妹「兄貴。私、告白されたんだけど……」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:15:49.54 ID:lmzFxVpa0

妹なんていない方がいい。



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:16:01.52 ID:4xQFQ9ZR0

は?



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:16:06.27 ID:rgpAY7zO0

か?



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:16:23.70 ID:DGlxHIE20

た?



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:16:58.19 ID:d6Cu1EZ90

の?



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:17:18.60 ID:VjS+UXoe0

し?



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:17:27.25 ID:O8lHjYRG0

お?



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:18:04.15 ID:lmzFxVpa0

それも、とびっきり美人で性格が良くて、
兄のことを疎むこともなく、会話が合う妹なんて、
なおさら、いない方がマシなのだ。

仮に、誰もが羨む程の綺麗な妹がいたとしても、
元を辿れば、所詮は同じ両親の精子と卵子から出来ているわけで、
そこには絶対的な血の繋がりがある。

風呂場で偶然、裸の妹を見たところで、
その日のおかずになるわけもない。

結局、妹とは、性別は女であるものの、
兄からすれば異性の対象にはなりえない。



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:19:29.46 ID:lmzFxVpa0

それは、妹を持っている同胞ならば、
誰もが理解できる周知の事実だと思う。

で。

そんな俺にも妹が一人いる。

それも……
よく出来た、いや、出来過ぎた妹が。

---†



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:28:53.90 ID:lmzFxVpa0

妹「兄貴、入っていい?」

学校から帰宅後、すぐさま部屋のベッドに直行していた俺は、
扉の向こう側から聞こえる妹の声で目を覚ました。

男「ん……いいぞ」

瞼をこすりながら、ゆっくりと起き上がる。

「ありがとう」という小さな声の後、
斜向いにある扉が控えめに開いた。

妹「あっ、もしかして、寝てた?」

目の前に現れたのは、見慣れた短髪の少女。
もちろん、俺の妹。



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:47:42.34 ID:lmzFxVpa0

男「……ああ」

その美貌に一瞬見とれてしまい、
自然とくぐもった声になった。

妹「ごめん、私が起こしちゃったか」

男「いや、構わない。で、何の用だ?」

妹「パソコン」

「借りたくて」と彼女は続ける。
ああ、そういうことか。

妹「いいかな?」

男「別にいい。というか、いつも言ってるだろ?」

妹「ん?」

パソコンの前に座った妹が振り向いた。



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:48:58.21 ID:lmzFxVpa0

男「お前の部屋にもあるんだから、そっちのを使え」

妹「だから、使えないんだって」

男「は? 確か、新品だろ?」

妹が高校に入った祝いとして、彼女に、
父親が最新仕様のノート型パソコンをプレゼントしたはずだ。

壊れるにしてはまだ早い。

妹「設定できない」

男「ああ……」

その一言で全て納得がいく。
確かに、妹は大の機械音痴だった。

仕方ない。



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:49:58.91 ID:lmzFxVpa0

男「今度、俺が設定しといてやるよ。なんなら、今やってやろうか」

妹「いや……」

男「ん?」

妹「兄貴のパソコンがネットに繋がってるんだし、別に構わないよ」

男「構わないって、お前……」

ネットの設定など数分以内に簡単に出来る。
そんなことより、
自分の部屋でネットが出来た方が便利だと思うのだが。

けれど、彼女は上目遣いでこちらを見つめて。

妹「兄貴は嫌か?」

男「…………」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:59:26.73 ID:lmzFxVpa0

妹「迷惑って言うなら、そうして貰った方がいいか」

男「いや」

妹「ん?」

男「お前がこれでいいなら、構わない」

妹「そうか」

そう言って、彼女は微笑む。

そんな妹の笑顔を見て、心底、満足してしまうところ、
今後も、彼女に勝つことは出来ないのだと思う。

結局のところ、
俺は今の関係に満足しているのだろう。



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:08:10.48 ID:lmzFxVpa0

彼女も俺のことを慕ってくれているようだし、
俺自身も彼女をかけがえのない存在だと思っている。

同じく妹を持つ友人がよく言う「仲のいい兄妹なんて幻想さ」
という言葉は、俺には当てはまらない気がする。

現状は、だけれど。

妹は、パソコンに向かって、未だ何か調べ中のようだった。
そんな様子を横目で伺いながら、
俺は、もう一度、ベットに横たわる。

何を調べているのだろうか。

そんな好奇心がむくむくとわき上がってきた頃、
背を向けた彼女が、小さく言った。

妹「そうだ。兄貴はさ、彼女、出来た?」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:18:00.24 ID:lmzFxVpa0

