杏子「さやかー、散歩の時間だぞ」さやか「あんあん!」
- 2011年09月25日 16:00
- SS、魔法少女まどか☆マギカ
- 26 コメント
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- 1: 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2011/09/07(水) 21:01:20.77 ID:tiYtX29H0
さやか「あんあん!あんあん!」ピョンピョン
杏子「ははっ、はしゃぐなって……支度できないじゃん」
さやか「あんあん!」
杏子「よしよし、今首輪にリードを繋いでやるからな」ナデナデ
さやか「あんあん!」
関連記事:盲導犬普及支援オリジナルポスターに『まどか☆マギカ』の佐倉杏子のイラストを起用される!- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:01:40.35 ID:4zg1Ujy/0
おいやめろ
⇒だれかとどこかへ- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:06:20.94 ID:tiYtX29H0
さやか「あんあん!」タタタタタ
杏子「おいおい、はしゃぎすぎだってーの……まったく」
さやか「あんあん!あんあん!」
杏子「(あたしより速いくせに落ち着きないんだからよ……追いつけないじゃんか)」タタタタタタ
さやか「あんあん!」タタタタタタ
杏子「首絞まっちまうぞー!」タタタタタ
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:12:19.04 ID:tiYtX29H0
さやか「あんあん!あんあぐぅ」グイッ
杏子「わ、悪い、少し疲れちまった……休ませてくんない?」ゼェハァ
さやか「あんあん!」
ほむら「……杏子、あなた……。」
杏子「お、おお……久しぶりじゃん?見てのとおりいまさやかの散歩中でさ……どうかしたのかい?」
ほむら「……いいえ、なんでもないわ。」
杏子「そうか……じゃ、散歩中だからまたな」
さやか「あんあん!」
ほむら「(杏子……あなたは……。)」
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:13:12.32 ID:WHviqvr90
どういうことだってばよ・・・
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:17:33.66 ID:tiYtX29H0
杏子「ただいまー」タタタタタ
さやか「あんあん!」
杏子「はは、今日は走ったからいつもより速く帰ってきちまったな」
さやか「あんあん!」
杏子「待ってな、今リードを外してやるから……っと」
さやか「あんあん!あんあん!」ペロペロ
杏子「お、おい、顔を舐めるなって」
さやか「あんあん!あんあん!」
杏子「……ははっ、チョーシ狂うな、もう……。」
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:22:13.60 ID:tiYtX29H0
──翌日
さやか「あんあん!あんあん!」
杏子「5時……もうこんな時間か、散歩だね、さやか」
さやか「あんあん!あんあん!」ピョンピョン
杏子「だからはしゃぎすぎだって!リードつけらんないだろ?待て!」
さやか「あんあん!」ピタッ
杏子「よーし、いい子だ……うちに来たばっかのときは全然言うこと聞かなかったのに、ずいぶん素直になったね」ナデナデ
さやか「あんあん!」
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:27:30.63 ID:tiYtX29H0
杏子「綺麗な夕日だな、さやか……町がオレンジ色に染まってる」
さやか「あんあん!」タタタタタタ!
