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キョンが朝倉涼子と付き合い始めたようです

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:13:24.69 ID:OAhqujP60

 

朝倉「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見…」

キョン「それでいいのか?」


朝倉「……? ええ、いいのよ。何か問題がある?」

キョン「俺を殺して、ハルヒの反応を見て、それでお前は面白くなるのか?」

朝倉「少なくとも今よりは面白くなるでしょう。言ったでしょう。
   何の変化もないものを観察し続けるのはつまらないのよ」

キョン「『観察し続けるだけ』なのは変わらないよな」

朝倉「……何が言いたいの」

キョン「朝倉。俺と付き合え」



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:14:01.77 ID:OAhqujP60

 

朝倉「……………はぁ?」

キョン「聞こえなかったか? 俺と付き合え」

朝倉「意味が分からないわ。何? この場面で告白?
   いくら生き残りたいからって錯乱しすぎじゃないかしら。
   第一あなたあたしのアプローチへの反応悪かったじゃない。残念だけど…」

キョン「お前、クラスで騒いでたり友達と話してても面白くないんだろ」

朝倉「……当たり前でしょ。そもそもここにいること自体、涼宮ハルヒを観察するために潜入してるだけだもの。
   あんなのくだらなすぎてやってられないわ」





3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:15:14.56 ID:OAhqujP60

 

キョン「それで、その観察っていう目的も大して面白くもないと」

朝倉「だからあなたを殺すんじゃない。少しは面白くなるわ」

キョン「少しは、な」

朝倉「……………ああもう何が言いたいのよ!
   分かってるわよ涼宮ハルヒがおかしくなってどんな影響が出たところであたしはそんなに面白くないわよ!!
   あたしはずっと見てるだけなんだから!!!」

キョン「だろ?」

朝倉「だ、か、ら!! あなたは何が言いたいのよ!!!」

キョン「うお!? なんかむかついたからって殺そうとするな! 俺の言いたいことが聞けないぞ!」

朝倉「うるさいのよ! 言いたいことがあるならはっきりさっさと言いなさいよ!!」

キョン「分かった。分かったからナイフを振り回すのはやめろ」

朝倉「……………」

キョン「……だからさ、観察以外に面白いこと見つければいいんじゃないのか、って話だよ」





6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:16:14.33 ID:OAhqujP60

 

朝倉「……面白いこと、ですって?」

キョン「どうせお前、人間のやることなんてくだらないとか馬鹿らしいとか思って、
    そういう『他のこと』に興味ないんだろ。人間の振りするのに必要なだけやる、って感じで」

朝倉「そうよ。本当にくだらないんだもの。一体何が面白いのか分からないわ」

キョン「それはお前が演技のためだって割り切ってるからじゃないのか?」

朝倉「さあ。あんなくだらないものに、興味なんて持てないわ」

キョン「興味を持てるものがあったら、面白そうだと思わないか?」

朝倉「……ないわね。全部つまらない。興味を持てるものなんかないわ」

キョン「お前は地球の全部を見でもしたのか。
    全ての人間を知ってるのか。全ての遊びを知ってるのか。全ての経験をしたのか」

朝倉「……………」

キョン「してないだろ」





7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:17:41.11 ID:OAhqujP60

 

朝倉「……それで、あたしに『他の面白いことを見つけろ』って?
   嫌よ。興味ないもの。面倒だわ」

キョン「つまらないのは嫌なんじゃないのか」

朝倉「……………」

キョン「嫌なんだろ」

朝倉「………だからってあなたと付き合う理由にはならないわね」

キョン「お前、自分が宇宙人……その、なんとかインターフェイスだって知ってる人間と話したりしたことあるのか」

朝倉「……長門さん………は違うわねぇ…………反応冷たいし………」

キョン「だからさ、俺が

ドゴォォォン!!!!!!!!

           げふぅ!!!!!

