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蝉「この涼宮ハルヒってのを殺ればいいんだな?」【前編】

蝉「この涼宮ハルヒってのを殺ればいいんだな?」【前編】
蝉「この涼宮ハルヒってのを殺ればいいんだな?」【後編】
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:04:28.42 ID:jYINSS8u0

蝉 vs 朝倉
鯨 vs 長門
槿 vs 古泉



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:18:43.84 ID:jYINSS8u0

蝉「なんだよ、ただの女子高生じゃねーか」
蝉「なんで俺がこんな奴を殺さなきゃいけねーんだ!おい、岩西!」バンッ
岩西「うるせぇな、お前は…いちいち文句言ってるヒマがあんなら、
   さっさと仕事に行ってさっさと終わらせて土産買ってこい」
蝉「ちっ、偉そうに命令すんな!」

バタンッ……

蝉「…ったく、何様のつもりだよ、岩西の野郎。俺はてめーの操り人形
  じゃねえっての」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:21:41.12 ID:jYINSS8u0

蝉「…西宮北高校?ここに通ってんのか。日のあるうちはダメだな。
  夜になってから、適当な場所で済ませるか…」



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:22:58.47 ID:UfP/AgECO

グラスホッパーか

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404725049X/2logelephant-22/

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:25:06.25 ID:FZ6Zvoub0

とりあえず元ネタを教えてくれ



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:34:14.53 ID:LKV0YMa70

>>8
サンデーでやってた魔王って漫画
全10巻

前に少し読んだけどおもしろかった

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091217192/2logelephant-22/

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:32:21.31 ID:jYINSS8u0

元:伊坂幸太郎の小説「グラスホッパー」
コミック化もされており、サンデーの漫画「魔王ジュブナイルリミックス」
にも何人かの登場人物が出てきている。

グラスホッパー (角川文庫)

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:35:24.16 ID:LKV0YMa70

>>11
原作は小説なのか
知らんかった

俺恥ずかしいなオイ



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:37:11.27 ID:jYINSS8u0

長門「」パタン
ハルヒ「ん、よし!今日の団活はここまで!明日も遅れずに集合しなさいよ!
    それじゃ、みくるちゃん。部屋の鍵、よろしくね!」
みくる「わかりました~」

キョン「長門、それ、何読んでんだ?」
長門「………」スッ
キョン「『罪と罰』…?随分とまた、難しげな奴だな」
長門「読みたければ、私が終わった後に貸す」
キョン「いや、やめとく」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:42:02.42 ID:jYINSS8u0

キョン「それにしても、冷え込んできたな…」
古泉「それでは、お先に失礼します」
キョン「ああ」

ポツ……

キョン「ん?」

ポツポツ……
ザアアアッ………

キョン「うわ、降り出してきやがった」
ハルヒ「ちょっとキョン!あんた、傘持ってない?」
キョン「待ってろ。玄関に置き傘が…」

ピカッ!

みくる「ひゃあっ!」
古泉「雷が光ったようですね」
キョン「おいおい、天気予報じゃ晴れだったはずだが…」
ハルヒ「キョン!早くしなさい!」
キョン「わかったわかった。そう急かすな」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:46:16.20 ID:jYINSS8u0

ザアアアアアア………

キョン「当然のことだが、一本しかない」
ハルヒ「言わなくても分かってるわよ。二人で差しましょ」
キョン「ああ」

みくる「涼宮さん、キョンくん、また明日~」
長門「また…」
ハルヒ「二人とも、気をつけてね」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:50:14.33 ID:jYINSS8u0

キョン「大雨だな」
ハルヒ「そうね。ちょっとキョン、もう少しそっち寄りなさいよ。雨に
    濡れちゃうじゃない」
キョン「無理を言うな。こっちもギリギリなんだ」
ハルヒ「はぁ…。あたしも傘、持ってくればよかった」
キョン「お前も置き傘しておけばいいじゃないか」
ハルヒ「いやよ!盗まれたくないじゃない」
キョン「俺は一度も盗まれたことは無いけどな」

ザアアアアアア………

蝉「………」



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:54:23.31 ID:jYINSS8u0

キョン「水溜まり、踏まないように気をつけろよ」
ハルヒ「踏まないわよ、あんたじゃあるまいし」
キョン「なんだそりゃ」
ハルヒ「いっつもぼーっとしてるでしょ」
キョン「俺だって、水溜まりぐらい避けて歩くさ」
ハルヒ「ほらそこ」

バシャッ

キョン「うわっ!」
ハルヒ「ほら、言ったそばから」
キョン「今のはお前の方を向いていたからだ」
ハルヒ「何よ、あたしのせいにする気?」
キョン「今のは…ん?前から人が来るな」



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 16:57:46.78 ID:jYINSS8u0

千葉「………」

キョン「おい、ハルヒ。道が狭いからもっとこっち寄れ」
ハルヒ「傘、ぶつからないかしら」
キョン「たぶん大丈夫だろ」

千葉「………」
キョン「………」
ハルヒ「………」

ザアアアアアアア………

ハルヒ「今、通り過ぎた人の顔、見た?」
キョン「ん?いや、見なかったが」
ハルヒ「すっごい美形だったわよ。芸能人かしら?」
キョン「おいおい、あんまり人様の顔をじろじろ見るもんじゃないぞ」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:01:09.54 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「あんたもあのくらい美形だったら、SOS団の知名度アップに
    役立つのにねぇ」
キョン「悪かったな。この顔は生まれつきなんだ。文句は俺の親に言ってくれ」
ハルヒ「顔の造形以前の問題よ。つまんなそうな顔をしてたら、どんなに
    ハンサムな男でもカッコ悪く見えるわよ」
キョン「そうかい」
ハルヒ「ただ、今の人、ちょっと変だったけど」
キョン「変?」
ハルヒ「ええ。なんだか、背筋が寒くなるような、人間離れした感じだった」
キョン「へ~ぇ」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:04:22.99 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「ちょっと、何よその気の無い返事は!」
キョン「どうでもいいだろ、傘を引っ張るな。俺がずぶ濡れになる」
ハルヒ「もしかしたら、今の人、宇宙人かもしれないじゃない」
キョン「そんなに近所に宇宙人が溢れているなら、今頃日本は宇宙人で
    埋め尽くされているさ」
ハルヒ「名前聞いとくんだった!もったいないことしたわ」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:08:45.91 ID:jYINSS8u0

ザアアアアア………

キョン「お、少し小降りになってきたか?」
ハルヒ「真っ暗ね。急ぎましょ」
キョン「ああ、そうd」
蝉「おい、お前、涼宮って奴か?」
キョン「うわっ!(び、びびった!いきなり後ろから話しかけてくんなよ)」
ハルヒ「だ、誰?何よいきなり…」
蝉「とりあえず自己紹介。

蝉「俺は『蝉』!ちょっとお前を刺しに来た」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:16:20.41 ID:jYINSS8u0

キョン「………へ?」
ハルヒ「せみ?え、何よ、刺しに来たって…」
蝉「で?お前、なんで俺に殺られんの?」ズイッ
ハルヒ「は…?」
蝉「だからさ、なんでお前は殺されなきゃならねーのかって、聞いてんだよ」
ハルヒ「な、何言ってんの?何よ、殺されるって…」
蝉「お前を殺すように言われて来てんだよ」
キョン「お、おい、ちょっと待てよ。なんだ、お前?誰なんだよ」
蝉「だァから『蝉』だって名乗ってんだろ?」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:21:27.76 ID:jYINSS8u0

キョン(意味が分からん…。なんだ、コイツ?また、ハルヒ絡みか?)
キョン「言われて来たって…。誰にだよ?」
蝉「岩西だよ」
ハルヒ「誰よ、それ?わけわかんない」
蝉「俺の上司だよ。っつうか、俺と岩西しかいねえけどよ。あいつが仕事を
  引き受けてきて、俺が仕事をやるんだ。これ、おかしいよな。そう
  思わねえか?労働は俺で、あいつはやらねえんだぜ。おかしいよな」
キョン(よく喋るな…)
ハルヒ「し、仕事って何?」
蝉「殺しだよ、殺し。俺は殺し屋なんだ」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:32:30.99 ID:jYINSS8u0

蝉「俺はお前を殺しに来ただけなんだ。仕事なんだって」
ハルヒ「殺しにって…。冗談でしょ?何よそれ」
蝉「俺は頼まれただけなんだよ。よく知らねえんだ。岩西はほんとに何にも
  教えてくれねえんだって」
キョン「お、おいハルヒ!相手にしない方が…」
ハルヒ「何よそれ!?意味分かんないわよ!誰なのよ、その岩西ってのは?」
キョン「」
蝉「だから俺の上司だよ。こいつがまたロクな情報寄越さねェんだよ。
  いつもだぜ?いっつも!!ムカつくよな?」
ハルヒ「………」
蝉「今回も、お前の通ってる高校の名前と、顔写真渡してきただけだ。そんで、
  例の、あれだよ。ジャック・クリスピンだ」
ハルヒ「…な、なにスピン?」
蝉「お前も知らねぇか。だよな。俺も知らねえ。なのに、あの馬鹿は何かと
  言えば、そいつの言葉を引用すんだよ。何とかってバンドで歌を歌ってた
  奴らしいんだけどさ。知らねえよな。とにかく、岩西はそいつの歌詞
  ばっかり、気にしてるんだよなあ。ジャック・クリスピン曰く、だよ。
  いつだってそうだ。ジャック・クリスピン曰く、『二十代の男は、知らない
  ことが多い方が幸福だ』とかのたまいやがる。ムカつくんだよ、ふざけんな
  っつうの」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:39:32.39 ID:jYINSS8u0

蝉「依頼人が誰なのか、どういう理由で依頼してきたのか、そんな話は
  まったく教えてもらえねえんだ。コンビニの店員が、自分の売ってる
  菓子パンの製造方法を知らねえのと似てるよな。いや、似てねえか」
キョン(話、長っ……!)
蝉「とにかくさ、ムカつくんだよ。俺はあいつの人形じゃねーっつうの!」
ハルヒ「………!」ぞくっ
蝉「だから、殺す前に知ってやるのさ。お前が死ぬ理由」チキッ
蝉「岩西に話したら驚くだろうなァ。『なんでお前がそんなこと知ってる!?』
  ってよ。ははっ!楽しみだ」
蝉「なあ、教えてくれよ、涼宮ハルヒ」ニイ
ハルヒ「!!」ビクッ
キョン「走るぞ、ハルヒ!!」ガッ
ハルヒ「―――!」ダダッ
蝉「お?」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:44:16.88 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「……っ!!な、何なのよ、アイツ!?」
キョン「俺が知るか!とにかく、逃げるぞ!なんかヤバそうだ!」

ザアアアアアアア………

ガタッ
キョン「うわっ!」
ハルヒ「きゃっ!!」
キョン「いてて…、やべえ、工事中…!行き止まりだ」
カツカツ……

蝉「お――い、涼宮」

ハルヒ&キョン「!!」ビクッ

蝉「答えろよ。なんでお前は殺されるんだ?」カツカツカツ



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 17:51:39.38 ID:jYINSS8u0

蝉「んんっ…?」

ザアアアアアアアア………

蝉「ちっ、面倒くせえな」

キョン(いいか、ハルヒ?音立てるなよ)
ハルヒ(分かってるわよ!あいつ、こっちに来てるかしら?)
キョン(分からん。また雨の勢いが強くなってきやがった)
ハルヒ(それにしても、助かったわね。用水路側に下りれる梯子があって)
キョン(ああ、まさしく地獄に仏って奴だ)
ハルヒ(どうする?近くに交番なんてあったかしら)
キョン(分からんが、いつまでもこうしちゃいられないだろ。人のいる場所を
    探すしかない)
ヒュッ…
ハルヒ&キョン「!!」
とんっ
蝉「みっけ」
キョン「うっ、うわあああっ!!」ガシッ ダダダッ
ハルヒ「ち、ちょっとキョン!腕痛いっ」
蝉「ムリムリ。俺からは逃げられないって」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:03:01.45 ID:jYINSS8u0

蝉「そっちは行き止まり…って、聞いてねえか。しようがねェなあ」

キョン「はァ…はァ…う、ウソだろ…」
ハルヒ「ど、どうすんのよ…。梯子も何も、無いじゃない!」
キョン「どうするったって……」
蝉「どうしようもねェよ」
キョン「っ!!」
ハルヒ「い、いやっ…来ないでよ!何なのよ、あんた!?」
蝉「さっきから何度も説明してんだろうが」
ハルヒ「なんで…なんであたしが殺されなきゃいけないのよ!?意味分かんない!
    納得いかないわよ!!」
蝉「ぐちゃぐちゃうるせえなあ」カツッ
蝉「うるさすぎ」
ハルヒ「うっ……うぅっ……」
キョン「は、ハルヒ…」
蝉「納得いったら大人しく刺されます、なんて言わねえだろ?お前」
キョン「………!」
蝉「なんかもう、めんどくさくなっちまったしなァ」ヒュッ
蝉「お前が死ぬ理由は知らねえが…もういいや」

蝉「殺すよ」

キョン「ま、待った!」
ハルヒ「……キョン?」
蝉「?ん、ああ。お前はいいよ。邪魔だからどいてろ。お前は依頼対象外だ」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:06:15.94 ID:jYINSS8u0

キョン「悪いが…そうはいかない」
蝉「………あ~ぁ、聞いてなかったか?俺は今こう言ったんだ」

邪 魔 だ か ら ど い て ろ

キョン「………」
ハルヒ「キョン……!ダメよ、キョンっ!!」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:09:56.41 ID:jYINSS8u0

蝉「………」
キョン「………」
蝉「………あ~…面倒くせェなあ、ったく……」
ハルヒ「うっ……うっ………」
蝉「言っとくがな?そいつ庇ったって無駄だぜ?俺も一応、プロなんでね」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:40:50.64 ID:jYINSS8u0

キョン「プロ……?なんだよそれ…ふざけんな!人殺しにプロもアマもあるかよ!」
蝉「あるよ。まあ、納得いかねぇのも分かるけどよ。俺も一応、この仕事で飯を
  食ってんだ。親に養われて学校に通ってるお前には分かんねえだろうけどよ」
キョン「………」
蝉「そこの涼宮ハルヒを殺してくれってさ、頼まれてんだよ。その分の料金も
  もらっているんだとよ。そうそう、でもよ、聞いてくれよ。俺に入ってくる
  金は、全額ってわけじゃねえんだぜ。これって、おかしいよな」
キョン(どうする?どうすりゃいい?見た感じ、長門や朝倉みたいなトンデモ宇宙
    能力を持ってるようには見えない。いざとなりゃ、体当たりでも食らわして、
    脇を駆け抜ければ…)



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:54:17.93 ID:jYINSS8u0

蝉「あ、あと、言っとくぜ。俺の横をそいつ引っ張って通り抜けられると思うなよ?
  俺を倒そうとしても無駄だ。お前じゃ、俺には勝てない」
キョン(ミエミエかよ…。畜生っ、どうすりゃいい…!?)
蝉「ま、お前には手を出さねえんだから、余計なことはせずに黙って見てればいい。
  俺のことを警察に言ったって構わねえよ。そんなことで捕まるほどバカじゃねえんだ」
ハルヒ「………」バタッ
キョン「!? おっ、おい、ハルヒ!?」
蝉「ああ、ビビって気ィ失ったか。丁度いいじゃねえか。寝てる間に死ねるなら、楽だろ?」
キョン「ま、待てよ!お前…、女にまで手を出すのか!?」
蝉「は?」
キョン(時間だ。時間を稼ぐしかない!何か喋って、時間を稼がないと…)
キョン「こいつはただの女子高生だ!どこにでもいる、普通の……我が儘な女子高生だ!
    金のためにこいつを殺すのか!?」
蝉「意味分かんねーよ。映画の見すぎだな。『殺すのは、女と子供以外』ってか?
  そんなの、プロにあるまじきことだっつうの」
キョン「………」
蝉「医者が手術する時に、『男は治しません』なんて、言わねえだろうが。
  何がNo women,no kidsだよ。そんなの差別だよな。俺はあんな殺し屋なんて
  大っ嫌いだね」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 18:59:00.20 ID:jYINSS8u0

蝉「さ、分かったろ?邪魔だからどいとけ。すぐ済ますからよ」
キョン「くっ……!」バッ
蝉「……何のつもりだ?」
キョン「お前、さっき言ったよな。自分はプロだって。プロなら、依頼の対象外
    は殺さないんだろ?俺は、依頼の対象外なんだろ?お前に、俺は殺せない。
    ハルヒを殺すなら、先に俺を殺せよ。どうだ?できないだろ?」
蝉「…お前、馬鹿か?」
キョン「馬鹿だよ、大馬鹿だ。自分でもよく分かってる」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:04:08.81 ID:jYINSS8u0

蝉「そういう意味じゃねえよ」
キョン「なに?」
蝉「そんな程度で、後ろの女を護れていると思ってんのか?」
ヒュッ
キョン(はっ、早っ!!)
ブシュッ
キョン「うわっ!!」
蝉「殺すのは無理だがよ。殺す以外のことなら、別に問題ねェだろ?要は、お前の
  心臓が動いてさえいれば、手足を刻もうが耳を切り落とそうが、自由だ。こっちも
  仕事なんでな」
キョン「痛ぅ………」
蝉「今はわざと腕を狙った。次はもう少し痛む場所を切り刻むぜ?早めに諦めた方がいい」
キョン(なんだよコイツ……!?冗談じゃねえっ!)
蝉「それじゃあ、次……」
ヒュオッ



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:09:29.23 ID:jYINSS8u0

ガキッ………!!



蝉「……誰だ、お前?」
長門「彼女は私の観察対象。あなたの手にかけさせるわけにはいかない」
キョン「なが…と……?」
長門「遅くなって申し訳ない」
蝉「おい、お前、どこから現れた?上からじゃねえよな。気づいたら目の前に
  いやがった…」
長門「………」
蝉「ただのガキじゃねえな!何モンだ!!?」
長門「あなたに説明する必要はない」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:23:28.61 ID:jYINSS8u0

キョン「お、おい長門!こいつは……」
長門「待って」
蝉「次から次へと邪魔が入りやがるな。女子高生一人殺すのに、こんなに
  手間取るとはな」
長門「………」
蝉「お前、妙な眼をしてるな。何考えてるのか読めねえ。それに、ナイフの刃先を
  手で止めやがった。ただものじゃあなさそうだな」
長門「あなたが知る必要はない。我々の目的は自律進化の可能性である
   涼宮ハルヒの観察。彼女に危害を加えるのであれば、見過ごすわけには
   いかない」
蝉「何言ってんだか全然分かんねェが、てめェの事情なんざ…」
バッ
蝉「俺が知るかよ」
長門「」ヒュッ



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:25:05.33 ID:jYINSS8u0

ブルルルルルルル………

蝉「」ピタッ
長門「!!」
キョン「!!」
蝉「………」
キョン(携帯…?俺のじゃないな。ハルヒのも違う。と、すると…)
蝉「チッ」ピッ
蝉「なんだ!?」
??「俺だ、岩西」
蝉「分かってる!俺の携帯にかけてくるのなんて、お前ぐらいだ!!」
岩西「実は涼宮って小娘の件なんだがよ。今、依頼人から電話があってな」
蝉「ああ!?」
蝉「……………」
キョン「………?」
蝉「! なんだって…!?」

蝉「ふざけるなァ!!!」
キョン「………!!」ビクッ



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:37:29.91 ID:jYINSS8u0

蝉「……………」
蝉「…チッ、分かったよ」
蝉「分かったって……うるせェよ、クリスピンはもういいっつうの」
蝉「ああ…ああ、それじゃあな」ピッ
キョン「………!」
長門「………」
蝉「…依頼主から連絡があったんだと。そいつが目ェ覚ましたら教えてやれ」
キョン「へ?」

蝉「涼宮ハルヒを殺すのはキャンセルだとよ」

キョン「なっ!?」
蝉「俺も詳しいことは分からねえ。例によって、岩西のバカからの連絡だからな。
  ま、とにかく、依頼がキャンセルになったからにはもう、そいつを追い回す
  必要もなくなった。俺はもう戻る。あばよ」
スッ
キョン「………」

ザアアアアアアア………

キョン「…雨、まだ降ってたんだな」
長門「彼女を…」
キョン「ああ、そうだな。おい、ハルヒ!目を覚ませ!大丈夫か?」
ハルヒ「ぅ………」
長門「…問題はない。おそらく、強い精神的なショックにより一時的に意識を
   失っただけと思われる」
キョン「そうか。なら、安心だな。また助けられちまったな、長門」
長門「気にしなくていい。彼女のためでもあった」
キョン「そりゃあまあ、そうかもしれないが、俺も助かったよ。ありがとな」
長門「………」コクッ



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:44:10.79 ID:jYINSS8u0

キョン「とりあえず、ハルヒを家まで運ばないとな。と言っても、俺は
    ハルヒの家の場所を知らないんだが…」
??「それならば、我々にお任せください」
キョン「ん?お、お前は!」
古泉「遅くなり、申し訳ありません」
キョン「古泉…」
長門「私が呼んだ」
古泉「はい。機関のメンバーが、既にこの辺りの警備を強化していますので、
   もう心配要りませんよ。涼宮さんも、ご自宅までお送りします」
キョン「そうか…。助かったのか、俺は…」ヘナヘナ…
古泉「とりあえず、上にもどりましょう。ここはその…、匂いもあまりよく



