ダンテ「今帰ったぜ」凛「あんた今まで何処に行ってたのよ!」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:16:02.93 ID:B4iOp/zE0

昨日の続き的な

イリヤ「バーサーカーをあの一撃で三度も殺すなんて…」

ダンテ「お嬢ちゃんのバーサーカーも中々にいい筋してるな」

イリヤ「今日のところは引き上げるわ、邪魔も入りそうだし」

ダンテ「そうか、そいつは残念だ」

イリヤ「ええ、残念だわ。貴方を殺せなくて」

ダンテ「お嬢ちゃんみたいなのがそんな物騒なこと言うもんじゃないぜ?」

イリヤ「では今度会ったときは貴方をただの肉片にするとしましょう」

ダンテ「そいつはいやだな、パフェが食えなくなっちまう」

イリヤ「ではごきげんよう、皆様。今日はは楽しかったわ」

イリヤはスカートを広げお辞儀をした。その顔は少女らしい笑みを浮かべ、
とても先ほどまで殺し合いをしていたとは思えなかった。

ダンテ「さて、あっちはどうなったかな」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:19:05.60 ID:MA+Zr3yHO

まってたよー


⇒前スレ:凛「何なのよアンタ!」ダンテ「ぶっ飛んだお嬢ちゃんだ」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:19:10.99 ID:B4iOp/zE0

~少し前~

凛「どう、セイバー?」

ダンテとバーサーカーが戦っている間、凛の提案で見晴らしがいいところへと移動した。
教会裏の外国人墓地。ここならば見晴らしもよく奇襲はしずらいはずだ。
もちろんダンテには連絡済だ。もっとも気づいていればだが。

セイバー「私の抗魔力ならばキャスターの魔法如き跳ね除けることが可能と思われます」

実際セイバーの抗魔力はかなりのレベルであり、ある程度の魔力ならば睨むだけで無効化することが可能だ。

士郎「セイバーの後ろにいれば安全ってことか?」

セイバー「そういうことです」

小柄の女の子が戦うことに違和感を覚えたが士郎はそれが最善ならばと納得することにした。

セイバー「ただ妙です。仕掛けてくる気配がありません。ただの視察なのかもしれませんね」

士郎「そうか、仕掛けてこないならこっちもありがたい。ダンテのことも気になるし戻ろう」

そういって士郎が脚を踏み出す。

士郎「おわ、ちょっと!」

前のめりに倒れてしまった。何かに躓いたか。

凛「士郎、動かないで!」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:22:56.53 ID:B4iOp/zE0

セイバー「シロウ!」

士郎は自分の足元を見て初めてそれに気が付いた。

士郎「!」

それは腕だった。白くかつては人の腕であったであろうそれは地面から士郎の脚を掴んでいた。

セイバ「シロウ、今助けます!}

セイバーの見えない剣が骨を粉砕する。

士郎「キャスターか?」

キャスター「こんばんは、ボウヤたち」

いつの間に現れたのだろう、頭上にはキャスターの姿があった。

凛「空中浮遊? さすがキャスターのサーヴァントね。魔法一歩寸前じゃない」

キャスター「そこら辺の魔術師と一緒にしないでくれるかしら?」

セイバー「シロウ、気をつけて下さい、囲まれています」

士郎「いつの間に…」

見ると周りにはキャスターの使い魔であろう骨たちが取り囲んでいた。



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:26:48.57 ID:B4iOp/zE0

セイバー「死者を冒涜するようなやり方、流石ですねキャスター」

キャスター「あら、随分と可愛らしいサーヴァントだこと」

士郎「セイバー、戦うのか?」

セイバー「是非もありません。対サーヴァント戦は私の領分です」

凛「衛宮くん、キャスターはセイバーに任せて私たちは自分の安全を確保しましょう」

士郎「わ、分かった」

幸い近くに木の棒が落ちていた。心もとないがないよりマシだろう。

凛「あの数よ、きっと動き事態は単純なはずだから確実にやっていくわよ」

士郎「…わかった」

手の平に力を込め木刀と同じように強化していく。

士郎(なんとか、か)

思いの外すんなり行った。これならばある程度応戦することもできるだろう。

凛「衛宮くん、準備は?」

生き残るため、こんなところで死んでしまっては約束を果たすことなどできない。
自分のために犠牲になった者たちに何と顔を合わせれいいのか。



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:29:51.28 ID:B4iOp/zE0

士郎(こんなふざけたところで死んでたまるか)

覚悟ならばとうの昔にできている。そう、あの日から自分はー

士郎「ああ、大丈夫だ」

凛「それじゃ、いくわよ!」

キャスター「あらあら、威勢のいい子供たちだこと」

セイバー「行くぞキャスター、今宵は貴様の初陣にして最後の戦いになると知れ!」

三者三様の戦いが始まった。

凛「一番、二番、開放!」

遠坂凛の手から鮮やかな光が放たれ、その光に貫かれた骨たちは粉々になっていく。

凛(このぐらいなら、やれる!)

凛「次!」

出し惜しみして死ぬなんて笑えない。最初から全力で行ってやる。
どんな壁でも、敵でも常に全力でぶちのめす、それが遠坂凛の遠坂凛たる姿だった。

士郎「遠坂!」

凛「え?」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:32:20.70 ID:B4iOp/zE0

しまった、と思った。
後ろを見た時、自分に向かって飛び込んでくる骨の姿が目に入った。

凛「うっ!」

思わず目をつぶってしまう。

士郎「この野郎!」

強化した木の棒を骨の身体に叩きつける。
鉄パイプ以上に固くなったそれは純粋な鈍器として骨の身体を粉々にする。

士郎「大丈夫か、遠坂」

凛「…貸し一つ、かしらね」

士郎「そんなつもりは」

凛「衛宮くん、私の援護をお願い。二人で固まったほうがいいわ」

士郎「わかった!」

遠距離は凛に、近距離は士郎が担当することでお互いの間合いをカバーする。
即興でできたコンビだが中々に相性はいいらしい。

凛「セイバーがキャスターを倒すまで踏ん張るのよ!」

士郎「分かった!」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:34:53.19 ID:B4iOp/zE0