杏子「わっ!急に走るなってさやか!」グイッ タタタタタ
さやか「あんあん!あんあん!」
杏子「まったくいきなりどうし……!」
まどか「え?杏子……ちゃん?」
杏子「……こいつは驚いたな。アンタともずいぶん久しぶりじゃないか。あの時以来かな」
まどか「……うん」
- 19: 【29.4m】 :2011/09/07(水) 21:28:56.81 ID:/9ljk8Vy0
なるほど・・・
- 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:34:33.03 ID:tiYtX29H0
杏子「アンタはどうだい?あれから……。」
まどか「私は……なんとかやっていけてるよ。それより杏子ちゃんのほうが……!」
杏子「あたし?あたしはなんの心配もいらないよ。そりゃあソウルジェムも砕ける寸前までいったけどなんとか無事だったし、さやかだってそばにいるし……。」
まどか「……さやか、ちゃん?」
杏子「ああ、今は一緒に暮らしてるよ」
さやか「あんあん!」
まどか「え……だってさやかちゃんは……!」
杏子「……何だ?」
まどか「いや……ごめん、やっぱり何でもない」
杏子「? ヘンなやつ。じゃあ散歩中だからまたな」
さやか「あんあん!」
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:41:21.22 ID:tiYtX29H0
杏子「ふう……今日も走っちゃったな」
さやか「あんあん!」
杏子「さやかの呼ぶ声で朝起きて……夕方散歩に行って、一緒に寝て……こんな生活がずっと続くといいな」
さやか「あんあん!あんあん!」ペロペロ
杏子「あは、さやかもそう思ってくれる? ……嬉しい」
さやか「あんあん!」
杏子「ずっと、一緒にいような……。」ナデナデ
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:48:24.37 ID:tiYtX29H0
ほむら「まどか、相談って?」
まどか「……ほむらちゃん、私、きのう杏子ちゃんに会ったんだけど……。」
ほむら「そう、会ってしまったのね……彼女に」
まどか「知ってるの?ほむらちゃん。杏子ちゃんがどうしてあんな事になってるのか!」
ほむら「ええ……知っているわ」
まどか「……なんとかして、止めさせられないの?」
ほむら「彼女自身が望んだことよ。ああしなければ彼女は……でも遅かれ早かれこのままでは彼女は」
まどか「そんな……どうにか助けてあげられないの!?」
ほむら「努力は……するわ」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 21:56:25.86 ID:tiYtX29H0
──翌日
さやか「あんあん!あんあん!」
杏子「もう散歩の時間か?準備するからちょっと──」
ほむら「……杏子」
まどか「杏子ちゃん」
杏子「あれ?なんだ二人とも?難しい顔して……」
ガ チ ャ ン
杏子「──」
まどか「──」
ほむら「はっ!」ジャッ
ガ チ ャ ン
杏子「っ!うああ!目に砂が、見えねえ!何すんだ!」
ほむら「悪く思わないで……思い出して貰うわ、全部!」
- 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:03:39.97 ID:tiYtX29H0
杏子「ぐぅ……思い出すって一体なにを!」
ほむら「よく耳をすませて……もう耐えられないのよ、今のあなたの姿を見ているのは」
杏子「耳を……?」
ほむら「聞こえる?あなたに美樹さやかの声は」
さやか「あんあん!あんあん!(杏子!大丈夫!?)」
杏子「何言ってんだ、さやかは……!?」
さやか「あんあん!あんあん!(──!?)」
──「あんあん!あんあん!」
杏子「さやかは……。」
犬「あんあん!あんあん!」
杏子「思いだした……あたしは」
犬「あんあん!あんあん!」
杏子「さやかは……さやかは!あたしが……!」
ほむら「……ごめんなさい」
杏子「うわああああぁぁぁぁぁ!!」
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:12:11.16 ID:tiYtX29H0
杏子「なんで……なんで思い出させたんだよぉ!あたしは、あたしは……!」ペタン
まどか「杏子、ちゃん……?」
ほむら「こうするしかなかったの、あなたを救うには……。魔法少女の使命すら忘れたあなたは、魔女になるのを待つしかなかった」
まどか「ほむらちゃん、一体どういうことなの……?」
杏子「あたしは背負いきれなかったんだよ。もう──」
ほむら「彼女は美樹さやかの魔女を倒し、生還した後……自分に幻術をかけた」
まどか「え!?」
杏子「……笑いたきゃ、笑えばいいさ。自分にこんなふざけた魔法かけるなんてさ」
まどか「笑わない……誰も笑わないよ」
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:14:18.90 ID:WHviqvr90
杏子・・・・・・
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:21:45.08 ID:tiYtX29H0
杏子「……ありがと」
まどか「……。」
杏子「はは、それにしても……今回もダメだったかぁ。心残りだったんだけどな」
ほむら「心残り?」
杏子「柄じゃねーけどさ、『友達』ってやつになりたかったんだ。なんかアイツとあたしって似ててさ、ほっとけなくってさ、ああ何言ってんだろあたし」
まどか「杏子ちゃん」
杏子「ほんと……なに言ってんだよ……あたしが殺したのに」
まどか「杏子ちゃん……!」
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:26:36.87 ID:/0GqwhE40
- f'´ f'´ f'´ f'´
込 鼎 丱 仍
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,.<三二Λ ト、| | | |// ////>、
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/ `ー'´ .|;;|.iΛゞ` -'´ `、 `=ニ(\\='´
i、 |;;|ハ ヾ;\ / ヽ、 (\、ヽi
l ヽ、 i;;|llllヽ \;;\ / \ (\ }
| \ /|;;|llllllΛ VΛ \入 ノ
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:28:17.63 ID:tiYtX29H0
杏子「なんであたしだけ生き長らえたんだって思うんだ……このまま生きてたって」
ほむら「……っ!」ガシッ カチン!
