ア、アスカ?」

アスカ「なによ?」

レイ「……?」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:30:14.09 ID:OLRDmBc90

学校

ヒカリ「あら?3人一緒で登校って珍しいね」

アスカ「まあね」

シンジ「綾波」

レイ「なに?」

シンジ「お弁当」

レイ「ありがとう」

アスカ「……私には?」

シンジ「はい」

アスカ「出る前に渡しなさいよ」

シンジ「別にいいだろ」

レイ「碇くん、別にお弁当ぐらいで重く感じたりしないから」

アスカ「!?」

シンジ「で、でも、ほら、かさばるし」

アスカ(そ、そんな気遣いしてたの……シンジのくせに……)



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:34:20.94 ID:OLRDmBc90

昼休み

ヒカリ「アスカ?」

アスカ「むー……」

ヒカリ「だめね……」


シンジ「どうかな?今日のお弁当」

レイ「うん。美味しい」

シンジ「よかった」

レイ「……」モグモグ

シンジ(嫌われてはないんだよね……多分……)

レイ「……あの」

シンジ「え?」

レイ「見られてると……食べにくいから……」

シンジ「あ、ご、ごめん……」


アスカ「……」ギリッ



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:37:33.91 ID:OLRDmBc90

ミサトのマンション

シンジ「ただいまー」

レイ「ただいま」

アスカ「……はぁー、今日もお勤めごくろうさまっと!」ポイッ

シンジ「アスカ。靴下は籠に入れてよ」

アスカ「入れといて」

シンジ「もう……」

レイ「待って」

シンジ「え?」

レイ「私が拾うから」

シンジ「ど、どうしたの?」

レイ「その……」

シンジ「……?」

レイ「なんとなく……」

アスカ(あいつ……)



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:41:34.90 ID:OLRDmBc90



ミサト「ぷはぁ!!!くぅー!!!!うまい!!」

シンジ「よかったですね」

ミサト「いやぁ!シンジくんの料理も最高よ!!」

アスカ「ミサト」

ミサト「なにぃ?」

アスカ「もう私の部屋でこの優等生は寝かせないから」

ミサト「どうしてぇ?」

アスカ「なんでも」

ミサト「あ、そう」

レイ「ご迷惑をおかけします」

ミサト「……シンちゃーん」

シンジ「なんですか?」

ミサト「レイのお世話、よろしくっ」

シンジ・アスカ「「はぁ!?」」



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:45:15.93 ID:OLRDmBc90

レイ「……」ビクッ

アスカ「なんでよ!!そんなのおかしいでしょ!?」

ミサト「リツコとの契約に私と同室にはしないってあるのよぉ」

アスカ「嘘ね。昨日、ミサトの部屋って選択肢があったじゃない!!」

ミサト「ちっ」

アスカ「ミサトぉ?!」

ミサト「仕事が溜まってるのよ」

アスカ「この……!!」

シンジ「あの……僕は……」

ミサト「レイと同室は嫌?」

レイ「……」

シンジ「……嫌じゃないけど」

レイ「……」ホッ

アスカ「駄目よ!!駄目駄目!!!」

ミサト「ならアスカの部屋しかないわねー。ほい、がんばって」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:48:28.51 ID:OLRDmBc90