男「……は?」

思わず聞き直してしまった。

妹「だから、彼女」

男「知ってるだろ。俺がモテないことぐらい」

妹「なら告白したことは?」

男「……ない」

妹「告白されたことは?」

男「もちろん、ない……」

妹「なんだよ、それ」

言われずとも、我ながら悲しい現実ぐらい、
きちんと認識出来ている。



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:22:36.95 ID:lmzFxVpa0

彼女はあきれたような面持ちで、
俺の方へ振り返った。

男「おい、俺をそんな目で見るな」

けれど、いまだ、妹はニヤニヤ笑い続けていた。
今度ばかりは、その美貌が鼻につく。

妹「今まで何やってたんだよ」

男「違う」

妹「何が?」

男「何もしなかったから、こうなったんだ」

妹「それ、威張って言うことかな……」

男「あーもう、うるさいぞ」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:27:24.34 ID:lmzFxVpa0

男「綺麗なお前とは違って、平凡な男子高校生は気弱なんだ」

男「草食系男子って知ってるか?」

男「俺はまさしくそのベジタリアンって訳だ」

妹「何だよそれ」

けらけらと彼女は笑う。

俺もそんな妹の姿を見ていると、次第におかしくなってきて、
最終的には、一緒に笑い合っていた。

妹「もう、兄貴も頑張れよな」

妹「顔に自信がないのかもしれないけど」

妹「妹の私から見て、兄貴って、結構、イケてると思うからさ」

男「嘘じゃないだろうな?」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:31:39.88 ID:lmzFxVpa0

妹「今日は何日か知ってる?」

四月二日。

男「エイプリルフールではないのは確かだ」

妹「なら、そういうこと」

男「……ふん」

遠回しで、はっきりと言わないところが、妹らしい。

けれど、妹に励まされる兄って、
女子的にはどうなのだろうか。

母性本能がくすぐられるとか、よく言われてはいるけれど、
やはり、男に求められるのは、包容力のような気がする。

もちろん、俺には……なさそうだ。

男「一ついいか」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:37:04.54 ID:lmzFxVpa0

妹「彼女を紹介してって言うのは、なしな」

男「ええと……」

いや、それも実のところ、アリか……?
二個下……うん、全然いける。

妹「目がマジだな……」

男「違う違う」

本当に聞きたいことは。

男「で、お前はどうなんだ?」

妹「え?」

男「実は、今、彼氏とかいるのか?」

妹「いや、いない……」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:38:03.76 ID:lmzFxVpa0

