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杏子 「本当の奇跡ってのを、おこしてやろうじゃねーか。」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:30:15.33 ID:cWPachdm0

杏子  「さやか?おい、さやかはどうした?」

マミ   「行ってしまったわ。円環の理に導かれて」

マミ   「ミキさん、さっきのあの一撃に、すべてに力を使ってしまったのね。」

杏子  「バカやろう。惚れた男のためだからって、自分が消えちまってどうするんだよ!」

杏子  「ばか・・・やっと友達になれたのに・・・」

マミ   「それが魔法少女の運命よ。この力を手に入れたときからわかっていたはずでしょう。」

マミ   「希望を求めた因果は、この世に呪いをもたらす前に、私達はああやって、消え去るしかないのよ。」

ほむら 「・・・まどかっ」

マミ   「ん?あけみさん?まどかって・・・」

杏子  「誰だよ?」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:32:12.68 ID:cWPachdm0

次の日

杏子  「はぁ・・・」

QB   「なんだい。らしくないじゃないか。ため息なんて。」

杏子  「ああ、QBか。」

QB   「悩み事かい?」

杏子  「うん。」

杏子  「らしくねえだろ。笑ってくれよ。」

QB   「笑ったりはしないさ。普段悩み事なんかしない君のことだから、笑いとばせるような軽い悩みではないんだろう?」

QB   「僕らには感情がないから悩むことなんてないが、それでも人間の悩みに至るプロセスについて多少の理解はしているつもりだよ。」

杏子  「・・・さやかのことなんだけど」

QB   「やっぱりそのことかい。」

杏子  「穢れが溜まるとなんでソウルジェムは消えるんだ?なぁ、なんとかしてさやかのソウルジェムを取り返す方法ってないのかな?」

QB   「まあ確かに、浄化しきれなくなったソウルジェムがなぜ消滅してしまうのか、その原理は僕たちにも解明できてない。」

QB   「ただ、いままで何千人という魔法少女を見てきたぼくでも、消滅してしまったソウルジェムがのちに発見されたという例は見たことがない。」

杏子  「・・・」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:34:48.74 ID:cWPachdm0

QB   「前例はないが、可能性はあるかもしれないよ。」

杏子  「?」

QB   「あくまで仮定の話だ。、ソウルジェムは消滅ではなく、転送されているとしたら。」

QB   「それこそ、人間界で言う『天国』に似た世界に。」

杏子  「何が言いたいんだ?」

QB   「転送されているなら、僕らが起こす奇跡で取り戻せるってことさ。」

QB   「消滅してしまったソウルジェムなら、仮に奇跡を願ったとして、まったく同じものは作れない。」

QB   「外見は同じでも、記憶や性格には、願った人の影響を受ける。」

杏子  「転送と消滅の違いって、そんなに大事なのかよ?どっちにしろ消えるんだし、奇跡で復活するんだろ?」

QB   「うーん・・・どう説明すればいいか・・・」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:40:02.43 ID:cWPachdm0

QB   「またまた仮定の話で申し訳ないが、仮に杏子が、消滅したさやかのソウルジェムを取り戻す奇跡を願うとする。」

QB   「ソウルジェムは出来上がるだろう。だが、それには杏子の中のさやかに少なからず影響を受ける。」

QB   「出来上がるのは、『杏子の心の中のさやか』なんだ。」

QB   「つまり、消滅した元のさやかとまったく同じソウルジェムを取り戻すことは、ぼくらが起こす奇跡では不可能なんだ。」

杏子  「・・・」

QB   「だが、ソウルジェムが天国に転送されているとしたら。」

QB   「さやかのソウルジェムを取り戻すという願いは、天国的などこかから現世へ再転送するという形で叶えられる。」

QB   「その場合に生まれるソウルジェムは、以前のさやかとまったく同じものになるはずだ。」

杏子  「・・・なんとなくだが理解した。」

QB   「どちらに転ぶかはわからない。確かめる方法なんて無いしね。」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:45:52.60 ID:cWPachdm0

QB「それに、そもそもさやかを取り戻したいと願ってくれる人がいなきゃいけない。」

QB「さやかのことを知り、かつ魔法少女の素質がある誰か。」

杏子「・・・探すのは難しいかもな。」

QB「正直なところ、人間にはこれだけの固体数がいるのに、さやかの生死にだけこだわる気持ちは僕には理解できないんだけどね。でも杏子が試したいというのなら、協力はするよ。」

QB「さやかの復活と、新たな魔法少女の誕生。そのこと自体は価値がある。魔獣に対抗できる戦力は、多いほうが望ましいし。」

杏子「ありがとよ。」

杏子「とりあえずは、さやかと同じ学校のやつらから探してみるか。」

杏子「明日、魔獣退治はお休みさせてもらっていいか?校門で張り込みするわ。」

QB「うん。マミたちには伝えておく。けど、僕も張り込みにまわるよ?」

杏子「あん?いいよ。一人で十分さ。」

QB「杏子は魔法少女の素質を見抜けるのかい?」

杏子「あ・・・」

QB「まあそういうこと。気にしないで。いつもグリーフシード食べさせてもらってるお礼さ。」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:49:52.78 ID:cWPachdm0

杏子「あ、そうだ。話は変わるが、QBは『まどか』って誰か知ってるか?」

QB「『まどか』?知らないなぁ。少なくともいままで契約した魔法少女にはいないよ。」

杏子「昨日、ほむらがつぶやいていたのが気になったから。」

QB「なんだい。気になるなら昨日のうちにほむらに聞けばよかったんじゃないか。」

杏子「そうなんだが・・・」

QB「?」



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 13:54:51.54 ID:cWPachdm0

杏子「『円環の理』が何なのか問いただすのに夢中になって、忘れちまったんだ。」

QB「どこの厨二病患者が・・・ってマミか。」

杏子「よくわかったな。」

QB「それなりに長い付き合いだからね。」

杏子「あれさえなけりゃ、結構いいやつなんだけどな。」

QB「たまにどういう反応したらいいか困るんだよね。」

杏子「ティロ・フィナーレとか大真面目な顔で言われると、ついついにやけてしまって。」

QB「いままでいた何千人の魔法少女でも、必殺技に名前をつけていたのは数えるほどしかいないよ。」

杏子「少しはいたのか。マミみたいな奴も。」

QB「うん。少しはね。」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:01:24.85 ID:cWPachdm0