アスカ「それも……嫌……」

シンジ「何かあったの?」

アスカ「ぐっ……」

レイ「あの……」

アスカ「分かった!!よし、シンジ!!」

シンジ「な、なに?」

アスカ「3人で寝るわよ」

シンジ「ぶっ?!」

ミサト「おほっ。そうくるか!!かぁー!!青春っていいわねー!!」

シンジ「アスカ!?」

アスカ「妥協よ!!」

シンジ「意味が分からないよ!!」

アスカ「うるさいわね!!」

シンジ「なんでそうなるんだよ!!」

レイ「あの……喧嘩はしないで……」オロオロ



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:52:01.19 ID:OLRDmBc90

シンジの部屋

シンジ「あの……本気なの?」

アスカ「変なことしたら殺す……」

レイ「碇くん……ごめんなさい」

シンジ「あ、綾波が謝ることじゃないから」

レイ「でも……」モジモジ

アスカ「ほら、もう寝るわよ」

シンジ「随分早いね」

アスカ「どっかの優等生が早寝早起きなのよ」

シンジ「そうなの?」

レイ「ええ」

シンジ「じゃあ、もう寝ようか」

レイ「いいの?」

シンジ「いいよ」

レイ「ありがとう」



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:55:08.05 ID:OLRDmBc90

シンジ「……」ドキドキ

シンジ「……」チラッ

レイ「すぅ……すぅ……」

アスカ「……」

シンジ(二人の息遣いが聞こえる……)ドキドキ

アスカ「シンジ」

シンジ「え?」

アスカ「……なんかしたら許さないから」

シンジ「し、しないよ」

アスカ「……ふん。根性なし」

シンジ「なんだよ……それ……ぇぇ!?」

アスカ「なによ?変な声だして」

シンジ「な、なんでも……ない……」

アスカ「ふん……」

シンジ「……」



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 15:58:37.84 ID:OLRDmBc90

シンジ「あ……これって……」

レイ「いかりくぅん……」ギュゥゥ

シンジ「(綾波……!!!)」

アスカ「……?」

シンジ「(まずいよ……これは……)」モゾモゾ

レイ「んぅ……」ギュゥゥ

シンジ「あ……」

シンジ「(当たってる……当たってるから……綾波……!!)」

レイ「ふふ……」スリスリ

シンジ「ひぃ……!!」ゾクゾク

アスカ「シンジ?」

シンジ「な、なにぃ?」

アスカ「どうかした?」

シンジ「な、なんでもないから……」

レイ「んー……」ギュゥゥ



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:03:12.44 ID:OLRDmBc90

シンジ「(綾波を引き離さなきゃ……!!)」ググッ

レイ「むぅぅー……」ギュゥゥ

シンジ「あぁ……」

アスカ「……なんかしてる?」

シンジ「あ、やなみが寝言言ってるだけだよ」

アスカ「あ、そう」

シンジ「(くっ……!!アスカにばれないうちに……!!)」ググッ

レイ「むー……!!」

アスカ「……おい」

シンジ「!?」

アスカ「……二人でなにしてるわけ?」

シンジ「あ、いや、綾波が寝ぼけて抱きついてきて……」

アスカ「ふーん……」

シンジ「だから……僕の所為じゃ……」

アスカ「……」ギュゥゥ



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:06:16.03 ID:OLRDmBc90

シンジ「アス―――」

アスカ「私も寝ぼけてるから」ギュゥ

シンジ「ちょっと……!?」

アスカ「すぅ……すぅ……」ギュゥ

シンジ「(アスカ……!?)」

レイ「んぅ……」スリスリ

シンジ「くぁ……!?」

アスカ「……」スリスリ

シンジ「(やめてよ!!)」

アスカ「ぐーぐー」

シンジ「(アスカぁ……!!場所変わってよ!!)」

アスカ「ぐーぐー」

シンジ「うぅ……」

レイ「いかりくん……」ギュゥゥ

シンジ「あぁ……」



148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:10:06.76 ID:OLRDmBc90

翌朝

レイ「ん……?」

アスカ「ふわぁぁ……」

レイ「おはよう」

アスカ「おはよう」

レイ「碇くんは……?」

アスカ「もう朝ごはん作ってるんじゃない?」

レイ「そう……」

アスカ「どうかした?」

レイ「え?」

アスカ「随分、顔が緩んでるけど?」

レイ「えっと……夢を見て」

アスカ「どんな?」

レイ「碇くんと……ずっと抱き合ってる夢……」モジモジ

アスカ「はい、ご馳走様ー」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:13:16.65 ID:OLRDmBc90