男「なら、告白したことは?」

妹「ない」

男「告白されたことは?」

妹「…………」

そこで、なぜか、沈黙。
ということはつまり──

男「え?」

妹「兄貴……」

妹「私、今日、ガチの告白されたんだけど」

妹「どうしようか?」

口を開いたまま、呆然としてしまったのは、
当然のことだった。

---†



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 22:50:09.74 ID:lmzFxVpa0

冒頭に戻ろう。
 
結局、とびっきり美人で性格が良くて、
その上、兄のことを疎むこともなく、
会話が合ったとしても、妹なんて、いない方がいい。

どんなに仲がいい兄妹だったとしても、
未来永劫、共に暮らすなんてことはあり得ない。

時期がくれば、互いに恋をし、家を出て、
運が良ければ結婚する。

可愛く、大事にしていた妹も、
どこぞの馬の骨とも分からん男に奪われてしまう。

そんな悲しみを覚えるくらいなら、妹なんて初めからいない方がマシだ。

今、まさに俺はその心境だった。



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:04:59.78 ID:lmzFxVpa0

話は変わるが、我が家には父親がいない。

いや、だからこそ、俺は妹にとって兄として、
時には父親として接してきたつもりだった。

家にいる男は、俺だけ。

何かあった時には、自分が母親と妹を守るのだと、
幼少期から固く誓って、ここまでやってきた。
今もそれは変わらない。

まあ、最終的には、こう頼りない男になってしまったわけだが。
 
ちなみに我が家の母親、ママンは元女優である。
もちろん、いかがわしいものではない。

昔はテレビのドラマで、
ヒロインを演じるほどまでに人気があったという。



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:07:37.75 ID:lmzFxVpa0

酒を飲んで気分絶頂の母に、
かつての自慢話を何度も聞かされたものだ。

今は、銀座の一角で飲み屋の経営を任されている。

収入は、女性にしては割といい方だ。
いや、もちろん、
女性蔑視の発言という訳ではないので、あしからず。

そんなわけで。

元女優。

現在は一家とバーの両者で“ママ”の名を持つ、
俺たちの母親が帰宅なさった。



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:16:56.51 ID:FeT1n6pX0

SSなのかそうじゃないのか分からないんだが



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:51:50.58 ID:7CeHQe/20

>>33
どういう意味



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:56:35.44 ID:lojVV8NY0

>>39
SSは会話文だけのものだと思ってるんだろ



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:27:25.63 ID:lmzFxVpa0

母親「一家の主が帰ったぞぉー!」

日がとっくに暮れた深夜、明らかに酒に酔った、
呂律の回らない声が家の中に響き渡った。

俺は心の中でため息をつく。

どうやら今日は、“怒”の日らしい。

母親「おーいっ! 出迎えはないのかっ!?」

こんな時間だ。
明日が早い妹は既に夢の中だろう。

つまり言えば、今日もまた、
俺が母親の相手をしなければならないわけで。

男「おかえり」

母親「ん、ただいま」

玄関でへたれ込み、化粧がとれかかっている母親は、
廊下に立つ俺の姿を見つけて、にっこりと笑った。



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:44:47.99 ID:lmzFxVpa0

母親がリビングの椅子に座り、
水を飲んでいる間、
俺は彼女の分の料理(妹が作っている)をレンジで温める。

綺麗にラップされた各品々は、
見るからに俺が母親のために温めることを想定されているかのように、
しっかりと準備されていた。

俺が台所にいる間の母親と言えば、黙って水を飲んでいればいいものの、
今日、店に来た客は、
あまりに糞で、糞すぎで、糞なんだと、必死に愚痴り続けている。

俺はそれに対して生返事を続け、
準備を淡々と進めた。

あらかた用意が済んだ後、食事をテーブルへ運び、
彼女が今度こそ黙って、料理に手をつけ始めたのを確認してから、
対面の椅子に深く座り込んだ。



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:45:34.76 ID:lmzFxVpa0

母親「ふむ、おいしい」

嬉しそうに娘の作った料理を頬張る姿は、
なんだか少女のようだった。

母親「んー、料理の才能は誰から受け継いだんだろうな」

男「母さんじゃないことは確かだ」

俺がそう言うと、彼女は顔を顰める。

母親「うるさいぞ」

男「でも母さん、自分で言ったんだろ」

母親「自分で言うのはいいんだ。人に言われると、腹が立つ」

めんどくさい性格だ。



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 23:49:00.82 ID:lmzFxVpa0

母親「で」

男「ん?」

母親はそう言って、一旦、箸を置いた。

母親「なにか、ひどく話したそうな顔をしてるな」

母親「構わない。早く言え」

男「…………」

恐ろしい程の勘のよさ。そして、即決。
この親にして、あの娘ありだ。

母親「早く」

男「妹がさ」

母親「ん? あの娘のことか?」

男「今日、告白されたんだって」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 00:41:10.90 ID:lJAriXit0