その時、セイバーとキャスターは“空中戦”を行なっていた。
その人並み外れた脚力で空中へと躍り出るセイバー、
そして見えない剣に纏う風を一時的に開放し、空中で軌道を変えキャスターへと迫る。

キャスター「あら、地を這いずりまわるだけだと思っていたけど」

セイバー「はあああああ!」

見えない剣の切っ先がキャスターに迫るが慣れないのだろう、キャスターに躱されてしまう。

セイバー「…あと一歩か」

地上と違い細かい制御か効かないせいで動きが単調になってしまう。そのせいでキャスターに人たち浴びせることも難しい。
しかし、キャスターもセイバーの抗魔力の高さ故、有効な一撃を浴びせることができない。

セイバー(不味いですね)

キャスター「さぁ、どうしたのかしらセイバー?」

不敵に笑うキャスター。そう、キャスターは別にセイバーを倒さなくてもいいのだ。
時間が掛かれば掛かるほどマスターたちは追い詰められていく。

キャスター(この勝負、貰ったわね)

セイバー「まだまだ!」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:38:10.09 ID:B4iOp/zE0

鎧を纏った少女が跳ぶ。風の力を受けた彼女は今まさに弾丸となり空に巣食う魔女の心臓を捉えんと迫る。
魔女は少女に高密度の魔力の光を浴びせる。逸れた光が地表を抉りその威力は想像に難くない。

セイバー「はぁぁあああ!」

風の力を横に向け回避しながらも着実にキャスターへと向かうセイバー。
彼女の未来予測にも似た行動予測が光の雨の中を回避可能とする。

セイバー「そこだッ!」

キャスター「?!」

セイバーは自身の鎧を脱ぎ捨て身軽となる。
一瞬にして縮まる距離、予測できない加速。

セイバー「もらった!」

キャスター「きゃああああ!」

次にセイバーが着地した時、彼女の見えない剣は確かに魔女の身体を二つにしていた。

セイバー「勝負あったな、キャスター」

地上に落ちるキャスターの身体。
確かに音は一つではなく二つであった。



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:40:55.43 ID:B4iOp/zE0

凛「やったの? セイバー」

士郎「はぁ…はぁ…」

急に動きが止まり崩れ落ちた骨たちを見て凛と士郎がセイバーのもとに駆けつけた。

セイバー「遅くなりました。シロウ、凛」

士郎「いや、ありがとうセイバー」

凛「さすが最良の英霊ね」

三人がお互いの無事を確かめ一息付いていると突然物音がした。

キャスター「少しは楽しんでくれたかしら?」

士郎「キャスター?!」

キャスター「所詮、あれは私の幻影。今日はそうね、偵察といったところね」

凛「……」

キャスター「大体の力量は分かったし、まあ今日はこのぐらいにしておくわ」

士郎「キャスター!」

気がつくとキャスターの幻影は消えていた。
当たりは荒れた土地と死者に相応しい静けさだけが残っていた。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:46:04.90 ID:B4iOp/zE0

~二日後~

あのあと事もあろうに歩いて来たダンテに遠坂凛は残された精神力をありったけ消費してお説教をしたせいで疲れはててしまっていた。
そして疲れた、寝るの言葉を残して衛宮邸の空き部屋を適当に見繕い勝手に寝てしまった。

士郎「……」

しかも次の日いきなり協力関係にならないかと持ちかけられたのだ。
これは嬉しいが相手にしてみれば「私が士郎を守ってあげる」という体裁のため衣食住の二つを見返りとして要求してきた。
だから目の前に学校とは180度違う顔をしたとても美少女優等生の名を欲しいままにした遠坂凛が居たとしても何ら不思議はないのだ・

凛「ぎゅうにゅうー」

ダンテ「よお、おはよう嬢ちゃんたち」

セイバー「おはようございます、シロウ」

士郎「なんでさ」

凛「ぷはー! やっぱ朝はこれよね! 士郎、朝ごはんできてる?」

セイバー「シロウ、早くご飯を」

遠坂凛はいつの間にか士郎と呼び捨てにし、
しかもどこかの騎士王様はいつの間にか腹ぺこ属性がついていた。
この2日で衛宮家のエンゲル係数は異常な数値を示すようになっていた。



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:49:20.09 ID:B4iOp/zE0

士郎「はいはい、ちょっとまっててくれ」

ダンテ「和食っていうのもなかなかいいが箸ってのはどうも使いにくいな」

士郎「スプーンとフォークならあるぞ」

ダンテ「サンキューな」

桜「ダンテさん、お味噌汁のおかわりはどうですか?」

ダンテ「いたたくぜ」

セイバー「桜、私もおかわりを」

間桐桜や藤村大河に説明するのは骨が折れたがそこはうまく凛が誤魔化してくれた。
しかし桜はなぜか自分も一緒に住むと言い出したのには士郎も驚いた。

士郎「桜、着替えとかは大丈夫なのか?」

桜「ええ、大丈夫ですよ」

巻き込みたくはないが、自分の近くにいてくれる方が逆に安全かもしれない。
そう思うことにした。それに正直なところ料理を手伝ってくれる人がほしいところでもあった。



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:52:43.66 ID:B4iOp/zE0

全員「ごちそうさま」

士郎「お粗末さまでした」

桜「あ、私片付けるの手伝いますね」

セイバー「ではシロウ、私は家に居ますので何かあったら直ぐに呼んでください」

士郎「ああ、わかったよ」

桜「……」

凛「桜?」

桜「え、あ、私がどうかしました?」

凛「…なんでもないわ」

ダンテ「とびっきり甘いモノが欲しいな、こりゃ」

~通学路~

桜「そういえば先輩は部活動するんですか?」

士郎「そうだな、でないってのもまずいな」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:52:55.84 ID:DuqE61Wc0

前スレ誰か頼む



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:55:34.18 ID:NhQXX5ihP

>>17
http://logsoku.com/thread/engawa.2ch.net/news4vip/1324401758/



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:55:14.83 ID:B4iOp/zE0

凛「士郎! ちょっとこっち」

桜「?」

凛「あのね、私達今殺し合いをしているのよ? そんな部活なんて悠長なことヤッてる場合じゃないでしょ!」

士郎「いやでも…」

凛「でもじょない! わかった!?」

士郎「あ、ああ…」

桜「……」

桜(最近二人共ずっと一緒。…仲、いいな)