QB「『エターナルフォースブリザード』とか叫びながら炎魔法唱えられたときにはどうしようかと思ったよ。」

杏子「ぶっwww『ブリザード』を辞書で調べて来いよ!って言いたくなるなwww」

QB「言ったけど。」

杏子「言ったのかよwww」

QB「それにしても、『まどか』か・・・」

杏子「ま、どうせたいした意味はないんだろうけどよ。いまは藁にもすがりたい気分だかんな。」

杏子「じゃ、今日は帰るわ。ありがとよ。また明日。」

QB「おやすみ。杏子。」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:07:06.74 ID:cWPachdm0

次の日 校門前 


杏子「わりいな。つき合わせちまって。」

QB「いいってことさ。マミとほむらの二人なら魔獣なんて余裕だろ。張り切ってたよ。二人とも。」

杏子「こんど埋め合わせしとかねーとな。それよりQB、素質ありそうな奴はいるか?」

QB「見たところ一人だけだね。いま校門から出てきた緑髪の子。ほかは皆素質無しだ。」

杏子「あれ?あいつは・・・」

QB「知り合いかい?」

杏子「いや、前さやかと話していたの見かけた気がするんだ。」

杏子「ちょっと行ってくる。」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:15:15.49 ID:cWPachdm0

杏子「ちょっとあんた!あ、じゃなくて・・・ええと・・・」

仁美「?」

杏子「こんにちは。ちょっと話があるんだけど。」

仁美「こんにちは。・・・どこかでお会いいたしましたでしょうか?」

杏子「あ、ごめん。あたしは・・・わ、わたしは、佐倉杏子。さやかの友達なんだ。」

仁美「まぁ。さやかさんの?わたくしは志筑仁美。さやかさんとは以前からお友達でしたの。」

杏子「ああ。やっぱさやかの友達か!・・・でしたか。」

仁美「ふふっ。普段通りの話し方をしていただいて結構ですのよ。」

杏子「ああ。わりいな。上品な話し方は慣れてなくてさ。」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:21:52.44 ID:cWPachdm0

仁美「それで、佐倉さんはわたしにどんなご用ですの?」

杏子「さやかのことなんだけど。」

仁美「さやかさんをお探しでしたら、本日は学校をお休みしておりましたわ。」

仁美「なんでも昨日の夜から自宅に帰ってないとか。」

杏子「ああ。ちょっと連絡が取れなくなっているんだ。」

杏子「それで、あんたに協力してほしいんだよ。」

仁美「協力・・・ですか・・・」

杏子「なぁ。頼むよ。」

仁美「・・・私、今、さやかさんとはお話しづらい状況ですの。」

杏子「友達じゃねぇのかよ?」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:29:23.03 ID:cWPachdm0

仁美「・・・ええ。親友・・・でしたわ。少し前までは。」

杏子「じゃあ何で・・・」

仁美「私は今、さやかさんの幼馴染の殿方と交際いたしておりますの。」

杏子「!!」

仁美「そして・・・その殿方の心の中には、さやかさんがおりますの。」

仁美「お話をしていると感じますの。上条さんがさやかさんを好きだと。」

仁美「そして私が、嫉妬の念を抱いていると。」

杏子「それとこれとは話が・・・」

仁美「別だと割り切れるほど、大人になりきれませんわ!」

杏子「・・・」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:35:35.84 ID:cWPachdm0

仁美「そういうわけですから。」

杏子「あんたしかいないんだ!さやかを助けられるのは、あんたしか!」

仁美「・・・私より警察に頼んだほうがよろしいかと思います。」

杏子「警察じゃ駄目なんだ!さやかを取り戻すには、あんたの祈りが必要なんだ!」

仁美「お稽古事がありますので。失礼します。」

杏子「待って・・・」

QB「追いかけても無駄だよ。杏子。」

杏子「だって!あいつしかいないんだろ?魔法少女になれんのは!」

QB「そうだ。さっき学校を見た限りではほかに魔法少女の素質がある子はいなかった。」

杏子「じゃあ!!」

QB「彼女はさやかに対して負の感情を抱いている。覚えているかい?昨日ぼくが言ったこと。」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:40:47.68 ID:cWPachdm0

杏子「・・・消滅したソウルジェムを復活させた場合は、祈りをささげた少女の中のさやかに影響を受ける。」

QB「そう。そして転送か消滅かは、僕たちに判断することはできない。」

QB「杏子は、もし仁美の心の中を投影したさやかが復活したとして、それを嬉しいと感じるかい?」

杏子「・・・あいつの心の中のさやかじゃ、相当性格悪くなっちまいそうだな。」

QB「うん。僕もそう思う。」

QB「残念だけど、ほかをあたるしかないね。」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:43:09.08 ID:cWPachdm0

杏子「あたし、明日は、さやかの学校以外の交友関係をあたってみるよ。」

QB「そうか。わかった。」

QB「明日はマミにも用事があるみたいだから、僕はほむらの魔獣退治を手伝ってるよ。」

杏子「悪いな。魔獣退治をおろそかにしてしまって。」

QB「いいってことさ。」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:49:03.24 ID:cWPachdm0

次の日


QB「今夜はつくづく瘴気が濃いね」

ほむら「そうね。」

QB「今日は杏子もマミも用事があるって言っていたけど、ほむらだけで大丈夫かい?」

ほむら「一人で十分よ。」

QB「そうか。」

QB「あ、そうだ。ほむら。ひとつ聞きたいことがあるんだけど。」

ほむら「何?」

QB「『まどか』って誰?」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:53:55.43 ID:cWPachdm0