母親「「ふーんあの子がね」

母親がゆっくり箸を机に置いた。

母親「あんたはどう思うのさ」

男「どんな相手かも知らないのに」

俺の言葉を遮るように、
彼女は俺の回答の見当違いを指摘する。

母親「あの子に彼氏ができることに対してだよ」



今日一日このIDでいると思うと重荷だな



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:06:26.66 ID:lJAriXit0

俺は咄嗟に言葉が出なかった。
妹に彼氏、それは俺の問題ではなく、
妹自身の問題だと思い込んでいた。

男「俺は・・・関係ないかと」

母親「お前あいつの兄貴だろ?」

言葉が出ない。

母親「なんでその事を私に話そうとしたのか、もう一度考えな」

そういって食事の続きを始めた母に、
俺は言葉を発する事ができなかった。



いや俺>>1じゃねーし



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:19:46.20 ID:lJAriXit0

朝、今日は土曜日である。
寝惚けながらも俺の脳は曜日を把握し、
二度寝をしようと思ったが、ふと、視界に妹が入る。

妹「あ、起こしちゃった?」

男「こんな時間に・・・パソコンか?」

妹「うん・・・昨日良いって言ってたじゃん」

体を起こし、時計を見る。
八時ちょうどくらいだった。

男「告白されたんだっけか?」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:23:46.92 ID:lJAriXit0

妹「・・・うん」

男「で、なんて答えたの」

妹「逃げて来ちゃった」

妹はキャスターいすの上で、
膝を抱えて目をそらす。

男「おま、逃げてきたって」

妹「だって、なんていえばいいかわかんないんだもん」

男「そいつはどんな気持ちでお前に告白したかわかるか?」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:31:49.27 ID:lJAriXit0

妹「兄貴はわかるの?」

妹「告白した事無いのに?」

彼女の口から、
繰り出される言葉。
俺は言い返せない。

妹「じぶんの気持ちもはっきりしないのに」

妹「相手にはっきり答えるなんて無理だよ!」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:38:24.39 ID:lJAriXit0

妹の気持ち。
彼女の気持ちとは一体何なのか。
罵声にも似た言葉の中で、
俺は冷めた気持ちでふと考える。

妹「聞いてんのか?」

我に還る

男「聞いてるよ、でも相手に失礼だろ?」

やっぱり聞いてなかったじゃん。
そう言って彼女は俺の部屋から出て行った。



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:45:05.20 ID:lJAriXit0

妹「兄貴は嫌か?」
妹「そうだ。兄貴はさ、彼女、出来た?」
妹「妹の私から見て、兄貴って、結構、イケてると思うからさ」

昨日の妹の態度。
そこからの報告。

あいつは俺に何を求め
どうして欲しかったのか

母親「なんでその事を私に話そうとしたのか、もう一度考えな」

そしておれはどうしたかったのか



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:45:07.39 ID:CaSJ9orY0

時々入る「†」は何?
俺のipodだと十字架みたいな記号なんだけど



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:54:08.14 ID:lJAriXit0

母親は寝てる。
考えなと言われた以上、
もう相談する事はできない。

妹のあの濁し方。
何か隠している。
好きな人がいるのか、
そうだとしたらはっきり断るだろう。あいつなら。

妹「じぶんの気持ちもはっきりしないのに」

好きかはっきりしないのだろう。
しかし、誰を?



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 01:57:08.50 ID:lJAriXit0

妹の部屋のドアの前に立つ。
さっきのことで機嫌を悪くしているだろう。
ノックをする右手が重い。

妹「何してるの?」

後ろから声をかけられる。不意打ちだ。
部屋ではなく、
リビングに飲み物を取りに行っていたらしい。

男「いや、さっきの事で」

妹「部屋は入れないんだけど」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:00:32.20 ID:lJAriXit0

どこうとする俺に彼女が言う

妹「用があるなら早く入ってよ」


妹の部屋に入るのは久しぶりだった。

妹「あんまじろじろみんな・・・何の用?」

男「さっきの事、ごめんな」

別に良いよ。そういって一口、
飲み物を含む。

男「それでなんだが」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:05:31.34 ID:lJAriXit0

