憂「ていうか、それって私のパジャマじゃん」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:25:20.66 ID:G/VeFvRB0

憂「うっひょぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

憂「やった! やった! やった!」

憂「ついに“私のTシャツ”を、お姉ちゃんに“怪しまれず”一晩着せることに成功した!」

憂「こんなにも私の計画が上手くいくとはっ!」

憂「昨日の夜、お姉ちゃんがお風呂入ってるときに
  こっそり脱衣所にあったお姉ちゃんの着替えと私のTシャツとをすり替えておいたのさ!」

憂「それにまったく気づかないお姉ちゃんも超可愛い!!」

憂「『ていうか、それ私のパジャマじゃん』っていうセリフも
  あたかもお姉ちゃんのうっかりで間違っちゃった感を引き出してて
  真犯人である私の思惑を上手く打ち消している!」

憂「私ってば、超したたか! 狡猾!」



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:27:02.18 ID:G/VeFvRB0

憂「では、さっそく、獲物の品定めを」

憂「なんてったって寝苦しい夏の夜、この脇の辺りは……」

憂「ああっ! やっぱりとってもウエッティ!」

憂「この湿りがいいねと私が言ったから、○月×日はお姉ちゃんTシャツ記念日!」

憂「えへへ」

憂「さて、これをどうするべきか……」

憂「今日の内に着て、お姉ちゃんの湿り具合を楽しむか」

憂「それとも真空パックにして永久保存にしておくか」

憂「な、悩むところだなぁ……」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:30:04.37 ID:G/VeFvRB0

憂「ってか、そんなことに悩まなくったってもう一度、同じことやればいいんじゃ……」

憂「幸いこのOKO(お姉ちゃん、カワイイよ、お姉ちゃん)ブランドのTシャツはまだたくさんある」

憂「だけど、そう毎回上手くいくとも限らない……」

憂「とりあえずこの戦利品は永久保存しておこう」

憂「で、額縁に飾ってと。ホームセンターに売ってるよね」

憂「そうだ! せっかくだからお赤飯を炊こう!」

憂「私の中では国民の祝日にしたいくらいめでたい日だもんね」

憂「そうと決まればさっそく買い物に行こっと」

憂「うふふ、急に今日お赤飯なんて炊いたらお姉ちゃんビックリしちゃうだろうな」

憂「美味しいおかずもたくさん作っちゃお」

憂「この私の喜びをお姉ちゃんにも分けて……」

憂「……」

憂「……あ」

憂「今日、お姉ちゃん、いないんだった……」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:32:57.09 ID:G/VeFvRB0

 真鍋家

和「ほら、ここが繰り上がって、あとはわかるでしょ」

和弟「あ、そっか」

和妹「お姉ちゃん、私の夏休みの友も見て~」

和「はいはい、わかってるわよ」

和弟「だ~め~、今は僕がお姉ちゃんに教えてもらってるんだぞ」

和妹「い~や~だ~! 私もお姉ちゃんに教えてもらいたい~!」

和「こらこら、喧嘩しないの」

   prrrrrrrrrrr…

和「あ、ちょっと静かにしててね、電話だから」

和「もしもし?」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:36:56.42 ID:G/VeFvRB0

憂「の゛~ど~が~ぢゃ~ん!」

和「憂!? ど、どうしたのいったい?」

憂「あのね、お姉ちゃんの汗のね、私の寝間着のTシャツのね
  昨日お風呂入ってるときにすりかえてね、額縁で赤飯炊こうと思ってね
  だけど、この家にはお姉ちゃんの香りがほのかに漂うだけでね」

和「ち、ちょっと。何言ってるのかさっぱりだわ」

憂「だからね、お姉ちゃんが着たTシャツを永久保存してね
  お姉ちゃんの残り湯もペットボトルに何本か詰めてね
  だけど、お姉ちゃん自身の温もりだけは残せなくてね」

