同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 18:52:50.38 ID:K/cjTthi0
ゆさゆさ。ゆさゆさ
女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
男「んーぅ」
女「起きろー。起きないとHDDの電源を高速で抜き差しするぞ」
男「ごめんなさい!? まじ勘弁してくださいっ」
女「起きたか」
男「ん……。女先輩か。いま何時?」
女「2時回ったトコ。180分で起こせって言ったでしょ」
男「あー。んー。ありがと。
……あれ? 女先輩は帰んなくてイイの? 終電は?」
女「始発で帰る。処理待ちのデータ5セット溜まってるよ」
男「B夫とC次郎は?」
女「あんた寝たら速攻で帰った」
男「しゃぁねぇな、やっちまうか」
女「はいはい」
⇒社長さん!銀行員の言うことをハイハイ聞いてたらあなたの会社、潰されますよ!- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 18:56:52.46 ID:K/cjTthi0
男「んー。よっこいせ」
女「爺くさい」
男「仕方ないでしょ。もう歳だ」
女「20ちょいで生意気だ」
男「先輩にはかないません」
女「判ればいいのだ」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男:カタカタカタカタ
女「あ」
男「どした?」
女「うち、年増扱いされた?」
男「うん」
女「そうか」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「そうかで済むかーっ」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:00:26.95 ID:K/cjTthi0
男「んー。フィルタこんな感じかね」
女「回しておいて、うちチェックする」
男「はーい」
女「顔洗ってくれば? さっぱりするよ」
男「うーん」
女「どうしたの?」
男「目ヤニ掻きだして洗顔済み扱いにしてる
女に言われても説得力に欠けるな、と」
女「うちはちゃんと顔くらい洗います」
男「ぱんつは?」
女「二日間変えてません」
男「……」
女「……」
男「ちゃっちゃとすませて早く帰ろうか」
女「うん」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:03:58.29 ID:K/cjTthi0
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「なぁなぁ」
男「なんですか?」
女「なんか面白い話をして」
男「なんで?」
女「そうでもしないと眠くなる」
男「俺はもう眠い」
女「うちも負けない」
男「いや俺のほうがもっと眠い」
女「うちは界王拳なみに眠い」
男「何で張り合ってるのさ?」
女「ほら、眠いと視野狭窄にならない?」
男「なるね」
女「ポジティブに視野狭窄を楽しんでるのだ」
男「前向きだね」
女「振り返ると絶望しちゃうからだけどね」
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:07:03.55 ID:K/cjTthi0
男「ほいさっと、こっちのバグも取れた。
ついでにドキュかいといた」
女「偉いぞ」
男「ふふーん」
女「偉そうだぞ」
男「偉いからね」
女「偉くても偉そうにしないともっと偉いぞ」
男「そうか」
女「うむ、今後留意するように」
男「了解」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「二人で漫才寂しいな」
女「そだね」
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:10:50.84 ID:K/cjTthi0
女「なぁなぁ」
男「なんです?」
女「うち思ったんやけど、うちらのとこ
いわゆるブラック会社じゃ」
男「あーあーあーあーあーあーあーあ」
女「?」
男「さっぱり聞こえませんですネ」
女「聞こえないデスか」
男「聞こえません」
女「仕方ないですね」
男「人生って仕方ないです」
女「うちの人生そればっかし」
男「俺も」
女「基本クソゲー?」
男「ううん。泣きゲー」
女「まじで!?」
男「感動じゃない涙が一杯」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:15:52.73 ID:K/cjTthi0
――コンビニ
男「あーはい。すんません。暖めてください」
女店員「はい! 少々お待ちください」
男「ううう」
女「どした?」
男「なんか、高校生の店員がまぶしい」
女「なんでさ?」
男「俺は汚れた闇のイキモノだから」
女「会社に寝泊まりすると精神が卑屈になるね」
男「うぁ。ごめんなさいごめんなさい」
女「大丈夫! あんなにきらきらした高校生も不況に押されて
確実に何割かはブラック企業に来るからっ」
男「そんな日本にする片棒担いでごめんなさいごめんなさい」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:20:01.79 ID:K/cjTthi0
男「買ったー?」
女「うん、買った」
男「なんにしたの?」
女「んっと、唐揚げ弁当とプリンとカントリーマァムと
ドンタコスとまろ茶」
男「おーい」
女「んに?」
男「食い過ぎじゃないですか?」
女「なんかね。ずーっとずーっと会社に閉じこもってると
コンビニに行くのくらいが気分転換じゃない?」
男「うん」
女「すると、つい、買っちゃうって言うか……」
男「あー」
女「良くないよねー」
男「判っちゃいるんだけどね」
女「中途半端な給料も悪いよね。貯金ばんばん出来るほど
じゃないけど、コンビニで買いすぎる程度にはある、みたいな」
男「あー」
//ちとご飯食べてくる。30分くらい残ってたら一晩書く
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:30:11.77 ID:vXjQ3HVSO
ほしゅ
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:46:56.82 ID:K/cjTthi0
ただいまっす。
のろのろと始めるナリ。
dion軍なので規制されたらそこで打ち切りです予告。
- 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:50:17.95 ID:K/cjTthi0
――会社
男「たっだいまーっと」
女「返事は無し」
男「だれもいないからね」
女「電気付いてるのこのフロアだけ?」
男「うん、しかもこの部屋だけ」
女「へこむね」
男「へこむね」
女「何で正社員いないのさ?」
男「考えるなっ!」
女「なに!?」
男「考えてはいけない! そのルーチンは無限ループだ。
ブレイク処理が不完全だと電源を落とすしか無くなるぞ」
女「うっは。どんだけ甘アプリ。本当にありがとうございました」
男「ループに突っ込んで良いのは顧客だけ!」
女「いぇーわっかりました、指揮官殿!」
男「……」
女「……」
男「弁当たべよか」
女「そだね」
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:54:07.65 ID:K/cjTthi0
男「もぐもぐ」
女「もきゅもぐ」
男「んー。もぐもぐ」
女「んんー?」
男「それ、どう?」
女「唐揚げだよ。コンビニ風。そっちは?」
男「あー。混ぜご飯、コンビニ風」
女「京風じゃなかったの?」
男「京都のコンビニ風」
女「雅だね」
男「そんなわけあるかー!」
女「いいじゃんいいじゃん。わたし唐揚げなんだよ!?」
男「何で怒るのさ」
女「ピザったらどうするのっ。ただでさえ運動不足の
座りっぱなしなのにっ」
男「自分で選んだんじゃん。つか唐揚げ好きじゃん」
女「ですよねー」
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 19:58:02.32 ID:K/cjTthi0
――食後
男「でも、先輩ピザってないじゃん?」
女「いやピザってる」
男「そうなの?」
女「そうなの。こう、水面下の潜入作戦が進行中。
もう、全身ピザの兆候が」
男「わかんないけどな」
女「運動してないからね。二の腕、ぷにる」
男「どれどれ」
女「脚なんかも、ほら」ちら
男「……」
女「やばいよね? もうやばいよねっ!?」
男「えーあー」
女「?」
男(うわ、真っ白だ。……やばいやばい。徹夜続きだと
刺激耐性低下しまくるんだな~)
女「どした?」
男「いや、つまめそうだな、と」
女「死ぬか。キミ」
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:01:22.49 ID:K/cjTthi0
男「つかだね! そう簡単に見せるなよ」
女「えー。膝までも見せてないじゃん」
男「それでもなのー。慎みを持ってください、先輩」
女「ぶーぶー」
男「ぶーたれないの。ここは職場なのです」
女「リア充のくせにー」ボソリ
男「え? おれリア充なの?」
女「彼女いるんでしょ」
男「あー。振られた」
女「なんでさ?」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:05:35.76 ID:K/cjTthi0
男:カタカタカタカタ
女「……」
男:カタカタカタカタ
女「……」
男「いやだってね」(ばんばん
女「うん」
男「週に四日も会社に泊まって土日も無いような彼氏、
愛想尽きるでしょ。普通に考えて!」
女「それ以前にそんなやつ彼氏にしないかな」
男「そうか」
女「うん常識」
男「俺ニート以下?」
女「引きこもり」
男「えー、マジで?」
女「会社に引きこもり。日が暮れてから活発に動く」
男「ぐっ」
女「……別れたんだ」
- 31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:09:29.80 ID:K/cjTthi0
男「なんかサクサク進むな」
女「そういう時もあるよね」
男「あと2時間ってとこかな」
女「メールで伝票来てるな」
男「みないでBのとこ突っ込もう」
女「了解マネージャー」
男「……なんで後輩の俺がマネなんだかね」
女「さぁねー」
男「女先輩のほうが良くない?」
女「女はね。労働基準がどうとかで使いにくいでしょ」
男「ふーん。先輩ウォリアーなのにね」
女「そんなもんだよ」
男「そんなものかな」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「ウォリアーって云うな」
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:13:26.44 ID:K/cjTthi0
男「まー。こんなもん?」
女「うん。うーんっ!」
男「背中バッキバキやね」
女「うん、のびーが気持ちいい~」
男「胸揺らすなよ」
女「揺れるんだから仕方ないでしょ。萌えた?」
男「全然」
女「萌えてもいいんだよ?」
男「萎える」
女「屈辱的だっ」
男「萎えてしまう」
女「丁寧にダメだしされた!?」
男(でかくていい形なんだけど性格がなぁ)
女「まぁ、萌えとか面倒がなくて良いかぁ」
男「そういうことだね」
女「空、焼けてきたね」
男「朝焼けか」
女「いい色だよね。徹夜は嫌いだけど、
朝焼けは好きだな。特にこの薄暗いくらいの色が」
男「ふむ」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:18:31.48 ID:K/cjTthi0
女「街が殆ど無人で、夕焼けみたいな
暗い薔薇色って犯罪的でドキドキするよね」
男「言い方がやらしいな」
女「そうかな」
男「うん」
女「子供のころは目にしちゃだめな景色だったから、かな」
男「そういう意味か」
女「そういう意味ってことにしておこう」
男「あがりますか」
女「あがりましょうか」
男「戸締りOK-」
女「はーい、電気落とすよ」
男「了解」
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:22:58.81 ID:K/cjTthi0
ガチャリ
女「寒いね」
男「明け方時間は、まだ冷えるよ」
女「最近どこか遊びに行った?」
男「いやみかよ。もう2ヶ月もデスマで一緒じゃん」
女「ほーっほっほ」
男「そっちも遊んでなんか無いくせに」
女「うちは彼氏いないもーん。だから放置しないし
振られたりしないもーん」
男「くっ」
女「別れ話も切り出せないくらい忙しいのでメールしますね、
とか着信が来て! それがトラウマになったりしないもん」
男「どこからそういう情報を」
女「想像です」
男「どんだけ推理力があるんだよ」
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:26:06.63 ID:K/cjTthi0
女「始発までちょい時間あるね」
男「どうする? なんか腹に入れてく?」
女「そだね。牛丼でも」
男「ほい」
がー。がちゃんこ、がちゃんこ。
女「じゃーん! 卵とサラダつきーっ」
男「元気いいね」
女「やけくそだからね」
男「そうか。……じゃーん! おれ豚汁つき!」
女「ど、どうしたの。急に?」
男「俺も付き合ってやけくそになってみた」
女「素晴らしい」
男「自分が惨めです」
女「素晴らしいと、い、えっ」
男「つねらないで」
女「云っえっ」
男「素晴らしいです」
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:29:57.63 ID:K/cjTthi0
女「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」
女「もぐもぐ」
男「夜明け間際に会社帰りの女と牛丼屋ですよ」
女「素晴らしいよね」
男「泣きたくなるほど惨」
女「……」ちらっ
男「いえ、素晴らしいです」
女「うむ」
女「もぐもぐ」
男「もぐもぐ」
男「出はどうします?」
女「14時からにするつもり」
男「寝れて、5時間くらい?」
女「4時間くらいかな。流石に身支度もお風呂もしたい」
男「女は面倒ですね」
女「うん、面倒くさい。無駄肉あるし」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:33:56.66 ID:K/cjTthi0
女「ごちそーさまぁ♪」
男「――ごちそうさま」
女「……? どうした? 何が気になる?」
男「(ご馳走様の挨拶が子供みたい、とは云えないなぁ)
――いや女先輩は食いっぷりいいですね」
女「一日中監禁されて座り仕事だと、なんか
ストレスのはけ口が食料に向かうよね」
男「判ります」
女「泣きそうなくらい反省しているんだけどね」
男「……」ちらっ
女「いまどこを見た」
男「……いえ、何も?」
女「いまどこを見た」
男「……腹です」
女「始発から山手線とめることになるぞ」
男「申し訳有りません、上官殿っ」
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:37:03.45 ID:K/cjTthi0
女「うち、こっちだから」
男「知ってます」
女「んじゃまた今日ねー」
男「はーい、ゆっくり寝てくださいね」
女「お。プロジェクトマネージャっぽい」
男「でも遅刻はしないでね」
女「すごくそれっぽい!?」
男「あー、あっちのホームにちっさく見える」
男「……眠そうだな。表情死んでるな。
俺もそうか。目の下真っ黒だったりして」
男「ふらふらして、あぶなっかしいなぁ。
ったく、増員かけてしらみつぶしにしなきゃ
ならない時期なのに、この戦力じゃ家にも帰せないぞ」
男「当然俺も帰れないし」
男 くんくん
男「うっわ、我ながら汗臭い。最悪の気分だ」
男「もうなんつーかなー。ほんとにあれだ。
もう、辞めたいよ、まじで」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:40:11.12 ID:K/cjTthi0
――会社
男「4セット終了。中間報告あげてー」
B男「こっち3セット目かけながら例外処理を片付け中でござる」
C男「こっちも3セット目です。ちょいエラー多め~」
女「うちは後15分で4セット目終了。昨日の報告書の
とりまとめは終わってる、ヘッドクォーターにメール済み」
男「あ、俺も欲しい」
女「CCでそっちにも流した。うち出来る子」
男「さんきゅー。BとCもまずまずー。そのペースを維持して、
本件以外の雑用の手を早くするようにして」
B男「判ったでござる」
C男「あいあいさー」
男「この調子で行くと良いね」
女「願いは脆く砕け散るっ」
男「……なんで立ち姿がJoJoなの?」
女「うちが好きだから」
男「……まぁ、いいか。でも不吉なこと言うなよ」
女「不吉じゃないのだ。それがミラーワールドの常識」
男「わかんないな、なんだそりゃ」
女「つまりね」
とるるるる。とるるるる。
- 49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:43:55.98 ID:K/cjTthi0
――電話中
男「あ、はい。……いま進捗で25%ですね。週末を睨んで動いて、
来週頭に中間報告、来週末にパケる感じで。……え、はい」
ドドド
男「え?」
ドドドドド
男「いや、それは数字的に」
ドドドドドドド
男「はい、それはそうです……」
ドドドドドドドドドド
男「いや、物理的に、頭数足りて
――え? はい。相当無茶ですよ。でも……それは」
ドドドドドドドドドドドドドド
男「判りました。話して希望者で編制を進めます。増援の件、
信じてますからね。はい、はい。……お疲れ様です」
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:47:26.02 ID:K/cjTthi0
女「そして時は動き出すっ」
男「……」
女「この時の男の気持ちを以下のうちから選びなさい。
1)とんでもないことになってしまった。みんなに内緒で
自分一人でこの仕事を背負い込もう。
2)みんなはもう気力も体力も限界だ。ここは能力に満ち
あふれたリーダーである自分が一人で踏ん張るしかない
だろうな。
3)おにいちゃん、そんなに奥ばっかりこすったら
わたし癖になっちゃうよぅ」
すこん
女「ファイルでぶたれました!?」
男「ったりまえだっての!」
女「で、どなの?」
男「……んー」
女「抱え込まないでってば。マネージャだからって
一人でバトったりしてちゃ勝ち目薄いって。
修羅場の数ならうちの方が多いっての。言ってみ?」
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:51:54.72 ID:K/cjTthi0