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:46:25.36 ID:jYINSS8u0

   ありませんし」
キョン「ああ、そうだな。古泉、手を貸してもらえるか」
古泉「勿論ですよ。涼宮さんを上まで運びましょう」
キョン「いや、その…」
古泉「はい?」
キョン「…腰が抜けて、立てないんだ。助けてくれ…」
古泉「…大丈夫ですよ。もう、心配は要りません」グッ
キョン「悪いな…」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:49:59.80 ID:jYINSS8u0

古泉「詳しい話は、明日伺います。今はゆっくりと休んだ方がいいですよ。
   おや、腕に怪我をされているようですね。機関の車に、応急処置用の
   器具が積んであります」
キョン「何から何まで、悪いな」
古泉「とんでもありませんよ」ニコッ
古泉「機関のメンバーとして、そして何より…」

古泉「貴方の親友として、当然のことです」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 19:54:29.40 ID:jYINSS8u0

キョンって、ハルヒの家知りませんよね?念のため…

古泉「こちらです」
森「キョン君、お久しぶりですね」
キョン「森さん!」
森「怪我の手当てをしますから、ちょっと腕を捲ってください」

森「…はい、これで大丈夫ですよ」
キョン「助かりました。ありがとうございます」
森「どういたしまして」
長門「わたしはとりあえず家に戻る」
古泉「そうですね。彼は、我々が責任を持って、ご自宅まで送り届けます」
キョン「すまんな」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:02:27.70 ID:jYINSS8u0

訂正

長門「私は涼宮ハルヒに付き添う。彼女が目を覚ました後に、事情を説明する
   必要がある」
古泉「そうですね。よろしくお願いします。彼は、我々が責任を持って、ご自宅
   まで送り届けます」
キョン「すまんな」

車中…
キョン「しかし、ハルヒの親にはなんて説明する?」
古泉「涼宮さんが不審人物に襲われていたところを、運よく通りかかった
   長門さんが助けて、警察を呼んだ、とでもするでしょう。事実、警察
   にもちゃんと連絡しました。機関の面々が、事情聴取を代わりに請け負って
   くれています」
キョン「そうか。まあ、不審人物に襲われたってのは、間違いじゃないしな」
古泉「…今はとりあえず、ゆっくり休むことです。疲れたでしょう?」
キョン「ああ。一生分の疲労を一気に味わった気分だ」



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:06:27.84 ID:jYINSS8u0

キョン宅…
古泉「それでは、僕はこれで」
キョン「ああ、助かった。恩に着る」

妹「キョンくんお帰りー!」
キョン「ああ、ただいま」
妹「あれ?手、怪我したの?」
キョン「え?あ、ああ。ちょっとドジってな」
妹「痛くない?大丈夫?」
キョン「平気だよ…平気だ」
妹「…キョンくん?」

ガチャッ
スタスタ
ばふっ(ベッドに倒れ込む音)

キョン「大丈夫だよな?もう、大丈夫なんだよな……?」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:18:39.33 ID:jYINSS8u0

ブルルルルル………

キョン「!!?」ビクッ
キョン「携帯?ハルヒか誰かか…」
ピッ
キョン「もしもし…」
??「くつくつ…久しぶりだね、キョン。僕のことを覚えているかい?」
キョン「佐々木…!?」
佐々木「随分と驚いているみたいだが、やっぱり予想外だったかな?」
キョン「あ、ああ…。ちょっと今日はいろいろあったもんでな」
佐々木「…?大丈夫かい?何か、疲れているような声をしているが」
キョン「ああ、平気だ。もう、大丈夫だ」
佐々木「言っておくが、僕は君のことを親友として認識している。親友の身に
    困ったことがあれば、相談に乗るのが親友たるものだ。何か悩みでも
    あるのなら、僕でよければ相談に乗るよ?」
キョン「ああ。すまん、心配はいらない。平気だ…」
佐々木「……そうかい。それなら、いいんだ」
キョン「ああ。で、どうした?用事があって、電話をしたんじゃないのか?」
佐々木「ああ、なに、大した用事じゃないんだ。ただ、なんとなく、久しぶりに
    親友の声を聞きたくなってね」
キョン「……?」
佐々木「くつくつ。まあ、退屈していたのもあってね。君とちょっと話でもしようか
    と思って電話をした次第なのだが、疲れているようならまた今度にしよう。
    先程も言った通り、大した要件は無いんだ」
キョン「そうか、まあ、いつでも好きな時に電話してくれ。俺も、お前の声を久々に
    聞けて、なんだか安心したよ」
佐々木「くつくつ、それは嬉しいね。それじゃあ、キョン。また……」
キョン「ああ」ピッ



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:26:25.28 ID:jYINSS8u0

ブルルルルル………
キョン「うわっ!ま、またかよ…」ピッ
ハルヒ「キョン!?今家にいる!?無事なの!?怪我はない!?」
キョン「お、おい落ち着け!声のボリュームを下げろ!俺の耳がイカレちまう」
ハルヒ「その様子だと、平気そうね。まったく…、心配させるんじゃないわよ!」
キョン「お互い様だろう。お前は、平気なのか?」
ハルヒ「当ったり前よ!SOS団団長たるもの、そう簡単にへばったりしないわ!
    まあ、あの時は流石にちょっと堪えたけど…」
キョン「ああ。あそこに偶然長門が通りかかってなければ、ヤバかったかもな」
ハルヒ「本当!!有希が警察を呼んでくれてなきゃ、あの変なウサギ耳コートの奴に
    何をされてたか…。まったくこの国はどうなってんのよ!!あんな奴が平気で
    街を歩けるなんて、どうかしてるとしか思えないわ!政治家は何をやってんのよ!」
キョン「落ち着け、ハルヒ。とりあえず、二人とも無事でよかったじゃないか」



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:32:18.49 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「それとアンタ、家に着いたならすぐにあたしに電話しなさいよ!
    あたしがかけてもしばらく通話中だったし、団長様よりほかの人間
    を優先するなんて、たるんでるわよ!」
キョン「悪かったよ…。俺も今日は流石に疲れてて、そこまで頭が回らなかった
    んだ。まあ、お前が元気そうで何よりだ。詳しい話は、また明日にしよう」
ハルヒ「…そうね。分かったわ。じゃあ、また明日」
キョン「ああ、じゃあな」ピッ



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:35:38.49 ID:jYINSS8u0

キョン「…痛っ!うっかり動かすと痛むな」
キョン「うちの親には黙っておくか。変に心配をかけてもアレだし、ハルヒ
    絡みの奴だとしたら、家族を巻き込むわけにもいかないしな」
キョン「は~ぁ……やれやれ、疲れたぜ」



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:37:36.62 ID:jYINSS8u0

ザアアアアアアアア………

キョン「雨…まだ止まないな」

ザアアアアアアアア………

千葉「………」
パシャパシャパシャ……



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:42:25.98 ID:jYINSS8u0

翌日、学校…

キョン「やれやれ、まだ降ってやがるぜ。朝から憂鬱な気分にさせやがって」
谷口「よお、キョン。おはよう」
国木田「おはよう」
キョン「ああ、おはよう」
谷口「昨日、近所で通り魔事件があったって噂、お前聞いたか?」
キョン「通り魔…?ん、いや、聞いてないな。どういう噂だ?」
谷口「なんでも、ヘンな耳の付いたコートを着た奴が、ナイフ持ってうちの
   生徒に襲いかかったらしいぜ。誰なのかは分からんが」
国木田「怖いことをする奴がいるもんだよね」
キョン「そうだな…。そんな奴には近寄らない方がいい」



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:45:40.29 ID:jYINSS8u0

谷口「あれ?キョンお前、腕ケガしてねーか?」
キョン「ん?ああ…」
谷口「ははァ…。さては涼宮とケンカしたか」
キョン「馬鹿言うな。喧嘩したからってこんな怪我を作るわけがないだろう」
谷口「ハハハ!あいつを本気で怒らせたらそのくらいの怪我じゃ済まないかもな」
キョン「笑い事じゃねーよ…」
国木田「痛くないのかい?」
キョン「ああ、触らない分には平気だ」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:49:49.59 ID:jYINSS8u0

教室…
キョン「よっ、ハルヒ」
ハルヒ「おはよ。いつも通りの顔ね」
キョン「ああ、いつも通りだ。心配はいらん」
ハルヒ「それは?」
キョン「ん?ああ、大したことは無い」
ハルヒ「…あいつにやられたの?」
谷口「おい、何の話だ?あいつって…」
ハルヒ「あんたはどっか行ってなさいよ!」
谷口「おお、怖っ…」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 20:54:37.37 ID:jYINSS8u0

キョン「ほんのかすり傷みたいなもんだ。手当もしてもらったし、一晩経ったら
    それほど痛くなくなった」
ハルヒ「そう、それなら良かったわ」ホッ
キョン「なんだ、心配してくれたのか?」
ハルヒ「なっ、そ、そりゃそうよ!なんてったって、あんたはSOS団の貴重な雑用
    だもの。大怪我でもされたら、仕事を任せられなくなるわ」
キョン「ま、感謝しておくさ。お前も怪我は無かったみたいだしな」
ハルヒ「そうだ!あんた、あたしが気絶してる間に、ヘンなことしなかったでしょうね!?」
キョン「するわけないだろ。第一、あの場には長門もいたんだ」
ハルヒ「ふん、まあ、それなら一応信用しておくわ」
キョン「やれやれ…」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:06:12.90 ID:jYINSS8u0

昼休み…
古泉「失礼…よろしいですか?」
キョン「ああ、そろそろ来る頃だと思っていた」

キョン「屋上か、ここなら安心だな」
古泉「はい、周りに聞かれる心配もありません」

古泉「まず、報告を…。貴方の言う『蝉』という人物の本名・経歴・居住地…、
   すべては、結論から言うと、不明です」
キョン「………」
古泉「機関のネットワークを使い、徹底的に調査をしましたが、詳しい情報は
   何も…」
キョン「…そうか」
古泉「正直、これには我々も驚いています。涼宮さんを狙う様々な組織の存在は、
   以前にもお話しした通り、いくつか我々も把握しています。ですが、この
   ような相手は未だ嘗て、聞いたこともありません。殺し屋、と名乗っていた
   ことから察するに、おそらくその人物は、裏の世界の住人、とも呼ぶべき人間
   でしょう」
キョン「ハルヒの奴…、そんなヤバい奴からも狙われているってことか」



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:13:41.11 ID:jYINSS8u0

古泉「警察からの事情聴取の際にも、長門さんが相手の服装や顔立ちなどを
   しっかり伝えてくれたそうですが、警察にもそのような犯人像の心当たり
   は無いらしく、捜査は難航しているようです」
キョン「しかし、あいつは、依頼はキャンセルされたと言ってたんだが…」
古泉「それはおそらく、長門さんのおかげでしょう」
キョン「長門の?」
古泉「はい。これは想像ですが、あの場で貴方方の状況を遠くから観察して
   いた者がいるのではないかと、僕は考えています」
キョン「なんだと?」
古泉「涼宮さんはただの人間ではありません。もし彼女の存在を邪魔に思う
   人間が、殺し屋を雇って彼女を殺させようとした場合、相手を完全に
   信用して任せることはできないと思うんです」
キョン「ハルヒの能力があるからか?」
古泉「はい。突発的に発動する彼女の能力のことを知っているものならば、
   いかに腕の立つ殺し屋を雇っていても、それに任せきることはしない
   でしょう。邪魔が入らないかどうか、うまくやり遂げられるかどうか、
   遠くから観察していた可能性が高い」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:19:38.65 ID:jYINSS8u0

キョン「つまり、あの状況を遠くから眺めていた奴がいたということか?」
古泉「あくまでも可能性の話ですが、僕はそう思います。蝉と名乗るその
   殺し屋も、あくまで人間ですから、ヒューマノイドインターフェース
   である長門さんと対峙すれば、勝負は見えています。無駄に戦わせる
   ことはさせず、依頼をキャンセルして、計画を断念したという方が
   理にかなっているとは思いませんか?」
キョン「確かにな」

※説明していなくてすみません。屋上と言っていますが、外は雨が降って
 いるので、二人は実際は屋上へ出るドアの前辺りに座って、弁当を食べ
 ながら話をしているとお考えください。



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:26:23.37 ID:jYINSS8u0

古泉「涼宮さんは、これからはしばらくご両親が車で送り迎えをしてくださる
   ようです。雨続きですから丁度よいですね。勿論、機関のメンバーも
   総力を挙げて涼宮さんの護衛をしています。あくまでも、気づかれない
   ように、ね」
キョン「それなら、当面あいつの心配は要らないな。ところで古泉、もうひとつ
    質問がある」
古泉「はい、なんでしょう」
キョン「さっきも話したが、ハルヒには願望を現実化する能力があるんだろ?
    あの殺し屋に襲われた時に、その能力でどうとでもなったはずだ。
    ましてや、命の危険に曝されていたんだぞ?なんであの時、ハルヒの
    能力は発動しなかった?」
古泉「……そうですね。話しておいた方がよいでしょう」カチャ…
古泉「実は、現在涼宮さんの能力は、次第に失われつつあります」
キョン「なに?初耳だぞ」
古泉「はい、お話しなくて申し訳ありません。彼女の能力は、少しずつでは
   ありますが、沈静化しているんです。今では、閉鎖空間もほとんど
   発生していません」
キョン「そういえば、お前がバイトに行く回数が、ここ最近めっきり減ったな」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:30:30.06 ID:jYINSS8u0

古泉「はい。機関としては、内部で何回か議論が交わされましたが、一応は
   これを良い傾向として、全面的に受け入れる体制になっています」
キョン「ハルヒは神なんかじゃなく、文字通り普通の女子高校生になってきて
    いるというわけか」
古泉「はい。僕個人としても、涼宮さんからこのまま『力』が消えてくれること
   を願っているんです。それでもSOS団が消えることはありませんからね」
キョン「そりゃあ、そうだろうな。なら、むしろいいニュースだな」
古泉「いえ、そうでもないんです…」
キョン「なに…?」
古泉「実は、そう簡単に解決できる問題でもなくて…」
キョン「どういうことだ?」
古泉「すみませんが、これに関しては今はまだ詳しく話せません。いずれ必ず」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:33:07.07 ID:jYINSS8u0

キョン「……そうか。まあ、お前らにも、いろいろあるだろうしな」
古泉「申し訳ありません」
キョン「まあ、俺としては、ああいった物騒な奴にさえ襲われなければ、
    それでいいんだがな。ハルヒの無茶苦茶に付き合わされるのも
    大変だが、ナイフを持った殺し屋に襲われるくらいならハルヒ
    の方がずっとマシだ」
古泉「クスッ…そうですね」
キョン「さて、昼休みももうじき終わりだ。戻ろうぜ」
古泉「ええ」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:42:31.47 ID:jYINSS8u0

放課後…
みくる「キョンくん!心配しましたよ、連絡受けて…」
キョン「すみません、朝比奈さん。この通り、ピンピンしてますよ」
みくる「良かったぁ…」
古泉「未来の方から、何か連絡は?」
みくる「詳しいことは禁則事項ですが、この一件に関しては、我々も情報が
    乏しいんです。というより、ほとんど連絡も来てないんですが…」
キョン「心配しても仕方がないですよ。まあ、俺が言うのもなんですが…」
みくる「…とりあえず、お茶、いれますね」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:43:26.30 ID:jYINSS8u0

一時間後…

ハルヒ「ちょっとキョン!パソコンが動かなくなっちゃったわ」
キョン「なに?おいおい、乱暴に使ったんじゃないだろうな」
ハルヒ「普通にいつも通りに使ってただけなのに」
キョン「う~む、本当だ。マウスが固まっちまってるな。長門はどこだ?」
ハルヒ「隣よ。コンピ研に入り浸ってるわ」
キョン「よし、元々は向こうのパソコンだしな。壊れた時は、直すのも向こうの
    方が得意だろ。俺が頼んでみる」
ハルヒ「頼んだわ。みくるちゃん、お茶のお代わり頂戴!」
みくる「は~い」



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 21:47:28.32 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「はぁ、パソコンが無いとヒマねぇ」
キョン「パソコンがあってもヒマだろうが」
ハルヒ「違うのよ。あたしはちゃんと、日々ネットの世界に不思議が無いか
    確認してるのよ。でも、それが無いから、手持無沙汰だわ」
キョン「校内を探索したらどうだ?前は俺にやらせたんだから、今日は自分で
    行ってきてみろよ」
ハルヒ「馬鹿ねえ。学校の中でなんて、そうそう不思議が見つかるはずがない
    じゃない。不思議がそんなにゴロゴロ転がってれば、今頃この部室は
    不思議で埋まってるわよ」
キョン(あの時のこいつは一体何だったんだ…)
古泉「んっふ」



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:26:36.76 ID:jYINSS8u0

戻りました。続けます。

ハルヒ「まあでも、気晴らしに校内を歩いてみるのもいいわね。ちょっと
    出てくるわ」
キョン「ああ、ついでに購買で…」
ハルヒ「言っておくけど、団長をパシリに使おうなんて、百年早いわよ?」
バタン!
キョン「…まったく、あいつのタフさにはあきれるな」
古泉「そこがまた、彼女のチャームポーイントでもありますがね」
キョン「さっきも、ほとんど無理やり修理を承諾させたしな。パソコン一式
    押しつけられて運んで行ったコンピ研部員のあの表情はしばらく
    記憶に残るぞ」
古泉「あちらで長門さんが直してくれるそうですから、じきに戻ってくるでしょう」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:34:53.58 ID:jYINSS8u0

数十分後…
キョン「お前は相変わらずこういったボードゲームは弱いな」
古泉「いやはや、これでもそれなりに研究してはいるのですが…」
ガチャ
キョン「お、パソコンが戻ってきたぞ。修理が済んだらしいな」
古泉「長門さんも一緒ですか」
スタスタ……ストン
長門「………」スッ
キョン「来た途端に読書開始か」
??「ここに置いていいかな」
キョン「あ、ああ(ん?さっきの奴とは違うな。馴れ馴れしい口調だが、
   嫌味もない。こんな奴、コンピ研にいたか?)」
??「部員が一人、体調を崩していて…。今だけ手伝っているんだ」
キョン「へぇ…あ、コンセントとかケーブルの接続は……」
??「俺がやるよ」
古泉「これは助かりますね」
キョン「ああ」
カチャカチャ…



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:38:51.53 ID:jYINSS8u0

キョン(とは言っても、見ているだけじゃ、文字通り手持無沙汰だな)
キョン「いつもこんな手伝いをやっているのか?」
??「本当は、調査をするのが」
キョン(調査…?何の調査だ?パソコンが壊れていないか、いちいち調査して
    回っているってことか?)
キョン「調査?」
??「答えは決まっているのに、わざわざ調査をすることほど、面倒なことはない」
キョン(なんだ、愚痴か?しかし変な奴だな)
古泉「………」
長門「………」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:44:06.31 ID:jYINSS8u0

キョン(顔はまあ、俺が言うのもなんだが、なかなかに整った顔立ちだ。
    鋭敏というか、クールな感じがする。コンピ研なんかには勿体ないな)
ぶるっ………
キョン「?」
古泉「どうしました?」
キョン「いや…、風邪かな?突然、なんだか肌寒く感じた」
キョン(鳥肌が立ってやがる。そんなにこの部屋寒いか?)
??「じゃあ、これで」
キョン「ああ、どうも」
??「今回は、あんまり調査の時間が割けなくて、自分としては納得がいかない」
キョン「? パソコンの調査のことか?あんた、名前は?」
??「千葉、というんだ」



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:48:03.69 ID:jYINSS8u0

スタスタスタ……ガチャ…バタン

キョン「随分背筋の伸びた奴だったな。何年なのか聞くの忘れたが。後で
    誰かに聞いてみるか」
長門「………」
キョン「どうした?長門。お前も、あいつが気になるのか?」
長門「……別に」
キョン「………?」



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 22:56:45.47 ID:83T+IpUSO

>>1もオマケのマスターには吹いたんだろうなぁ



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:08:07.98 ID:jYINSS8u0

>>97 それはもう、盛大に吹きましたとも。

ガチャ
ハルヒ「は~ぁ、やっぱりダメね。不思議なんて、そうそう簡単には見つから
    ないわ」
キョン「さっき俺をバカ呼ばわりしておいて、結局不思議探しをしてきたのか」
ハルヒ「不思議探しはついでよ、ついで。あくまで、校舎内を散歩してきたの」
キョン「やれやれ、そうかい…」



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:17:13.27 ID:jYINSS8u0

ハルヒ「あ、パソコン直ってきたのね!どれどれ…」
古泉「さて、もうひと勝負どうです?」
キョン「ふん、何度でも返り討ちにしてやるさ」
みくる「お茶のお代わり、置いておきますね~」
長門「………」ペラッ

キョン(なんか、こうしてると、昨日のことが嘘みたいだな)



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:24:31.77 ID:jYINSS8u0

長門「」パタン
ハルヒ「あら、もうこんな時間ね。よし、じゃあ今日はもう解散!」
キョン「結局、あれから一回も俺に勝てなかったな」
古泉「明日こそは、負けませんよ」
ハルヒ「ほら、二人とも!みくるちゃんが着替えるから、さっさと出なさい」