リビング

シンジ「……」

レイ「……」モグモグ

アスカ「……」モグモグ

ミサト「シンちゃん」

シンジ「は、はい」

ミサト「昨日なんかあった?」

シンジ「な、なにも……」

ミサト「そう」

シンジ「はい……」

アスカ「ふーん。さすがはシンジ様。あの程度じゃ、何もなかったんだぁ?」

シンジ「アスカ!?」

レイ「え……。碇くん……もしかして……」

シンジ「誤解だよ!!!」

ミサト「あらあら……ふふ……」



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:18:11.76 ID:OLRDmBc90

通学路

シンジ「綾波……なにもないから!!」

レイ「……」ススッ

アスカ「嫌われちゃったわね、シンジ」

シンジ「アスカが変なこと言うからだろ!?」

アスカ「日ごろの行いが悪いからじゃないの?」

シンジ「なんで……くそ……」

レイ「……」モジモジ

アスカ「よしよし。こんな獣にもう近づいちゃだめよ?」

レイ「……」

シンジ「アスカぁ!!」

アスカ「ふん」

シンジ「綾波、信じてよ!!なにもしてないって!!」

レイ「……」ササッ

シンジ「うぅ……」



159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:22:55.51 ID:OLRDmBc90

学校 昼休み

シンジ「あ、綾波……あの……」

レイ「……っ」ガタッ

シンジ「……」

レイ「……」

シンジ「ごめん……なんでもない……」


アスカ「くく……」

ヒカリ「なんかあったの?」

アスカ「べっつにぃ」

ヒカリ「でも、綾波さんの態度が……」

アスカ「あのヘンタイが全部悪いの」

ヒカリ「ふーん……」

アスカ「ふふ……」

ヒカリ「アスカ、なんかしたでしょ?」

アスカ「なにもしてないわよ」



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:26:25.56 ID:OLRDmBc90

ミサトのマンション

シンジ「……綾波?」

レイ「……」ササッ

ミサト「あら?どうかしたの?」

シンジ「えっと……」

ミサト「……シンちゃん?」

シンジ「なにもしてないよぉ!!!」

ミサト「そ、そう……」

レイ「……」モジモジ

ミサト「レイ?どうかしたの?」

レイ「……」

ミサト「だめね……。照れてるのはわかるけど」

レイ「……」

ミサト「レイ?でも、ちゃんと伝えないとだめよ?ただ拒絶するだけじゃ、なんの解決にもならないからね?」

レイ「……」コクッ



164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:28:42.78 ID:OLRDmBc90

アスカの部屋

アスカ「……寝ないの?」

レイ「もう少し」カキカキ

アスカ「何してるわけ?」

レイ「……」カキカキ

アスカ「ま、別にいいけど」

レイ「……」カキカキ

アスカ「今日はシンジと一緒じゃなくていいのね?」

レイ「ええ」

アスカ「ふーん」

レイ「……」カキカキ

アスカ「ふわぁぁ……」

レイ「できた」

アスカ「え?」

レイ「お手洗いに行って来るわ」トコトコ



167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:31:04.45 ID:OLRDmBc90

シンジの部屋

シンジ「綾波……」ウルウル

シンジ「僕はなにもしてないのに……」

トントン

シンジ「は、はい?」

レイ『碇くん……』

シンジ「綾波!?」

レイ『あの……ラブレター……置いとくから……』

シンジ「え!?」

レイ『そ、それじゃあ……おやすみ……』

シンジ「まって―――!!」ガラッ

シンジ「……これか」

シンジ「……」ペラッ



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:33:35.07 ID:BFM2QT5AO

なにこの二人とも可愛い感じ



170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:34:29.60 ID:OLRDmBc90

アスカの部屋

アスカ「眠い……」ウトウト

ガラッ!!