男「現場が増える」
女「ふむ」
男「だいたい今回のと似たような手順と規模。どうも池袋の
チームがコケたっぽい」
女「あー。あそこのマネジも表情死んでたもんね」
男「四月あたりは気をつけろーって本部に言っておいたのに」
女「定番なのにね」
男「で、現場が増える。引き継ぎ書類はない」
女「まぁ、しかたないね。こっちが順調なペースだったのが
不幸中の幸いだね。ウチとBかCのどっちかをとばして
二正面作戦で行くんでしょ?」
男「えっと」
女「?」
男「現場が増えたのは、一個じゃなくて、二個」
ビキッ
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:56:24.29 ID:K/cjTthi0
女「ニコ?」
男「あっちは連鎖コケでチーム壊滅で」
女「マネジ以外も?」
男「マネジが辞めたら他の負担が増えて全員辞めた」
女「まじで?」
男「まじで。で、クライアントの都合で別件のスケジュールが
前倒しになった」
女「まじで?」
男「まじで」
女「……うわー」
男「どしたん?」
女「人間追い詰められると頭が悪くなって『まじで?』
しか言えなくなるんだねー。うち勉強になったよ!」
男「そこは感心するとこじゃないだろうっ!」
女「あはははは」
男「……」
女「あははははは」
男「あははははは」
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 20:59:29.21 ID:K/cjTthi0
B男「どうしたでござるか? 楽しそうでござるね」
男「あははは」
女「あははははは」
B男「あはははは」
C男「あはははは」
男「諸君。ただいまから当部隊は戒厳令下の戦闘に入る」
B男「――」
C男「え? え?」
女「希望者を選抜とか言う戯れ言があるけれど、
戦場には理性も法も通用しないので徴兵制で」
B男「つまり仕事が増えたのでござるか?」
C男「バックれようよ」
男「出来ません。まぁ、引き継ぎの詳しい内容とか来てないので
今日のところはちょっと早いけれど、解散で。
しばらく忙しくなるからゆっくり休んで。
んー。心配な人は着替え持ってくると良いかなー?」
B男「何で疑問系でござるか」ボソリ
女「指示にしちゃうといろいろ問題があるから」にっこり
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:02:39.17 ID:K/cjTthi0
――会社
男「んにー。……あー。もうこんな時間だな」
女「んだねー。夜ご飯とかどうする? そろそろ引き上げる?」
男「あー」
女「?」
男「今日はちょっとダイエット。先輩はそろそろあがると
良いよ~。俺は切りの良いとこまでやってくから」
女「ふぅん」
男「どしたの?」
女「いや、んだね。終電まで後1時間くらいだし、
こんなもんかなぁ」
男「ういっす! いつも遅くまでお疲れ様であります」
女「いえいえ。マネジの指示のたまものですよ」
男「またまたまた」
女「いえいえいえ」
男「んじゃ、下の給湯室だけ電気消してって」
女「あいさー」
男「また明日ねー」
女「はーい、まったねー」
- 60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:06:23.58 ID:K/cjTthi0
男「……さって、と」
男「気合い入れていくか。6台使っちゃおうかな~。
界王拳6倍? オラわくわくしてきたぞー」
男「って、作業速度はそこまであがんないけどな。朝まで
みっちりやって12セット、ってとこかなぁ……」
ガチャコンガチャコン
男「まぁ、今のうちにマージン稼いでおかないとな。
どこでトラブっか判らないし……」
男「俺らまでつぶされちゃ、たまんねっつの」
男「くそ」
男「ぼけが」
男「やらせないっての」
女「ですよねー」
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:09:48.80 ID:K/cjTthi0
男「帰ったんじゃないのかよ!?」
女「うちもお泊まり」
男「帰るって言ったでしょ。先輩」
女「うん。気が変わった」
男「……」
女「……」
男「んー」
女「うちも、こっちの6台つかっちゃおっかなー」
男「もう終電終わっちゃうよ、先輩」
女「これ」とん
男「え?」
女「差し入れだよ。時間が遅くてやっぱりコンビニご飯
なんだけどさ。プリンもあるから二人で食べよう」
男「先輩……」
女「なに?」
男「えっと……。何でもないす」
女「うむ」
- 64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:14:06.35 ID:K/cjTthi0
男「仕掛け終わりました?」
女「うん、終わってる。回ってる」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「即席にしちゃ良いフィルタ書けた感じですね。自動処理で
限界まで削り切れれば、16セットいくかな」
女「二人いるんだよ。30越えなきゃ」
男「あー」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「そもそも、この6台連結教えたのうちだよ?」
男「そうでした」
女「うむ。敬意を忘れなければよろしい」
男「感謝します、上官殿っ」
女「よきにはからえ」
男「えと」
- 66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:18:18.77 ID:K/cjTthi0
女「ん?」
男「悪いです。仕事増やして」
女「しゃぁないよ」
男「NO! お断りだ!! って言えば良いんだろうけどさ」
女「んにゃ。……断れば、男がマネジから降格されて、
もっとダメで責任感がないヤツがマネジになって
泥沼の消耗戦になって、一人も生き残れないだけだよ」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「だから男は気にしちゃダメだよ。マネジは下に
気を遣っても良いけれど、顔色をうかがっちゃ、ダメ」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「何でこのタイミングでそう言うこと言えちゃうかな」ボソリ
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「うちの才能に気がついた?」
男「わー。プリンうまーっ」
- 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:23:28.62 ID:K/cjTthi0
男「先輩も泊まりでいくの?」
女「何を今更。もう終電ないし」
男「終電切れるの待ってから会社に戻ってきたくせに」ボソリ
女「なんか言った?」
男「いえいえ」
女「うむ」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
女「どうしょっかね。編制」
男「ですねー」
女「考えてあるんでしょ?」
男「まぁ」
女「聞かせてよ」
- 68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:28:13.76 ID:K/cjTthi0
男「池袋のチームが投げ出した現場、進捗不明なんですよ」
女「誰も残ってないの? メンバー」
男「いえ、一人残ってるみたい」
女「ほほう」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「なんでも今回の現場が初めての新人で」
女「ああ。それで修羅場の意味もわからないで、
逃げなかったんだ」
男「それもあるかな」
女「ふむ」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「でも、新人なんで話も要領を得ないらしいです。こっちの
チームに臨時預かりの形になるってはなしですけれど」
女「ふむふむ」
男「女らしいんですよ」
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:31:33.78 ID:K/cjTthi0
女「あー」
男「……」
女「面倒だね」
男「はい」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「まぁ、考えても仕方ないでやりますけど。
まず、膿は出させたいので、向こうの現場は放置の予定です」
女「うっわ、思い切るね」
男「多少ヘッドクォーター脅さないと意見通らないですし」
女「ううう。あの純真な少年が黒マネジに」
男「ほっといでください」
女「褒めてるんだよ?」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「聞こえません」
女「偉いぞ」にぱ
- 72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:35:38.54 ID:K/cjTthi0
男「……。で、こっちの現場を前倒しして、急ピッチで作業
進めておきます。この場だけの話でお願いしますが」
女「任せて」
男「ここは今週中にあげる感じで」
女「全力投下で?」
男「いや、無理っしょ。本部が二班体制を強要してくると
思いますよ。B男を池袋の現場に貼り付けて、C男と俺の
どっちかがここと池袋をどっちも掛け持つ感じで」
女「自分でやるつもりでしょ?」
男「はぁ。……まぁ」
女「それ、うちがやる」
男「先輩はここの面倒を任せようかと」
女「マネジが動くとろくな事にならないよ。うちがやる。
B男の手綱とるのも、現場で切ったはったも、うちなら出来る」
男「出来るでしょうけど」
女「文句、ある?」
男「ないですけど」
女「うちの言うこと、間違ってる?」
男「間違ってないですけど」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:40:34.32 ID:K/cjTthi0
女「うち、ウォリアーだかんね」
男「ええ、まぁ」
女「……しけた顔しない」とんっ
男「結構修羅場ですからね-。それにほら」
女「?」
男(池袋チームのマネジみたいに、周囲も自分も一緒に
使いつぶすような人間にはなりたくねーんですよ、俺)
女「どしたん?」
男「あ。いえ――。1セット終わったみたいですよ?
R取っ替えますか」
女「ほいきた」
男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男「結局は流れ見ながら臨機応変にしかならないですし」
女「それはそだね」
男「出たとこ勝負で」
女「毎回それしかない業界だね」
- 75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:44:04.63 ID:K/cjTthi0
――早朝
男「……んぅ。やばーうとうとしかけた」
女「……」
男「20分くらいか。おーい先輩」
女「すぅー。……くぴぃー」
男「……まぁ、いっか。ディスク変えてマクロ仕掛けよ」
男:カタカタカタカタ
女「くぷぅー……すぅ~」
男:カタカタカタカタ
男「よいせっ」
男:カタカタカタカタ
女「む」
男:カタカタカタカタ
女「起きた」
男「起きた?」
- 77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:48:30.55 ID:K/cjTthi0
女「起きました」
男「あんまり起きてないね」
女「完全に起きた」
男「目が死んでるよ?」
女「生死と覚醒は関係ない」
男「よだれ」
女「うう」こしこし「こっちみんな」
男「ほっぺた。キーボードの跡」
女「うぅぅ」ごしごし
男:カタカタカタカタ
女「起こしてくれればいいのに」
男「ま、ね」
女「趣味わるい」
男「役得でしょ」
- 78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:51:52.03 ID:K/cjTthi0
女「へ?」
男「顔洗ってきたら?」
女「うん、いってくる」
男:カタカタカタカタ
男「寝顔があんまりマヌケだから起こす気にならなかっただけ」
男:カタカタカタカタ
男「うわ、独り言キモっ」
男:カタカタカタカタ
男「修羅場の空気は知能を低下させるね」
男:カタカタカタカタ
女「ただいまー。ごめんねー。寝ちって」
男「気にしないで」
女「どんなもん?」
男「もう、30セット越えてる」
女「悪くないね」
男「うん」
- 86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 21:59:05.59 ID:K/cjTthi0
――修羅場開始!
ピコローン♪
B男「メールが来たでござる」
女「読みたくないなー」
男「どこから?」
B男「クライアントのところの本部班から」
C男「捨てよう」
男「なんだってー?」
B男「1.0342bが動かないって」
C男「捨てよう」
男「動かないじゃ判らない。子供じゃないんだから
具体的な状況のレポート出さなきゃ話にならないってくらい
判れっての。仕事しろって。
なんで正社員のくせに仕事しねぇんだ」
C男「とりあえず捨てよう」
男「捨てちゃダメだろ!」
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:02:12.60 ID:K/cjTthi0
――30分後
ピコローン♪
B男「またメールが来たでござる」
女「読みたくない」
男「返事でしょ、読んで」
B男「納品したファイルに欠損が発見されたそうでござる」
C男「捨てよう」
男「うちの分?」
B男「池袋チームの残務だって」
女「そんな気はしてた」
男「俺も」
女「どうしよか」
男「まいるね。……んー」
B男「勘弁するでござるよこの地獄のさなかに」
C男「この会社は俺たちをハンバーガーにしようとしているよ」
男「ミンチになりそうだね、これはこれは」
女「……ん~」
- 91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:07:15.65 ID:K/cjTthi0
ぽぴっ♪
女tell>>BもCもこれ以上は負荷大きいと思う
男tell>>それはその通り
女tell>>うちが行くよ
男tell>>しゃぁない
女tell>>相談通りでしょ。うち、今日はまだHPたりてるし
男tell>>それは俺も一緒なんだけどな
女tell>>マネジは動いちゃダメ
男tell>>わかった
男tell>>ごめんなさい
男tell>>じゃなくて、お願いします
女tell>>ん。偉いぞ
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:10:40.18 ID:K/cjTthi0
男「ほいほい。んじゃね。女先輩が巣鴨へ今から移動ね。
Bもついてって。Bは現地で作業ひき次いでそのまま穴埋めね。
女先輩は事情把握して、問題なくてもこっちに
報告は定期的にあげて」
女「はーい」
B男「移動でござるか? こっちの作業も進捗なれてきたんで
ござるが、こっち平気でござるか?」
C男「この偽ニンジャも捨てよう」
男「エコを覚えろって。捨ててばっかりじゃ
環境に良くないだろ。
あーBの仕事はCに全部引き継ぎな」
C男「!?」
男「そろそろ界王拳覚えような、Cも」
C男「俺を捨てたい……」
女「準備できた。出られるよ」
男「悪いけれど、頼む。クライアント側からなんかあったら
直接俺のほうに回してもらって」
女「はいほい」
男「ほいじゃみんなでがんばろう~」
女「おー」
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:13:44.01 ID:K/cjTthi0
――14時間経過 深夜04:00
女「ってなわけで、こっちはなんとか
遅延0.5人工くらいかなー」
男「思ったほどじゃないね」
女「うち有能だからねっ」
男「うん」
女「……そこは突っ込み欲しかったり」
男「突っ込みは体力消費上経理部から禁止されてる」
女「そっちは?」
男「BとCは潰れた。さっき仮眠室いった」
女「よくあんなくさいところで寝れるなぁ」
男「俺もダメだな」
女「タバコとカップラーメンで畳みどろどろだもん」
男「もっとダメなもんも染み付いてるような」
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:16:51.58 ID:K/cjTthi0
女「こっちは全員返したよ。朝まで粘って、
09:00に引き継いでそっちに移動するよー」
男「了解。俺もそんな感じで。んでっと
例の女新人? は明日から池袋に回してもらえる
手はずになったから。新人でも以前の仕事の進み具合とか
多少は情報判ってるでしょ」
女「はーい」
男「信用して無い?」
女「うん」
男「ですよねー」
女「まぁ、その新人きたら仕切り直しかな」
男「と、いきたい」
女「どんな人?」
男「19とからしいよ。スキルシートでは有能そう」
女「へー」
男「おや無感動。セクハラ発言が足りて無いよ」
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:20:48.24 ID:K/cjTthi0
女「じゃぁ揉むか」
男「揉むんですか」
女「部族ノ掟。揉ム、命カケテ」
男「命はいきすぎでしょ」
女「揉ム、暇ツブシデ。……何トナク」
男「それは嫌がらせでしょ」
女「まぁトラブらなきゃいいよね」
男「期待は出来ないけどね」
女「まぁね」
男「女はメンドクセ」
女「誰に言ってるのよ」
男「女先輩だけど?」
女「……」
男「あれれ」
女「キミは教育が必要のようですな」
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:24:15.03 ID:K/cjTthi0
――25時間経過 朝05:00
ピピピピ。ピピピピピ。
男「うー……。んぅ……」
ピピピピ。ピピピピピ。
男「……。……むぅ」ポチっ
ピピ。……。
男「頭重いけど。起きないと……。ううう、身体痛い。
会議室はこれだからなぁ。へこむなぁ」
女「……んー。始める-?」
男「先輩、何で寝てるのっ」
女「……だって目覚まし一個しかないし。一緒の方が
便利だしさ」
男「そか」
女「……んー」
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:28:09.03 ID:K/cjTthi0
女「……。んぅ……」
男「?」
女「ぅんー」
男「どうしたの?」
女「……脳が起動中デス」
男「寝起きダメだっけね」
女「すんませんすんません」
男「いやいいけど」
女「……」
男「なに見てんの?」
女「横に人間がいる目覚めって珍しい」
男「そうだね」
女「ぅんー」
男「顔洗ってきたら」
女「うん」 もそもそ
男(や、やべーっ。朝現象ばれずに済んだっ!)