士郎「悪い桜、しばらく部活休むよ。桜も休んで早めに家に帰ってくれないか?」

桜「は、はい…」

凛「最近通り魔が流行ってるみたいだしね、心配しすぎることはないわ」

桜「あ、私ちょっと弓道場に用事があるのでここで失礼します」

士郎「ああ、気をつけるんだぞ」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 22:58:09.84 ID:B4iOp/zE0

桜「はい、ではまた放課後に」

凛「いくわよ、士郎」

士郎「はいはい、っと」

凛「待って士郎」

士郎「うっ」

校舎に入った瞬間異様な雰囲気に気づいた。
全身にまとわりつくような甘い匂いと重圧が伸し掛かるような思い空気が校舎全体を包んでいた。

士郎「遠坂、これって」

凛「ええ、まさかとは思うけど…」

慎二「二人共そんな所でどうしたんだい、あはは」

後ろには朝から笑いをこらえ切れない様子の間桐慎二がいた。
この後、二人のマスターはライダーのサーヴァントと出会うこととなる。



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:01:13.44 ID:B4iOp/zE0

~衛宮邸~

ダンテ「ちょっと出かけてくる」

セイバー「わかりました。私が留守を預かります」

ダンテ「多分夕方には帰ってくるだろうから頼んだぜお嬢ちゃん」

セイバー「私はセイバーです」

ダンテ「はいはい。それじゃ頼んだぜ」

セイバー「はぁ…」

ダンテ(さて、何処に行くか…やっぱりあそこか)

ダンテ「歩いて行くのはちょっとかったるいな、なにかいいものは…」

玄関を出て辺りを見渡すと蔵の近くにそれはあった。

ダンテ「いいもの持ってるじゃねぇか。ちょっと借りていくか」

ダンテ「ちょっと古そうだが…よし、動くみたいだな」

こうして10年ぶりにそれは乗り手に巡り合った。



26:>>22 面倒だからライダーの登場シーン飛ばしただけなんだ:2011/12/22(木) 23:04:32.04 ID:B4iOp/zE0

~教会~

言峰「おやおや、こんな時間に珍しい客だ。ここはサーヴァントにとって非戦闘区域だが?」

ダンテ「べつに殺り合おうってんじゃない。あんたに恨みもないしな」

言峰「では何をしに?」

ダンテ「あんたと話をしに、さ」

言峰「ほう、この私にかね」

ダンテ「ああ、あんた名前は」

言峰「言峰綺礼だ」

ダンテ「神父さんらしいキレイな名前だな」

言峰「貴方のような方に褒められるとは光栄だ」

ダンテ「俺を知っているのか?」

言峰「昔は私も悪魔退治をしていたもので」

ダンテ「そうかい」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:07:38.78 ID:B4iOp/zE0

言峰「それで、話というのは?」

ダンテ「なんだかな、嫌な予感がしたんだよ」

言峰「ほう…」

ダンテ「俺のことを知っているなら話は速い。元の俺の仕事は悪魔やそれに関わる人間の退治だ」

言峰「それで?」

ダンテ「この世で一番俺が許せないのはな、悪魔やイカレタ人間じゃない」

言峰「では何だというのです?」

ダンテ「自分のために人と心をオモチャみたいに扱うやつさ」

言峰「…なるほど、噂に違わぬ御人だ」

冬の空気のせいだろうか、辺りの空気が張り詰めた気がした。

ダンテ「まあ、神父さんみたいな人には関係のない話だ」

言峰「そうでしょう」

ダンテ「すまないな。癖みたいなもんだ」

言峰「お構いなく。仕方ありません。さぞや激しい戦いをくぐり抜けてきたのでしょう」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:10:20.94 ID:B4iOp/zE0

ダンテ「聞くかい? 悪魔の話を」

言峰「是非に。では飲み物を用意いたしましょう」

こうして教会で大男二人の奇妙な語り合いが始まった。
言峰は熱心にダンテの悪魔の話を聞いていた。

ダンテ「おっと、もうこんな時間か」

気がつくと夕暮れ時となっていた。

言峰「そうですね、そろそろ終いにしましょう」

ダンテ「最後に一ついいか?」

言峰「ええ、もちろん」

ダンテ「あんた、神様を信じるかい?」

言峰「もちろん、でなければこのような格好はしていませんよ」

ダンテ「そうか。あんた、『天国への道』って知ってるか?」

言峰「ええ、有名なパズルのことでしょう」

ダンテ「そうだ。あれは天使か悪魔にどちらか一回だけ質問ができるというんだが」

言峰「……」

ダンテ「俺が今話しているのは人間だ」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:12:57.34 ID:B4iOp/zE0

言峰「つまり、私のことを疑っていると?」

ダンテ「いや、俺にはお前さんが人間にも見えない」

言峰「では何に?」

ダンテ「さあな。さて、邪魔したな」

言峰「もうお帰りで?」

ダンテ「ああ、次来た時にはピザを用意しておいてくれ、また悪魔の話をしてやるよ」

言峰「それは楽しみだ。では、お気をつけて」

教会のドアは閉められた。今この時より外にいるのは恐ろしい獣ばかり。
哀れな神の子らが助けを求めぬ限りこの扉は決して開くことはない。

言峰「さて、私はどちらに見えるのでしょうね、…ククク」

しかし扉の中にいるのは果たして本当に神なのか、それとも質の悪い獣か。
教会という箱の外からその中を窺い知る術はなく、神の子らが出会うのは果たしてどちらなのか、今は誰も知ることはない。



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:15:17.66 ID:B4iOp/zE0

~衛宮邸~

凛「まさかライダーに襲われるとはね」

士郎「でもセイバーが来てくれて助かったよ」

セイバー「いえ、当然のことをしたまでです」

凛「一応撃退はしたけど…」

士郎「アイツを野放しにする訳にはいかないな」

凛「そうね。ところで…あんたは何処で何をやっていたの?」

ダンテ「ああ、ちょっと教会に懺悔をしにな」

凛「あんた私達がどれだけ危険な目にあったと思って!」

ダンテ「そいつはすまなかった。…せっかくの美人が台無しだぜ?」

凛「もう! 一体誰のせいでこうなってると思ってるのよ!