杏子「あっ、あたしのソウルジェム……!」
シュウウウウ……。
ほむら「グリーフシードで浄化したわ。もう少しで魔女が生まれるところだった」
杏子「はは、悪いね……そのまま放っておいてもよかったのに」
パチィン!
杏子「っ!」
ほむら「まどか……?」
まどか「もう……。」
まどか「やめてよ……もう……!」ポロポロ
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:38:43.80 ID:tiYtX29H0
まどか「魔女になったほうがよかったとか……そんな、こと……いうの、やめてよ……!」ポロポロ
杏子「……はは、やっぱりアンタ、いい子ちゃんだね。それは偽善だろ?」
まどか「違うッ!」
杏子「!!」
まどか「杏子ちゃんがいなくなったら……その子はどうするの?誰が面倒みるの?」
犬「あんあん!」
杏子「あ……!」
まどか「杏子ちゃんが飼ってるんだよね、その子。だったら、責任をもって面倒を見ないといけないよ」グスッ
杏子「さや、か……あたしは」
まどか「今杏子ちゃんが自分の命を投げだしたら、この子の命まで投げ出しちゃうことになるんだよ!命を預かったのなら、命に対して責任を持ってよッ!」ポロポロ
杏子「……!」
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 22:51:55.93 ID:tiYtX29H0
杏子「……でも、あたしはさやかを殺した。家族もあたしのせいでみんな死んだ!それは……その責任はどうすんだよ!」
まどか「生きて考えてよ!死んだら……それこそ無責任だよッ!いまの杏子ちゃんは逃げてるだけだよッ!」
杏子「あたしが、逃げて……!」
まどか「そうだよ。でも杏子ちゃんは生きて。その子と一緒に」
杏子「さやか……。」
犬「あんあん!あんあん!」
杏子「そうだよ……お前、確かあたしが仮死状態から目覚めた日に、公園に捨てられてたんだっけな」
犬「あんあん!」
杏子「おなかが白くって、気のせいか面影が重なって……だから、お前を選んだのかも」
犬「あんあん!」
杏子「でもあんたはさやかじゃない……さやかだけど、さやかじゃ」
犬「あんあん!あんあん!」
杏子「う……あっ……ひっく……くっ……ごめんな……!」ポロポロ
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:00:46.66 ID:tiYtX29H0
ほむら「……。」
まどか「杏子ちゃん……。」
犬「あんあん!」ペロペロ
杏子「ん……ありがとな。ごめんな、いきなり泣いたりして……。」ナデナデ
犬「あんあん!」
杏子「世話、かけたな。二人とも」
ほむら「私は何もしてないわ、まどかが……。」
まどか「ううん、ほむらちゃんがいなかったら……。」
杏子「はは……とにかくあたしはこいつ……さやかと、一緒に生きてみることにするよ。長い付き合いになるといいけどね」
まどか「……大丈夫だよ、今の杏子なら」
犬「あんあん!」
杏子「……そうだな」
ほむら「それじゃあ……お互い元気で」
杏子「ああ、またな」
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:08:11.50 ID:tiYtX29H0
──それから、あたしはさやか(犬)と暮らし続けた。
あたしは幻術にかかっていたため、記憶が歪なのだが、さやかを随分とかわいがっていたらしく、さやかはあたしにとても懐いていた。
朝はあんあん!という鳴き声に起こされ、夕方になるとあんあん!と呼ぶ声にそそのかされ、散歩に出発する。
そんな生活が続いた。
一年、二年、三年……。
──そして、八年が経ったある日。
杏子「もう五時だな……散歩の時間だってのに、やけに静かじゃないか、さやか」
犬「……。」
杏子「おい、さやか?寝てんのか?」
杏子「……さやか?」
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:08:44.07 ID:HHHyAEPD0
うわああああああああああああああああああああああ
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:13:19.77 ID:tiYtX29H0
杏子「さやか……おい、起きろよ」
犬「……。」
杏子「冗談だろ?おい、目ェ覚ませよ。」
犬「……。」
杏子「おい……どうすりゃいいんだよ、どうすりゃ……!」
杏子「誰か……あの時世話になったまどかと、ほむらなら……なんとかしてくれないか!?」
犬「……。」
杏子「待ってろよ……さやか!」
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:15:08.51 ID:yfKlBj8N0
わんわん……
