マリオ「ピーチ姫の桃色天然水…マンマンミーアミーア…」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:14:48.64 ID:6Q2IK48UO
ピーチ「マリオ…?」
マリオ「オレ オマエ スキ オカス OK?」
ピーチ「NO!NO!!!」
マリオ「イヤッフゥ!!!マンマミーヤッ!!!」
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:21:12.71 ID:xQjLHdFk0
そういえば桃の天然水ってあったなぁ
⇒桃ノキモチ 赤い糸のむすびかた- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:23:33.89 ID:6Q2IK48UO
ピーチ「NO!!!ヘルプ!ヘルプミー!」
マリオ「イィイイ!ヤッハァアアア!」
ズブズブ!
ピーチ「oh!oh!yes!」
マリオ「ピーチ カンジテル オレノ スーパーキノコ フルボッキ」
ズブズブズブズブズブズブズブズブズブズブ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:27:53.34 ID:6Q2IK48UO
ピーチ「Wow!Wow!」
マリオ「ヒィイイイイ!ヤッハァアアア!」
ズハバスバババ!ドドドズブズブズブズブズブズブ!
ピーチ「アウ!アウ!」
マリオ「ルロホホホオオオウ!!!」
パンパンパンパンパパパパパパパパパパパパパパパンパンパン!
パチパチバンバンズキュキュンビチビチヴィッチヴィチパンパン!!!
ピーチ「NOOOOOOO!!!!!」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:33:38.41 ID:6Q2IK48UO
マリオ「う…イクっ…!」
ピーチ「ノー!ノー!!!!!!!!」
マリオ「イヤッフゥ!!!マンマミーアアアアアアア!!!ピィイイイチプリンセスドッピュリーノ!!!!!」
ドピュッドピュッドピュッ!
ドピュピュピュピュッピュッピュピュピュピュピュピュピュピュピュ!!!!ズビュユユル!!!!ビュクッビュクッビュクッビュクッ!ビクビクヴィク!
マリオ「イイイイイヤッハァ!!!!!」
ドピュチ!!!!!!!!!!!!!!!
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 16:51:04.20 ID:6Q2IK48UO
マリオ「ォフォウウウウウ!」
マリオ「ファィヤフゥオウアアアア!!!!!!!」
ピュ!!!!ピュ!!!!
ビクン!ビクン!ビククククククク!ビッック!!!!!
ピーチ「…グスン。」
マリオ「…ふぅ。この淫乱雌姫め。エロい体しやがって。」
ガラガラ!
マリオ「フォウッ!?」
クッパ「…貴様。」
マリオ「マンマミーヤ…。」
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 17:01:38.64 ID:6Q2IK48UO
マリオ「まままま、待てよwait誤解だ…夢だよ夢。ドリーム、ドリーム…ドリームイズワンダフル。」
クッパ「死ね」
バクシ!
マリオ「オ"オウ"!!!」
クッパ「人の女に手だしやがって。人の城から女を連れ出しては犯すこのチン粕野郎。」
ぺっ
クッパ「いくぞピーチ。」
ピーチ「うん!早くいきましょ!さよならマ ラ オさん!」
マリオ「…。」
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 17:20:08.30 ID:6Q2IK48UO
あの時のピーチは泣いていると言うより、酷く怒っていたようにみえた。
その頃からだろうか。
体が壊れ始めたのは。
骨がキシキシと悲鳴を上げ、いつしか俺は跳べなくなった。
はは、もしクッパが今の俺を見たら唾でも吐いてほくそ笑むんだろうな。
さよなら任天堂。
- 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 17:38:10.87 ID:6Q2IK48UO
マリオ「そいやさー!そいやさー!」
寒い冬の夜、配管工でせっせと働く男が一人。
彼の顔のシワや顎髭、口髭が彼を年齢以上に老けさせていた。
キノ五郎「おーい!マリオ!そろそろ上がるぞ。」
マリオ「ういっす。」
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 17:52:12.14 ID:6Q2IK48UO
キノ五郎「お疲れさん。また明日な。」
マリオ「ありがとうございます。」
キノ五郎さんは町の小さな配管工会社の上司で、町での生き方から何からなにまで教えてくれた恩人でもある。
時間は深夜2:00をまわっていた。
マリオ「ふぅう…今日は冷えるなぁ。」
冬の風が体を突き抜ける。
身震いしつつも俺はいつもより少しだけ急ぎ足で家路を辿った。
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 17:55:56.01 ID:6Q2IK48UO
途中でGEOキノコ王国支店に寄った。
金は無いが新作AVのタイトルくらいは見ておきたかった。それと任天堂の新作ゲームにも定期的に目を通している。
仮にも自分が長らく付き合っていた会社のゲームだ。
あの事件を期に任天堂をクビになった俺だが、後輩の頑張る姿くらいは見ておきたい。
マリオ「ついにクリボー君も主役になったか。昔から踏まれても涙だけは見せないヤツだったからな。「僕はこの役に誇りを持ってます。いつかマリオさんみたいになりたいです。」なんて言ってたっけかな。」
かつての敵役でさえも出世してることに時代の推移を感じる。
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:10:30.31 ID:6Q2IK48UO
子供キノコ「母ちゃん!クリボーパーティー2買って!」
子ども達が商品棚の前でわめいている。クリスマスシーズンを狙って販売しているゲーム達は皆有名なタイトル物ばかりだ。
そんな中、俺は安っぽいカートを覗いていた。
『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオ64』、『スーパーマリオギャラクシー』
200円ポッキリのかつての栄光を目を細めて眺めては手に取ってみる。
「さぁ君もマリオと一緒に飛び回ろう!」
元気そうな髭の男を中心にかつての仲間達が笑っている。
今の子達はこんな陳腐なゲームには目もくれないんだろうな。
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:22:33.42 ID:6Q2IK48UO
昔は町を歩けば人が振り向き、写真をとったり握手したりした。
ファンだった女優のデイジーさんまで握手を求めて来た日には一生手は洗いません。なんて言ったな。はは、ははは。
今じゃ誰も振り向かないし気付かない。そりゃそうだと自虐に走っては泣いていたが今は涙さえ出ない有様だ。
そうこう考えてる内に家についた。
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:37:00.28 ID:6Q2IK48UO
マリオ「ただいま~。」
ヨッシー『でってぃう。』
こいつはヨッシー。俺の愛龍。これでも立派なザウルスなんだ、可愛いものだ。
すっかり老け込んだ中年の男と痩せこけた恐竜は暖炉の前に座った。
マリオ『すまねぇな。今日も餌は無しだ…。』
ヨッシー「…。」
マリオ『もうすぐ給料入るから。それまで待ってくれ。』
マリオ『うめぇ飯たらふく食わせてやるから。』
と、少し苦笑いして、毎日の習慣的に壁に掛かった写真を見ていた。
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:46:01.37 ID:6Q2IK48UO
マリオ『懐かしいなぁ。』
その乾燥してパキパキの写真にはまだ小さい恐竜とマリオの弟や、ピーチ、キノコ達が笑顔で写っていた。
この時は俺以外はみんなゲーム初出演の新人だった。
よく皆で飲みにいったり騒いだりした。キノピオのヤツが舞台裏で煙草吸ってた時は叱ったり、皆から差し入れもらったり、何から何まで楽しかった。
ピーチとクッパはあの頃から凄くいいカップルだったな。…はは。マリオは間を置いて、また苦笑いした。
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:52:10.85 ID:YzHfWfyT0
なんぞこれwww
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 18:55:55.29 ID:6Q2IK48UO
写真の後ろには寄せ書きがしてある
「マリオさんは役者の鏡です。」「貴方に会えて人生変わりました。」「いつか立派なキノコになります!」「マリオさん万歳!」「貴方みたいな人と付き合いたいです(はぁと」「マリオさんとの共演は僕の一生の宝物です。」
等と沢山の賛美の句が寄せられている。
あれを全て読んだ時ゲーム役者始めて以来初めて泣いたのを良く覚えている。
任天堂で良かった。ってね。
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 19:07:26.97 ID:6Q2IK48UO
マリオ『あの時のお前はちっさかったなぁ。大きくなったもんだ。』
ヨッシー『でってぃう。』
昔はジャンプのマリオさんなんて言われてたかな。今じゃちょっと飛び跳ねただけで腰が抜けちまう。
みんなが見たら笑ってくれるかな。ははは…ははは。
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 19:17:45.98 ID:6Q2IK48UO
さすがに飯を食わなければ明日まで体が持たないと考えたマリオは弟に電話をした。
いつからだろうか受話器を持つたびに手が震えるのは。
一通話30円は俺にとっての大金だった。
ルイージ「もしもし。」
マリオ「ああ、俺だ。」
ルイージ「また金か。なら今すぐこいよ負け犬。」ガチャ
ツーツー
マリオ「ヨッシー留守番頼んだぞ。ちょっといっていくる。」
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 19:29:07.88 ID:6Q2IK48UO
やべぇええww
野暮用が入って二時間書けないw
今からルイージ編なのに…悔しいのお。
もしスレ残ってたら書くわ。
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 19:30:44.76 ID:1YucPSWdO
これは保守だろ…
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 19:33:24.77 ID:cbQ2aB47O
だまされたと思い開いてみると……
思った以上だ。
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 21:25:22.44 ID:6Q2IK48UO
よし終わった
再開すっぞ。
- 77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 21:30:22.30 ID:6Q2IK48UO
ルイージは町でIT系企業を立ち上げ、キノコ王国屈指の一流企業の社長になっていた。
任天堂のゲームにも脇役で出演したりしてこつこつ資金を稼いでいたらしい。
今では『スーパールイージワールド6』、『ルイージマンション8』、『星のルイージスーパーDX』等数々のシリーズ作品の主役にもなっている。
年収?恐らく国が動く程度だろう。
かつての緑の二番手は
今や任天堂の看板キャラクターだ。
- 78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 21:32:44.00 ID:BMFJ+vn3O
緑色のくせに……
- 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 21:42:50.64 ID:6Q2IK48UO
マリオ『すみません。』
フロントガール『何かご用でしょうか?』
フロントガール(うわ!くさいこの人!)
マリオ『社長に合わせてくれ。』
フロントガール『少々お待ちください。』
しばらくしてマリオはエレベーターで最上階へ向かった。
- 82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 21:51:18.61 ID:6Q2IK48UO
マリオ「ルイージ…」
そこにはスラッとした体系で気品漂うスーツを身に着け、カイゼルカットの男がいた。ルイージだ。
ルイージ「ほらよ、金。」
ルイージはマリオの頭の上から札束をばらまいた。
床に散らばる限り無い財力。命の切符。
マリオ「はぁ…はぁ…金!金…!」
ガサガサ
マリオは腰を落して息を荒立てて拾った。
ルイージは見下すような下目遣いをして、厳しい顔でマリオを見ていた。
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:02:47.12 ID:6Q2IK48UO
ルイージ「早く帰れ。ここはお前のくる所じゃない。」
マリオ「…はい。すみま…せん。」
何ともみすぼらしい声だった。
町で一番高い所で働く弟と
町で一番の地下で働く兄の位置は
あまりに遠かった。
マリオは札をバックに詰めて、そそくさと部屋を後にした。
ルイージ「もしもし明日朝一で掃除係呼ぶように言っといて、なんか部屋酷く汚れちゃってさぁ。」ガチャ
?「あなたぁ、電話まだ終わんないの?」
ルイージ「すまないね今行くよ、デイジー。」
- 94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:19:22.70 ID:6Q2IK48UO
風にたなびいた赤く美しいカーテンが最上階の窓から見え隠れしている。世界の羨望の的である2人はバルコニーから町を見下ろしていた。
デイジー「この町の灯や光、キラキラしたものは全て私達の物なのね。」
ルイージ「あぁ。全て君と俺だけの輝きさ。乾杯。」カチッ
年代物のブランデーを豪快に汲み取ったワイングラスを重ね、しみじみと飲み干す様はさすがは国を代表する富豪といったところだろうか。
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:27:37.62 ID:6Q2IK48UO
ルイージ「俺が世界一になったあかつきには、君に全てを捧げよう。金も、町も、国も、そして俺自身も。
何より美しい君の物さ。君の美貌にはこの国の灯じゃとてもかなわない。」
デイジー「ホント?嬉しいわ///」
2人の唇が甘い音を立てて重なる。
ルイージ「はは、君は本当に甘えん坊だな。」
それからしばらくして2人は薔薇に囲まれたシルクのベッドに身を包んだ。
生まれたままの姿で、何度もキスを重ね、愛し合い。月灯に照らされたワイングラスは輝きはその行為を加速させた。
ああ、この町は夢と野望で溢れ返っている。
- 97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:28:26.74 ID:zIlwj5Bv0
>>1には何かを感じて仕方がない
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:37:53.86 ID:6Q2IK48UO
マリオは町の隅を歩く様に小走りでコンビニに向かった。
町を行く人々が嫌な目でこちらを見ている。
「みてみてあの人ホームレスよ!」
「やっだー!キモいぃいい!マジ消えて消えて!しっしっ」
―やめろ―
―やめろやめてくれ―
―そんな目で俺を見るな、見るなぁああああ!―
マリオは走った。
そしてやっとの思いでコンビニに着いた。よくよく考えても見るといつものことだ。何も変わったことじゃない。もう慣れっこさ。慣れっこさ…。
- 101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 22:56:26.51 ID:6Q2IK48UO
コンビニの前では若いキノコ達がたむろしている。
若者はこんな時間に何をしているんだ。今は世間一般的に大人が大人の遊びを楽しむ時間だぞ。
DQNキノコ1『おいおっさん。』
マリオ『?』
DQNキノコ1『金。』
マリオ『…!』
DQNキノコ2『おっさんから金の匂いがプンプンすんだよねー。』
気がついたら囲まれていた。
マリオ『やめろ…。』
DQNキノコ3『ちょっといただくぜ!』
バクシ!
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:01:27.74 ID:6Q2IK48UO
マリオ「オ"ォウ!」
DQNキノコ1「はははwきめぇwww」
マリオ「…やめなさい。」
DQNキノコ2「は?なになに?聞こえねえなあ!」
バクシ!
マリオ「…ウブッ!!!」
DQNキノコ2「ハッキリ物言えよおっさん!」
バクシ!バクシ!
マリオ「…オォォ…」
- 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:05:48.97 ID:6Q2IK48UO
ゲームの中なら何にだって立ち向かうヒーローだった。
でもここは現実だ。
今の俺を支配しているのは恐怖に他ならない。
体が震えている。
脳がアドレナリンを出しているのが良く分かる。
怖い。
目の前にある世界が怖い。
- 108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:13:00.87 ID:6Q2IK48UO
マリオ「ぉ…ぉお…マンマミーア…」
マリオのツナギが染み、異臭を放つ水溜まりが出来た。
DQNキノコ3「このおっさん漏らしやがったぜwwww」
DQNキノコ1「傑作だwww写メ撮ろうぜwww」
カシャッ
DQNキノコ2「はははwオレツレ全員に送るわwwww」
DQNキノコ1「たまんねぇwww」
ガサガサ
DQNキノコ3「お、意外と金あんじゃねぇか。もらってくぜ!」
バクシ!
マリオ「…」
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:22:14.57 ID:6Q2IK48UO
DQNキノコ1「あーあ失神しやがった。ヒャッハッハ!涎とションベン垂れてやがるキメェなこいつwww」
DQNキノコ2「やめとけってwどーせ浮浪者だろwビンボー菌うつるぞwwwwなぁキノピオ?www」
キノピオ「もうやめとけ…くだんねぇ人間の相手する暇あったらエロ本でも読んでるほうがましだわ。」
DQNキノコ3「はは、ちげぇねえwww」
マリオ「…」
DQNキノコ2「こりゃいい気味だwwwよしいこーぜwww」
キノピオ(あいつマリオだな…こんなになってやがったか。本当にいい気味だ。もうこの町にお前の居場所はねぇよ。早く気付けよこの糞レイプ野郎。)
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:28:35.34 ID:6Q2IK48UO
ばしっ!
DQNキノコ2「っつ!いてえなぁ!前見て歩けよ!」
DQNキノコ3「…こいつは!」
キノピオ「クッパだ…逃げるぞ…!」
DQNキノコ1「退散!とんずらホイホイホイサッサー!」
キノコ達はキノコ菌が飛び散るくらい必至で逃げた。
クッパ「ふん…。」
俺様がお前達等に構うわけがないだろ。
この町は大きくなるにつれて治安まで悪くなっちまったな。昔が懐かしいぜ。
そしてクッパはズカズカと爪音を立ててコンビニへ入っていった。
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:32:31.94 ID:6Q2IK48UO
キノコンビニ店員「いらっしゃいやせー。ひいい!クッパさんだ!」
クッパ「ザウルスコンドーム300個。」
キノコンビニ店員「か、か、かしこまりました…。450000円になります。」
クッパ「金は払わん。文句があるなら食うぞ。さらばだ。」
キノコンビニ店員「ひぃいいい!」
クッパはクリスマスに向けてコンドームを買い、気球で城に帰った。
愛する妻の待つ城へ。
- 114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:33:42.00 ID:3lHA54geO
買ってるものはコンドームなのにワイルドすぐる
- 118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:39:38.35 ID:6Q2IK48UO
ピーチ「おかえり…」
クッパ「ギャオオス!」
ピーチ「きゃああ!いきなり!」
帰って来た矢先クッパはピーチに飛び掛かった。
クッパのモノは恐竜で言うとキングサイズといったところか。
ざっと50cmはある黒の巨塔がそそり勃っていた。
ピーチ「やめて!毎日毎日もう嫌よ!」
どうやらあの頃の2人とは少し事情が違うみたいだ。
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:48:29.50 ID:6Q2IK48UO
ピーチ「痛い…痛いわ…。」
あたし達は付き合ってもう何年もなるし、お世辞にも若いなんて言える歳じゃない。
けど歳をとるに連れて夫の暴力は増えていったわ。
最初は殴ってくるだけだったわ。それがだんだんエスカレートして今では一日何十回も性行為をさせられてる。
今は4:00よ…今日だけで何回目よ…このままだとあたし壊れちゃう。
クッパ「ギャオオス!」
ピーチ「いやぁあああ!」
- 124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:54:15.20 ID:6Q2IK48UO
クッパ「どうだ?気持ちいいのだろう?もっと激しく欲しいのだろう?」
ピーチ「いや…」
バチン!
クッパ「言ったとおりにしないか!俺様にはオマエの心が見え透いてならない…。」
ピーチは泣きたかった。しかし泣いたらまた殴られる。怖かった。
それは暴力からくる恐ろしさと言うよりは、今まで優しかった夫が急に手の平を返したように暴力的になったことへの恐怖だった。
以前のピーチの綺麗な髪の毛はストレスでクシャクシャになり。今はゲームで役を務める時にはカツラを被っている。
- 128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/20(月) 23:59:39.52 ID:6Q2IK48UO
言うとおりにしなきゃ…。
ピーチは静に決意していたがやはり心が痛んだ。
何より早くプレイから逃げ出したいという焦燥に駆られていた。
ピーチ「はい…気持ちいいです。御主人様のザウルスオチン○ン私のピーチにぶち込んでください。」
どうだろうか。もし誰かがこの台詞を聞けば、本当にあのピーチだろうかと己が耳を疑うだろう。これがお姫様役が似合ってお淑やかで綺麗なピーチ姫様の言うことだろうか。
最近の彼女はそれほどまでに抑圧された日々を送っていた。
クッパ「ギャオスwギャオスwそれでよい!行くぞ…」
ギ…ギギギ…
ピーチ「っつ!あぁあああああ"ん"!」
クッパ「ンギャオオオオオオオ!!!」
この時城から聞こえた雄叫びは町まで届いていたという。
- 133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:08:36.10 ID:yzqzj6l/O
クッパ「ふぅ…。」グー!グー!
ピーチ「ねちゃった…」
夫が寝た刹那。彼女のダイヤモンドのような瞳から大粒の涙が溢れた。
ピーチ「…う…うわぁあああん…グスン。」
ピーチ「もう…嫌よ…」
ピーチは体にタオルを巻いて、シャワーを浴びていた。
シャワーの霧の中をピーチ姫のしょっぱいスコールが流れる。
助けて欲しい…でももうこの歳ではあてもないし、ゲームで知り合うのは顔も知らない新人ばかりだ。そう思う度に大声をあげて泣いた。
夫が寝ている間は唯一安心して泣ける時間なのだ。大切でいて尊い、まどろみの時間。
- 142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:17:55.51 ID:yzqzj6l/O
一人の夜を過ごし。月に向かって泣いては跪き。どうしようもない残酷な日常をただ享受するしかない。
そんな自分を締め殺したいくらい張詰めていた。毎日毎日死のうと思っていた。
だけどそんな時いつも頭の中に浮かんでくる写真がある。
ただの紙切れに近いそれはピーチにとっては神様よりも偉大であってどんな言葉よりも勇気をくれる物だった。
髭の男を中心に皆や若き日の自分が仲良く笑っている。
それを思い返す度にもう少しだけ頑張ろう。
そう思えるのだった。
暗い夜が明けようとしていたそんな頃だった。
- 143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:18:34.10 ID:psa397gG0
何だこの深さ・・・
- 147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:29:35.37 ID:yzqzj6l/O
―おーい!―
マリオ(マンマミーア!クリスティーナちゃんのおま○こ美味しいチュブリーノ///)
―おーい!―
マリオ(クンカクンカ///ヤベェだぁ///そんなに攻められたらオラ逝っちまうだぁ////)
―おーい!―
マリオ(ヒャアッフゥウウ///)
―おきろコラ!!!―
バクシ!