和「なるほど、今日唯は軽音部の合宿に行ってて家にいないのね」

憂「私が言うのもなんだけど、よくわかったね、和ちゃん」

和「何年あなたたちと付き合いがあると思ってるのよ」

憂「えへへ」

和「で、私にどうしろっていうの?」

憂「今日は和ちゃんに家に泊まって欲しいなって思って」

和「あいにく、私は忙しいのよ」

憂「そんな……」



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:39:41.54 ID:G/VeFvRB0

和「憂の同級生の友達いたじゃない。あの子に来てもらえるように頼めば?」

憂「純ちゃんは田舎に帰ってて今こっちにいないもん……」

和「そうなんだ、じゃあ私、兄弟の宿題見てあげてるので忙しいから」

憂「待ってよ和ちゃん!」

和「なに?」

憂「あのね……今日、家誰もいないんだ////」

和「異性への誘い文句を同性に言われたところでなんともこないわね」

憂「こんなに可愛い私が言っても!?」

和「自分で何言ってるのよ、あたりまえじゃない」

憂「じゃあもう和ちゃんには頼まないもん!
  折角美味しいご馳走をたくさん作ろうかなって思ってたのに……」

和「行くわ」

憂「和ちゃんも意外と単純だよね」

和「タッパーは持参してもいいのかしら?」

憂「お店じゃないんだし、食べきれなかったら、いくらでも持って帰っていいよ」

和「助かるわ」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:44:28.02 ID:G/VeFvRB0

和妹「あ~ん! 消しゴムとった~!」

和弟「違うって! 借りただけだろ!」

和「こら! 弟と妹! 電話してるから静かにしなさいって言ったでしょ!」

和弟・妹「は~い……」シュン

和「ごめんなさいね、騒がしくって」

憂「ううん、別にいいんだけどね。
  和ちゃんってあいかわらず自分の兄弟のことを『弟、妹』って呼んでるんだね」

和「あら? 別に変なことでもないでしょ?」

憂「いや、結構。っていうか、かなり変わってると思うよ。普通名前で呼ばない?」

和「そうかしら? 憂だって唯のこと『お姉ちゃん』って呼んでるでしょ?」

憂「そうだけど……」

和「だから私も自分の兄弟のことを『弟、妹』って呼んだって何もおかしなことはないわ」

憂「和ちゃんには屁理屈で勝てそうにないから、それでもいいや」

和「うふふ、憂も変なこと言うのね」

憂「……」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:49:08.31 ID:G/VeFvRB0

 ・ ・ ・ ・ ・

和「こんばんは」

憂「いらっしゃ~い」

憂(和ちゃん、今日も青と赤のTシャツだ)

和「手ぶらじゃなんだから、これ」

憂「なになに?」

和「乾燥ひじき」

憂「友達の家へお泊りに来る時に乾燥ひじきを土産に持ってくるっていう発想はさすがだよ」

和「あと、切り干し大根と、ごぼうをささがきしたやつと」

憂「作れってこと? まぁ、材料くれるって言うなら助かるけどさ
  和ちゃんってあいかわらず、そういう渋めな一品系の煮物だったり炒め物好きだよね」

和「それからこの『ごはんですよ』もうこれだけで朝ごはんはいけるわよね」

憂「残念だけど、明日の朝はパンにしようかと思ってて」

和「……そう。まぁ、パンに塗ってもいけないこともないわ」

憂「へぇ~」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:54:19.27 ID:G/VeFvRB0

憂「とりあえず、玄関で立ち話もなんだし上がってよ」

和「おじゃまします」

憂「ど~ぞ、ど~ぞ」

和「いい匂いね」

憂「さっき出来たところなんだ」

和「言ってくれれば、私も早く来て手伝ったのに」

憂「いいのいいの、今日、和ちゃんはお客さんなんだから」

和「そういうことなら、甘えさせてもらうわ」

憂「うん」

和「ところで」

憂「ん?」

和「初潮?」

憂「違うよ」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:55:57.57 ID:oHaHoGjDO