キョン「おい、ハルヒ。お前の親が迎えに来てるぞ」
ハルヒ「あ、いっけない!じゃ、みくるちゃん!戸締りよろしくね」
みくる「は~い」

キョン「おいおい、まだ降ってるぜ」
古泉「今朝からずっとですね」
キョン「こんなに降られると、頭にカビが生えそうだ」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:29:07.27 ID:jYINSS8u0

長門「………」ツンツン
キョン「ん?長門……どうした?」
長門「これから、時間はある?」
キョン「ああ、今日はまだそんなに遅くないしな。どうかしたか?」
長門「これから一緒に来てほしい」
キョン「…ハルヒ絡みか?それとも、あの事件絡みか?」
長門「どちらとも言える?詳しくは、私の部屋で話す」

長門のマンション…
キョン(相変わらず、デカいマンションだ)
ガチャッ
長門「入って…」
キョン「ああ」

朝倉「あら、長門さん。お帰りなさい」

キョン「!!?」



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:35:48.80 ID:jYINSS8u0

朝倉「あら、キョン君。いらっしゃい」
キョン「あ、あ、あさ、あさk……」
朝倉「ちょっとぉ!挨拶ぐらいしたらどうなの?訪ねてきておいて」
キョン「お、お前がなぜここに……?」
朝倉「幽霊を見るような目はやめてよ。ちょっと傷付くんだけど…」
長門「彼女は紛れもない朝倉涼子本人。詳しくは中で話す」


朝倉「…というわけで、長門さん一人ではこの先不安だということもあって、
   特別に私が再構築されたというワケ。分かった?」
キョン「分かったような、分からないような…」
長門「彼女の力は以前に比べて格段に下がっている。暴走する危険性も無い。信じて」
キョン「まあ、長門がそう言うなら、大丈夫か…」
朝倉「ひどぉい。私が言っても信じないのに、長門さんが言うことは信じるの?」
キョン「俺は過去二回もお前に襲われているからな、信じろと言う方が酷だろう。
    おまけに、俺はつい昨日ナイフを持った殺し屋に殺されかかっているんだ」



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:41:47.75 ID:jYINSS8u0

朝倉「過去二回って言っても、二回目のは厳密にはこの私とは別人でしょ?」
キョン「そりゃあそうだが…」
長門「本題はまだ先。続けても?」
キョン「ああ、すまん。続けてくれ」
長門「情報統合思念体は、事態を重く見ている。涼宮ハルヒにとっての鍵である
   貴方の身に危険が迫っていることと、涼宮ハルヒの力が弱まっていること。
   そこで、朝倉涼子には貴方の護衛を任せることにした」
キョン「朝倉が、俺を…護衛?」
朝倉「そうよ。以前に比べればパワーダウンしてるけど、それでも普通の人間に
   比べれば、私の力はずっと上なの。だから、貴方の身辺警護をすることに
   したってわけ」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:48:20.50 ID:jYINSS8u0

長門「既に情報操作で、カナダから日本に戻ってきたということになっている。
   彼女が貴方のクラスに戻っても、誰も違和感を抱かない」
朝倉「私がキョン君を直接護衛して、その間に長門さんが、敵の正体を探る。
   他の人たちも独自に調査を続けているんでしょ?だったら、いずれは
   敵の姿が見えてくるわ。貴方を襲った殺し屋の雇い主もね」
キョン「宇宙人の護衛か…。そりゃあ、確かに心強いが、信用していいんだろうな」
長門「問題無い。私が責任を持つ」
朝倉「どう?まだ何か文句がある?」
キョン「…いいや、分かった。任せるさ」



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/28(土) 23:56:40.62 ID:jYINSS8u0

某アパートにて…

ブルルルルルル………
 ブルルルルルル………

ブルルルピッ

「おい、仕事が入ったぞ!さっさと事務所に来い!」
のそっ…
「………なんだよバカ、うるっせェなぁ…殺すぞ」

「ははは、『殺すぞ』か…。人殺しが口にすると、洒落にならねェ台詞だよな」

               「蝉」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:03:41.65 ID:09IjwnMZ0

蝉「仕事だぁ?岩西、お前、さっき一仕事終えたばかりの人間に、またすぐ
  仕事を頼むってのは、どういう神経なんだっつうの!」
岩西「うるせェなお前は。ホント蝉みてェに!みんみんうるせェ!!」

岩西「言うなればな、俺が司令官で、お前が兵士だ。普通ならそんな口利く
   家来はなぁ、首を切られて無職になるか、首を斬られて首なし死体に
   なるかどっちかなんだよ!」
蝉「だったらさっさとそうすればいいだろ!できねェくせに!!」
岩西「蝉」

「お前に仕事を斡旋してるのは俺なんだぜ?」

蝉「俺一人だってどうにかなる!!」
岩西「いいや、ならねェ」

 「なるもんか」



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:11:58.94 ID:09IjwnMZ0

>>120 原作の魔王とグラスホッパー、コミックの魔王とグラスホッパー、全部読んでます。

岩西「しじみにチャンネルがあるのかよ!お前の明日のメシのことはどうでもいい」
蝉「むっ、うるせぇよバカ!」
岩西「1時までにこっちに来いよ、いいな!」ガチャン!
蝉「チッ……」

蝉「1時……あと四十分ぐらいか」



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:09:05.57 ID:09IjwnMZ0

蝉「……誰を殺るんだ?」
岩西「それを説明するから、さっさと来いって言ってるんだ」
蝉「チッ…」チラッ
 
 しじみ「ぷく…ぷく…ぷく……」

蝉「………」
岩西「分かったな?とにかく今から事務所に来い!!詳しい話はそれからだ!」
蝉「!」
岩西「どうせお前、大したことしてたわけじゃねぇんだろ?アパートでテレビ
   観てただけだろうが」
蝉「しじみだ」
岩西「あ?」
蝉「しじみを見てたんだ」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:17:19.22 ID:09IjwnMZ0

蝉は、ときどき思う。
人もしじみみたいに呼吸しているのが見て取れれば、
もう少し生きている実感があるんじゃねぇかな、と。
行き交う人が口からぷくぷくと呼吸を見せていたら
暴力もふるいにくいだろうな、と。
蝉(絶対そうだ)
でも―――

でも、俺はそのしじみを食っちまうけど。

ちゃんと息をして生きてるあいつらを
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:17:19.22 ID:09IjwnMZ0

蝉は、ときどき思う。
人もしじみみたいに呼吸しているのが見て取れれば、
もう少し生きている実感があるんじゃねぇかな、と。
行き交う人が口からぷくぷくと呼吸を見せていたら
暴力もふるいにくいだろうな、と。
蝉(絶対そうだ)
でも―――

でも、俺はそのしじみを食っちまうけど。

ちゃんと息をして生きてるあいつらを
俺はいつか殺して食って生きるんだ

蝉(それってすげえ重要なことじゃねえかな。そういうのを、もっと誰もが
  自覚すりゃいいのにな…)



俺はいつか殺して食って生きるんだ

蝉(それってすげえ重要なことじゃねえかな。そういうのを、もっと誰もが
  自覚すりゃいいのにな…)



124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:16:56.74 ID:rdEiXuhl0

>>1
Waltz は読んでないの?

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091222269/2logelephant-22/

126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:20:31.39 ID:09IjwnMZ0

>>124 ゲッサンが近所に売ってないので、残念ながら読んでません。
    原作の「死神の精度」は読みました。

岩西「よぉ。時間通りだな、蝉」
蝉「………」
岩西「ジャック・クリスピン曰く、『時間を守れば身を守る』だ」
蝉「ケッ…くっだらねぇ!!」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167745011/2logelephant-22/

128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:26:08.27 ID:09IjwnMZ0

蝉「それで?今度は誰を殺すんだ。また途中でキャンセルなんてことになったら、
  承知しねぇからな」
岩西「当たり前だ。俺だってそうそうそんなくだらない依頼ばかり請けてられるか」
蝉「……なんだよ、また女じゃねえか。なあ岩西、どうして俺がやる仕事ってのは、
  こんなのばっかりなんだよ。女子供とか、一家ごと殺すだとかさ。面倒なんだぜ。
  今日だって、最後に殺した女がうだうだうるさくて、たまらなかった」
岩西「他の奴らが嫌がるからだよ」
蝉「嫌がる?」
岩西「罪の無い女とか、子供を殺すのを、嫌がるんだよ」
蝉「はあ?」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:30:37.56 ID:09IjwnMZ0

蝉「何で、子供が殺せねえんだよ?子供だって、いずれは大人になるんだぜ?
  何歳なら、殺していいんだ?犬とか猫を殺すのを嫌がるのならまだ分かる
  けどよ、人なんて年齢とか性別に関係なく、人だ」
岩西「だろ。おまえはそういうの、気にしねえだろ。だから、引き受けるんだよ。
   俺たちみてえな、小さな業者ってのはよ、そうやって、他の奴らがやらねえ
   仕事を請け負っていくしかねえんだよ。つまり、あれだ、『隙間を探せ』
   ってやつだ」
蝉(どうせ、それも引用だろ)
蝉「おまえは楽でいいよな。何もやらねえんだから」
岩西「鵜飼いってのは、鵜じゃなくて、飼っている方が偉いんだ」
蝉「俺は鵜じゃなくて蝉だっての」
岩西「うるせえな」
蝉「うるせえさ、蝉だからな」



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:40:58.55 ID:09IjwnMZ0

蝉「しかし、この女、見覚えがあるな…」
岩西「どうせ、あのポルノ雑誌屋で見た奴のどれかだろうよ」
蝉「ちげェよ!!そんなんじゃねぇ、もっと別の場所でだ」
岩西「なんでもいい。仕事の手順だ、さっさと頭にたたき込め」
蝉「………」
岩西「それほど面倒でもないだろ?依頼主の奴が、標的をマンションの
   ロビーに誘い出す。そのまま部屋まで同行して、部屋の中で
   刺し殺せばいい」
蝉「やっぱりこいつ、どこかで見たことがあるな…」
岩西「まだ言ってんのか?お前に高校生の知り合いなんていねェだろうが」
蝉「なんて読むんだ、これ?『ながもん』か?」
岩西「バカ。『ながと』だよ、『ながと』。山口県の半分の旧国名と一緒だ」



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:45:12.13 ID:09IjwnMZ0

とりあえず今日はここまでで寝ることにします。
明日まで残っててくれるといいけど…。
こんな駄文スレにここまでお付き合いいただいた方々、本当に感謝してます。
まだ殺し屋が蝉しか登場していないので、まだまだ続けたいです。
誰か一人でも呼んでくれる人がいれば、頑張って続けようと思います。



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:47:49.03 ID:wU6T9p3yO

乙!
楽しみにしてる



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 00:59:11.59 ID:SmSUGfcQ0

まさかのグラスホッパーでテンションあがった



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 01:27:43.46 ID:xhJsEs1J0

面白かった
また濃い



140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 01:58:44.86 ID:fm1LXVFiO

元ネタ知らない俺が
保守!



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 08:51:32.70 ID:09IjwnMZ0

おはようございます。今戻りました。
こんなにも保守してもらっていることに大感謝です。
しばらくしたら続きを書きますので、もうしばらくお待ちください。



148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:22:56.76 ID:09IjwnMZ0

お待たせしてすみません。それでは、続けていきます。

蝉「それで?その『ながと』さんはなんで俺に殺されるんだ?」
岩西「そんなことはお前は知らなくていいんだよ。いいからさっさと仕事に行け。
   ジャック・クリスピンも言ってるだろうが、『s」
蝉「あーあー分かった分かった!!クリスピンはもういいっつうの!行きゃあいいんだろ!」
岩西「おい、蝉」
蝉「なんだよ、まだ何かあんのか!?」
岩西「土産を忘れんなよ」
蝉「………分かってるっつうの」



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:29:41.59 ID:09IjwnMZ0

時は戻って長門のマンション…
長門「貴方は普段通りにしていればいい。特に気にする必要はない」
朝倉「そうよ。面倒なことは私たちがやるから、心配しないで」
キョン「ああ。他の奴らには説明してあるのか?」
長門「古泉一樹、朝比奈みくるに対しては、私の方から連絡をしておく。
   涼宮ハルヒは明日の朝礼で説明を受けるはず。なので問題ない」
朝倉「キョン君の場合は、直接呼んで説明した方が分かりやすいかと思ってね」
キョン「まあ、確かにな。話に聞くだけよりは、目で見た相手の方が信用できる」
朝倉「それじゃあ、また明日ね」



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:31:24.93 ID:09IjwnMZ0

ザアアアアアアア………
キョン「この雨が降り止むことが本当にあるのか心配になってきたな…」

キョン「さて。さっさと帰るとするか」


??「………」



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:45:05.26 ID:09IjwnMZ0

>>151 オーデュボンの祈り、陽気なギャングシリーズ、重力ピエロ、
    アヒルと鴨のコインロッカー、チルドレンは読みました。
    今はモダンタイムスと終末のフール、あるキングを読んでます。

キョン「ただいま」
妹「お帰り―!」
キョン「こらこら、いきなり抱きつくんじゃありません」
妹「えへへー」
キョン「部屋に鞄置いてくるから、先に行ってろよ」
妹「すぐご飯だからねー」
キョン「あいよ」



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:49:56.75 ID:09IjwnMZ0

夕食後…
キョン「今日はどうやら平和に終えられそうだな。これで空が晴れてれば
    言うことは無いんだが…」

ブルルルルルル……

キョン「ん?携帯……誰からだ?」
キョン「着信は…佐々木?」ピッ
キョン「もしもし」
佐々木「やあ、キョン。夕食の時間帯に悪いね」
キョン「いや、もう済ませたところだ」
佐々木「それは丁度良かった。実は一つ頼みがあるんだが」
キョン「頼み?なんだ、何かあったのか?」
佐々木「雨天の中君を家から出させなければならないことは心が痛むけれどね。
    今、君に会って話さなければならないことがあるんだ」
キョン「? ああ、分かった」
佐々木「悪いね。実は僕、今、君の家の前にいるんだ」
キョン「何?おいおい、早く言えよ。雨の中だってのに」
佐々木「心配無いよ。傘もあるし、何人か連れがいるんだ」



154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:53:59.25 ID:09IjwnMZ0

佐々木「君の家にあがらせてもらうのは、時間も時間だし気が引ける。
    駅前の喫茶店なんて、どうだろう?」
キョン「ああ、別にいいぞ。少し、待っててくれ」ピッ

キョン「ちょっと外出てくる」
母「こんな時間に?外は雨降ってるわよ!」
キョン「すぐ戻る。仲間が外で呼んでるんだ」

ガチャ
キョン「悪いな、待たせ……」
橘「お久しぶりですね、キョンさん」
藤原「ふっくっく…。久しぶりだな」
周防「―――」
キョン「お前ら……おい、佐々木、一体」
佐々木「驚かせてすまないね。事情はすぐに説明するよ。実は――車を用意して
    もらっている」



155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 09:59:03.47 ID:09IjwnMZ0

喫茶店にて…
キョン「佐々木。話ってのは、こいつらがいなければダメなのか?」
佐々木「君が彼女たちをあまりよく思っていないことも十分承知している。
    その上で呼んだんだ」
橘「そう邪険にしなくてもいいじゃないですか。別にあなたに何かしようなんて
  思ってはいませんよ」
キョン「どうだかな。俺はお前らのやったことを忘れるつもりは無いぞ。この誘拐犯め!」
橘「………」
キョン「よくまあふんぞり返って道の真ん中を歩けるもんだな。お前は犯罪者だぞ?
    社会的には、お前の顔には犯罪者のレッテルが貼られているんだ!その上、
    佐々木を神呼ばわりして…」
佐々木「まあまあ、キョン。その話は、また後にしようじゃないか。今日は、そういう
    話で呼んだんじゃないんだ」
キョン「………」



156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:06:35.37 ID:09IjwnMZ0

橘「キョンさん、近頃、危ない人に襲われたりしませんでしたか?」
キョン「!? なっ……」
佐々木「昨日電話をした時、君はナイフを持った不審な人物に襲われた直後
    だったんだろう?橘さんから聞いたんだ」
キョン「おい、なんでそれを知ってる?」
橘「我々の組織の力を甘く見てもらっては困るのです。これでも、優秀な情報網が
  張られているんですよ」
藤原「ふっくっく。この時代も物騒なものだな」
キョン「……それで、俺に何が言いたいんだ?」
佐々木「キョン、落ち着いて聞いてほしいんだ」

橘「涼宮さんと貴方を襲った殺し屋を雇ったのは、古泉君の所属する、
  機関の方々です」

キョン「……何?聞き間違えたかもしれない。もう一度言ってみろ」



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:11:55.10 ID:09IjwnMZ0

佐々木「キョン。君の耳はそんなに悪くないはずだ。勿論、いきなり言われた
    ことを信じたくない気持は分かるが…」
キョン「もう一度、言ってみろ。俺は今そう言った。おい、橘」
橘「……貴方と涼宮さんに殺し屋を仕向けたのは、古泉君の所属する機関だと
  言ったんです」
キョン「あ~……、新手の冗談か?今、お前のところの情報網は凄いということを
    言ったばかりだよな。お前ら全員、一度目と耳の検査をしてもらった方が
    いい。それと、頭もな。あまり寝ぼけた事ばかり言ってると…」
橘「キョンさん、落ち着いてください。言ってることが混乱してますよ」
キョン「おかしいのはお前らの方だ。古泉が俺に殺し屋をけしかけただと?」
橘「正確には、彼の所属する『機関』が、です」



158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:16:42.93 ID:09IjwnMZ0

キョン「いよいよおかしくなっちまったのか?機関はハルヒを護るのが仕事
    だろうが。そのための集まりだ。それがハルヒを殺すために殺し屋を
    雇って仕向けるだと?馬鹿か、お前。俺の妹にだって、説明すれば
    これくらい理解できるさ。『ありえない』し『笑えない』。今、お前の
    言った冗談は十点中零点だ。あるいはもっと酷い。採点基準に達してないな」
佐々木「キョン。僕はさっき言ったはずだ」

「落ち着いて聞いてほしいんだ」

キョン「………」
橘「勿論、信じられなくて当然です。あちらも巧妙に仕掛けていますからね」



159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:21:52.18 ID:09IjwnMZ0

キョン「仕掛ける?」
橘「キョンさん。考えてみてください。機関で働いている人々も、人間なんです。
  正規の労働ではない上に、命の危険まで伴うあの閉鎖空間での仕事。会社員
  と違って、労働時間がきっちり決まっているわけでもありません。涼宮さんの
  機嫌次第で、労働内容が大きく変わるんです」
キョン「知ってるさ、そんなことは」
橘「なら、これも分かりますね。機関の方々だって、我慢の限界というものがある
  んです。たった一人の、我が儘な女子高生のために自分たちの生活も何もかも
  犠牲にして、時には仲間内から怪我人や死人が出ることだってあります。おまけ
  に個人の事情なんて機関の中では尊重されない。古泉君だって、いろいろと自分
  を犠牲にしていることがあるはずですよ」



161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:28:51.29 ID:09IjwnMZ0

橘「なのに、涼宮さんときたら、どうです?命を張ってまで護る価値のある
  人ですか?」
キョン「!!」ガタッ
佐々木「キョン」ジロッ
キョン「………」
橘「自己中心的かつ傍若無人。常識にも欠け、社会的にも馴染めない人です。
  そんな女子高生のために、何人もの人間が自分を犠牲にしているんですよ。
  おまけに、タチの悪いことに彼女は自分の力を認識していない。だから誰も
  文句を言う矛先が無いんです。あんな人を神と呼べますか?自分の気分次第で、
  この世界も、すべての生き物も一瞬で消してしまい、自分の満足する世界にだけ
  籠もって生きるような人を、本当に神と呼んでいいんですか?」
キョン「う………」
橘「機関の方々の中にも、薄々それに気づいていた人たちがいたはずです。なぜこんな
  辛い思いをしてまであんな女子高生のために自分を犠牲にしなければならないのか。
  勿論、憎むべきは『力』であって、彼女自身ではない、と考える人だっていたでしょう。
  けど、そんなことは綺麗事なのです。彼女は、世界を統べることができるような器じゃ
  ない」



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:42:35.51 ID:09IjwnMZ0

>>163 ラッシュライフは今、書店をめぐって探しています。

佐々木「君は、身を挺して涼宮さんを庇ったそうじゃないか」
橘「そう。それで機関の方々も冷静になったのでしょう。貴方は一般人です。
  巻き込んでしまっては大変ですからね。機関の方々にとっては、貴方も
  また涼宮さんの被害者。つまりは、『仲間』なんです」
橘「加えて、長門さんの出現で、機関の方々も慌てた。想定外の事態だった
  みたいですしね。それで、殺し屋への依頼はキャンセルされ、涼宮さんは
  事情も知らずに生き延びたというわけです」
佐々木「どうだい?僕も最初に聞いた時は信じられなかったが、よく考えてみると
    納得のいく話じゃないかな」
キョン「………」