アスカ「わぁ!?」

レイ「……」パタパタ

アスカ「な、なに?」

レイ「……っ」ギュゥゥ

アスカ「な、なになに!?なんで抱きつくのよ!!」

レイ「怖い……」ギュゥゥ

アスカ「はぁ!?」

レイ「しばらく……このまま……」ギュゥゥ

アスカ「な、なにが怖いのよ……?」

レイ「自分の気持ちに気がついたから……怖いの……」

アスカ「……」

レイ「ごめんなさい……」ギュゥゥ



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:41:06.33 ID:OLRDmBc90

シンジの部屋

シンジ「……」

レイ『碇くんが私に何かしたと聞いて、すごく困ったの。もしかしたら碇くんに色々なところを触られたかもしれないって思ったから』

レイ『でも、そんなに嫌な気分にはならなかった。それはきっと碇くんだったから』

レイ『同時にすごく恥ずかしくなって、今日一日は碇くんに近づけなかった。ごめんなさい』

レイ『嫌いになったわけでも怒ったわけでないことを伝えたくて、ラブレターを書きました』

レイ『おやすみなさい』

シンジ「……」

シンジ「綾波……」

シンジ「これ……どうしたらいいんだろう……」

シンジ「……」

シンジ「いいや。嫌われてないことはわかったし」

シンジ「うん」

シンジ「もう寝よう」

シンジ「でも……誤解はとかなきゃ……よし……」



180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:43:33.52 ID:OLRDmBc90

翌朝

レイ「ん……」ゴシゴシ

レイ「……」トコトコ

シンジ「おはよう」

レイ「うっ……」

シンジ「綾波……」

レイ「お、おはよう……」モジモジ

シンジ「えっと……はい」

レイ「え?」

シンジ「ラブレター」

レイ「……!?」

シンジ「あ、後で読んで……」

レイ「……読む」

シンジ「うん……」

レイ「顔、洗ってくるから……」パタパタ



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:47:07.38 ID:OLRDmBc90

トイレ

バタン

レイ「ふー……」ドキドキ

レイ「……」ペラッ

シンジ『綾波へ。少し驚いたけど、僕は気にしてません』

シンジ『ただ、綾波ともっと喋りたい。綾波の声が聞きたいんだ』

シンジ『僕は綾波のことが好きだから』

シンジ『また、ラブレターください。待ってます。シンジより』

レイ「……」

レイ「……!?」

レイ「……っ?!」オロオロ

レイ「!?」

レイ「……!!!」ビクビク

レイ「……っ」ピクッ



186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:50:25.03 ID:OLRDmBc90

アスカ「ちょっと!!早くでてきてよー!!!」ドンドン

アスカ「朝のトイレを占領しないでー!!!」ドンドン

レイ『あ、あと五分……』

アスカ「殺す気!?」

ミサト「なんかあったの?」

シンジ「さあ……食物繊維は足りてると思うんですけど……」

ミサト「いや、便秘じゃないでしょ」

シンジ「どうしたんだろう……」

ミサト「なんかしたぁ?」

シンジ「なにもしてませんよ!!」

ミサト「ならいいけど」

アスカ「くぅぅ……!!!お願い!!ちょっとでいいから出て!!」

レイ『ごめんなさい』

アスカ「もれる……もれるからぁ……」モジモジ

レイ『もう少しだから』



195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:55:31.56 ID:OLRDmBc90

ガチャ

レイ「おまたせ」

アスカ「おそい!!!」ダダッ

バタン!!