士郎「まぁまぁ、遠坂落ち着いて!」

凛「はぁ…単独行動スキルって厄介だわ…」

セイバー「それより士郎、凛。ご飯にしましょう」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:19:32.76 ID:B4iOp/zE0

士郎「ああ、待ってなセイバー」

桜「あの、お風呂ありがとうございました。次の人どうぞ」

ダンテ「それじゃ俺が」

セイバー「ダンテ、食事は待ちませんからね」

ダンテ「…最後に入る」

凛「……」

士郎「御飯食べてからでいいだろ?」

セイバー「それもそうですね」

~夜~

士郎は夢を見ていた。最近良くこの夢を見る。
炎と風を操る双剣。その見事なまでの剣舞に見惚れてしまいそうだった。

士郎(アイツの剣、すごかったな)

魔剣士の双剣は魔具と言われるモノであり、人が扱えるようなシロモノではない。
しかし士郎はその力に魅了されていた。

士郎(いつかアイツみたいに強くなれたら)

そう思っていつも深い闇に落ちるのが衛宮士郎の最近の夢だった。



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:23:06.47 ID:B4iOp/zE0

士郎(なんだかとても身体が軽い、浮いてしまいそうだ)

しかし今日は違った。

士郎(あれ? 俺今寝ていたはずじゃ…)

???「そうよボウヤ、こっちへいらっしゃい」

士郎(ああ、誰だか知らないけど今行くから)

士郎(まず靴を履いてから…寒いな)

???「そうよ、いい子ね」

士郎はゆっくりと夜の街を歩いていった。
行き先は友達の家で馴染みのある場所、柳洞寺だった。

士郎(どこまであるかせるんだ)

???「滑稽だな小僧。力なき者など所詮はその姿がお似合いということか」

士郎(なんだかうるさいな…)

青い外套の剣士の側を通り、衛宮士郎はようやく寺の形をした神殿へとたどり着いた。



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:25:28.67 ID:B4iOp/zE0

~衛宮邸~

ダンテ「ん? 家の中に士郎のやつが居ないな」

というよりも気配自体がない。

ダンテ「不味いな。今からでも間に合うか?」

ダンテ「とりあえず嬢ちゃんを起こしておくか」

ダンテ「おい嬢ちゃん起きろ」

セイバー「ダンテですか、どうしました」

そう言ってセイバーは事に気づいた。

セイバー「いつから…」

ダンテ「さあな、俺も今気づいたばかりだ。魔力の痕跡がある」

セイバー「では他のマスターに?」

ダンテ「かもな。どちらにしろ不味いってことだ」

セイバー「では私が」

ダンテ「俺も行こう、昼にいいもの見つけたんだ。二人で夜のドライブと洒落込もうぜ」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:30:16.64 ID:B4iOp/zE0

セイバー「これは…」

10年前にセイバーが乗ったYAMAHA V-MAXの姿があった。

セイバー「切嗣が修理して?」

実際は回収され放置されていた残骸を士郎が暇つぶしに修理したものだった。
当時の最高性能は出ないだろうが殺人級のスピードとパワーは健在していた。

ダンテ「嬢ちゃんのモノだったのか、そいつは悪ことをしたな」

セイバー「いえ、気にしないでください」

二人でそのバイクに跨る。元々一人乗りだがセイバーが小柄なせいかなんとか乗ることができた。

ダンテ「準備はいいかい?」

セイバー「ええ、大丈夫です」

ダンテ「そんじゃ、行くぜ!」

思いきりアクセルを踏み込み、10年前のモンスターは再び咆哮を上げた。

ダンテ「イィィヤッホオー! こいつは最高にCOOLだな!」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:34:36.61 ID:B4iOp/zE0

風景の何もかもが後方へと過ぎ去っていく。
ダンテは持ち前のセンスで、セイバーは過去の経験と騎乗スキルを生かし鋼の猛獣を操っていく。

セイバー「ダンテ、遊んでないで速くシロウの元へ」

ダンテ「おっと嬢ちゃんは早い男は嫌いだと思っていたぜ」

セイバー「ダンテ」

ダンテ「オーケー、それじゃしっかり捕まってろよ!」

鋼の猛獣は二人分の重量など意に介する事無くその速度を上げた。

~柳洞寺~

ダンテ「おっと、お出迎えみたいだぜ」

階段には無数の骨が行く手を阻んでいた。

セイバー「どうするのですか?」

ダンテ「こうするのさ!」

エンジンのスロットルを上げ、そのままの速度で石段に乗り上げる。
時速はとうの昔に制限速度を超えていた。速度は十分、ならば道が石段の坂になったぐらいでは止まりはしない。

ダンテ「ヒィィィイハァァァァア!」



43: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/12/22(木) 23:34:53.99 ID:PPLTCkRN0

踏み込むとシフトダウンかブレーキだぞ
これじゃ車じゃねぇか
それと下から二人乗り・・・



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:38:06.76 ID:B4iOp/zE0

セイバー「私も援護しましょう!」

風王結界の風で車体を包み、空気の盾を創り上げる。

ダンテ「どけどけ! 邪魔だぜベイビー!」

ありえない速度で階段を駆け上がり行く手を阻むものを粉々に粉砕して行く様は喩えるならば大猪である。

ダンテ「そろそろ到着だぜ!」

???「耳障りな声がすると思ったが。やはりお前か」

ダンテ「!」

セイバー「ダンテ!」

ダンテ「飛べ、嬢ちゃん!」

そう言うやいなや二人は猛スピードで爆走するV-MAXから飛び降りた。

そしてバイクが走ろうとしてた先に突如大きな亀裂、いや傷ができた。
コントロールを失い、V-MAXが何処かへと飛んでいく。

ダンテ「怪我はないか嬢ちゃん」

セイバー「ええ、しかしダンテ、あれは」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:44:56.70 ID:B4iOp/zE0