ほむら「・・・何故、あなたがまどかを知っているの?」

QB「ん?」

ほむら「・・・まさか、あなたにも記憶が?」

QB「記憶?なんのことだい?」

ほむら「何故まどかを知っている?答えなさい!インキュベーター!」

QB「ち、ちょっと矢をこっちに向けないでよ危ないなぁ!」

QB「僕も名前しか知らない!杏子から名前だけ聞いたんだよ!」

ほむら「・・・嘘をつくことはあなたの為にはならないわよ。」

QB「本当だって!信じて!その弓を下ろしてくれ!」

ほむら「・・・・・・・」

QB「・・・・・・・」

ほむら「・・・わかったわ。本当に何も知らないようね。」

QB「あーびっくりした。寿命が200年ばかし縮んだよ。」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 14:58:36.33 ID:cWPachdm0

QB「しかし、暁美ほむら。君がそこまで取り乱すとは。まどかっていうのは君にとってよっぽど重要な存在なのかな?」

ほむら「ぐっ・・・」

QB「もし、君がよければの話だけれど、聞かせてくれないか?まどかのこと。」

ほむら「まどかは、私の最高の友達。そして、いまは『神』のような存在。」

ほむら「いいわ。詳しく話してあげる。まどかと私のこと、そして魔女がいた世界のことーー」 



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:02:31.20 ID:cWPachdm0

QB「ふうん。なるほどね」

QB「確かに君の話は、一つの仮説としては成り立つね」

ほむら「仮説じゃなくて、本当のことよ」

QB「だとしても、証明しようがないよ」

QB「君が言うように、宇宙のルールが書き換えられてしまったのだとすれば、今の僕らにそれを確かめる手段なんてない訳だし」

QB「君だけがその記憶を持ち越しているのだとしても。それは、君の頭の中にしかない夢物語と区別がつかない」

QB「まあ確かに、浄化しきれなくなったソウルジェムが、何故消滅してしまうのか。その原理は僕たちでも解明できてない」

QB「その点、君の話にあった『魔女』の概念は、中々興味深くはある」

QB「人間の感情エネルギーを収集する方法としては、確かに魅力的だ」

QB「そんな上手い方法があるなら、僕たちインキュベイターの戦略も、もっと違ったものになっただろうね」

ほむら「そうね。あなたたちはそういう奴らよね」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:07:03.59 ID:cWPachdm0

QB「君が言う、『魔女』のいた世界では、今僕らが戦っているような魔獣なんて、存在しなかったんだろう?」

QB「呪いを集める方法としては、余程手っ取り早いじゃないか」

ほむら「そう簡単じゃなかったわ。あなたたちとの関係だって、かなり険悪だったし」

QB「ふうん。」

QB「やっぱり理解できないなあ、人間の価値観は」

ほむら「宇宙のルールを書き換えても、あなたが人間のことを理解していないのは変わらないわね。」

ほむら「そんなことより・・・魔獣どもが来たわ。無駄話の時間は終わりよ。」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:10:35.96 ID:cWPachdm0

次の日


QB「昨日の首尾はどうだい?杏子。魔法少女候補は見つかったかい?」

杏子「いや。全然ダメだ。」

杏子「QBに魔法少女の素質を見てもらうまでもない。年齢でアウトな知り合いしかいなかった。」

QB「そうか。」

杏子「まぁさやかの歳じゃそれも普通だよな。ほとんどの中学生にとっては、学校と家庭が世界の全てだし。」

杏子「あたしみたいに、この歳で学校も家庭もなくぶらぶらしてるほうが、よっぽどイレギュラーだもんな。」

杏子「やっぱあの緑髪に頼み込むしかないか。いや、いっそ力づくで言うこと聞かせるか?」

QB「無理矢理叶えさせた願いで生き返ったとして、それをさやかが喜ぶと思うかい?」

杏子「う・・・」

QB「だよね。君もわかっているじゃないか。」

杏子「でもよ。ほかに方法なんてないんだろ?」

QB「それが、ひょっとしたらあるかもしれないよ。」

杏子「まじかよ?」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:14:19.86 ID:cWPachdm0

杏子「祈りをささげてくれる少女、見つけたのか?QB」

QB「いや、そうじゃない。」

杏子「じゃあなんだよ?」

QB「『まどか』さ。」

杏子「まどか?」

QB「そう。まどか。」

杏子「こないだほむらがいってた奴か。そいつはさやかと知り合いなのか?」

QB「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。」

杏子「なんだよ。わけわかんねぇ。わかるように説明しろよ。QB!」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:18:44.41 ID:cWPachdm0

QB「昨日、ほむらから面白い話を聞いたんだ。」

QB「この世界は、まどかと呼ばれる神が、作り変えた世界らしい。」

QB「そして、ほむらはまどか神とは親友だった。」

杏子「は?神と親友って?あいつ頭おかしいんじゃねぇの?」

QB「ぼくだって、最初はマミの厨二病がうつったのかと思ったさ。でもね、すべての話がほむらの妄想だといいきるには、話ができすぎているんだよ。」

QB「設定が細かいというか、ひょっとして本当なんじゃないか?と思わせる説得力がある。」

杏子「なんだよ。希望があるかと思いきやそんな与太話かよ。がっかりしたぜ。QB」

QB「君が魔法少女になる前に、君のお父さんの話を聞いた人も、きっと同じ感想を持っていたんだろうね。」

杏子「!!!」

QB「いや。すまない。皮肉じゃないんだ。与太話かどうかは、もう少し詳しく聞いてから判断しても遅くはないんじゃないかと思ってね。」

QB「それに、藁にもすがる気持ちなんだろ?」

杏子「・・・ああ。」

杏子「そうだな。他に方法があるわけでもない。まどかに賭けてみるか。」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:23:28.24 ID:cWPachdm0