レイ「……」

シンジ「綾波、大丈夫?」

レイ「ええ」

シンジ「えっと……体調でも悪かったりする?」

レイ「え?」

ミサト「生理かどうか気にしてるのよ」

レイ「碇くん……」

シンジ「ミサトさん!?」

ミサト「あっはっは」

レイ「安心して。生理はもうきてるから。いつでも―――」

シンジ「綾波!?」



197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 16:58:37.51 ID:OLRDmBc90

アスカ『ミサトー!!』

ミサト「なんじゃい?」

アスカ『タオルもってきて』

ミサト「……被害状況は?」

アスカ『半壊』

ミサト「了解。帰還できそう?」

アスカ『無理ね』

ミサト「おっけー」

アスカ『遊んでないでタオル!!』

ミサト「下着はー?」

アスカ『空気読んでよ!!』

レイ「碇くん」

シンジ「なに?」

レイ「はい。ラブレター」

シンジ「あはは。もう書いたんだ……ありがとう」



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:04:24.55 ID:OLRDmBc90

ミサト「はいよ」

アスカ『もうさいてー!!!!』

ミサト「臭いは消しといてね」

アスカ『わかってるわよ!!』

レイ「読んでくれる?」

シンジ「うん……」

レイ『ラブレターありがとう。今、トイレで書いてます。なにを書いていいかわからないけど、今の気持ちだけでも伝えたい』

レイ『私も碇くんのことが好き』

レイ『もしかしたらこの気持ちを伝えてしまうと、碇くんに拒絶されてしまうかもしれないと思った』

レイ『すごく怖かった。でも、今はすごく嬉しいから』

レイ『大好きって書ける』

シンジ「綾波……」

レイ「……ごめんなさい。口で言うのはどうしてもできそうにないから」

シンジ「僕と同じだね。僕も……直接は言えない……から……」

レイ「碇くん……」



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:07:41.66 ID:OLRDmBc90

アスカ「くそ……酷い目にあったわ……」ガチャ

ミサト「おつかれー」

アスカ「ふん……それもこれも全部―――」

シンジ「綾波、これいる?」

レイ「ええ」

シンジ「はい」

レイ「ありがとう」

シンジ「ふふ」

レイ「……どうして笑うの?」

シンジ「あ、ごめん……。綾波とこうしてるのが嬉しくて」

レイ「私も……嬉しい……」

シンジ「そっか」

レイ「うん」

アスカ「……なによ、あれ?」

ミサト「五馬身差ってところねー、アスカ」



209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:11:15.22 ID:OLRDmBc90

学校 昼休み

レイ「美味しい」

シンジ「ありがとう」

レイ「これ……今度、作り方教えてくれる?」

シンジ「え?」

レイ「私も碇くんに作ってあげたいから」

シンジ「うん。じゃあ、今度ね」

レイ「うん」


アスカ「……」ギリッ

ヒカリ「仲直りしたの?」

アスカ「……ヒカリ?」

ヒカリ「なに?」

アスカ「今時のラブレターってどんな感じで書くのよ?」

ヒカリ「え……」

アスカ「今度こそちゃんとしたの書きたいの……!!!」



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:15:28.44 ID:OLRDmBc90

夜 シンジの部屋

シンジ「綾波が僕のことを……」

シンジ「はぁ……」

トントン

シンジ「はい?」

レイ『い、いかりくん……』

シンジ「ど、どうぞ?」

ガラッ

レイ「……」モジモジ

シンジ「どうしたの?」

レイ「あの……今日はここでねてもいい?」

シンジ「ど、どうして……?」

レイ「あの……弐号機の人ずっと机に向かってて……居づらくて……それで……迷惑じゃなければ……」

シンジ「全然!!あ、綾波なら……」

レイ「ありがとう」



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:18:52.46 ID:OLRDmBc90

シンジ「じゃあ、電気消すね」

レイ「ええ……」

シンジ「……」パチンッ

レイ「……」

シンジ(どうしてだろう……。3人で寝たときより緊張してる……)ドキドキ

レイ「碇くん?」

シンジ「な、なに?」

レイ「あの……変なことする?」

シンジ「し、しないよ!!」

レイ「そう……」

シンジ「……え?」

レイ「おやすみ」

シンジ「う、うん……」

レイ「……すぅ……すぅ……」

シンジ(変なことしたかったのかな……?)ドキドキ



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:23:19.87 ID:OLRDmBc90

シンジ(寝れない……!!)