男「お前、好きな奴がいんのか?」

妹の表情が変わった。
鈍い俺でもそれくらいの事はわかる。
これほど顔のいい妹だ。
周りの男が放って置くはずが無いだろう。

妹「そ、それは兄貴に関係ないだろ」

男「じゃあその人に気持ちを」

妹だったらふられることも無いだろう。
これほどのいい子はなかなかいない。



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:10:55.09 ID:lJAriXit0

妹「だから!関係ないだろ!」

半泣き。俺はうろたえる。

妹「どうしようも無い事なんだ!」

嗚咽をこらえた口から、頼りない言葉。

妹「好きになっちゃいけない!好きになるはずないのに!」

妹の手元にあったクッションが飛んでくる。
避けない、避けちゃいけない気がした。

うなだれ、膝の上で拳を握る妹。
肩が震えていた。

妹「もう用済んだでしょ?」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:20:40.08 ID:lJAriXit0

男「俺は」

男「俺はお前の事とても大事に思ってる」

妹「?」

男「妹、娘に近いかもしれないけど、わかんね」

男「俺はお前の事好きだよ」

妹「・・・」

男「だから、自信持てよ」

納得いかないような、照れているような。
そんな表情を見せないようにしているのか。
うつむいた妹が、小さくうなずいたような気がした。



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:29:37.99 ID:lJAriXit0

中々顔をあわせてくれない日々が、続いた。
しかしそれも段々と、平穏に戻っていく。
平穏なのか。
母親も、そんな俺たちに、
気がついていたのだろうが、
しかしいつも通りだった。

あれから一週間がたった頃、
俺たちの関係は元通りになった
かのように思えた。

帰宅し、部屋に入ると妹がいた。



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:38:19.16 ID:lJAriXit0

妹「えへへ」

相変わらず俺のいすの上で膝を抱えて座っている。

俺「また勝手に」

妹「いーじゃん兄妹なんだしさ」

妹「それとも」

男「?」

いたずらっぽい笑顔で言う。

妹「兄妹だから?」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:46:13.29 ID:lJAriXit0

妹は例の彼を丁寧に断ったらしく。
後腐れも無いようだ。
そんな人付き合いができる彼女を、
俺は誇りに思う。

以前以上に、俺の部屋に遊びに来て、
いらん報告から、進路の相談まで。
仲は良くなった。
恋愛の相談だけは未だに無いのだが。



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:55:25.22 ID:lJAriXit0

どうして妹が俺に、
告白された事を相談したのか。
もうそんなことはどうでもいい。

妹「まだ彼女できないのか?」

いない。あたりまえじゃないか。
そういうとやはりニヤニヤ笑う。
以前より少し嬉しそうだ。

たまにはノってやろう

男「そんなに俺のことが憎いか!」

妹「まさか!」

わざとらしく驚いた顔

妹「大好きだよ、兄貴!」




おわり



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 03:02:51.79 ID:6NVr3Jg90

>>77が見えない



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 02:58:21.85 ID:CaSJ9orY0

終わったか

おつんつん



84: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2011/04/03(日) 03:13:40.83 ID:xMvTNgxA0

まだ終わるような時間じゃない



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 03:14:07.98 ID:lJAriXit0

あー妹欲しいわ



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 03:24:03.77 ID:7Ye4w+/Q0

どうして俺には妹がいなかったんだろう



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/03(日) 03:34:17.59 ID:GCfVTfqTO

今のキミなら理想の妹を創ることができるよ!



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         コメント一覧 (12)

          • 1. gonieru
          • 2011年04月06日 17:03
          • 兄いいな~こんな感じの年が近い妹がほしいわ
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月06日 17:48
          • 妹にノートパソコンあげた親父はどこに?
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月06日 17:52
          • そりゃお前別の意味の「パパ」だろうが
          • 4. リペア
          • 2011年04月06日 21:29
          • 妹ェ・・・

          • 5. 名無しさん
          • 2011年04月06日 22:17
          • こんな妹なかなかいないぞ
          • 6. し
          • 2011年04月07日 01:52
          • 2こ下の妹いるが、現実はこんなに甘くない...
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月07日 04:21
          • >>2から>>7は
            よく訓練された連中だ
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月07日 16:54
          • 俺の妹と是非交換してくれ
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年04月08日 13:23
          • 何か消化不良な気分だ
          • 10. か
          • 2011年04月14日 18:16
          • 俺も妹と仲良くしたい・・・
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年12月15日 18:08
          • オ○ニー過ぎて気持ちわるい
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年12月22日 00:44
          • はかたのしおで満足した

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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