和ちゃんwwwwwwwwwwww



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 21:58:46.18 ID:G/VeFvRB0

和「それもそうよね」

憂「お赤飯=初潮っていう考え方はどうかと思うよ」

和「じゃあなんでお赤飯なの? どうせまた唯に関することで……」

憂「えっと……。和ちゃんが泊まりに来てくれたから、かな」

和「そうなの。憂にとって私が泊まりにくるのがそれほどおめでたいことだったなんて」

和「十年以上の付き合いの中で、これほど嬉しいと感じたことはないわ」

憂「う、うん」

和「ありがとう、憂」

憂「どういたしまして」

和「まさか、憂にここまで想われていたなんて……本当に感激だわ」

憂(本当は、お姉ちゃんの汗染み付きTシャツ獲得記念だなんて言えないし)

和「私はまた、唯が留守なもんだから唯の部屋を色々物色できる前祝いのお赤飯かと思っちゃって。
  確かに憂は重度のシスコンだけど、そこまで酷くないわよね」

憂「……」

和「ごめんね憂。こんなおかしな想像をしてしまった私を許してくれる?」

憂(さすが、長年私たち姉妹と付き合いがあるだけのことはある)



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:04:48.83 ID:G/VeFvRB0

憂「そ、それよりも早く食べようよ」

和「ええ、そうね。それにしても本当に品数多いわね」

憂「がんばっちゃった」

和「これだけ出来るのに、唯専属のコックにするのが勿体無いくらいだわ」

憂「そんなことないよ。お姉ちゃんがいるからこそがんばれるんだよ」

和「あらあら、結局憂は唯にベッタリなのね」

憂「だって、お姉ちゃんの美味しそうに食べる顔、すごく可愛いんだよ!」

和「まぁ、それは私もわかるわ」

憂「でしょ!」

和「あの子にはいつもお弁当のおかずを取られちゃってるし」

和「でも、本当に美味しそうに食べてくれるのよね。
  そのお弁当だって私が作ってるから、それだけ美味しそうに食べてもらえるなら悪い気はしないわ」

憂「うんうん、だよね~」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:06:42.62 ID:G/VeFvRB0

和「だから、一回わざと糞不味いお弁当作って持っていったのよ」

和「そんなこととも知らずに唯はいつものように私のお弁当のおかずを摘んだの」

和「でも、あの子『美味しい美味しい』って馬鹿みたいな顔して喜んで食べてたのよ」

憂「……」

和「唯は味覚障害かもしれないわ」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:09:48.07 ID:G/VeFvRB0

憂(い、言えない……。私も前からそうじゃないかなって思ってたなんて)

憂(滅多にないけど、味付けに失敗した料理はお姉ちゃんに押し付けてるなんて。言えないよ……)

和「あと、若干頭の方も大きな病院で診てもらった方が」

憂「も、もう! 和ちゃん!」

和「うふふ、冗談よ冗談」

和「さすがにそんな不味いお弁当をわざわざ作って持って行くわけないわよ。
  なにより、私が食べる分も無くなっちゃうし」

憂「えっ!?」

和「えっ? 何か私変なこと言ったかしら?」

憂「う、ううん。なんでもないよ」

憂(お姉ちゃんが味音痴なのは私だけが知ってるお姉ちゃんの秘密なんだ////)



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:13:03.45 ID:G/VeFvRB0

和「それにしても、さすがにこれだけの量は食べられないわね」

憂「まだあと、ちらし寿司とピザもあるよ」

和「憂が料理上手いのはいいけど、その組み合わせはどうも納得できないわね」

憂「そう? だってどっちも美味しいよ」

和「そうでしょうけど、普通、ちらし寿司とピザは別々に食べたいわ」

憂「お姉ちゃんだったら喜んでくれるよ?」

和「世間は唯中心で回ってるわけじゃないのよ?」

憂「まぁ、地球は回ってるもんね。仕方ないよ」

和「どうも、唯のことになると憂とは話が噛み合わなくなることがあるわ」

憂「それだけお姉ちゃんが魅力的だってことじゃないかな?」

和「そうね」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:15:30.85 ID:G/VeFvRB0