レイ「すぅ……すぅ……」

シンジ(綾波ってどんな状況でも眠れるんだな……)

レイ「んん……」ゴロッ

シンジ(わ……こっちに顔が……!?)

レイ「すぅ……すぅ……」

シンジ「……」ゴクリ

レイ「……」

シンジ「……」ドキドキ

レイ「……」

シンジ「んー……」

レイ「……碇くん」

シンジ「!?」ビクッ!!

レイ「キス、するの?」

シンジ「ちが……!?」



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:26:23.75 ID:OLRDmBc90

レイ「弐号機の人にもしようとしたって……」

シンジ「違う……」

レイ「……」

シンジ「あ、いや……あの……」

レイ「碇くん……」スッ

シンジ「え……」

レイ「キス……どうしたらいいの?」

シンジ「……!?」

レイ「私、よくわからないから」

シンジ「あ、の……」

レイ「してみて」

シンジ「いいの……?」

レイ「うん」

シンジ「……じゃあ」

レイ「お願い……」



234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:30:14.31 ID:OLRDmBc90

シンジ「……」ドキドキ

レイ「……」ドキドキ

シンジ「んー……」

レイ「……っ」

ガラッ

シンジ「!?」

レイ「!?」

アスカ「……シンジ?寝てる?」

シンジ「(なんで……!?アスカ……!?)」

レイ「(碇くん、抱きしめて……隠れるから)」モゾモゾ

シンジ(綾波……!!!)ギュゥ

アスカ「……」

シンジ「……」ドキドキ

アスカ「こ、これ……置いとくわ……」

アスカ「じゃあ、ね……おやすみ……」タタタッ



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:33:35.23 ID:OLRDmBc90

レイ「ぷはぁ」

シンジ「殺されるかと思った……」

レイ「何か置いていったの?」

シンジ「うん……」

レイ「なにかしら?」

シンジ「手紙だ……」

レイ「読む?」

シンジ「そうだね」

レイ「じゃあ、明かりを……」

シンジ「ありがとう……えっと」ペラッ

シンジ「……綾波、読める?」

レイ「ドイツ語はわからないわ」

シンジ「……」

レイ「……ん」

シンジ「んぐ……!?」



239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:37:18.65 ID:OLRDmBc90

アスカ「あ……!?」

アスカ「しまった……下書きのほうを置いてきちゃった……」

アスカ「ちっ……もう一回、行くか……」

アスカ「……ふー」

アスカ「……よし」

ガラッ

アスカ「……」

レイ「ん……」

シンジ「ん……ぐ!?」

レイ「んぅ……!?」

アスカ「……お邪魔しました」

ピシャッ

レイ「……」

シンジ「見られたね」

レイ「ごめんなさい……」



242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:41:12.91 ID:OLRDmBc90

翌日

ミサト「おはよ―――」

アスカ「行ってきます」スタスタ

ミサト「え?アスカ?」

シンジ「……」

レイ「……」

ミサト「あれ?まだ随分と余裕があると思うんだけど……?」

シンジ「……」

ミサト「ははーん……シンちゃん?」

シンジ「えと……」

レイ「私の所為です」

ミサト「え?」

レイ「今日で出て行きます」

ミサト「ちょっと……」

シンジ「綾波……」



247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:44:53.55 ID:OLRDmBc90

学校

アスカ「……」

レイ「あの……」

アスカ「なによ?」

レイ「今日で出て行くことにしたから……」

アスカ「あ?」

レイ「私は……」

アスカ「なんで出て行くのよ?」

レイ「だって……私が貴女を不快に……」

アスカ「ふざけないで!!」

レイ「……」

アスカ「同情なんてやめてよ」

レイ「違う」

アスカ「いいわね。そうやって高いところから見下ろす気分はどう?」

レイ「……」



250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:49:52.71 ID:OLRDmBc90

アスカ「お幸せに」

レイ「待って……」

アスカ「これ以上、私を惨めにさせる気なら……容赦しない」

レイ「……っ」

アスカ「私が家を出るわ。アンタが私の部屋を使ったら?ああ、シンジと同室のほうがいいか」

レイ「あの……」

アスカ「なによっ!!」グイッ

レイ「うっ……!?」

アスカ「くそ……」

レイ「くるしぃ……」

アスカ「人形のくせに……」

レイ「……!?」

アスカ「生意気よ!!」

レイ「ちがぅ……にんぎょうじゃ……な、ぃ……」

アスカ「……っ」



251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 17:52:52.57 ID:OLRDmBc90

レイ「……」

アスカ「……この―――」

シンジ「アスカ!!」

アスカ「……シンジ。はっ、王子様の登場ってわけ」

シンジ「これ……読んだよ」

アスカ「……え?」

シンジ「ドイツ語だったから時間掛かったけど……読んだ」

アスカ「それで?」

シンジ「……」

アスカ「私を振るんでしょ?」

シンジ「うん」

アスカ「……!?」

シンジ「ごめん、アスカ」

アスカ「ふふ……なによそれ……期待させないでよ……バカ……」

シンジ「ごめん……」



255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:00:07.30 ID:OLRDmBc90

アスカ「―――Auf Wiedersehen」

シンジ「アスカ―――!!」

アスカ「……」スタスタ

レイ「……」

シンジ「……綾波、大丈夫?」

レイ「よかったの……?」

シンジ「僕は綾波が好きだから」

レイ「でも……」

シンジ「……」

レイ「碇くんが決めたことなら……」

シンジ「アスカ……」

レイ「……」

レイ(嬉しいはずなのに……)

レイ(今は胸が痛い……)

レイ(違う……心が……痛い……?)