164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:37:52.22 ID:09IjwnMZ0

キョン「だから……、殺し屋を雇ったと?」
橘「裏の世界のプロとあれば、お金さえ出せば詳しい事情を話さずとも
  引き受けてくれるところだってあるんですよ。まあ、そんな相手に
  頼まずとも、はした金で人を殺す人なんて、世の中にゴロゴロいます
  けどね」
キョン「………」
橘「機関の方々は、ついに立ち上がったのです。神の紛い物を始末すべきで
  あることに、ようやく気付いたのです!だから、殺し屋を雇って、彼女を
  殺させようとしたわけなのです」
藤原「既に聞いているかもしれないがな、涼宮ハルヒの『力』は、既にだいぶ
   弱まってきている」
橘「そうなのです。彼女の力は次第に弱まっています。だから、やるなら今のうちが
  一番良いのです。最近は大規模な閉鎖空間も発生していないそうじゃありませんか」
キョン「………」
橘「『世界の災厄の、諸悪の根源は涼宮ハルヒ』。機関の方々の考えは、そういった結論
  に帰結したのでしょう。結果、涼宮さんは殺し屋に狙われた。しかし、途中で妨害が
  入ったのです」
キョン「長門か……」
橘「はい、彼女もそうですが、何より、貴方の存在ですよ、キョン君」
キョン「俺?」



170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:48:45.38 ID:09IjwnMZ0

橘「今回の失敗がありますから、機関の方々もまたすぐ行動を起こすような
  ことは無いでしょう。しばらくは、また様子を見始めると思いますよ。
  キョンさん、分かったでしょう?涼宮さんに『力』を持たせておいても、
  何の得にもならないのです。むしろ、またこのような事件を引き起こす
  だけです」
キョン「…しかし、ハルヒの力は落ち着いてきてるんだろ?もう少し、様子を
    見れば、そのうち消えてなくなるかも知れないじゃないか」
藤原「ふっくっく……。その考え方が甘いんだよ。そんなに簡単にいくと
   思うか?」
キョン「なに?」
橘「キョンさん。弱まっているとはいえ、涼宮さんが『力』を持っていること
  に変わりは無いんです。突然暴走することだってあり得るわけです。悠長な
  ことを言っている余裕は、今の機関には無いんですよ」



171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:53:54.61 ID:09IjwnMZ0

橘「スポンサーからの資金援助にも、限界があります。機関の方々だって、
  本業があるわけですし、自分の生活をこれ以上犠牲にしたくないんですよ。
  涼宮さんの力がこのまま消えてなくなる保証もありません。また強まって
  しまったら、以前のように、彼女がストレスを感じるたびに神人との戦い
  に駆り出される」
藤原「そのためには、力が弱まっている今が、最大のチャンスだということだ」
キョン「……ウソだろ?だからって……」
橘「勿論ですよ、キョンさん。だからと言って、涼宮さんを殺していいという
  道理はありません。涼宮さんだって、『力』が無ければただの人間です。
  彼女を殺すことは、法的にも、倫理的にも許されることではないのです」



172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 10:57:42.91 ID:09IjwnMZ0

佐々木「キョン。前に言っただろ?僕は君を親友として認識している。
    親友にとって大事な人間が、命の危険に曝されているのに、みすみす
    見殺す真似を僕はしたくない。いや、絶対にそんなことはさせないよ」
キョン「佐々木…」
橘「キョンさん。本当なら、今ここで、涼宮さんの『力』を佐々木さんに譲渡する
  話を承知してもらいたいのですが、今はその話はよしましょう。とにかく、
  涼宮さんの安全の確保が大事です。我々も協力します。機関の方々を、誤った
  方向へ進ませてはいけないのです」
キョン「………」



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:05:28.74 ID:09IjwnMZ0

橘「もっとも、いきなりの話ですから、混乱することも多いでしょう。今日は
  もう遅いですし、また後日にしましょう。よく考えておいてください。
  我々を信用して涼宮さんを助けるか、機関の方々を信用して、最悪の結果を
  見るか、どちらかですよ、キョンさん。選ばなければならない時が、必ず
  来ます」
キョン「………ああ」
佐々木「こんな時間に呼び出して、すまなかったね。家まで送ってもらおう」
キョン「そうだな。……ん?」
佐々木「?」

キョン「あれは…間違いない。千葉さん!」
橘「へ?」



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:08:57.06 ID:09IjwnMZ0

千葉「………」
キョン「奇遇だな。こんなところで会うなんて」
橘「し、知り合いの方ですか?」
キョン「ああ、北高の…あ、何年生でしたっけ」
千葉「三年だ」
キョン「あ、やっぱり。すいません、部室でタメ口利いて…」
千葉「気にしなくていい」



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:11:53.69 ID:09IjwnMZ0

千葉「そっちは、君の友人か?」
キョン「あ、はい」
佐々木「は、初めまして。佐々木と言います。彼とは、中学の時の友達で…」
千葉「………」じっ
佐々木「!!」ドキッ
千葉「……そうか。まあ、あまり夜遅くまで、家の外にいない方がいい。
   校則で、決まっているんだろう?」
佐々木「あ、はい。すみません」
キョン「千葉さん、こんな所で何を?」
千葉「ミュージック…」
キョン「へ?」



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:17:25.67 ID:09IjwnMZ0

千葉「この店の中で流れているミュージックを聴きに来たんだ」
キョン「は……はぁ(ミュージック……)」
千葉「………」
周防「―――!!」ぞくっ
千葉「………」
キョン「なんか…、急に寒くなりましたね。冷房ついてるわけでもないだろうに…」
佐々木「き、キョン!その人の言うとおり、あまり遅くならない方が…」
キョン「あ、ああ。そうだな。じゃあ、千葉さん。また今度」
千葉「ああ」

周防「―――」
橘「九曜さん…?どうかしたんですか?」
周防「何でも――ない――」ビクビクッ
橘「………?」



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:22:35.07 ID:09IjwnMZ0

キョン宅前にて…
佐々木「まだ雨がやまないね…」
キョン「ああ、しつこいくらい降り続けだ」
佐々木「それじゃあ、気をつけて」
キョン「気をつけるも何も、玄関の前だろうが。何を気をつけるんだ」
佐々木「そういうことじゃないよ。さっきの話さ」
キョン「……ああ。まあ、俺はお前のことは信用しているからな。お前が
    橘の話を信用するなら、まあ、俺も考えておくさ」
佐々木「君からそういう言葉を聞けると、僕としても嬉しいよ。それじゃ」

ガロォォン(ワゴン車のドアを閉める音)
ブオォォォォォン…………

キョン「………」
ガチャ
キョン「…ただいま」
妹「あ、キョンくん、どこ行ってたの?」
キョン「…大した所じゃないさ」
妹「ふーん」



184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:28:48.04 ID:09IjwnMZ0

時刻 24:10…
キョン(寝付けねえな…当然か。あんな話を聞いた後だ)

――涼宮さんと貴方を襲った殺し屋を雇ったのは、古泉君の所属する、機関の方々です――

キョン(橘は今一つ信用できないところがあるが、しかしあいつの話も、
    まんざら出鱈目には聞こえなかった。何より、あの佐々木が信用
    している)

――ふっくっく……。その考え方が甘いんだよ――

キョン(ちっ……あの暗黒微笑の未来人め。言いたいようにいいやがって…)

キョン(……………)

キョン(古泉は、あの笑顔の下に、何を考えているんだろうな…。今日ほど、
    人の心が読めるようになりたいと思ったことはないぜ)



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:40:33.09 ID:09IjwnMZ0

同時刻、ハルヒ宅…
ハルヒ「あ、そう言えば、日曜日の不思議探索の予定、皆に言っとくの忘れてたわ」

ハルヒ「あたしってばドジねぇ…。今からメールしようかしら。キョンとか絶対
    寝てるわよね…。まあ、いっか。メールなら明日の朝でも気づくでしょうし」
ハルヒ「ふんふ~ん……」

窓の外にて…
??「蜂…蜂…とんで来た…頭の用心…御用心……下駄ぬいで投げろ」
??「…投げても駄目だ…頭の用心……御用心………」



186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:44:40.55 ID:09IjwnMZ0

時刻 24:52…
蝉「ふぅ…八分前か。充分だろ」
??「蝉さん…ですか?」
蝉「ん?ああ、あんたが依頼人か。相手はどこだ?」
??「じきに下りてきますよ。よろしくお願いしますね」

橘「手筈は整っていますから」



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:50:08.44 ID:09IjwnMZ0

同時刻、機関所有のビル内にて…
森「古泉、遅くまで手伝わせて、悪かったわね」
古泉「いえ、気にしないでください。以前に比べれば、ずっと楽になりましたしね」
森「ええ。涼宮さんの『力』がこのまま静かに沈静化の一途を辿ってくれれば、
  これからはもっと楽になるでしょうね」
古泉「ふふ。そのためにも、彼にはもう少し頑張ってもらいたいところですが」
森「クスッ。そうね」

新川「仕事は片付きましたか?」
古泉「はい。もうじき終わります」
新川「私は、先に失礼させていただきますが、よろしいですかな?」
古泉「はい。新川さんも、お疲れ様です」



191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 11:54:05.64 ID:09IjwnMZ0

新川「それでは、くれぐれも無理はなさらないように…」
ガチャッ、バタン
カツカツカツ
新川(おっと、荷物を取りに行かねば…)
カツカツカツ
ガチャッ
??「」ペラッ
新川「!」
??「」パラッ

ザアアアアアアアア………

新川「……どなたでございますかな?」
??「………」パタンッ

         『罪と罰』



194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:00:32.52 ID:09IjwnMZ0

さる食らってしまいました…

??「」ガタッ
新川「!?」ザッ

??「………」すた…すた…すた…

         『人は誰でも死にたがっている。』

新川「あ、貴方は一体…!?誰なのですか!!?」
??「……………」

            「鯨」



198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:06:20.44 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:00…
橘「あ、エレベーターが動いてますね。多分、そこから来ると思いますよ」
蝉「なんでもいいさ。さっさと終わらせてえんだ」
橘「焦りは禁物ですよ♪何事にもね……」

チーン………

橘「さあ、着いたみたいですよ」

ガーーッ……



199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:07:12.62 ID:09IjwnMZ0

いいとこなんですが、ちょっと空けます。(昼飯です)
しばらくお待ちください。すみません。



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:11:28.75 ID:FXD9rEO9O





201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:17:23.64 ID:09IjwnMZ0

戻りました。続けます。

朝倉「あら、待たせてしまったみたいね。ごめんなさい」

橘「………は?」
蝉「………?」



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:21:10.59 ID:09IjwnMZ0

朝倉「あ、自己紹介が遅れたわね。私は朝倉涼子。長門さんの友達よ。
   橘さん、だったわね。長門さんなら部屋で待ってるわ。行きましょ?」
橘「え、あっ!そうなんですか。すいません、ビックリしちゃって…」
橘(え、何?誰ですか、この人…!?なんで長門さん本人が来ないんですか?
  非常識にもホドがあるでしょ!人を使って呼びに来させるなんて、何を
  考えているんですか!?これじゃあ計画に支障が出るじゃないですか…)
蝉「おい、呼ばれてんじゃねぇか。行くぞ」トンッ
橘「へっ?あ、はい!すみません」

朝倉「………」ニコッ



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:25:45.00 ID:09IjwnMZ0

エレベーター『ドアが閉まります……』

橘(マズいですね…。エレベーターの中じゃあ、こっそり打ち合わせなんか
  できそうにないじゃないですか。困りました…。まあ、私がこっそり
  この人を部屋の外に呼び出して、その間にこの殺し屋さんに部屋の中で
  長門さんを片付けてもらえばいいんですが、しかしこの殺し屋さん、
  あんまり頭良さそうじゃないし…。私の考えを読んでくれるかどうか…)
蝉「………」
朝倉「どうしたの?橘さん。何か、考え込んでいるみたいだけど…」
橘「ひぇっ!?あ、いえいえっ!なんでもないですよぉ」
朝倉「そう?それならいいけど」ニコッ
橘「あははぁ……(笑顔怖ッ!なに、この人…)」



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:30:02.45 ID:09IjwnMZ0

チーン………
朝倉「さ、着いたわよ。行きましょ」
橘「はい……」
蝉「………」
スタスタスタ……

朝倉「この部屋よ」ガチャッ
橘「あ、じゃあ、お邪魔しま~す…」
蝉「………」

橘「……き、綺麗な部屋ですね(というより何も置いてませんね)」
朝倉「長門さんって、あんまり物を置かないみたいなの。だから、必要最低限
   の物しか置いてないのよ。変わってるでしょ?」
橘「あ、はは……そうですね。ところで、その長門さんは?」
朝倉「うん、居ないわよ」ニコッ



206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:33:01.44 ID:09IjwnMZ0

橘「………はい?」
朝倉「長門さんは、ここには居ないわ。今、出掛けてるの。いつ戻るかは、未定」
橘「えっ、え……ど、どういうk」
朝倉「もうそろそろ本音を出してもいいんじゃない?わざわざ、人目に着かない
   部屋の中にまで案内してあげたんだから」
蝉「へっ……分かってやがったのか」
橘「なっ…な……」
朝倉「勿論、分かっていたわ。貴方の正体も知っているわよ、橘さん」ニコッ
橘「!!」ビクッ



208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:36:46.82 ID:09IjwnMZ0

朝倉「随分と甘く見られたものね。確かに、長門さんは以前に比べて弱体化
   しているし、貴方は知らないかもしれないけど、私も再生された今は
   最初に比べて随分力が落ちてる。けどね……」

朝倉「ただの人間相手に後れをとるほど弱ってはいないわよ?」スッ

橘「ちょ、ちょっと待ってください!落ち着きましょうよ、ね?と、とりあえず
  そのナイフをこっちに向けるのやめてくださいよ」
蝉「お前がまず落ちつけよ。つまり何か?俺の仕事の相手はここには居なくて、
  俺たちは最初からこうなるように仕向けられていたってことか?」
朝倉「そういうこと♪物分かりが良くて助かるわ」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 12:42:29.41 ID:09IjwnMZ0

朝倉「貴方達が何をたくらんでいるのかは知らないけど、大体想像はつくわね。
   キョン君を呼び出して、いろいろ吹き込んだみたいじゃない。知ってるのよ?」
橘「な、なんで……?」
朝倉「ある人に頼んで、『調査』してもらったの。その人、というより人じゃないけど、
   彼は電波に乗った会話を聞き取ったり、いろいろと便利な力を持っていてね?
   貴方達が妙なまねをしようとしていることを長門さんが察知して、彼を監視に
   つけてくれたのよ」
橘「」

マンション前にて…
『どうだ?』
千葉「可、だな」
『そうか』
千葉「ちゃんと調査をした結果だ」
『みんな、そう言うよ』



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:01:49.49 ID:09IjwnMZ0

さるさん

朝倉「もう説明はいいでしょ?じゃ、そういうことだから」

       「死んで♪」ヒュッ

ガギインッ!!
朝倉「!!」
蝉「………よく分からねぇが、お前、俺を騙しやがったのか?」ギギギ…
橘「ひぃっ……!!ち、違いますよ!!わ、私だって、こんな…」
朝倉「貴方もナイフを持ってたの…」パッ
蝉「………」ザッ



215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:06:23.17 ID:09IjwnMZ0

ひゅおっ   ガギイィィンッ!!

蝉「俺とナイフでやり合うのかよ…、お前、強いのか?」ギギギギ……
朝倉「さあ、どうでしょうね…。試してみたいの?」
ダダッ
蝉「んん?」
橘「ハア、ハア……!」

蝉「おい」
橘「!」ビクッ

ボゴオォッ!

橘「ぶへっ!!」ズザザーッ



217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:09:19.79 ID:09IjwnMZ0

蝉「残念だったな。逃がすかよ」
橘「あっ、あうっ……うぅ…」
蝉「素手で殴ったのは手加減したわけじゃねぇ。歩幅がそうだったんだ。
  わかってんだろうな?」
橘「ひぃっ!」
蝉「自分だけ逃げようなんて、ムシが良すぎんだろ。説明してもらわねぇとな」



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:14:33.73 ID:09IjwnMZ0

朝倉「あら?説明なら、さっきした通りよ」
蝉「そうじゃねぇ。俺は1時までにここに来るように言われて、それで『ながと』という
  名の奴を殺すように言われて来た。しかし、そいつはここに居なくて、俺は今、無駄
  働きをさせられてる。依頼内容に嘘を混ぜられちゃ困るんだよな。ったく、これだから
  岩西の奴は信用できねぇんだ。何がジャック・クリスピンだよ。マトモな依頼の一つ
  でも持ってきやがれってんだ」
朝倉「その話、全部聞かなきゃ駄目?」
橘「い、依頼追加です!!お金なら払いますから、そ、その人も殺してください!早く!!」



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:17:14.40 ID:09IjwnMZ0

朝倉「あら、怖いこと言うのね。お仕置きが必要かしら…」
蝉「正式な依頼なら一応岩西を通してくれねェと困るんだがな…。ま、そうも言って
  られねぇか」
朝倉「面倒ね。情報操作で一度に壊しちゃおうかしら」
橘「………!」
朝倉「それじゃ、さよなら♪」



222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:20:27.77 ID:09IjwnMZ0

一同「……………」

朝倉「………あ、あら?」
蝉「なんだよ、何かやるつもりだったんじゃないのか?」
橘「………」ニヤッ
朝倉「…どういうこと?暴走の防止のために力は弱められているとはいえ、
   情報操作そのものは可能なはずなのに…」
蝉「なんだか知らねェが、何もしてこないなら」ヒュッ
朝倉「!!」
蝉「それまでだな」

ブシュッ………



224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:25:54.81 ID:09IjwnMZ0

朝倉「くっ………!」
蝉「素早いじゃねぇか」
朝倉「…なぜなの?情報操作ができない……」
橘「あはっ、あははっ!ざまァ見やがれなのです!」
朝倉「!?」
橘「我々が、貴方達を相手に、何も準備なしで乗り込んでくるとでも、
  思っていたのですか?九曜さん、出てきていいですよ」
周防「―――」スッ
朝倉「………!天蓋領域の…」
橘「あなたはねェ、もう情報操作は使えないんですよ。この部屋の中ではね。
  いざという時のために、九曜さんにバックアップをお願いしていたんです。
  情報操作が使えなくなるように、ね。おかげで、他の行動は全部制限されて
  しまったみたいで、そこから動けませんが」
朝倉「…弱ったわね。全然気付かなかったわ」



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:32:34.69 ID:09IjwnMZ0

橘「本当は、長門さんを真っ先に始末する予定だったんですが、その予定が
  全部狂っちゃいましたよ。貴方のおかげでね、朝倉さん。でも、いいです。
  貴方を先に殺して、後で長門さんも後を追わせてあげますよ。大体、どこに
  いるかは予想できますし。手は打ってあります」
朝倉「………」
橘「さあ、蝉さん。殺しちゃってください!」
蝉「話が見えねェが…まぁ、いいか」
朝倉「ふ…ふふ……」
橘「!?」
朝倉「その娘は、そこから動けないのね?だったら、同じじゃない。私の
   情報操作を妨害する代わりに、自分もそこから動けない。なら、簡単に
   殺せるじゃない。あっは、なんで気付かないのかしらね」
蝉「………」
朝倉「情報操作が使えなくても、貴方達なんて、私一人で十分よ」



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:38:50.32 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:00 機関所有のビル内にて…

新川「」ブラン ブラン……

鯨「………」
カツカツカツ…
鯨「……!」
藤原「ふっくっく…。便利な能力だな」
鯨「………」
藤原「僕はまだ仕事がある。その調子なら、任せておいても大丈夫そうだな。
   先に行かせてもらうぞ」
鯨「………ああ」
藤原「………」
カツカツカツ……



227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 13:41:59.98 ID:09IjwnMZ0

鯨「………」
ガチャ
すたすたすた……

森「忘れ物は無いかしら…大丈夫そうね」
ガチャリ
森「あら、古泉かしら?先へ行ってていいわよ。すぐ行くから…」
バサッ
森「?」

カツン――ー

「好きに書け」
鯨「お前の遺書を」



230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:02:39.88 ID:09IjwnMZ0

森「………だ」
ピルルルル……
森「!!」バッ、ピッ
古泉『森さん、どうしました?外で待っているのですが』
森「古泉!あなt…」
鯨「」すっ
森「!!」ビクッ
古泉『もしもし、森さ…』ピッ

鯨「飛び降りだ」

森「!」
鯨「お前は飛び降りて自殺するんだ」



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:06:38.73 ID:09IjwnMZ0

森「なっ!あなたまさか……殺し屋!?」
鯨「殺し屋?違うな。俺は、『自殺屋』と呼ばれている」カツッ

鯨「俺の両目を見ると、自分の中に抱えている罪悪感や無力感が増長して、
  生きていることを苦痛に感じると言われたことがある」

鯨「俺は自殺を強要する『能力』を持っているんだろう」

森「!!」ビクッ
鯨「さぁ」ぐっ

         「  俺  を  見  ろ  」



232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:10:15.69 ID:09IjwnMZ0

きいぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいん――――ー

森「あっ……あぁぁ…………」ぶるぶるぶるぶる

鯨「そして……お前の不安を解放しろ…」

森「はっ……はっ……はぁっ……はぁっ……」ぶるぶるぶるぶる

鯨「心配事を消す方法は一つだ」

      「 お 前 が 、 死 ね ば い い … 」



233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:24:37.64 ID:09IjwnMZ0

時刻01:15 長門の部屋にて…
きいんっ  ガキッ  ギィンッ!!  ギャリイィイン!
蝉「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
朝倉「はっ…はぁっ…はぁっ…」
橘「うっ……」
朝倉「や……やるじゃない…人間のくせに……」
蝉「はっ、まるで、自分が人間じゃねェみてぇな言い方だな」
朝倉「ええ、そうよ?私は、人間じゃない…」
蝉「そうかよ」ヒュッ
ガキッ!!
橘「うぅっ…いつまでかかるんですか!?さっさと終わらせてくださいよ!
  プロなんでしょ?そんな女一人に、どれだけ時間かける気ですか!?」