- 114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:33:04.37 ID:K/cjTthi0
女「ぅー……」
男「気合い入ってきた?」
女「もう、はいった」
男「なんだかな」
女「いやいやいや。もうね。ばっちり。うちウォリアーだから」
男「自分でウォリアーいってるじゃん」
女「汗臭くて済んません」
男「お互い様だし。別にくさくないでしょ」
女「そうかなぁ」くんくん
男「トマトジュース飲む?」
女「うん」
男「どぞ」
女「ん……。んくっ……んくっ」
男 カタカタカタカタ
女「やー。美味っ。朝からおごってもらったし。
男の朝現象も見たしっ!」
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:37:06.53 ID:K/cjTthi0
男 カタカタカタカタ
女 ニヤニヤ
男 カタカタカタカタ
女 ニヤニヤ
男 カタカタカタカタ
男「ディスク変えてもらえます?」
女「……ぅお!? 冷静な反応」
男「先輩のセクハラには鍛えられたからね」
女「まね。仕事しないとねー」
男「そうそう」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「うちの女の魅力の勝利?」
男「いやただ単に生理現象。この修羅場にそんな余裕無い」
女「ですよねー。お見苦しい物見せてすいません」
男「――いや結構お宝的な」ボソ
- 118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:41:26.26 ID:K/cjTthi0
女「?」
男「いやいやいや」
女「??」
男「気のせい。気の迷い。ここは戦場。戦場で死ぬのは
弱いヤツからじゃない。油断して警戒を怠ったヤツからだ」
女「むむ?」
男「そう。ここはジャングル。蒸し暑い熱帯雨林。地獄の
ジャングル。暗闇から現れるブロークンデータ。例外処理。
欠落した顧客情報。どこだ。原因はどこだっ」
女「ふむふむ」
男「良性のトラブルなどこの世には存在しない。どんなに軽い
トラブルでも俺たちを即死させる陰険トラップだと心得よっ」
女「おー!」
男「……」
女「落ち着いた?」
男「おけ」
女「んじゃ、今日もがんばって行きますか~」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
- 122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:45:22.81 ID:K/cjTthi0
――34時間経過 14:00
男「生きてる?」
女「生きてる、動いてる」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
C男「マネージャー。こっち終わったっす」
男「おけー。次……ん。いや、ちょい休憩しよう。
C男、悪いけどさ。コンビニでソフドリ買ってきて。
この金でさ」
C男「了解~。ふぁぁー」
ガチャン
女「気を遣うね」
男「マネジだからね」
女「今日は帰す?」
男「いや、だめ。まだ昼過ぎじゃん。休憩終わったら
17まで集中してデータの荒チェック。精査は俺に任せて
先輩とC男は池袋チームのB男のほうへ移動して
ん~。22時まで戦闘ね」
女「うわ。スパルタだ」
- 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:48:57.30 ID:K/cjTthi0
男「何とでも言って」
女「鬼軍曹だ」
男「好きに言え」
女「このロリコン。歩く性犯罪者。最悪のペドフェリア。
アダルトショップ住み込みの呼吸する大人の玩具野郎。
こっち見ないで、妊娠しちゃうっ」
男「……」
女「好きに言ってみた」
男「いや、俺ロリじゃないし?」
女「知ってるよ?」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
男「なんだかなぁ」
女「うへへ」
男「まぁ、いっかぁ」
女「うん。良いのだ」
- 129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 22:56:18.89 ID:K/cjTthi0
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「で、こっちは一人で戦線維持?」
男「うん」
女「いける?」
男「背に腹は代えられないし」
女「3-2のフォーメーションじゃダメなの?」
男「池袋の進捗報告書が気になる」
女「なんかあったの?」
男「なんもない」
女「ふーん」
男「強いて言えば違和感?」
女「どんな?」
男「判らない」
- 130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:00:12.76 ID:K/cjTthi0
女「了解」
男「およ。反対も聞き返しもしないんだ?」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「だって信頼してる」
男「信用された」
女「信用は別だけど、信頼はしてる」
男「そか」
女「見てくれば良いんでしょ。男以外が全部向こうの状況の
方が精査も本部交渉もしやすいのもあるし」
男「そうね」
女「今のペースで行けば、ぎりぎり通るけれど。いっこでも
トラブル増えると全部破綻するね」
男「そうなんだよなー。そう言うときがさ」
女「うん」
男「勝ち目が少しだけあるときの方が、負け戦より
よほど神経使うよな」
- 131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:05:16.36 ID:K/cjTthi0
――40時間経過 20:00
女からの電話……。
女「結果から言うと、大規模なトラブルだね」
男「あー」
女「ちょっとまだ規模が読めないんだけど」
男「やっぱ新人女さん?」
女「うん。見えてたん?」
男「気配は」
女「んー。変換がねー。精査分は全部ダメだね。荒チェック
レベルの出来にしかなってない。っていうか、そもそも
スキル無いね。ディスクの入れ替えレベルの雑用しか
出来てない」
男「ふむ」
女「スキルシートは埋まってるよね?」
男「そんなに当てになったことがないから」
女「まぁね……」
- 134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:08:36.45 ID:K/cjTthi0
男「池袋の連中が教育しないで放棄したって事かな?」
女「いや、なんというか」
男「……」
女「あれは、性格。かな」
男「あー」
女「女の子扱いされなきゃ気分悪くなるって言うか。
仕事の面倒くさいところ、C男に甘えてなすりつけてたみたい。
壊滅した池袋チームでも同じ事やってたね、たぶん。
だから彼女の方の進捗報告上はペースが維持されてた」
男「なるほどね」
女「今日のところは過去分のチェックと調査回っておいたけど
がつんとシめておいたほうがよかった?」
男「いや、シめないで正解。修羅場中に人減らしても仕方ない」
女「……うん」
男「納得いかない気持ちは、マネジにつけておいて」
女「うち、自分で処理できる」
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:18:28.27 ID:K/cjTthi0
男「おおむね状況は理解できました。で、先輩が見たところの
彼女の戦力評価はどんなもんです?」
女「半人工あれば上等だね」
男「あらあら」
女「あと、彼女が手をつけた仕事部分は、もう一回精査が
必要だと思う。毒が回ってるね。こちらの方が深刻かもしれない」
男「……ですね」
女「ちょっと、うち的にはかちんときてる」
男「検品前でよかったと思おう」
女「――うん」
男「で、明日からのフォーメーションですけど」
女「ん」
男「彼女は池袋から抜いてこっちに回します。先輩は明日は
池袋へ出勤。B男とC男はそのまま池袋の仕事、手をつけて
ない仕事を消化で。先輩は悪いけれど、新人女さんの手をつけた
仕事のチェックとドキュメント関連の整備をおねがいします」
女「まぁ、そうなるよねー」
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:22:08.29 ID:K/cjTthi0
男「なんかあります?」
女「いえね」
男「?」
女「ちょっと、すごいから」
男「??」
女「や。こう、栗色って言うの? 髪の毛さらさらーで
肩よりちょっと長いくらいのストレートで、春物のカーディ
ガンかなんか着ちゃったりして、もうね。ほそっこいのよ!
ウェストが! ちょっと力を込めて抱き寄せると
腕にすっぽり収まる感じ?」
男「あー」
女「胸なんか、小降りで感度良さそうなのがつんっと
上向きで、顔なんかね。子犬見たいって言うの?
甘えるみたいな黒目がちの瞳がうるっとかしちゃったりして」
男「面倒くさいですね」
女「感動のないマネジだなぁ!」
男「トラブルの種にしか聞こえません」
女「……それはそうか」
- 141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:27:25.28 ID:K/cjTthi0
男「まぁ、とにかく。明日の朝一でその娘はこっちに
回してください。後の面倒はこっちでみますから」
女「しゃぶらせたり?」
男「先輩レッド」
女「ぅぇー!? 一発退場?」
男「ええ」
女「厳しいよぅ。あ、でも修羅場抜けられてラッキー?」
男「いえ、修羅場にはまだまだ参加です。退場するのは
乙女の常識や倫理観の世界からです」
女「ちぇっ。まぁいいや。うちそこの会員権もってないし」
男「ないんだ?」
女「ないよ? ブラック会社にいるひとは人権無いよ」
男「明るく酷いこと言った!?」
女「えへへへ」
- 142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:31:59.25 ID:K/cjTthi0
――53時間経過 09:00 会社作業室
新人女「あの、おはようございます」
男「おはようございます」
新人女「女さんが、こっちへ移動するようにって」
男「新人女さんだよね? 話は聞いています。本プロジェクトの
統括とマネージャーをやっています。男です。
よろしくお願いしますね」
新人女「はい、よろしくお願いします」ぺこり
男「……」
新人女「どうされました?」
男「いや、作業割り振りをね」
新人女「はい」
男「とりあえず、このディスクは判るよね? 池袋でやってた
物と同じだから」
新人女「はい。これを読み取らせて、顧客名簿と照合するんですね」
男「いや、それはいいから、こっちの段ボールから向こうの
ダンボールに詰め替えて。これがリストで、検品しながらね」
- 144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:35:21.76 ID:K/cjTthi0
――作業中
新人女「……」
男 カタカタカタカタ
新人女「……」せっせ
男 カタカタカタカタ
新人女「あの。先輩」
男「はい?」
新人女「お昼とか……」
男「ああ、もちろん。休憩とってください」
新人女「この辺は、どこで食べれば良いんでしょう?
なにかありますか? お勧めの店、とか」
男「んー」カタカタカタ
新人女「一緒に食べませんか?」
男「……了解。行こうか」
- 146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:39:27.03 ID:K/cjTthi0
――駅前のカフェ
新人女「はい、ですね。はい」にこにこ
男「……ん。新人女さんは、おうちはどこ?」
新人女「総武線ですよ~」
男「そか。近くて良いね」
新人女「千葉ですから、田舎ですよー。わたしも、
一人暮らししたいです」
男「いや。実家が楽だよ。いろいろサービス付きだし」
新人女「そうですか?」
男「多少は慣れた?」
新人女「はい」
男「んじゃ、午後からはパソコン使おうか」
新人女「はい」にこにこ
男「嬉しそうだね」
新人女「パソコンの方が手が荒れませんから」
男「ああ。そっか。了解」
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:45:40.45 ID:K/cjTthi0
――午後
男 カタカタカタカタ
新人女 カタカ
新人女「あのぅ先輩」
男「なに?」
新人女「ここの操作なんですけれど」
男「あー。うん。……こう。で、正規表現で置換」
新人女「正規表現?」
男「えっとuni的な言い回しでワイルドカード」
新人女「ワイルドカード?」
男「ふむ」
新人女「難しいです。やって見せてもらって良いですか?」
男「見ててね」
男 カタカタカタカタ ガガガガガガガ タンッ!
男「こんな感じ」
新人女「はぁい」にっこぉ
- 154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:49:51.85 ID:K/cjTthi0
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカ
新人女「……んっと」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカ
新人女「……ぇーっと」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
男 カタカタカタカタカタ
- 157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:53:00.17 ID:K/cjTthi0
男「どうしました?」
新人女「えっと、さっきのが」
男「正規表現?」
新人女「はい」
男「判らない?」
新人女「はい」
男「そか」
新人女「もう一度やってもらって良いですか?」
男「聖闘士は一度見た技を忘れない」ボソリ
新人女「え?」
男「いや。まぁ、一括置換ってのは手早く楽するための技なんだよ。
置換する条件は判る?」
新人女「日付と顧客グループと担当地域の組み合わせですよね」
男「うん、そう」
新人女「それは判ります」
男「じゃ、ファイル先頭から、手作業で打ち直していって」
新人女「!?」
- 161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/07(火) 23:57:31.50 ID:K/cjTthi0
新人女「だって、ファイル14メガありますよ!?」
男「14メガのが1セットで12個。それが30セットでしょ?」
新人女「あ、はい……。でも、さっきのやってもらえれば、
1分くらいで」
男「大丈夫、まだまだ陽は高いから」
新人女「でも」
男「がんばろうね」にこっ
新人女「え。あの……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカ
新人女「……」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカ
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカ
- 165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:03:25.08 ID:vIdZBssS0
――61時間経過 18:00 会社作業室
男「お疲れ様」
新人女「え?」
男「もう18時だよ。上がる時間だよ。お疲れ様。
がんばったね。これ、ホットチョコね」
新人女「……ありがとうございます」
男「肩こった? どれくらいいったかな?」
新人女「えっと。…………二つ目のファイルの、
まんなかくらい、です」
男「ん……」
新人女「遅くてすいません」
男「――」
新人女「……」
男「……」
新人女「……」
男「恥ずかしい?」
- 168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:06:41.55 ID:vIdZBssS0
新人女「はい……」
男「じゃ、早くなるよ。仕事も覚える」にこっ
新人女「え?」
男「これ、あんちょこね」
新人女「あ……はい?」
男「このノートの、オレンジの枠の内側よめば、ずいぶん
仕事覚える。うちのチームの新人ガイダンスに使う資料ね。
ツールの使い方とか、コマンドの詳説とか、Tipsとか
まとめてあるから」
新人女「はい」
男「読んできて覚えろ、とは言わないけれど。
読めば確実に仕事は早く、ミスが減って、上達するよ。
『恥ずかしい気持ち』と『もっと楽をして簡単に仕事を
終わらせたい気持ち』があるなら、ちゃんと上手くなるから」
新人女「はい……」
男「じゃぁ、今日はあがってね」
新人女「でも……わたしの分」
男「新人が仕事進まないのは当たり前です。
計算済みだから心配無用。仕事をあがって、
休養して。ああ、チョコ飲んでね」
新人女「はい。――すみません」
男「また明日ね」にこっ
- 172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:08:20.23 ID:DKhXXjRQO
かっけぇ…
- 173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:08:32.39 ID:U0WGHoROO
男かっけええええええ
- 179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:10:10.54 ID:vIdZBssS0
――65時間経過 22:00 会社作業室
女「揉んだ!?」
男「入ってくるなり、第一声がそれですか。先輩」
女「柔らかかった? 処女だった?」
男「揉んだだけで判るかよ」
女「うち判るよ」
男「どんな異能力だよ!?」
女「小さい頃にね」
男「ん?」
女「泉の精霊が『指先から無限に唐揚げが出てくる能力』と
『揉んだだけで処女か非処女か判る能力』のどっちかを
あげるって言ってきて」
男「小話かよ」
女「それで後者を選んだのだ」
男「よりにもよって」
女「あれはうちの人生最大の失敗やったん。正解を選べば
唐揚げが無限に出せたのに……」
男「がっかりした顔してるよ、この人」
- 181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:14:54.43 ID:vIdZBssS0
女「で、どう? 彼女」
男「あー」
女「使い物になる?」
男「さぁ。それは神様仏様の領分だしさ。ただまぁ」
女「?」
男「ウチのチームに突っ込まれたからには、
ぬるいままのうのうと仕事をするのは無いね。
成長して一人前になるか、逃げ出すかのどっちかでしょ」
女「鬼だ!」
男「ただのマネジです」
女「型にはめたの?」
男「言葉悪いなぁ」
女「イわした? 奥歯がたがたイわしたった?」
男「えー」
女「男はけっこう紳士だからなぁ。……へたれとも言う」
男「言いたい放題言われてるなぁ。」
女「そか? 野放しにはしないでしょ?」
男「昔のあんちょこ渡して、きっちり言っておいたよ」
- 183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:18:50.79 ID:vIdZBssS0
女「ふぅん」
男「あ、信用してない?」
女「うん、信頼はしてるけど、信用はしてない」
男「結構へこむね、そう言われると」
女「まぁ、二人きり作業はちょっと心配というか」
男「なにが?」
女「何でもない。……仕事の能率はどう?」
男「新人だし、しかたないんじゃない? あのくらいは。
池袋のチームでは甘やかして放置してたんだと思うよ。
スキルは、まぁ、ないね。でも派遣のスキルシートなんて
基本は嘘八百だしね~」
女「まぁね」
男「普通レベルの仕事は出来るようになるよ。その後の
ハートの強さは、こればっかりは神様お釈迦様だ」
女「ん。ウォリアーは才能だからねっ」
男「先輩、才能あふれてるね」
女「うち褒められた?」にぱぁ
男「たぶん」
- 184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:20:29.96 ID:iDbeJF7r0
さっきも気になったが
信頼と信用って信頼のほうが上じゃないのか?
頼ると用いるだし
- 186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:22:38.98 ID:vIdZBssS0
>>184
ああ、そのうち出てくると思うけど、女の脳内では
信頼(=仕事上のこと)で、信用(=下半身や恋愛的な文脈)です。
フヒヒとか笑ってながしてくりゃれ(´∇`)
- 189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:23:36.40 ID:iDbeJF7r0
>>186
把握。がんばれー
- 191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:25:46.75 ID:vIdZBssS0
女「じゃぁ夜食食べ行こ?」
男「なんでそこで『じゃぁ』で接続?」
女「褒めるのは言葉だけでは良くない」
男「え?」
女「ラーメンをおごるべき!」
男「えぇー?」
女「ラーメン、ラーメン♪」
男「はいはい」
女「さー。柴犬にいこー。どうせ今日も泊まるんでしょ?」
男「先輩は帰ってくださいよ」
女「えー」
男「帰らないならラーメン付き合いませんよ」
女「んー。判った。マネジに従う」
男「約束ですよ」
女「ほいほい」
- 194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:28:58.94 ID:vIdZBssS0
―― 22:30 駅前ラーメン「柴犬」
男「豚骨焦がしネギ入りで」
女「うちもそれー」
男「んー。なんかパソの前を離れると、急に身体が重くなる」
女「疲れたまってるね」
男「まだいける」
女「まだいける、と思えるうちに次の手を打たないと」
男「全くですね」
女「……」
男「なんです?」
女「男は……ちょっと頑張りすぎかな?」
男「先輩に言われたくはないですね」
女「そか。えへへへ」
親父「トンコツ焦がしネギ二丁、お待ち」とんっ!