260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:03:21.62 ID:OLRDmBc90

ミサトのマンション

アスカ「もうここに帰ってくることはないわ」

ミサト「いいのね?」

アスカ「ええ」

ミサト「……」

アスカ「じゃあね」

ミサト「ええ」

アスカ「……!」

レイ「……」

アスカ「なによ?」

レイ「あの……これ」

アスカ「あ?」

レイ「ラブレター……書いたの」

アスカ「なんでよ?私のことが好きなの?」

レイ「そう……だと思う」



262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:06:22.59 ID:OLRDmBc90

アスカ「……いらない」

レイ「受け取って」

アスカ「いやよ」

レイ「読んで」

アスカ「しつこい!!」

レイ「……」

アスカ「わ……わかったわよ……貸して」

レイ「はい」

アスカ「……」ペラッ

レイ『友達になってください』

アスカ「……」

レイ「……」

アスカ「ふざけんてんの?」

レイ「真剣」

アスカ「……」



265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:11:16.56 ID:OLRDmBc90

アスカ「Ich verstehe nicht」

レイ「……」

アスカ「……どいて」

レイ「いや」

アスカ「どいて!!」

レイ「いや……」ギュゥゥ

アスカ「ぐぅぅ……」グググッ

レイ「いにゃぁぁ……!!!」

アスカ「こいつ……!!」

ミサト「アスカ」

アスカ「あ?」

ミサト「レイは不器用なんだから……汲んであげたら?」

アスカ「……」

レイ「……」ギュゥゥ

アスカ「あー……もう……分かったわよ……」



268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:14:37.09 ID:OLRDmBc90

シンジ「アスカ……」

アスカ「……もう少しだけいるわ」

レイ「……」ギュゥゥ

アスカ「離れて」

レイ「……」ギュゥ

アスカ「もう……」

シンジ「……アスカ」

アスカ「何よ?」

シンジ「おかえり」

アスカ「ふん……なによそれ。別に家出もしてないし」

ミサト「シンちゃん、美味しいご飯つくってね?」

シンジ「はい」

アスカ「……いいの?戻ったからには、取り返すわよ?」

レイ「うん……」ギュゥゥ

アスカ「ふん……」



271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:18:32.83 ID:OLRDmBc90

数日後

シンジ「いってきまーす」

アスカ「ほら、急いで」

レイ「うん……」テテテッ

アスカ「ほら」ギュッ

レイ「……」ギュッ

シンジ「最近、仲良いね」

アスカ「こいつが離れないのよ。夜もずっと一緒だし。一周回って可愛くなってきたわ」

レイ「貴女も拒絶しないから」

アスカ「あぁ?」

シンジ「ほら、喧嘩はなしで」

アスカ「アンタの所為で喧嘩になるのよ!!バカっ!!」

シンジ「ご、ごめん……」

レイ「碇くんのこと……私も貴女も好きだから?」

アスカ「そういうこと」



274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:24:44.61 ID:OLRDmBc90

シンジ「ごめん……」

アスカ「諦めないの?」

レイ「うん」ギュゥ

アスカ「ま、そうよね……」

シンジ「……」

アスカ「もう少しがんばってみるけど……」

レイ「がんばって」

アスカ「あんたが言うと腹立つ……」ギリギリ

レイ「いたい……いたい……」

シンジ「アスカ、綾波を苛めないでよ」

アスカ「ふん……!」

レイ「アスカ」

アスカ「な、なによ……」

レイ「貴女のことも好きだから……友達で……いたい」ギュゥゥ

アスカ「―――Danke sehr」
                     おしまい。



275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:27:04.01 ID:JNLLUnyc0

乙うううううぅぅぅっぅ



279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:28:15.28 ID:f38OYqRA0

なんというか

ぽかぽかした



280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 18:28:22.55 ID:jQuJP2QS0

おつ



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         コメント一覧 (23)

          • 1.
          • 2012年02月01日 00:39