次の日


杏子「なぁ。」

ほむら「なぁに?」

杏子「あたしさ、どうにかしてさやかのソウルジェムを取り戻す方法がないか探しているんだけど。」

ほむら「・・・真面目に言ってるの?」

杏子「そのつもりさ。」

杏子「でさ、QBがおこす奇跡でどうにかなんないかとやってみたけど、うまくいかなくてさ。」

杏子「で、QBに『まどか』のことを聞いたんだ。」

ほむら「!」

ほむら「あのおしゃべりインキュベーターには、少々お仕置きが必要のようね。」

杏子「なぁ、まどかってやつ、あたしに紹介してくれねぇかな?」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:29:34.55 ID:cWPachdm0

ほむら「確かにまどかは奇跡を起こせる神のような存在。そして、私の親友。」

ほむら「だけど・・・あきらめなさい。杏子。」

杏子「そこを何とか・・・」

ほむら「無理よ。」

杏子「つれねぇなぁ。ちょっと頼んでくれるくらいいいだろ!」

杏子「それともあれか?テメェはさやかが居ないほうがグリーフシードの分け前が増えて好都合とか思っているのか?」

ほむら「違うわ。」

ほむら「・・・連絡を取る方法がわからないの。」

杏子「はぁ?」

ほむら「今の私にはまどかの姿も、声も、感じられない。」

ほむら「でも」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:33:04.79 ID:cWPachdm0

ほむら「たったひとつだけなら、まどかと接触する方法は知っている。」

ほむら「まどかが魔法少女になるときの祈りは、『過去、未来、すべての魔女を消す』ということだった。」

ほむら「その祈りによって、まどかは神に等しい存在となり、世界は作り変えられた。」

ほむら「おそらく今でも、ソウルジェムに限界まで穢れを溜め込んでしまった魔法少女を消し去るため、動いているはずだわ。」

杏子「つまり?」

ほむら「魔法少女が消えさる瞬間には、まどかと接触できる。」

ほむら「私にわかっているのはそれだけ。」

ほむら「でも現実には無理でしょ?魔法少女消滅の瞬間に都合よく立ち会うなんて。」

ほむら「それとも・・・誰か1人、魔法少女を殺してまどかを召還してみる?」

杏子「うっ・・・」

ほむら「出来ないわよね。そんなこと。だから諦めなさいって言っているの。」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:36:36.12 ID:cWPachdm0

杏子「限界まで穢れを溜め込めば、まどかに会えるんだな?」

ほむら「おそらくはね。」

杏子「じゃあ、あたしのソウルジェムに、穢れを溜め込んでみるか。」

ほむら「!」

杏子「なんて顔してんだよ。別に死のうと思っているわけじゃねぇぜ?」

杏子「ぎりぎりを見極めて、あんたに浄化してもらえばいいだろ?」

杏子「それにさ、もし失敗しても、さやかが生き返る。あんたは連絡も取れなくなってた親友に会える。」

杏子「損失は1で、見返りが1以上なら、悪くない取引じゃねぇか?」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:37:50.20 ID:cWPachdm0

ほむら「危険すぎるわ。」

ほむら「まどかは私達には見ることも話すことも出来ないかもしれない。そしたらあなたは犬死よ。」

杏子「ふっ。違げぇねぇ。」

ほむら「ソウルジェムの穢れの限界を見誤り、消滅してしまうかも知れない。」

杏子「それは困るな。ちゃんと浄化してくれよ?」

ほむら「それに・・・もしかしたら、まどかのことは、私の頭の中にある夢物語でしかないかもしれない。」

杏子「あんたは夢物語だなんて思ってねーんだろ?それで十分さ。」

ほむら「・・・本気なのね?」

杏子「ああ。あたしはね。さやかを本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで、諦めたくない。」

杏子「魔法少女ってのはさ、夢と希望を叶える存在なんだろ?」

杏子「本当の奇跡ってのを、おこしてやろうじゃねーか。」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:41:41.36 ID:cWPachdm0

ほむら「私は、明日までに準備を進めておくわ。」

ほむら「グリーフシードもかなりの数が必要だし。」

杏子「あたしはなにかすることはあるかい?」

ほむら「そうね・・・場所の確保をお願いしていいかしら。なるべく人目に付かないところで。」

杏子「わかった。探しとく。」

ほむら「じゃあ。また明日。」

杏子「ああ。」

杏子「あした死ぬかも知れねぇんだから、今日は美味いものでも食うかな。」

ほむら「馬鹿なこと言わないで。」

杏子「冗談だよ。死ぬつもりは無いさ。」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:43:30.65 ID:cWPachdm0

次の日 街の中


QB「今日は杏子もほむらも用事があるんだって。」

マミ「「そう。最近はみんな忙しいみたいね。会えないのは寂しいわ。」

QB「でも、マミが信頼されてるから、みんなも魔獣退治をマミに一任してるんじゃないかな。」

マミ「そんな信頼なんて。体よく押し付けられているだけでしょ?」

マミ(ふふふっ 『信頼』ね。とてもいい響きだわ。)

QB(『信頼』ね。マミの気持ちを操るには便利な言葉だ。)

マミ「さて。魔獣の皆様方。紅茶とケーキをおいしくいただくための、準備運動にもらいますわ。」

マミ「行きますわよ。ティロ・フィナーレ!!!」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:48:06.94 ID:cWPachdm0