マリオ「オォオ"!……は!やっぱし夢か…おっと夢精しちゃった///てへ///…ってキノ五郎さん!」
キノ五郎「おい!何をいってるんだ!こんな所で寝てたら風邪ひくぞ。」
マリオ「ここは…ああ…俺あのままゴミ箱で寝てたんだ…もう、朝か…」
なんか久々に日に当たった気がするな。ありがとうキノ五郎さん。お陰でキノコがモヤシにならなくて済んだぜ。
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:36:50.79 ID:yzqzj6l/O
マリオ「キノ五郎さん、何でこんな所に?」
キノ五郎「ただコーヒー買いに来ただけだ。別にお前を助けたかったわけじゃない。
全く、なんであんな所で寝てんだよ。」
マリオ「ははは、すみません…ついつい飲んじゃって。」
キノ五郎「ふーん(´⊇`)」
キノ五郎「ま、散歩でも行っか!たまには朝から運動もいいだろ。」
マリオ「え!いきなりっすか…まじ朝からテンションパネェっすよ先輩。」
キノ五郎「つべこべ言わずについてこい。」
マリオ「うい~す。」
そして俺達は近くの河原に向かって走った。朝の澄んだ空気は少しながら思い気持ちを紛らわせてくれた。
- 152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:44:08.10 ID:yzqzj6l/O
五分くらいで河原に着いたがなんせ慣れない朝だ、体にこたえる。
マリオ「フォウ…フォウ……」
キノ五郎「こんくらいでへこたれんなよ。町の配管工屋の名が泣くぜ。ほらよ、これやるよ!」パシ
マリオ「このコーヒーは?」
キノ五郎「頑張った君への御褒美(笑)だ。さぁありがたく飲め。」
マリオ「…グビ…グビ…」
あれ、コーヒーってこんなに美味しかったっけ。あれれ、涙が…オォウ
- 155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 00:53:23.43 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「それにしてもおめえは臭えなぁちゃんと風呂入れよ。配管工屋の嗜みってもんだぜ。」
マリオ「グビグビグビグビグビグビグビグビ!」
キノ五郎「おいおい何か喋れよ。どうだ。朝のコーヒーは体の芯から温まるだろ。俺も昔は先輩達とよk…っておめえ何で泣いてんだ?」
マリオ「…先輩!コーヒー美味いっす!オロロ~ン!美味いっす!美味いっす!オロロロロォオン!キノ五郎せんぱぁあああい!」
キノ五郎「やめろ飛び付くな!男はお断りだ!悪いがオレはノンケだノンケ!その道に行きてぇならハンマーブロスあたりに絡んでやがれ!!」
マリオ「ウォワァアアアンミーヤ!」
キノ五郎「まぁ落ち着け。そろそろほんとの事聞いていいか?」
マリオ「…グスン。フォウ?」
- 159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:01:44.74 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「昨日何があった。」
マリオ「いや~久々に飲みましたねぇ///」
キノ五郎「じゃあその靴で踏まれた跡はなんだ?」
さすがに鋭いな。
マリオ「こういうプレイをしてまして///いやぁ俺ってマリオだけにMだから///こういの好きでして…」
キノ五郎「嘘はいい。俺は真実が知りたい。」
マリオ「…く。」
馬鹿な俺は二の句が継げなくなり苦肉の策としてしかめっ面をした。
キノ五郎「力になりたい。もう一度聞く昨日何があった。」
上司の威厳に満ちたその声に圧倒されたためか、会社でギクシャクした関係を持ちたくないためか、はたまた付き合いの上での情か。俺は昨日あった事を全て洗いざらい話した。
- 163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:11:10.86 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「そうか…すまねぇな…ちっちぇ会社で。ほんとにすまねぇこの通りだ!」
キノ五郎さんは頭を下げて俺に謝った。
なんとも心が痛んだ。
マリオ「いや、いいですよ。キノ五郎さんは何にも悪くないっすよ。優しくて力強くて、ほら、今だって助けてくれようとしてるじゃ無いっすか。俺、キノ五郎さんにだったら掘られてもいいっす!」
キノ五郎「最後のは余計だ…。俺もいい後輩を持ったもんだ。心から礼を言う。」
キノ五郎さんはそう言ってまた頭を下げた。
やめてくれ。あんたに下向きは似合わない。
マリオ「こちらこそキノ五郎さんみたいな上司持てて幸せです。」
キノ五郎「はは、俺は幸せ者だな。配管工屋で良かったよ。臭え仕事だけどよ、地上の奴等にゃ分からねぇもんをいっぱい持っているつもりだ。」
朝日に照らされたキノ五郎さんの目はまるで子供みたいにキラキラしていた。
- 167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:16:17.75 ID:an9iQAytO
キノ五郎さんいい人だ…
- 168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:20:09.94 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「なぁマリオ…一つ聞いてくれるか?」
マリオ「フォウ?」
キノ五郎「その返事やめろw笑っちまうwまぁ妻の話だ。」
妻?そういえばキノ五郎さんの家庭については聞いた事が無かった。
いや、聞かなかったという方が妥当だろう。
何となくそこだけはタブーの気がしていたからだ。
キノ五郎「おめえにだけは話そうと思ってな。」
マリオ「は、はい…。」
キノ五郎さんは淡々とそしてゆっくりと昔話を始めた。
まるでいつかいなくなってしまうかのようにも思えたがそれは生きて行く上で当たり前なのだと自分に言い聞かせた。
- 170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:33:14.11 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「俺の嫁さぁ。三年前に死んだんだ。ほら、この指輪はあいつの形見だ。」
キノ五郎さんはポケットから鑑定にはとても掛けられそうにもない古びた指輪を出した。
直後ここで鑑定云々を考えるのはおこがましいと心の中で詫びた。
キノ五郎「ちょうどキノコ景気の時だったかな。俺が配管工屋で働いて、ボロボロになってる夏のある日。ネコ見つけてな。いやぁ最初は食われるかと思ったぜ。
つっても良く見たら弱っててよ、頭のキノコ分けてやったんだ。」
今まで配管工で付いた傷だと思っていたキノ五郎さんの頭の傷の意味をそこで始めて知った。
キノ五郎「猫と暮らす日が続いたある日俺を訪ねて来た女性がいた。そりゃもうナイスバディで純粋無垢な俺でもフル○起だったぜ。しかもそいつが猫の飼い主だったからたまげたもんだ。」
キノ五郎「それからそいつと俺は仲良くなった。テニスしたりゲームしたり、猫と戯れたり、夏祭りで花火眺めたりよお。」
キノ五郎「気がついたら結婚してた。」
- 175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:43:24.21 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「あんときゃ幸せだったさ、毎日が新しくてな。俺が配管工で臭えヘドロ付けて帰って来ても文句の一つも言わねぇで洗濯してくれた。これがまた良い匂いなんだわ。」
これを話してる時のキノ五郎さんの顔、最高に輝いてた。なんていうか、サンシャイン並に。
キノ五郎「でもよ、不幸な事に元々体が弱い娘でよ。子供は生める体じゃなかった。菌を受粉する細胞が弱ってたんだ。あいつごめんねって泣いてた。」
キノ五郎「それでも俺達はめげなかったさ。キノコの神様って最後まで諦めなかった者のみに幸せくれるんだろ。
俺達は精一杯生きた。二人と一匹、ほんとに幸せだったぜ。しかし幸せに甘え過ぎて浮かれていたんだ。あの日がくるまでは。」
- 178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 01:54:09.36 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「明日を嫁の誕生日に控えた8月25日。夏も涼しくなって来たからって、あいつ猫と散歩行ってたんだ。
俺はキノコ景気で忙しかったから朝から仕事でよう。そしたらいきなり内の猫が来やがった。ヤケに慌てた様子だったから何かあったことは直ぐに分かった。」
キノ五郎「いやぁな予感がしてた。配管工屋の勘って奴だ。俺はその日の仕事をほっぽらかして猫を追った。走って走って走ってその先に確かな現実を見た。」
キノ五郎「叫んださ。菌が無くなるくらい叫んだ。だってよ…目の前で嫁が頭半分砕けて倒れてるんだぜ。」
キノ五郎「人はあまりにキノコに触りたがらないから倒れてても無視だ。知らぬフリ見て見ぬフリ。あんな現実があっていいのか!なぁ!なぁ!」
ガサガサ!
キノ五郎さんは俺の胸倉を強く摘んで揺すった。俺には掛けて上げられる言葉を探す力は無い。
キノ五郎「す、すまねぇ…つい熱くなっちまった…」
マリオ「…続けてください。」
- 180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:04:51.55 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「俺は妻を抱いて直ぐ医者に駆け込んだ。しかし人間の医者は皆相手にしてくれなかった。」
キノ五郎「何件もたらい回しにされ、途方に暮れた挙げ句、俺は町外れに小さな医者を見つけた。そこにいたジイさんが何とか手当てしてくれた。
でもよ、分かるんだよ。あいつがだんだん弱ってるの。」
キノ五郎「23:00になって、俺はあいつにもうすぐ誕生日だぞ、あと少しだ!頑張れ!頑張れ!俺達夫婦まだまだこれからだろ!って言ったんだ。
キノコの神様は最高まで諦めなかった者に幸せを与えると信じていた。いや、何かにすがるしかなかった。怖かった。今が無くなるのが怖かった。」
キノ五郎「そんな終末への夢はやはり夢でしかなかった。愚かな行為だった。
誕生日まで後五分くらいの所で妻が何か喋ったけど、聞き取れなかった。その後妻は小さく笑って、息を引き取った。」
- 184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:13:45.19 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「それからかな猫もだんだん弱って後を追うようにこの世を去った。一人の残された俺には配管工しか残って無かった。
臭くて暗くて汚い世界。それでも希望を手探りで探そうとした。」
キノ五郎「仕事をほっぽらかしてしまった俺だが何とか夜勤には付けた。不幸中の幸いってやつか。もしかすると神様の贈り物か。
あの時は何であっても有り難かった。」
キノ五郎「夏は静かに終り。気がついたら、寒い冬が来ていた。」
キノ五郎「そして今に至るわけだ。はは。」
キノ五郎さんは泣いてた。こんなに泣く所を見たことがない。普段押さえ込んで来た寂しさや辛さ、未だに押さえられない愛情が溢れていた。
誰に彼が救える。もはや何もありはしないのは俺でも分かった。
冷たい配管工だけが彼の居場所なのだと悟った。
- 185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:15:08.23 ID:yzqzj6l/O
そろそろ寝ます。
今日はほんとうにありがとうございます。
スレあったら明日の夜にはまたきます。
マンマミーア。
- 187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:17:16.03 ID:C11HKVVG0
マンマミ乙ア
- 190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:26:08.98 ID:an9iQAytO
乙です!
続き楽しみにしてます
- 191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 02:28:08.93 ID:3QXMbcRzO
乙ン乙ミーヤ
- 220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 09:18:15.84 ID:UTGU3iduO
ほ
- 221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 09:38:20.63 ID:AFOHCHb3O
し
- 222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 09:46:02.66 ID:EWzfOnmuO
ゅ
- 265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:04:54.86 ID:yzqzj6l/O
ありがとう、保守をありがとう。感謝します。
再開イヤッフゥ!
- 266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:05:54.52 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「おめえもな、この町で生きていきたかったら夢を見つけろ。守りたい者がきっとお前を強くしてくれる。
配管工なんていつか出ておっきく出世してくれ。」
そんな事を言われても、俺がいなくなったこの人はどうなる。また一人になる他無い。
出来ない。俺には出来ない。なぜなら…
マリオ「俺が守りたいのはキノ五郎さんです。決してうほっな意味ではなく、心の底からそう思いました。」
キノ五郎「おめえ…」
マリオ「俺頑張ります。明日…いや今日から精一杯頑張ります。キノ五郎さんと一緒に働ける事を誇りに思います!」
―マリオさんと共演できたことを誇りに思います!―
一瞬何かが頭を過ぎったが、キノ五郎さんの放つ眩しさの中に消えた。
あまり歳は変らない筈、むしろ見た目なら俺の方が老けている筈なのにキノ五郎さんはずっと年上に見えた。
- 267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:06:16.75 ID:tpEkrcnRO
(・∀・)キター(・∀・)
- 268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:08:59.61 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「お前はほんとに神様かもしれないな。はははは。」
冗談混じりに笑ったその顔はなんとも幸せそうで、つい羨ましくも思えるのだ。
マリオ「はは。キノ五郎さんのタメなら俺頑張ります。誓います。」
キノ五郎「俺は厳しいぞぉお~」
マリオ「何が起きても気分はヘノヘノカッパっすよ!」
キノ五郎「ははは。その意気だマリオ。」
- 269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:09:42.07 ID:yzqzj6l/O
そして俺達はまた仕事で会おうと言って別れた。キノ五郎さんは別れ際に大きなリンゴをくれた。
二人はまるで有名人と別れるみたいに握手をして、朝日に誓いを立てて。
夜にはまた配管工に臨むのだ。俺達の居場所へと向かうのだ。
朝の空気を胸一杯に吸い込み、駆け足で家へ帰った。
- 270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:14:00.68 ID:rGfMpk7V0
ちょっと配管工に就職してくるわ
- 273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:21:50.10 ID:yzqzj6l/O
先に予定を言うと
今日は
町の政策~マリオ再会編くらいまで書きたいです。
- 275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:28:33.97 ID:XIYVSaAdO
そんなにあんのかwwwwwwww
- 276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:30:36.74 ID:yzqzj6l/O
一方キノコ王国第一会議室ではキノコ王国社長会議が行われていた。
ルイージ「つまり私の会社の投資によって大規模ゲーム店舗を作り、ゲーム産業のシェアを拡大しようという訳です。私の顔は万人の知る顔、宣伝効果にも繋がるでしょう。」
国王「ワシはそのような事は言っておらん。確かに君は優秀だ。この町の発展は君無しには成し得なかった。君の案はこの町を更に発展させることだろう。
しかしだな、それでは職場を破壊された大量の失業者が出てしまう。その人々の家族や家はどうするつもりだ。」
国王「ルイージよ。発展と豊かさは違う。君なら分かるだろう。」
どうやら今日の会議はルイージの発案についての議論らしい。
- 278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:43:03.46 ID:yzqzj6l/O
ルイージ「その点ならお任せください。私の計画によって職を失った者の家庭には私の会社から毎月保障金を与えましょう。」
国王「それでは一家の柱として働いている労働者達の誇りを損ねることになるぞ。」
ルイージ「この期に及んで何をおっしゃる。ドゥカティは炭鉱業、リップルは漁業、みなそれぞれ発展しているのです。
取り残されぬ為には我々の国のキノコ産業に次いでナンバー2シェアであるゲーム産業を更に大きくするしかありません。それに民衆もキノコがキノコを売る生活にはもううんざりしてるところでしょう。」
ルイージ「中小企業の仕事は大企業や輸入によって賄えるでしょう。今の私の会社ならこの国に新しい未来を築けるはずです。」
国王「確かにそうじゃが…。しかし…。」
- 281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:52:19.60 ID:yzqzj6l/O
ルイージ「いつかは決断しなければ、このデフレの波を押し返す事は出来ないのです。
キノコ景気を取り戻す為にも迷っている暇など無い筈です。この期を逃す訳にはいかない。共にこの国の明日を築き上げましょう。国王。」
国王「承知した。…じゃが他の議院の賛否を取ってから是非を問いたい。今暫く待ってくれぬか。」
ルイージ「かしこまりました。出来るだけ早急にお願いします。」
国王の考えまでをも動かしつつあるルイージはさすがである。彼の信念には鋼よりも重厚な筋が通っていたのだ。
- 282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 18:54:30.87 ID:yzqzj6l/O
その日、会議室を後にしたルイージは当て付けのリムジンでオフィスへ帰った。
最上階へ昇るエレベーターの途中で腕時計を見ては足踏みを繰り返した。
そして早々と自分の部屋の大きな扉を開いた。
デイジー「おかえりなさい。大丈夫…?疲れて無い?」
ルイージ「ああ…大丈夫だ。心配しないでいい。」
そう言ってルイージは上着をハンガーに掛けた。
そしてそのまま流れるようにベッドに倒れ込み、横にって深く眠った。
デイジー「無理は、しないでね…。」
夫の顔を眺めては撫でるデイジー。毎日の会議で夫が疲れて帰ってくるのを誰よりも心配しているのもデイジーだ。
- 283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:06:46.46 ID:yzqzj6l/O
「ヤーイヤーイ!レイプ魔の弟さーん!w」
「こわぁあいwあいつもキットレイプ魔よww屑よ屑よwwさいてーwww」
違う。俺は違う。
あいつと一緒にするな。
「キモい緑だわwこの粕脇役ww」
「ワロスwwテラ三枚目wwww」
やめてくれ。汚いのはあいつだ。赤がやったことだ。俺はあいつの家族でも何でもない。
あいつを超えてやる、いつか俺が主役になって見返してやるんだ。
万物を凌駕して何もかも手に入れてやる。これは赤への復讐や嫉妬心ではない。
支配欲が生み成す、滑稽な欲望だ、贅楽の極みだ。
何に食らい付いてでも俺は必ず這い上がる。
- 285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:09:07.81 ID:g7D54TZM0
>>1から読み返すと同じ奴が書いた文章には到底思えんな
- 288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:17:55.30 ID:yzqzj6l/O
ルイージ「また夢か…。」
ルイージは沢山の汗をかいていた。
デイジー「無理はダメよ。もうお昼だし、仕事ないならドライブでも行きましょ。」
ルイージ「ああ。行こうか。良いランチを出してくれる料理店がある。」
デイジーに手を取られてベッドから起き上がり、スーツの支度をして高級車に乗り込んだ。
何分もしない内に二人は出発した。
二人を乗せた車が冬の風を引き裂いて何にも囚われず道を突き進んで行くその様子は、今の彼ら自身を象徴する物のようだった。
- 293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:34:13.23 ID:yzqzj6l/O
マリオ「ただいまヨッシー!」
ヨッシー「でってぃう!」
マリオ「ほおら今日はご馳走だぞお~」
ヨッシー「ででででってぃう!」ペロン!
マリオ「オォウ!全部食いやがったなこの野郎!このこの~イヤッハァアア!」ポカポカ!
ヨッシー「でってでってぃう!」
今日は昼間から楽しかった。
少しヨッシーと遊んでからゆっくりと眠った。久し振りに安心して眠れる。
マリオはの表情はすっかり和らいでいた。
- 294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:35:46.11 ID:yzqzj6l/O
マリオが眠ったそんな頃、町外れのクッパ城では。
ピーチは一晩悩んで決意していた。今日こそは己の内を打ち明けなければならない。
ピーチ「ねぇ貴方?」
クッパ「なんだ。」
ピーチ「あたしたち、別れましょ。」
クッパ「!?笑わせるな。何処に行く当てがあるというのだ。」
ピーチ「貴方が居なければ何処でもいいわ。あたしたち終わりよ。お金なら全部置いとくから、もうほっといて。」
バチン!
ピーチ「きゃあああ!」
案の定クッパは渾身の力でピーチをひっぱたいた。しかしピーチの屈強な目はクッパの目を睨んでいた。
- 295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:38:40.29 ID:yzqzj6l/O
クッパ「なんだその目は。」
ピーチ「付き合ってた最初の頃の貴方は優しかった。でも最近の貴方ときたら、酒を飲んでは殴って、人を性欲のはけ口にして…もううんざりよ!!!」
クッパ「ギャオオオス!」バチン!
ピーチ「…。」
ピーチは叫ばなかった。ただクッパの目を睨んでいた。
彼女は気絶する程の痛みを必至で堪えていたのだ。彼女の頬は赤く腫れ痣ができた。
今の彼女にあの頃のクッパはもう見えていない。
見えているのは目の前にいる醜悪な姿をした悪魔だ。
- 298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:48:03.23 ID:yzqzj6l/O
ピーチ「さよなら!」
ピーチは走り出した。振り向かずそして思い残す事無く走った。
自由への逃亡だ。長年の呪縛を解き放ち、新しい世界へ今帰るのだ。彼女の目は戦士の目だった、遠い空を映しては輝いていた。
いくつもの柵をかいくぐり、絡み付く鎖は引きちぎった。
檻の中の小鳥はやがて大きな翼を広げ、空へと巣立ったのだ。あの頃見たのと同じ色の空。写真と同じ夢の色。
淡くて切ない冬の香りがする。
長いブロンドの髪を棚引かせ、ピーチは城を後にした。
- 307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:06:30.46 ID:yzqzj6l/O
クッパは動けなかった。いくら怒り高ぶっていたとはいえ、目の前に映る光景があまりに眩しく、美しかったからだ。
少しだけ、付き合って間もない日を思い返してみるとふと大切な事を思い出した。しかし失ってからではあまりに遅かった。
- 308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:07:27.28 ID:yzqzj6l/O
彼はクッパ城で一人残された。いるのはノコノコが五匹、クリボーが二匹くらいだ。
クッパ城は『マリオワールド』等の様々な舞台として使われたアミューズメントパークだ。最近はすっかり客も減り、土地の税を彼から吸い上げる物でしかなくなった。
悪役スターとしての出番も徐々に少なくなり、ストレスは日に日に溜まっていった。
彼がピーチに乱暴を始めたのはその頃からだ。その行為は次第にエスカレートしていき今に至った。
- 311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:16:02.92 ID:yzqzj6l/O
クッパ「はぁ…分かってたつもりなんだけどよ。」
クッパは昔のアルバムを見ていた。
ビーチで肩を並べる二人。気球で空を飛ぶ二人。キスする二人。
俺様がどうかしてたぜ。今更正気に戻って後悔しても帰って来ない。
クッパは声にならない叫びを上げた。
そしてトボトボと部屋に帰って行った。
それを影からスタッフのクリボーがなんとも言えぬ表情で見ていたことは後になって知る事になる。
- 317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:40:49.59 ID:yzqzj6l/O
―このおっさんキメェwww―
―くせぇwww死ねよwww―
―いくぜピーチ―
―さよなら!マ ラ オさん!―
ぅああああああああ!
マリオ「フォウ!」
マリオは飛び起きた。
またあの夢を見た…あの日以来毎日見ている。こういうのを悪夢というのか。いや、悪いのは自分か。はは。
小さく笑い作業用のツナギを着て町の配管工屋へ向かった。
マリオ「行ってくるよヨッシー。」
よし、今日は頑張るぞ。そんな気持ちでいっぱいだった。
- 325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:58:11.11 ID:yzqzj6l/O
マリオ「ちわっす。」
キノ五郎「おお、来たか。んじゃ今日は第4パイプラインの点検からだ。」
マリオ「ういっす。」
長い事勤めている甲斐あってか、今日も作業は順調だ。
手際良く点検をこなした。
キノ五郎「よし、次は詰まったパイプの掃除。」
マリオ「ういっす。」
キノ五郎「えんやさー!」
マリオ「そいやさー!」
ここは暗くて臭い。しかし俺達にとっては町で一番明るい場所なのだ。
- 328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 21:07:39.62 ID:yzqzj6l/O
えんやえんやそいやそいやそいや!
マリオ・キノ五郎「マンミーヤさー!」
すると詰まっていた配管からヘドロが流れ始めた。やったぜと言わんばかりに二人は腕組みをした。
しばらく達成感を味わってはまた次のパイプを目指した。単調な作業だが、本当に楽しかったのだ。
- 329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 21:08:26.61 ID:Iu3tgfS50
マンマンミーアミーア・・・・
- 331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 21:13:50.58 ID:yzqzj6l/O
キノ五郎「よっしゃ終り。そろそろ上がるぞ。」
マリオ「ういっす。」
バリケードを張ったマンホールから泥まみれになった二人が出て来た。
キノ五郎「今日は一緒に風呂行くか!」
マリオ「いいんすか!ありがとうございます!ルロホホオオウ!」
二人は全速Bダッシュで近くの銭湯へ向かった。
マリオ「あれ…路地裏でキノコ達が喧嘩してる…」
キノ五郎「お前を殴ったのはあいつらか!畜生!許せねぇ!」
キノ五郎は腕をブンブン回して言った。
マリオ「まぁまぁ今は風呂っすよ。行きましょう。」
この町ではああいう奴等には近寄らないのが鉄則だとつい最近体で学んだばかりだ。
しかし何か不安だった。あれは確かにどこかで見たことあるキノコだった。白い頭に赤いはん点。
とにかく今は風呂だ。俺達は先を急いだ。
- 353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:14:49.60 ID:yzqzj6l/O
キノピオ「うぐっ!」
DQNキノコ1「おいおいキノピオさんよお!俺達の薬を何処へやったのかな!ええっ!」
バクシ!
キノピオ「…ぐ!」
ガサガサ
DQNキノコ3「おい!あったぜ!こいつ俺達の薬を勝手に使ってやがる!」
キノピオ「返せ…」
DQNキノコ2「はぁん!?俺達の物だろが!」
キノピオ「はぁはぁ…!かえせえええええ!!!!」
バグシ!