          • 俺「……………グヘヘ……」
          • 2. 名無し
          • 2012年02月01日 01:05
          • アスカの立場辛くね?
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 01:40
          • ブヒ
          • 4. 〇
          • 2012年02月01日 02:36
          • ニャニャ…
          • 5.
          • 2012年02月01日 03:36
          • 何だこのコメ欄は…ッ!!(共振
          • 6. NAWO
          • 2012年02月01日 08:04
          • 5 いいなぁ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 08:17
          • 百合
          • 8. ななし
          • 2012年02月01日 12:20
          • 弐号機の人頑張ってー
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 15:06
          • ぽかぽかする…
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 16:42
          • レイ「……」ペロペロ
            俺「……」ペロペロ
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 19:10
          • 5 感動してボッキした
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月01日 21:38
          • 5
            いい・・・・
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月02日 07:36
          • 5 嘘だ…綺麗なドイツ語がさらっとアスカの口から出るわけ無いじゃないかッ…!
          • 14. 名無し(コネチカット州)
          • 2012年02月02日 12:59
          • シンジが料理してるという事はキャラは新劇verか……
          • 15. ななし
          • 2012年02月04日 23:03
          • 綾波が恋愛対象だと新だよね
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月11日 23:53
          • ※14
            シンジは昔から家事やってるぞ
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年02月14日 11:13
          • 2nd ring思い出した
            あれは幸せなssだからなぁ
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年03月07日 17:52
          • 5 面白かった
          • 19. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月27日 07:39
          • 今まで数百のエヴァSSを見てきたが、これは至高
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年08月01日 22:02
          • 5 何この可愛い生き物達は……
          • 21. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年09月11日 11:45
          • 5 ほっこりした(*´ω`*)
          • 22. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年06月07日 01:13
          • ドイツ語分からないのでビス子に教えてもらってきます
            SS面白かったです
          • 23. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年06月29日 01:21
          • ※13
            貞本版ならペラペラやぞ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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