- 196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:32:29.17 ID:vIdZBssS0
男「美味いっすね……。ずずず」
女「うん、あったかー……ずず」
男「ずず……ん。……んまっ」
女「ずるずる……。香ばしさが良いね」
男「ですねぇ~」
女「ずっず……」
男「ぷはぁ。ごちそうさまっ!」
女「早っ!?」
男「あぁ。先輩はゆっくりで良いですよ。自分のペースで」
女「なんか上からの目線?」
男「考えすぎでしょ。食事ですよ」
女「速度で負けると焦るのはうちも職業病かも」
男「ゆっくりでいいすよ。食事くらい」
女「ずる……そか。……えと、男は……」
- 201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:35:56.23 ID:vIdZBssS0
男「なにさ」
女「仕事してないとき、何してる? 家で、とか」
男「寝てる」
女「うちも」
男「……」
女「……」
男「何の話?」
女「そういう話じゃなくて!」
男「どういう話?」
女「趣味とか? ですよ。ほら、リア充でしょ、男は」
男「ぇー。そんなこと言われても。んー。2chとかかなー」
女「おー、Vipper仲間だっ!」
男「びぷ?」
女「……早まった」
- 204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:40:08.05 ID:vIdZBssS0
男「まぁ、2chでレシピ聞いて、シチュー作るのは楽しいな」
女「料理好きなの?」
男「料理って言うか、シチューね」
女「なんでシチュー限定なの?」
男「シチューって時間かかるじゃない。下手すると下煮で
2時間とか言われるんだよ」
女「うん」
男「それってさ、お休みじゃないと出来ない訳じゃない?
大きな鍋をとろ火にかけてさ、ことことしながら
2時間もぼーっとする訳じゃない。
俺の中では、それってすごく贅沢って言うか、
憧れの休日の姿なんですよ」
女「ああ、うん。なんか、判った気がする」
男「そういう気分だよ」
女「うん。いいよね、ゆっくりしたお休みって」
男「まぁ、大半は疲れ切って寝ちゃって終わるんだけどね」
女「目が覚めたら日が暮れてて、建ててたお休み予定
全然出来ないとかね」
男「そうそう。あはは」
女「ははははっ」
- 215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:48:00.64 ID:vIdZBssS0
――駅前
女「駅まで送ってくれるなんてどういう風の吹き回し?」
男「送ったんじゃなくて監視に来たの」
女「ぇー」
男「そうじゃないと、また終電終わったくらいに
こっそり会社に戻ってきたりするでしょ」
女「ぶーぶー」
男「抗議したってダメ。先輩ウォリアでしょ。
体調管理も仕事のうちですよ。まったく」
女「男は泊まるくせに」
男「俺はマネジなのでいいのです」
女「一人で残業代稼ぐ気だ」
男「ちゃんとラーメンで還元したでしょ? そもそも、
どうせ上限で切られるよ。きっと」
女「それはそっか」
男「んじゃ、また明日ー」
女「男も仮眠はちゃんとね。言ったからには自分の
体調管理もしないとあかんからねー」
男「合点承知~」
- 221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:51:48.50 ID:vIdZBssS0
――修羅場74時間経過 7:30 会社作業室
新人女「おはようございますっ」
男「おはようございまーす」
新人女「早いですね。あ、もしかして泊まり、ですか?」
男「うん。あ。ごめんね、むさ苦しくて」
新人女「いえ、あの……すみません」
男「? ああ。違うよ。新人女さんのとは、別件だよ」
新人女「ほんとですか?」
男「うん、ほんとほんと。隠してもしょうがないから言うけれど、
今、たまたま三つの現場が重なっちゃってるんだ。
それでちょっと修羅場になってるの。だから新人女さんとは
関係なく忙しいんだよ」
新人女「それって、あの。池袋のこともですか?」
男「池袋のチーム解散ね」
新人女「はい」
男「そだね。そっちの現場もあるからね」
新人女「……すみません」
- 222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:55:01.46 ID:vIdZBssS0
男「入ったばっかりだもん。関係ないって」
新人女「……」
男「それに、大丈夫だよ。新人女さんは、女性だし。
今のこのキチガイ沙汰には巻き込まないようにするから、
ちゃんと定時で上がってもらえるようにするよ」
新人女「あ、はい……。でも申し訳ないです」
男「いまは、得点をたたき出せるプレイよりも、
自分のゾーン守れるディフェンスから身につけよう。
基本が大事だよ。失点無ければ、B男とかC男とか、
女先輩とか得点あげて、仕事減らしてくれるから」
新人女「はい……」
男「じゃ、今日もお願いします」
新人女「はい」
男「んじゃ、どうしようかな」
新人女「昨日の続きで良いですか?」
男「それいこか」
新人女「はい」
- 223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 00:59:08.66 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……んっと」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……32ページ」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
- 229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 01:02:56.66 ID:vIdZBssS0
新人女「あの……」
男「はい。どうしました?」
新人女「1セット、終わりました。見てください」
男「はい、了解」
新人女「……」
男 カタカタカタカタカタ
男「ん。良いみたい。引き続きどうぞ」
新人女「はい……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
新人女「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
新人女「……」
- 232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 01:06:10.63 ID:vIdZBssS0
――お昼
新人女「あの、先輩」
男「はい?」
新人女「お昼――ですけど」
男「ああ」
新人女「どうしましょう?」
男「えーっと、そんなに緊張しなくて良いよ?
話しかけても急に怒ったりはしないよ」
新人女「はい。それはそうですけど」
男「?」
新人女「お昼とか、どうされますか?」
男「んーっと(俺はカロリーメイトあっから昼食無しで
いけるけど、これはもう一日くらいは
付き合うべきなんだろうな。マネジとしては)」
男「了解。じゃ、サンドイッチ屋さんいこか。
商店街にあるんだよ。ホットサンドが美味しいよ」
新人女「はい、ありがとうございますっ」
男「いえいえ、とんでもない」
- 236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 01:10:45.39 ID:vIdZBssS0
――お昼 サンドイッチ屋
男「どう?」
新人女「綺麗だし、美味しいですね」
男「割とリーズナブルだしねー」
新人女「はい」にこっ
男「食べれないものとか、あるのかな?」
新人女「ピクルスとか、納豆とか……なまことか?」
男「サンドイッチで危険性があるのは、ピクルスくらいかな」
新人女「そうですね。チーズのは美味しいですよ」
男「ここのはどれも美味しいよ。……桜舞ってるね」
新人女「綺麗ですね~」
男「昼間に外に出るのは久しぶりなんで、
景色白くぼやけすぎだ」
新人女「忙しいのですね」
男「ぼちぼち」
新人女「……もぐもぐ」
男(食う速度、遅いな。つか、これが女性の通常速度か?)
新人女「……もぐ」
男「そういえば」
- 238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 01:15:05.41 ID:vIdZBssS0
新人女「はい?」
男「マニュアル、読んだみたいだね」
新人女「はいっ」ぱぁっ
男「仕事の速度、すごくあがったよ。午後もあのペースで
行くと良いよ。今の作業は、慣れれば早くなるし」
新人女「はいっ」にこっ
男「……。やっぱり仕事中とか緊張してる?」
新人女「いえ、はい」
男「?」
新人女「その、先輩は、張り詰めた空気ですし。マネージャー
ですし……。その……。仕事、ですし」
男「ああ……、別に怒ってる訳じゃないよ」
新人女「はい……」
男「学生時代バイト経験とかは?」
新人女「あ。それは結構あります」
- 242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 01:17:51.53 ID:vIdZBssS0
男「それでも緊張するもの?」
新人女「いろいろ親切にしてもらうことばっかりだった
気がします。わたしも甘えてばかりで……」
男(まぁ、この娘の容姿だとそうもなるのかなぁ)
新人女「……」
男(あれ? ちやほやしろって暗に言われたのか?
馬鹿いうな。ここは泣く子も気絶する地獄の
ブラック企業Aチームだぞ。釘指すかっ)
男「じゃぁ、今度は自分の守備範囲は守れるように
がんばろうね。仕事は出来るようになると楽しいよ」
新人女「はい、よろしくお願いしますっ」ぺこっ
男「あれ?」
新人女「??」
男「いや……。じゃぁ、午後は午前の続きで。」
新人女「はいっ。……あの、ペース、頑張ってあげますので」
- 292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:00:45.16 ID:vIdZBssS0
――修羅場81時間経過 17:00 会社作業室
男「はい……。40%ってとこです。はい、はい……。
それはスケジュール的に無理です」
男「現状でチーム全体の残業時間が週平均200時間
越えてるんですよ? ……ですから、200越えです。
援軍を5人よこしてなんとかですよ。2チーム分の労働です。
――はい? それは営業の方で処理してください。
これ以上は逆さに振っても無理です」
男「判りました。できあがってる分も届けるついでで。
いえ、30分くらいでつきます。はい、はい。
――お願いします。出来れば営業の担当の方も」
男「伺いますので、よろしくお願いします」
ガチャン
新人女「……」
男「あー」
新人女 ビクッ
男「そう緊張しないで。ごめんね、予定変更になった。
俺はこれからヘッドクォーターに報告と説明に行かなきゃ
ならないから、今日は切り上げよか」
新人女「あ、いえ。その」
男「ん?」
- 301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:08:29.82 ID:vIdZBssS0
新人女「わたし、定時まで」
男「あぁ。切り上げてOKだよ。一人だと、
判らないこともあるでしょ」
新人女「……あの。やっていきます。あとは、流れ作業ですし。
今忙しいのは判りますから」
男「……」
新人女「……」
男(なんにせよ、メンバーのやる気をそぐのは愚策だよな……)
男「了解。18時だったらこの事務所の人、まだ残ってるはずだから。
挨拶して、タイムカード押してあがれば平気だからね。
ヘッドクォーターは短縮#1だから、何か起きたらそっちに
電話かけて俺を呼び出してね」
新人女「わかりました」
男「では、よろしくお願いします」
新人女「はい」
男「いってきますねー」
新人女「いってらっしゃいませ」
ガチャン
- 305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:12:19.71 ID:vIdZBssS0
新人女「えっと……。がんばろ」
新人女「ファイル出して、マクロは32bで……」
新人女「……」
新人女 カタカタ
新人女「……」
新人女 カタカタ
新人女「……こう、かな」
新人女 カタカタ
新人女「……」
新人女 カタカタ
新人女「……出来た。もういっこ……」
- 308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:16:18.89 ID:vIdZBssS0
――修羅場82時間経過 18:00 会社作業室
新人女「時間、だけど……もう一個」
新人女 カタカタ
新人女「……もう一個」
ガチャ
女「やぁ、男くん! 元気に揉んでる? 吸ってる?
ま、ま、まさかそれ以上のことまで!? きゃー」
新人女「えっ? あ」
女「あ」
新人女「……」
女「……」
新人女「お、お疲れ様です」
女「お疲れ様です……って。男くんは?」
新人女「ヘッドクォーターに報告と交渉だとかで。えっと
電話がかかってきて」
女「……そか。了解。どう? こっちの仕事は慣れた?」
新人女「ちょっとだけ、はい」
- 316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:21:10.78 ID:vIdZBssS0
女「見て良いかな?」
新人女「はい、お願いします」
女 カタカタカタカタカタ
新人女「……早い」
女「?」
新人女「いえ、あの……。どうでしょう?」
女「このファイルを32bで処理してるんだよね?」
新人女「はい」
女「エラーは? 例外処理でよく止まるでしょう?」
新人女「判る分は、指示通りに処理をたいていは、元データの
入力ミスですよね?」
女「だね。住所が抜けてるとか、郵便番号の不一致とか」
新人女「それは、直して。判らない部分は部分は、こっちに。
データ番号控えて、処理待ちにしてます」
女「おけおけ」にこっ
新人女「はい?」
女「出来てるじゃん! さすが!」
新人女「良かった」にこっ
女(さすが男くんだな。……二日でここまで調教するのかぁ。
うちも今度ばかりは見誤ってたよ~。いや、恐れ入るやん)
- 319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:26:42.83 ID:vIdZBssS0
新人女「緊張しましたー」
女「そう? バックアップとってあるよ。ファイル壊れても、
ある程度は平気な状態で仕事してるでしょ?」
新人女「いえ……」
女「ん?」
新人女「マネージャーさんが」
女「男が?」
新人女「初日に、すごく冷たい顔で。……怖かったので」
女「えー!? 男が~?」
新人女「いえ。その……私が甘えていたりしたので。仕事も
出来なくて。……足手まといなので当たり前なんですけど」
女「でもそれはねー」
新人女「……」
女「新人だから当たり前やん」
新人女「いえ、でも。今、忙しいそうですし。ちゃんと状況も
説明してくれたし……それに」
女「?」
新人女「ちゃんと数えてくれたので……」
女「数?」
- 326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:30:21.36 ID:vIdZBssS0
新人女「一人前にはほど遠いんですけど、数のうちというか
戦力として数えてくれたので……」
女(この修羅場だもの。そりゃ猫の手でも借りたいよなー。
死にかけゾンビでもそこにいれば使いたおさないと)
新人女「結構バイトしてるはずなんですけれど、わたし。
ちゃんと戦力として数えてもらったのは初めてというか。
……仕事できないの、こんなに恥ずかしいとは思わなくて」
女「うん」
新人女「なんか、格好悪さに落ち込んだというか。
今までのバイト先でも、本当は笑われてたのかと思うと……。
それで、本当に落ち込んで。今日はずっとぼろを出さないように
緊張してしまって……」
女「そか」
新人女「……」
女「ん。時間だよ」
新人女「あの、はい」ちらっ
女「ん~。覚悟は判ったけれど、残業は許可できないな。
それを許可できるのはマネジの男くんだけだしね」
- 328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:33:58.67 ID:vIdZBssS0
新人女「ですよね」
女「今日は、仰山仕事した?」
新人女「え? あ、はい。手がぱんぱんです」
女「じゃラーメン行こう」
新人女「?」
女「ラーメンだよ。食べに行くんだよ、夜ご飯」
新人女「えっと」
女「判んないかなぁ。一杯頑張って仕事をした人間は
美味しいご飯を食べる権利があるんよ。
働かざる者食うべかざるという言葉は、逆に言えば
ちゃんと働いた子は、おなかいっぱい食べて良いって事なんよ」
新人女「は、はい?」
女「新人さんさ。女の子の同僚とご飯食べた経験少ないでしょ?」
新人女「はい……」
女「うちウォリアだからねっ。男くんの弟子を
もてなすのになんの否やがあろうかっ」
- 333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:38:27.42 ID:vIdZBssS0
女「さ。いくよー」
新人女「はいっ」
女「マニュアルもらった?」
新人女「はい。あれがあって助かりました」
女「あれな」
新人女「?」
女「うちと男くん――マネジでつくったんよ」
新人女「……」
女「そのころ、男もうちもまだ中堅でさ。その時のマネジは
なんかほんとーにどうしようもないヤツでさ。
仕事もしないで、新人いじめばっかりしてさ。
上に無理難題言われてるは判るけどさ。そのいらいらを下とか
新人にぶつけてさ。
それで、人が居着かないでどんどん辞めて行ってさ――」
新人女「……」
女「で、うちらが新人を守ろうって作ったマニュアルなんよ。
だからちょっと古いんだけどね~。そこは勘弁してね」
新人女「いえ。大事なことが大事なこと順に書いてあって
判りやすいです」
女「あははは。普通のマニュアルって、アルファベット順とか
開発者の書きたい順だもんね~」
- 336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:42:02.76 ID:vIdZBssS0
―― 19:00 駅前ラーメン「柴犬」
女「ここだっ」
新人女「わー」
女「ごめんねー。汚いし狭いんだけどさ。
ここらじゃね。ここのトンコツラーメンが一番美味いんよ」
新人女「はい」
女「豚骨焦がしネギ~。えーっと。一緒で良い?」
新人女「はい」
女「を、ふたつ」
親父「あいよ」ぼそっ
女「愛想もないけどね」
新人女「ですね」くすっ
女「ずっ……♪ んまー」
新人女「ず、ちゅ……」
女「どう?」
新人女「美味しいですよ?」
女「よし、合格」
新人女「?」
- 341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 02:45:25.78 ID:vIdZBssS0
―― 19:30 駅
女「んじゃ、お疲れ様!」
新人女「はい。……女さんは?」
女「あー。うちは会社にまだ用事残ってる」
新人女「はい」
女「では、また明日! 明日は池袋に出るんで
あえるかどうかは判らないけれど」
新人女「はいっ」
女「今度、一段落したら飲み会やろー!