ダンテ「ああ…信じたくはねぇがテメェもかよ」

???「それはこちらの台詞だ」

ダンテ「久しぶりだな、兄貴」

バージル「……」

ダンテ「久し振りに兄弟水入らず、って雰囲気じゃなさそうだな?」

セイバー「兄弟、なのですか」

ダンテ「ああ、信じたくはないがね、あれでも俺の兄貴だ」

青い外套を纏ったそれはダンテと顔が瓜二つだが雰囲気がまるで違う。
手に持った日本刀のように殺気が鋭利な刃となり、見ているだけで身を切られるような錯覚さえ起こす。

ダンテ「嬢ちゃん、先にいけ」

セイバー「しかし」

ダンテ「こいつを足止めできるのは俺しかいねぇ。それに今はお前のマスターを一刻速く助け出すのが大事だ」

セイバー「…わかりました。では先に行かせて頂きます」

そういってセイバーはバージルの隣を通り過ぎて境内へと入って行った。



48:>>43 乗ったこと無いのをバレてしまった恥ずかしい:2011/12/22(木) 23:50:07.56 ID:B4iOp/zE0

ダンテ「まさかテメェが呼ばれてるとな。まったくイカれたパーティーだぜ」

バージル「この身になっても貴様と出会うとはな。いい加減、貴様の顔も見飽きてきた」

ダンテ「それはこっちの台詞だぜ」

バージル「ではその顔を二度と見ることがないようにするとしよう」

ダンテ「ああ、そうだな。その方がお互いのためだ」

互いに得物を構える。身の丈もある大剣と細身の刀、見た目は違うが放たれている魔力と殺気は同じく凄まじいものがあった。

バージル「来い、たまには貴様に付き合ってやる」

ダンテ「ああ、行くぜクソ兄貴!」

そして赤と青はぶつかり合った。

~境内~

セイバー「シロウ! 無事ですか!?」

境内に入ると士郎の姿を直ぐに確認することができた。

士郎「う…セイバーか。…ここは?」

セイバー「よかった、気が付いたのですね。ここは柳洞寺です。あなたはおそらく操られていたのでしょう」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:52:41.22 ID:B4iOp/zE0

士郎「すまない、俺が未熟なばっかりに」

セイバー「いえ、私の落ち度です。私が注意を払っていればシロウは…」

士郎「いいんだ。それより早く戻ろう。みんな心配しているだろうし」

セイバー「そうですね。ダンテが敵の足止めをしてくれています。今の内に戻りましょう」

士郎「ハッ、 セイバー後ろ!」

セイバー「!」

セイバーの直感がソレをギリギリで回避させた。

宗一朗「ほう、今のを避けるか」

士郎「葛木、先生?」

宗一郎「衛宮か、気が付いたようだな」

士郎「どうしてここに」

宗一郎「ふむ、それはな」

キャスター「こういうことですわ」

突如として葛木宗一郎の後ろにキャスターが現れた。
そして理解した。



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:55:12.10 ID:B4iOp/zE0

士郎「まさか!」

宗一郎「そう、私がキャスターのマスターだ」

セイバー「士郎、下がってください!」

士郎「あ、ああ」

キャスター「では宗一郎様、あとはお任せしました」

宗一郎「わかった。私が仕留めよう」

淡々とした口調で話しているが、目の前の人物はたった今敵として自分たちを葬ると言ったのだ。

セイバー「そうはさせない!」

士郎「セイバー、キャスターを頼む。人間相手なら俺でも何とか」

セイバー「…。わかりました、ではシロウはマスターを頼みます」

士郎「ああ、任された」

士郎(まずは武器だ。何か無いか…。そう、アイツが使っていたような)

頭の中で双剣を思い浮かべる。対となった炎と風の剣。

士郎「投影、開始ー!」

久しぶりに使う投影魔術。失敗したらもう終わりだ。なんとしても成功させなければ命が。



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/22(木) 23:57:52.30 ID:B4iOp/zE0

士郎「づっ…ぁ」

痛みで腕が千切れそうだ。しかし。

士郎「…投影完了」

大丈夫、手にしっかりと感触がある。
恐る恐る得物を見ると。

士郎「? おかしいな」

手元には想像した風と炎の双剣ではなく、何故か黒と白の青龍刀だろうか、小型の双剣が握られていた。

宗一郎「衛宮、手加減はしない」

士郎(…これで行くしか無い、か)

宗一郎「来ないか、ではこちらから行くぞ」

葛木宗一郎の身体が地面からわずかばかり浮いた次の瞬間、士郎の目の前には葛木の拳が迫っていた。

士郎「そう簡単にやられるかよ!」

とっさに双剣でガードをする。
しかし目の前で拳は生き物のように軌道を変えた。

士郎「ぐっぁ」

肺が外からの力によって押し込まれ、空気が吐き出される。



55:セイバー「もう全部ダンテだけでいいんじゃないかな」みたいになりそうで怖い:2011/12/23(金) 00:00:44.24 ID:WRRg+8f/0

セイバー「シロウ!」

士郎「…大丈夫だ、セイバー」

キャスター「よそ見してちゃ駄目じゃない」

セイバー「くっ!」

キャスターの攻撃魔術がセイバーに襲いかかる。
大抵の魔術ならば睨むだけで無効化できるセイバーだが狙いがマスターとなると全てを無効化せざるを得ない。

セイバー(数が多い、猪口才な!)

キャスターの詠唱速度が並外れているのだろうか、
全ての攻撃魔術を無効化するには流石に睨むだけでは足りず剣を振るわざるを得ない。

セイバー(シロウ、私が隙を突くまでどうか耐えてください)

セイバーの後ろでは衛宮士郎と葛木宗一郎のマスター同士の戦いが繰り広げられていた。
宗一郎からは絶えず拳が士郎の身体へと襲いかかっていた。

士郎(動きが、読めない!)