DQNキノコ3「痛っっ!!!」
DQNキノコ1「おい!逃げたぞ!」
振り向いた頃にはキノピオは居なくなっていた。この瞬間から彼等に軋轢が生じていたのであった。
DQNキノコ1「あのカビキノコ野郎!今度会ったら俺等のダチ全員で潰す!!!」
- 355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:18:14.45 ID:yzqzj6l/O
キノピオ「はぁ…はぁ…ヒャハハハハwwwこれだよこれ、このマッシュルームが欲しかったんだwww」
キノピオ「モグモグ…ヒィヤァアアアアアwwwwwwテンション最高www気分は上々ぅうう!!wwwwヒャッハッハァアアアッ!」
少年は悪魔のキノコを食い散らした。
不敵に笑う姿を月が映し、その影はただならぬ程に黒く長く伸びていた。これは俗に言う予兆というものだろうか。
キノピオ「ラリホォ~www」
いたって快哉な快楽の声が夜空の暗闇にこだましていた。
- 361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:33:43.08 ID:yzqzj6l/O
マリオ「フォウ…フォウ…やっと着いた。」
キノ五郎「あぁ…全力Bダッシュはさすがに疲れたぜ。」
ガラガラ
二人は汗をダラダラ流しながら更衣室に入った。扇風機や体重計、ドリンクボックスやテレビはフル装備だ。
その時キノ五郎の目に、あるニュースが止まった。
キノ五郎「お、臨時ニュースだぞマリオ。」
マリオ「フォウ?」
キノ五郎「…!!!」
キノ五郎の瞳孔が開いた。
- 367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:42:34.81 ID:yzqzj6l/O
TV「昨夜21:00頃、ルイージコーポレーションのゲーム産業シェア拡大計画がキノコ王国社長会議にて可決されました。中小企業を極限まで削減し、大企業の割合を増やすのも目的の一つだそうです。」
キノ五郎「中小企業の削減…。マリオ…こりゃヤベェぞ。」
キノ五郎さんの体が震えている。どうにかこの不安を救わなくては。俺が力にならなくては。
マリオ「ははは、大丈夫っすよ!配管工って縁の下の力持ちだから破綻されたら国も困るはずです。だから大丈夫っすよ。」
俺はなんとかその場を取り繕うと努めた。
キノ五郎「おめぇには言ってなかったがな、ウチの町にはもう一つ大企業の配管工屋『有権会社ベローム配管工』ってのがあんだよ。生き残るのは恐らくあそこだ…。あそこにかかりゃウチなんてすぐに潰されちまう。」
こんな弱気なキノ五郎さんは始めて見る。不覚にも俺まで不安になってきた。
- 372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:46:18.24 ID:F3NQrhLLO
ベロームwww
あの偽物作る奴だっけ?
- 373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:48:15.60 ID:xctNx8Ld0
>>372
二回出たよな最初の方の下水道とベローム神殿で
- 377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:54:43.13 ID:F3NQrhLLO
>>373
ベローム神殿ってあったなwww
- 385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:18:04.22 ID:xctNx8Ld0
>>377
ガキのころだからあんまり覚えてないが
モンスタウンの行き道だっけ
- 376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:52:30.40 ID:yzqzj6l/O
マリオ「大丈夫っす…俺がいるっす。」
キノ五郎「マリオ…」
マリオ「もし取り立て屋が事務所に来たら俺が体張って追い返します。今朝約束したばっかしじゃないっすか。そのかわりコーヒーの借りはそれでチャラにしてくださいね。」
そう言うとマリオは笑って見せた。キノ五郎さんにとって配管工屋は唯一の居場所なのだから。誇りなのだから。
キノ五郎「おまえってやつは…マリオ、悪かった。俺が弱気じゃいけねぇな。会社は俺も全力で守るさ。」
コーヒーの借りか…。はは、いかにもあいつらしいな。
本当に良い後輩を持ったものだ。
キノ五郎「よっしゃ!風呂入るか!」
マリオ「ういっす!」
- 378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:00:25.31 ID:yzqzj6l/O
マリオ「~♪」
軽快に口笛を吹いて所々ヘドロのついた体を洗っていた。
キノ五郎「…。」
キノ五郎さんは黙って体を洗っている。やはり不安なのだろう。
隣りの鏡に映ったキノ五郎さんの目が泳いでいる。
何とかして話題を作らなければ。
マリオ「キノ五郎さんこんないい銭湯知ってるんなら早く紹介してくださいよぉ。」
キノ五郎「あっ…わりぃわりぃ。こんくらい親密になってから来たかったんだ。ひと味違うと思ってな。」
マリオ「またまたそんなに気を使ってくれてえ///嬉しいっす。」
何から何まで準備のいい人だ。尊敬できる部分が多すぎる。
- 383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:10:07.55 ID:yzqzj6l/O
政策の根源が自分の弟だなんて、言える筈は無かった。
言ったらどうなるかは予想がつく。とにかく今の関係に傷は入れたくない。
もっともそんな話は信用してくれないだろうが。
マリオ「サウナ…いっちゃいます!?」
キノ五郎「おお!我慢大会の始まりだ!」
二人はサウナルームへ入った。
マリオ「負けませんよ。ニコ。」
キノ五郎「お手柔らかに。ニコ。」
こうして二人の冷戦…否、熱戦は始まった。
上司と部下の戦いの火蓋は切って落とされた。
- 388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:21:19.18 ID:yzqzj6l/O
ピーチ「寒いわ…ガクガク。」
城を出て来たのはいいけどこんな夜になっちゃった。開いてる店もあんましないし…。どうしようかしら。
途方に暮れても仕方ないわ。探さなきゃ。
そうこうしながら歩いていると町のはずれに小さな一軒家を見つけた。優しい色の灯が付いているし、なんとなく怖い人はいない気がした。やがてそれは確信に近づいた。
コンコン
ピーチ「誰か居ますか?」
- 392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:24:40.25 ID:yzqzj6l/O
?「おやおやこんな時間に誰かの?」
ピーチ「すみません…。すっかり迷子になっちゃって…。」
?「それは災難でしたな…。ま、上がりなさい。」
その老人の亀は潔くあたしを向かえてくれた。
?「まぁ立って居ないで、座りなさい。コーヒーは飲めるかい?」
ピーチ「はい。大丈夫です。」
こんな見ず知らずのあたしにコーヒーまでご馳走してくれるなんて…。
ピーチ「貴方名前は?」
?「すまんすまん、つい言うのを忘れておった。ワシの名前は神宮司ノコ舞龍。まぁややっこしい名前じゃからノコ爺で良いぞ。」
暖炉の前の机でゆっくりとコーヒーを混ぜながら答えてくれた。
- 397:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:32:46.18 ID:yzqzj6l/O
ピーチ「ノコ爺さんはここでなにしてるの?」
ノコ爺「医者じゃよ。孤児のキノコ達の世話もしておるから寂しい暮らしでは無い。」
ピーチ「お医者さんでしたか。孤児といいますと?」
ノコ爺「最近は子供を野に捨てる酷いキノコ達が増えてな。変わりにワシが世話をしているわけじゃ。」
優しそうな人だわ。
人の良さは顔に出るものね。ふふ。
ノコ爺「なぁにを笑っておる。コーヒーが冷えるぞ。」
ピーチ「す、すみません、ゴクゴク。」
少し慌てて飲んだ為か舌を火傷した。
ピーチ「あっつ…!」
ノコ爺「これこれ、あまり大きな声を出すでない。二階にいる子供達が起きてしまうではないか。」
ハッとしたあたしはハンカチで口を吹いて一度深呼吸した。
- 399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:45:41.19 ID:yzqzj6l/O
改めて家を見回してみるとシックな作りの家具に暖炉、単純なストライプのテーブルクロス、何とも趣深い部屋だ。
柔らかい暖炉の火に照らされるノコ爺さんの顔はとてもにこやかなな表情をしていた。
壁に綺麗な女性キノコの写真が掛けてある。
ピーチ「この人は?」
ノコ爺「あぁ、そやつか…ウチの患者だった女じゃ。三年前の夏に亡くなったのじゃが、彼女の夫の献身的な努力に魅入ってしもおてなぁ。あやつの愛情は吝かな物では無かった。
生きていたせめてもの証として、彼女の写真を飾ってあるんじゃよ。」
ピーチ「美しい人ですね。」
その女性の写真は今まで見たどんなキノコよりも美しく気品に溢れていた。
- 404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:51:24.66 ID:xctNx8Ld0
配管工キノコさんの妻か
- 408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:06:22.71 ID:DsejQWOEO
ノコ爺「おや?その写真は…?」
それを聞いて下を見たらあたしのバックから写真がはみ出ていた。
ピーチ「これは…御守りみたいな物です。一番大好きだった時代の写真です。あるゲームで役者をしていた時に撮った物です。」
ノコ爺「あんたゲーム役者じゃったのかつまりキノコ王国出身か?」
ピーチ「良くご存じで。」
ノコ爺「すまんのお、ワシはゲームとかいうもんにはどおしても馴染めんでな。元々あの町の中でいたが次第に時代に着いて行けなくなり今ここに住んでおる。」
歳を取るのはこういう事なのかな。とつまらない推測をしてみたけど、そんなこと自体には何の意味も無い。肝心なのはこの歳になっても明るく優しく生きる事だと思った。
ノコ爺「そにしても若いのお…。これはあんたか、相も変わらず美しいのぉ。」
ピーチ「そんなお世辞を…///」
美しいなんて誰かに言われたのいつ以来だろう。正直に嬉しかった。
あたしはつい頬を赤らめてしまい、手で必至に照れ隠しした。
- 413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:14:39.76 ID:DsejQWOEO
ノコ爺「顔が赤いぞよ。やはり若いのお。
しかし見たところそなたはだいぶ傷ついとるようじゃの。肉体的にも精神的にも磨り減っておる。」
ピーチ「何で分かるの?」
あたしには不思議でならなかった。
ノコ爺「深くは聞かないが、辛いなら話なさい。ワシが少しでも力になろう。」
何でだろう。何でここまで優しくなれるんだろう。
あたしはゆっくりと口を開いた。
ピーチ「…居場所が欲しいの…。昔みたいにみんなで笑いたいの。」
ノコ爺「ならばそなたにとって大切な物はなんじゃ。写真か人か平和か…。」
返事に迷った。どれもしっくり来ない。
ただ…記憶の奥底にある悪夢を超えたそのさらに先にいつも彼がいた。赤い帽子を被った髭のヒーロー。
- 416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:23:28.67 ID:DsejQWOEO
ピーチ「こ、この人です!」
何であたしマリオを指差してるんだろ。全部あいつが悪いのに。全部あいつのせいなのに。何で。
ピーチ「でもあたし昔この人に乱暴されちゃって。それから全く会って無いの。でも指さしちゃったわ…。あたしには何がなんだか。」
ノコ爺「この男…綺麗な目をしておる。そなたと同じ目じゃ、サファイアのような美しい瞳。行きなさい。この男に会うのじゃ。」
あたしは戸惑いを隠せる程大人にはなれなかった。
ピーチ「え、え、あ?え?」
ノコ爺「過去は関係なかろう。そなたが求める未来はそこにある。信じなさい。キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える。」
ピーチ「…あたしは…」
混乱していた。今更彼に会ってもどんな顔すればいんだろうか。それにまだ取り払えない恐怖もある。今さら歯牙に掛けた所で何があるかなんて解りはしないだろう。
- 425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:35:38.08 ID:DsejQWOEO
ノコ爺「今日はもう遅い。二階で留まっていきなさい。案ずることはない、答えは探さなくてもよい。時が来れば向こうからやって来てくれる。」
ノコ爺さんには全てを見透かされている気がする。彼は常にあたしの心の奥底を照らしている。
ピーチ「お言葉に甘えて今日は宿をお借りします。本当にありがとうございます。」
ピーチは深々と礼をした。
ノコ爺「部屋は二階へ昇ってすぐにある。くれぐれも子供達を起こさんよおにな。」
ピーチ「はい、何から何までありがとうございます。」
また一礼して、二階へ向かった。
ノコ爺(悩みなさい。その葛藤が人を強くする。そしていつかその積み重ねが世界に愛と花束をもたらすことだろう。)
- 430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:43:05.60 ID:DsejQWOEO
部屋に入ると4人の小さな子供達が部屋で寝ていた。
頭をかじられている男の子キノコ。傷だらけの女の子キノコ。
何とも痛々しかった。彼は本当の孤独と闘ったいるのだろうか。
哀れみは人を傷付ける。これ以上考えるのはよそう。
明日は久し振りにマリオの家を訪ねよう、不安はある…でもノコ爺さんの言葉は信じたい。
部屋の隅にもたれる形になってあたしは眠りについた。暖炉のパチパチという音だけがこの家に響いていた。
- 438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:49:34.99 ID:DsejQWOEO
今日はこの辺で寝ます。
あれですよ。最初はエロが書きたいからってスレ立たわけだ。その直後にアメージングレイス聞いてしまったわけだこれが。
気がついたらこんなことになっていた。
書き溜めて無いから投稿も遅いし、再投稿はいつも夜から、さらにすぐに眠くなるからたちが悪い。
こんな私ですが今後もスレが続く限り頑張ります。
今日はありがとうございます。
みなさんが幸せになりますよおに。乾杯。
- 439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:50:28.02 ID:MYFbw4nO0
- >>438
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゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
゙!lllllll!!l゙゙’ .,,illlllllllllllllll!!゙゜
^ .,,illllllll 山
,,illlllll iiiiiiiiiiiir
,,illllllllヽoOOO''o_-
,,illlllllll( <:::::::乙::::::::>ヽ
,,illllllllll!/ ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ
,,illllllllll!゙ ,< )ヽ,━━./ ( / liiii,,
,,illllllll!゙゜ ,lヽ i /::::::::::::::ヽ i .r 'llllllli,,
,,illllllll!゙ !!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| !!, lllllllllli,,
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llllllllllli,_ .|::::::::| |::::::::| ,,,,illlllllllllllllllli, こ、これは>>1乙じゃなくて
!llllllllllllllliiiiiiiiiiiiii,,,|::::::::| |::::::::|llllllllllllllllllllllllllll 瞬獄殺なんだから
゙゙!!llllllllllllllllllllllllll|::::::::|. |::::::::|lllllllllllllllllllllllll 変な勘違いしないでよね!
゙゙゙゙!!!!!!llllll_ ノ;;;;;;;;r. |::::::::レ_lll!!!!!!!l゙゙゙゜
'ーー" "ーー'
- 444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:51:35.54 ID:5qSYTC7HO
>>438
乙
待ってるからな
- 453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:32:05.69 ID:YA+HEC6FO
くそぉっ!保守したいのに睡魔が…
みんな…明日まで頼んだぞ…
- 461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:13:01.34 ID:/Mn0Z7KCO
乙ほっしゅ
- 478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:14:27.47 ID:QjFcOxz0O
保守しますよっと
- 479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:24:14.00 ID:pQhqQ0Bpi
寝る前最後の保守
- 480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:37:11.82 ID:l8/GgSHCO
保守だ!
- 566:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 18:33:21.25 ID:DsejQWOEO
毎度ありがとうございます。再開します。
- 567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 18:34:26.77 ID:DsejQWOEO
ここは銭湯、否、戦場。
あの戦いが始まって早二時間が経過しようとしていた。
マリオ「マンマ…ミーア…マ…ン…マ…」
キノ五郎「カシュ…カシュウウ…」
限界なんてとっくに超えている。それでも、それでもなお。彼らは闘う。
答えなど有りはしない。ただ己の信念の欲するがままに闘っているのだ。
- 571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 18:44:26.28 ID:pLY2BEOIO
( ゚Д゚ )き…て…る…?
(⊃Д⊂)ゴシゴシ
( Д )
キテル━━━━━━(゚Д゚)━━━━━!!
- 572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 18:51:16.89 ID:DsejQWOEO
二時間が経過したその時、天秤はキノ五郎に傾いた。
マリオ「マンマ…マンマミ……アアアアアアアフゥオオオオオオァアアアアアア!!!!」
なんとあまりの暑さにマリオが発狂したのだ。
マリオは凄まじい勢いで水風呂に飛び込み、湯船の水のおよそ半分を飲み干した。
キノ五郎は両手を天井に掲げ、誇らしげな表情でサウナルーム(戦場)から出て来た。
キノ五郎「ゼェゼェ…危うくケフィア…糞…干しキノコになるところだったぜ…ゼェゼェ。とにかく俺の…勝ちだ!うおおおおおおお!!!」
キノ五郎の雄叫びが深夜の銭湯に響き渡った。
- 576:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:04:47.13 ID:DsejQWOEO
二人は勘定を済ませて銭湯を出ていった。
何時間いてもワンドリンク120円。実に魅力的な銭湯だ。まるでカラオケのような型式だ。
マリオ「マジでやばかった~死ぬかとおもたわ!マンマミーア」
キノ五郎「おいキャラおかしいぞ。頭の中まで煮えちまったのか?w」
マリオ「うるさいですわい!俺は平気だラッシャイ!」
キノ五郎「ちょw熊八ww」
そんな馬鹿な話をしながら家路を辿りキノ五郎はマリオの家までついて来てくれた。
キノ五郎「じゃあまた明日な!」
明日とは言っても既に今日の話だ。寝て起きた所が明日。彼等の中ではこうだった。
マリオ「今日は最高に楽しかったです。本当にありがとうございます。」
マリオは深々と礼をして、家に入って行った。
- 578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:14:12.67 ID:DsejQWOEO
キノ五郎「最近あいつ元気だな。ずっとそのままでいてくれよ。」
キノ五郎にとってマリオは大切で、マリオにとってもキノ五郎は大切であった。絆の一言では片付けようのないもっと内側から染み出てくる大きな何かがあった。
この町で職場以外の付き合いがどれほど重要かは二人ともよく知っている。大衆の波に乗らなくては生きていけない、人は一人では二人にかなわない。
彼等は金も名誉も持っていない。
しかし二人の間はそれで良かったのだ。
- 580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:20:57.60 ID:XsvqECJW0
いきなりキテレツネタwwww
- 582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:22:16.64 ID:pXdv/zJWO
らっしゃいwwww
- 584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:30:48.23 ID:DsejQWOEO
マリオ「ただいま~。」
ヨッシー「でってぃう。」
テテッテッテテットゥルルル♪
マリオ「あれ、電話が鳴ってる。こんな時間にいったい誰が…」ガチャ
電話なんてもう何年も鳴ってない。ウチの電話はいつの日からか鳴らずの電話になっていた。
俺は小さな不安を感じつつも受話器を耳に掛けた。
マリオ「もしもし。」
ワリオ「よう。」
- 586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:37:08.79 ID:5qSYTC7HO
ワリオキタ━━━(゜∀゜)━━━!!
- 589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:46:05.23 ID:DsejQWOEO
電話の主はワリオだった、彼は取り立て屋で俺の生活上溜まってしまった借金を取り立てようとしていた。
俺は彼と町で会う事があり、その度に酷く問い詰められている。
ワリオ「マリオちゃんよお…借金いつになったら返済してくれんの!ええっ!!!」
マリオ「も、もう少しだけまっ…」
ワリオ「その台詞は聞き飽きた!ウチの会社も困る訳よ。あんまし遅いと家まで行ってやるからよ!覚悟しとけよウンコ屑!!」ガチャ!ツーツー…
マリオ「金…。」
キノコ景気が終わってしまった今、借金を返すあては無い。
孤独と闘い金をあさる毎日。
いつものことだと自分に言い聞かせて寝床についた。
- 591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:01:01.21 ID:DsejQWOEO
丸く切り抜かれた小さな窓から光が差し込んでいる。
ピーチ「ふわわ…もう朝だわ。」
孤児キノコ1「お姉ちゃんおはよう!」
ピーチ「やだわお姉さんだなんて///おはよ。」
お世辞にもそんな歳ではない、しかしこの子はそう言ってくれた。
孤児キノコ2「ねぇねぇボールあるからさ、遊ぼ?」
ピーチ「良いわよ。」
起きてすぐは辛かったが、子供達の事を考えると、こんな願いくらいは聞いてあげたかった。それからしばらくの間、四人の子供達と遊んだ。
- 594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:11:17.77 ID:DsejQWOEO
ピーチ「それぇ!」
孤児キノコ3「お姉ちゃんだけ背高くてずるい~!」
孤児キノコ4「負けないぞぉ!」
子供達の無垢な瞳はいつだって真直ぐだ。
大人になるにつれて周りを気にしたり目の前の物から逃げようとしたりしてしまう。
誰しもが通過する子供時代はなんて素敵な物なんだろうと改めて思った。
子供達はその大きな瞳み映る小さな世界をただ単純に受け止め。何を不幸ととることも無く、暖かで単調な日常のリズムに身を浸している。ゲームの中のように、子供がいつまでも子供でいられたならばなんと幸せなことか。
- 599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:22:26.05 ID:DsejQWOEO
一時間程遊び、それからあたしは荷物を整えて玄関に立っていた。
孤児キノコ1「お姉ちゃんもう行っちゃうの…?」
ピーチ「ごめんね。行くところがあるのよ。いつかまた来るからね。」
いつか、等と嘘みたいな約束を交わした。出来る事ならまた来たい。そうだ…マリオがあの事件のままならここに逃げよう。いっその事ここで暮らしても悪くないわ。
ノコ爺「辛くなったらいつでも来なさい。」
ピーチ「ありがとうございます。」
まるで家族のようだった。ここはなんて暖かい場所なんだろう。
- 600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:27:09.31 ID:DsejQWOEO
孤児キノコ2「お姉ちゃん、その王冠欲しい!」
孤児キノコ4「こらダメでしょ、あれはお姉ちゃんの物でしょ。」
孤児キノコ2「だって…お姫様みたいで可愛いんだもん…グスン。」
ピーチ「いいわよ、あげるわ。一日泊めてくれた御礼よ。はい。」
ピーチはそう言うと孤児キノコ2の小さな頭に王冠を優しく乗せた。するとホクホクとした笑顔で「ありがと」と御礼を言われた。あんな役者用の玩具の王冠なんかで笑ってくれる人がいるのなら、喜んで差し出そう、子供達の笑顔ではしゃぐ様子には母性本能をくすぐられる。
- 601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:31:41.46 ID:htOw1oXwO
なんて暖かいピーチだ・・・
- 606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:42:32.69 ID:DsejQWOEO
ピーチ「そろそろ行きますね。」
木の扉を開けたとたん吹き込んで来た冬の風。吹き荒れる風の音はあたしを呼んでいるように聞こえた。
ノコ爺「キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える。かつて写真の女性の夫が口癖の様に言っていた言葉じゃ。そなたも肝に命じておくが良い。」
ノコ爺さんは目を細めてニコッと笑った。
ピーチ「はい。」
ピーチはハニカんだ。
実に愛くるしい表情だった。
ピーチ「本当にお世話になりました。貴方達も元気でね。」
キノコ達「は~い。」
大きく手を降ってさよならをした。
暖炉に慣れた為か冬の風がやけに身に染みる。
そう言えばあの日もこんな風が吹いていた気がする。
そう言えば、そうだった。
- 613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:05:13.54 ID:DsejQWOEO
相変わらずルイージは多忙であった。
ルイージ「計画案が通ったのはいいが…借用書の取り立てや開拓に伴う家屋への補助金。CMの撮影や、新作ゲームへの出演。…はぁ。」
ルイージはスケジュール標に目を通してはため息をついていた。
彼の疲れはピークに達していたのだ。
デイジーは副社長として事務所に居る為ルイージは一人だった。
ルイージ「もう少しだ。この山を乗り越えたら日の光が待っている。今が正念場だ。」
デスクのパソコンから総勢500名を超える社員に指示を出すのは楽ではない。大規模会社の社長の宿命と割り切るに割り切れない程忙しいのだ。
- 615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:15:16.84 ID:DsejQWOEO
そんな時ふと大切な事を思い出した。
新しく作っているゲーム会社のオープニングセレモニーはいつにしよう。
12月半ばには建物はあらかた完成するだろう。それに豪華なゲストや現代ゲーム業界の一任者達、一般的客約3000名も招いた大きな式典だ。何かいい節目は無いものか…。
ルイージは開業セレモニーの開催日をあれこれ考えていた。
何はともあれ今は仕事だ。一段落ついてからでも遅くは無いだろう。
壁の掛けてある大きな額縁付きの自画像を眺めて、再びデスクに向かった。
- 621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:25:37.78 ID:DsejQWOEO
キノピオ「フェーンwwww俺様ヤイサホーwwww」
眠気を無くして朝まで狂っていたキノピオであった。
町をフラフラしているとどこからかギターの音が聞こえて来た。
キノコフスキー「君だけさ~♪君だけのラブソングフォ~ユ~♪」
キノピオ「こいつが俗に言う売れないミュージシャンってやつかwww笑いもんだなwww下手な歌詞だぜwww」
キノコフスキー「世間はお腹を空かして真っ暗~♪金や愛が欲しいと飢えているぅう♪愛も金も人それぞれ♪十人十色でほいさっさっ~♪」
キノピオ「ふんwなんだこいつwwww」
浮かれきっていたキノピオは夢でも見てる気分になっていた。
- 622:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:28:41.70 ID:DsejQWOEO
キノコフスキーはキノピオの思った通り町の売れないミュージシャンであった。
何故売れないかと言うと、彼は上手い詞が書けないのだ。
歌やギターは一流だが作詞にはめっぽう弱い、それでも諦めずにストリートミュージシャンを続けている。
彼は同時に詩人でもあるがやはり詩や文章は苦手なのでこちらも同様に売れていない。金と時間だけが磨り減る毎日だったのだ。
しかし働く気は一切無く、詩と歌で生きて行こうとする夢追いの人だ。
- 633:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:50:04.63 ID:DsejQWOEO
キノピオ「おいおっさんwww」
キノコフスキー「ヒョロロン♪歌は世界を包みました~♪キノコバラードフォウユー♪」
キノピオ「聞けよオラ!!!」
バクシ!