教会

杏子「親父が使っていた教会だ。入ってくれ。汚ねぇけど。」

杏子「ここなら、他人から見られることもない。」

ほむら「いいの?私達がやろうとしていることは、あなたのお父さんの教義とは違うことだと思うけど。」

杏子「まぁいいんじゃねーの?人間さ、救ってくれるなら他の宗教が崇める神にだって、縋ってみたくなるもんさ。」

杏子「で、そうすりゃいいんだ?」

ほむら「魔力を消費すれば、ソウルジェムには穢れがたまっていく。」

ほむら「あなたは、魔法を無駄打ちして穢れを溜め込んでいってくれればいい。」

ほむら「私は、ぎりぎりを見極めて、あなたのソウルジェムをこのグリーフシードの山に埋める。」

ほむら「浄化に使えるグリーフシードは1回分しか集められなかった。」

杏子「練習なしの一発勝負か。」

杏子「・・・まどか、来てくれるかな?」

ほむら「さぁ。どうかしらね。やってみなければわからないわ。」

ほむら「・・・準備はいい?」

杏子「ああ。始めようか。」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:52:33.00 ID:cWPachdm0

天国的などこか


さやか「やっほーまどかー 遊びにきたよー」

シャル「きたよー」

まどか「あっさやかちゃん、シャルちゃん。こんにちはー」

さやか「やぁやぁまどか。今日もかわいいねー」

シャル「かわいいですー」

まどか「あははっ。さやかちゃん。またまたお世辞がうまいんだから」

さやか「世辞じゃないよ。私は真面目だよ。まどか、今日こそは私のヨメになるのだ!」

まどか「はいはい気が向いたらね。てか私達って毎日同じやり取りしてるね。」

さやか「まぁねー。」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:53:33.95 ID:RbJ8Uxg60

めちゃめちゃのどかだな



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:53:57.28 ID:cWPachdm0

さやか「あ、お土産もってきたよ。」

シャル「もってきたですー。えとえと。チーズケーキと、クロックムッシュと、キッシュロレーヌ!」

シャル「あ、そうそう。こないだチーズフォンデュセット手に入れたです。みんなでわいわい食べるです。」

まどか「あはは。シャルちゃんも相変わらずだね。」

さやか「これだけ毎日食べててよく飽きないな。」

シャル「むぅー チーズをバカにするなです!チーズはフランス人の誇りです!」

さやか「あれ?シャルちゃんってフランス人だったの?」

シャル「違います。でもフランス人よりチーズ好きだと自信もって言えます!」

さやか「随分大きく出たな。」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 15:57:54.26 ID:cWPachdm0

まどか「まぁまぁ。立ち話もなんだし、とりあえずあがってよ。」

さやか「お邪魔しまーす。」

シャル「お邪魔するです。」

さやか「なんかまたぬいぐるみ増えたな。」

まどか「好きなんだもん。ついつい集めちゃうんだ。」

さやか「まどかは今神様なんでしょ?もう少し威厳を持つようにしたら?」

まどか「えーそんな大げさなもんじゃないよ。まぁ確かに魔女化しそうな魔法少女を看取ってはいるけど。」

シャル「かっこいー!!」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:00:45.50 ID:cWPachdm0

シャル「私決めました。今度から、まどかさんのことまどか先輩って呼びます!!」

まどか「ちょっとやめてよ恥ずかしいなぁ。それに生前、魔法少女になったのはシャルちゃんのほうが先だよ?」

シャル「時期じゃなく、素質の問題です。私は神にはなれません。よって、これからはまどか先輩ってよばせていただきますよ。先輩!」

まどか「やめてってば。さやかちゃんからもなんか言ってよ。」

さやか「まぁまぁ。いいじゃあないですか。まどか先輩。」

まどか「あーさやかちゃんまで!もー!」

さやか「うんうん。やっぱりまどかはかわいいなぁ。」

シャル「かわいいですよ。先輩。」

まどか「ううぅー」



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:05:29.84 ID:cWPachdm0

まどか「あ。え?うそ・・・」

さやか「どうした?仕事か?」

まどか「うん。ちょっと行ってくる!」

さやか「行くって?直接かよ?いつもみたいに弓で分身飛ばせばいいじゃん。」

まどか「でも・・・」

さやか「チーズフォンデュもあったまったぞ。食おうぜ。」

まどか「・・・杏子ちゃんなの。」

さやか「?」

シャル「?」

まどか「魔女化しそうになってるソウルジェムの気配、杏子ちゃんにそっくりなの。」

さやか「!」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:07:52.98 ID:cWPachdm0

まどか「行ってくる。」

さやか「ちょっとまって・・・私も連れていって。」

まどか「うん。行こう。さやかちゃん。」

さやか「あ、シャル、悪ぃ。こんどまたフォンデュパーティーしような!」

まどか「ごめんねシャルちゃん。私達の分まで食べていいから。」

シャル「にゅふふーチーズおいしいです♪」

シャル「気をつけて行ってきてくださいね。さやかさん。まどか先輩。」



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:11:38.27 ID:cWPachdm0

再び教会


まどか(やっぱり、この気配は間違いなく杏子ちゃん。)

まどか(あ、でも今の杏子ちゃんは私の記憶は無いのか。)

まどか(・・・相手は杏子ちゃんでも、いつも通りにお仕事しないとね。)

まどか(いつも通りに振舞おう。)


杏子「くぅぅっ」

まどか(ずいぶんソウルジェムが濁ってきたわね。)

杏子「ううっ。うわああああぁぁぁ!」

ほむら(そろそろ限界・・・はやく出てきて・・・まどかっ)