目の前で急に軌道を変えるのだ。防ぎ用がない。
今は双剣のの刀身を利用し狙いを限定させることによって何とか防いでいるがそれでも限界は見えていた。

士郎(お願いだ、もう少し耐えてくれ)

既に投影した刀身にヒビが入り始めている。もう長くは持たないだろう。



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:02:46.97 ID:WRRg+8f/0

士郎「うぉおおお!」

破れかぶれでアイツの動きを真似てみる。

宗一郎「…ほう」

今まで防戦一方だった士郎が反撃に移る。
右から斜めに一閃、返し手で横に一閃。左手で左上へ一閃、そして本命の突き。

士郎「うぉおおお!」

葛木宗一郎が攻撃から防御の体制へと入り、その刀身を打ち払い、躱してゆく。

士郎「喰らいやがれ!」

片方の剣を投げつける。

宗一郎「……」

当然避けられてしまう。

士郎「もらった!」

もう片方の剣を手に葛木宗一郎へと肉薄する。そして敵の体を切断しよう刃が迫る。

士郎「なっ!」

宗一郎「残念だが衛宮、ここで終わりだ」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:06:05.77 ID:+cM5Eh+C0

しかし士郎の剣は止まってしまった。
葛木宗一郎によって腕自体を止められそれ以上動かなくなる。

宗一郎「……」

士郎「がはっ」

もう片方の手で首を閉められる。
呼吸すらままならず、このままでは首がへし折られてしまうだろう。

士郎「ぐぅ…はぁ…うぅ…」

セイバー「シロウ!」

キャスター「あなたの相手はこっちよ?}

セイバー「くっ!」

キャスターの魔術を通しても、このまま時間が経ってもゲームオーバーだ。
何か策はないかと頭を巡らせようとするがキャスターの魔術がそれを許しはしない。

セイバー(こうなったら、我が身を犠牲にシロウを助けるべきか)

そう考えた時、山門の方で大きな音が響いた。

キャスター「何事?!」

セイバー(今だ!)

セイバー「シロウ!」



62:なんかIDが2回ぐらい変わった気がした:2011/12/23(金) 00:09:49.65 ID:+cM5Eh+C0

不可視の剣を持って葛木宗一郎へと迫る。一瞬にしてキャスターのマスターを屠れば士郎は助かりキャスターも消滅する。

宗一郎「!」

セイバーの剣が葛木宗一郎が避けることなど不可能な位置に達する。

セイバー「その首、貰い受ける!」

宗一郎「……」

セイバー「なに…?」

しかし宗一郎は健在だった。彼は士郎をほうり投げ、あろうことか肘と膝でセイバーの刀身を挟み、受け止めていた。

セイバー「くっ…うぉおおおお!」

倒すことを諦めたが風王結界と腕の力を使いそのまま宗一郎の身体を放り投げる。

キャスター「宗一郎様!」

セイバー「シロウ、脱出を!」

士郎「あ、ああ!」

キャスター「宗一郎様、ご無事ですか?」

宗一郎「ああ、問題ない」

キャスターが胸を撫で下ろし、辺りを見渡すと既にセイバー達の姿はどこにもなかった。



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:13:00.72 ID:WRRg+8f/0

~山門付近~

そこはおおよそ人がいて良い世界ではなかった。
赤い力と青い力が同じ力でぶつかり合い、周りの風景をことごとく変えてゆく。

ダンテ「うぉぉおおお!」

バージル「はぁあああ!」

お互いに剣をぶつけ合い、牽制などないどれも正しく致命傷となりうる攻撃を繰り出している。

距離をとったと思えばダンテが愛銃を撃ち、それをバージルが剣で銃弾全てを足元に集め、お返しとばかりに刀で銃弾を撃ち返す。
戻ってきた弾丸をダンテの剣が真っ二つに斬り、勝負は再び仕切り直しとなる。
そんな戦いを尋常ではない速度で何度も続けていた。

ダンテ「どうした、その程度のもんかクソ兄貴」

バージル「それはお互い様だろう、所詮は紛い物同士、本物には遠く及ばん」

ダンテ「それもそうだな!」

互いにサーヴァントとしてこの戦いに呼び出された時点でどうしようもなく紛い物なのだ。
本物には遠く及ばない。しかしそれでもこの戦いはすでにただのサーヴァント同士の戦いではなく。



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:16:23.21 ID:WRRg+8f/0

ダンテ「はぁあああ!」

ダンテの剣が無数の槍の如くバージルに襲いかかる。
しかしバージルもそれを一つ一つ刀で撃ち落としてゆく。

ダンテ「はっ!」

最後にダンテが渾身の力で振りぬく。

バージル「ふんっ!」

それに合わせるかのように刀で大剣を撃ち落とす。

ダンテ「ぐっ」

バージル「っ」

お互いの力が強すぎたのか、互いに得物は宙高くに舞いあがる。

ダンテ「クソ兄貴が!」

バージル「こっちの台詞だ!」

互いに徒手空拳のはずがバージルの両手両足には銀色に輝く篭手と具足を、ダンテは炎を纏った篭手をそれぞれ嵌めていた。
バージルの蹴りが闇夜を照らし、ダンテの拳が影を喰らう。光と炎が互いにぶつかり合い喰らいあう。

ダンテ「いくぜぇぇえ!」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:16:40.24 ID:WRRg+8f/0

風呂入ってくる



68: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/12/23(金) 00:17:05.61 ID:Qs+mR9tU0