キノコフスキー「うあっ!」
ガシャンという音と同時にギターを叩き落とされた。
キノコ「ったく朝っぱらからうっせんだよヘボミュージシャン!!!!」
キノコフスキー「ななな、なんだってえ!僕は天才ミュージシャンだぁああ!」
キノピオ「黙れ!!」
バクシ!
それほど恨みが有る訳では無いが、薬が切れかかり異常にムシャクシャしていた。
何度も殴って顔に唾を吐き、ギターを真っ二つにしてキノピオはその場を去った。
- 641:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:06:50.83 ID:DsejQWOEO
一時間程町を歩いた所でついに薬が切れた。
キノピオ「はぁ…はひゃひゃ…一日で薬使い切っちまった。」
副作用の脱力感がキノピオを襲う。
キノピオ「あーやる気でねぇ。動きたくねぇ。」
そうやって路地裏の壁に持たれていると何者かが肩を叩いた。
キノピオ「誰だお前?」
?「貴方の味方ですよ…へへへ。」
見上げると紫の服に黒いツナギを着て髭を生やした長身の男が立っていた。
?「君の欲しい物を上げよう、ついて来なさい。」
キノピオ「…あ…あひ。」
意識朦朧としながらもどこか魅かれる物を感じてその男についていった。
- 646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:22:16.74 ID:DsejQWOEO
日も高くなった頃クッパ城で不穏な動きが有った。
クリボー1「おいおい最近クッパの奴部屋から出てこねぇなぁ。」
クリボー2「俺見ちまったんだけどよ…あいつピーチにフラれやがったんだぜ。」
クリボー1「ざまぁねぇwww人様を安い給料で働かせたバチだな。」
哀れなテーマパークの社長を小馬鹿にする社員達。
クリボー1「だいたいよお、いつまで同じネタでテーマパークしてんだよ。だから女にも見限られるんだっつうの。」
クリボー2「馬鹿な上司を持つと困るねえ全くww」
- 648:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:24:13.24 ID:DsejQWOEO
ノコノコ「おやおや二人とも楽しそうですね。どうかしましたか?」
クリボー1「いやぁよおwwマジ聞いてくれよwwクッパの野郎がよう…ごにょごにょ。」
ノコノコ「はははwwwそれは実に面白いwwwいや…まてよ。」
悪巧みには頭の切れるノコノコはある案を持ち掛けた。
ノコノコ「つまり今ピーチは一人と言う訳ですよね?」
クリボー1「ああ、そうだろうな。」
ノコノコ「これはチャンスですよ。」
クリボー2「どういう事だ?」
ノコノコが嫌な笑みを浮かべている。
- 652:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:35:26.99 ID:DsejQWOEO
ノコノコ「あんな美しい女、他にいませんよ。」
クリボー1「確かにそうだな…」
クリボー2「だから何が言いたい…?ハッキリ言ってくれ。」
ノコノコ「彼女の体が欲しくないですか?今彼女は飼い主の居ない身、何をしても許されるのですよ。くくく。」
クリボー2「ジュルリ…」
クッパ城社員達の目論みはエゲツなく悲惨で汚ならしいものだった。ゲームのみならず現実においても悪である。むしろ逆転しているのではないか。
ノコノコ「明日の朝にはここを抜け出し、彼女を探しましょう。さぁ、荷仕度です。」
彼等は本物の悪魔の目をしていた。
- 657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:44:59.46 ID:DsejQWOEO
そして太陽と月がバトンを交換し、夜が来た。
マリオ「…フォウ!」
俺はまた夢で目が冷めた。悪夢という名の牢獄からはいつになっても解放されはしなかった。冷たく、誰も寄せ付けない、鉄格子に囲まれた俺だけの牢獄。
そこでもがいては罪に懺悔し、枯れた筈の涙を流していた。
マリオ「もうこんな時間か…。行って来るよ。」
ヨッシー「でってぃう。」
遅れ気味だった為いつもよ小走りで配管工屋へ向かった。
- 663:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:55:50.38 ID:DsejQWOEO
キノ五郎「うっす。」
マリオ「ういっす。」
キノ五郎「しっかし今日は寒いなぁ…。ガクブル。」
マリオ「パネェっす…。ガクガク。」
震えを押し殺して二人はマンホールに入っていった。
キノ五郎「よっしゃ、始めるぞ。」
マリオ「ういっす。」
今日も始まる単調な仕事。これが俺達の誇る生き様だ。安っぽい仕事だと笑われようが関係ない、俺達は決して諦めない。
冬の寒さを押し返すような情熱が彼等の力だ。
- 717:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:07:36.89 ID:1OymQGilO
夜の遅い頃ルイージはようやく仕事を終えデイジーと至福の時を過ごしていた。
ルイージ「お疲れ様。乾杯。」
デイジー「乾杯。」
ワイングラスの重なる音が静かに響く。
二人の顔がロウソクの火で静かに照らされていた。
今日は窓は締切ってある。閉鎖された空間での微かな灯はとても趣深い。
デイジー「今月はクリスマスね。今年もパーティーは開くの?」
ルイージ「パーティーを催す予定はまだ……いや…」
これだと思ったルイージは即座に閃いた。
- 720:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:16:49.56 ID:1OymQGilO
ルイージ「ああ、パーティーの予定なら今出来た。」
デイジー「え?」
ルイージ「俺のゲーム産業会社のオープニングセレモニーをその日にしよう。記念すべき祝日に俺達の会社を世界へ向けて発信しようではないか。」
デイジー「貴方はやっぱしロマンチストね、貴方のそういうところ…」
ロウソクの光の元で二人の唇が重なる。
デイジー「好きよ。」
ルイージ「ああ、俺達が世界経済の頂点に立つ日は近い。今は精一杯頑張ろう。」
デイジー「ええ。」
愛、約束、夢、欲望、あらゆる感情が小さな火に揺られては鬩ぎ合い混ざり合っている。
ルイージは野心家でいて前向きだ、世界は本当に彼を選ぶのかもしれない。
- 730:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:28:26.94 ID:1OymQGilO
仕事も終わろうとしたその時。
キノ五郎「おーいマリオ!外に来てみろ!」
マリオ「ういっす。」
キノ五郎「ほら見ろ雪だ雪!」
マリオ「ホントだ。」
静かに雪が降っていた。今冬初めての雪だ。
キノ五郎「今夜は冷えるぞお~。」
いつもより寒いとは思っていたがまさか雪が降るとは思って無かった。
テレビは昔売ってしまった為天気なんて雲行き以外では全く解らない。
キノ五郎「少し積るかもしれねぇな。すまねえがさすがに今日は家までは送ってやれねえ…。気をつけて帰れよ。」
マリオ「大丈夫っす。今日もありがとうございます。」
キノ五郎「また明日な。風邪引くなよ。」
と軽い挨拶を交わして悴んだ手に息を吹きかけながら家へ向かった。
- 731:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:30:28.43 ID:1OymQGilO
キノコフスキー「今日も夜空は真っ黒け~♪お空がケラケラわらってら~♪」
帰り道で妙な歌を聞き付けた。
近寄ってみると、折れたギターを膝の上に置いて歌を歌う痣だらけの男がいた。
キノコフスキー「助けてよ♪叫んだって一人だけ♪今宵一人の雪見かな~♪愛が無い無い♪お金も無い♪」
誠に妙な歌詞だが何故か聞き入ってしまった。俺と同じ何かを感じた。同じ境遇だろうか、いや違う、歌でしか表せない何かだ。
そのへんてこな歌はまさしく歌そのものであった。
- 732:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:37:24.72 ID:1OymQGilO
キノコフスキー「キノコに幸有れ♪この世界にラブバラードフォーユー♪」
そして歌は静かに止んだ。
マリオ「ブラボー!」
拍手をしてそれから無意識にポケットをあさり10円を渡した。
たかが10円だったが彼は深々と礼をした。
やはり自分と似ている。
マリオ「頑張ってください。応援してます。」
賛美の気持ちを告げ再び家路についた。
大通りに出た頃に彼はまた歌いだしていた。
- 734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:43:31.19 ID:1OymQGilO
ピーチ「雪まで降ってきちゃった。でももうすぐ彼の家がある筈だわ。」
近付くにつれて不安も大きくなっていた。
あの日みたいに乱暴されたらどうしよう、彼女の心は彼を恐れていた。
未だに取り払えないトラウマの様な感情が深い爪痕を残していたのだ。
雪が町の灯に照らされて美しい。
オレンジ色に輝く雪達はまるで空から降る花びらのようだった。夢と間違える程に。
ピーチ「なんだか良い夜ね。」
雲で見えない星達はこの雪になって降り注いでいる。そんな気がしてならない。
- 737:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:54:57.11 ID:1OymQGilO
ピーチ「この家だわ!」
何もかもが懐かしい。古びたポストにはうっすらとMARIOと書いてある。
仕事の後はよくこの家に皆で来ていた。とても一流スターの家とは思えない程狭いのだが皆といれば楽しかった。
ピーチ「中が暗いわね…誰もいないのかしら。」
やっぱしもうこの家には…そう思って振り返った時だった。
マリオ「まさか君は…」
ピーチ「…マリオ!」
過去に縛られた運命の鎖が音を立てて砕け始めようとしてた。
まるでそこだけが世界からくり抜かれて時間が止まっているようであった。
浮き彫りの世界でオレンジ色の雪だけが無数の星のように降り注いでいた。
ゲームのエンディングにも似た感動。いつか味わった止めどない幸福感。色褪せない全てがこの瞬間に甦る。
- 746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:05:41.93 ID:1OymQGilO
今日はこの辺にしますありがとうございます。
皆の期待に答えた物語りが書けているかどうかは解らない。
もし何か足りないならすまない。
一つだけお願いしたい、非常におこがましいのだが、恐らく次回更新あたりで次スレになるだろうと思う。その時にこのスレを読んでない人が出てくると思う。
それを防ぐ為に丸写しでもいいのでこのスレを何かにまとめてくれたら幸いだ。
初めましての方にも楽しんでもらいたい故の事です。わがまま言ってすみません。おやすみーや。
- 751:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:08:50.98 ID:2ItIIp4tO
冒頭カオスだったのになにこのクオリティwww
- 753:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:10:14.63 ID:1OymQGilO
追記:明日は少し忙しいので21:00過ぎくらいから更新します。
すみません。
- 757:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:14:08.80 ID:/N2QDJFc0
ママママンマミーヤノ乙
- 761:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:20:33.50 ID:WXD4laHH0
今日で落ちるぞ?
>>1がくるころスレ落ちてるが大丈夫か?
- 763:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:22:53.90 ID:1OymQGilO
三日ルール忘れてたわ。
期待は裏切りたくないので土曜日の18:00頃に新しいスレ立てます。スレタイはほぼ同じです。
みなさんそれまでしばらくさようなら。
お幸せに。
- 766:Fura ◆kafuka.rFE :2008/10/23(木) 01:28:24.99 ID:9hH+CxzjO
おやすみーや
- 823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 15:24:51.32 ID:hZg3QQyKO
あと約一時間
- 825:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 15:58:04.00 ID:bS6L8JiUO
ほしゅ
- 826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 16:07:57.79 ID:D9MWXDLoO
5分
- 827:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 16:09:03.17 ID:vKoXS+YVO
ミーア
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:16:14.59 ID:US79mtF0O
約束の時間だ。
- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:17:02.42 ID:K1vdGLNPO
やったあああああ!!
遂に続きキタァァ!
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:19:26.82 ID:5DWzPdh90
いやっほおおおおおおおおう
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:19:50.95 ID:K1vdGLNPO
前はピーチが爺ん家に泊まったとこまで?
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:21:55.14 ID:US79mtF0O
>>12
この前はピーチとマリオが再開した瞬間終わりました。本日はそこからです。
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:23:28.13 ID:LNKMciFe0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
待ってたぜ!
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:24:57.50 ID:US79mtF0O
何秒、何分だろうか、二人は目を合わせたまま動けずにいた。深夜の町に車の音は無く町は静まり返っている。あると言えば雪の音と二人の白い息の音だけだ。
二人の頭に微かな雪が降り積もった頃になってようやくピーチが口を開いた。
ピーチ「…こんばんは。」
マリオは喋り出す事が出来ずにいた。口が開きそうになっては閉じるを繰り返した。
今にも押し潰されそうな程の記憶がマリオにのしかかる。追憶の狭間に揺らぐ意識。
彼女は本物のピーチなのかと疑う程に予想もしてない事態であった。同時にいつか諦めた未来の形でもあった。
どんなに思考を巡らせて意識の海を泳いだとしても、今この瞬間は形而下であり紛れも無い現実なのだ。
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:29:56.02 ID:US79mtF0O
マリオ「何でここに…。」
それがマリオの第一声だった。
不安と驚きに満ちた声はかつての彼とは全くもって違う物だった。
ピーチ「貴方に会いに来たの。」
あの日彼女は出て行って、それっきりの関係だった筈。それが今になって会いたいとは一体。
ピーチ「正直言ってあたしも良く解らないの。全部無くしちゃって。ただ、ここに来れば何かがある気がしたの。」
良い物など何もありはしない、有ると言えば限り無い絶望だけだ。
マリオ「悪いがここには何もない。」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:36:45.91 ID:US79mtF0O
ピーチ「ここには貴方がいるじゃない。」
マリオ「なんでそんな…。今更…。」
なんともぎこちない言葉だ。
風の音が微かに聞こえる。二人の間に吹き抜ける冬の風。
ピーチ「昔の事はいいから。」
マリオ「いや…俺が悪い。もう君に会う事は出来ないし会う資格も無いと覚悟していた。」
ピーチ「変わったわね。昔の貴方はもっと自信に充ち満ちていていたわ。」
その自信が俺を有頂天にしたのだ。その自信が君を傷つけたのだ。
マリオ「頼む。察してくれ。」
マリオは下を向いた。
足元には僅かに雪が積っている。
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:42:40.98 ID:US79mtF0O
バチン!
滅多に暴力を振るわないピーチが力一杯マリオをひっぱたいた。寒さ故にマリオの頬が赤く染まった。
ピーチ「ほら、あの時の借りは今ので返したわ。もういいのよ。男ならレディーを引っ張りなさい。」
マリオ「…俺にはもうその資格は無い。」
話が停滞している。時々動いては振出に戻っている。甚だ重苦しく鈍いリフレイン。
ピーチ「もう、ウジウジしないの。」
マリオ「そんなんじゃないさ。君と疎遠になったのは当然の仕打ちだと思っている。」
ピーチ「だからさっきのでチャラよ。それにレディーを外に置いて行く気?それこそ罪よ。」
何かにつけて疎い俺はピーチが寒そうにしているのに今更気付いた。とりあえず家の中で話そうと思いドアを開けた。
ピーチの横をすれ違う時に懐かしい匂いがしたのを感じて、彼女は今も彼女のままなのだと、微かな安心を感じた。
- 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:51:06.48 ID:US79mtF0O
家に入る時、ドアノブがいつもより重く感じた。まるで知らない新しい扉を開くような感覚であった。
マリオ「ただいま。」
ヨッシー「でってぃう!ってまじかよ!」
あのマリオが女を連れている。ヨッシーはついつい言葉が飛び出てしまうくらい驚いていた。
ヨッシー「でってぃう!でってぃう!」
ヨッシーは強がりだ。不覚にも驚愕してしまったことを何とか紛らわした。
ピーチ「きゃあああ////ヨッシーちゃんじゃない///こんなに大きくなって。」
マリオと初めてゲームで共演した頃赤ちゃんだったヨッシーが今はすっかり大人だ。トサカも立派である。
ヨッシーは全く彼女を覚えていないのだが、ピーチは喜びのあまり飛び付いた。
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:52:33.04 ID:nDz7w9uV0
でっていうしゃべんなwww
- 44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:56:12.17 ID:US79mtF0O
ヨッシー「でれでれでってぃう////」
ピーチ「大きくなったわねぇ///よしよし///」
ヨッシー「ウ~ンヨッシー!///」
俺は戯れるピーチを横目で見ていた。
笑顔の彼女は本当に愛らしい。しかし俺にあの笑顔は勿体ない。不釣合いだ。
マリオ「ピーチ。そろそろこっちへ来てくれないか。」
ピーチ「分かったわ。」
マリオは無意識にピーチと呼んだが。ピーチにはそれが嬉しかった。
どんな形であっても、自分の名が呼ばれるのは誰かに必要とさている証だからだ。
2人は小さな机を挟んで座った。
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 18:57:56.13 ID:sWPbbUV60
でっていう喜びすぎwwwwwwwww
- 50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:04:09.09 ID:US79mtF0O
マリオ「これからどうするつもりなんだ。悪いが君が俺をいかに受け入れようが今の俺には何も無い。見ての通り家はこの様だ。クッパはどうしたんだ。」
ピーチ「さよならしたわ。」
マリオ「!?」
ピーチ「あの頃は彼の本性を知らなかった。彼は汚ならしい悪魔よ。ただの怪物よ。」
混乱しそうだった。過去は嘘なのか、夢なのか、いや確かに過去は存在する、それ故の今じゃないか。あんなに愛し合っていても人はいつかは別れる物なのか。
マリオは常世の虚しさをひしひしと感じた。
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:07:36.18 ID:US79mtF0O
マリオ「しかしあの日俺は君に…」
ピーチ「その話はもうやめて。…あれ?あの写真…。」
ピーチは壁に掛けてある写真を眺めた。
マリオ「ああ、君がまだ新人だった頃に皆で撮ったやつだ。」
ピーチ「あの写真ならあたしも。」
ピーチはバックをあさった。
ピーチ「ほら。」
驚いた。てっきり捨てていたとばかり思っていた。
ピーチ「あたしが辛かった時や泣きたかった時に何度もこの写真に励まされたわ。楽しかったあの毎日を頼りに頑張れると思ったの。」
マリオ「…ありがとう。」
俺は何を言っているんだ。なぜここで礼を言うんだ。一つだけ分かるのは今のありがとうは至極自発的な言葉だったということだ。
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:12:18.34 ID:US79mtF0O
マリオ「ありがとう…。ありがとう…。ありがとう…。」
言葉が自然と口から溢れてくる。
ありがとう一回毎に牢獄の鎖が解けていく。鉄格子が砕けていく。
ああ、溢れようとしているのだ。甦ろうとしているのだ。満ち足りようとしているのだ。
マリオ「ありがとう。」
ようやく止まった頃になると俺は泣いていた。枯れた筈の水源から溢れたオアシス。
そして俺のカラカラの素肌に意識に心に優しい雨が降り注ぐ。
砂漠に降る雨。
希望の雨。
命の雨。
地から空から溢れている、潤っていくのだ。俺は包みとるようにまた抱き締めるように瞬きをし、涙を外界へ解き放った。
やがて潤み歪んだ視界が原型へと戻っていく。はっきりとしていくに連れて目の前の彼女の輪郭はより鮮明になっていく。輝きを増していく。
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:16:54.90 ID:US79mtF0O
ピーチはマリオの頭を撫でた。いつか離れた母のように優しい手触りで。
それは慰めでも、情でもなく、愛おしむ気持ちであったのだ。
長い人生の一カケラに過ぎない時間なのだが。最も輝くカケラの一つになることは本能的に分かった。
過去の終りと未来の始まりを告げているその世界は
二人にとって一瞬であり永遠であった。
窓の外に少しだけ積った雪が柔らかい光を放っている。オレンジ色の暖かい冬の光、切なくも幸せな夢の色。
ありがとう。俺は幸せだ。
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:23:54.08 ID:US79mtF0O
ピーチ「泣かないの。ほら、男の人でしょ。」
マリオ「すまない。ありがとう。」
格好悪いと思われたに違いないがそれでも良かった。
クッパ城を出た彼女には家が無い、俺が彼女の家になろう。そう決意した。
マリオ「ええと…うん…あれだ…。俺と一緒に暮らさないか。」
不安と期待のこもった一世一大の台詞だ。
ピーチ「ええ。喜んで。」
と彼女はハニカンで笑った。
俺はまた泣いた。その度に彼女は俺を撫でた。
マリオはすっかり反省してるみたい、あの日のようには絶対にならないって断言できるわ。あたしにも家族ができました、ノコ爺さんありがとうございます。
あたしは幸せです。
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:29:28.66 ID:US79mtF0O
そして二人は寝床についた。作業用の小さな布団を敷いて、寄り添うように眠った。
歳を重ねた二人の表情はなんとも和やかで、朗らかな様子であった。
マリオ「グー、グー。」
ピーチ「…マリオ…マリオ…。」
夜が明ける頃に二人は眠りについた。
俺達二人なら大丈夫さ、これから先何があっても乗り越えられる。
未来を決め付けるのは良くない事だが、今はそう思うだけで幸せだったのだ。
少し頭を出した太陽の光が二人を優しく照らしている。ようやく雪も溶け始めようとしているそんな頃だった。
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:46:45.95 ID:US79mtF0O
しかし一方で暗い昼が始まろうとしていた。
キノピオ「やったぜ…あいつは神様だ…こんなに薬をくれるなんて。しかも無料でよお。」
キノピオ「ワルイージか…へへ。頼りにしてるぜ旦那。」
ワルイージは裏社会のリーダーであり、主に違法薬物の販売をしていた。
その商法は悲惨極まりなく、町でドラッグにハマるキノコを捕まえては薬漬けにして、薬の染み込んだ頃に暗殺し、そのキノコを高額で売りさばいているのだ。
キノピオは自分がそのターゲットであることをまだ知らない。
キノピオ「あひゃwwwあひゃwww」
狂気がキノピオの体を蝕み、意識までをも支配しようとしていた。
- 82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 19:57:32.42 ID:US79mtF0O
そしてクッパ城では。
クッパ「ギャオオオス!誰も居なくなっているではないかああ!」
クリボーやノコノコ達が居なくなっていた。
クッパ「ギャオス…ついに皆に見捨てられてしまったのだ…。俺様は…。」
クッパはこう見えて意外と淋しがり屋なのだ。
城の壁にある若き日の自画像を眺めているうちにすっかり夜になってしまった。
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:04:11.91 ID:US79mtF0O
マリオ「いってきま~す♪」
ピーチ「行ってらっしゃい♪」
ヨッシー「でってぃう。」
今日のマリオは見違える程元気な声だった。
あの仕事辞めてから配管工で働いてたんだ。毎晩毎晩大変だわね、そうだわ…今日はおご馳走作って待ってましょ。
お金は残り少ないけどきっと大丈夫だわ。
- 91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:14:29.30 ID:US79mtF0O
マリオはいつものようにキノ五郎と仕事をしていた。
キノ五郎「ゲッホ!グェッホ!」
マリオ「キノ五郎さん、大丈夫ですか?」
キノ五郎「すまねぇな。昨日あんな事言っといておきながら自分が風邪ひいちまった。ゲッホ。」
マリオ「咳する度にキノコ菌が飛んでますよ。今日は休んだ方がいいんじゃ…。」
キノコ五郎「馬鹿ぬかすんじゃねぇ!ゲッホ!俺は今まで皆勤賞なんだよ、ここで諦めてたまるかってんだ。上手くいけば係長に昇格できるかもしれねぇ…グェッホ!」
マリオ「じゃあせめて怪我をしないようにしてくださいよ。」
マリオは少し心配だった。
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:15:37.79 ID:LNKMciFe0
キノ五郎・・・まさかな・・ハハ・・・・
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:29:08.73 ID:US79mtF0O
マリオは今日あった事を話ながら仕事をしていた。
キノ五郎「そおかぁ。ゲホッ。良い嫁出来て良かったなマリオ!」
マリオ「いやいや嫁だなんて滅相もない、結婚なんてしてませんよ。」
キノ五郎「ははは、わりぃわりぃ。オッホン!でも今がチャンスだぜ早いとこ結婚しちまって良い家庭を築いたらどうだ。」
マリオ「今の俺にはまだそんな金も自信もありませんよ。」
キノ五郎「大丈夫さ。大切なのは愛だよ愛。」
マリオ「そうっすね。俺も頑張ってみます。」
ついにあいつにも女が出来たか。はは、ちょっと寂しいな。今までは俺だけの男だったのによ、って俺は何を考えてるんだ。
とにかくマリオ…その幸せ絶対無くすんじゃねぇぞ。俺が一番応援してるからな。
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:35:02.43 ID:US79mtF0O
仕事は六時間以上続き、ようやく終わろうとしていた。そんな時事件は起こった。
キノ五郎「よし、そろそろ上がるか…ゲッホ!ゲッホ!」
マリオ「今日はお疲れ様でs…!」
梯子を昇って行く途中キノ五郎は咳をした反動で手を滑らせた。
キノ五郎「っうぁああああああ!!」
マリオ「キノ五郎さん!!!!」
ドスッと重い音が冷たい配管工に響いた。
- 110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:38:41.46 ID:SY+W7hh00
なん・・・・・だと・・・・?