235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:29:58.62 ID:09IjwnMZ0

蝉「うるせェな、お前も刺されてぇのか?」ジロッ
橘「ひっ!」ビクッ
朝倉「ほらほらっ、よそ見してていいわけ?」ひゅっ
蝉「うおっ」バッ
ビシュッ……
蝉「ちっ…」
朝倉「あははっ、上手に避けるじゃない」



237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:34:55.72 ID:09IjwnMZ0

蝉(ナイフの振り方に無駄な動きが無ェな…扱いに慣れてやがる)
朝倉「情報操作が使えれば、動けなくして、じわじわと切り刻めるんだけどねェ」
蝉(けど、遅いな。見えすぎだって)
ひゅっ
サッ
朝倉「えっ………?」

蝉「終わりだな」

ドスッ



238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:41:32.80 ID:09IjwnMZ0

朝倉「ごぶっ………!」
ぱしゅっ
ドサッ
朝倉「う…嘘……?何コレ…?そんな……」
蝉「うるせェな、早く死ねよ」ヒュッ
朝倉「長門さ……ごm」
ブシュッ

蝉「……終わったぜ」
橘「は、はは、ははは!や、やったのです!これで、敵を一人、片付けたのです!
  あははははっ!」
周防「朝倉涼子――の―死亡を――確認――」スウッ
橘「あははっ!情報操作が使えなきゃあ、弱っちぃじゃないですか!あはははっ!
  九曜さん、やりましたよっ!お手柄です!!あっははははは」



241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:46:23.46 ID:09IjwnMZ0

蝉「いつまで馬鹿みてぇに笑ってやがんだ。さっさと金を払えよ。仕事の追加分だ」
橘「まだですよ。もう一人、残っているじゃないですか。長門さんを殺してからでないと、
  報酬は払えないのです」
蝉「払えないのですってお前、馬鹿にしてんのか?」
橘「あなた、プロでしょ?」
蝉「……チッ」
橘「さあ、ほら、早く!長門さんを追うのです!手柄を横取りされちゃいますよ!」



243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:53:31.26 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:10 機関所有のビル、ロビーにて…
古泉(森さん、遅いですね。何かあったのでしょうか)
古泉「携帯で呼んでみるとしましょう」
プルルルルッ……ガチャッ
古泉「あ、もしもし森さん、どうしました?外で待っているのですが」
森『古泉!あなt…』
古泉「もしもし、森さ…」ブツッ
ツーツーツー……
古泉「もしや、森さんの身に何か…!」
カツカツカツ……



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 14:57:09.24 ID:09IjwnMZ0

古泉「エレベーターは、片方空いていますね」
エレベーター『ドアが閉まります』
ガーッ……

(隣のエレベーター到着)
ポーン
隣のエレベーター『一階です』
スウゥーッ……
カツカツカツ
藤原「さて、行くとするか」
カツカツカツ………



246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:00:05.94 ID:09IjwnMZ0

古泉「上の階だと、流石に時間がかかりますね…」
古泉「………」

ひゅぅぅっ

古泉「?」
森「」
古泉「!!?」



ドチャッ



248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:04:51.06 ID:09IjwnMZ0

古泉「――――――!!!」

古泉「森―――さん――?」

古泉(今、窓の外を落ちて行ったのは。いや、そんな馬鹿な。そんな……。
   そんなことは、そんなことって……!そんな……)

ポーン
エレベーター『42階です』



250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:18:37.75 ID:09IjwnMZ0

ガチャ
鯨「」
古泉「………」
鯨「!」

古泉「貴方ですか?森さんを突き落としたのは」
鯨「…………自殺だ」
古泉「…………ほぅ」
ヒュッ
鯨「!」
ザザッ
古泉「しらばっくれる必要はありませんよ。分かりますから。貴方の気配は
   まともじゃない。貴方、『殺し屋』ですね?」
鯨「………いいや、違う」

古泉「しらばっくれなくていいって言ってんだろ」

鯨「………」
古泉「ここなら、もう演技をする必要も無いからな」ギリッ……
ツカツカツカ

古泉「死んで詫びろよ」

鯨「………」



254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:33:14.77 ID:09IjwnMZ0

同時刻、周辺廃ビル内にて…
藤原「………」
??「見て来たわ」
藤原「………!む、そうか。ごくろ……!」
??「? 何?」
藤原「スズメバチ……下着をつけろ。殺し屋といえど、品位を疑われる行動は
   慎んでもらわないと困る。大体、お前は」
ガシッ
スズメバチ「あなたみたいな雑魚に『お前』なんて呼ばれると屈辱感で倒れそうよ…」
藤原「!!? あがぎぐが…や、やめろ!離せ!どこをつかんで…お、やめ…あぅっ!!」
バタッ
藤原「ぐぉぉ…くっそぉ~!野蛮な現地人めェ……これだからこの時代の人間は…」



255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:40:23.93 ID:09IjwnMZ0

スズメバチ「涼宮ハルヒは家に居る。周囲に何人か警備と思しき人間がいたから、
      全員動けなくしてきたわ。でも、ギリギリ生かしておけなんて言われた
      から、ストレス溜まってるの。あなたでそれを晴らしたい気分なんだけど…」
藤原「……冗談はやめろ。それより、用意が整っているのなら、さっさと始めないとな」
スズメバチ「…ふふ、始まるわ。じわじわじわじわ、追いつめないと…」



257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:46:14.20 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:15 機関所有のビル42階の一室にて…
鯨「」スッ
古泉「逃がすかァッ!!」ヒュッ
鯨「………」ス・・・
がしっ
古泉「!! なっ……」
ぶぅんっ
ドガァッ!
古泉「なっ!…げほっ!」ずるる…

鯨「俺を見ろ」

古泉「!」

鯨「 人 は 誰 で も 死 に た が っ て い る ん だ 」



258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:50:02.95 ID:09IjwnMZ0

鯨「人は  誰でも   死にたがっているんだ」

古泉「ふ、ふざけるな!なら、お前が死ねば…」
古泉「!」

ズズズ……

古泉(窓の外に…森さん!?)

  古泉……貴方が早く来てくれなかったから、私はホラ、
   こんな姿になっちゃったわよ?
 貴方のせいよ? 上に、機関に何て説明するの?

古泉「!!」



259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:54:04.92 ID:09IjwnMZ0

   きっともうすぐ電話がかかってくるわ…
    いつもみたいに…

古泉(幻覚!?なんだ…どうして!?)

  あなたに「次」はあるの?

古泉「!!?」

 機関から必要とされなくなったら、貴方はどうするの?
  行く場所はあるの?貴方を必要とする場所は本当にあるの?

古泉(幻覚だ…耳を貸すな!)



261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 15:57:58.00 ID:09IjwnMZ0

  涼宮さんは、本当に貴方を必要としているの?
   ただ、珍しい時期に転校してきたから、誘い入れただけ。そうじゃない?

 貴方はいつも笑顔の鎧をまとい、素の自分を隠してきた。
    そのせいで本当の友人はできない。誰にも本音を話せない。

   それは誰のせい?涼宮さん?

    いいえ違うわ。貴方のせいよ。

古泉「う…うぁ………」ガタガタ…



262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:02:05.40 ID:09IjwnMZ0

   貴方は所詮、使い捨ての手駒でしょう?機関には必要とされてなどいない。
  貴方の代わりはいくらでもいるものね。そうでしょう?

      貴方は機関の中でも優秀なメンバーだけど、「超能力者」という
       肩書を失ったら、果たして一人で生きていけるの?
     貴方を定義づけるものは無くなるんじゃない?
   
    こちら側にも居場所がなくなったら、貴方…
              どこへ行くの?

古泉「……………!!」ハァハァハァ……



264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:04:13.85 ID:09IjwnMZ0

「人は  誰でも     死にたがっている」
古泉「!!」
「人は
古泉「…………誰でも…」ハアハアハア…

   「 死 に た が っ て い る 」



267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:06:55.24 ID:09IjwnMZ0

   さあ、そこに銃が置いてあるじゃないか

 丁度いい   それで自分を撃って死ね
    楽になれる

   さあ  死ね    撃って死ね

古泉「ハッ…ハッ…ハッ……」

    ブルルルルルルル……ブルルルルルル………

古泉「!!」ビクッ



268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:11:36.59 ID:09IjwnMZ0

    機関からの電話だぞ?  出るのか、いいや、出れないよな。
      出たら存在全てが否定される

  
  
  [ 森「いい?今日からこれが、貴方の携帯よ」        ]
  [ 森「仕事で必要な情報は、こちらから回すわ。」      ]
  [ 森「知ってる?世の中、情報を集めた人間が生き残るのよ」 ]
  [ 森「いいわね古泉、必ず出るのよ」            ]



269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:17:35.33 ID:09IjwnMZ0

   出たら終わりだ    仲間を殺され、みすみすそれを見逃した
    お前に次はない
 ブルルルル   ブルルルルル
    ほら、電話が鳴ってる
   お前の居場所はもうないと告げるために
      出たら絶望するだけだ  その前に自分を撃て
さあ、早く撃つんだ。撃って死ね。
    死ね    死ね     死ね    死ね
古泉「そうだ、死ぬんだ…電話ももう出なくていい…神人と戦う必要も……
   演技をする必要も……涼宮さんのご機嫌取りも…しなくていいんだ…
   自由なんだ…」
  ブルルル[ い い わ ね 古 泉 ]ルルルルル
古泉「僕は…」
  ブルルル[ 必 ず 出 る の よ ]ルルルルル
古泉「…僕っは…」



270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:21:29.28 ID:09IjwnMZ0

ピッ

古泉「」
ポロッ
ガチャッ
古泉「はっ!!」
古泉「………………え?」
バッ
古泉「………………!携帯……な………鳴って…ない…僕……何して……?」



271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:25:12.46 ID:09IjwnMZ0

古泉「!!!  あの男……」
ダダダッ
ガチャッ

鯨「………」
エレベーター『ドアが閉まります』
ガーッ……
古泉「待てええええええぇぇぇぇェ!!!」

ドンッ  ドンッ  ドンッ  ドンッ
  キィンッ キィンッ キィンッ キィンッ



273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:31:14.22 ID:09IjwnMZ0

カキッ…カキンッ……カキッ………
古泉「ハッ……ハッ……ハッ……」
     ブルルルルルル
古泉「!」ギクッ
      ブルルルルルル
古泉(また…鳴ってないのに……音が………)
ドプッ………
古泉(!!? 足元に血溜まりが…さっきまで無かったのに!!)
古泉(この幻覚も幻聴も、全部あの大男が…!?)
ブルルルルル    ブルルルルル
古泉(僕はまだ、「帰って来れて」ないのか!?)
ブルルルルル
古泉「くっそ…」
    「 ち く し ょ オ ォ ! ! ! 」



274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:36:08.30 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:20 住宅街の道路上にて…
キョン「なあ、長門。そろそろ説明してくれてもいいんじゃないか?」
長門「………」
キョン「こんな時間に、しかも俺の部屋の窓から侵入してくるなんて、
    一歩間違えれば泥棒だぞ?」
長門「時間が無かったため、ああするしか無かった。許してほしい」
キョン「で、今、俺たちはどこへ向かっているんだ?」
長門「涼宮ハルヒの家」



275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 16:40:35.31 ID:09IjwnMZ0

キョン「ハルヒの家?ああ、そう言えば、日曜の不思議探索の連絡メールが
    来てたな。まさかそれのことじゃないよな?」
長門「それは無関係。もっと重大かつ緊急の用件」
キョン「そうか…ん?あれは…」
みくる「キョン君!待ってましたよ」
キョン「朝比奈さん。朝比奈さんも長門に呼ばれたんですか?」
喜緑「私が連れて来たんです」
キョン「喜緑さん…!」



278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:01:16.13 ID:09IjwnMZ0

長門「もう一度言う。事態は急を要する。よって、喜緑江美理の協力を要請した」
キョン「おい、古泉と朝倉はどうした?あいつらも呼んだ方が…」
喜緑「古泉君とは、先程から連絡が取れなくなっています。携帯の電源を切って
   いるらしく、繋がらないんです。それと……」
キョン「………?」
長門「朝倉涼子は死亡した可能性が高い」
キョン&みくる「!!?」
長門「午前01:08 23秒において、朝倉涼子との回線接続が断たれた。恐らく、
   天蓋領域による情報操作の妨害に遭ったと思われる」
キョン「天蓋領域…?あの、周防九曜とか言う奴か!」



280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:17:09.57 ID:09IjwnMZ0

キョン(待てよ…なぜこのタイミングであいつが朝倉を襲うんだ?たとえ敵対関係
    の相手でも、機関のゴタゴタがある今この時に、そんな騒動起こしてどうする?
    橘の話は信じていいのか?俺は何を信じればいいんだ?)
みくる「そんな…一体、何が起きているんですか?」
長門「私も、事の全容を把握できたわけではない。しかしまず、貴方に話しておきたい
   ことがある」
キョン「……俺に?」
長門「貴方が昨日の夜に橘京子から受けた説明を、全面的に信用しないでほしい」
キョン「……!なぜ、それを」
長門「朝倉涼子が言ったはず。面倒なことは私たちがやると。貴方を護ることも、
   我々の役目」



281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:20:16.03 ID:09IjwnMZ0

長門「古泉一樹が現在連絡を寄越さないのは、恐らく彼もまた、危険な状況に
   あるためと思われる」
キョン「古泉が、危険な状況?どういうことだよ、そりゃあ……」
喜緑「説明はまた後で。どうやら、のんびりお話をしている暇は無さそうですから」
キョン「!!」

藤原「ふっくっく。気づかれていたか」
キョン「……どういうことだ?」

「佐々木」



282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:23:55.10 ID:09IjwnMZ0

佐々木「くっくっ……。流石、長門さんは気づくのが早かったね。簡単にバレて
    しまったみたいだ」
キョン「おい、佐々木。なんだよそりゃあ。お前、なんでこんな場所に居るんだ?」
佐々木「君は気にする必要はないよ、キョン。君の周りに居る邪魔な小虫を払った
    後で、ゆっくりと説明するから」
キョン「何を言って……」
喜緑「キョンさん。分かりませんか?今回の一連の事件、黒幕は、彼女なんですよ」
キョン「………はい?」



283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:29:54.80 ID:09IjwnMZ0

キョン(OK、OK、落ち着け俺。よく分からなくなってきた。喜緑さんは今、
    なんて言った?『黒幕は、彼女』と言ったな。黒幕?彼女?何だそりゃ。
    意味が分からんぞ、大体、一連の事件って、何だよそれ。俺はあのナイフ
    野郎に襲われただけだが、アレ以外に何か起きているってのか?俺の知らない
    所で?古泉が今ここに居ないことや、橘が妙な話をしてきたことや、朝倉が
    死んだかもしれないってことが、それに関係してんのか?)
佐々木「君が悩む必要はない。全部、綺麗に解消するんだから」
キョン「待ってくれ。何を言ってるのかサッパリだ。意味が分からん。誰か、俺にも分かる
    ように三行で説明しろ」



284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:35:03.16 ID:09IjwnMZ0

佐々木「ふむ。君がそれをお望みなら、そうしよう。
    1.僕は君を自分のものにしたいと思った
    2.橘さんの組織の力を使って、腕の立つ殺し屋を雇い、邪魔ものを消す算段を付けた
    3.涼宮さんの始末をしようとここに来たところ、今、君が僕の目の前に居る
    これでどうだい?」
キョン「」
みくる「え?え?じゃ、邪魔ものって…」
佐々木「勿論、貴方も含むわよ。朝比奈みくるさん」
キョン「冗談だろ……?冗談だって言ってくれよ……」



286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:41:24.69 ID:09IjwnMZ0

ひゅぅっ  ストッ
スズメバチ「ねぇ王様。まだなの?まだ、お楽しみの時間じゃないのかしら?」
佐々木「もうすぐよ、待ちなさい。スズメバチ。じきに始まるから」
キョン「おい、佐々木。そいつは…」
佐々木「ああ、紹介しよう。キョン。彼女は、スズメバチ。僕が雇った殺し屋さ」
キョン「雇った……?」
佐々木「そう。涼宮さんを襲った蝉という殺し屋がいただろう?彼も、僕が雇ったんだ」
スズメバチ「」
キョン(同じだ…。あの目、身に纏う空気……。あのナイフ野郎とよく似てる)
佐々木「これから、涼宮さんを殺そうと思うんだ。一緒に見物しようじゃないか、キョン」



287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:49:32.95 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:27 長門のマンション前にて…
橘「はぁ~…うっかりしていたのです。彼女を殺す前に、長門さんの居場所を
  聞いておくべきだったのに」
蝉「俺は知らねぇぞ?殺せと言われたから殺したんだ。相手の居場所も分からねえ
  くせに殺せとは、ひどい依頼だな」
橘「なっ!?あなただって、何も考えずにナイフ振り回してただけじゃないですか!
  そのくせ、やたらと時間がかかったし!何が腕の立つ殺し屋ですか、全然、大した
  ことないじゃないですか!」
ヒュッ
橘「ひぃっ!?」
蝉「口が過ぎるぜ、小娘?誰を前にしてんのか、分かってんだろうな」



288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 17:54:04.69 ID:09IjwnMZ0

橘「な、ナイフを下してくださいよ!私は貴方の依頼主ですよ!?貴方の上司に
  言いつけますよ!?」
蝉「ぐっ」ギクッ

蝉「くそっ。どいつもこいつもムカつくぜ。岩西の野郎、面倒くせえ仕事
  させやがって!」



295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 18:25:43.61 ID:09IjwnMZ0

戻りました。色々世界観に矛盾があったりしてすみません。
書けるだけ書ききろうと思います。

~♪♪♪♪
橘「あ。私の携帯」ピッ
橘「もしもし…、あ、佐々木さんですか。え?…あ、はい。ええ、実はちょっと
  アクシデントがありまして…。ええ、はい。あ、それは大丈夫です。え?
  あ、そうそう。その朝倉さん。はい、大丈夫。死んだのはちゃんと確認しました。
  はい、九曜さんもいましたし…。はい、はい。あ、はい、分かりました…はい」ピッ
蝉「なんだ?」
橘「長門さんが見つかったそうですが、こちらで処理するので、もう追う必要はないと…」
蝉「なんだよそりゃあ…。俺の仕事はどうなるんだ?」
橘「多分、報酬は朝倉さんの分だけになるかと…」
蝉「っざけんな!いちいち方針変えやがって、こんな依頼があるかよ!!」
橘「ひぃっ!す、すみません」ビクッ



296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 18:34:29.85 ID:09IjwnMZ0

ブルルルル………ピッ
蝉「なんだ!?」
岩西『ああ、蝉。今、依頼主の方から連絡があってな。長門さんとやらを狙うのは
   ナシだそうだ』
蝉「なっ!てめェ、またそういう依頼だったじゃねェか!!いい加減にしやがれ!
  大体お前はいつもいつも俺を道具みたいに扱いやがってな、今回だって、相手が
  信用できるかどうかも分からねェうちから依頼を請けるからそういうことになるんだ!
  一体どういう依頼の請け負い方してんだテメェは!!」
岩西『そんなのァお前は知らなくていいんだよ』
蝉「『無関心でいるな。さもなければ明日には歌も取り上げられる』ってジャクソンも言ってた
  んじゃねーのかよ!!」
岩西『ジャック・クリスピンだ。声でけぇよ、アホ」
蝉「ちっ!」



298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 18:41:46.53 ID:09IjwnMZ0

蝉「なァ、俺だけ労働させられて、結果無駄働きで、金だけ岩西が取るんだぜ?
  お前もおかしいと思うよなァ」
橘「へ!?あ、え~と、そ、そうですねぇ……」
蝉「こういうの、何て言うんだっけか。さ、さく」
橘「搾取?」
蝉「そうそれだ。搾取だ」
岩西『おい、どうした?蝉』
蝉「うるせェ、こっちの話だ」
岩西『先方も最初の依頼金に別な奴を殺した分、さらにキャンセル料まで上乗せして
   払ってくれたわけだからな、結果としては大儲けだ。そんなわけだから、お前、
   文句言ってる暇があったら、さっさと土産買って帰って来るんだ。いいな』
蝉「なんだよバァカ!サクシュやろー!!」
岩西『搾取?はは、蝉のくせに難しい言葉知ってるじゃねえか』
蝉「うるさい!」ピッ
蝉「ちっ!バカにしやがって!あのアホ中年!」



299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 18:43:40.62 ID:09IjwnMZ0

蝉「おいっ!」
橘「ぴいっ!!な、なんです……?」

蝉「ここら辺に、土産物売ってる店ってあるか?」



301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 18:52:45.46 ID:09IjwnMZ0