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:14:47.77 ID:cWPachdm0

まどか「呼ばれて飛び出てぽぽぽぽーん♪まどか神が来ましたよーっと♪」

まどか「さあさあソウルジェムを浄化しますよ。怖くないですよー痛くないですよー。」

まどか「さぁさぁ!ってあれ?なんで?濁ってない。」

まどか「確かに濁りきった気配を感じたんだけどなぁ。気のせいだったのかなぁ。」

ほむら「・・・ぎりぎりで浄化に成功したわ。」

まどか「あ、ほむらちゃんじゃない!おはよー!」

ほむら「・・・」

まどか「あれ、こんばんわ。だった?」

ほむら「・・・」

まどか「あれ、そもそも私のこと覚えてくれてる?もしかして忘れてないよね?」

ほむら「・・・」

まどか「おーい!」

ほむら「まどかっっ」ギュッ



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:17:55.61 ID:cWPachdm0

ほむら「まどか・・・まどかっ」

ほむら「私は、あなたにどれだけ会いたかったか」

まどか「やだなぁほむらちゃん。言ったでしょ?ちゃんとわたしはほむらちゃんのこと見守ってるよ。」

まどか「そりゃ、たまには目離してシャルちゃんの料理に舌鼓うってたりもしたけど。」

まどか「ほむらちゃんには見えなくとも、感じられなくとも。私はほむらちゃんとずっと一緒にいるって。」

ほむら「でもっ!!」



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:22:07.77 ID:cWPachdm0

ほむら「私は不安だった。」

ほむら「不安だったんだよ?」

ほむら「まどかが改変する前の世界を覚えている人はわたししかいない。」

ほむら「QBからは、君の頭の中の夢物語と区別が付かないって言われたわ。」

ほむら「私は、私だけは、まどかのいた世界を覚えているって決めたのに。」

ほむら「まどかが居たこと、たくさんの魔法少女を絶望から救い出してくれたこと、」

まどか「それは現実に起きたことなのに、事実なのに、ひょっとしたら夢物語かも知れないって、そんな疑いが生まれてしまう。そのことが・・・怖かった。」

まどか「ほむらちゃん・・・」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:25:37.37 ID:cWPachdm0

まどか「・・・ごめんねほむらちゃん。ほむらちゃんの気持ちに気づいてあげられなかった。」

まどか「じゃあこうしよう。ほむらちゃんが魔法少女になっているの見かけたときには、たまに声をかけるよ。

まどか「今みたいに姿を見せるのは簡単にはできないんだ。私って、濁りきったソウルジェムを消滅させるときにしか、この世界には存在できないから。」

まどか「ほんとはね。声を届けるのも無理。笑っちゃうよね。神様みたいなものなんていっても、出来ること限られすぎだもん。」

まどか「でも、ほむらちゃんが魔法少女の姿のときなら、わたしのか細い声でも感じ取ってくれるはず。」

まどか「『がんばって』だったり、『いってらっしゃい』だったり。それとも『愛してるよほむらちゃん』とかのほうがいいかな?」

ほむら「///」

まどか「そうすれば、私のこと近くに感じてくれるかな?」

ほむら「うん・・・ありがとう・・・まどか。」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:28:42.43 ID:cWPachdm0

杏子「うぅ・・・うう~ん・・・」

まどか「あ、やだ。感動の再開で杏子ちゃんのことすっかり忘れちゃってた。」

ほむら「あ、うん。ごめんね。私のせいで。それよりまどか・・・」ギュッ

まどか「何?あ、手つなぐの?いいよほむらちゃん。」

ほむら「///」

まどか「へへっ。久しぶりだとなんか照れるね///」


まどか「きょーこちゃーん。おきてー」ペチペチ

杏子「うぅ~ん はっ!!」

ほむら「おはよう。」

まどか「杏子ちゃん久しぶり。元気だった?」

杏子「あんたが、まどか?」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:31:54.67 ID:cWPachdm0

まどか「えっ?私のこと覚えてくれてるの?」

杏子「あ、いや。ほむらから話を聞いただけだ。」

まどか「なんだ。ちょっとだけ期待しちゃった。そうだよね。覚えてくれているはずないよね。」

杏子「・・・あんたが神になる前は、あたしとも知り合いだったんだってな。」

まどか「そうだよー。でも杏子ちゃんはさやかちゃんとケンカしてばっかで、いっつもはらはらさせられてたけどね。」

杏子「そのさやかのことなんだけど・・・」

杏子「さやかのソウルジェムを取り戻したい。力になってくれないか?」

まどか「・・・」

杏子「私にとってさやかは、唯一本心をさらけだせる友達だった。そりゃあ最初はケンカもしたし、正直殺してやりたいとおもったことだってあった。」

杏子「でも、気が付いたんだ。あいつにムカついてたのは、昔の自分を重ねてたからだって。」

杏子「同属嫌悪ってやつさ。基本的に似たもの同志なんだ。あいつとあたしは。でも、似てるからこそ、かけがえのない友達にもなれる。」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:34:47.07 ID:cWPachdm0

まどか「杏子ちゃんは変わってないね。いつもさやかちゃんに対して一生懸命で。」

まどか「そっけなくて一見冷たいように見えるけど、本当は誰よりも他人に対して思いやりがある。」

まどか「以前、わたしが実在したころの世界でもさ、魔女になったさやかちゃんを元に戻そうと奔走してくれていたんだよ。」

杏子「そうなのか?」

まどか「うん。私はいくつもの並行世界の杏子ちゃんを見ることができるけど、杏子ちゃんはさやかちゃんのことに関してはいつも一生懸命だった。」

杏子「そうか。なら話は早いな。」

杏子「私のさやかへの想いは、わかってくれているんだよな?」

杏子「さやかを取り戻すことに協力してほしいんだ。おまえの力ならできるんだろ?」



90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:37:01.36 ID:cWPachdm0

まどか「・・・ふふっ」

杏子「何がおかしいんだよ?私は本気なんだぞ!本気でさやかを取り戻したいと思っているんだ。なぁ!頼むよ!」

まどか「・・・だってさ。どうする?さやかちゃん。」

さやか「////」

杏子「え?」

まどか「ごめんね杏子ちゃん。実は、さやかちゃんも連れてきてたんだ。」

まどか「あ、そっか。いまのさやかちゃんは普通の人には見えないよね。」

まどか「じゃあ、あたしの力で見えるようにしてあげる。」ポポポポーン



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:40:20.17 ID:cWPachdm0

さやか「へへ。久しぶりだね///」

杏子「・・・ずっと、そこにいたのかよ。」

さやか「まぁね。まどかと転校生のラブラブっぷり見せ付けられたら、会話に入るタイミングを失っちゃったなーみたいな。」

杏子「べっ・・・べつにあんたが戻ってきてもあたしは全然嬉しくないけどよ!」

杏子「かわいそうじゃねぇか。男寝取られたまま自分はくたばっちまって。」

杏子「だ、だから、なんだ?その・・・情けをかけてやるっていうか・・・」

杏子「////」

さやか「・・・ありがとう。」

杏子「別に、礼を言われる筋合いなんて・・・」

さやか「ううん。ちゃんと言わせて。ありがとう。杏子。」

杏子「///」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:43:08.59 ID:cWPachdm0