キノ五郎さああああああああああああん!!!!!!1
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:39:10.69 ID:US79mtF0O
マリオ「キノ五郎さん!」
キノ五郎「…」
返事がない。俺はキノ五郎さんをおぶってマンホールから出た。
そしてタイムレコーダーを押すのも忘れて彼を病院へ運んだ。
幸いにも町で一番大きな病院が彼を受け入れてくれた。
少し不安だったのだ。三年前のキノ五郎さんみたいになったらどうしようと何度も思った。そして彼はすぐさま緊急治療室へ運ばれた。
赤いランプが点滅している。ヤケに無機質な白い部屋はなんだか怖く感じたがキノ五郎さんへの心配の方が大きかった。
頼む死なないでくれ。
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:40:15.93 ID:ZVRCntCgO
無事でいてくれぇ…
- 120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:55:32.77 ID:US79mtF0O
赤いランプが消えて中から医者が出て来た。
マリオ「キノ五郎さんは…!」
医者「命に別条はありません。ただ、右足を骨折しておりひどいウィルス性の風邪もひいておりますのでしばらくの間は当院に入院していただくことになります。」
マリオ「そんな…。」
マリオは悔しかった。あと少し頑張ればキノ五郎さんは昇格出来ていたかもしれない。あの職を誇りとするキノ五郎さんにとってあまりに残酷な事件であった。あの時手を出していればとか、俺が受け止めれればとかどうしようもない事ばかり考えては頭を抱えた。
結局その時にキノ五郎さんを見ることはなく。明日お見舞いに行くことを決めて家に帰った。
マリオ「それじゃあ意識が戻ったら、明日お見舞いに行くって伝えといてください。」
医者「かしこまりました。」
そうして病院を後にした。
- 122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 20:57:13.61 ID:US79mtF0O
マリオ「あぁ…明日は花でも持って行くかな。」
命に携わらなかったと聞いてマリオは仮初の安心感をいだいていた。
明日は朝からお見舞いに行こう。そう思いながら町の隅を歩きつつ家へ向かった。
- 129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:08:20.97 ID:US79mtF0O
マリオ「ただいま…。」
ヨッシー「でってぃう。」
ピーチ「おかえり♪あら…元気ないわね。」
ピーチには元気がない事がすぐばれた。
マリオ「ああ…大切な上司が怪我と病気で入院してしまってな。」
ピーチ「そう…それは散々だったわね…。」
ピーチ「ちょうど良かったわ。ほら、これ見て。」
机の上には何年も触れられなかったくらいのご馳走が並べられていた。
マリオ「一体これは…?」
ピーチ「ふふん♪貴方の為に作った手料理よ、ゆっくり召し上がれ♪」
マリオ「あ、ありがとう!ヤッフゥウウ!」
こんな料理は本当に久し振りだ。マリオは飛び付くように食べている。
ピーチ(ふふ、可愛い♪)
それを見ながらピーチはクスッと笑った。そしてピーチも隣りに座って料理を食べた。微笑ましい光景だ。
- 132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:11:07.00 ID:US79mtF0O
食事も終り、マリオは散らかった食器片付けをしていた。
マリオ「片付けは俺がするよ。」
ピーチ「あら優しいのね。」
マリオ「あんな美味しい料理初めて食べたよ。これはその御礼さ。」
ピーチ「またまたお世辞を…///」
マリオ「顔があかいぞ~♪」
ピーチ「も~///マリオの馬鹿///」
そんな他愛も無い時間が俺達にとっては大切で尊いのだ。
- 133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:12:16.39 ID:ZVRCntCgO
キノ五郎さんが不憫すぎるぞwwwww
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:14:38.88 ID:US79mtF0O
片付けが終わった後俺達は家の外へ出かけた。何をしに出かけたかと言うと、キノ五郎さんへの花を摘みに行こうとしていたのだ。
ピーチが冬でも綺麗な花が咲く良い場所を知っていると言うので俺は彼女に付いていった。
暫くつまらない話をしながら歩いて行くと郊外の泉に着いた。
冬なのに泉の水面に花が咲いてプカプカと浮かんでいる美しくも神秘的な場所だった。
泉の周りには小さな川が出来ていて周りには花が咲き乱れている。そんな空間で月に照らされたピーチはいつにも増して美しかった。
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:17:43.67 ID:LNKMciFe0
ニヤニヤが止まらないwwwww
- 141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:22:12.73 ID:US79mtF0O
ピーチ「この花なんてどうかしら?」
今まで花にはあまり興味が無かったが、今日は見違えて美しく思える。
月に向かって咲く花を見ては、あの花も届くはずの無い空を目指しているのだろうかと一人で思いにふけったものだ。
マリオ「これもどうだい?」
そんな風にしていくつかの花が集められ、やがて多才な色を放つ華やかな花束が出来上がった。
ピーチ「上出来よ。キット貴方の上司さんも喜ぶ筈よ。」
マリオ「ああ。ありがとう。」
そんな風にしていくつかの花が集められ、やがて多才な色を放つ華やかな花束が出来上がった。
ピーチ「上出来よ。きっと貴方の上司さんも喜ぶ筈よ。」
マリオ「ああ。ありがとう。」
そして二人は家に帰った、夜の町を花束を担いで足並みを揃えて歩く二人はまるで新婚の夫婦であるかのようだ。
家に着いた後ピーチはもう少し起きていたいと言ったがマリオは疲労困憊していたため先におやすみを交わして眠った。
- 143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:23:59.32 ID:sWPbbUV60
2回・・・・
- 144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:26:21.88 ID:nDz7w9uV0
大事なことなので2回いいました
- 151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:35:18.01 ID:US79mtF0O
しかし一度は寝たものの、隣りに寂しさを感じ起きてしまった。
マリオ「ピーチ…まだ起きてたのか…。」
彼女はノートに何かを書いているようだった。そして隣りには何か編み物のような物が置いてある。
マリオ「何をしてたんだ?」
ピーチ「ひ・み・つ♪」
マリオ「見せてくれよ。」
ピーチ「だから秘密だってば。女の子の秘密を覗かないの。」
マリオ「ぐうう、マンマミーア…。」
そのくらいは許してやろうと思えたのはやはり歳をとったからだろうか。俺は再び寝床についた。
暫くするとピーチも入って来た。
この日も二人は寄り添ってまたおやすみの挨拶をしてから眠りについた。
気がついたら今度は先にピーチが眠っていた。
ピーチの体温が服越しに伝わったくる、生きている確かな証だ。
月明りしか無い薄暗い部屋に残ったのは、彼女の可愛らしい鼻息と自分の心臓の音だけだ。
薄れつつある意識の中でさえも彼女を想っている。
明晰夢でも見ているみたいだ等と考えているうちにマリオも眠ってしまった。
- 156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:45:31.59 ID:US79mtF0O
窓から柔らかい日の光が差し込んでいる。
ピーチ「ふわわ…おはよお。」
マリオ「フォウフ…おはよ。」
二人とも深夜に寝ている為か朝はすっかり寝ぼけていた。ヨッシーはまだ寝ている。
窓を開けたり服を着替えたりとゆっくり朝の仕度を済ませてからマリオはドアを開けた。
マリオ「んじゃ行って来るよ。」
ピーチ「いってらっひゃい。」
慣れない夜の生活故ピーチはまだ眠たいみたいだ。半分無意識の中で俺を見送った。
俺はキノ五郎さんに会うため花束を持って医者へ向かった。
- 159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:50:54.30 ID:US79mtF0O
医者の受付で部屋を聞いてから彼のいる部屋へ向かった。
キノ五郎「…おお…マリオか…」
キノ五郎さんはすっかり弱ってベッドで横になっていた。
マリオ「おはようございます。花束持って来たんで置いときますね。」
キノ五郎「すまねぇな…」
マリオ「いえいえ、体の事は医者に聞きました。元気になったらまた一緒に仕事しましょう。それまでは俺が二人分頑張ります。」
キノ五郎「頼もしいねえ…期待してるぞ。」
マリオ「ありがとうございます。」
- 160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:53:55.65 ID:US79mtF0O
キノ五郎「んでよ…どうなんだ。」
マリオ「フォウ?」
キノ五郎「相変わらず察しが悪いなぁ。女だよ女…」
マリオ「あぁ、上手くやってますよ。昨日もご馳走作ってくれましたし。この花束も彼女と作りました。」
キノ五郎「それはそれは本当に良かったな。幸せになれよ。」
マリオ「もちろんすよ。」
キノ五郎「大切な物が増えたな。だが忘れるな…人生にはほんの数回だけ大切な物を選ばなくちゃいけねえ時がある。何かを得る為には何かを捨てなくちゃならない。二兎を追う者一兎をも得ずって奴だ。」
キノ五郎「そんな時人は2種類に別れる。何かを捨てられる人間と捨てられない人間。迷いの無い前者は幸せ者だが、ある意味寂しい選択なのかもしれない。なんにせよ大切なのは勇気だな。つまり男気だ。」
キノ五郎さんの顔は真剣だった。かつて守れなかった大切な物を思い返しているようにも見えた。
- 161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 21:57:15.13 ID:LNKMciFe0
キノ五郎さんかっけEEEEEEEE
- 165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:09:02.69 ID:US79mtF0O
キノ五郎「あとよ…お前に一つ頼みたい事があるんだ。」
キノ五郎「近い内に俺達の配管工にも取り立て屋がくるはずだ…。その時はちゃんと事務所を守ってくれよ。」
マリオ「もちろんすよ。どんな輩が来ても追い返してみせます。」
キノ五郎「そうだその意気だ。」
マリオ「ういっす。」
キノ五郎「いいかマリオ…。キノコの神様は最後まで諦めなかった者に…」
マリオ「幸せを与える。でしょ。」
二人の声が重なった。
キノ五郎「ああ、その通りだ。俺達の誇りを守るんだ。」
マリオ「約束しますよ。」
今まで何度も約束した事だが確認するようにまた約束した。
そして俺は病院を出た。
- 166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:12:52.01 ID:US79mtF0O
キノ五郎はポケットからあの古錆びた指輪を取り出し横になったまま太陽の光に晒していた。
キノ五郎「なぁ…俺にもあんな後輩が出来たんだぜ。それに比べ俺はたった一人さえ守れないつまんねえ男ですまなかったな。お前のお陰で頑張ってこれたんだ。」
キノ五郎「もう冬だけどよ、仕事場は相変わらずの夏真っ盛りだ。はは、お前が生きてたら会わしてやりてえなぁ…。一緒に飯でも食いに行こうぜ、そしたらお前は笑うかい。」
キノ五郎「俺も復帰したらまだまだ頑張るからよ。そしたら空の上でも安心できるだろ。応援頼むぜ、愛してる。」
指輪にキスをしてまたポケットにしまった。
一つ一つを思い出しては胸一杯になるまでしまってキノ五郎はにこやかな表情で眠りについた。彼は何年時が過ぎてもひたむきに一途であった。
- 168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:18:54.13 ID:US79mtF0O
マリオ「ただいま♪」
ピーチ「おかえり♪」
ヨッシー「でってぃう。」
ピーチもヨッシーもすっかり起きていた。
それから二人と一匹で少し遊んだり、キノ五郎さんの自慢話をしたりした。
二人と一匹、まるで彼等のようではないかと俺は思い出した。ある意味似ていた境遇は偶然なのかはたまた運命なのか、天の配剤のようにも思えた。やはり真理とは神のみぞ知ることなのだろう。
- 170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:20:59.61 ID:US79mtF0O
いつものように寒い夜が来て仕事に向かい、マンホールに入ったのだが、あんなに熱気に満ちていた配管が今日はやけに冷たかった。
マリオ「そいやさー…そいやさー…。」
隔靴掻痒の感を抱きつつも淡々と仕事を続けた。
元気が出るわけも無く、蚊の鳴くような声であった。何も考えずに仕事をしていると無意識の内に時間が来ていた。
それからいつもみたいに人目を避けながらフラフラと家に帰っていった。
- 171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:21:48.01 ID:US79mtF0O
マリオ「ただいま。」
ヨッシー「でってぃう。」
家に帰るとピーチは既に寝ていた。
俺は小さくおやすみと呟いて彼女の隣りで眠った。
職場はすっかり寂しくなったが今はピーチがいる。家族のように大切な本当に守りたいものができたのだ。
愛してるなんて言ってあげたら喜ぶんだろうか。ゲーム役者をしていた頃のあのエンディングシーンのように、愛を誓いキスをすれば男としてカッコつくのだろうか。
はは、今更出来るわけが無い。それにそんなものは無くても充分幸せだ。これがいつまでも続くのなら、俺はどんな苦渋でも飲むつもりだ。
- 176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:31:50.71 ID:US79mtF0O
それから何日か過ぎた。
毎日毎日幸せな日が続いたが、やはりそういう日は普段より早く過ぎ行くものだ。
スーパーマリオで彼女を助けるシーンの時に滑ってマグマに落ちそうになった事、マリオRPGで間違ってフライパンでひっぱかかれた事、マリオサンシャインの後に南の島でびしょしょになるまで皆ではしゃいだ事。
そんな昔話をする度に彼女はそんなこともあったねと笑うのだった。
愛しくて仕方ない。この歳に至ってようやく辿り着いた螺旋のてっぺんに俺はいる。人間喜劇と愛憎の渦の中俺はついに居場所をみつけた。
しかし、そんな幸せは脆くも崩れ去ろうとしていた。ある日を境に。
- 182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:39:33.62 ID:US79mtF0O
その日俺はいつものように仕事に向かった。すると社員の一人が遠くを指差して叫んだのだ。
社員1「おおい!あれを見ろ!!!」
社員2「と、と、と、取り立て屋がきたぞおお!!!解体業者も一緒だ!!!」
遂に来たか…。
北○の拳のようなバイクに乗った集団がハンマーやチェーンソーを担いで向かって来る。
マリオ「決戦だ…ゴクリ。」
良く見るとテレビ局も来ていた。確かにニュースに取り上げるにはいいネタだろう。
- 184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:46:56.87 ID:US79mtF0O
退院も間近となったキノ五郎は病室でテレビを見ていた。
キノ五郎「お…遂に来たか…。」
画面の中では社員達が必至で取り立て屋を押し返そうとしている。
その中にマリオもいた。
キノ五郎「おお、マリオのやつ頑張ってるな!そのまま追い返しちまえ!」
医者「キノ五郎さん、診察の時間です、診察室へ付いて来てください。」
キノ五郎「分かった。」
キノ五郎は点滴を抱えながら安心して部屋を出た。
大丈夫、あいつなら守ってくれる。
- 187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 22:53:26.14 ID:US79mtF0O
マリオ「ここは俺達の居場所だ!帰ってくれ!」
ワリオ「そう言う訳にはいかないぜ。マリオちゃんよ。」
マリオ「ワリオ!」
ワリオ「俺様達も金もらって商売やってる訳よ、どいたどいた。」
マリオ「い、いやだ!」
ワリオ「社員の内誰か一人でも通してくれたら俺様達は思う存分仕事ができるんだぜ、なぁ…どけよマリオちゃん!あんたが退いたら俺様は仕事ができるんだっての!」
マリオ「ダメだ…!ここは大切な…」
ワリオ「そ~だ、そこを退いてくれたら今までのお前の借金チャラでもいいぜ。そらその方が生活も楽になるだろな~。」
マリオ「!…借金がチャラ…。」
- 192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:03:10.43 ID:US79mtF0O
今借金が無くなれば、どれほど楽になることか。毎月の返済をしなくて済む。そしたら簡単なバイトでも十二分に暮らして行く事が出来る。ピーチとの幸せな暮らしがいつまでも待っている。
でもそれでいいのか、配管工はキノ五郎さんの誇り、居場所。
ここが無くなれば、キノ五郎さんはどうなる?彼の生き甲斐は?