歓迎会くらいはちゃんとするよ~」
新人女「ありがとうございます」ぱたぱた
女「……」
女「……」
女「男はあの娘と二人っきりなのかぁ……。なんかなぁ」
女「しかしっ! ウォリアはそう言うことを
感じたり思ったりしないのだっ!!」
女「邪魔なファイルはゴミ箱に捨てて消去っと」
- 469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 10:53:19.25 ID:vIdZBssS0
暇つぶしに置いておくお。全く読まなくて良い解説(1)
出向先の会社:
男達が派遣されている先の会社。業務用のアプリ開発や
データベースの作成を受注している。
お茶の水に本社(司令部/ヘッドクォーター)、
神楽坂(男+新人女がいる)と池袋(いまは、女+B+C)に
作業事務所あり。そのほか、クライアントの会社で作業をする
ことも。正直かなりブラック。
統括部、営業部、開発部、データ管理部があるが、働いている
人間の半分以上は派遣社員。社長が二代目(つまり創業者の息子)
で、どんぶり勘定+ワンマン経営。
派遣会社A:
男達が所属している会社。実はそんなにブラックじゃない。
男、女、新人女、B男、C男はここの所属。解散した池袋チーム
も他二名はここの所属だった。派遣先のブラック会社は
派遣の人件費を極端に値切っている。そのため、新人女のような
スキルの怪しい新兵を送ってごまかす対応をせざるを得なかった。
派遣会社B:
本編では全く登場しないが、背景としては結構面白い位置の
派遣会社。池袋チームのマネジはここの人間だった。
実はブラックの開発班(プログラマ)は、ほぼ全員B社の派遣。
PGに強い派遣会社なのだ。逆にデータ入力はあまりに派遣先が
派遣社員に酷い扱いをするので、人件費交渉で高い金額をふっか
けて、スタッフを引き上げた。派遣会社にも実は戦略がある。
この作戦が(男達は知るよしもないが)今回の惨劇の原因の
一つとなってしまった。
- 471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 10:57:04.96 ID:vIdZBssS0
全く読まなくて良い解説(2)
男達の業務内容:
業務用のデータベースを移行する際のデータ処理がメイン。
顧客情報をあるデータベースから別のデータ形式に変換して
再入力している。専門的な開発のスキルは必要ないけれど、
精神的タフネスが要求されるハードな仕事。
変換マクロでさくっとうまくいけば良いけれどデータに欠落が
あったりするとトラブルが発生する。そしてトラブルはほぼ確実
に毎回起きている。一つのクライアントにつきだいたい十日ほど
作業に使っている(規模により様々)
変換作業はチームで動いていて2チーム制だったが池袋チームが
つぶれたので、いまは男達のチームしか動いていない。
以前は変換作業のマネジは正社員がやっていたが、正社員にも
(作業がつらくて)不評だったために、派遣に押しつけている。
そんな事情もあって、男の立場は準正社員的に見られている。
データベースの仕様はクライアントごとに違うために、
一回の受注ごとに最適手順は違う。
そのため、営業部(クライアントから直接話を聞いてるはずで、
仕様に詳しいはず。はずってのも当てにならないけど)や
開発部(実際データベースやアプリをプログラムしている。
本当は変換マクロやツールも開発してくれるはず)と協力して
仕事を進めなくてはならない。
だが実際には、営業部(正社員中心)と開発部(技術畑)の
発言力が強く、データ管理部にしわ寄せをあつめる現状になっている。
- 475:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:20:27.00 ID:5RkigCm0O
そこまで考えて書いてるのか・・・!
かなわんな
マクロが全然使えないデータってどんなんだ?
(´・ω・`)
- 476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:29:18.84 ID:vIdZBssS0
>>475
そもそも顧客側の持ってるデータが紙媒体で
その入力(入力は在宅バイトが別経由で処理することが多い)に
不備があってぼろぼろだとか。
顧客側のデータベースが支店ごとに全部違う形式だったとか。
データ移行の際だから、顧客情報のチェックをしようとか
クライアントが言い出してダイレクトメールを顧客に出したら
3割くらい戻ってきたor変更があったとか。
いやそれ以前に開発側の作った新しいデータベースがう○こだとか。
データに問題がないのに1024件ごとに勝手にハングアップする
クソマクロを送ってよこしたとか。
この話において、男も女も開発ではないですが
簡単なマクロやツールなら書けます。
とはいえその技術は現場で独学で身につけた物。
サバイバルの産物。ユーザーインターフェースや仕様書という
意味ではダメなレベルです。
「目の前のトラブルを切り抜ける道具を自分で作る」仕事で
PGとしては非常にアンバランスなスキルを持ってるという設定。
もっとも開発班のPGは見栄えは良くても中の構造がう○こな
データベースを組み立てたりするのですが……。
本来は3倍の給料をもらっていてもおかしくない
現場の戦争豚である男と女の話です。
- 479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:32:02.36 ID:EGCNt/7DO
>>476
難しいことはようわからん
だから続きを頼む
- 486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:54:32.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場4日目 21:00 神楽坂作業室
女「ただいまー」
男 カタカタカタカタカタ
男「おかえりー。――あれ? おかえり?」
女「ラーメン食ってきた!」
男「そっか。柴犬?」
男 カタカタカタカタカタ
女「うん。ヘッドクォーター行ってきたんだって?」
男「あー。新人女さんに聞いたの?」
女「うん、そう」
男 カタカタカタカタカタ
男「……」
女「どう?」
男「んー」
男 カタカタカタカタカタ
女「いいずらい?」
男「いや」
- 488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 11:58:25.60 ID:vIdZBssS0
男「言葉を選んでる」
男 カタカタカタカタカタ
女「またまた。言葉選んでも地獄は地獄でしょー。
仕事が減る訳でもないし。お姉さんに言ってみよう」
男「ほい」
女「で? wktk」
男「まぁ、ご想像の通りだよ。残業はしないで、派遣社員を
酷使しないで、でも締め切りは延びないし、仕事は確実に
納期までにあげろってさ」
女「そか」
男「……」
女「……」
男「増員するとは言ってた。来週半ばをめどに5人増員して
もうひと班編制するつもりだって。……でもこれはね」
女「?」
男「――んー。まぁ、いっか」
女「なにさ?」
男「いや。保留。もちっと裏とる」
- 490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:01:43.45 ID:vIdZBssS0
女「現行の受注はどうなってんの?」
男「巣鴨のクライアントのは納期伸ばしてもらえるらしいね」
女「お!」
男「二日くらい」
女「意味ねーっ!」
男「無いよりはあった方が、くらいかね」
女「あ。でもでも。二日延びるんならさ。今週末に神楽坂の分
あげてさ。来週の火曜までに池袋の粗変換までかましてさ。
巣鴨の仕事がどれくらいの規模か手をつけてないから判らな
いけれど、締め切りまで10日前後はあるって事じゃない?
そんなら、なんとかなるかも?」
男「まぁ、ね」
女「んー。ノリわるいなぁ。どしたんさ?」
男(たしかに今の受注分は何とかなるんだよね。
でも、池袋チームが壊滅した今、実際の仕事処理能力は
半分になっている訳で。っていうことは会社の受注能力も
半分になってるって事だろ。――それがなぁ。
このまま、いくのか? このまま行って、良いのか?
今回の修羅場は死にものぐるいでやれば勝てるけれど
勝てば、全員体力ぼろぼろなんだぞ……。
いいのか? ここで体力使い切っちゃって平気なのか?)
- 493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:04:52.52 ID:vIdZBssS0
男「実は……」
女「うんうん」
男「女先輩が」
女「うち?」
男「トンコツ独り占めしたのが許せなくて」
女「えー!? そっちなん!?」
男 こくり
女「でもしかたないでそ。新人女さんといったんだよ」
男「あー。どうでした? あの娘」
女「びっくりしましたよ。うちは!
ネジ、まき直してあるじゃないですか。仕事になってる!」
男「まーね」
女「あのレベルなら、雑用中心で行くなら問題ないよね」
男「雑用ってのもね。女だしさ」
女「あー。そりゃそうだけど。まぁ、けなげに仕事してたよ。
自分の分はこなそうと頑張ってたね。うちびっくりしたよ!
すごいね、男の調教!」
男「調教とかエロワード禁止」
- 494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:08:51.14 ID:vIdZBssS0
女「ぶーぶー」
男「で、池袋どうなんです?」
女「あー。あっちもね。最悪の予想よりは、まだましだった」
男「ふむ」
男 カタカタカタカタカタ
女「C男がねー。思ったよりは意地見せてね」
男「ほほぅ」
女「うちも仕事しながら話そーっと」
男「どぞ」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「編制このままで、池袋3人でいくなら、来週の火曜までに
粗変換はいけると思うな。うちは」
男「それって、先輩無茶する気でしょ?」
女「リトル無茶」
男「なんですそれ?」
女「日常化した無茶のこと」
- 497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:14:09.13 ID:vIdZBssS0
男「んー。っと、それはちょっとセーブで」
女「えー?」
男「今週、来週はディフェンス進行でいきます」
女「なんでさー。このまま行けば勝てるのに」
男「まぁ、ほら。ね」
女 カタ
男 カタカタカタカタカタ
女「あ」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「うん。判った」
男「ありがたい。今週は、遅くても21時あがり徹底で。
池袋班は特に」
女「うん、判った。B男もC男にも伝えておくよー」
男「おねがいしますー」
女「でも、それならマネジの男も無茶しちゃダメだよ」
- 498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:17:37.07 ID:vIdZBssS0
男「――もちろん」
女「うっわ。微妙にラグがあったよ。今の発言」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「通信速度の遅延じゃないですか?」
女「直接対話だってば、空気振動だってば」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「……声が、おく、れて、きこ、える、よ?」
女「それは腹話術だって」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「で、なんかあるの? 男は」
男「今週は結構野暮用が多くてですね。ここ離れなきゃ
ならんのですよー」
女「どしてー?」
男「派遣事務所行ったり」
女「なんかあったの? 還付金の処理とか-?」
男「そんな感じで」
- 500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:22:13.00 ID:vIdZBssS0
男「そんなわけで。仕事の遅れは週末に取り返そうかなーとか」
女「休日出勤ですよ、来たこれ」
男「池袋も土曜は出て欲しいかなー」
女「んー。二人に言っておくけれど。二人とも土日両方覚悟
してたから問題ないと思うよ。新人女さんも?」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「いや、さすがに新人は無理でしょ。あの子根性なさそうだし」
女「そうかな」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「なんにせよ、壊しちゃったら元も子もない訳で」
女「んだね。んじゃ、あの子は土日休みで?」
男「そのつもりです」
女「じゃあさ-。ちと提案だけど」
男「はい?」
女「あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて」
男「……?」
女「見せたら、で良いから。覚えておいて。
一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で」
- 503:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:25:25.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 23:00 駅
女「やー。風、涼しいね」
男「やっとね。寒さが抜けてきた感じ」
女「家に帰れるって素晴らしいね!」
男「終電ですけどね」
女「素晴らしいって、いっえっ」
男「痛っ」
女「素晴らしいですよね?」
男「素晴らしいです」
女「今のクライアントって土日休み?」
男「らしいですよ。役所系だから」
女「んじゃ、どっちにしろ土日は状況動かないか」
男「です」
女「んじゃ、金曜ちょっと気合い入れて。土曜は飲み行こうか」
男「なんで?」
女「新人女さんのチーム参加記念」
- 504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:28:39.27 ID:vIdZBssS0
男「あー」
女「やろー」
男「必要ですか? それ。修羅場中に」
女「必要か、必要じゃないかで言えば、必要じゃない」
男「ですよね」
女「でもやろう」 男「でもやりますか」
女「……あはははは」
男「……あはははは」
女「んじゃ、そういうノリでひとつ」
男「了解です。上官殿!」
女「マネジは男でしょ」
男「でも、上官は女先輩」
女「えへへへ。偉いぞ」
男「マネジですからねっ」
女「自慢しなければもっと偉いぞ」
男「善処します」にこっ
- 506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:33:50.27 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 10:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……ん」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「セーブ、リロード……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「……これは、変則処理」
男「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
- 507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:37:43.23 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、マネージャー……さん」
男「男で良いよ」
新人女「――男さん。終わりました」
男「そか。……ん、後半、時間詰めたね」
新人女「ちょっと覚えました」
男「ん。じゃ、見るね。お茶でも飲んでて」
新人女「はい」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「んーっと、クロスチェックのマクロ走らせる。
そっちはファイルセーブして閉じて」
新人女「はい。――やっぱり、早いなぁ」ボソリ
男「?」
新人女「えと、どうですか?」
男「問題なさそうだよ」
新人女「良かった」ほっ
- 513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:40:58.47 ID:vIdZBssS0
男「じゃぁ、報告書とドキュメント書こうか」
新人女「はい」
男「メアドもらってる?」
新人女「はい、もらってます」
男「共有のとこにデキュとか書類とかはテンプレ入ってるんで」
新人女「はい」
男「今回処理したファイルのナンバリングと処理内容を
ここに書いて、この上の部分は諸元ね。日付は西暦で。
時間は24時間表記ね」
新人女「はい」
男「一回やってみせる?」
新人女「お願いし――いえ、一回自分でやります」
男「そか」
新人女 カタ
新人女「……」
新人女 カタ
新人女「…………」
- 515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:44:19.77 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男「新人女さん?」
新人女「はいっ?」かたんっ
男「いや、そんなに緊張しなくても」
新人女「はい……」
男「そろそろお昼だよ?」
新人女「えっと、はい」
男「俺はもうちょいがんばるけど。食べ行って良いからね」
新人女「外出しないんですか?」
男「電話待ちが一件あるんだよね」
- 520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:50:18.22 ID:vIdZBssS0
新人女「判りました」
男「それから」
新人女「はい?」
男「ここのキャビネットの、青いファイルね。これ」
新人女「はい」
男「これ、先月と先々月の報告書の控えなんだ。神楽坂の分
だけだけどね。うちのチームの人間が書いた分はそろってる」
新人女「はぁ」
男「午後はこれ読んで良いよ。暇を見つけて読むと良い」
新人女「はい」
男「報告書もクライアントへの質問書も提案書も入ってるから」
新人女「……?」
男「判らないよね。提案書なんて」にこっ
新人女「はい」
男「流してで良いからさ。報告書の書式とか、他の人が何を
書いてるのかとか……。興味を持てば、それだけで
仕事は覚えるよ。好奇心だけ」
新人女「はいっ」
男「では、休憩どうぞ」
新人女「はい……」
男「時間なくなっちゃうよ。良い天気だし。いってらっしゃい」
新人女「いってきます」
- 522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 12:55:43.68 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 12:15 神楽坂作業室
――電話中
男「はい。そうです……。頂いた資料には、はい」
男「はい。判りました……。御社の仕様だと、おそらく
40枚強になると思います。ええ、神奈川分ですか?」
男「御社の本拠地は四国でしたよね? あ、いえ。ネットで
拝見させていただいただけです。……はい。 はい。
千葉と、神奈川と。……ええ、判ります。
そうなると関東全域ですね?」
男「それはちょっと自分の方では判断つきかねますね。
いえ、そう言う訳ではなく。……え? はい」
男「申し訳ございません。……はい、週明けにでも営業の者に
連絡を取らせますので。はい、お手数をおかけします」
- 523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:00:33.08 ID:vIdZBssS0
男「……そう、ですか。そうなりますと、実際の移行は
夏ですね。ええ、はい。それは問題がありません。
実際のところはデータの傾向と分量を見てみないと。
そう、ですね……はい。はい」
男「私の方の連絡先ですか? こちらは神楽坂の作業事務所に
なりまして。電話番号は、はい……。メールアドレスは、
こちらから送らせていただきます」
男「いえ、こちらこそ。……ご挨拶も出来ずに申しわけありません。
円滑にプロジェクトを進めるためですので、はい。
はい? ――はい。
来週末の検品の時に、お伺いさせていただきます。
その時にご挨拶を。ありがとうございました。
――失礼します」
カチャン
男「……やっぱしなぁ。残りも発注する予定、ってか。
これは地獄じゃ、済まないなー」
- 525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:08:13.41 ID:vIdZBssS0
新人女「ただいま帰りましたー」
男「あれ、早かったね」
新人女「はい。あの男さん」
男「?」
新人女「昨日のサンドイッチなんですけど、買ってきたので」
男「あ。ごめん! 気を遣わせちゃったね」
新人女「いえ。あの、ついででしたし」
男「ごめんね。お金いくらだった」
新人女「はい。あ」
はらり
男「うわ、すごいね」
新人女「気がつきませんでした」
男「桜の花びら、一杯だ」
新人女「風ではらはら舞っていたので……」
男「そういう季節だしね」
新人女「どうぞ」
男「ありがとうございます」
新人女「紅茶で良かったですか?」
男「なんでもOKです。生き延びれるなら」
- 527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:16:03.26 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 20:00 神楽坂作業室
――電話中
女「もしもしー。きいてまーすか」
男「聞こえてますよ、先輩」
女「どうですか? 調子は」
男「普通」
女「なんだか張り合い無いですな」
男「まぁ、トラブルがなかったって事っすよ。とりあえず
今日のところは~。そっちはどう? まだB男もC男も
いるんでしょ」
女「うん、いるよー。進捗は報告書あげたー」
男「あー。メールね。見たよ。これほんと?」
女「ほんとほんと。まじまじ」
男「すごいじゃん」
女「うちがエロいマクロ書いたからね!」
男「エロいのかよっ!」
女「偉くてロマンチックでイかすマクロなのだ!!」
男「……えーっと」
- 529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:19:36.70 ID:vIdZBssS0
女「褒めて!」
男「突っ込み希望じゃなかったの?」
女「褒める希望」
男「偉いぞ!」
女「ふふーん」
男「エロイぞ!」
女「ふふふーん♪」
男「じゃ、池袋は間に合いそうなんだ」
女「この調子で行くなら、毎日家に帰っても来週火曜には行けるね」
男「ふむふむ」
女「どうする? 作戦変更する?」
男「いや、このままで」
女「ほーい」
男「あと今後、進捗は個人メアドか、電話による口頭で」
女「うっわ。ねぇねぇ。警戒段階あげてるよ! マネジが!」
B男「わー。ほんとでござるか-?」
C男「もうダメだ。捨てよう」
女「どうしたの?」
- 532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 13:23:08.47 ID:vIdZBssS0
男「その辺はまた今度で。飲み会ででも」
女「らじゃー。場所はどうしよっか?」
男「いつものあたりでいいんじゃないかな?」
女「はいはい。了解。えーっと、土曜日に仕事あげて
そっちに移動すると、それでいい?」
男「はいはい。時間は17時とかにしとこか」
女「およ。早いね」
男「宴会も早めにきりあげて、帰さないとね。
せっかくの休日だし。新人女さんには言ってある。
彼女は休日に出てくることになるけどねー」
女「残業してった?」
男「粘ってたけど、定時で帰したよ」
女「そか。……マネジの要求はきついなー」
男「なんのこと?」
女「いやいや、こっちの話」
男「じゃ、今週はそんな感じで」
女「了解。もうちょいだけ、がんばりますか!」
B男「おー!」
C男「ファイトー!」
- 566:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:01:15.93 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 13:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「週末だと仕事が進みまくるな。電話ならないし」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「……八台連結にチャレーンジっ。伝説の大技ですよ」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ。タカタンッ!