時刻 01:30 住宅街道路上(ハルヒ宅の前)にて…
佐々木「じきに橘さんと周防さんもここに来るだろうから、そうすれば全員揃う。
    この乱痴気騒ぎも、これで終焉だよ」
喜緑(古泉君がいませんけどね…。どこにいるんでしょう、彼は)
キョン「おい、佐々木。目を覚ませよ。お前、どうかしてるぜ。お前は、俺の知っている
    お前は、こんなことをする奴じゃない。橘たちからいろいろ話を持ちかけられても、
    聞き流していたじゃないか。神になんか興味が無いって…」
佐々木「勿論、僕は神になど興味が無いよ。なりたいとは思わないし、居てほしいとも思わない。
    自分に願望を現実化させるような能力があったとしても、使いたいとは思わないね。
    僕は、ほしいものは自分の力で手に入れる主義なんだ。そして、それが本当にほしいものなら、
    どんな手段を使ってでも、手に入れる」
キョン「佐々木……」



302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:00:58.95 ID:09IjwnMZ0

キョン(冗談じゃない。あの、人一倍欲望に無頓着で、人一倍理性的で、人一倍
    小難しい話が大好きなあの佐々木が、そんな馬鹿みたいな理由で、ここまで
    暴走するか?組織の力を使って殺し屋を雇うなんて、ふざけているにもほどが
    ある。違う。こいつは佐々木じゃない。佐々木はこんなことを考える奴じゃ…)
長門「聞いて」
キョン「!! 長門…?」
長門「このままでは危険。涼宮ハルヒを敵の手に渡すわけにはいかない。何としても、彼女を
   先に助け出す必要がある」
キョン「………」



304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:06:53.03 ID:09IjwnMZ0

橘「佐々木さん、遅くなりました!」
周防「――遅くな――った――」
キョン「!!」
佐々木「橘さん、周防さん、来たわね。では、キョン。先に訊こう。
    君は、どちらの側に着くのかな?」

キョン「………」

――選ばなければならない時が、必ず来ます――

キョン(今がその時ってか。いや、そんなはずはない!)
キョン「佐々木。俺は、本物のお前の側に着く。今のお前は、佐々木じゃない。
    悪いが、俺はSOS団も、佐々木も、両方とも裏切れねぇんだよ。だから、
    お前の目を覚まさせてやる」



306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:17:34.04 ID:09IjwnMZ0

佐々木「くっくっくっ……。なるほど。いや、素晴らしい。実にいいよ、キョン。
    きっとそんな答えが返ってくるんじゃないかと思っていたんだ。やっぱり
    君は僕が見込んだだけのことはあるね」
キョン「………」
佐々木「けど、君は、やはり分かっていない」
キョン「なに?」
佐々木「君は、僕が普段見せているあの『僕』が、本当の僕の姿だと、本気で
    思っていたのかい?」
キョン「………」
橘「佐々木さん……」
佐々木「親は僕を、とにかく上位の学校へ入れて、エリートタイプの人間にする
    ことだけを考えている。休日も平日も関係ない。僕の自由意思なんて、
    これっぽっちも考えてはもらえないんだ。本当に理解し合える友人なんて、
    今の高校には一人もいないよ。周囲が退屈で仕方が無かった」



307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:24:12.42 ID:09IjwnMZ0

佐々木「勿論、親の考えだってわかるさ。僕の考え方がただの甘えに過ぎないという
    ことだって重々承知しているし、結局のところ、良い大学には入った方が
    就職の時にも、それからの人生にも役立つんだ。けど、それがなんだい?
    僕は、親の満足のいく子供になるためにこの世に生まれてきたわけじゃないんだ。
    僕には、僕の生き方があっていいはずだ。いや、無くてはいけない。くだらない
    友人ではなく、君のように、僕の話を受け入れてくれて、僕をより高めてくれる
    友人と付き合っていた方が、ずっと建設的じゃないか!」
橘「そ、そうですよ!佐々木さん。もっともです」
佐々木「口を挟まないでくれるかな、橘さん」
橘「」



308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:34:16.60 ID:09IjwnMZ0

佐々木「だから、決めたんだ。もう、『いい子』を演じる必要はないだろう?
    神の力なんかに興味は無いけれど、それを崇めて集ってくる連中を利用する
    ことならできる。僕は、僕の力で、カラを打ち破るのさ。何もかもまっさらにして、
    その上で君と一緒にいたいんだ。精算するんだよ」
キョン「………」
佐々木「神なんかより、むしろ、魔王の方がよっぽどいいじゃないか。僕は、手段を選ぶつもりは
    ない。君を手に入れるためだったら、何だってしようじゃないか。戦争を起こしたって
    いいくらいだ。他の人間がどれだけ死のうと、構わないよ。ふっ切ったんだ」
キョン「………そうか」
長門「迷っている暇は無い。今、ここで決断して」
キョン「……………ああ」



309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:38:37.47 ID:09IjwnMZ0

キョン「悪いが、佐々木。俺の中学以来の親友は、どうやらどこか遠くへ
    行っちまったらしい。今のお前は、俺の知らない人間だ。だから」
佐々木「………」
キョン「お前は俺が止めてやるさ!佐々木…!」

        「 対 決 だ ! 」



310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:45:39.05 ID:09IjwnMZ0

佐々木「……くっくっくっ。そうかい、残念だね。なら、いいだろう。応じようじゃないか。
    スズメバチ!もう我慢しなくていい。涼宮ハルヒを殺しておいで。ただし、一息に
    殺しちゃダメだよ?僕の親友を僕のもとから奪っていった、一番の原因だ。だから、
    時間をかけてじわじわと殺すんだ。君になら、できるだろう?」
スズメバチ「王様の命令ならば……」
タンッ
長門「させない」
ヒュッ
スズメバチ「邪魔をするの?なら、容赦しないわ」
喜緑「私は長門さんを援護します!キョン君、朝比奈さん、急いで涼宮さんの家に!」
キョン「分かりました!」
周防「行かせ――ない―」
喜緑「貴方の相手は私ですよ」



313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:52:32.09 ID:09IjwnMZ0

キョン「…とは言っても、家の中に既に敵がいたりとか、しませんよね」
みくる「機関の方々が涼宮さんの警護のために家の周りを固めていたらしいんですが、
    一人もいなくなっているんです。ただ、喜緑さんと私が到着したときには、
    家の敷地内には敵は居ないと喜緑さんが言ってました」
キョン「分かりました!さっさと行って、さっさと連れ出しましょう」
ガチャガチャ
キョン「あっ……当たり前か。ドアの鍵…」
すっ  ガチャリ
キョン「!…長門」
長門「急いで」ヒュバッ



314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 19:58:33.04 ID:09IjwnMZ0

ダダダッ
キョン「ハルヒ!おい、ハルヒ!」
みくる「涼宮さ~ん!どの部屋ですか!?」
ガタッ
キョン「ん?こっちか…」スッ

スズメバチ「どぉしたの?誰かお探し?」

キョン「!!? う、うわっ……」
みくる「きゃあっ!!」



315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:03:13.52 ID:09IjwnMZ0

スズメバチ「ふふ…ねェ、今どんな気分?言ってみて、ほら」
キョン「あ……あ…」ガクッ
スズメバチ「…ああ…いい顔…」
みくる「キョン君、に、逃げ……」
スズメバチ「警察が来るまでゆっくりと遊ばせてもらうわ」
ドガァッ
スズメバチ「!!?」
長門「そうはさせない」
キョン「長門!」
長門「彼女の部屋は二階。恐らく両親はもう手遅れ。彼女だけでも連れて逃げて」



316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:10:18.36 ID:09IjwnMZ0

キョン「て、手遅れって…」
スズメバチ「ふ、ふふ…。勘の鋭い姉様。あなたの言う通り。騒がれると困るから、
      涼宮ハルヒの両親はさっき、先に始末しておいたわ。私が大事に大事に
      調合した『毒』。今頃、苦しんでいるハズよ?間近で見れないのが残念
      だけど」スッ
キョン(靴の爪先に……針!?)
スズメバチ「次は、あなたたちの番…」
キョン「くっ……長門、すまん!ここは任せるぞ!朝比奈さん!!」ガシッ
みくる「ひゃっ!」

スズメバチ「まあ、薄情な兄様…」
長門「あなたの話に付き合っている暇は無い」



317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:14:05.63 ID:09IjwnMZ0

バァァンッ
ハルヒ「きゃあっ!?」
キョン「ハルヒ!無事か!?」
みくる「涼宮さん!」
ハルヒ「な、何よ…へ?キョンに、みくるちゃん?え?今、何時?なんで…」
キョン「悪い!詳しい話は後だ、何も言わずについて来てくれ!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!なんなのよ、いきなり!?」
キョン「朝比奈さん、階段の下にはあいつが居る。二階の窓から出ましょう!」
みくる「は、はい!」
ハルヒ「勝手に話を進めるんじゃないわよ!なんなのよ、一体!?」



319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:17:38.95 ID:09IjwnMZ0

キョン「こう言えば分かるか?あのナイフ野郎の仲間が、お前を襲いに来たんだ!
    家の中に来てるんだよ!だから、急いで逃げるんだ」
ハルヒ「い、意味分かんない!あんたたちがいる理由になってないじゃない!それに、
    警察呼ばなきゃいけないでしょ!?親だって…」
キョン「………」
ハルヒ「な、何よ…?へ?下の部屋にあたしの親が…」
キョン「ハルヒ。頼む、今は、俺たちについて来てくれ!」



322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:23:12.92 ID:09IjwnMZ0

ハルヒ「……どういうこと?お父さんと、お母さんが、下に居るのよ…?
    置いて行けないじゃない!ちゃんと目を見て話してよ!!」
キョン「ハルヒ……」
ハルヒ「ねえ、早く一階に…」
バツンッ!
ハルヒ「え………?」バタッ
キョン「は……ハルヒ!?」
長門「一時的に意識を奪った。今は彼女を説得している時間が無い」
キョン「長門!…すまん、助かった」



324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:26:43.37 ID:09IjwnMZ0

長門「先程の殺し屋はまだ動ける。しかし、相手をしている余裕はない。
   今は逃げることに専念する」
キョン「喜緑さんは?」
長門「……急いで」
キョン「!! ………ああ」
カララ…
キョン「朝比奈さん、大丈夫ですか?」
みくる「はい、なんとか…」
長門「………」



325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:30:02.86 ID:09IjwnMZ0

キョン「よし、物置伝いに下りれたな。しかし、これからどうする?
    連中、すぐに追ってくるだろ」
長門「迎えが来ている」
キョン「迎え?」

??「キョンく~ん、こっちだよぉ!!」

キョン「あの声は……!」
鶴屋「早く!急いでこっちに来るっさ!」
キョン「鶴屋さん!助かります…」
鶴屋「ハルにゃんも無事だね…とりあえず、みんな乗って!すぐに発進するよ」
バタンッ
ブロオオオォォォ………



326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:34:09.65 ID:09IjwnMZ0

キョン「本当に助かりました。感謝します、鶴屋さん」
鶴屋「いいっていいって、そんなの。それより、これからが大変だよ?」
キョン「はい…。鶴屋さん、事情はどのくらい把握しているんですか?」
鶴屋「君の友達が悪い組織を利用して、殺し屋を雇って、ハルにゃんやSOS団の
   みんなを狙っているってことぐらいかな」
キョン「じゃあ、ほとんど全部ですね……」
鶴屋「それより、一樹君は?一緒じゃないのかい?」
キョン「………」
みくる「連絡が取れないんです…。携帯の電源を切っているらしくて……」
鶴屋「そっか……。まあでも、一樹君のことだ!きっとどこかで、無事に居るはずだよ」
キョン「……はい」



327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:39:04.30 ID:09IjwnMZ0

運転手「お嬢様、このまま、お屋敷まででよろしいですかな?」
鶴屋「うん。そうして」
運転手「かしこまりました」

鶴屋「とりあえず、ウチに来れば安心だよ。今はまあ、詳しいことは聞かないから」
キョン「……すみません」
鶴屋「気にしなくていいっさ!」
キョン「…………」

みくる「…………あっ」
鶴屋「? どうしたんだい、みくる?」
みくる「あれ……古泉君じゃ…」



328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 20:41:44.90 ID:09IjwnMZ0

キョン「…本当だ。間違いありませんよ」
鶴屋「ちょっとここで車を停めてくれるかい?」
運転手「かしこまりました」
キキィーッ……
バンッ
キョン「古泉の奴、あんなところで何を…」

古泉「ブツブツブツ……」

キョン「?」
古泉「電話…が…」

古泉「電話がずっと…鳴り止まないんだ…ずっと…………」



333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 21:40:22.99 ID:bkG1gTqz0

繋がらなくなってて、大変でした。

古泉「電話がずっと…鳴り止まないんだ…」
キョン「!? 古泉……?」
古泉「電源切ったのに………どうして…」ブツブツ
キョン「おい……古泉」
古泉「うるさいんだ…うるさすぎる……おかしくなりそうだ…」
キョン「おい!古泉、大丈夫か」
古泉「!」ビクッ
キョン「どうしてこんな所にいるんだ?」
古泉「………」

   「 ど う し て こ ん な 所 に い る ん だ ? 」

古泉「!!?」



334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 21:43:37.30 ID:bkG1gTqz0

古泉「うわああああっ!!!」ジャカッ
みくる「ひゃあああっ」ビクッ
キョン「うぉわっ!待て待て古泉!!俺だ!分からないか!?」
古泉「はっ!!?」ピタッ…

みくる「はわわわ…」
古泉「……………貴方は…」ハァ…ハァ…
キョン「古泉……とりあえず落ち着け…銃を下してくれ…人目に付く」



335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 21:51:56.87 ID:bkG1gTqz0

古泉「……………無事、だったんですね」ストンッ
キョン「お前、どうしたんだ?大丈夫か?」
古泉「……すみませんが、今は、近寄らないでもらえますか。
   今の僕では、うっかり貴方を撃ってしまいかねない……」
キョン「古泉……」
古泉「今は……人の顔なんか見たくないんです………。僕は…結局、自分に
   自信が持てなかった……。貴方が羨ましいですよ……」
キョン「………」
古泉「ふ、ふふ……いっそ人形のように操られて生きていれば、そりゃあ楽でしょうけど、
   そんな人間に価値なんか無いでしょう?これっぽっちもね!」

古泉「生きている意味が、無いのなら…いっそ死んでしまった方が…」



337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 21:58:24.67 ID:bkG1gTqz0

ザッ
古泉「! 近寄らないでくださいって…」

キョン「考えろ!」

古泉「………?」
キョン「死んでるみたいに生きたくないなら、どうすりゃいいか考えろ」
古泉「………考える?」
キョン「俺には、ハルヒみたいなブッ飛んだ能力は無い。長門みたいなスーパー
    宇宙パワーも、朝比奈さんみたいな時間移動能力も、お前みたいな超能力も
    無い。だがな、代わりに一つ、俺には武器があるんだ」
古泉「………」
キョン「考えること。それだけだ。それだけが、俺のたった一つの武器だ」
古泉「………」
キョン「誰から何を言われようと、結局、決めるのは自分だろ?選ぶのは自分だろ?
    自分でやるしかないんだ。古泉」
キョン「俺は、戦うことに決めた。自分で選んだ。お前はどうする?」
古泉「………」



339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:01:53.42 ID:bkG1gTqz0

キョン「俺の選択は間違っているかもしれない。けど、自分で考えて、自分で選んだ。
    そうしたら」

   「 対 決 す る し か 、 な い じ ゃ な い か 」

古泉「………!!」
キョン「………」
古泉「………対決…」

みくる「………」
古泉「」ガタッ
みくる「!!」ビクッ



341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:08:30.87 ID:bkG1gTqz0

古泉(未だに幻覚と幻聴は消えない…。手からは血液が溢れ出してくるし、
   携帯は鳴り続けている。しかし、ここで口を開かなければ、彼には
   伝えられない…!)

古泉「………………森さんと……新川さんが………殺されました……」
キョン「!! …………そうか…」
古泉「二人だけではありません……機関の主要なメンバーの大半は……既に
   殺されているでしょう……僕のミスです………」
キョン「……………」
古泉「……僕は………すぐ近くに居ながら……二人を救えませんでした………
   相手にも逃げられ………このザマです……」



343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:16:27.62 ID:bkG1gTqz0

キョン「…古泉、俺は、お前のフォローはできない」
古泉「………」
キョン「正直、俺の方もいろいろとあって、まいってるんだ。だから、お前の
    今の状況が大変なのも分かるが、俺はお前の手助けはできない」
古泉「……はい」
キョン「だが、SOS団は全員、無事だ。車の中に、ハルヒと長門と鶴屋さんが
    いる。まだ、戦えるんだ。敵の正体も分かってる。俺は、やるしかないと
    思ってる。お前はどうだ?」
古泉「………」


古泉「…どうやら、僕も、やるしかないみたいですね………」
キョン「対決か?」

古泉「はい」



344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:17:41.82 ID:bkG1gTqz0

ブルルルル……
ブルr…
b………

キョン「なら、行こう。まずは、互いの知っていることを話さないとな」

古泉「………はっ」スッ
  携帯「――――――」
古泉「………幻覚が…消えてる………」



345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:19:38.18 ID:bkG1gTqz0

すみません、また少し空けます。
本当に、文才なくて、原文そのまま丸写し。切ってつないで貼っているだけの
文章で、不快に思われて当然だと思います。うざうざしい文章ばかり書いて
本当にすみません。でも、始めたからには終わらせたいです。
どうか、お許しください。



350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 22:35:15.14 ID:rq+taQGEO

>>345
ちょっとずつでいいからセリフをアレンジしてみなよ
そうすりゃ少しは個性的になるよ



353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:07:32.91 ID:bkG1gTqz0

戻りました。温かい言葉をありがとうございます。
SS初心者で、皆さんに不快な思いをさせることが多々あると思いますが、
皆さんのおかげで元気が出ました。
多少アレンジを加えたりして、なんとか少しでもオリジナリティのある
話にしようと思います。
アンチの意見もちゃんと受け止めることにしています。気に入らないことが
あったら野次でも何でも書き込んでください。プラスに受け止めて
努力しようと思います。
もうしばらくしたら、続きを書きます。



354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:08:52.03 ID:rq+taQGEO

>>353
頑張れ



357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:18:08.42 ID:bkG1gTqz0

お待たせしました。続きから行きます。

鶴屋「一樹君!無事だったんだねっ!!良かったっさ~」
古泉「ご心配をおかけして、申し訳ありません」
鶴屋「いいよいいよ!元気そうで何よりにょろ!」
キョン「とりあえず、これでSOS団全員が揃ったな」
長門「まず、これからの方針と、相手への対策を考えるべき」
キョン「ああ、そうだな。だがその前に、古泉に、現在の状況を教えておかないとな…」



358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:25:06.72 ID:bkG1gTqz0

古泉「……なるほど。事態は何とか呑み込めました」
キョン「相手は……佐々木は、殺し屋を何人も雇っているようだ。あの『蝉』って
    奴の他にも、毒針を使う女の殺し屋がいた。たしか…」
長門「『スズメバチ』と呼ばれていた。涼宮ハルヒの両親を殺害した犯人」
キョン「そう、そいつだ。許すわけにはいかない。ハルヒのためにも、な」
みくる「喜緑さん、無事だといいんですが…」
キョン「………」
長門「……彼女は自ら望んであの場に残った。彼女一人の力では、天蓋領域の
   インターフェースを抑えきれるとは思えない。しかし、我々を逃がすための
   苦渋の選択だった。私も、あの場に残るべきだったかもしれない」
キョン「馬鹿を言うな、長門!喜緑さんが俺たちを助けるために残ってくれたのなら、
    尚更だ。彼女のためにも、生き残った俺たちが戦わなきゃいけないだろう」
長門「………」



360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:36:29.13 ID:bkG1gTqz0

キョン「そうだ、古泉。お前の方は、どんな感じだったんだ?」
古泉「先程も言った通り、機関はほぼ壊滅状態です。森さんや新川さんといった、
   機関の中でも特に重要な人たちが、殺害されてしまいましたから…」
キョン「相手は?やっぱり殺し屋か?」
古泉「僕がそう問い質した時、否定していましたが、どういう意味での否定だったのかは、
   今となると分かりません。ですが、少なくとも、人の死を見慣れている相手だったのは
   確かです。僕も、危うく死にかけました」
キョン「恐ろしい奴だな…。外見は?」
古泉「身長が2メートル近い大男で、左目に黒い眼帯をしていました。服装は上から下まで
   黒づくめで、頭に黒い帽子をかぶっていましたね。何より気をつけるべきは、相手の
   目です」
キョン「目?」
古泉「あの目を見てから、僕はついさっきまで、幻覚と幻聴に襲われて、気が狂う寸前でした。
   武器や体術に頼るような奴ではなく、何かこう、特殊な能力のようなものを持っている
   ようです」



361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:40:49.08 ID:bkG1gTqz0

キョン「………そうか、手強いな」
古泉「ええ。身長の割に、動きも素早いので、侮れません。何より、あの時僕は、
   仲間を殺されたショックで錯乱していたこともあって、冷静さに欠けて
   いたんです。僕らしくもない…」
キョン「気にすんな。誰だって、そういう時もあるさ」
みくる「あの、話を割って悪いんですけど…」
キョン「朝比奈さん、どうしました?」
みくる「涼宮さん、どうしますか?」
キョン「あぁ……そうでしたね」