長門「一つ一つのプログラムが甘い。天井部分の空間閉鎖も、情報封鎖も甘い。
   だからあたしに気づかれる。侵入を許す…………彼はどこ」

朝倉「あなたの踏んでる瓦礫の下」





9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:18:09.10 ID:OAhqujP60

 

キョン「ぐ………痛かった………」

長門「申し訳ない」

キョン「いや、ケガはないからいいって」

長門「そう………」

長門「……朝倉涼子。あなたはわたしのバックアップのはず。独断専行は許可されていない。
   ………彼に何をするつもりだったの」

朝倉「……そう、ねぇ……」

長門「………独断専行、敵性とみなす」

キョン「長門、ちょっと待ってくれ」





10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:18:44.73 ID:OAhqujP60

 

長門「……?」

キョン「朝倉。それでお前の答えはどうなんだ」

朝倉「……長門さんも出て来ちゃったし、面倒になってきたわね。
   勝てないとは思わないけど……」

長門「……………」

朝倉「……いいわ。乗ってあげる。どうせ面白くならないと思うけど」





11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:19:06.58 ID:OAhqujP60

 

キョン「そうか」

朝倉「でも、条件があるわ」

キョン「なんだ?」

朝倉「付き合うっていうなら隠さないで堂々とね。
   涼宮ハルヒの反応を見て情報を観測する、あたしの仕事にも付き合ってよ」

キョン「わかった」

朝倉「じゃあ、ええと、こういうときはなんて言うのかしら…………そうね。
   ……『あたしなんかで良かったら』。………ふふふ」



長門「状況が把握できない。説明を求める」





12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:20:06.77 ID:OAhqujP60

 

朝の教室。

朝倉「キョンくんおはようっ!」

教室(ざわっ・・・・)

谷口「なっ…!? 朝倉さんがキョンの腕に豊かな母性を押し当てただと……!?」

国木田「腕に抱きついたって表現にしときなよ」

キョン「ああ。お前そうしてると本当にさわやかな普通の女子高生だな」

朝倉「もうっなによそれ。可愛い彼女がせっかくちゃんと恋人らしく振る舞ってあげたのにそんな反応?」

教室(ざわっ………!!)

谷口「な、な、なっ……!?」

国木田「へぇ」





13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:21:53.69 ID:OAhqujP60

 

キョン「恋人らしくはいいがな。昨日までの朝倉涼子のキャラと誤差が出てるだろ。
    楚々とした優等生は演技でしたー、って言ってるようなもんだ」

朝倉「いいじゃない。あなたと付き合うっていう時点で誤差出まくりよ。
   もう……あなたのせいでおかしくなったのよ……?」

教室(ガタン!ガシャ!ゴトト!)

谷口「ががががっがsがが!! くそ!!! キョンの野郎一体朝倉さんに何しやがったあ!?」

国木田「あれ、教室から出てく男子が何人か……トイレ?」





14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:23:22.76 ID:OAhqujP60

 

キョン「ええい離せ朝倉。教科書が出せん」

朝倉「もう……付き合えって言っておきながらなによその反応。
   あなたも恋人らしく振る舞いなさいよ」

キョン「付き合うってことは本来の性格を変えるってことじゃないだろ。
    俺はそういうことする性格じゃない。
    ………分かってるか? 恋人になるっていうのは『恋人の演技をする』ってことじゃないぞ」

朝倉「あら……そうね。ずっと演技し続けてたから変な癖ついちゃったかも」

キョン「そういうわけだ。離せ」

朝倉「いやよ」

キョン「なんでだ」

朝倉「あたしこういうことする性格だもの」

キョン「………人の嫌がることを楽しむな」


谷口「なんかひそひそいちゃつきやがって! ちくしょうキョンうらやましいじゃねえか!!」

国木田「でもキョンって変な子好きだからなぁ……朝倉さんも実は普通じゃないのかな」





17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:25:19.05 ID:OAhqujP60

 

ガラッ

国木田「あ。」

谷口「お。」

教室『あ・・・』


ハルヒ「………え、何よ」


朝倉「おはよう涼宮さん」

キョン「よう」

ハルヒ「…………………………………………………え?」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:26:58.44 ID:OAhqujP60