男「おお、動くぞ。転送も……いってるな。おけおけ」
男 カタカタカタカタ
ガチャ
男「?」
新人女「こんにちはー」そー
- 569:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:06:41.35 ID:vIdZBssS0
男「新人女さん。飲み会は夕方だよ? メールで場所、
行ってなかった?」
新人女「あ、いえ。それはちゃんと」
男「?」
新人女「時間がちょっと空いたので」
男「ちょっと?」
新人女「……えーと」
男「……」
新人女「……その」
男「稼いでいく?」
新人女「はいっ」
男「おけ、んじゃタイムカード押して」
新人女「判りましたっ」
- 570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:09:48.52 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「あんまり慣れちゃダメだよ」
新人女「はい?」
男「休日出勤になれると人間性が失せるよ」
新人女「あはは。男さんにそう言われましても」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「そういえばそうか」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「はい」
男「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
- 571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:13:50.96 ID:vIdZBssS0
新人女「……男さん。ファイルの46と47がないです」
男「あー。それはただ単純にないんだ。とばして48いって」
新人女「でも、バックアップにはありますよ?」
男「え?」
男 カタカタカタカタカタカタ
男「あー」
新人女「?」
男 カタカタカタカタカタカタ
男「何かあったんだな、これは。事故で消えたのかな」
新人女「え?」
男「まぁいいや。この追跡調査はこっちでするから、
新人女さんは48にいっておいて」
新人女「はい」
男 カタカタカタカタカタカタ
男「少し視界広がったみたいだね」
新人女「?」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
- 575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:17:56.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 16:30 神楽坂作業室
男「よーっし」
新人女「はいっ?」カタンっ
男「いや、緊張しないでも」
新人女「ええ、はい」
男「そろそろ撤収するよ。17時には店はいりたいし」
新人女「はい」
男「あがった?」
新人女「5つは完成してます」
男「了解。共有に放り込んでおいて」
新人女「はい」
男「じゃ、向かおう~」
新人女「判りました。あ」
男「?」
新人女「タイムカードを」
男「そだね」
がちゃこん がちゃこん
- 579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:22:00.52 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 17:00 居酒屋「デスマーチ」
女「それでは、新人女さんの歓迎会といたしましてー。
てか、花見もやってないぞこんちくしょーとしまして。
神楽坂班飲み会を開催したいと思いますー!」
B男「飲むでござる~!」
C男「丸かじり!」
新人女 にこにこっ
女「ではわれらがマネジから一言」
男「始めよう」
女「短っ! かんぱ~い!」
「「「「かんぱーい」」」」
男「わかめサラダ、誰?」
B男「拙者でござる」
女「やー。良い天気で良かったね」
新人女「そうですね」
男「引きこもり職業だから関係ないでしょ?」
C男「駄目な人の発言だ。捨てよう」
女「せっかくだから良い天気が良いでしょ。
雨降ったら桜散っちゃうし」
- 584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:27:03.29 ID:vIdZBssS0
B男「桜でござるか」
C男「食えないからな、あれ」
女「風情無いね、君たち」
男「今は風情よりも酒と食料」
新人女「あ。唐揚げ来ましたよ」
B男「美味そうでござる!」
C男「食おう、食おう!」
女「うちの唐揚げに手を出すなっ」どんっ
新人女 びくっ!?
しーん
男「食ってください、先輩」
女「唐揚げうまーい♪」
- 586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:31:11.66 ID:vIdZBssS0
女「新人女さんは、慣れた-?」
新人女「はい、すこし」
B男「神楽坂の方が環境いいでござるか?」
C男「池袋の寝袋は捨てよう」
女「あー。あの寝袋は捨てたいね」
C男「捨てるのは正義だ。捨てよう」
新人女「神楽坂の方が、駅からは近いですね」
男「それはそうかな」
女「池袋は、ちょっと治安悪い感じだよね」
新人女「そうですよね……」
男「あれ? そう?」
B男「どっちも大差ないでござろ」
C男「イラン人を捨てればよくなる」
女「君ら一般社会には不適合だよなぁ。うちはわかるで?
池袋は、一本通り横は飲み屋街と風俗街だもんね。
あれはねー。日が暮れるとおっかないんだ」
新人女「ですよね」
- 588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:34:41.12 ID:vIdZBssS0
女「ウォリアのくせにって言うな!」
男「言ってないじゃん」
女「思うな!」
男「思ってない。思ってません」
B男「『先輩は竜殺しのウォリアなのでヤクザも避けて通る』」
男「俺の心の声を偽造するなっ!」
B男「ふふふ。忍びの技でござる」
新人女「あははっ」
女「男~。本当のところはどうですか?」
男「先輩、酔ってません?」
B男「そりゃ、あのペースで3杯もいくから」
女「これしきの酒などうちの故郷では就学前の
ロリータでも水代わりに飲みますよ」
男「どこの修羅の国だよ」
女「獣を捨て、人捨て、今私は修羅となる!」
C男「それは捨てちゃダメだ。拾おう」
- 592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:40:19.15 ID:vIdZBssS0
女「男。あたしの目を見て」
男「なんで?」
女「目を見ればうち嘘をついてるかどうか判る」
男「揉めば処女かどうか判るんじゃなかったの?」
女「そうそう。でもこれは別の能力で、実は7歳の時に
臨死体験をしてね、高熱でうなされて」
C男「ダメ小話だ。捨てよう」
女「うちの目を見れないのかっ。うちと男の友情は
そんなに脆くはかない物だったのかっ」
男「ぇー。だって目なんか見たら」
B男「石化するでござる」
男「そうそう、指先がこわばって徐々に感覚がね。
ってなんでだよ!」
B男「お、恐ろしいっ! 快癒(マディ)を覚えている仲間
がいないいま、石化だけはなんとしてでも避けなければ
いけないでござるっ。拙者の抵抗では心許ないでござるっ。
暗がりから、暗がりからうなり声がっ」
男「落ち着け」
スコン
- 594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:45:25.75 ID:vIdZBssS0
新人女「あははっ」にこっ
女「飲んでる-?」
新人女「はい」
女「楽しんでる?」
新人女「はいっ。楽しいですっ」
女「良かった良かった。ごっきゅ、ごっきゅ。ぷはぁ♪」
新人女「……こくん、こくん」
B男「海草は忍びの食い物でござる。何が悪いでござるか!」
男「いや、それはそれでいいから。春巻き食えよ」
C男「ニセ忍者は早く捨てよう」
女「うちの職場は、基本的に男所帯だからさ」
新人女「はい」
女「てか、この業界、どこでも基本は男ばっかだけどね」
新人女「はい」
C男「カニ早く捨てよう。まじで捨てよう」
男「それはおかしいだろ。カニ美味いだろ?」
女「……いや、うちの男は特別に馬鹿ばっかりかな」
新人女「あははっ」
- 595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:48:32.42 ID:vIdZBssS0
女「基本、労働環境劣悪だから仕方ないけど。
それでも新人さんが『居心地悪くて』やめちゃうのはね。
それはそれで、ちょっと違うというか」
新人女「いえ、良くしてもらってます。それに定時で
上がらせてもらっちゃってますし……」
女「ああ。それは、うん。うちは基本、残業は全部自由意志だよ。
もちろん建前だけど。今はまだ仕事にそこまで慣れてないから
普通にあがっちゃって良いと思うよ」
新人女「なんだか申し訳ないです」
B男「バクゥなんてのはアッカムの二番煎じでござるよ」
C男「違うよ。全然違うよ。関係ないよ」
女「男連中は基本的にアレなんで、忙しいとか麻痺してるんだよね」
新人女「女さんもですか?」
女「うん、まぁ。うち、ウォリアーだからね」
新人女「ウォリアー?」
女「うーん。『気合い入ってる』とか『覚悟決まっている』
とかゆー感じ? まぁ、何となくで判ってよ」
- 599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:53:19.55 ID:vIdZBssS0
新人女「何となく……」
女「判った?」
新人女「はい」
女「悪い連中じゃないんで、そこはうちに免じてさ
勘弁してやってね」
新人女「いえ、そんな全然っ」わたわた
「仕事教えてもらってます。ほんと、ちゃんとしてもらって」
女「やるな。一流の調教師め」
新人女「?」
女「いえいえこっちの話」
新人女「でも、足手まといで申し訳ないです。
あの、こうゆうの、デスマーチっていうんですよね?
ネットで読みました。残業地獄とかですよね」
女「え?」 男「え?」 B男「え?」
- 604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:56:32.30 ID:77NzDAnC0
え?
- 605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 15:56:33.78 ID:vIdZBssS0
新人女「え? え? 違うんですか」
女「ちがうよー」
B男「違うでござるよ~」
男「まぁ、違うかな」
女「デスマってのはさ、こう、もっとさ。うーん。
『ギギギ』……いや。『ギギギガガガ!?』
っていう感じでさ」
B男「それでは判らないでござるよ。拙者が説明するでござる。
そう、たとえばそれはDIOS(治癒)さえも尽きた第7階層、
仲間の半数は灰(アッシュ)となり、繰返されるピットトラップ
帰還さえも望めなく、ただひたすらに化け物に襲われないこと
だけを願いながら、それでもドアを開けないと進めない。
そんな暗闇の底を這いずり回る煉獄でござる」
男「余計に判らないだろ、それじゃ。……つまりね」
女「はい」
男「今の状態は、『仕事が忙しい』状態で、デスマってのは
根本的に違うんだよ」
- 608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:00:29.72 ID:vIdZBssS0
男「デスマってのは。
……精神的な状況も含めてのデスマだからさ。
仕事が忙しい『だけ』じゃデスマにはならないんだよね。
仕事は忙しくなったり、緩やかになったりするけどさ。
基本的に永遠に続く夜はない訳。こっちにも営業があるし
クライアントにだって締め切りはあるからね。
最悪の場合でも耳と目をふさいで耐え抜けば、
何とか、その嵐の期間は過ぎるんだよ。
そのやり方は、最悪の場合の話だけどね」
新人女「……」
男「それに比べてデスマっていうのは……。
血が凍ってく感じかな。突撃しても死ぬだけで、
なんの意味もないってのが『判って』いるのに、
それでも突撃させられていくような。
くだらないって事が判ってて、価値がないって判っている。
そんなことのために大事な物を削り取られていくって言うか」
女「……」
B男「……」
C男「……」
新人女「……」
- 613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:05:10.27 ID:vIdZBssS0
男「えーっと。まぁ、そういうのは無いからっ!
『本当の』デスマーチなんて世間の人が噂し合うほど
めったにあるもんじゃないよ。たいがいはただ単純に
忙しいだけ。ちょっと残業が多いだけ。
そんなのは仕事の要領を良くしたり、手を動かすのを
早くしたりすればいいし。
最悪、残業はバックれればいいんだよ」
新人女「はぁ……」
女「うん、そうそう。うちらの班は、デスマは……。
えーっとあんまりない、かな」
B男「もう半年以上ないでござるね。男氏がマネジになってから」
C男「デスマなんて捨てよう」
女「そうそう」こくこく
男「えーっと。脅かしちゃったらごめんね?