憂「あ、そうだ!」

和「どうしたの?」

憂「和ちゃんが折角来てくれたんだから、和ちゃんに勉強教えてもらいたいなって」

和「そんな、唯じゃないんだから。憂だったら充分今の勉強についていけてるでしょ?」

憂「中学の勉強はね。でも、さすがに高校の範囲になってくると難しくって」

和「あなた中学生じゃない」

憂「お姉ちゃんは高校生だよ」

和「憂が言おうとしてることが、なんとなくわかったわ」

憂「さすが和ちゃんだね! 飲み込みが早い」

和「妹に勉強教えてもらってる姉を親友にもって、私も誇らしわ」

憂「そんな、お姉ちゃんのこと誉めすぎだよ~」

和「憂こそある意味どこかの大病院にかかった方がいいのかもね」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:18:53.09 ID:G/VeFvRB0

 ・ ・ ・ ・ ・

和「もうお腹いっぱいだわ。ご馳走様でした」

憂「お粗末さまでした」

和「さて、残り物はさっそく詰めさせてもらうわね」

憂「……どうぞ」

和 サッサッ

憂(なんか手際がいいなぁ)

和 サッサッ

憂「じゃあ、私洗い物済ませちゃうね」

和 サッサッ

憂「必死だな」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:20:58.60 ID:G/VeFvRB0

和「あ、ごめん、何か言った?」

憂「ううん、洗い物するねって言っただけだよ」

和「そう。私はまた、憂が私に対して哀れみの一言でも発したもんだと思っちゃって」

憂「ついつい言ってしまった失言を、あえて気づかない振りをするってのも優しさだよね」

和「そう思うわ」

和「さて、詰め終わったことだし、私も洗い物を手伝うわね」

憂「いいよ、お客さんなんだからゆっくりしてて」

和「でも……」

憂「そのかわり、しっかりと家庭教師お願いします」

和「わかったわ。厳しくいくから覚悟しててね」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:24:43.20 ID:G/VeFvRB0

 ・ ・ ・ ・ ・

和「で、なんで唯の部屋で勉強してるの?」

憂「だ、だってね、私の部屋の机じゃ二人で勉強しづらいし」

憂「お姉ちゃんの部屋ならこうやってテーブルがあるから」

和「だったらリビングで勉強すれば……」

憂「平沢家の決まりで勉強はみんなが平等に寛ぐリビングではしないって決まりがあるの!」

和「そんな空想家訓を作ってまで唯の部屋で勉強したいのなら止めることはないわ」

憂「和ちゃんがものわかりのいい人でよかった」

和「親友の妹が己の欲望に忠実なのはあまりよろしくないけどね」

憂「そうなんだ、じゃあ私、何か飲み物持ってくるね」

和「そうね、私もそうやっていつも唯の戯言はスルーしたりするわ」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:27:03.64 ID:G/VeFvRB0

 ・ ・ ・ ・ ・

憂「おっねっえっちゃんのへっやで~♪」

憂「のっどっかっちゃんと、おっべんっきょう~♪」

憂「お姉ちゃんが留守なのは寂しいけど、その分、久しぶりに和ちゃんに甘えちゃお」

憂「お待たせ~♪」ガチャ

和「えらくご機嫌ね」

憂「だって、和ちゃんと二人っきりなんてあんまりないから」

和「そうね、いつもは必ずと言っていいほど唯がいるものね」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:29:39.13 ID:G/VeFvRB0

憂「だから、たまにはこうやって和ちゃんと過ごすのもいいかなって」

和「あら、意外ね。私がいても唯がいなきゃ駄目なんじゃないかと思ってたけど」

憂「お姉ちゃんとは離れて気づく大切さみたいなものを実感するのもいいかなって」

和「まるで遠距離恋愛中の恋人みたいなこと言うのね」

憂「障害があればあるほど燃え上がるんだよ!」

和「私のことを障害あつかいにしてない?」

憂「オレンジジュースでよかった?」

和「そんな無視のしかたも嫌いじゃないわ」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:33:19.78 ID:G/VeFvRB0

憂「はい、和ちゃんはサンキストオレンジみたいなハイカラなやつじゃなくって、昔ながらのポンジュースだね」

和「あぁ……、水で薄めていない100%ポンジュースは久しぶりだわ」

憂「?」

憂「どうぞ……って!? ああっ!?」

    ガシャン!!