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:20:22.88 ID:tiYtX29H0
ほむら「……それで、私たちを呼んだのね」
杏子「ああ、さっきからさやかのやつ、目を覚まさないんだ!一体どうしたら元気になるんだ!?おい!」
まどか「杏子ちゃん……この子はもう……もう死んでるんだよ」
杏子「……え?何言ってんだよ、昨日までは普通に散歩だってして──」
まどか「確か、捨てられてて……それを拾って八年目だよね?そろそろ……おかしくないと思う」
杏子「おかしくないって……なに言ってるかわかんねーよ」
ほむら「……寿命、よ。」
杏子「嘘……だろ」
- 70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:26:19.72 ID:tiYtX29H0
ほむら「犬の寿命は人間と比べたら圧倒的に短いわ。むしろ天寿を全うしたと思う」
杏子「だって……だってよ、元気だったんだよ?昨日まで。暖かかったんだよ?それが──」
まどか「杏子ちゃん……命に責任を持つって、こういうことなの。出会いがあるから、別れもある」
杏子「てめぇ、解ったような口──!」
まどか「わかるよ」
杏子「え……!」
まどか「私も……経験あるから、さ」
杏子「……悪い」
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:33:32.47 ID:tiYtX29H0
まどか「いいよ……それより、杏子ちゃんには最後にやらなきゃいけないことが残ってる」
杏子「え?」
ほむら「……埋葬、ね」
杏子「まさか……さやかを埋めろってことか!?」
まどか「……うん。業者に頼むっていう手段もあるけど、今までずっと一緒にいた杏子だからこそ、最後のお別れをしてあげなきゃいけないと思う」
杏子「最後の、お別れ……!」
まどか「うん、私たちも手伝うから」
ほむら「ええ……杏子」
杏子「……最後の、お別れ」
ほむら「杏子、大丈夫?」
杏子「ああ。大丈夫だ……あたしがやらなきゃ駄目、なんだよな」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:39:33.19 ID:tiYtX29H0
ほむら「それで……どこに埋めるの?」
杏子「できるなら人が通らない場所……教会跡の近くがいいな」
ほむら「わかったわ」
まどか「この子はダンボールに入れて運ぶよ……一目につくといけないから。」
ほむら「私が車を出すわ。トランクに載せつたら出発しましょう」
杏子「……悪いな」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:45:31.97 ID:tiYtX29H0
──教会跡
杏子「……まだあるんだな、この教会」
まどか「この辺は都市計画が進んでなくて、色々手付かずになってるからね」
ほむら「さて……スコップも持って来たわ、これから掘るわよ」
杏子「……ああ」
まどか「うん」
ほむら「いくら人通りが少ないとはいえ、まだ日があるわ。手早く済ませましょう」
- 77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:49:09.90 ID:tiYtX29H0
ほむら「……。」ザックザック
まどか「……。」ザックザック
杏子「……。」ザックザック
──みんな、随分ご無沙汰してたけど、ごめんな?
親父は……今更あたしを許しちゃくれないか。
でも、今から一人、新しい奴が行くからさ、出来れば仲良くしてやってよ。
名前は……さやかっていうんだ。
- 79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/07(水) 23:54:37.69 ID:tiYtX29H0
ほむら「……これくらい、掘ればいいわね」
まどか「それじゃあ、杏子ちゃん、ダンボールごと埋めるよ」
杏子「ああ……。」
まどか「……はい」
杏子「……さやか、今までありがとう……。」ドス……。
ほむら「……埋めるわよ」
杏子「……ああ」
- 84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:01:15.52 ID:XlRGlIKDO
あァ…
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:02:47.42 ID:+9TWiyOf0
杏子「……。」ザクッ、バサ……。
まどか「……お疲れ様」
杏子「……ぅ」ジワ……。
杏子「ぅ……あ……ひっく……さやか……!」ポロポロ
ほむら「杏子……。」
杏子「ごめんな、置いていって……でも、あたしの家族もいるから、一人じゃないから」
杏子「じゃあな、さやか……!また来るから……ぜったい!」ポロポロ
──あんあん!