杏子「ま、まぁなんだ。あんたはこれで生き返るんだろ?そしたらポッキーの一箱でもおごってくれよ。な。」

まどか「そのことなんだけど・・・」

まどか「ごめんね杏子ちゃん。私の力でもさやかちゃんを蘇らせることはできないの。」

杏子「!!!」

まどか「いや、正確にいえば、出来るんだけど・・・」

杏子「なんだよ。もったいぶらずにやってくれよ。」

まどか「さやかちゃんはね、私がもといた世界では、魔女になっちゃってたから。」

まどか「さやかちゃんを救うには、さやかちゃんが魔法少女にならない世界に変えるしかなくて。」

まどか「でも、それはつまり上条君の手が一生治らない世界ってことで。」

さやか「・・・私が、それを拒んだんだよ。」

杏子「なんだそれ・・・」



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:45:16.97 ID:cWPachdm0

杏子「おかしいだろうが!あんたが腕を治しても、恭介ってやつは何も知らずにあの緑髪とよろしくやってんだぞ!」

さやか「うん。知ってる。」

杏子「それに、それに・・・」

杏子「緑髪は言ってたぞ。恭介ってやつは、ほんとはさやかのことが好きなんじゃないかって。」

さやか「・・・うん。それも、なんとなく気づいてた。」

杏子「なら!なんで・・・」



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:49:32.81 ID:cWPachdm0

さやか「私は、恭介の演奏するヴァイオリンが、もう一度聞きたかった。大勢の人たちに聞いてもらいたかった。」

さやか「だから、恭介のために奇跡を願ったことも、魔法少女になったことも、そのために命を落としたことも、全部後悔していない。」

さやか「まどかが見えてる未来では、恭介は大物ヴァイオリニストになってるらしくてさ、」

さやか「S席のチケット3万円だって!しかも即完売。オークションでは倍の値段で落札されるらしいよ!」

さやか「6万だよ6万!庶民には手がでない娯楽ですなぁ」

さやか「でも!その6万の価値があるヴァイオリンを、天国では特等席で堪能できるわけですわ。まさに極楽気分♪」

さやか「・・・だからさ。これでいいの。恭介には私みたいな庶民じゃなくて、仁美がお似合いなんだって。」

杏子「・・・」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:52:53.65 ID:cWPachdm0

さやか「いつかあんた言ってたっけね。魔法ってのは徹頭徹尾、自分のためだけに使うもんだって。」

杏子「なんだよ。急に。」

さやか「そして、恭介のために奇跡をおこしたあたしと対立したっけ。」

杏子「・・・」

さやか「あんときはほんと殺してやりたいくらい憎んだけどさ。」

さやか「でも、今の杏子なら、理解してくれるでしょ?人のために魔法を使うのも悪くないことだって。」

杏子「・・・」



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:55:31.14 ID:cWPachdm0

さやか「あたしは、杏子のこと好きだよ。」

さやか「あたしは、杏子のこと大切だって、かけがえのない友達だって思ってる。」

さやか「でもね、それとはまた別に、恭介のことも大好きなんだ。」

さやか「杏子があたしを生き返らせるために奔走してくれたことは、ほんとにうれしい。」

さやか「だけど・・・ごめんね。」

杏子「あ、謝んじゃねーよ。」

杏子「こっちはさ、暇してたんだよ。」

杏子「さやかがいなくて暇だから、暇つぶしにちょっと遊んでただけだよ。」

さやか「ほー。暇つぶしねー。」

さやか「そかそか。暇ならしょうがないよね。暇ならついつい『私は本気なんだぞ!本気でさやかを取り戻したいと思っているんだ。』とか叫んじゃうよね。うんうん。」

杏子「!!!」

杏子「・・・ばかやろう///」



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 16:57:09.69 ID:cWPachdm0

さやか「まー杏子さんが淋しいって言うなら?特別にまどかの力を借りて声くらいなら届けてあげてもいいけど?」

杏子「いらねーよ!」

さやか「あーれー?いらないの?このさやかさんが耳元でささやいてあげるわよ?『杏子っっ!』って。」

杏子「いらねーっつってんだろ!」

さやか「ま、いらないって言っても勝手に話しかけるけどね。杏子にはいくら感謝の言葉を並べ立てても全然足りないくらいだし。」

さやか「・・・本当にありがとう。杏子。」

杏子「・・・勝手にしろ。」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:00:27.96 ID:cWPachdm0