>>67
おい

帰ってこいよ



82:ただいま:2011/12/23(金) 00:52:15.05 ID:WRRg+8f/0

拳だけでなく脚も織りまぜ連撃を放つ。左手のフック、右手のストレート、そして13発にも及ぶ蹴り。
その全てが炎を纏い相手を燃やし尽くそうとする。

バージル「はぁァァァァ!」

対するバージルもダンテを圧倒するスピードで蹴りを繰り出してゆく。その蹴りには魔具によって
光り輝く魔力が込められており、相手を浄化しようと襲いかかる。

ダンテ「楽しんでいるかよ、兄貴!」

バージル「貴様と一緒にするな」

二人の間で全力の攻撃がぶつかり合い、それでも攻撃は止まずますます勢いは増していく。

ダンテ「昔を思い出すじゃねぇか! 最高にクソったれだぜ!」

バージル「ああ、最低で最悪だ!」

互いに距離を開け、魔力を魔具に込める。
そしてまた攻と攻のぶつかり合いが始まる。
拳が、脚が必殺の力を持って目の前の打倒せんと唸りを上げる。

ダンテ「伊達に長年兄弟喧嘩をやってねぇな、埒があかねぇ!」

バージル「…そのようだな」



83:ダンテの口調とかがおかしいのは仕様です、うろ覚えでごめん:2011/12/23(金) 00:54:58.18 ID:WRRg+8f/0

しかしこのまま続けていてもしょうがない。
所詮は紛い物の身体、たとえサーヴァントの身体といえど常識を超えた戦いにガタがきてしまう。

ダンテ「じゃあ、次で最後だ。消えろ、クソ兄貴!」

バージル「消えるのはお前のほうだ。灰すら残さん!」

ダンテが右手の拳に魔力を込め、バージルは右足に魔力を込める。
今までの打ち合いとは比較にならないほどの魔力を込められ魔具達が発する光と炎がいっそう強くなる。

ダンテ「いくぜ兄貴!」

バージル「……ッ!」

刹那、拳と脚、魔力と魔力、力と力の衝突。
炎と光がぶつかり合い、眩い光を放ち魔力の爆発が起きた。

ダンテ「クソッ!」

バージル「ッ」

爆発の衝撃で互いの距離が離れる。

ダンテ「おっとっと。…あぶねぇ、危うく格好つかないところだったぜ」

バージル「…引き分けというところか」



84:あともう少しで終わり アイマスまでに終わらせたい:2011/12/23(金) 00:57:38.58 ID:WRRg+8f/0

ダンテ「最悪なことにな」

そう言い合うと二人共手を空に伸ばし、落ちてきたそれぞれの得物を掴んだ。

バージル「向こうもそろそろ終わる頃だろう」

ダンテ「おあずけってか」

バージル「そのようだな」

ダンテ「はぁ、また顔を見ることになると思うと頭が痛くなるぜ」

バージル「ああ、最悪だな」

セイバー「ダンテ、士郎は確保しました。脱出します!」

ダンテ「みたいだな、それじゃまたな兄貴」

バージル「……」

そうしてバージルは逃げる三人の背中を眺めていた。
今直ぐにでもあの血を分けた兄弟を亡き者にしたかったが、生憎バージルには門番という枷が働いていた。
これがあるかぎりバージルは山門から出ることは出来ず、3人の後ろ姿をただ見つめていた。



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 00:59:50.72 ID:WRRg+8f/0

~衛宮邸~

凛「士郎! あんた何処行ってたのよ! いいなさい、そして殴らせなさい!」

士郎「ちょ、ちょっとまてよ遠坂! 俺は操られていてだな」

凛「そんなの分かってるわよ! 私は何の対処もしなかった衛宮くんにとてつもなく腹が立っているんだからそれくらい察しなさい!」

士郎「そんな横暴な!」

凛「問答無用!」

士郎「なんでさ!」

その日、衛宮士郎は戦っても居ないのに余計な傷、主に打撲を増やしたのだった。

凛「はぁ…もう、余計な心配、させないでよね」

士郎「その…ごめん」

凛「もういいわよ…無事に帰ってきたんだから」

士郎「ごめん」

凛「いいわよ…」

士郎「……」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:02:12.21 ID:WRRg+8f/0

凛「……」

士郎「……」

凛「なにか言いなさいよ」

士郎「あ、いや…。その…」

凛「……」

士郎「あのさ、遠坂」

凛「なに?」

士郎「俺の位置を遠坂に常に知らせておく、ってことできないのかな?」

凛「?」

士郎「ほら、今日みたいなことがあったら不味いしさ」

凛「うーん…」

士郎「遠坂?」

凛「そうよ! それよ! どうしてそうしなかったのかしら!」

士郎「と、遠坂?」

凛「士郎、私と繋がりなさい」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:05:02.69 ID:WRRg+8f/0

士郎「は? はぁ!?」

凛「あのね、士郎と私の魔力回路をパスで繋ぐの、そうすればお互いのこと直ぐわかるでしょ?」

士郎「あ、、ああ、そうか…でもどうやって?」

凛「それはね…ふふふ」

士郎「あの…遠坂さん? ちょっと目が怖いんですけど…。あ、やめ、ちょ!」

その日衛宮士郎は身体以外にも心に傷を追ったという。

士郎「なんでさああああ!」

~次の日~

凛「う~っす。おはよう~」

セイバー「凛、おはようございます」

ダンテ「嬢ちゃんか、士郎のやつが朝からおかしいんだがなんかあったのか?」

士郎「………シクシク」

セイバー「きっと玉ねぎが目に染みたのでしょう」

ダンテ「そいつは辛いな」



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:06:46.70 ID:WRRg+8f/0

凛「ん~? ああ、あれね。昨日私とパスをつなげるときにちょーっとね」

桜「?!」

凛「ああ、桜おはよう」

桜「あ、え、あの…おはようございます」

凛「どうしたの? 顔色悪いわよ?」

桜「い、いえ…」

桜(先輩と遠坂さんが魔力パスをつなげた。それってつまり…)

士郎「桜、手伝ってくれるか?」

桜「あ、はい」

桜(でも…ううん、そんなことは)