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:13:24.19 ID:+9TWiyOf0
──車内
ブロロロロロ
杏子「……いつ以来かな、あんなに泣いたの」
ほむら「八年前位じゃないかしら……あれ以来、あなたが泣いた所は見たことがないわ」
杏子「……家族だったんだ。さやかは、紛れもなくあたしの家族だった。さやかが一緒にいたからあたしはいつも笑ってられたんだ」
まどか「杏子ちゃん……。」
杏子「……はは、こんなに悲しいなんてな。ペットを飼ってる人間ってのは、みんなこんな思いをしてるのかい?」
まどか「……命を預かるんだから、別れは絶対に訪れる。だから飼い主は責任を持ってそれを見届けなければならないの。ペットを飼うって決めた時点でこうなることは決まってることなんだよ」
杏子「……こんな辛い思いをするって分かってるのに、なんで人間はペットを飼うんだ?」
まどか「杏子ちゃんだってわかるでしょう?辛い別れもあるけれど……それ以上に、動物は人間の心を救ってくれるからだよ」
杏子「……そうだな」
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:20:43.75 ID:+9TWiyOf0
杏子「わざわざ送ってもらって悪いね、ほむら」
ほむら「礼には及ばないわ。それよりあなた……大丈夫?」
杏子「大丈夫って、何がだ?」
ほむら「あなたの、ソウルジェム……。」
杏子「……心配ないよ。ほら」ピカ
ほむら「……杞憂だったみたいね。それじゃ、また会いましょう」
まどか「またね、杏子ちゃん」
杏子「ああ」
ブロロロロロ……。
杏子「……大丈夫、あたしは」ギュ
杏子「生きなきゃいけない理由が、ちょっと変わっただけだよ」
- 95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:29:04.24 ID:+9TWiyOf0
──エピローグ
杏子「ん……もう夕方か」
杏子「(……夕方になっても、さやかの声が聞こえてこない。夢にも思わなかったな、こんなこと)」
杏子「……散歩でも行くか」
スタスタ
杏子「(さやかがいないと、どうも張り合いがないな。歩くペースも遅くなっちまう)」
まどか「あ、杏子ちゃん!」
杏子「まどか、奇遇じゃんこんな所で。どうしたの?」
まどか「あのね、丁度杏子ちゃんの所に行こうとしてたところなの……あの、明日さやかちゃんのお墓参りに行かない?」
杏子「さやか?さやかって──そうか、八年前の明日は」
まどか「うん……さやかちゃんの命日。」
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:36:01.18 ID:+9TWiyOf0
まどか「大丈夫?明日予定とかある?」
杏子「いや、大丈夫だ。行くよ」
まどか「わかった。ほむらちゃんも来るから、10時頃に見滝原霊園に来てね」
杏子「ああ」
杏子「(さやか……美樹さやか、か……あたしは……。)」
- 100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:43:25.25 ID:+9TWiyOf0
──翌日、見滝原霊園
杏子「よ」
まどか「おはよ、杏子ちゃん」
ほむら「線香とお供え物は用意してきた?もう桶は借りておいたわ、早いとこ行きましょう」
杏子「準備がいいなオイ」
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 00:52:05.57 ID:+9TWiyOf0
まどか「久しぶり、さやかちゃん……。」
ほむら「美樹さやか、あなたとは仲が良いとは言えなかったけど……。」
杏子「……。」
まどか「……杏子ちゃん?」
杏子「今、ここに来て言うのもなんだけど……あたしはここにいていいのかな?さやかは、あたしが墓参りすることを許してくれるかな?」
ほむら「……わからないわ。死んだ人間は喋らないもの。」
まどか「ほむらちゃん……!」
ほむら「……でも、私もまどかもあなたが悪いだなんて思ってはいないわ。むしろ、あなたが美樹さやかを呪縛から解き放ったと思っている。それでは駄目?」
杏子「……いや、十分だよ、ありがと」ザッ
杏子「……久しぶり、さやか」
- 109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:02:29.62 ID:+9TWiyOf0
杏子「今まで墓参り来なくってごめんな。これ、みやげだよ。自分の給料で買ったリンゴだから、今度はちゃんと食べてくれよ?」ドサ
杏子「あたし……あんたとはもしかしたら友達になれるかもって思ってたんだ。独りぼっちじゃなくなるかもって」
杏子「もし……もっと別の形で出会ってたらさ、なんて思うんだよ。」
杏子「……ちょっと一人で喋りすぎたかな。もしそっちでお腹が白くってワンパクなワンコを見つけたら、仲良くしてやってくれ。それじゃ、また来るよ」
ほむら「……もういいの?」
杏子「ああ。胸のつっかえは……取れたしな」
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:13:31.96 ID:+9TWiyOf0
墓参りを終え、あたしは二人と、そしてさやかと別れた。
帰りに、先日埋葬した『さやか』の元に立ち寄った。
霊園で買った花の残りを手向け、その場を後にした。長いすると、また涙が出てくるに違いなかったから。