ほんと、そういうのは、無いからさ。基本は。
うん……無いから」
新人女「はい……」
- 617:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:17:14.14 ID:vIdZBssS0
男「ちとトイレ」
B男「拙者も行くでござる」
女「あぶなっかしいなぁ。あははっ」
C男「……」
女「どした? 暗いのか? C男は表情読みにくいんだから
そうふさぎこまないで」
C男「……」ニカッ
女「笑わないでいいや」
C男「……俺はデスマしたことないみたい」
女「そだね。まだ半年弱でしょ? 良かったね」
C男「デスマ処女」
女「うん。……ごっきゅ、ごっきゅ」
C男「捨てたい」
女「えー?」
C男「今更膜つき、カコワルイ」
女「そうかなぁ」
- 624:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:22:10.23 ID:vIdZBssS0
女「あんなもん、経験無ければそれに超したこと無いと思うよ?」
C男「それじゃ一人前っぽくない。捨てたい」
女「そう言われてもなぁ」
C男「女先輩は経験済みだし」
女「あー。それがうちが非処女だという指摘ですかっ」だむだむ
C男「男の場合は童貞なので格好悪さが数倍」
女「まー。それはね」
C男「ウォリアー」
女「?」
C男「ウォリアーが良い」
女「うち? ふはははは。キミは見所あるな!」
C男「ウォリアーになりたい」
女「ってうちじゃないんかっ」
C男「……」
女「でも、そんなの時間の問題だよ。経験積めば強くなる」
C男「時間の問題じゃ、男さんに追いつかない」ボソリ
女「?」
- 628:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:28:02.45 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 19:00 居酒屋「デスマーチ」
――トイレ
ジャー
男「あの件、どーかな」
B男「了解でござる」
男「うわ、二つ返事?」
B男「拙者まだ若いですし。ニート慣れしてるでござるし」
男「さわやかに暗いことを」
B男「それに」
男「ん」
B男「暗殺ミッションは忍者の花道でござる」
男「いや、違法行為はやめようぜ」
B男「鉄砲玉は若いときしかできないでござるよ。
拙者、退屈で忙しいのなら、同じ忙しいでも楽しいのが
良いでござる」
男「まぁ、実際は流れ次第と言うことで」
B男「了解でござる」
- 631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:31:45.57 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 19:15 居酒屋「デスマーチ」
女「お疲れ様ー。会計済ましておいたよー」
B男「いくらでござるか?」
女「二千円~」
B男「安いでござる」
新人女「本当ですか?」
女「うむ。残りはマネジが払ってくれるそうだよ!」
男「え?」
B男「ごちそうさまでござる」C男「ごちそうさま」
女「ね? 新人女さんも」
新人女「あの……。ごちそうさまです」
女「ねー! マネジ。きゃーかっこいい!」
男「――はい、払わせていただきます」
- 634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 16:34:22.12 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 20:00 駅
女「では、今日は解散と言うことでっ!!」
男「うん」
女「ちょっと時間早いけれど、まぁあそぶひとは遊んで帰る。
自己責任で! でも基本は家で身体を休めた方がよいかなー」
新人女「はい」
B男「了解でござる」
C男 こく
女「新人女ちゃん、ごめんね。簡単で。仕事暇になったら
またごっつい飲み会をしましょうっ」
新人女「いえいえ」
女「では、みんな寝冷えとかしないように。
最後にマネジから一言っ!」
男「女が一緒だと何も言わなくて済むから楽だ」
女「以上。解散っ!」
「「「お疲れ様でしたーっ」」」
- 655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:21:00.79 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目、土曜 20:00 神楽坂作業室
ガチャコン
女「たっだいまー」
男「無人の事務所でただいま言うのってすごく寂しくない?」
女「うちを寂しい人間みたいに言うなっ」
男「すんません」
女「それに、神楽坂作業室久しぶりだし」
男「あー」
女「最近池袋詰めだったからね」
男「そうですな」
女「んー。暖かいうちにコーヒー飲もう」
男「そだね」
ぷしっ
女「お疲れ様」
男「いえいえ、幹事感謝」
女「うちは、だべってただけ」
- 658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:24:32.48 ID:vIdZBssS0
女「さーって、何から手をつけますか」
男「付き合わないでも良いんですよ? 女先輩は。
つか、ふつーに駅で帰っても良かったのに」
女「そうはいかんのです」
男「?」
女「いや。まぁ……最近は男と二人で仕事ってのも
少なかったし?」
男「それは、まぁ」
女「ちょっと前までは毎晩のように過ごしてたのに」
男「なんか気のせいか」
女「ふと思いだすんよ。うち、夜明けの光を一緒に見た
回数って、男が一番多いんよな……って」
男「無駄に脳が花畑な」
女「不満があるのかー!? 嬉しいと言えー」
男「ぇー」
女「いっえっ」
- 661:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:29:59.13 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
男「……」
女「えっへっへ」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「どうしたの?」
女「これですよこれ」
男「?」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「うちのタイプと綺麗にそろうタイプっていうのかな。
この速度とリズムが良いのだ」
男「良いのか?」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「たまらないです。飛んじゃいますよ」
男「……平気かな、この人」
- 663:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:34:03.92 ID:vIdZBssS0
男「ドキュ」
女「あがってる。090408_016.doc」
男「あい」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「ディスク」
男「入れ替えた」
女「㌧楠」
男 カタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタ
男「池袋の報告書どこ」
女「090403to08_ALL.doc」
男「あい」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「この地銀の件ってさ」
女「営業と統括にccメルっといた。電話で読了確認もしてある」
男「ほい」
- 666:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:38:16.68 ID:vIdZBssS0
男「……いくついった?」
女「14セット」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「う。おれ13セット」
女「ふっ」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「車田マンガの顔が黒い人みたいな笑い方を!?」
女「ゆっくり自分のペースでも良いんやない?」
男「うっわ、上からの目線」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタダダダ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「むお。ターボ!? まけん」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタダダダ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタダダダ
- 670:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:42:28.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 03:00 神楽坂作業室
女「おーい、おとこー」
男「どーしたんですかおんなせんぱい」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「なんかさー」
男「はい」
女「うち、しゃべることばがー」
男「うん」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「ひらがなになってしまった」
男「病気だ」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「ビョウキかなー」
男「不治の病だ」
- 675:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:45:52.35 ID:vIdZBssS0
女「ぐんかくが、ふもうなせんそうをもたらした」
男「先輩でしょ、先に始めたの」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「かこにこだわるな」
男「過去に学ぼうよ」
女「みらいにめをひらけ」
男「未来って言うなら計画を立てよう」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「うー。おとこがつっこみつめたい」
男「そうですか?」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「む、ちょっと休憩」
男「ほい、上官殿」
- 678:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:51:48.42 ID:vIdZBssS0
女「さてさて……」
男「?」
女「何から話そうか」
男「何を話すんですか。取り立ててなんにもないような」
女「むー」
男「?」
女「まぁ、そうなんだけど。うちウォリアーだから……」
男「はい。そうですね」
女「そこは否定するところでしょ」
男「そうなの? 難しいな」
女「まぁ、別段気にしないけどね」
男「うん」
女「なんかこー。隠してない?」
男「またまた」
女「いや、隠してるね。うちには判る」
男「男の乳揉むと心読めるんですか?」
女「それはないけど」
- 680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:55:33.95 ID:vIdZBssS0
女「さぁ白状するのだ」
男「えー」
女「……」
男「……」
女「しゃぁないなぁ……。無理に聞かないけどさ」
男「感謝ですよ。ああそうだ」
女「?」
男「申し出があったら断ってくれた方が良いと思います。
まぁ、どうせ断ると思うんですけど」
女「なにそれ?」
男「いや、その場になったら判るんで」
女「今判りたいなー」
- 683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 17:59:15.46 ID:vIdZBssS0
女「では、次の白状のコーナーです!」
男「ぇ。まだあんの?」
女「新人女さんはどうですか」
男「あー。何とか一週間持ちましたね」
女「処女ですか?」
男「そんなん判る訳ねぇ」
女「そうかな?」
男「そんなのどうやれば判るんだよ」
女「ねぇ、キミ、処女? って聞く」
男「……」
女「……」
男「先輩、俺のこと虐めてません?」
女「まぁ、うちと男の仲だしっ」ぽむっ
男「戦友ですしねー」
女「うん、それ」
- 684:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 18:04:08.71 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、土曜 04:00 神楽坂作業室
男「んじゃ、自分仮眠します」
女「会議室?」
男「ええ」
女「あそこの床、痛くない?」
男「だって仮眠室のどろどろ畳いやですし」
女「だよねー」
男「段ボール二枚重ねて引けば割と大丈夫」
女「自分の発言のわびしさに自覚を持とう」
男「自覚と自信を持って言っています。いろいろ実験した結果
段ボールがもっともコストパフォーマンスが優秀」
女「自覚を持ってる分、わびしさがパワーアップした!?」
男「まぁ、明日も一日引きこもり仕事の予定なんで」
女「んー」
男「先輩も無理しないでくださいねー」
女「はいはーい」
- 688:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 18:07:54.56 ID:vIdZBssS0
――会議室
男「……段ボール。に、ま、いっと」
男「タオルケットだけは持ってきて正解だな……ふわぁ」
男「……睡魔きびしー。もーのーみそシュークリームだよ」
男「ふわふわで、考えるの……だるすぎ……」
女「ちょっとそっち向いとってー」
男「はーい」
女「ん。……んぅ……しょっと」
男「……なにしてんです?」
女「着替え。しわになると困る」
男「そっかー」
女「あせもになるし」
- 693:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 18:11:19.37 ID:vIdZBssS0
男「……んにぃー」
女「よっし。……かんせー」
男「うわ、ジャージだ。女先輩似合いすぎ」
女「天王寺第三女バスの聖衣や」
男「……なんで着替えたんです?」
女「うちもねる」
男「そか」
女「うん」
男「……」
女「……」
男「そう言う訳にはいかないでしょ」むくっ
女「ええやん? べつに……ふわぁ。あぁ~」
男「だから」
女「別に問題ないしょ」
- 702:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 18:14:57.22 ID:vIdZBssS0
男「問題ないの?」
女「それともうちの胸にときめいた?」
男「全然」
女「年頃の健康な男子だもん。ときめいてもいいよ?」
男「萎えた」
女「屈辱的だっ」
男「萎えてしまった」
女「丁寧に報告された!?」
男「萎え萎えデスよ。そんなの」
女「じゃ、問題も起きないでしょ。うち、もう、頭重い」
男「それは俺もですけど」
女「そっち、つめて」
男「……えーっと」
女「考えるの、おっくう」もぞもぞ
男「うん」
女「……すぅ」
男「……」
- 707:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 18:18:55.78 ID:vIdZBssS0
男「――」
女「……んっぅん」くて
男「――」
女「……くすぅ~」
男「――」
女「……んぅー。おっかないオーラ出すな」
男「そんなこと言われても」
女「寝れるよ……」
男「この状況で無茶なことを」
女「……頭重くて、ふわふわしょ?」
男「まぁ」
女「だいじょぶ……」
男「人が近くにいると眠れないです」
女「……すぅ……うちを信用すれば、だいじょぶ」
……くぅー……すぅぅ
男「……もう。……敵わないなぁ」
- 783:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:07:42.61 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 8:00 神楽坂作業室
男「……すぅ。……んぅ……」
女「――」
男「……くふぅ~。んぅ」
女「――」ちょん
男「……すぅ」
女「――」にこっ
男「すうぅ……。ん……。んぅ……」
女「――」
男「むぅ……」ぼー
女「起きた?」
男「……んぅ」ぼー
女「偉いぞ」ぽむっ「顔洗ってくる」
かちゃん……とてて
男「……」ぼー
- 789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:12:43.87 ID:vIdZBssS0
男「……んー」
男「寝れちゃったの、か……」
男「絶対無理だと思ってたんだけどな……。そか」
男「良かったような、悪かったような。すげー微妙な
気持ちになるのが割り切れないというか」
男「起きよ」むくっ
男「お。なんか身体、軽い。かも
――よっぽど熟睡できたのかな。うわーかっこわるっ
人前で寝たりして。気まずい~」
偉いぞ ぽむっ
男「じゃないでそ」つっこみ
男「エアつっこみっ。キモっ!!」
男「ファイル消去、と」
- 792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:17:56.93 ID:vIdZBssS0
男「おはようございます」
女「おひゃよーぐもぐ、もぐ」
男「えーっと」
女「さっきコンビニいってきたん。男の分もあるよ?
パンだけど」
男「ええ、ありがとうございます」
女「いえいえ。今日も頑張ろう~。んぐ、もぎゅ」
ジャージ+ひっつめ+眼鏡
食パン+唐揚げ+マヨ
男「……これ相手に安心して寝顔さらしたのか」
女「?」
男「鬱だ」
女「もぐ?」
男「……なんか納得いかねぇぇ」
女「おお! 戦闘力が上がった!
男くん、燃えてるね!」
- 795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:22:25.88 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 9:00 神楽坂作業室
女「日曜は良いねー。電話も鳴らない。緊急メールも来ない」
男「はかどりますねー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「毎日こうなら良いのにね」
男「変な突っ込みもなく、無茶注文もなく」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「太陽はさんさんと」
男「風はそよそよと」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
- 799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:25:34.80 ID:vIdZBssS0
女「街には家族ずれと恋人達が」
男「手を握りあって映画に行ったりショッピングをしたり」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「たまの休日をゆったりと過ごす」
男「シチューなんかつくっちゃって」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「素晴らしい日曜日」
男「おめでとう祝日」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「呪われてしまえ」
男「まったくです」
- 802:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:29:34.53 ID:vIdZBssS0
女「んー。男~。うちがフィルタ書く? 巣鴨形式の」
男「どうしますかね。見ました?」
女「斜め見してる」
男「どうです」
女「これ、データが相対っぽい作りなの?」
男「ですね」
女「んで、更新を何回やっても、全部履歴残すと。
更新のデータも全部そのまま移植?」
男「そうです」
女「ものすごくやっかいな作りじゃない?」
男「同意」
女「バグ出ても発見に時間かかりそう」
男「その通り」
女「量にもよるけれど、少なければ人海戦術の方が
確実で早いかなぁ」
男「んー」
- 805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:33:44.96 ID:vIdZBssS0
男「そいつはとりあえず放置で。俺がなんか書きますよ」
女「そうする?」
男「お任せあれ」
女「頼んだー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「代わりにうちからの贈り物ー!」
男「唐揚げですか?」
女「そうそう。こう、指先から無限に唐揚げがね。
ぽぽぽぽぽ、って出てくるかーっ!」
男「じゃ、なに?」
女「池袋のチームの、報告書とか進捗書類~」
男「あれ? 無かったって言ってなかったっけ?