まどか「あれ、そういえばマミさんはいないの?」

さやか「あ、そういやマミさん居ないね。会いたかったなー」

ほむら「マミはQBと一緒に魔獣退治に行っているわ。」

さやか「QB!あいつは私を騙してゾンビにしやがったからな。化けてでてやらなきゃ!」

ほむら「それが、この世界でのQBはけっこういいやつなのよ。」

さやか「え?そうなの?」

ほむら「魔女化がなくなった分、情報を隠蔽する必要もなくなったんでしょう。魔法少女になるメリットもデメリットも伝えたうえで、契約を迫っているみたいね。」

さやか「・・・意外だな。」



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:02:30.60 ID:cWPachdm0

まどか「さやかちゃん、そろそろ・・・」

さやか「ん?」

まどか「次の仕事行かなきゃいけないし。」

杏子「行っちまうのかよ?」

ほむら「行かないで!ずっとここにいて!まどか」

まどか「あはは。そういうわけにはいかないよ。神様ってこれでも結構忙しいんだよ?」

まどか「じゃあね。ほむらちゃん。杏子ちゃん。」

まどか「見かけたら話しかけるから。よろしくね。」

さやか「あたしも話しかけるから。感謝しなさいよ?杏子。」

杏子「・・・楽しみにしてるよ。」

さやか「あ、あれ?素直な反応されるとそれはそれで調子狂うなぁ。」



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:03:52.35 ID:cWPachdm0

まどか「じゃ。行くね。」

ほむら「・・・絶対、声かけてよ?」

さやか「じゃあね。杏子。」

杏子「さっさと行っちまえよ。」

さやか「ふふっ。やっぱそっちのほうがあんたらしいや。」



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:05:25.61 ID:cWPachdm0

ほむら「・・・行ってしまったわね。」

杏子「ああ。」

杏子「なんかわりぃな。さんざんから回りした挙句になんにも変わってねぇって。笑えるよな。」

杏子「あたしゃケージの中のハムスターかよ。みたいな。」

ほむら「いいえ。あなたのおかけでまどかに再び会うことができた。」

ほむら「ありがとう。杏子。」

杏子「・・・まさか、あんたからそんな言葉を聞けるとは思わなかったな。」

ほむら「そう?でも、感謝の気持ちを表すのが下手なのは、お互い様じゃなくて?」

杏子「・・・ふっ。確かにそうだな。」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:06:32.42 ID:cWPachdm0

杏子「じゃあ、明日からはまた魔獣退治に精を出すとしますか。」

ほむら「そうね。ここ数日はマミにばかり負担をかけていたものね。」

杏子「あしたからまたよろしくな。その・・・ほむら。」

ほむら「・・・初めて名前で呼んだわね。」

杏子「ちょ・・・そこ突っ込むなよ。照れるだろ///」

ほむら「ふふっ。」

ほむら「よろしく。杏子。」


fin



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:07:17.34 ID:cWPachdm0

以上です。
駄文失礼



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:10:17.03 ID:cWPachdm0

12話後半の行間を埋めるような物語です。

さやか&まどかの会話は、ほむら&杏子は知らないわけで、じゃあわだかまりが残ってしまうんじゃないかなって。
そのへんを解消できるストーリーを考えたらこんな感じになりました。



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:13:56.46 ID:WMCB08ON0

乙ですた



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:17:34.89 ID:mcGypRAW0

激しく乙



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:35:28.53 ID:zTr2EFTpQ

乙乙
こういう話を待っていた



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:37:43.81 ID:5xX03O0UO

よくまとまってた乙



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 17:39:17.47 ID:MqCnwVr3O


杏子ちゃんまじ天使



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/08(日) 19:26:01.29 ID:mjmPS7Z80

乙っちまどまど!



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         コメント一覧 (17)

          • 1. ななし
          • 2011年05月09日 11:53
          • 5 面白かった
            まどかSSで見た中では最高だな。
          • 2. 名無し
          • 2011年05月09日 12:09
          • 5 よかった
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年05月09日 12:57
          • 元の話にうまくつなげてあってよかったけど、やはりマミさんだけは真相に気づかない
            おめでたキャラというのがなんともオチ要員。
          • 4. 名無し
          • 2011年05月09日 16:32
          • 乙! 上手いこと12話の行間埋めたな
            最後、まどか様の次の現場がマミさんとこだったらどうしようと心配したのは秘密だ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年05月09日 19:19
          • さやかも改変後の人間なのにまどかの記憶がある?

            どういうことだおい
          • 6. 那覇さ
          • 2011年05月09日 19:30
          • シャルがあずにゃんにしか見えなかった
          • 7. 名無し
          • 2011年05月09日 23:20
          • 円環のことマミェ……
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年05月10日 21:27
          • ちょwwwwwおれが書いたやつwwwwww

            べっ、べつにこんなサイトに載ったからって嬉しくなんかないんだからね///
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年06月25日 14:15
          • >>5
            もちろんまどか神様が全ての時間軸、パラレルワールドの記憶を与えた(取り戻してやった)からに決まってる
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月15日 11:40
          • 仁美め地獄に落ちろ
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月01日 17:28
          • >>8 作者降臨!?
            いい話をありがとう、まどほむ&あんさや派の俺にはドストライクっした!
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年11月12日 23:36
          • 映画のシャルの元の魔法少女と口調が同じじゃねぇか
            すげぇ
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年11月17日 07:01
          • 作者は預言者。
            あるいは織利子。

            間違いない。(シャルさや的な意味で)
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年12月26日 23:18
          • もう一人の鞄持ちもいてびっくりしたんだが
            しかしいい話でした!


            QB「観測装置でも作ってみるか・・・」→叛逆へ
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年02月11日 16:57
          • 何この作者未来から逆行してきたんじゃねぇか・・・かばん持ち二人+キャラが大体あってるって・・・
            どうみてもなぎさちゃんです本当にマスカルポーネ
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年03月07日 08:35
          • この程度で預言者とか……
            預言者も随分楽なお仕事なんですね
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2015年10月11日 06:52
          • なんでSSスレって気持ち悪い批評家が毎回一人くらいは涌いてくるんだろうな

            シンクロニシティなんて確かに珍しくは無いかもしれんが、多少大仰に喧伝する人が居る事くらい、少しは目を瞑ってやれよt…

            …ああ、そうか
            "予"言じゃなくて"預"言と書かれてると、一番有名な一神教を崇める人達の逆鱗に触れちまうのか
            なんにせよめんどくせえ輩だよなまったく…

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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