~放課後~
桜「あの先輩、私ちょっと家の方に忘れ物があるので」

士郎「ん? ああ、わかった。今日はうちに来るのか?」

桜「いえ、今日は家に帰ることにします」

士郎「そうか。わかった。気をつけてな」

桜「はい」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:08:51.58 ID:WRRg+8f/0

~間桐邸~

慎二「久しぶりだな、桜」

桜「兄さん…」

慎二「どうだった? アイツの家は」

桜「ど、どうって」

慎二「さぞかし居心地が良かったんだろうな! なんせうちなんかとは違って衛宮の家なんだからな!」

桜「そんなことは」

慎二「したのか? したんだろ? 長い間家に帰って来なかったからな、愛しの妹がどうなったのか僕としては気が気じゃなかったよ!」

桜「キャッ!}

慎二「兄として確かめないとな! 妹が変なことされていないか、なんせ男の家にずっと入り浸っていたんだからな!」

桜「兄さんやめて!」

慎二「は、何を言うかと思えば。お前みたいな汚れきった身体、今更だろう!」

桜「」



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:10:32.22 ID:WRRg+8f/0

慎二「どうした桜? いつものように抵抗しないのか? ああ、そうかきっと衛宮のやつに飼いならされたか!」

桜「」

慎二「さぞ優しかっただろうなアイツは!」

そこまで言って間桐慎二はようやく気が付いた。

慎二「…え?」

手の平にぬるりとした感触が伝わる。

慎二「ひっ」

どこから流れているのか、すぐに検討がついた。

慎二「っううぁああああああ」

痛い、ものすごく胸が痛い。
間桐慎二はこれまでの人生でこんな痛みは初めてだった。

慎二「た、たすけて!」

それもそうだ、なんせ胸に穴が開いているのだ。
心臓の鼓動と同時に胸からシャワーのように血が溢れでてくる。



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:12:02.64 ID:WRRg+8f/0

慎二「あぁ、ぐふ…はぁあ…ごふっ」

息をするたびに苦しい、誰か助けてくれないか。

桜「」

慎二「さ、さぐらぁ、だすけ…あぁああ」

桜は慎二を見ては居なかった。うつろな目で手の平のにあるものを見つめている。
あれは、あれ正しく間桐慎二の。

慎二「か、かえし、ししししして」

もはやまともに声を出すことはできない。そして。

桜「……」

桜は手に持っているものを不思議そうに眺めゴミを捨てるように投げ捨てるとうつろな目で部屋を出ていった。

慎二「さくらあぁぁぁぁあああああ!」

そしてそれが間桐慎二の最後の言葉となった。



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:13:06.36 ID:WRRg+8f/0

~どこかの街路~

そう、今まで浮かれていただけだったのだ。
憧れの人の近くにいることができて思い上がっていただけ。

桜(ぜんぶわたしのおもいこみ)

いくら忘れても、いくら洗ってもこの身体が汚れていることは変わらない。

桜(わたし、きれいになりたいな)

でもどうやっても落ちなかった。お風呂場で、石鹸で、タオルで、いくら擦っても擦っても、皮膚が赤くなって皮が剥がれても。
その汚れを落とすことは出来なかった。

桜(どうすればいいんだろ)

ただキレイになりたいだけ、綺麗になりたかっただけ、キレイに憧れただけ。

桜(そうだ、わたし、キレイにならなくちゃ)

桜(そうじゃないと、わたし、せんぱいのきらわれちゃう)

桜(あのひとに、またぜんぶ、とられちゃう)

桜(わたしがたいせつだったもの、わたしがすきだったもの、わたしがすきだったひと、ぜんぶとられちゃう)



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:14:02.11 ID:WRRg+8f/0

そしていつの間にか桜はそこにたどり着いていた。
迷える神の子が救いの手を求める時、そこは平等に手を伸ばしてくれる場所であった。

綺礼「ようこそ間桐桜、君を歓迎しよう。そして祝福しよう」

桜「しんぷさん?」

綺礼「さあ、君の願いはなんだね」

桜(ねがい? そう、わたしの願望は)

桜「わたし、キレイになりたい」

綺礼「確かに君の願い、聞き届けた。おめでとう間桐桜、君の願いは成就される」

桜「本当、ですか?」

綺礼「ああ、本当だとも。だがその前にやることがある」

桜「お仕事?」

綺礼「ああ、そうだ。君の願いを叶えるための供物といったところか」



99:誤爆した恥ずかしかった:2011/12/23(金) 01:15:57.56 ID:WRRg+8f/0

桜「それで私、本当にキレイになれるの?」

綺礼「もちろんだとも、神の僕たる私が保障しよう。君はより美しくなれる」

桜「うれしい」

綺礼「ああ、私もだ。こんな気持ちになったのは何年ぶりだろうか」

お互いに目を見て話しているよう見えて、その実異様な雰囲気が出ていた。
片方の目はうつろ、片方の目は少女ではなく、その奥にある何かを見ていた。

綺礼(不思議な感じだ。まだ何も始まっても居ないというの)

綺礼の目は自愛に満ちた目で桜を見ていた。迷える神の子らを導くのが聖教徒の勤め、ならばこれも天命であろう。
しかし神父の顔は歪に見えるほど笑みを浮かべていた。

綺礼「祝福しよう、間桐桜、私は君達の味方だ」

かくして迷える神の子らに扉は開かれた。しかし中にいたのは神の使いか、はたまた質の悪い魔物か。
ナカに入ったモノの姿は今だ見えない。

~おわり~



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:17:05.43 ID:WRRg+8f/0

とりあえず今日書いた分は終わり
また書き溜めたらスレ立てるよ

それじゃアイマス見てくる!



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:18:14.44 ID:svNEZi9HO

おつんおつん



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:18:30.51 ID:IrdP3PaK0


楽しみにしてる



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:18:38.19 ID:sZwZa0R9O


最後別のスレに誤爆しててわろた



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:24:45.02 ID:ah2PiQOu0

乙乙乙



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/23(金) 01:26:07.17 ID:ymyaBu/x0


待ってるぜ



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         コメント一覧 (14)

          • 1. 名無し
          • 2011年12月23日 02:48
          • 部活やってたり当たり前のように投影魔術が使えたりするけど私は元気です。
            オリジナルならまだしも本編を追随しようと思ったらやっぱきのこの偉大さがよく分かるな
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年12月23日 11:44
          • ※1
            粘菌乙。
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年12月23日 12:44
          • エロゲのシナリオ書きを本気で誉めてる奴見ると正気を疑う
          • 4.
          • 2011年12月23日 20:56
          • もうfateほとんど関係なくなってんじゃねーかw
          • 5. 名無し
          • 2011年12月23日 23:37
          • 俺得すぎてヤバい。
            ダンテ参入とか何度妄想したか分からない。
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年12月24日 13:31
          • 一応即興ってことになってんだから誤字、矛盾点はしょうがないだろ。
          • 7. 豚汁バレンタイン
          • 2012年01月03日 09:08
          • 1 毎回ダンテssで書いてるが、ダンテは兄貴兄貴って連呼しないし兄貴て言ったのはデビメイ4でネロに説明した時だけだっつの
            バージルにはしっかりバージルって名前でよんでるっつの
            しっかりゲームやってから書けっつの
            つのつの
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年05月11日 23:58
          • DMCのSSは出来が良いモノが多いんだけど、これを含めて大半が未完で終わっちゃうんだよなぁ
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年06月09日 23:31
          • 即興らしいから仕方ないんだろうけど見たことない剣を投影は名前の呼び方どころじゃすまないレベルの間違い
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年11月03日 11:21
          • 不平は言っても、自分じゃ書かないんですよね
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月01日 17:41
          • ※10
            そうだよなお前みたいなゴミガイジは特にな
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月01日 17:42
          • ※2
            カス乙
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月01日 17:44
          • ※11
            ゴミカスは口を開くな
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年08月01日 17:45
          • ※12
            うわ君口臭いなあ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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