―臭え仕事だけどよ、地上の奴等にゃ分からねぇもんをいっぱいいっぱい持っているつもりだ―
―貴方がいるじゃない―
―幸せに甘え過ぎた浮かれていたんだ。あの日がくるまでは。―
―何度もこの写真に励まされたわ―
―あんな現実があっていいのか!なぁ!なぁ!―
キノ五郎さんとピーチの二人の台詞が交互に頭を流れる。混乱なんてものじゃない、今に発狂してしまいそうだ。
- 198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:17:07.05 ID:US79mtF0O
―人生にはほんの数回だけ大切な物を選ばなくちゃいけねえ時がある。何かを得る為には何かを捨てなくちゃならない。―
こんなに早く来るなんて思っても無かった。
助けてくれ、俺頑張ったよな、神様…。幸せは一つしか味わっちゃだめのか。
家族が出来て良い上司にも恵まれた。だけどそれが今…。
俺が大切なのは…守りたいのは…。
その時脳裏にあの写真が浮かんできた。俺達を常に元気付けてきた掛け替えの無い写真。
マリオは心が砕ける思いで決意し、顔を上げて報いた。
マリオ「こ、こを…通し、ます…。その代わり約束は守って…ください。」
哀れであった、惨めであった。人はここまで弱くなるものなのだろうかと自分に絶望した。ああ、神様許してくれ。今の俺にはこうする他ないのだ。許してくれ。惨めな俺を哀れんでくれ、許してくれ。
マリオは急に力が抜けて地に膝をついた。
- 200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:17:53.80 ID:cV7eGMTGO
うわああああああ
- 201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:19:08.72 ID:WiicxSEFO
あああああああ
なんてこったい…
- 205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:23:17.72 ID:US79mtF0O
ワリオ「良く言った愛してるぜマリオちゃ~ん。野郎共!!!かかれええ!!!」
俺は振り向けなかった。
後ろから聞こえてくる事務所の崩れる音、次々となぎ倒される柱が涙を流す音だ。
俺は利己的な衝動でキノ五郎さんの居場所を台無しにしてしまった。
俺は訳の分からない声を上げて、体を震わせながら泣いていた。
もう取り返しはつかない。
他の社員も皆死んだような目をして空ばかり見ている。
- 206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:26:23.57 ID:MBAxRXXTQ
ばか…や……ろ……う………
- 207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:26:50.27 ID:ZVRCntCgO
なんてことを…
- 210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:28:47.90 ID:US79mtF0O
キノ五郎「ふう…やっと診察終わったぜ。よし、テレビで状況みてみっかな。きっと今頃マリオのやつ…あれ。」
キノ五郎は口が開いたまま閉じなかった。
キノ五郎「ねぇぞ…俺の配管工屋が…ねぇぞ…おい…どういうことだ…」
キノ五郎はチャンネルを間違っているのだと思い、何度も局番を変えた、しかしそれらしいニュースは最初見た物しかなかった。
キノ五郎「あぁ…仕事…仕事が…俺の…俺の仕事…仕事…仕事仕事仕事…がぁ…があぁあああ"!」
キノ五郎が発狂し暴れ出した。
部屋の騒ぎを聞いた医師達がすぐさま駆け付けた。
- 214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:30:30.05 ID:ZVRCntCgO
キノ五郎さん…
- 215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:30:31.35 ID:4oqKQfxkO
何てこった……
マンマミーヤ……
- 221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:37:34.50 ID:US79mtF0O
キノ五郎「あがぁああああああ"!仕事が!俺の居場所!配管工!誇りが!あぁあああ"!」
医者「心拍数上昇!緊急手当て急げ!」
ブチッという音が鳴って点滴の注射器が抜け、点滴の台が倒れる。
看護婦「きゃあああ!」
その病室はパニック状態だ。
キノ五郎「あいつは!マリオは何処にいる!マリオは!マリオは!何してた!マリオならできるだろ!あいつなら守れるだろ!ぅああああ!」
医者「まずい…!緊急治療室へ急ぐぞ!」
緊急治療室へ向かう途中でキノ五郎のポケットから指輪が零れ落ちた。
カランと冷たく虚しい音が廊下に響き渡った。
- 225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:41:12.56 ID:SY+W7hh00
悲しすぎるだろ・・・・・
- 227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:45:43.32 ID:US79mtF0O
マリオは目を見開いたまま震えていた。寒さからくるものではない、全ての責任を背負う恐怖と絶望だ。
キノ五郎さんに合わせる顔がないと思ったマリオは家へ走った。
彼女しかいない、今のマリオを救えるのは彼女しかいないのだ。
全ては彼女の為の決断。俺は間違ってない、俺は自分を信じる、これは勇気なんだ…はは…きっとそうだ。
ゲームと現実は違うと心のどこかで言い聞かせつつも、必至で自分を正当化した。
我を忘れて町を駆け抜ける姿は現実から逃げているように映っていたの事だろう。
- 231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:54:01.99 ID:US79mtF0O
ピーチ「おかえり♪」
マリオ「フォウ…フォウ…。」
ピーチ「どうしたのよそんなに慌てて。」
マリオ「俺のせいで…ぅあああああ"!」
マリオは泣き崩れた。ピーチはすぐさま抱き締めたがマリオは暫く泣きやまなかった。
今は彼女にすがるしかないのだ、絶望を分かち合わなければ壊れてしまう。
ある程度落ち着いてからピーチに全てを白状した。
ピーチは掛けてあげられる言葉が無かった。何か熱い物を感じ顔をあげたらピーチも泣いていた。
あの時彼女が泣いた理由を今はわかるはずもなく、
ただただ俺は一生この罪を背負って生きていくのだと決意した。
- 236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 23:59:51.82 ID:US79mtF0O
この日二人は何も話さなかった。
ヨッシーも空気を読んだのか喋ろうとしない。
ピーチは俺は攻めているのか、そうに違いない。俺は自虐に走るしか無かった。
明日すぐに新しい仕事を探そう。それしか希望はない。少なくとも彼女だけは守らなくては、本当に何も無くなってしまう。あの日に逆戻りなんてまっぴらだ。
今日の二人は少し距離を置いて眠った。
自然にポッカリと空いた穴だった。
- 241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:11:22.00 ID:vbw6cNSZO
翌朝早くには俺は病室に向かった。ピーチはぐっすり眠っていた。
しかしキノ五郎さんの病室には誰も居なかった。机の上にはあの指輪が残されていた。俺はそれをポケットにしまい受付へ向かった。嫌な予感が絶えない。
マリオ「キノ五郎さんは…」
受付「残念ながらあの御方は昨日御亡くなりになられました。」
マリオ「!」
頭が真っ白になった。
マリオ「嘘だろ…。」
キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える。彼は言っていた筈…。そんな彼でさえ命を無くす程の絶望。今になって事の重大さを再認識した。
諦めなかった者などと今の俺が言える立場ではない。
キノ五郎さん…俺を叱ってください。俺を許さないでいいです。全て俺にぶつけてください、憎んでください。ただ必ず天国でお嫁さんと再会してください。マリオはポケットの中を強く握り締めて泣いた。
- 243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:13:06.52 ID:jd6CAlHoO
嘘だろ…
- 244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:13:09.72 ID:F6/7r0p5O
ああー…
- 245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:13:33.82 ID:bQOMc+FW0
キノ五郎・・・
- 250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:18:32.09 ID:vbw6cNSZO
しかしいつまでも落ち込んでいる暇は無い。
家に帰る前に職を探さなければと、いろいろな店を周った。
しかしどの店もこの歳では爪弾にされるだけだった。
中には顔を見ただけでしっしっと手を払う人までいた。新しいスタートは思っているよりずっと難しそうだ。
ピーチに何て言えば良い。俺はトボトボ家へ向かった。
- 252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:20:47.03 ID:vbw6cNSZO
ピーチ「そうだわマリオが一番辛いのよ…あたしが一緒に暮したばかりに、こんな目に…。」
ピーチは自分を責めていた。マリオも自分を責めている。そんなすれ違いが二人に距離を作っている。
そんな時彼女は閃いたのだ。
ピーチ「そうだわ、花を摘んできましょう。今は少しでも彼を喜ばせなきゃ。」
ピーチ「あたしが悪いんだから…。」
ピーチ「ヨッシーちゃんちょっと行ってくるね。」
ヨッシー「でってぃう。」
ピーチはあの泉へ向かった。
- 257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:28:55.75 ID:vbw6cNSZO
ピーチ「あれ…あの子は…?」
孤児キノコ2「あぁ!お姉ちゃんだ!久し振り!」
ノコ爺さんの家にいた女の子キノコだ。
ピーチ「久し振り///」
子供の顔を見ると気持ちがほぐれる。ピーチを支配していた不安の塊が少し軽くなった。
孤児キノコ2「ねぇねぇ何してんの?」
ピーチ「お花を摘みに来たのよ。」
孤児キノコ2「あたしも手伝う~///」
ピーチ「いいの?」
孤児キノコ2「だってあたしお姉ちゃん大好きだもん♪おっきくならお姉ちゃんみたいになりたいの♪」
子供は素直だ、普通の大人なら到底言えない事でも恥じらい無く言える、彼女をみてると心まで洗われてる気になれる。ピーチは彼女と一緒に花を摘み始めた。太陽が綺麗だ。
- 262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:37:49.54 ID:vbw6cNSZO
孤児キノコ2「このお花綺麗でしょ♪」
ピーチ「すっごく綺麗よ♪貴方みたい。」
孤児キノコ2「えへへ///」
そんな会話をしながら花を集めて時間を潰していると突然何かがやってきた。
孤児キノコ2「やだ!放して!」
ピーチ「…!その娘を放しなさい!」
クリボー1「放さないぜ譲ちゃんよ!」
クリボー2「餓鬼をいじめんのは最高のストレス発散だぜ!」
だめ!その娘をいじめちゃだめ!ピーチは走った!
すると誰かが腕を掴んだ。
ノコノコ1「そうはさせませんよ。」
ピーチ「貴方達!そんなんじゃ何も報われないわよ!」
ノコノコ1「報われないのは貴方ですよ、くくく。来なさい!ノコレンジャー!」
草むらからノコノコ達が飛び出してきた。
ノコノコ2~5「参上!ノコレンジャー!」
- 263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:38:53.75 ID:Mocp4X4H0
うわああああああ止めてくれえええええ
- 272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:47:11.54 ID:vbw6cNSZO
ピーチ「いやぁああ!やめて!」
ノコノコ1「フヒヒ…。」
ピーチの服は無残にも破かれた。すると一枚の写真が、落ちて来た。
ノコノコ1「おや、何の写真ですか?きったない写真ですねえww」グシャ
ノコノコは力一杯踏みにじった。目の前で写真がバラバラに破れている。いつも自分を守ってきた大切な思い出は儚くも引き裂かれた。
ピーチ「嫌…嫌…!やめてえ…やめてぇ…グスン」
彼女のひ弱な声がノコノコ達に届くはずは無く。ノコノコ達はピーチを押し倒した。
孤児キノコ2「やめてぇえええ!お姉ちゃんをいじめないで!」
クリボー1「おっと餓鬼はだまってな!!!」
孤児キノコ2「ああああああ!」
クリボーの強力な頭突きが孤児キノコ2の頭の一部を砕いた。
ピーチ「いやぁああああ!!!」
- 278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:57:45.76 ID:vbw6cNSZO
孤児キノコ2「あ…あ…。」
クリボー1「ははwキメェ餓鬼だぜww」
クリボー2「もういっちょう!!!」
孤児キノコ2「ああああ…」
頭が変形してボロボロになっている。彼女の体は徐々に衰弱していく。
だめ、だめなの…あの娘には家族が居ないの…。
だめ…いじめちゃだめ、あの娘は苦労して頑張って、やっと家を見つけた娘なのよ。
いつも素直で純粋で、ほら、あんなに綺麗な目をしてて…
やめて…あの娘を傷つけないで。お願いだから。
クリボー1「とどめだwおらよっ!!!!」
孤児キノコ2「…」
頭をすっかりえぐり取られたキノコが倒れている。目は白くなり、もう先程までの輝きは無くなっていた。
ピーチ「いやぁあああ!!!!!!」
必至で奇声を上げたが目の前の絶望の浸蝕は止まることを知らずピーチの耽美に満ちた世界を崩壊させた。
あの娘が…あの娘が…死んじゃった。
- 279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 00:59:50.27 ID:YEJkxzl0O
なんという鬱……
- 283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:01:07.71 ID:7RpSnydcO
キノコ……(;ω;)
- 289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:06:53.78 ID:vbw6cNSZO
孤児キノコ2「お姉…ちゃ…ん…」
クリボー1「まだ生きてんのwwwうっせよww」
孤児キノコは頭を木っ端微塵に砕かれた。
ピーチ「あの娘は…大切な…」
ノコノコ1「どこを見てるんですか、貴方の相手はこっちですよ。」
そこには欲望のままに膨張したモノがそそり立っていた。
ノコノコ1「では、いただきますね。知ってますか、亀のペニスは頭より大きいんですよ。」
ノコノコ2「おら、俺のキラーキャノンを咥えろ雌豚!」
ノコノコ3「ちゃんと手で扱け!!!」
ピーチ「うぅ…う…」
あまりの勢いにピーチの体も精神も耐え兼ねていたその時林から大きな足音がした。
ゼニノコ「へへへ…ええことやってますなぁ…ジュルリ」
その巨大な悪魔はゆっくりとこちらへ向かってきた。
- 297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:18:13.41 ID:vbw6cNSZO
ゼニノコ「どきなはれ!」
バチン!と泉に轟音が響いた、ノコノコ1の甲羅は粉々に砕けて血が吹き出ている。ノコノコ1はやがて力を失いその場に倒れて息を無くした。
ゼニノコ「こんなベッピンはんのオメコはわいがいただくゆうたやろ。」
ピーチ「あ…あぁあ…!」
80cmはあるであろうアーケロンクラスの特大ビッグマグナムキャノン砲がピーチの前でビクビクと蠕動している。
ゼニノコ「いただきますぜ…」
ズブズブと鈍い音を立ててピーチの中の空間全てを醜い物が埋め尽くした。
ゼニノコ「しまりがええですなぁ!」
ピーチ「…い…や…」
ああ…花が咲いている。綺麗だわ。あの花がいいかしら、あの花もいいわ。あれ…黒い光が満ちて行く…。
あまりの絶望と恐怖を目前にピーチは失神してしまった。以前のサファイア色の屈強な瞳は黒く鈍り、一寸の輝きも残っていなかった。
- 299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:23:24.39 ID:jd6CAlHoO
うわぁぁぁあぁあピーチぃぃいぃ!!!
- 301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:23:42.87 ID:vbw6cNSZO
マリオ「ただいま。」
ピーチがいない。散歩だろうか。
ヨッシー「でってぃう。でってぃう。」
マリオ「フムフム…ピーチは泉に行ってるのか…」
ヨッシーとは長い付き合いだ。何を言っているかは大体分かる。
とにかくピーチには謝る事だらけだ、俺は泉へ向かった。
妙な胸騒ぎと得体の知れない不安を感じていたが、深呼吸を繰り返し胸の内へ押さえ込んだ。
- 416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:17:39.87 ID:vbw6cNSZO
泉に着いた時俺は自分の目を疑った。
マリオ「ピーチ!」
無残に服を引き裂かれ、体中醜悪な液体を浴びたピーチがいる。何があったかは想像がついた。彼女は泉の中へ向かって歩いている。
まさか…。
マリオ「やめるんだピーチ!!!」
俺は彼女の方へ走ったがその刹那
―来ないで―
マリオの心の奥底のさらに深い所で彼女の声が響いた。俺は石化されたように固まり動けなくなった。動け。頼む、今しかないんだ。
彼女は進むにつれて徐々に泉に沈んで行く。花が水面に揺れながらユラリユラリと手を振っている。
ダメだ…止めなくては。
- 418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:24:29.98 ID:vbw6cNSZO
マリオ「行っちゃダメだ…!」
君が居なくなったら俺は…
この期に及んでなお自分の事を気にかけてしまった。
しかし体が動かない。絶対的な距離、近くて遠い、惨たらしい距離、今日まで極めて近付いていた二人の距離が今形になって開いていく。夢なら覚めてくれ。彼女との距離は開くばかり、既に彼女は腰まで水に浸かっている。
彼女が、思い出が、幸せが、水に溶けていく。
少し空が曇って来たと思ったとたん雨が降って来た。
ピーチの雨に濡れてクシャクシャになった髪や服にはかつての面影は無い。
マリオ「ピーチ!」
何度も何度も名前を呼んだが、雨の音にかき消されているかのように彼女は振り向かない。何万回の誓い、思いが冷たい雨の雫にに打ち抜かれて崩れていく。
幼い頃公園の砂を固めて作った城が翌日には崩れ去ってしまってた光景が思い出された。
- 421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:31:14.49 ID:vbw6cNSZO
空よ、そんなに泣かないでくれ。俺達を哀れみないでくれ。
体が動かないなら言葉しかない。言葉を直接心にぶつけるしかない。俺に残された言葉、彼女に言いそびれたたった一つの言葉を。
マリオ「ピーチ、俺はお前を愛してる…!」
ピーチはマリオの方を振り向いた。しかし彼女は今までみたことないくらい辛い顔をしていた。
―ごめんね―
ピーチは下唇をかみ締めてマリオの目を見た。
彼女は泣いている。雨の中でもハッキリ分かる程確かに泣いている。
あんなにも笑顔をくれた彼女が…あんなにも泣いている。彼女を救いたい救えない。彼女を連れ出したい連れ出せない。
マリオは膝をついた。あの時と同じだ。目の前の光景に打ちひしがれて見てる事しかできない。ああ、声が聞きたい、笑っておくれよ…俺には君が必要なんだ。
非情にも雨の織り成す狂詩曲は終奏へと加速して行く。
- 426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:41:00.53 ID:vbw6cNSZO
ピーチはやがて泉に沈んだ、俺は本当に長い間動けなかった。
暫くしてピーチの抜け殻が浮かんで来た。魂を失った冷たい骸。
やがて空は晴れて太陽が泉を照らす。彼女の白い素肌はキラキラ輝いてた。
泉の花々は静かに流れ、彼女だけ時間が止まっているように泉に浮かんでいた。
先程より少し暖かく湿ったい風が嫌に感じるくらいに吹いている。風に揺られる花は綺麗でいて神秘的で、滴る雫の奏でるピチカートが四方八方から聞こえて来る。雨上がりの曇の間から出る光が俺とピーチを照らしていた。
- 427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:42:06.74 ID:Anh2urg60
うわああああああああああ
- 429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:42:40.20 ID:rNpSkIeFO
いやあああああああ
- 432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:43:06.52 ID:oVbE1tb80
ああああああああああああああああああああ
- 438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:49:32.15 ID:vbw6cNSZO
花を見たんだ。
雫がゆっくり葉っぱを下って来たと思ったら、すぐに地面に落ちて弾けて消えた。
弾ける瞬間雫はシャボン玉みたいに周りの光景を写し取っては砕けて消えた。
花は生きる為に水を必要とする。葉っぱの上の雫は一見綺麗だが、それはあくまで人間中心の視野でしかない。
花にとっては落とさなくてはならないもので、決して包むべき対象では無いのだ。
あの時花も闘っていたに違いない。折れるまい、諦めまいと、垂直に降る雨を押し返して耐えたのだ。またいつか襲い来るであろう雨風に恐怖する事もなく、運命を真向から受け止めて、体を張って闘っていたのだ。見てみろ、彼等はいつだって空を向いて咲いているではないか。
人もいない時代からずっとずっとそうやって生き抜いてきたのだ。
彼等は実に強く、誇り高く、気高い立派な生き物だ。
泉の花達は彼女を見て何を思ったのだろうか。花に答えを求めた所で俺に分かる筈は無い。到底敵う筈もない。
- 447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 21:58:23.79 ID:vbw6cNSZO
ゲームオーバーというよりは神話でも読んでいるようだった。
マリオ「…」
ピーチを遠い目で見ては彼女の眩しさを思い出した。
決して太陽に比喩された物では無く、あくまで彼女の内から染み出してくる限り無い思い出と愛情が彼女を眩しくしているのだ。
瞬きの出来ない眩しさで、夕方までそれを眺めていた。
俺は未だに現実を受け止められずにいた。
夜が来てもそこにいたが寒さも増してきてヨッシーが心配だった。
どんな消失もいつかは切り捨てなくてはならない。でなければ彼女に悪い。俺はピーチを泉に残して家に帰った。途中何度も後ろを振り返ったが、その度に苦しくなった、なんだか吐き気がする。もうここへ来ることは無いだろう。
- 448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:01:21.61 ID:vbw6cNSZO
ヨッシー「でってぃう。」
ヨッシー、お前はいつも元気だなぁ。
幸せって、不幸があるから幸せに感じれる物だと聞いた事がある。
ヨッシーは生まれてこのかたずっと俺と暮らしていたから不幸に慣れたのか。こいつはある意味不幸で、ある意味幸せなのかもしれない。
マリオ「よしよし…」
ヨッシーが不思議そうな目でこっちを見ている。ピーチを探しているのか、彼女なら遠くへ旅にでたよ。ヨッシーがもっと大きくなったら会いに来てくれるってさ。
はは、心配するなよ、俺はお前と一緒だ。
- 454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:10:16.93 ID:vbw6cNSZO
その夜俺はピーチの日記を見つけた。ああ、あの時これを書いていたのか。
重たい紙切れの歴史を一枚一枚振り返った。
―今日からマリオと暮らす事になった。正直あの日の恐怖や違和感はまだ取り払えていない。怖いけど今は彼を信じるしかないと思う。―
やはり俺が怖かったのか…。すまない。
―今日は彼の上司が入院したみたいでなんだか辛そうだった。そうだ、マフラーを編みましょう。クリスマスにこっそりプレゼントしたらどんな顔するかしら楽しみだわ。きっと喜ぶに違いないわ。―
あの編み物はそういう事だったのか。
ふと気がつくとマリオは作りかけのマフラーを握り締めていた。
- 455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:12:19.16 ID:vbw6cNSZO
―彼との生活はなんだかんだで毎日楽しい。あたしは幸せだわ。―
ああ、俺もだった。
―今日は彼が泣いた。上司の死と職場の死、あたしのせいだ。あたしのわがままな願いの為に彼はこんな目に。あたしはどうすれば。―
君は悪くない。俺を責めてくれ。頼む。
布団には微かにピーチの匂いが残っている。甘く懐かしい記憶がそこにはあった。
俺は疲れた。もう寝よう。
- 459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:15:06.01 ID:vbw6cNSZO
ルイージ「そろそろ大仕事も最終段階だ。商業で国が閉鎖的になりつつある時代。ここで負ける訳にはいかない。必ず各国を押し返してやる。」
デイジー「ええ、私達の作業は順調よ。」
ルイージ「あと少しの辛抱だ、今日はゆっくり休むか。」
ルイージは上着を捨ててデイジーに抱き付いた。
デイジー「貴方ったら乱暴なんだから///」
今夜も町の灯を上から眺めながら二人はまどろみ、愛に飲まれていくのだ。
間も無く完成する未来を夢見て止まない二人である。
- 462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:19:06.52 ID:vbw6cNSZO
翌日マリオは口を開いたまま下を向いていた。
マリオ「そうだ…日記書こう。」
―今日は腹が減ったから床のホコリを食った。美味かった。―
うん、上出来だ。
俺って文才あるんじゃないか。うんあるある。パネェよ。
これから数日日記を書いては下を向いたまま動かない日が続いた。
- 464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:21:33.77 ID:vbw6cNSZO
―今日はヨッシーが「あだたりんだぶー!あだたりんだぶー!」と五月蠅い。さては腹が減っているんだなと思ったから床のホコリを食べさせてあげた。おとなしくなった。―
なんつうかホコリってあたりが質素な感じでいいよな。はは、はははは。
―今日は腹が痛かった。俺は寝る。―
うん、シンプルさが生み出す奇跡だ。俺すげえ。
マリオの正気は殆ど無くなっていた。
- 465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:22:28.62 ID:dKUm1sAQ0
マリオ・・・
- 475:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:32:05.39 ID:vbw6cNSZO
ある朝カレンダーを見てみた。いつからだったっけ。カレンダーを見なくなったの。
そんな事はどうでも良かったが今日は12月23日だった。もうすぐクリスマスイブだ、それに雪が積ってる、俺は外へ向かった。
マリオ「イイイヤッフウ!!!雪だ雪!!!!」
マリオ「テンション上がるぜわっしょいわっしょい!!!」
子供みたいにはしゃいでは町を駆け回った。
町を歩く人目なんて知らないフリをした。
それはなんと楽しかった事か。
マリオ「イヤッフゥ!!!マンマミーアアア!!!」
パタパタ帽子でも被った時のように俺は有頂天になっていた。
全部無くすと意外と清々しいものだ。
- 478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:39:29.80 ID:vbw6cNSZO
ドスッ!俺は何かにぶつかった。
キノピオ「いって!!!マリオかてめぇ!まだ生きてんのかよ屑野郎!」
マリオ「す…すまない…。」
マリオ「お前…その体?」
キノピオはかつては白いキノコだった筈がすっかり黒くなっているしなんだか痩せこけている。
キノコ「ジロジロみんなよおっさん!!!」
マリオ「オ"ォウ!」
マリオ「ウググ…まさか…薬物を使ったのか…」
キノピオ「うっせえっつってんだろが!!!」
バクシ!
マリオ「フォオ"ウ!」
ダメだキノピオよ。それは間違っているぞ。
その時雪に埋もれていたマリオの中の正義に火が付いた。
- 482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:47:44.00 ID:vbw6cNSZO
マリオ「やめるんだ!」
バクシ!
キノピオ「っつ!」
キノピオ「殴りやがったな粕!」
マリオは胸倉を掴まれた。
マリオ「やめるんだ…薬物は悪魔の薬…お前の体を蝕むぞ!」
キノピオ「全部てめぇのせいだろが!!!!」
キノピオ「俺があの事件のあとどんだけ苦労したかわかってんのか!!!」
マリオ「!?」
キノピオ「あの時のゲームで俺は副主役だった!初の主役級だなのにあのゲームは打ち切りになった!!!俺はあんたと交流する機会が増えたからあんたの仲間だと思われたんだよ!!!!」
バクシ!