362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:46:26.35 ID:bkG1gTqz0

古泉「……こうなっては、包み隠さず全てお話しした方が良いでしょうか」
キョン「そうだな…。こいつには、両親が殺されたことも全部話さないといけない」
古泉「恐らく、彼女の精神には耐え難いストレスになるでしょう。機関がこの状態では、
   彼女の作りだす閉鎖空間を処理できる自信がありませんが」
キョン「どちらにしろ、こいつが目を覚ましたら、教えないわけにはいかないだろ?」
古泉「……そうですね。一応、覚悟はしておきます」
長門「………」
みくる「………」

鶴屋「みんな、着いたよ」



363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:53:07.01 ID:shqy/upl0

最近八巻まで読んだわ
続きを買うべきか

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091218970/2logelephant-22/

366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:54:50.40 ID:p02EuloK0

>>363
ジュブナイルリミックスは9巻が本番

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091220177/2logelephant-22/

369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:01:12.31 ID:fUUAb1inO

>>363
むしろなぜ8巻で止められるんだ



364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/29(日) 23:53:18.81 ID:bkG1gTqz0

古泉「お世話になります」
鶴屋「気にしなくていいよっ!こんな時こそ、助け合わなきゃねっ!」
キョン「ハルヒは俺が運ぶ。長門、ドア開けてくれ」

鶴屋邸にて、時刻 04:30…
ハルヒ「ぅ………」
キョン「ハルヒ、目ェ覚めたか?」
ハルヒ「キョン……?あれ、さっきのって……夢?ここは……」
キョン「……ハルヒ、ここは鶴屋さんの家だ」
ハルヒ「え?」
キョン「とりあえず、起きるか」
ハルヒ「どういうこと?なんでみんな居るの?」



370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:02:51.19 ID:fymn/KVf0

古泉「涼宮さん、おはようございます。目を覚ましたばかりのあなたに、
   少々酷かもしれませんが、お話ししなければならないことがあります」
ハルヒ「古泉君…?どういうこと……話って?」
キョン「ハルヒ、いいか、落ち着いて聞いてくれ。今から大事なことを話すんだ。
    頼むから、口を挟まずに、気をしっかり持って聞いてくれ。ゆっくり話すから…」
ハルヒ「……………」


ハルヒ「……………」
キョン「これで、話は全部だ。今話したことの中に、何一つ嘘は無い。作り話も無い。
    隠していることも無い。これで本当に全部だ。いいか?」
ハルヒ「な……何よ、それ………。みんなして、何よ?からかってるの?あたしを」
キョン「SOS団の中には、仲間をこんなやり方でからかう奴は一人もいない。
    それは、お前自身が、一番よく分かっていることだよな」
ハルヒ「…………でも……でも、そんな……だって…」ぶるぶる……



372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:06:36.87 ID:fymn/KVf0

キョン「ハルヒ、すまん」ギュッ
ハルヒ「………!!」
キョン「本当に、すまん!俺が悪かったんだ。佐々木の異変に気付けなかったのも、
    お前の両親を助けられなかったのも、全部、元はと言えば、俺の責任だ。
    何を言われようとも構わん。殴られてもいい。俺が悪いんだ、ハルヒ!」
ハルヒ「キョン……泣いてるの………?」
キョン「……………」
ハルヒ「なんで……アンタが泣いてんのよ……」ぽろぽろ……
キョン「く……ぅぅ………」ブルブル……
ハルヒ「ふざけんじゃないわよ……アンタに今…泣かれたら……
    文句の一つも…言えないじゃない」ぽろぽろ……



374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:09:18.63 ID:fymn/KVf0

古泉「………」
みくる「…ぅ……ヒック……ぅぅ……」ゴシゴシ…
長門「……………」

キョン「すまん……ハルヒ…すまん……」
ハルヒ「…怒る前から……謝ってんじゃないわよ……」



378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:14:08.00 ID:fymn/KVf0

ハルヒ「…………しばらく………一人にしてもらえる?」
キョン「………分かった」

古泉「………」
キョン「………古泉、閉鎖空間は?」
古泉「もう、何があっても驚かないと思っていましたがね。結局、また驚かされましたよ」
古泉「閉鎖空間は、発生していません」
キョン「………」
古泉「涼宮さんの力が弱まっているとはいえ、閉鎖空間の発生は避けられないと
   思っていました。それだけに、驚きですよ。彼女の精神は、今、安定しています」
キョン「………」
古泉「貴方のおかげでしょうかね。なんにせよ、助かりました」



381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:19:24.56 ID:fymn/KVf0

トンットンットンッ…
鶴屋「……二人とも、ちょっといいかい?」

鶴屋「その、さ。殺し屋、とか、そういうのはよく分かんないんだけど…。
   助けになってくれるかもしれない心当たりが、一つあるんだよ」
古泉「助け、ですか?」
鶴屋「まあ、お金がかかるんだけどね。あ、その点は心配しなくていいよ。
   あたしがちゃんとその辺は手配するから」
キョン「……心当たりというのは?」
鶴屋「あたしもあんまり詳しくはないんだけどね。殺し屋、とか、そういった
   裏の世界の事情通っていうのかな?とにかく、そういったヤバ気な世界の
   情報を扱っている人がいるんだよ」



384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:23:50.60 ID:fymn/KVf0

鶴屋「『情報屋』って言うのかな?お金さえ払えば、どんな情報でも売ってくれる
   裏の世界のプロフェッショナルがいるんだよ」
キョン「情報屋、ですか。なんていう人なんですか?
鶴屋「本名は知らないよ。そういった世界では、独特の呼び名があるらしくてね、
   その人は、『桃』って呼ばれてる」
古泉「桃……」
鶴屋「その人に会いに行けば、何か教えてくれるかもしれない」



386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:30:01.41 ID:fymn/KVf0

古泉「なるほど。貴重な情報をありがとうございます」
鶴屋「ううん。少しでも、役に立てれば嬉しいな、と思ってさ。ハルにゃんの
   様子はどう?」
キョン「……落ち着いてはいるようです。今は、部屋に一人籠もっています」
鶴屋「そっか…。辛いだろうね」
キョン「……………」
鶴屋「けどね。キョン君。自分を責めちゃダメだよ?」
キョン「鶴屋さん……」
鶴屋「過ぎたことを、あの時こうしておけばよかった、とか、後から悔んだって、
   もうどうにもならないんだから。『覆水盆に返らず』って言うじゃないか」
キョン「……はい」



388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:37:39.95 ID:fymn/KVf0

古泉「……空が明るくなってきましたね。もうすっかり、朝になってしまいました」
キョン「そうだな。慌ただしい夜だったからな」
鶴屋「もうじき朝ごはんだよ。みくるや有希っこにも、声掛けといてね」
キョン「はい」

キョン「ぅ……今になって眠気が……」
ドンッ
ハルヒ「ちょっとキョン!なに寝ぼけた顔してんのよ!シャキッとしなさい、シャキッと!!」
キョン「うわっ!!は、ハルヒ…!?」
古泉「涼宮さん、具合は大丈夫なんですか?」
ハルヒ「元々、どこも悪くなんかないわよ。たしかに、いきなりのことでショックではあったけど、
    でも、あたしはSOS団の団長だもの!あたしがいつまでも落ち込んでたら、みんなだって
    困るでしょ?あたし一人だったら、耐えられなかったかもしれないけど、みんながいるもの。
    あたしは、前を向いて行くことにするわ。それしかないもの」
キョン「ハルヒ……」
ハルヒ「ねえ、キョン」

     「 や る し か な い じ ゃ な い 」



389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:40:49.03 ID:fymn/KVf0

キョン「……………」
ハルヒ「それにしても、みんながみんな、どうして黙ってたのよ!こんな身近に、
    宇宙人、未来人、超能力者が固まってたなんて!!今まで勿体ないこと
    してたわ!ちょっと古泉君、超能力見せてみなさいよ!」
古泉「いやはや、これは弱りましたね……」
キョン「ハルヒ……お前ってやっぱり、強いんだな」



390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:48:02.03 ID:fymn/KVf0

明日、学校があるので、今日はここまでにしておきます。
見てくれていた方々、本当にありがとうございました。
正直、もっと叩かれたり荒らされたりするんじゃないかと不安でもあったので、
たくさん支援してくれる人がいて本当に感謝しています。
明日は多分、夕方ごろになると思います。それまで、スレが残っていることを
願います。途中からかなり自分でもグダグダになっていると思える場所があって
頭を悩ませましたが、途中で投げ出すのだけは嫌なので、なんとか書き終えたいと
思っています。自分は原作小説もコミックも、もちろんハルヒシリーズも大好きです。
それぞれの作品のファンの方々に不快な思いをさせる描写があっただろうと思います。
それについては、深くお詫び申し上げます。
それでは、駄文失礼しました。



391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 00:49:22.72 ID:fUUAb1inO

>>390
学生云々は言わないほうがいい気がする



393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 01:27:31.78 ID:GXUXDlI00

とりあえずお疲れ



395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 02:14:12.66 ID:lhDGlyMCO

おつかれ~。続き待ってるから投げ出さずに完結してくれると嬉しい。



399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 03:54:25.36 ID:t2TsCJfiO

えらく腰の低い>>1だな



400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 04:04:17.99 ID:fUUAb1inO

>>399
傲慢な態度しか取れない作者様(笑)よりいいさ



403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 07:10:50.53 ID:Q4gdMr/aO

>>399
この人は終始こうだね。こっちが恐縮するくらい。



404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 08:21:08.48 ID:gXpeg6ORO





405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 09:29:20.07 ID:G+L/Sr5FO





407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 10:30:08.77 ID:G4MDkHi/O





408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 11:06:53.08 ID:+1gJbBubO





409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 11:35:59.41 ID:f1KNkyEVO





416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 16:43:24.00 ID:fymn/KVf0

只今戻りました。遅くなってすみません。
スレの保守をありがとうございます。頑張って、続けていこうと思います。
気に入らない方も大勢いらっしゃるかと思いますが、どうか、書き終えるまで
見守ってください。お願いします。



417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 16:44:04.61 ID:GfmZM67l0

>>416
楽しみにしてる
頑張ってくれ



418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 16:51:48.41 ID:fymn/KVf0

前回から、続けます。

キョン「ハルヒ。とりあえず、鶴屋さんが朝飯を御馳走してくれるそうだから、
    まずは落ち着こうぜ。これからどうするかも、みんなで考えないと
    いけないからな」
ハルヒ「そんなの決まってるわよ!SOS団で力を合わせて、あたしの家族を
    奪った奴らをボッコボコにしてやるのよ!!」
キョン「それは否定しないが、しかしだな。相手はプロの殺し屋なんだ。対抗策も
    まだ何も考えちゃいない。それに、だ。こっちは味方の大半を失っているんだ。
    ヘタに動いたら、あっという間に全滅だぞ?」
ハルヒ「むぅ……。それはそうだけど、何か考えがあるわけ?」
キョン「それをこれから考えるんだ」



419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:00:06.50 ID:fymn/KVf0

キョン「お前の願望現実化能力が弱まっている今は、それをアテにすることも
    できない。今、俺たちがすべきことは、あの殺し屋連中の情報を集める
    ことだ。それから、どうするかを決める。機関のフォローが無いと、警察
    も頼りにはできない。何より、向こうだってそれの対策ぐらいしているだろう
    からな」
古泉「『桃』という名の情報屋にまず接触しましょう。全てはそれからです」
涼宮「情報屋?」
古泉「裏の世界の事情に精通した人物なのだそうです。今日はその人に会いに行く
   つもりなのですが…」
涼宮「なるほど。蛇の道は蛇に訊けってことね」



420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:06:39.43 ID:fymn/KVf0

朝食の席…
鶴屋「ハルにゃんっ!もう大丈夫なのかい?」
ハルヒ「おかげさまで、復活したわ!心配かけてごめんね、鶴ちゃん!」
みくる「涼宮さん、良かったです!あたし、心配で心配で…」
ハルヒ「もう平気よ、みくるちゃん!あたしがへこたれてたら、SOS団が
    回らないわ!辛くても、みんながいれば乗り越えられるもの」
長門「………」

キョン「長門、やっぱり、朝倉達のことを気にしてるのか?」
長門「………」
キョン「俺には、お前たちの間の絆というか、繋がりの深さについては、
    よく分からん。お前たちにしか分からないんだろうし、俺が口を挟む
    ことでもないだろうしな」
長門「………」



421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:15:16.81 ID:fymn/KVf0

キョン「でもよ、長門。これだけは言っとくぞ。俺たちは、お前を必要としている。
    SOS団には、お前という仲間が、必要不可欠なんだ。
    お前の能力だけじゃない。『長門有希』というメンバーがいて、五人揃って、
    初めてSOS団は動けるんだ。それだけは、忘れないでくれ」
長門「……………」コクッ

食後…
ハルヒ「でも、本当にあたしにそんな不思議な力があるのかしらね…。それって、
    自覚してもいいもんなの?」
古泉「本当は、打ち明けることに対して抵抗がありました。貴方の精神が、真実を
   知るという強いストレスに耐えられなかった場合、何が起こるか分かりません
   でしたからね。力が弱まっているため、世界崩壊とまではいかなくても、大規模な
   閉鎖空間の発生は考えられました。機関が壊滅の危機に瀕している今、もし
   閉鎖空間が発生すれば、僕一人ででも神人に立ち向かう覚悟はしていましたよ」
ハルヒ「………」



422:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:22:11.41 ID:fymn/KVf0

古泉「しかし、事実はそうはならなかった。貴方の精神力が、ストレスの大きさを
   上回ったのです。ですがやはり、彼の影響も少なからずあったとは思いますがね」クスッ
ハルヒ「キョンの……?あ、ちょ、ちょっと何笑ってるのよ、古泉君!」
古泉「…失礼。とにかく、当面は安心していいと思います。今は何よりこの事態の収束を
   第一に考えねばなりませんから、僕も正直、貴方の精神面でのケアには気を回せない
   かもしれません。申し訳ありませんが……」
ハルヒ「平気よ、古泉君。みんながいれば、あたしは大丈夫。気を遣わなくてもいいわよ」
古泉「……ありがとうございます」
ハルヒ「そうそう。もう全部分かっちゃったんだし、無理してその口調で喋るのもやめたら?」
古泉「あっ、これですか…。いやぁ、実は、慣れるとこっちの方が楽でしてね。変に意識するより、
   今はこの方がいいかと思いまして。全て片付いた時に、本当の僕をお見せしますよ」
ハルヒ「そう…。ま、古泉君がそれでいいなら構わないわ!」



423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:29:21.02 ID:fymn/KVf0

鶴屋「キョン君、古泉君。車は用意してあるけど、本当に行くのかい?」
キョン「はい。少しでも手掛かりになることが得られれば、心強いですからね」
古泉「お手数をおかけしますが…」
鶴屋「ううん、そんなことは気にしなくていいんだ。ただ、ウチに居る分は
   安全だと思うし、あまり無理をしない方がいいんじゃないかな~、なんて…」
キョン「…鶴屋さん。お気遣いは嬉しいですが、あまり貴方に迷惑ばかりかけられませんよ」
鶴屋「そんな、キョン君!迷惑だなんて…」
キョン「それに、これは、俺達で解決すべきことだと思うんです。相手が恐ろしい奴ばかり
    だってことはよく分かってるし、もしかしたら、全く敵わないかもしれない。けど、
    やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいいって、ある奴から言われたことが
    あるんです。ずっと逃げ回っているわけにもいきませんしね」



425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:34:41.86 ID:fymn/KVf0

鶴屋「…そうかい。分かった!ならもう、余計な口出しはしないよ。鶴屋家が
   全力でサポートするから、頑張るんだよ!」
キョン「はい」

ハルヒ「え?あんたと古泉君の、二人だけで行くの?」
キョン「ああ。そんなに大勢でドヤドヤ行ったって、動きにくいだろ。それに、
    少人数の方が目立たない。鶴屋さんが一緒に行ってくれるそうだから、
    大丈夫だ」
ハルヒ「……そう、分かったわ。くれぐれも、無茶しちゃだめよ?」
キョン「いつも無茶をするのはお前の方だろ?」
ハルヒ「う、うるさいわね!減らず口を叩いてるヒマがあるなら、さっさと行って
    戻って来なさいよ!いい!?危なくなったらすぐに連絡するのよ!」
キョン(連絡したところでどうしようもないんだがな。まあ、アイツなりの気遣いだろうな)



427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:39:53.18 ID:fymn/KVf0

車中にて…
鶴屋「まず、着いたら驚くことが二つあると思うよ」
古泉「? 何ですか?」
鶴屋「一つは、着いた先。もう一つは、着いた先に居る人」
キョン&古泉「………?」

ブオオオオォォォン………キキイィィッ……

鶴屋「さ、着いたよ!」
キョン「? え、このビルですか?」
古泉「まあ、確かに意外ですけど…」
鶴屋「違う違う。こっちのビルと、そっちのビルの間に、ホラ!隙間があるでしょ?」
古泉「ああ、なるほど。車では入れませんね」
鶴屋「そういうこと。まさか、この車をそこの目の前に停められないからね」



428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:43:56.60 ID:fymn/KVf0

鶴屋「ここから先は歩きだよ。でも、そんなに長くないから」
古泉「なるほど、情報屋ともなると、人目につきやすい場所では困るわけで…」
ブオォォォォォン……
   パッパーーー…………
  ガヤガヤ………
古泉「………」
キョン「……大通りに面してるように見えるんですが」
鶴屋「そうだよ。まさか、いかにも光のささないビルとビルの谷間にひっそりと
   あるとでも思ったかい?」
キョン(普通はそうじゃないんですか…?まあ、普通の職業とは言えないだろうが)



429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 17:50:43.42 ID:fymn/KVf0

   『アダルトショップ 桃』

キョン「つ……鶴屋さん」
古泉「ここって……」
キョン&古泉『エロ本屋じゃないですか……』
鶴屋「うん。表向きはねっ。まさか、看板に『情報屋』なんて書くわけには
   いかないからね」
キョン「はぁ……」
鶴屋「本当は朝方に訪ねるような場所じゃないんだけど、今回は特別だよ。
   この辺り一帯は鶴屋家の護衛がこっそり固めているから、敵に見つかる
   心配もない。さ、入るよ」
キョン(金持ちってスゲェ………)



431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:07:33.90 ID:fymn/KVf0

カツン……カツン……カツン………
鶴屋「きっとここの店主なら、教えてくれるよ。君たちの知りたいことを」
ガチャッ   キイイイィィィ………

カツカツカツ……

??「いらっしゃい。待ってたよ、嬢ちゃん。久しぶりだねぇ。
   そっちの二人が電話で言ってたお客かい?」

キョン(この人が……『桃』!?なんだこりゃ…。肥満なんてレベルじゃねーぞ!
    座ってる椅子もでけぇけど、それにしてもなんだこの巨体…。しかも
    キセルで煙草吸ってやがる…)
古泉(これはたしかに驚きですね…。着ている服も、下着なのかワンピースなのか
   区別がつきませんし、何より、これだけ露出度が高いのに、性的ないやらしさが
   感じられませんね。この人は、椅子から動くことがあるんでしょうか)



432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:08:14.07 ID:fymn/KVf0

すみません。夕飯なのでしばらく空けます。
なるべく早く戻りますので、お待ちください。



433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:11:28.46 ID:I5bpvTazO

なん…だと…



436:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:42:13.97 ID:fymn/KVf0

お待たせしました。続けます。

鶴屋「はい、桃さん。約束通り、料金はお支払いします」
キョン(鶴屋さんがこんな風に喋るのは初めて見るな…)
桃「どれ、それじゃあ聞こうか。何を知りたいんだい?」
キョン「……殺し屋のことを」
桃「ほぅ………」



437:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:47:00.97 ID:fymn/KVf0

キョン「知りたいのは三人いるんです。『蝉』って奴と、『スズメバチ』って女と…」
古泉「もう一人は、名前を知りません。黒づくめで、左目に眼帯をした大男です」
桃「なるほどねぇ……」
キョン「……知ってますか?」
古泉「………」
桃「もちろん…知ってるわよ。一応、私も名の通った情報屋だもの。いいわ、教えてあげる」
キョン「ほ、本当ですか!?オバ………いや、お姉さん!!」
桃「ええ、本当さ。あらあら、可愛いわねぇ」
古泉「………」ホッ…



438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 18:53:45.25 ID:fymn/KVf0

桃「まず、『蝉』からいこうか。こいつはナイフ使いの殺し屋でね。名前の通り、
  いったん喋り出すと、蝉みたいにみんみんうるさくて止まらないのさ。でも、
  腕は確かだ。岩西って男と組んで、事務所を開いてる。まあ、あまり大仕事を
  頼まれることはないみたいだね。所謂、『隙間産業』ってヤツさ」
古泉「……念のため、その事務所の場所も教えていただけませんか?」
桃「いいけど、追加料金がかかるよ。それなりにデカい情報だからねぇ」
古泉「あ………」
鶴屋「かまいません。お支払いします」
古泉「鶴屋さん……!」
鶴屋「………」コクッ
古泉「……すみません」