憂「ご、ごめん! 和ちゃん! 手が滑っちゃって」

和「大丈夫だから、とりあえず拭くもの持ってきてもらえる?」

憂「う、うん! すぐ持ってくる!」

和「お願いね」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:35:50.38 ID:G/VeFvRB0

憂「うぅっ……、なんだか、はしゃぎすぎちゃった……」

憂「和ちゃん、服までべっちょりだったし……」

憂「とにかく、早く拭くもの持って行かなくちゃ!」

    ガチャ

憂「ごめんね、和ちゃん。お風呂ももうすぐで沸くから」

和「ええ、気にしてないわ」

憂「!?」

憂(な、なんで和ちゃんがお姉ちゃんの汗染み付きTシャツを着てるのっ!?)

和「どうしたの?」

憂「そ……そのTシャツ……」

和「ああ、もう服までベッチョリだしベトベトだったから
  この唯のベッドに広げてあったTシャツにとりあえず着替えさせてもらったわ」

憂(そ、そうだ! あの国宝級のTシャツは更なる価値を高めるために
  一晩お姉ちゃんのベッドに寝かせて、お姉ちゃんの匂いを染み込ませようとしてた最中だった!)



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:39:59.91 ID:G/VeFvRB0

和「さすが100%のポンジュースね、ベトベト具合も半端じゃないわ!」

憂「あ……あぁ……」

和「それに、このTシャツ、唯が昨晩着てた寝間着よね?」

和「あの子、昔から寝汗が凄いからまだちょっと湿ったままね」

憂「!?」

和「これじゃあ、あまり着替えた意味が……」

憂「うわぁぁぁぁぁ!!」

和「ちょっ!? 憂!? どうしたの!?」

憂「お願い! 和ちゃん! 今すぐ脱いで!!」

和「えっ!? やっ! やめて!」

憂「刻一刻と価値が! そのTシャツの価値がっ!!」

和「な、なんなの!? ちょっと!?」

憂「バンザーイしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

和「嫌よ! 脱がせる気でしょ!」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:44:38.74 ID:G/VeFvRB0

憂「だったら力尽くでぇーっ!!」

和「あ、あなた本当に今日は家に誰もいないからって私を誘惑してたの!?」

憂「お姉ちゃんよりおっぱいが大きいから引っかかって脱がしにくいよぉぉぉぉ!!」

和「私がナイスバディなのは認めるわっ!! だから落ち着いて!」

憂「これが落ち着いていられるかぁぁぁ!!!!」

和「い、いやぁぁぁぁぁっ!!」

憂「口では嫌がってても、体は正直やでー!!」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:49:08.45 ID:G/VeFvRB0

和「わかった! わかったから!」

憂 フンス!! フンス!!