マリオ「オ"ォウ!!…すまない。」
キノピオ「今更おせんだよ!!!」
キノピオは何度もマリオを殴った。
- 486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:52:49.36 ID:vbw6cNSZO
キノピオ「死ねよ!!死ねよ!!」
マリオ「オォオ…マンマミーア…」
キノピオ「粕がww粕がwwwヒャハハハハwwww」
グキッ!と何かが壊れる音がした。
マリオ「ぉああああああ"!」
キノピオ「一生悶えてろ。」
キノピオは薬を吸いながらどこかへ消えた。
胸の当たりが尋常でなく痛い。やばい、これはやばいと感じた俺は胸を押さえながら家に帰り、ピーチの財布にあった少ない金をもって病院へ向かった。
- 488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 22:59:35.44 ID:vbw6cNSZO
医者「肋骨にヒビが入っています。早く手術をしたほうがいい。」
そう言われたが診察費と痛み止めの薬だけで所持金は空になった。俺は雪の上を苦しみながら家に帰った。
マリオ「フォウ…フォウ…」
ヨッシー「でってぃう。」
マリオ「心配するな…大丈夫だ。」
マリオ「そうだ明日はクリスマスイブだ。ヨッシー、久し振りに散歩に行こう。夜のパレードは楽しいぞ。」
ヨッシー「でってぃう!」
マリオ「嬉しいか、俺も明日はファイアフラワーでも町で売ってみるかな。それで金が入ったらお前にご馳走してやる。約束だ。」
もう最後かもしれないから。
- 491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:03:20.69 ID:vbw6cNSZO
マリオ「ぉああああ"!マンマミーアアアアアアア!!!!」
その夜は痛みで何度も起きた。
その度に痛み止めを飲んで痛みを紛らわせた。
体が悲鳴をあげている。いつ崩れてもおかしくない状態だ。
頼む明日の夜までは持ってくれ。
- 496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:10:10.64 ID:vbw6cNSZO
ルイージ「明日の21:00からは我が社のゲーム産業部門の開業セレモニーだ。皆よくここまで頑張ってくれた、心から礼を言う。乾杯。」
前夜祭の会場を飛び交う社員の喜びの声。
明日はこの国の歴史が動く日なのだ。
ルイージ「テレビ局の生中継で全世界へ放送される。一堂明日は楽しんでくれ。」
会場からは声援が沸き起こった。
ルイージは明日は人生最高クリスマスになることだろうと思っている。
- 498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:13:44.14 ID:vbw6cNSZO
キノピオ「お前らは…」
DQNキノコ1「へへ、遂に見つけたぜw」
キノピオ「まて…やめろ…」
DQNキノコ1「かかれええ!!!」
DQNキノコ2~50「ぅおおおおおお!!!」
キノピオ「ああ…あ…あぁあ…!」
キノピオの悲鳴が夜空に響いた。
- 500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:22:49.80 ID:vbw6cNSZO
翌朝マリオは作りかけのマフラーを首に巻きポケットに写真を入れ、ファイアフラワーをいくつか持ってヨッシーと共に家を出た。
ファイアフラワーは衝撃を加えると発火するので危ないのだが、普段はとても暖かくこの時期には何気に需要が高い。小遣い程度にはなるだろうと思い売る事にしたのだ。
マリオ「いくぞヨッシー。」
ヨッシー「でってぃう。」
- 502:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:24:50.33 ID:vbw6cNSZO
さっそく町で小さなお婆さんを見つけた。
マリオ「ファイアフラワーいりませんか?」
キノコ婆さん「ああ…ありがとね…でもお金が無くてねぇ…これでもええかえ?」
お婆さんは朝買ったと思われる骨付き肉をくれた。
マリオ「いいんですか?」
キノコ婆さん「こんなに寒いとは思うとらんかったでの…家に帰る方が先決じゃわい…ちょうど暖かい物が欲しかったんじゃ。」
マリオ「そうでしたか、ありがとうございます!」
ヨッシー「でってぃう!」
お婆さんはにこやかな表情でその場を去った。
良い事をすると気持ちが良い。冬の風の中でも温もりはしっかりある。それは何より大事な温もりなのかもしれない。
- 508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:31:22.48 ID:vbw6cNSZO
出会いとは突然訪れるものだ。邂逅といったところか、次に会ったのはまさかのクッパだった。
クッパ「マリオか…」
おかしい、元気がない。以前のあいつなら俺に殴りかかってくるはずだ。彼は今の俺と同じ目をしていた。
クッパ「はは、何も無くなっちまった。」
マリオ「俺もだ。」
俺達は公園のベンチに座って話していた。
ゲームの中で宿敵であり、現実では天敵であった二人が今は同じ境遇にある。運命とは不思議なカラクリでできているみたいだ。
懐かしい話やゲームの話を沢山した。ただあの事件だけには触れなかった。彼なりの思いやりだろうか。
- 517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:39:18.12 ID:vbw6cNSZO
ヨッシー「でってぃう。」
クッパ「おめえはでかくなったなぁ。俺様程じゃないがな。」
マリオ「その内超えるさ。ははは。」
そんなつまらない話が今は楽しい。真剣な話なんてしたくない。
クッパ「ぐぅう…」
マリオ「腹が減ったのか。」
俺はキノコ婆さんにもらった肉をあげるとクッパは一口で食った。その後彼は手を差し延べてきた。俺が手を握ると彼は手を大きく振って握手をした。
クッパ「おめえは今日から親友だぜ相棒。」
マリオ「ははは、悪くない。昔のファンがいたら度肝を抜かすだろうな。マリオRPGみたいだってな。」
クッパ「そんなゲームもあったな、ガハハハ。」
俺達は少しだけ大きくなった気分で町を歩いた。
- 523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:47:45.80 ID:vbw6cNSZO
クッパ「そういや、ピーチを見て無いか。」
唐突な質問は心臓に悪かった。ビクッとしたがなんとか誤魔化した。
マリオ「え?あぁ…どうしたんだ…俺は見て無いなぁ…。」
俺はつい首に巻いているマフラーを竦めそうになった。白状したら確実に殺されるだろう。
世渡りの為の口実を作る嘘を付いた。一番いけない事なのだが、俺はこれ以上彼が弱る姿を見たくない。
クッパ「そうか…いや、なんでもないのだ。気にしないでくれ。」
クッパ「俺様達は今でもラブラブやっているぞ、ガハハハハハ。羨ましいか。」
今更哀れみたくは無いがあまりに可哀相だった。白状すれば楽になれる、しかし言ってはならないのだ。知っているより知らない方がいいことは沢山ある。
俺もそうだった。
- 532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 23:58:43.42 ID:vbw6cNSZO
俺達は昼頃まで時々休んでは歩き続けた。途中公園で冬の木の実をみつけたりするとヨッシーに食べさせた。ヨッシーはまだまだ食べ足りない様子だ。
その時公園のフェンスに何か人影をみつけた。
ワルイージ「こんな所で寝てたのね…キノピオ君。そろそろ薬も染みて来た頃だし出荷にはいいころかな。」
キノピオが倒れていた。誰かがキノピオの手をひっぱって連れて行こうとしている。悪い奴だと言う事は直感的に分かった。
クッパ「あの野郎はワルイージだ!あいつに連れて行かれたら最後、死ぬまで薬漬けにされて売りとばされる。」
マリオ「そうはさせない!」
俺は奴の方へ走った。
ワルイージ「!?まずい…とんずらするぞ!」
マリオ「クッパとヨッシーは奴を捕まえてくれ!俺はキノピオを!」
クッパ「分かったぜ!」
ヨッシー「でってぃう!」
俺達は冬風を切って走り出した。
- 537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:03:04.07 ID:Y8UzPYptO
ワルイージ「ぅわわわわ!」
クッパ「逃がさねぇ!突出ろボボン!」
ワルイージ「あぁあ!"」
ヨッシー「クルリンハー!クルリンハー!」
ワルイージ「オオオ…」
クッパ「トドメだ!ドリルクロー!」
ワルイージ「ノォオオオオ!!!」
クッパ「俺様はこいつを警察に連れていく。マリオに伝えといてくれ。」
ヨッシー「でってぃう!」
- 542:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:09:05.43 ID:Y8UzPYptO
マリオ「キノピオ!キノピオ!」
キノピオ「…」
マリオ「大変だ…体が冷たい…」
俺はキノピオにいくつもファイアフラワーをくっつけた。
そして風に当たりにくい静かな影に彼の身を隠した。
生きててくれ。
ヨッシー「でってぃう!」
マリオ「そうか…クッパは警察署か、暫くかかりそうだな。」
俺は夕方までクッパを待ったが結局帰ってこなかった。やはり事情聴衆が長引いているのだろう。先に行くと張り紙を残して俺は町中へ向かった。
- 551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:17:13.93 ID:Y8UzPYptO
夜になって町にポツポツと灯が燈り始めた。
この一つ一つに命があり、この一つ一つに幸せがあるのだと、俺は考えるのだった。
町に来た理由はクリスマスに発売されるゲームを一通り確認したかったからだ。
俺は少しレトロな感じの木製のゲームショップへ入って行った。
店内は装飾されクリスマスソングが流れていかにもと言った感じだ。
やはり自分のゲームはカートの中で眠っていた。クリスマスセールで100円になってさえ売れない現状をみると、過去の栄光に浸る気にもなれない。
- 556:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:22:54.83 ID:Y8UzPYptO
マリオ「あの娘は…」
PS5のゲーム売り場で小さなキノコが家族連れの客を見る度におどおどしている。
マリオ「家族とはぐれたんだろうか。」
俺がその子に話しかけようとしたとき、店内から叫び声が聞こえた。
店員「泥棒!誰か捕まえて!」
ドボロー「へっへん!オレッチが捕まるわけねぇよ!」
ドスッ!という音がして泥棒は俺にぶつかった。その直後ファイアフラワーが火を放ち、店は炎上した。
ドボロー「ひいい!し、知らねえぞ、オレは知らねえぞ!」ヒヒューン!
泥棒はものすごい逃げ足で逃げた。火が店内に広がる、俺とヨッシーもすぐさま店から逃げたした。
- 565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:29:09.33 ID:Y8UzPYptO
店を出ると何故かルイージがいた。
ルイージ「最後の息抜きに町を歩いて見たらこの有り様だ…放火犯はお前か。」
マリオ「違う…泥棒が俺にぶつかって…」
ルイージ「そのファイアフラワーはなんだ。あまりふざけるな、重罪だぞ。」
マリオ「…すまない。」
母キノコ「きゃあああ!ウチの娘がまだ中に!」
マリオ「!」
出来過ぎたような事件が起こってしまった。しかしどう目を逸らそうが現実はいつもそこにある。俺は何度も学んできた。
マリオ「ルイージ!行くぞ!」
ルイージ「何を言ってる犯人。もう無理だ諦めろ。」
バシッ!と音がした。マリオはルイージを殴っていた。
- 575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:38:57.04 ID:Y8UzPYptO
マリオ「何諦めてんだ!でっかいもん見すぎて大切な物まで忘れたのか!」
ルイージ「何をいっている。」
マリオ「今命を救えるのは俺達しかいないんだぞ!」
ルイージ「何億人の一人だ、たかが一人に危険を払う事はない。」
マリオ「たかがだと…。子供が泣いてるんだぞ。俺は耐えられない。頼む!力を貸してくれ…!この通りだ!」
マリオは雪に土下座をした。金を借りたあの日とは全く違う熱意や説得力があった。紛れもない正義だ。目の前の炎より熱い情熱。ルイージは深い感銘を受けたのだ、かつて尊敬して止まなかった兄の姿だ。兄さんが帰ってきた。
ルイージ「兄さん…。」
何年かぶりにルイージはその言葉を口にした。
ルイージ「いいだろう。一夜限りのマリオブラザーズの復活だ!」
- 582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:49:19.07 ID:Y8UzPYptO
二人は店内を走り抜けた。目指すは二階PS5コーナーだ。
マリオ「フォッ!」
ルイージ「ヤッフゥウウ!」
さすがにジャンプは厳しかったが、走る事は出来る。俺は力の限り走った。彼女は必ず助け出す。
マリオ「オォウ!」
階段に差し掛かった時足場が崩れ落下しそうになった、すぐさまルイージが手を握って助けてくれた。
ルイージは親指を立た。俺は少し笑顔になった。炎を潜り潜りその先に彼女はいた。
幼女キノコ「ふぇええん!ママァアア!」
マリオ「捕まれ。」
幼女キノコ「うん…グシュン。」
ルイージが得意のトルネード火を払いマリオは幼女キノコを抱えて店内から駆け出した。
その姿は誇り高く勇敢な勇者達を彷彿とさせ店の外からは拍手が沸き起こった。
- 588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 00:59:59.36 ID:Y8UzPYptO
拍手雨の中から国王が出て来た。クリスマスの事件とはここまで大事になるものなのかと驚く気持ちが大きかった。
国王「マリオという者はおるか。」
マリオ「あ…はい。」
国王「そなたがマリオか。自分のやった事は分かっておるな。そなたには懲役…」
幼女キノコ「まって!そのおじさんは悪くないの!あたしを助けてくれたの…。」
マリオ「…!」
幼女キノコ「だからお願い…許してあげて…」
母キノコ「こら!何言ってるの!すみませんねウチの娘が変な事言っちゃって。」
国王「いや…その娘に甘んじて罪を軽くはしてやろう。しかしマリオよ、貴様にはこの町を出て行ってもらう。良いな?」
マリオ「…。」
ルイージ(マリオ……)
マリオは全てを受け入れた。何故か彼は満足そうな目をしていた。
マリオ「仕方ない。行くぞヨッシー。」
ルイージ「兄さん!」
マリオは振り向かなかった。
- 595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 01:09:18.35 ID:Y8UzPYptO
ああ、この町とも自分の家ともお別れか、長い間世話になったな、これからどうしよう。俺に何がある。
幼女キノコ「待って!」
町を出ようと決意した時あの娘が走ってきた。
マリオ「どうしたんだい?」
幼女キノコ「おじさん行っちゃうの…?」
マリオ「すまないね。おじさんはもう行かなきゃならないんだ。」
幼女キノコ「やだ行かないで…あたし寂しいよぉ…。」
どうしても不可思議だった。俺には何が寂しいのか分からなかった。やはり歳の差だろうか。
いろいろ迷った結果彼女を撫でる事にした。そうだそれがいい。
マリオ「よしよし。君が大きくなったらまた会いに来てあげるよ。それまで何があっても諦めない事、いいね?」
幼女キノコ「分かった…グシュン」
マリオ「キノコの神様はね。最後まで諦めなかった娘に幸せをくれるんだよ。忘れないでくれ。」
- 600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 01:20:25.43 ID:Y8UzPYptO
そう言ってその娘に顔が近付いた時彼女は笑った。
幼女キノコ「えへへ///おじさんサンタさんみたい///」
髭や髪に雪が積っている。少女の目にはそれがサンタに見えたのだ。
マリオ「そうだ…今度会う時、おじさんが何かお願い事を叶えてあげよう。」
幼女キノコ「ホント!?///」
マリオ「ああ…本当だよ。お願い事を言ってごらん。」
幼女キノコ「え~と…う~ん…え~とねえ…あたし…」
幼女キノコ「お父さんが欲しい!」
マリオ「!」
そうか。そうだったか。君もなのか。
あの店で少女にあってからの全てが繋がった。
俺は目が潤むのを隠せなかった。
幼女キノコ「おじさん大丈夫…?」
彼女はなんと純粋なんだ。俺は涙を堪えるので必至だった。
- 604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 01:29:29.26 ID:Y8UzPYptO
涙腺が熱い。彼女は今までずっとわがままも言わずにそれを欲しがっていたのか。そうか彼女は立派だ。
マリオ「ああ…大丈夫だ。お父さんはきっと現われるよ。君は必ず幸せになる。」
幼女キノコ「ありがとう///おじさん大好き///」
マリオ「よしよし…ありがとうね。そろそろ出発しなくてはならない。すまないが門出の時間だ。」
幼女キノコ「分かった…また会えるよね?」
マリオ「もちろんさ。」
あの笑顔は人生で一番良い笑顔だったかもしれない。作り物ではない、ピーチと同じ満面の笑顔だった。彼女とマリオの笑みが重なった。
幼女キノコ「またねおじさん!」
マリオ「ヨッシー。今度こそ出発だ。」
ヨッシー「でってぃう。」
俺は町を後にした。思い出はここへ置いて行く。いまわきの旅の始まりだ。
- 676:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:23:55.89 ID:Y8UzPYptO
ルイージ「あれは…クッパか…?しめたぞ。」
ははは、兄さんをここで終わらせはしない。
ルイージ「おいクッパ。」
クッパ「なんだルイージか…。マリオは何処にいる。」
ルイージ「マリオは町を追放された。」
クッパ「何だと!!!」
ルイージ「そこで君に提案がある…ごにょごにょ。」
クッパ「ああ…そうするしか無いなら俺も全力を掛けるぜ。」
ルイージ「しくじるなよ。しくじったら俺の財力を以て…後は分かるな。」
クッパ「全く怖い弟さんだな…。」
- 677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:24:43.38 ID:Y8UzPYptO
PM21:00
ルイージ「今日は沢山のゲストのみなさんに起こしいただき大変感謝しております。」
ルイージ「今日は明日までショーや踊りを思う存分お楽しみください!」
会場から拍手歓声が沸き起こる。
「He is a Luigi!」
「You are Luigi!」
ルイージに浴びせられる賛美の声。ルイージはついにここまで登り詰めた。
ルイージ「聖なるクリスマスイブに乾杯!!」
- 678:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:26:36.45 ID:Y8UzPYptO
かなり歩いたな。こんな町外に一軒家がある。マリオ達は魅かれるように中へ入っていった。
マリオ「誰かいますか。」
ノコ爺「こんな日にお客様とは珍しい。迷い人かの。ワシは神宮司ノコ舞龍、ノコ爺と読んでくれ。ま、座りなさい。」
マリオ「ありがとうございますノコ爺さん。」
不幸中の幸いか良い人に出会えたものだ。
ノコ爺「その恐竜はお前のペットか?暖かいスープが出来ておる。飲むがいい。」
ヨッシー「でってぃう///」
ヨッシーはもの凄い勢いでスープを飲んだ。
ノコ爺「相当腹が減っておったようじゃの…。」
マリオ「ノコ爺さん、あの壁の女性は?」
何故だか懐かしくも感じるこの部屋を眺めていると壁の写真が目に止まった。まさかと思いノコ爺に訪ねたのだ。
- 679:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:28:59.39 ID:Y8UzPYptO
ノコ爺「ワシは医者をしておってな、彼女は昔の患者じゃ。」
ああ、運命とは実に良く出来ている。なんとも巧妙で精密な設計だ、いたって素晴らしい。俺は胸が熱くなるのを押さえてポケットからあの指輪を取り出した。
マリオ「すみません、この指輪を写真の隣りに置いといてもらえませんか。」
ノコ爺「何故そのような事を。」
マリオ「この指輪はここにあるべきなんです。」
あやつ真剣な目をしておる。おや、この目は何処かで…。まぁよい、願いは聞いてやろう。
ノコ爺「これで良いのか。」
マリオ「ありがとうございます。何があっても必ず隣りに置いといてあげてください。」
ノコ爺「はいよ。」
老人はそう言って深く頷いた。長い人生経験からくる包容力は人を引きつける。
- 681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:31:01.96 ID:Y8UzPYptO
暖炉の火がパチパチと揺れている。
マリオ「すみませんが俺には事情があります、あまり長居する訳にはいけません、お世話になりました。」
ノコ爺「もう行くのか。もし旅の途中なら一夜留まってもいいのじゃぞ。」
マリオ「いえ、俺は大丈夫です。」
マリオは笑ってみせた。少し間を置いてノコ爺が喋り出した。
ノコ爺「…そうか。ならば行きなさい。そなたに神の御加護があらん事を祈る。」
あやつ、覚悟しておる。ワシに早まる理由を聞く義理はないが、彼にはまだ早い、それはあまりに早い。
ノコ爺はマリオの心内を悟っていた。
ノコ爺「まだ時間ではないが、メリークリスマス。」
マリオ「メリークリスマス。」
そう挨拶を交わし、二人は別れた。その頃二階の暗い部屋では王冠が月に照らされていた、静かに彼を見守っている確かな証がそこにはあったがとうとう気付く事は無かった。
- 682:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:32:56.92 ID:Y8UzPYptO
キノピオ「はぁ…はぁ…このフラワーはマリオが…。」
キノピオ「町の人はあいつが町を追放されたって言ってやがる。」
キノピオはマリオの足跡を必至で探したが分からない。しかしあてはあったのだ、マリオが行くのはあそこしかない。あいつがいつか大切だと言ってやがった場所。
キノピオ「すまねぇ…すまねぇ…!今行くからよ!死ぬんじゃねぇぞ!」
キノピオは雪を掻き分けて走り出した。唯一の思い出を頼りに彼の軌跡を辿った。
- 683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:36:15.83 ID:Y8UzPYptO
当ても無く雪の道を彷徨う途中エロ本を見掛けたが、目もくれなかった、彼のキノコは既に息絶えていたのだ。
そう言えば胸が痛い。痛み止めが切れて来たのか。俺はその場に倒れた。
雪が美味しい、何を食っても美味いのだ、滑稽なまでに哀れである。 憐憫の情さえ甚だしい程に哀れだ。その時彼の声が心に響いて来た。
キノ五郎「おいマリオ、諦めてどうする。」
マリオ「キノ五郎さん…。すみませんコーヒーの借り返せそうにないっす。」
キノ五郎さんの隣りには美しい女性がいた。
キノ五郎「俺はお前が羨ましかった。どんどん幸せになってくお前をみては指を咥えて見ていたさ。だが俺はもう充分幸せだ。おめえが背負う事はない。しかし逃げるのはお前らしくない。俺の後輩ならちゃんと前をみろ、キノコの神様のお告げを忘れたか。」
俺は立ち上がった。得体の知れない力に後押しされ、生にしがみついた。
- 686:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:37:55.51 ID:Y8UzPYptO
マリオ「キノ五郎さん…!」
キノ五郎「お前は立派だ…だがな、消えるのはまだ早えだろ。死ぬのなら最後まで抗え、最後まで闘え、いつまでたっても俺はお前の味方だ。」
そう言うとキノ五郎さんは俺の中から消えた。まるで言いそびれた事を全て言ったかのような満足に満ちた笑顔で彼は本当に空になったのだ。
彼は配管工という地下の仕事で長年を過ごし、長い長い時を経てようやく空になったのだ。高い高い世界に彼はいる。眩しく尊い柔らかな光だ。ありがとうございます。俺頑張るっす。
マリオ「クリスマスの鐘が聞こえる。いくぞヨッシー。」
ヨッシー「でってぃう。」
二人は鐘の呼ぶ方へ歩いた。遠くの町からはパレードの花火が上がっている。その輝いては消える儚い美徳は心で弾けて消えた。
- 690:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:46:43.18 ID:Y8UzPYptO
暫く歩いた所で俺達は教会へついた。昔ゲームの舞台にもなった場所だ。鐘はここから聞こえていた。
マリオ「フォウ…フォウ…ここだ…。」
体はもう限界だ。何をしに来た、ここに何がある。とにかく寒い、マリオは最後のファイアフラワーを祭壇に投げ出した。すると祭壇の燃え盛る炎が教会を照らした。
マリオ「これは……。」
何色にも色分けされたステンドグラスで出来た窓が光を反射して当たりは一面虹色に包まれた。神々しい輝きが二人を照らしている。
するとマリオは祭壇の中心に何か文字が刻まれているのを見つけた。
―Those who never give up is given happiness―
最後まで諦めなかった者に幸せは与えられる。
時に自らを鼓舞し何度も勇気をくれた教訓だ。薄れ行く光景の中でさえマリオは笑顔だった。ああ神よ、ここに居られたか。体が軽い、痛みが消えてゆく。もうすぐだよピーチ。
- 698:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 18:57:19.35 ID:Y8UzPYptO
キノピオ「おっさん!」
マリオ「…キノ…ピオ…?」
キノピオ「死ぬな!おっさん!俺馬鹿だから上手く言えねえけどよあんたが居なきゃダメなんだ!」
キノピオ「あんたが…あんたが居なきゃまた俺間違っちまう…。俺にはおっさんが必要だ、それだけじゃだめのかよ。」
マリオ「お前…。」
漸く分かってくれたか嬉しいぞ。しかしなぁキノピオよ。力が入らないのだ。許してくれ、人はいつか死ぬ。これだけは絶対的な宿命なのだ。
キノピオ「死ぬのだけが絶対じゃねぇだろ!死があるんなら生きる事も絶対だろ!生まれて来たんだろ畜生!」
あのキノピオが俺の為に泣いているのか。彼を救いたいが力が入らない。ヨッシーが心配そうにこちらをみているな。それでも俺の感覚は薄れて行く。
- 702:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:10:40.17 ID:Y8UzPYptO
その時、天井のガラスが崩れ大きな音が響いた。呆気に取られて振り返ると奴がいた。クッパだ。
クッパ「よお…やっと見つけたぜ。」
キノピオ「それは…ホームランバット!?何をする気だ!」
クッパ「餓鬼は黙って見てろ。」
クッパがマリオにホームランバットを大きく振りかぶった。
キノピオ「止めろー!!!!」
マリオ「ロホホホホォオウ~!!!!」
カキーン!という壮快な音と共にマリオが空の星のように飛んだ。
ルイージからもらったあいつの新製品だ、あのスマブラの壮快感を貴方にだとよ。ショク吸収素材だから体に害は無かろう。行け、お前の時代の再来だ。
- 704:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:11:33.91 ID:Y8UzPYptO
ルイージ「時間も早深夜一時、そろそろ本日の最終イベントとさせていただきます。今から始まる一大イベントにはある有名なゲストをお呼びしております。」
会場がザワザワと騒がしい。
「おい来ねえぞ。」
「ゲストって誰だ。」
等と口々に言い散らす人々。すると天井の吹き抜けから何かが落ちて来た。
ルイージ「…来たか。」
ルイージの口元が小さく笑った。
- 706:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:12:53.89 ID:Y8UzPYptO