439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:04:04.48 ID:fymn/KVf0

桃「……ほら、書いといたよ。このマンションの、603号室。そこが、岩西事務所だ。
  岩西が蝉の上司で、蝉に仕事をふっている。蝉は岩西を、カマキリみたいな顔だって
  しょっちゅう言ってるね」
古泉「ありがとうございます」
桃「いちいち礼は言わなくていいよ。まだ聞くことはあるんだろう?」
古泉「はい」
桃「次は『スズメバチ』だったね。こいつは、そこの坊やがさっき言った通り、
  女の殺し屋だ。それも、まだ小娘だね。足技と毒を使うと聞いてる。物騒な
  もんだ。直接見たことはないけど、なかなか頭のネジが吹き飛んじまってる
  奴らしいよ。気をつけた方がいい。今は誰かに雇われているのかねぇ」



440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:13:53.07 ID:fymn/KVf0

キョン「潜伏先は?」
桃「それは私にも分からない。多分、雇っている奴のすぐ傍にいるんじゃないかい?
  殺し屋といえども、誰それを殺すという依頼ばかりを請けるわけじゃない。誰かの
  護衛とか、そういったものも請け負うことが多いからね」
キョン「……そうですか」
桃「さて、最後は名前は分からないと言ったね」
古泉「はい」
桃「でも、ま、特徴がそれだけ分かっていれば、まず間違いないね。そいつは『鯨』だ」
古泉「鯨……?」
桃「そう。左目に眼帯をしている大男と言えば、まず間違いないね。自殺屋だ。こいつは
  有名だね。自殺をさせる専門の男だよ。お偉方に頼まれて、相手を自殺させる」
古泉「自殺……させる……?」
桃「そう。でかくて、物騒な男だって。私は遠くから、一度だけ見たよ。本当に鯨みたいだった」ケラケラ



441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:20:28.69 ID:fymn/KVf0

キョン(海で実物の鯨を見たことがあるのとはワケが違うだろうが…)
桃「こいつの居場所も知りたいかい?」
古泉「……お願いします」
桃「…待ってな」

桃「ほら、これだ」
古泉「ありがとうございます。鶴屋さんも、本当に……」
鶴屋「いいんだよ、心配しなくて。桃さん、私からも、ありがとうございます」
桃「いい子たちじゃないか。ま、たらふく料金をいただいたし、嬢ちゃんとの
  よしみで、こぼれ話を一つと、忠告を一つ、してあげるよ」
キョン「………?」



442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:26:38.68 ID:fymn/KVf0

桃「まず一つ。これは忠告だけどね、あんたたち、気をつけた方がいい」
キョン「………!」
桃「殺し屋連中を雇って人を追い回している奴がいるんだろ?何が目的かなんて
  知らないし興味もないけど、近いうち、ここは戦場になるよ」
古泉「戦場……ですか」
桃「戦場と言っても、ミサイルや銃弾が飛び交うわけじゃない。人々の目に触れない
  場所での、静かな殺し合い、とでも言おうか」
鶴屋「……………」
桃「ま、とにかく、気を付けるに越したことはないさ。私は誰の味方でもない。
  求められた情報を売るだけさ」



443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:33:08.06 ID:fymn/KVf0

桃「もう一つ。これはまあ、噂話に近いけどね。今のゴタゴタに乗じて、『押し屋』も
  この町に入ってるかもしれない」
キョン&古泉「『押し屋』……?」
桃「私もよく知らないんだけどさ。背中を押して、殺すらしい。でも、あんまり情報が
  ないから、都市伝説というか、でまかせみたいなものって説もある」
キョン「………」
桃「だから、今の話にはお代は要らないよ。知ったところで何になる話でもないからね」
キョン「…そうですか」



445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:40:01.87 ID:fymn/KVf0

キョン「お姉さん!」
桃「?」
キョン「ありがとうございました!」バッ
桃「…」
キョン「鶴屋さんも!ありがとうございました!」バッ
古泉「……二人とも、どうも、ありがとうございました」バッ
鶴屋「………」
桃「気を付けるんだよ、坊や」ふ――ーっ…
キョン「はい!」
桃「そっちの坊やもね」
古泉「はい」
桃「嬢ちゃん。今後とも、御贔屓に」
鶴屋「はい……」



446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:51:33.92 ID:fymn/KVf0

ガチャッ   バタンッ……
桃「………」
スッ カチカチカチッ…
桃「……もしもし………私。そう、桃よ」
桃「殺し屋について嗅ぎ回ってる奴らが来たわ。ええ、言われた通り、
  貴方の居場所は伝えてない。まあ、向こうも聞いてこなかったけど」
桃「ええ、ええ。そう、なら問題ないわね。私も後は知らないわ。貴方の好きに
  やれば?ええ……」
桃「」ピッ

桃「――私は誰の味方でもない。求められた情報を売るだけ――」



447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:56:14.11 ID:fymn/KVf0

鶴屋「――っふうぅ~!息が詰まるかと思ったよ…」
キョン(一瞬で素に戻った…!)
古泉「おかげで、必要な情報は手に入りました。感謝しますよ、鶴屋さん」
鶴屋「やだなぁ、一樹君。そんなの、気にしなくていいって!そんなに何回も
   感謝されちゃあ、くすぐったいよっ」
キョン「とりあえず戻りましょう、鶴屋さん。ハルヒ達にも説明しないと…」
古泉「いえ。ちょっと、待ってもらえますか?」



448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:00:01.85 ID:fymn/KVf0

鶴屋「? どうかしたのかい?一樹君」
キョン「忘れ物でもしたか?」
古泉「いえ……聞いてもらえるでしょうか?」
鶴屋&キョン「……………」



キョン「……本気で言ってんのか、古泉?相手は、朝倉を殺した奴だぞ!?」
鶴屋「きょ、キョン君、声が大きいっさ!」
古泉「本気です。僕の本心から、言っています」
キョン「お前………」



450:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:05:45.00 ID:fymn/KVf0

鶴屋「一樹君……。君には、君の考えがあるんだね?」
古泉「はい……」
鶴屋「分かった。なら、協力するよ」
キョン「鶴屋さんっ!?」
鶴屋「ただし、危険なことは分かっているよね?殺されるかもしれないよ?」
古泉「いまさら、僕がそんなことを気にすると思いますか?」
鶴屋「……そうだね、ごめん。馬鹿なこと、聞いちゃったね」
古泉「いえ………」
鶴屋「ただ、一度家に戻ってもいいかい?用意が必要だから」
古泉「はい。……鶴屋さん、本当に、何もかもお世話になって、申し訳ありません。
   必ず、このご恩はお返しします」
鶴屋「古泉君…。謝らなくていいよ。ただ、自分をしっかり保つんだよ?」
古泉「……はい」



449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:02:40.31 ID:fUUAb1inO

まさかのマスターも出るんかいなと思ったが…
犬養いないんじゃさすがにないわな



451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:09:57.95 ID:fymn/KVf0

>>449 本当はすごく登場させたかったんですが、残念ながら話の流れ的にも、
    >>1の技量的にも難しかったので、断念しました。すみません。

鶴屋鄭にて…
ハルヒ「キョン!帰って来たのね、早かったじゃない。って、あれ?あんただけ?」
キョン「ああ。少し事情があってな。二人は別の用事に行くってんで、またすぐに
    出て行った」
ハルヒ「別の用事?何それ」
キョン「……さぁな。とにかく、色々と情報が入ったから、説明するぞ。みんな呼んでくれ」



452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:10:54.89 ID:fUUAb1inO

>>451
まぁネタキャラだしねおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおお



453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:17:51.64 ID:GfmZM67l0

>>452
もちつけ



455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:26:15.37 ID:fymn/KVf0

>>451 鶴屋鄭←誤植です 鶴屋邸でした。
誤植には気を付けているつもりだったんですが…

某マンションの6階、603号室にて

 『人生を有意義にする一番の武器は礼儀だ』
 「お前、これが、誰の言葉か知ってるか?」シボッ スウゥゥッ プハァァ~……
古泉「………」

岩西「ジャック・クリスピン。かの有名なロックミュージシャンだ」

岩西「なのにお前ときたらどうだよ、坊主?ウチに突然やって来て、その上
  『蝉さんに会わせてくれ』の一点張り。挨拶もしねぇでよ」
古泉「………」クルッ ツカツカツカ
ガチャッ
バタン……
岩西「?」
ガチャッ
バタン ツカツカツカ……
古泉「こんにちは。初めまして。お邪魔します」ペコリッ
岩西「もう、遅えよ」



458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:34:14.78 ID:fymn/KVf0

古泉「………」
岩西「はぁっ…だいたいだな、お前みたいのがどうしてウチのこと知ってる。
   どうやって知った?」
古泉「お金の力で」
岩西「…ほォう。『お金の力』でなァ」

岩西「まあ、とにかくだ。まず、『 帰 れ 。』さっさとな」
古泉「そうはいきませんよ。僕はどうしても蝉さんに会って…」
岩西「」スッ
古泉「!!」ビクッ
岩西「ここに来たってことは、分かってんだろ?ここはアレだよ。金をもらって
   人殺し(しごと)を引き受ける所だ。お前みてぇなガキには用事が無ェだろ?
   だからよ、と っ と と 帰 れ ! 」



459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:38:47.82 ID:fymn/KVf0

岩西「お前も迷惑だよなぁ」
古泉「!」クルッ

岩西「蝉」

古泉「………!!」
蝉「おい、なんだよこいつ?仕事の話があるんじゃねぇのかよ、岩西」
岩西「こいつは招かれざる客ってやつだ」
蝉「へ~ぇ…お前、誰だ?」
古泉「…貴方は僕のことを知らないでしょうが、僕は貴方のことをよく知っています」
蝉「………」



460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:45:04.45 ID:fymn/KVf0

古泉「僕の仲間が…大勢死んだんです……」
蝉「へぇ、まあ、そーゆーこともあるだろうな。で、何の用だよ?」
古泉「!? ……は?そういうことも…?」
蝉「? なんだよ?そりゃ死ぬだろ、生きてんだから。人は死ぬんだ、みんな死ぬ」
岩西「くっ」ニヤニヤ
古泉「~~~!! こ、殺されたんですよ!」
蝉「それだって珍しいことじゃねえさ。俺だって依頼を請けて人を殺すし」
古泉「くっ………!!]
蝉「不死身の超人なんていない。死ぬことだって殺されることだって、普通にあるだろ。
  お前みてェなガキが考えているよりよっぽど、この世の中はひでェもんなんだよ」



461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:52:59.43 ID:fymn/KVf0

岩西「ひひっ、無駄だ。蝉はお前らとは違う。いくら話したって噛み合わねえよ。
   分かったろ、坊主?さっさと出ていけ」
古泉「 う る さ い っ ! ! 」
岩西「?」
蝉「………」
古泉「人殺しのあんたには分からないかもしれないがな!僕には全然普通のことじゃ
   ないんだよっ!!僕の仲間は、あんたと同じ殺し屋に殺されたんだ!それだけ
   じゃない!あんたも僕の仲間を一人、殺してるんだよ!!」

 蝉「    黙    れ    」

古泉「!!」ビクッ



464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:58:40.75 ID:fymn/KVf0

蝉「グチャグチャうるせえよ。うるさすぎ。刺されてえのか?」
古泉「………」
蝉「それじゃあ何か?お前、わざわざ仇討ちするためにノコノコここまで
  やって来たってわけか?馬鹿じゃねぇの?」
古泉「……………」
蝉「どうした?やるならかかって来いよ。やらねェなら帰れ。そして二度と来るな」
古泉「………あんたは、何を考えるんだ?人を殺す時に」
蝉「? どういう質問だよ」
古泉「殺す時は、言い訳を考えたり、理屈を考えたり、そういうことをするのか?」
蝉「するわけねえだろうが」
古泉「何も考えずに、人を殺せるのか?」



465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:03:16.03 ID:fymn/KVf0

蝉(なんだよコイツ……面倒くせェな…)わしゃわしゃ…
蝉「あのな、俺は頭が悪いからよ。難しいことから逃げるのは得意なんだよ。
  だから、そういう時は考えるのをやめるわけだ。人を殺すのがいいこと
  なのか、悪いことなのか、そういうのは考えねえんだよ。
  仕事だから、やる。それだけだ」
古泉「……あんたは、壊れてる………」
岩西「ひひひっ、それは言えてるな」
蝉「うるせェな、岩西!俺は壊れてるんじゃねえ、発展途上なんだ!」

蝉「ったく、人を人形みたいに言いやがって」



467:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:08:20.59 ID:fymn/KVf0

蝉「おい、お前。名前は?」
古泉「古泉……一樹………」
蝉「古泉か。お前、俺がお前の仲間を殺した犯人で、それでどうする?仇討ちを
  するのか?」
古泉「………」
蝉「それならお前も、立派な人殺しじゃねえか」
古泉「……仕事の依頼を………しに来たんだ…」
蝉「は?」
岩西「何?」



468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:12:00.44 ID:fymn/KVf0

古泉「あんたに…仕事を頼みに来たんだよ」
蝉「………」
岩西「……ああ、ついに頭がイカレたか」
古泉「嘘じゃないっ!」
ドンッ!

古泉「このバッグに、一億円入ってる」

岩西「………」ポロッ
蝉「………」
古泉「これで、あんたを雇いに来た」



470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:18:45.79 ID:fymn/KVf0

蝉「……仲間の仇打ちに、仲間を殺した奴を雇うのか?」
古泉「僕は……あんたを許すつもりはない。けど、今の僕たちには、敵と戦う力が無い。
   だから、あんたを雇いに来たんだ」
蝉「許す、ね。お前に許してくれと頼んだ覚えは無ェし、お前が人を許せるほど偉いのか
  どうかは俺は知らねえ。けどな、雇う相手にいちいち人殺しのやり方をぶつぶつ
  言ってくる奴からなんて、雇われてェとは思わねえよ」ガラッ ガサガサ…
岩西「お、おいっ、蝉!勝手に机の引き出しをいじるんじゃ…て、おいっ!」
パチッ ジャッジャッ
ガチンッ
古泉「!!」ビクッ
蝉「こいつはリボルバーだ。分かるよな?タマは一発。いつ出てくるかは分からねえ」



471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:21:57.80 ID:fymn/KVf0

蝉「さあ…」
ツカツカツカ
古泉「………!」
ピタッ
蝉「見せろよ」ぐいっ
古泉「………!?」
蝉「お前の覚悟を、人を殺す勇気を…」スクッ
古泉「………」
蝉「おらっ!撃ってみろ!」

蝉「この、おっさんを」
岩西「………!!?」



472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:29:37.33 ID:fymn/KVf0

岩西「バッ!!おま……」
蝉「撃てたら、お前の依頼、請けてやr岩西「おぉい!」
岩西「勝手に話を進めんな!俺が死んで一番困るのは誰だ?お前だろうが!」
蝉「/// 調子にのんな。バカじゃねぇの…」
岩西「バカはお前だ――!!」
蝉「うるせぇな!怒鳴るなよ!発射される確率は六分の一だぜ?当たりゃしねえって!」
岩西「当たるかもしれないだろうが!」

岩西「おい、蝉。あんまり上司をバカにするもんじゃねえぞ。クビにされたいのか?
   路頭に迷って野垂れ死ぬぞ?いいのか?」ぎゅ――――っ
蝉「んぎっ。いてェ、やめろ!耳引っ張んなっ!!」



476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:37:15.67 ID:fymn/KVf0

古泉「ぅ……ぅぁ……」ガチガチガチ……
蝉「ま…待てって。ほら、見ろ」
岩西「~~~!」

古泉「こ……殺す…?僕が……」
古泉(あ、あの時僕は撃った。エレベーターの中のあの男めがけて撃った。
   で、でもでも、あの時は、あの時僕は夢中だったんだ!殺すとか、
   人を殺すとか、冷静に考えられる状況じゃなかった!そ、それに当たりも
   しなかった。僕は、人殺しなんて……で、でも、森さんは?新川さんは?
   機関の皆は?殺されたんだぞ?僕がやらなきゃ、誰がやるんだ?
   誰が、あの『鯨』を…誰が、あいつを雇った奴を……)ガタガタ

蝉「なっ?どうせ口先だけの奴だ。撃てやしねぇ。あれなら、あいつも諦めて
  帰るだろ。作戦だよ、作戦」ひそひそ
岩西「こんな穴だらけの作戦あるか!!」



477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:40:00.25 ID:fymn/KVf0

古泉「そうだ……僕がやらなきゃ………」

蝉&岩西「えっ」

スクッ   ガチッ

古泉「僕が――――!!!」

蝉「ありゃ?」
岩西(こンの馬鹿野郎が!)



480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:43:17.64 ID:fymn/KVf0

古泉「………」ピタッ
蝉「なんだ、こりゃ?もしかして作戦失敗?」
岩西「見りゃわかるだろ!おら、なんとかして来い!」
蝉「チッ」ザッ

蝉「!」
古泉「―――――」
蝉「……………」

蝉「」スッ
岩西「おっおい、蝉!何してやがる!何ナイフしまってんだ!」



483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:50:03.09 ID:fymn/KVf0

蝉「」スッ
古泉「!!」
蝉「おい、古泉。俺の右手は今、お前の銃口に向いてる。ナイフ使えなくなっちまったら、
  俺は殺し屋廃業だ」
 
 「 そ う な っ た ら 、 生 き て る 意 味 も な い 」

蝉「だから、もし『当たり』が出てこの利き手がイカれた時は、ここで首切って死んでやる」

古泉「―――!」
岩西「!!」
蝉「別に頭でも心臓でも好きなトコにその銃を向けてくれてかまわねえけど、俺が、すぐに
  死んじまったら、お前は満足できねェだろ?俺は、お前の仇なんだ。だから、これでいいよな?」
岩西「おいっ、蝉!!」
蝉「こーゆー目をした奴にゃ、負けたくねえんだ」ニヤッ



484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:00:08.53 ID:fymn/KVf0

蝉「どこを狙うにせよ、引き金を引いた時に一発目でタマが出れば、俺は死ぬことになる。
  お前に度胸があるところを確認できれば、お前を認めてやる」
古泉「――ー」
蝉「おい、岩西。止めんなよ!お前の言いなりにはならねえんだからなっ!今度こそ!本当に!!」
岩西「ハァ………」ヤレヤレ

古泉「引き金を引けば、依頼を引き受けてくれるんですね?」
蝉「ああ、撃てたらな、どうし……」
古泉「」ぐっ

 カシンッ カシンッ カシンッ カシンッ パ ン ッ ……………



485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:05:17.51 ID:fymn/KVf0

蝉「――――」
古泉「………」
アアァン……アァァン………ァァァン…………
し――ーん……

岩西「ふぅ―――…危ねぇ危ねぇ」
蝉「なっ!てめっ、岩っ…!!」
岩西「まさかいきなりやってくるとはな…寿命が縮んだぜ」
蝉「何してんだよ、バカ―――!!」
岩西「 黙 れ 。こんなトコで流血騒ぎはこめんなんだよ。この絨毯いくらすると
   思ってる!!」
蝉「はぁ?」イラッ



486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:11:29.15 ID:fymn/KVf0

岩西「しっかし、坊主。お前、なかなかの食わせモンだな。お前、今、わざと
   ハズしただろ?」
古泉「………」
岩西「咄嗟にこいつを後ろに引っ張って避けたが、そんなことしなくても、お前、
   最初から当てる気無かったな?しかも、当たりが出るまで一気に引き金
   引きやがって…最近の若いのは、いったいどうなってんだよ?」
蝉「………」

古泉「………」
ニコッ
  「 今 死 な れ て は 、 困 り ま す か ら ね 」



487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:13:22.72 ID:fymn/KVf0

すみません。またしばらく空けます。
展開が変な感じですが、お許しください。



488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:16:49.88 ID:I5bpvTazO

引き延ばし…!
圧倒的引き延ばし…!



490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 22:35:00.10 ID:lhDGlyMCO

続きが気になる…!



蝉「この涼宮ハルヒってのを殺ればいいんだな?」【前編】
蝉「この涼宮ハルヒってのを殺ればいいんだな?」【後編】
Waltz 1 (少年サンデーコミックス)
魔王 1―JUVENILE REMIX (少年サンデーコミックス)
死神の精度 (文春文庫)
グラスホッパー (角川文庫)
ラッシュライフ (新潮文庫)
重力ピエロ (新潮文庫)
マリアビートル
砂漠 (新潮文庫)
ゴールデンスランバー (新潮文庫)
涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)
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         コメント一覧 (6)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年03月14日 21:51
          • 「 正 直 微 妙 で す 」
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年03月15日 00:40
          • 漫画を転載した感じだな
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年03月21日 17:08
          • 設定めっちゃ好き
            ハルヒの和やかな雰囲気と伊坂の殺伐とした感じがいい感じでテンションあがった

            古泉が追い詰められるとこもよかった

            けどそのあとまともに読んでない
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年12月19日 01:43
          • 伊坂幸太郎は小説しか読んでないんだが
            漫画の方はこんなノリなんかな、ちょっと失望した。
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年08月17日 01:11
          • 468の岩西の「」ポロッ←が実によかった。 ありがとう
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年03月21日 20:14
          • 蝉がうさぎ耳フードって、漫画で勝手につけたよな多分それに蝉のおしゃべりに!って…それに千葉って誰だよ。小説しか読んでねぇよ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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