本部からはそう聞いてるんだけど」
女「HDDの奥の方に、ころがってた」
男「あー」
女「バックアップじゃないかな」
- 811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:37:30.22 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「……」
女「~♪」
男 カタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「…――」
女「~♪」
女 カタカタカタカタカタカタ
男「――」
女「……男?」
男「はい?」
女「おっかないオーラ出てるよ?」
男「昨日も言ってましたね」
女「まぁね。新人女ちゃんが、マネジは張り詰めた顔してて
怖いときがあるってゆってた。笑い飛ばしておいたけど
確かに、怖いオーラ出すようになったねー」
男「自覚ないんだけどな」
- 814:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:41:41.04 ID:vIdZBssS0
女「やっかいなファイルだったね」
男「見たんですよね?」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「うん」
男「やっぱ池袋チームの方が、酷い状況だったんだ」
女「うちらより人数多かったのにね」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「あそこはマネージャー、半年で四回も変わりましたしね」
女「端から見てても時間の問題って言う部分も、
なきにしもあらずかなー」
男「営業部と、かなりもめてたみたいですね」
女「……うん」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「ものすごい嫌がらせ受けてる」
女「同じ会社なのにね」
男「社員と派遣じゃ、違うんでしょ」
女「……」
- 815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:47:40.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 16:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
男「むーん」ぼきぼき
女「うわ、背中なってるよ」
男「鳴りもします」
女「うちもー」ぱきゅ
男「ぷくース。変な音」
女「むー、見てろー」
男「?」
女「いっせーのっ――」
ベギュッ
男「お、おい、すげぇ音しましたよ先輩?」
女「あ゛」
男「あ?」
女「あ゛あ゛あ゛あ゛っ」
男「だ、大丈夫?」
女「痛い~」
- 819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:51:10.42 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 17:00 神楽坂作業室
女「酷い目にあいましたよ」
男「自業自得だ」
女「むぅ」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「そっちは今、何作業ー?」
男「指示書。作業指示とか」
女「うち? ってか池袋?」
男「それもあるし、新人女さんの分も」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「なんでまた。口頭でいいじゃない?」
男「いや、文面指示書も慣れておかんとねー」
女「そうかな。二度手間な気もする」
男「まぁまぁ、無駄じゃないって」
- 822:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 21:55:06.63 ID:vIdZBssS0
男「明日さー。B男をこっちもらって良い?」
女「こっち、人手いる?」
男「午後からくらいで良いんだけど。
もちろん、池袋側の作業進捗のめどが立ってれば、
っていう条件だけどさ。
なんだかんだで忍者、手は動かすでしょ?」
女「うん、組んで判ったけど。結構仕事できるよね」
男「テンションの上下が激しいのが弱点なんだよ。あいつ」
女「C男もね。伸びたよ」
男「そっか。進捗票は確かに伸びてるけど。
なんかあったのかな?」
女「んー。わかんない。……そういえば、こないだ飲み会で
童貞捨てたいとか言ってたよ」
男「風俗資金でも貯めたいのかな?」
女「酔ってたんでうろ覚えだけど。そうかもー」
男「人は見かけによらないなぁ。ふむぅ」
女「最近よく仕事のことで質問される」
男「性欲って人を成長させるんだな」
女「そうだねー。もとから几帳面だったし、
基礎知識はしみてるからやる気でれば、伸びるのは早いよ」
- 828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:01:57.96 ID:vIdZBssS0
男「と、なると後は新人女さんなんだけどね」
女「んー。もしかしてコンバート?」
男「それも考え中」
女「そうなん? 結構きっちり育ててるから、手元で可愛がる
のかと思ってたよ」
男「直属のマネジの下でしか戦えないのって、戦闘技術訓練
としては三流だ」
女「あー」
男「どこでも実力出せるようにしてあげないとね」
女「……」
男「なので、次はしばらく女先輩に預かってもらおうかと」
女「ん。いいよ。預かる。なに教えればいい?」
男「とりあえず、適当に仕事振ってみて。
で、本人が躓いたり、興味を持った仕事を。
無いとは思うけど、つまづいて立ち止まったり泣き出すようなら
送り返して。反省房で生まれてきたことを後悔させてやるから」
女「優しいのかきついのか、よぉ判らん」
男「優しくもきつくもないよ。マネジの仕事だよ」
女「――そか」
- 830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:06:44.92 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 12:00 神楽坂作業室
B男「おはよーござるー!」
男「おっす、お疲れさん。濡れた?」
B男「ああ、結構降ってるでござるよ~」
男「そか。悪いな、移動」
B男「いえいえ、地下鉄でござるし。C男は
女先輩と2ショットできるとか感謝してたし」
男「あいつマゾなのか? そんなにスパルタ教育されたいの?」
B男「マゾ……ああ。マゾでござるね、たぶん」
男「マゾで風俗貯金か。
……ヤツが偉大な男に見えてきたぜ」
B男「……?」
男「いや、いいんだ。俺はこの件は心に秘めるぜ」
B男「新人女さんは?」
男「昼休憩」
B男「ああ」
男「久しぶりにその言葉を聞いた、みたいな顔するな」
B男「久しぶりに聞いたでござる」
- 839:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:11:59.41 ID:vIdZBssS0
B男「で、拙者は何をするでござるか?」
男「まずはくつろいで……」
B男「おお。くつろぐでござるか。仕事の少ない優雅な
午後でござるね」
男「この報告書の山全部目を通して」
B男「ひぎぇっ」
男「まぁ、小手調べで」
B男「うううう。拙者書類仕事は苦手でござるのに」
男「書類仕事じゃなく、概要把握ね」
B男「……?」
男「今こっちで受けてた、最初から俺たち全員でやってた仕事。
そろそろ掃討戦の段階なんだわ」
B男「早いでござるなぁ! 四人がかりでやったペースと
さしてかわらないでござるね」
男「休日に飛ばしたからね」
ペラッペラッ
B男「最初の方は拙者が書いた報告書とかもあるので
これなら、あんまり時間をかけずに把握できると思うでござる」
男「把握したら、例外処理で跳ねておいたデータを
プリントして、全部確認依頼書つくって」
B男「了解でござる」
- 842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:16:59.27 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「先週木曜のこれは?」
男「たぶんそれは0894-5613が正解。でも、確認して。
そのケースはメールで直接問い合わせでいいや」
B男「了解」
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「こっちはどうするでござる? 破棄でござるか?」
男「うーん。破棄でいいや。でも、破棄専用のフォルダつくって
そっちにまとめておいて。なんかあると怖い」
B男「了解でござる」
男 カタカタカタカタカタカタ
- 847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:20:59.26 ID:vIdZBssS0
B男「……男氏~」
男「はいはい。今度はなに?」
B男「あそこ」
男「?」
B男「エレベータホールの下の街路樹で捕まってるの」
男「?」
B男「新人女氏ではござらんかなぁ」
男「え?」
新人女「――」
正社員「――――」
B男「そうでござろ?」
正社員「――――」
新人女「――」
正社員「――――」
新人女「――」に、にこっ
男「だなぁ」
- 854:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:25:05.86 ID:vIdZBssS0
正社員「――――」
新人女「――」ぺこっ
正社員「――――」
新人女「――」ぺこぺこっ
B男「なんの話でござろね」
男「さぁ」
新人女「――――」
正社員「――?」
新人女「――」
B男「あれは営業の人でござるね。拙者……」
男「?」
B男「愉快な気分ではござらん」
男「押さえろよなー。忍びだろ」
B男「刃の下の心でござるか」
正社員「――? ――?」
新人女「――」ぺこっ
がらがら
男「新人女さーん!」
- 857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:29:17.98 ID:vIdZBssS0
新人女「あ、はいっ! 男さんっ」
男「マクロの置換処理、止まってますよー」
新人女「はい? ……あ、はいっ! すみませんっ」
正社員「――」
新人女「――」ぺこっ
たたたたっ
B男「マネジャー氏」
男「ん?」
B男「考えてみたら、拙者、昼食抜きでござった。
コンビニ行ってきたりするでござるけど、
何か入り用でござるか?」
男「ああ……。プリン?」
B男「高いのでござるか?」
男「そうだね」
B男「行ってくるでござる」
がちゃり
新人女「遅れてすいませんでしたっ」
- 869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:33:01.80 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、遅れてすいませんでした」
男「いや、気にしないで。そんなに焦らなくてもさ」
新人女「は、い」びくびく
男「……午後も続きね。精度あがってるから、仕事が
粗くならないようにだんだん速度を上げていってね」
新人女「はい、あの」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの」おどおど
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの、ですね」
男「……うん」
新人女「エレベーターの下で、営業のM野さんに声を
かけられまして」
男「うん、見えた」
- 879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:36:50.20 ID:vIdZBssS0
新人女「それで、あの……」
男「ごめんね」
新人女「え?」
男「いや、余計な声をかけた可能性が低くない」
新人女「そんな、とんでもないです。助かりました」
男「そうかな」
新人女「え――」
男「派遣でいたい派遣の人ってあんまりいないよ。
だから余計なお節介かもしれないのは本当」
新人女「……あの」
男「?」
新人女「判りますか……」
男「うん」
新人女「どうしてですか……」
男「M野さんはそう言う人だから」
- 897:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:45:33.55 ID:vIdZBssS0
新人女「……」
男「……」
新人女「あの……」おどおど
男「なに?」
新人女「いえ……」びくっ
男「――――」くるっ
新人女「っ」
男「んっと、ここ座ってください」
新人女「はい……」
男「本来は柄じゃないんだけどね。
余計なお世話かもしれないし。
だから何度も言わないし、面倒くさかったら
聞き流しておいてね」
新人女「……」
男「まずね、俺たちは、野良です」
新人女「野良……」
- 902:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:49:17.87 ID:vIdZBssS0
男「野良だから、自分の餌は自分でとらないといけません。
野良だから自分の身は自分で守らないといけません。
派遣会社に登録して、労務相談とかあるから
何かに所属して守ってもらえるような錯覚があるけれど、
それは全部嘘。
派遣会社は野良の道具です。
野良の飼い主じゃありません」
新人女「……」
男「でも、本当は派遣社員だから野良って訳じゃないです。
IT系は全部野良。サラリーマンなんて本当はいない。
みんな一時的にプロジェクトで集まってる、会社に所属
してる気分になってる。それだけの業界なんです。
本質は全員、野良なの。
もっと言ってしまえば、今のご時世、公務員か
一部の保守的企業に勤めている人間以外は、
どこかしら野良な部分を抱えて生きて行かなきゃならない。
そういう時代だし、そういう場所です。東京って」
新人女「……」
- 907:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:52:41.11 ID:vIdZBssS0
男「今やってる仕事はね、
スキルなんて本当はほとんどいらない。
そりゃ企業側は、スキルがある人間を欲しがるよ。
でも、座学で覚えたスキルなんて、現場じゃほとんど役に
立たないです。まったくかもしれない。
スキルは、現場で修羅場くぐれば、大抵3ヶ月で覚えます。
それがたとえ難解な言語であってもね。
でも。
野良の生き方は、そうはいかない。
ずっと覚えられない人も、います」
新人女「……ぁ」
男「だから……」
新人女「……」
男「自分で餌をとるのも、野良の仕事だから。
もし、取るのなら、邪魔はしないですし。
邪魔をしてしまったのなら、申し訳ない。
派遣の引き抜きは違法だなんて野暮な事は言いません。
正社員に誘われたでしょうに」
新人女「……あの」
男「言わなくて良いです。あんまり愉快な話でもないでしょ?」
新人女「……」
男「M野さんが人事に顔が利くのは本当ですし」
- 915:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 22:58:06.37 ID:vIdZBssS0
男「野良だから。マネジなんてあてにならないですよ」
新人女「――」
男「いざというとき、マネージャーなんて絶対に自分を
守ってくれないからね? 自分を守れるのは、自分だけ
だからね?」
新人女「……はい」
男「でも、まだ神楽坂班だから」
新人女「はい」
男「今はまだ神楽坂班なので、仕事をしてください」
新人女「はい」
男「神楽坂班でいる限り、野良の生き方を教えるから」
新人女「え?」
男「こんな仕事で身につくスキルなんかしれてるけれど
野良の生き方はどこでも通用するから」
新人女「……はいっ」
がちゃり
B男「買ってきたでござる~♪」
男「お話、お仕舞いっ。
まずは、手近なところで、あの餌でもとるとしよー」
- 922:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:02:10.46 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 21:00 神楽坂作業室
――電話
男「ごめん、また予定変更」
女「おー。どないなってるん?」
男「新人女さんだけど、そっちいかせられなくなった」
女「――あらら。むむ。やっぱあれか?
可愛くなったのかなー? 慕ってくれる後輩が
しくしく泣いちゃってるのかなー。
ま、まさか揉んだ!? 揉んだのかっ!?」
男「や、ないない」
女「……そか」
男「M野がくっついてさ」
女「あ……ぅ」
男「そっちに送っても面倒くさくなるだけだ」
女「それは……。うん。だね」
- 931:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:05:43.53 ID:vIdZBssS0
男「女先輩にゃM野は近づけさせられないからなっ」
女「ほんと、ごめん」
男「気にするな。ウォリアー的に」
女「お、おう。ウォリアー的に」
男「……」
女「んっと、新人女さんは?」
男「あー。よく判らん」
女「判らないの?」
男「うん、なんだか畏まってもぐもぐ言ってた」
女「うーん」
男「個人的には、余計なお世話かもなぁ、と思う。
M野は、とりあえず女の子には甘いじゃない?
それで正社員にはなれるわけだしさ。
それはそれで、まぁ処世術かなぁと思うんだよね。
結婚できれば永久就職じゃん」
女「新人女さんは、そっちは行かない気がするな……」
男「そうなん?」
- 947:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:11:30.56 ID:vIdZBssS0
女「まーねー」
男「でも、スイーツ系って言ってたじゃん」
女「本当にスイーツなら、こんな派遣くるかなー」
男「そういうもん?」
女「あははは。もう実家に顔出せないような
親不孝な私と違ってさ-。親元な訳でしょ」
男「らしいね」
女「根性見せちゃうんじゃないのかな」
男「見せちゃうのか」
女「見せちゃうでしょ」
男「そか」
女「……」
男「……」
女「やっぱ、ドンパチやることになるのかね」
男「仕方ないね。処理班はうち一個なんだし
開戦も時間の問題だったともうよ。このままじゃ、
受注が出来ないんだもん。きっかけ程度だよ」
――そして翌週、デスマーチが始まった。
- 950:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:12:05.52 ID:b4dFiw6V0
男かっけーな
- 961:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:16:40.17 ID:vIdZBssS0
うお、すまねぇ(T∇T)おわんなかった
レスできないのもごめん。猿制限のせいで、
一個レスすると一個書き込みできなくなる(T∇T)
パー速は、じつはまだ落ちてないスレがあったりして
秘密基地状態なので(>_<)
まぁ、今日のところはさくっと落とす感じで! ひとつ。
ママレードで。ご容赦を。
余力があれば、近日中に建ててみたりするin Vip。
保守してくれた人、ありがとうございました!
いずみスーパーおばちゃん特製のシュウマイ(´∇`)やる!
- 968:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:18:56.20 ID:GmtLPV9V0
>>961
んじゃ次スレのスレタイを決めてくれ。
それで毎日検索させてもらうから
- 962:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:17:30.35 ID:/n9Tf3ju0
>>1乙
待ってるぞ
- 975:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:20:36.16 ID:QzrRQhr9O
>>1乙
分かり易いタイトルでお願い
- 982:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:21:41.12 ID:pPT6M0C90
乙だ!
次回も楽しみにしてるよ!
- 995:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:23:42.90 ID:Ab48lm4FO
>>1000なら次スレは明日
- 996:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:23:50.87 ID:VLj+CJpu0
1000なら5分後再開
- 997:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:24:00.23 ID:r9KZ4P3qO
>>1000なら捨てよう
- 999:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:24:03.52 ID:T0AVFMle0
>>1000なら捨てよう
- 1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/08(水) 23:24:08.17 ID:rv60zxx3P
>>1000なら即再開
- 1001:1001:Over 1000 ID:Thread
- 16歳♀暇だから全レスします☆ こちらスネーク 1990年生まれ集まれ~☆ 安価でお絵描き
中学生 遊戯王 新ジャンル VIPで本格的にRPG作ろうぜ XBOX360
全力で釣られるのがVIPPERだろ!w ポケモン コテデビューする ら
が カレシと別れそう・・・ 初心者 鬱病♀だけど 彼氏/彼女いないVIPPERちょっとこぃ♪ き
っ 唇スレ mixi招待するお 釣った厨房に安価でメールwwwww ☆
こ さみしい・・・誰かかまって 425はどこも変えてなかった ピカ厨 自 す
う 時代の流れ デブきめぇんだよ 捨てアド晒してメル友 メンヘラ 殺 た
い VIPヌクモリティ 顔晒し 馴れ合いスレ 「~だお」 コテ雑 し
き 今のVIPが嫌ならVIPから出てけww A雑 大阪VIPPER集まれ!!☆ ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール VIPでMMO ネタにマジレスの嵐 す
く 隠れオタ skype パートスレ Skype mp3垂れ流し
な 住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン 二番煎じ
い 空気読め リア充 ニコニコ動画 >>1 そっヵ、残念やわ(´・ω・`)
お 付き合ってくだしあ>< 今から元カノに痛メする >>3 ウチは高校生だぉ☆
>>9 うはwwこれがVIPクオリティw
∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !! V∩ >>2 自重しろwwwww Be
ハ (7ヌ) (/ / >>7 ブラウザゲーやらないか?
ル / / ∧_∧ || モリタポ
ヒ / / ∧_∧ ∧_∧ _( ゚ω゚ ) ∧_∧ || 埼 >>5 2chって有料なんですか?
\ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄ ⌒ヽ( ゚ω゚ ) // 玉 >>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
\ /⌒ ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒ ⌒ / O >>8 お母さんに何て言えば
| |ー、 / ̄| //`i構って女/ F 安価で絵描くお
低 | 恋愛 | | 厨房 / (ミ ミ) | | F 14歳♀中学生処女だけど質問ある? ハ
年 | | | | / \ | | ム
齢 | | ) / /\ \| ヽ PCに詳しい人ちょっときて!!! イ ス
化 / ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ | 電車男 ミ タ
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コメント一覧 (24)
-
- 2012年01月28日 21:11
- ままれのやつかなつかしいな
-
- 2012年01月28日 21:15
- 懐かしい
-
- 2012年01月28日 21:17
- 懐かしすぎ
-
- 2012年01月28日 21:21
- 最近よく、ままれの作品引き上げてくるなあ。
-
- 2012年01月28日 21:22
- ほほう ほほう
言われると確かに……こういうの新参の自分には有難い……BGMは鉄のララバイだなぁ
-
- 2012年01月28日 21:34
- ままれって面白いんだけど無駄にだらだら長くなっていくんだよなあ
-
- 2012年01月28日 22:17
- 懐かしい リアルタイムで見てたわ
最後涙がw
-
- 2012年01月28日 22:28
- ここは直接的なHネタが入ってる作品を載せなくなったからな。
ネタがないんだろ。
-
- 2012年01月28日 22:31
- なげえ
-
- 2012年01月28日 22:36
- へどがでる
-
- 2012年01月28日 23:18
- たしかにエロは更新しなくなったな
エロとかタイトル一本釣りしてるとこよりはずっとマシだが
-
- 2012年01月28日 23:22
- 前に読んだママレ面白かった
これも好き
背景がしっかりしてて厚みがある。と俺はおもう
-
- 2012年01月28日 23:28
- シリーズ化されてると思って調べてみたが、これが一話だったのか
しかしリアルを知ってると笑えないな
-
- 2012年01月28日 23:32
- これ、つづきはちゃんとある?未完だったら凹む
-
- 2012年01月28日 23:40
- ※14
記事の最後に完結までリンク置いてあるだろ
-
- 2012年01月28日 23:45
- ※15
ありがとう。きづかなかったわ
-
- 2012年01月29日 01:54
- まだこれしか公開されてないみたいだね
-
- 2012年01月29日 04:34
- また懐かしいものを
-
- 2012年01月29日 17:04
- これ好き
-
- 2012年01月31日 18:54
- ままれの中では外れの方だな
-
- 2012年02月04日 21:29
- うあ、懐かしい。。。
ママレの中でも一番好きだな。
-
- 2012年02月16日 22:58
- なんか懐かしいままれ作品ばっかあがってるじゃないか
-
- 2014年07月12日 00:18
- 続きは?
-
- 2018年02月12日 14:59
- これはホント好き。
男と女の関係とか憧れる。
うまく言えないけど、最高の作品だと思う。
書いた人天才!