―いいかクッパやつは必ず教会にいる。あそこは奴が小さい頃父親を葬儀した場所だ。奴はそこを死に場所に選ぶだろう。―
―これをもっていけ、対ショック性ホームランバットだ。しかし飛距離はあの壮快感を損ねない。夜0:00を過ぎたら奴を全力でここへ打て。失敗は許さない。―
―分かった。それがあいつの未来なら俺様がキッカケを作ってやる。あいつは親友だ。―
―任せたぞ。―
ルイージ「遅かったな。」
マリオ「ここは…。」
多くの観客を前にマリオが立っていた。
- 708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:15:45.18 ID:Y8UzPYptO
ルイージ「デイジー、あれを持ってこい。」
デイジー「かしこまりました。」
するとその美女は奥からMと刻まれた赤い帽子を持って来て俺に被せた。
その瞬間会場のゲスト達やゲーム業界著名人、テレビを見ていたコアなゲームファンは彼が何者であるか気付いていた。
永遠の主人公。マリオだ、赤が帰って来た。
「He is a Mario!」
「You are Mario!」
会場からは声援が沸き起こった。拍手に後押しされて子供の頃夢に見たヒーローが帰って来た。
ルイージ(おい…テレビ来てんだぞ。何か喋れ。)
マリオ(まだ混乱している…何を言ったら。)
ルイージ(思う事なんでもいいから喋れ早く。この物語りの主役はお前だ。)
マリオは静かにマイクを握った。
- 709:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:17:45.50 ID:Y8UzPYptO
痛みや感覚は殆ど無かった。最後の力だ。
マリオ「俺は今生きている。ここにいる。それ故に幸せや不幸を感じる。それはやはり俺が一人ではなく貴方達がいるから分かる事なのだ。」
いきなり何を言い出すのかと会場がざわめいた。
マリオ「俺は自分の居場所を裏切った。何度許を請うても意味は無いだろう。」
マリオ「しかし、大切な人達がいた。ただその為に頑張ろうと思い、今に至ったのだ。」
会場からはざわめきが絶えない。マリオは続けた。
- 710:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:20:29.07 ID:Y8UzPYptO
その光景は世界規模で放送されていた。
幼女キノコ「ふわあぁ…」
母キノコ「貴方まだ起きてたの。もう寝なさい。」
幼女キノコ「だってサンタさんに会いたいんだもん。良い娘にしてたらクリスマスには来るんだもん。」
TV「例えば家族の誰かが足りない時、何を思いますか。悲しいだけではない、哀愁や切なさ、苦しみを背負うでしょう。」
幼女キノコ「あれ!サンタのおじさんだ!」
少女には言っていることは分からなかったが、ただマリオの言葉は彼女の最も深い所で琴線に触れていた。
マリオ「しかし笑顔まで無くした時、それは本当の悲しみになる。だから我々は笑うのだ。無邪気な心を弾ませるのだ。子供のように純粋で柔らかな笑顔は人を幸せにする。」
少女はTVに釘付けだった。幼いながらに泣いていた。涙の意味を知る筈は無く、ただ心のままに泣いたのだ。
- 711:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:26:31.35 ID:Y8UzPYptO
町外れ、聖なるクリスマスの日にラジオを聞く老人が一人。
ノコ爺「この声は…あやつか。」
ラジオ「沢山の人に出会った。出会いがあれば別れもあるといったように。二度と会えない人もいるだろう。」
ラジオ「しかし、諦めてはならない。大切なのは願う気持ちと諦めない精神だ。信じ続ければ夢は叶う。無くした人を忘れないで欲しい。彼等は皆貴方達を見ている。いつまでも最愛の味方なのだ。」
ノコ爺は思い返した。自分が見て来た沢山の患者や孤児達、それに帰って来なくなったあの孤児キノコ。沢山の死をみてきたがそれぞれに物語りがあり歴史があった。
ノコ爺「明日は久し振りに町に行ってみるかの。変わった世界を受け入れるのはワシの使命やもしれん。この歳になって青から真を学ぶとはな。フォッフォッ世界はまだまだ楽しめそうじゃわい。」
- 715:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:42:45.54 ID:Y8UzPYptO
キノコフスキーは町角のモニターに映る彼を見ていた。
マリオ「歌がある。生きる歌だ。歌は時には人を励まし、時には人を悲しくする。」
マリオ「言葉では表せない感情を歌で伝える詩人がいた。境遇以上の運命を感じたがもう彼と会う事は無かった。俺はあの歌を忘れない。どうか町でみかけたら歌を聞いてやってくれ。」
キノコフスキーの心に火が付いた。
書かなくては今生きている歌が目の前にある。詩だ…この詩が欲しかったんだ。これこそが詩だ。ありがとう私の恩人よ。
後に彼が執筆した詩集「赤の詩」は空前のベストセラーとなり、キノコ王国の偉大な詩人キノコフスキーとして永遠に名を残す事になる。
- 721:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 19:53:07.70 ID:Y8UzPYptO
マリオ「俺にも短い間だが家族がいた。しかし今はいるのはペットと大切な弟ルイージだ。」
ルイージ「兄さん…。」
マリオ「今更あの業界には戻れないが家族の力にはなりたい、どうか守りたいのだ。この何も無い哀れな男の願いだ。」
マリオ「世界はいがみ合っている。金が欲しくて愛が足りない、花束が無い。笑顔がない。それじゃあ何がある、やはり争いしかない。」
マリオ「世界が一つになるキッカケは何処にでもある筈だ、まずは家族から、そして友人、愛人へとまごころを尽くせば笑顔になれる。
そして俺はこの会場や世界の皆が幸せになる日を誰より夢見て止まない。今も昔もいつか誰かが夢見たように。
もう明日はすぐそこだと俺は信じている。いいか皆…」
マリオは大きく息を吸い込んだ。
マリオ「キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える。」
- 725:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:06:26.20 ID:Y8UzPYptO
マリオ「愛と笑顔、思いやる気持ち、諦めない心その全てが一つになった時世界は変わる。俺は信じています。」
マリオは深々と頭を下げた。
マリオ「こんなつまらない男の話を聞いていただき本当にありがとうございます。俺は幸者です。」
マリオ「世界の皆様、メリークリスマス。」
会場から歓声が沸き上がる。心を打たれた人々が叫び声を上げてマリオに最高の尊敬と称賛を与える。
この日は世界中が沸いていた。最も美しく最も誇り高く最も暖かいクリスマス。
世界に愛と花束が授与された日だ。
拍手と歓声がこの星を包んでいる。
ルイージ「それでこそ俺が憧れて止まなかった赤い帽子と髭のヒーロー、マリオだ。愛すべき俺の兄だ。本当にお疲れ様。メリークリスマス。」
ルイージ「…兄…さん…?」
次の瞬間会場が会場が静寂に包まれた。
- 726:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:07:31.82 ID:eFl7o8ht0
ああ…
- 729:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:09:08.36 ID:weR0z6P20
もう・・・だめなのか・・・
- 735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:19:35.08 ID:Y8UzPYptO
音も無くマリオはその場に倒れた。静かにそして優しく。あの日と同じ雨の音のように。会場に冷たく響いた。
ルイージ「兄さん!」
すぐさまルイージが上着を捨ててマリオをおぶった。しかしルイージは走ろうとはしなかった。
彼に触れた時、全てを悟っていたからだ。
デイジーはすぐさま医者に電話をし救急車を読んだ。
ルイージはゆっくりとそして噛み締めるように一段一段ホールの階段を降りた。
人の塊が左右に開いて花道が出来上がった。ルイージはその道をゆっくりと進んで行く。決して誰も喋らず、誰一人として二人から目を放さなかった。
その壮大で勇壮な光景の中を一人突進む彼は戦場で傷付いた仲間を運ぶ兵士のようだった。えも言えぬ雄々しさと偉大な雰囲気が会場から溢れている。
やがてマリオは救急車で運ばれた。あれは彼を乗せた箱船だった。
デイジー「貴方…。」
ルイージ「すまない、一人にしてくれ。」
ルイージはエレベーターで部屋へと帰った。
その後に緊張が去った会場の人々全てが例外無く泣き崩れたとデイジーは語る。
- 736:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:27:41.14 ID:Y8UzPYptO
ルイージ「…。」
ルイージは黙ったまま部屋の大きな自画像の前に立っていた。
月が雲から顔を出しては彼の背中を照らしている。
再び月が雲に隠れた時彼は渾身の力で自画像を殴った。
パリンと音を立てて保護ガラスにヒビが入り、ルイージの手からは血が流れている。
―ルイージよ。発展と豊かさは違う。―
国王の言葉がルイージ脳裏を過ぎった。いつも強くて野心家でいて負けず嫌いのルイージがこの日初めて泣いた。
月がルイージの背中と拳の血と砕けた自画像のコントラストを映している。
ルイージ「兄さん…!兄さん…!」
静まり返ったクリスマスの夜にルイージは膝を付いて泣き崩れた。
- 738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:33:02.59 ID:Y8UzPYptO
ピーチ「おかえり。」
マリオ「ただいま。」
マリオ「今日は疲れた。長い長い一日だった。」
ピーチ「お疲れ様。よしよし…。」
マリオはまるで子供のようにピーチにうずくまって眠った。今までで一番安心した表情をしていた。
ピーチは彼を優しくそっと見据えて頭を撫でている。空には愛が溢れていた。いつかと同じ夢の色。
ピーチ「メリークリスマス。」
彼女はにっこりハニカンだ。
- 740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:39:14.77 ID:Y8UzPYptO
翌朝ルイージはソファーに座り机を眺めていた。
あの後病院でマリオのポケットから出て来たという写真が飾ってある。その中で皆が幸せそうな顔をしてこちらを見ているのだ。彼等は確かにここにいるなんてつまらない事を考えては窓の外を眺めていた。
ルイージ「兄さん…。」
あの後会場の人達は朝になるまで帰らなかったそうだ。
今日はゲーム部門のオープン一日目、俺は覚悟を決めてデスクへ向かった。
- 744:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:46:47.45 ID:Y8UzPYptO
やがてキノコ王国に春が来た。変わった事と言えば、まずいろんな店のゲーム売り場のカートから兄さんのゲームが消えた事かな。
あれからレトロゲームブームが始まって何処にも在庫は無いみたいだ。ある時は200円だった兄さんの思い出はいまや値段をつけられない宝になっている。
それにいろんな町が売り場を分かち合う事にしたみたいだ。関税や独占価格の廃止が行われ世界は一つになった。
家族を失った子は必ず誰かが助けている。仕事も相応の努力があれば誰でも受け入れる世界だ。兄さんのあの言葉は予想以上に影響を与えたみたいだ。
兄さん、世界が変わったんだよ。
- 747:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 20:56:29.08 ID:Y8UzPYptO
ノコ爺「お前たち、そろそろ飯じゃ。」
孤児キノコ達「は~い♪」
彼等は今日も笑っている。
クッパ「ヨッシー、俺様にみたいに大きくなれよ。」
ヨッシー「でってぃう!」
彼等は今日も育まれている。
キノピオ「おまえら、川のゴミは全部拾ったか。」
DQNキノコ達「おっす!」
彼等は今日も守っている。
幼女キノコ「パパ…?」
父キノコ「待たせたねごめんね。お父さんはお母さんとやり直す事にしたよ。今日からは三人だ。」
彼等は今日も生きている。
- 753:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:13:11.57 ID:Y8UzPYptO
風の暖かい頃、スーツを着たその男は本を手に思いに耽っていた。
キノコフスキー著「赤の詩」
―赤は情熱の赤、怒りの赤、血潮の赤、愛情の赤―
―赤はやがて混ざりあいまどろみ、やがて人を動かす力になる―
―生きる力の色―
―赤は世界を変える―
―キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える―
―赤は世界を包み花束を、人々を包み笑顔を与える―
―キノコに幸あれ、世界に愛あれ―
―赤の想いよ永遠に―
彼を揺すぶる春風は世界へと吹き抜けていった。
~マリオ「ピーチ姫の…」完~
エンディングテーマ
↓パソコン用
http://jp.youtube.com/watch?v=WRNd7WCH8BM&feature=related
携帯用↓
http://game-melody.com/cgi-files/csystem/html/n-58748-ezweb-ezweb.html
- 755:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:15:06.77 ID:wqMbdH770
いち乙!!!
- 756:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:16:20.04 ID:Zi3d9D+j0
激しく乙
- 757:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:16:39.27 ID:KJIRAcLWO
コレは乙といわざるをえない
- 762:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:17:26.63 ID:b0lSXC1iO
- *、 *、 。*゚
|+、 +、 *゚ ・゚
∩ *。 *。 +゚
(´・ω・) +。 +。 ゚*
と ノ *゚ *゚ ・゚
`と、ノ ・゚ ・゚ +゚
∪ *゚ *゚ *
+゚ +゚ +゚
*-+。・+。-*。+。*
\ 。*゚
∩ *
(・ω・`)
。\ つ
* 丶 _⊃
+。 ∪ ☆
゚+。*。・+。-*。*゚
- 763:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:18:19.06 ID:J4rkhUuLO
乙!! 久々に感動したわ
- 766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:18:47.21 ID:hbWo4P9XO
>>1乙。
なかなか面白かった。
- 768:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:19:45.90 ID:Y8UzPYptO
今まで本当に本当にありがとうございます。
皆さんと一緒に楽しめて良かったです。
今までどんな形でも書き込んでくれた皆さんがいて頑張れました。
今日はゆっくり休みます、皆さんが幸せであることを心よりお祈りします。
- 793:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:28:36.10 ID:WMY28Pld0
感動をありがとう!
こんなに素晴らしいSS見たこと無いです
- 798:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 21:33:37.14 ID:TTJhZyFHO
>>1乙
ゆっくり休んでください
- 832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 22:45:16.72 ID:5HSImhzQO
>>1お疲れさまです!
途中考えさせられる所とこあり、久しぶりにマジ泣きしました。
良いSS有難う!
- 836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:00:39.06 ID:TT1DXFs5O
感動をありがとうと言わざるを得ない。
ありがとう、>>1乙。
- 856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 00:18:16.64 ID:iCQYNXFi0
久々に読み応えがあった。おもしろかったよ、>>1にキノコの祝福あれ
- 863:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 00:43:00.21 ID:E6P22s5iO
>>1
本当に最高の作品だった…
自分も諦めないよ。
乙- 894:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 08:50:37.39 ID:xiWzto3wO
>>1乙 これは感動せざるおえない。
- 917:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 16:10:09.10 ID:glbk+Su50
最初前スレの1見たときまだだれも書き込んでなく
なんだこれwwwつまんねwwww
と思ってスレ閉じたが次の日見たら伸びてて覗いたら・・・
糞エロスレだったのにこんな最高のスレになるとは
アメイジンググレイスってすげー
最後に>>1乙
- 928:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 18:13:04.09 ID:5iSdhwEOO
あとごふん
- 929:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/28(火) 18:18:22.42 ID:5iSdhwEOO
マリオ「ピーチ姫の桃色天然水…ペペロンティーノオォウ…」
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コメント一覧 (71)
-
- 2011年11月04日 02:55
- 名作すなあ
-
- 2011年11月04日 03:27
- また懐かしいものを…
-
- 2011年11月04日 03:39
- 泣いてもうた
GJ
-
- 2011年11月04日 04:28
- もう三年前か懐かしいな
-
- 2011年11月04日 05:09
- 泣きそうになった・・・
なんていい話だ
-
- 2011年11月04日 06:51
- 一時間あまりで読んだ
まさかこうなろうとは
期待にたがわない最期だったよ
-
- 2011年11月04日 07:49
- いつみてもスッキリしねえな
-
- 2011年11月04日 08:10
- なんかすごく読み入ってしまった
しかし腑に落ちない…
-
- 2011年11月04日 08:19
- 妊娠乙!!
-
- 2011年11月04日 11:36
- 懐かしいな
-
- 2011年11月04日 13:19
- 最初は「wwwwwなんだこれwww」だったのに 物語が進むにつれて気が付けば全部読んでしまってた… 面白かった 乙
-
- 2011年11月04日 14:44
- 懐かしいな。クライマックスのルイージで何回読んでも泣くわ
-
- 2011年11月04日 15:47
- 又懐かしいものを
-
- 2011年11月04日 17:19
- 久々読んだけどまた泣いてしまった
-
- 2011年11月04日 18:08
- 懐かしいな、これの続編でリンクのやつもあったよな
-
- 2011年11月04日 18:23
- これリンクの人と同じだよな
腰患ってた人
-
- 2011年11月04日 20:33
- ラノベじゃなくて、小説って感じで逆にいいな。
-
- 2011年11月04日 21:41
- また懐かしいものをww
-
- 2011年11月04日 21:42
- 懐かしいな
-
- 2011年11月05日 00:41
- 懐かしすぎて涙でた…
-
- 2011年11月05日 00:56
- 関税廃止とか時事的なもん取り入れてんなと思ったら3年前かよ…コメ見て気づいたわ
薬物やレイプ、DVなんかの黒い部分、友情兄弟愛家族愛師弟愛男女間の恋愛などの白い部分の
両方をうまく使ってるよね。こんなSS初めて見た。
3年遅くなったけど>>1乙
-
- 2011年11月06日 02:14
- このスレタイを見て何人の人がこんな名作になると思ったんだろうか…
遅ればせながら、1乙!!
-
- 2011年11月06日 06:12
- 最初の方は、鈴木みそのマンガでこんなんあったなーって思いながら読んでたけど•••
-
- 2011年11月07日 00:31
- 感動乙wwww
最高乙
-
- 2011年11月07日 02:04
- 最初はスレタイwwwwwってか1/55wwwwww長ぇwwwwと思ったし読み終えるまでめっちゃ時間かかったけど、読み切った
切ねぇ…これはアカン…
んで読み終わってスレタイ見てもっかいワロタwwwwww
-
- 2011年11月08日 12:17
- 感動して思わずコメを残していくわ
まさか赤い帽子のおっさんで泣きそうになるとは思わなかったwww
>>1乙!!
-
- 2011年11月08日 13:22
- 懐かしすぎワロタ
-
- 2012年02月01日 12:48
- 3年前にこんなSSがあったのか……
次々に飛び出す雅な文章に脱帽です。>>1さん乙でした
-
- 2012年02月06日 15:16
- くっそ泣くまい泣くまいと思ってラストで涙腺が崩壊したぜwww
とにかく>>1乙でした!!!!
-
- 2012年05月11日 21:39
- もう4回ぐらい泣いちまったわ··· マジ>>1乙
-
- 2012年05月30日 00:35
- 友達にすすめられて読みました(`・∀・´)
泣けたぜ(´Д`)
>>1乙
-
- 2012年07月29日 02:08
- これを最初見たときはダメだと思った、
だけど最後までよく見たらこんな名作と評価されたりしたこの作品。
作った人は神としか崇められない。
この感動をありがとう
-
- 2012年08月05日 03:01
- 面白いな
ラストのピーチ「おかえり」はベタだが、涙腺崩壊しそうだったわい
-
- 2012年08月15日 21:08
- 泣ける
-
- 2012年08月29日 03:01
- >1乙! これはもっと評価されるべき
-
- 2012年10月09日 00:42
- 最初あんなのだったのに、最後でここまで変わるとは・・・・・
感動したじゃねぇか
-
- 2012年10月09日 01:07
- 最初みちゃうと「なにこれwww」みたいになったけど
実際最後まで見たら、ものすごい感動モノで本当に驚いてしまったよww
泣いたよ
-
- 2012年10月10日 05:13
- こんな良スレがあったとは・・・!
-
- 2012年10月10日 22:39
- まさに魅せる小説だな。
読むだけで頭の中で場面が浮かぶのは、相当文章構成が上手い証拠。
正直この才能には嫉妬したわ。
-
- 2012年11月03日 16:59
- このスレタイで正直ここまで感動するとは…いい物を読ませてもらった。
久々に目頭が熱くなったぜ。というか崩壊したw
人の生き様のネガティブとポジティブがうまい具合に絡んでるな。
人生散々だけど、笑って生きたい みたいな感じっていい!
-
- 2012年12月20日 13:45
- 見た目(スレタイ)だけで判断するなっていう良い例だ
泣いた
-
- 2013年02月24日 16:52
- ゼルダの伝説タグが付いてるけど一体何処にゼル伝要素が
-
- 2013年02月27日 13:29
- とんでもないスレタイ詐欺だ。
どうするんだよ、目から汁が止まらないよ
-
- 2013年04月19日 14:35
- 目から桃の天然水
-
- 2013年06月16日 17:38
- 泣いた
-
- 2013年06月21日 00:46
- なつかしい。
そして色褪せない。
-
- 2013年07月01日 18:59
- タグ何でゼル伝?
-
- 2013年08月04日 19:00
- 薄い内容かと思ったら7Pもあんのか……
-
- 2014年02月04日 01:09
- またえらく懐かしいものをみつけてしもた
もう約6年前かぁ…
-
- 2014年03月04日 14:10
- 懐かしい。
-
- 2014年03月28日 22:07
- 読みおえると虚しくなるんだが、なぜか読み返してしまうんだなぁこれ。
それよりも2008年がもう6年前という衝撃が一番精神的に来るわ
-
- 2014年04月14日 21:09
- すばらしい
-
- 2014年05月09日 22:32
- 泣くわ~
-
- 2014年10月09日 17:57
- 最初のルイージぇ……
せつないお;ω;&すっきりしないなぁ
-
- 2014年11月29日 17:59
- 六年前に読んでいいと思ったものを、今読んでいいと思えるのはなんだか嬉しいなぁ
-
- 2014年12月02日 08:06
- 作者の中にある理想のようなものは伝わった。
-
- 2015年01月02日 17:55
- ゼニノコ4ね
-
- 2015年06月05日 12:04
- もう7年たったんだな…
-
- 2015年06月24日 05:12
- ゼルダのss書いてた人かな?
-
- 2015年08月13日 20:55
- GJ 泣きそうになった乙
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- 2015年10月04日 11:55
- 子供を火事から助けるシーンでマリオとルイージが「フォォォー」とか言ってんのに笑った
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- 2015年10月04日 19:56
- エビフォォォォォォーーーーーー
-
- 2015年11月11日 08:40
- ヒアウィーゴーーーーーー‼︎
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- 2016年01月23日 15:23
- イッツ ユァ マンマミィィィィィィアアアアアア!!!!!!!
HEY your number one!!??
-
- 2016年03月10日 18:55
- あかん、電車の中で泣いてしもうた
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- 2016年03月20日 16:58
- 酷ぇWWW
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- 2016年12月27日 15:56
- 一年に一回は読んじまう。
2chSSの最高峰ではないだろうか。
イヤッフウウとか懐かしくてなあ。
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- 2017年01月21日 02:30
- ついついよんじゃう
後世に語り継がれるべき名作だわ
-
- 2018年08月16日 13:04
- もう10年前になるんか
本当に素晴らしいSSだった
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- 2022年10月06日 08:17
- これは素晴らしい
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- 2022年11月14日 07:20
- げんふうけいと並んで好きなSS作者
青春時代に読んだのもあってか未だに記憶に残ってる