人は出会いと別れを繰り返しながら生きていく。
いつかあたしも家族に、さやかに、『さやか』に再び出会う日が来るのだろう。
しかし、その日が来るまでは──
杏子「あたしの命は……くれてやれないね!!」
完
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:16:32.30 ID:+9TWiyOf0
終わりです
まさかこんな話になるなんてスレタイを書いた時点では想像していませんでした
即興ってこわいね
イメージは茶太さんの「駿太」という曲でした
犬飼ってる人が聴くとこう……すごいよ
- 119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:18:54.08 ID:2IxDEljf0
茶太は良いよな・・・俺もまどかの同人CDの茶太の歌毎日聴いてるでも飽きない
乙!
- 120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:23:56.69 ID:scY4Tni00
いいものを見せてもらった。乙です!
- 121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:26:10.67 ID:qhOjx8Yi0
おつー
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:30:19.38 ID:7zFsOfjBP
乙!乙!!
- 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:36:34.44 ID:+9TWiyOf0
皆さん数多くの乙ありがとうございます
ちなみに「駿太」は某笑顔動画辺りで探せば聴けたりします(うらるは貼りませんが)
とても素敵な曲なので気になる方は検索してみて下さい
- 126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 01:54:34.48 ID:nNi/QKL+0
おつ
: : : ヽ :ヽ' .,!i _ ヾ.、
: : : : : : : :⌒Y: /,--ヽx── 、 ヾ:、
: : : : i^: :二ニV:/: :/ヾ⌒`ヽ ヽ !i
: : : : !i: 二ヽヽ!i: / ̄:::ヽ!フ.,ァヽ} i:!
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<ニ:::::::::::::/: : : : : : : : : : : `ヽヾヽ,_ ,イ
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: : : :.`/: : : __: : : :イ: : ヽ: : _ノヽ:,X: ヽ` ヽx:ヽ <
: : : : :i: : : /: : : : : ;ィ: : : : ;ヽ: : : : ハ -┐:ヽ_, '`ヾ ヽ
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: : : : :i: : : V : : : !i 丁`ヽ!、 } ヽ__i: : : :}ヽ: :ム }:.l
: : : : : V^ヽV: : : !_ヾ: : ! iイ: : : ノ、 ヽ:ハ,ノ !:,
: : : : : 〈 「〈 ヽ:.弋 ,心ヽ ,rxァ!:}: / -ヽ ! ノ '
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: : :,ノ: : : : : :ゝ、 '' ,、__ ` '',iイ / .!!
ニ ' : : : : ; -/!> ヤ _ ノ < // /
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 ̄ ̄7 、 / ヽ ,./ `‐'─'~// ./ ./'
i i ,ム、 `〈  ̄,ノ./ , ! ‐=7 ̄ミメ、
,/~ .! /ヽ/ フゝ __/.// ! i / `ヽ
,.' /\ ゝ./ ̄/ .// ! .Lー=ニ彡' \
___.ム ' ヽ  ̄ ヘ , / , ' / ,/ /ハ ゙ ,
三三三三/`T o.i .ノ .i' / / {〃 7⌒| ∧ | | j
 ̄ ̄`--.' i ̄!ヽ-----イ ! / // /^う心 }/ ヽ∧⌒ ; ト
〉-.! L三二.イ ! / . {/ / じノ う心ヽ .′ j
^~^ ‐‐‐x,__, .〉 / ,7┐ .`V .i、 .〃 / ′ じノ У ;
-~-x_,、 ヽ-~-‐─ ' ,ノ .トヽ、 | ∧ __ / / ゙
.! `^`ソ^-‐‐--‐ /~ .,.! ` `==.|从 ∧ ‘ ノ / / /
ハ i / i ! { | | iヽ、 / / /
∧ ! ./ ! 、 人.i , .` ̄x,、 / / f
.!ム ! ,/ _/ `ァ- ' V , ヽヽ、 彡' / ,ヘ{
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コメント一覧 (26)
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- 2011年09月25日 16:23
- 杏子ちゃんあんあん!