和「お願いだから……優しく、して」

憂「!?」

和「自分で脱ぐから……あまり、乱暴にしないで……」ヌギヌギ

憂「和……ちゃん……」

和「そ、そんなに見ないで……////」

憂「き、綺麗……」

和「そ、そうなんだ//// じゃあ、明かり消すね////」

お姉ちゃん一筋だった私ですが
このときだけは彼女のことが喉から手が出る程欲しくなってしまったのです




『のどか』だけに……



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:52:58.97 ID:bx1od7NQO

えっ



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:55:16.52 ID:G/VeFvRB0

──────
────────────
──────────────────

唯「なんてことになってたりして」

律「んなわけないだろ」

澪「自分の妹と幼馴染をなんだと思ってるんだよ」

紬「でも、ありじゃない?」

律「ねーよ」

唯「まぁ、和ちゃんはまだしも憂はちょっとおかしいところがあるよ」

澪「あんなに出来た妹じゃないか」

唯「寝間着の件だって本当は私気づいてたもん」

紬「すり替えられているってことに?」

唯「そう。だけどわざと気付かなかったのは、私からのささやかな贈り物なんだ」

唯「私の寝汗が染み付いたTシャツという名のね」

唯「今まで憂が私のために頑張ってくれたお返しなんだ」



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 22:58:41.08 ID:G/VeFvRB0

澪「にわかに信じがたいな」

律「あれだけ世話好きだったら、それだけ変態でも私ならOKだけどな」

紬「むしろ、特典よね?」

唯「今頃、憂は私が着たTシャツを使って一人であんなことこんなこと」

澪「へ、変なこと言うなっ!」

律「あれあれ? 澪さんはそのあんなことこんなことがどんなことかわかると?」

澪「そ、それは……さっきの話の流れからいくと……」

唯「洗濯とかだよ! なんてったって憂は綺麗好きだから!」

澪「……」

紬「大丈夫よ、澪ちゃん! 私も澪ちゃんと同じようなこと思ってたから!」

律「その励まし方もどうかと思う」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:00:50.17 ID:G/VeFvRB0

澪「と、とにかく! 明日の午後にはもうここを出なきゃいけないんだから
  早く寝て明日に備えないと」

律「そうそう! 早く寝て、また明日も朝から海水浴!」

唯「おーいえー!」

澪「練習だ! 結局ここに来てからまともに練習してないだろっ!」

紬「もう、寝ちゃうの?」

澪「ムギは日中あれだけはしゃいで眠くないのか?」

紬「だって、夜にこうやって友達同士でお話するなんて滅多にないから」

律「よ~し! じゃあ、今日は寝ずに話尽くすぞ~!」

紬「うん! ずっとお話しよ~」

澪「お、おい。ちょっと」

律「いいじゃん、ちょっとくらい~」

澪「じゃなくて……」

唯「ZZZzzzzz……」

律「寝付き良すぎだろ」



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:03:27.13 ID:G/VeFvRB0

 翌日

唯「あ~、合宿楽しかったなぁ~」

唯「……とはいうものの、やっぱり憂は寂しかったよね」

唯「今日は、多少変なところ触られてもたっぷり憂とスキンシップしよっと」

    ガチャ

唯「憂~! たっだいま~!」

憂「お姉ちゃんお帰り!」

唯「ごめんね~憂、一人で寂しかったでしょ?」

憂「……そのことなんだけどね」

唯「ん?」

憂「お姉ちゃんにお話があって……」

唯「話?」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:04:21.51 ID:G/VeFvRB0

和「唯、お帰り」

唯「あ、和ちゃん来てたんだ」

和「ええ」

唯「で、話って?」

憂「う、うん。あのね……」

和「それは私から言うわ」

唯「?」

和「これからは唯のことを『お義姉さん』と呼ばせてもらうわね」

憂「////」

唯「……え?」


  おしまい



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:13:33.92 ID:LxyreHx4O

おい



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:32:12.16 ID:Q4py+xQX0

唯憂を期待したオレの気持ちを返せ…



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 23:35:59.96 ID:PKWg3e290

久しぶりに面白かった



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/10(日) 00:12:09.18 ID:lko6VAcv0

まあ、唯憂好きだけどこういうのもアリだと思うよ乙



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         コメント一覧 (6)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月11日 09:50

          • いいオチだった。
            話も良かったし、キャラが引き立ってたね

            ただ、
            エロシーン期待してたのに
          • 2. 名無し
          • 2011年04月11日 09:57
          • のどから手が出る……



            ……えっ?
          • 3.
          • 2011年04月11日 10:14
          • 4 これ面白かったけど和の貧乏設定だけはどうも釈然としない
          • 4.
          • 2011年04月11日 10:54
          • このくらい毒のある憂ちゃんが丁度いいなぁ
          • 5. 名無し
          • 2011年04月11日 11:50
          • ありだな
          • 6. 以下エレ
          • 2011年04月11日 19:17
          • いや唯なんていらんから。和を出してくれた。それだけで充分なんです。

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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