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- 2011年09月25日 17:12
- 駿太を聞く時は歌詞を意識して聞け
あと人のいないとこで聞くように
あれはやばい
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- 2011年09月25日 18:21
- おいおいおい・・・ちょっと待ってくれよ・・・
デブさんは?デブさんまったく出てこないじゃん・・・
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- 2011年09月25日 19:54
- イイハナシダナー
なんか太ったようなもの忘れてる気がするけどまぁいいね!
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- 2011年09月25日 20:05
- デブさんはエサかなんかで登場してたのでは?
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- 2011年09月25日 20:08
- というか本編準拠だったらマミさん死んでるだろ……。
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- 2011年09月25日 20:15
- デブさんはデブって言ったデブ!
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- 2011年09月25日 22:31
- マミさんアンチマジで死んでくれ
時と場所と場合を選んでくれ、やるならマミさん好きがいない場所でやってくれ
なんでこんなしんみりする作品読んだ後に糞アンチどもに不快にさせられなきゃならないんだ
作者は大層乙でした※欄どもは地獄に堕ちろ
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- 2011年09月25日 22:57
- ※8
誰と戦っているんだ?
アンチなんかいないだろ
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- 2011年09月25日 23:00
- マミ厨マジで死んでくれ
時と場所と場合を選んでくれ、やるならマミさんが登場してるSSのコメント欄でやってくれ
なんでこんなしんみりする作品読んだ後にマミ厨に不快にさせられなきゃならないんだ
作者は大層乙でしたマミ厨は地獄に堕ちろ
お前が一番不快にさせるコメントしてることに気づけよクズ
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- 2011年09月25日 23:06
- マミ厨ってほんといつも誰かと戦ってるよな わけわかんね
てかコメント欄にアンチらしいアンチもいねえだろ
どんだけ豆腐メンタルなんだ 一人で発狂して他のコメント残してる奴に迷惑かけんな
デブを登場させなかった作者に対して大層乙とか言ってるしデブが貶されてなかったら登場しなくてもいいのかよ
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- 2011年09月25日 23:30
- 感動してジワッときた
星に願いを以来のヒット作だった
・・・なのに最後の最後にAA見て全力で吹いてしまったじゃねえかwww
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- 2011年09月25日 23:40
- AAで台無しwwwww
面白かったけどさ。
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- 2011年09月26日 01:25
- そういうプレイの話かと思ったら……
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- 2011年09月26日 08:36
- 最初はギャグだと思っていたのに、こんな話になるなんて・・・
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- 2011年09月26日 16:26
- 思い出してしまった(;¤;)
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- 2011年09月26日 18:18
- 盲導犬ポスターをネタにしたSSが早くも現れたかとビックリしたw
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- 2011年09月27日 09:24
- やるね
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- 2011年09月28日 02:09
- 俺も「ああ、このタイトルはアレか。盲導犬ポスターネタか」とか思ったけど、あんまり関係なかった。
久しぶりに愛しのハムスターが召された時を思い出したよ。
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- 2011年09月28日 12:57
- これ書かれたのポスター発表の二週間以上前なんだよな……。
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- 2011年09月28日 15:21
- とりあえずデブとか言ってる人全員犬にな~れ♪
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- 2011年09月28日 20:54
- ※8が叩かれてるから、どんな醜態を晒したのかと思えば…
初めにデブデブ言い出した連中が悪いんじゃねーかwww
ゆとりは口も性格も悪いんだな、まとめてしねよ
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- 2011年09月29日 00:37
- いいはなしだなー
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- 2014年01月10日 04:28
- SSの話をしよう
はいとりあえず星MAXね
いい話だ
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- 2014年01月26日 12:30
- こういう話は反則だわ・・・
ところで、マミさん絡みの諍いは決着つけたのかな?
ケンカはじめといて2年半近くほったらかし。無いわ。
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- 2014年03月11日 21:37
- (・∀・)イイネ!!