放課後。文芸部。

キョン「よう長門………ん? お前もいたか古泉。なんか今日は早いな」

古泉「どうも。……そうですね、実はあなたにお聞きしたいことがあったのですが……」

朝倉「こんにちわ長門さん! ふふふ」

キョン「そろそろ腕を離せ。歩きづらい」

古泉「聞くまでもなかったようです」

長門「…………………」





20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:28:55.32 ID:OAhqujP60

 

朝倉「ふふふ……その様子だと結構大きな反応があったみたいね、小泉くん」

キョン「反応? ………ああ、ハルヒか」

小泉?「大変でしたよ。朝から巨大な閉鎖空間がいくつも発生しまして、我々は右往左往です。
    結局今日の授業は一つも受けられませんでした。
    閉鎖空間への対処に追われてこの事態の原因を探ることもできなかったので、
    あなたや長門さんに話を聞こうと思って任務の合間を見てここに来たのですが……」

キョンと指を絡ませようとして振り払われている朝倉に目をやる。

小泉。「今、原因そのものはわかりましたよ」

キョン「こいつか」

小泉「というよりあなたですよ。………話を聞かせてもらえますか。一体何がどうなっているんです」





24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:33:37.41 ID:OAhqujP60

 

キョン「何がどうなってと言われてもな。見ての通りだ」

朝倉「うふふ」

小泉「……確かに見て分かりますが、そうではありません。
   どういう経緯でそうなったのかを教えていただきたいんです。
   ……我々が把握しているあなたの性向からみて、この状況は正直突拍子もないとしか言えません」

キョン「お前らがどんな風に人の性格を把握してるのかは知らんが、俺が何をどうするかは俺の勝手じゃないのか」

小泉「もちろんあなたの行動はあなたの自由です。我々はただ、何があってそうなったのかを知りたいんです。
   我々の情報が、予測が、何に起因して破綻したのか。
   我々はそれを知る必要があるんです」

キョン「お前のうさんくさい組織だか機関だかのことなんざ俺は興味ないね」

小泉「困りましたね。我々を信用してもらえないのは仕方ないかもしれませんが……」

長門「古泉一樹」

古泉「え、はい?」





29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:35:48.17 ID:OAhqujP60

 

長門「あなたの機関の予測が外れたのは、彼女が原因」

古泉「朝倉さん……ですか」

長門「朝倉涼子は本来わたしのバックアップ。わたしの許可なく涼宮ハルヒの周囲に干渉するのは禁じられている。
   それが暴走し彼になんらかの干渉を行ったことで、現在の状況が発生した」

古泉「暴走、ですか」

長門「そう。わたしたちの役割を逸脱した、暴走行為」

朝倉「あら、あたしはあたしの主の意思に従っただけよ。情報統合思念体の意思だわ」

長門「仮にあなたの主があなたに命令したとしても、あなたにそれを実行する権限はない」

朝倉「そうかしら。それにあたしが暴走したのが原因だっていうなら、
   あたしを監督しておかなきゃいけないあなたの不手際じゃないの?」

長門「その理屈は論点がずれている」


古泉「……彼女たちは仲が悪いんでしょうか」

キョン「まあ、見ての通りじゃないか?」





33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:40:00.49 ID:OAhqujP60

 

古泉「まあ、彼女たちのことは今は置いておきましょう。
    とりあえずあなたと彼女のことについて……」

ガチャ

ハルヒ「……」

朝倉「あ、」

ガチャ

朝倉「いっちゃった」

ピリリ ピリリ

キョン「仕事みたいだぞ」

古泉「……また後で、話を聞かせていただけるとありがたいです。では」





37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:46:33.54 ID:OAhqujP60

 

朝比奈「すいませんっ!ちょっと先生のお手伝いしてたら遅くなって………!
     …………あれ?キョン君と長門さんだけですか………あれ、あ、お客さんですか?」

朝倉「お邪魔してます、朝比奈先輩」

朝比奈「どうも……あれ、えっと……(誰だっけ)?あ、今お茶入れますね」

朝倉「あ、いいですよそんな」

朝比奈「いえ、みんなの分淹れますから大丈夫ですよ」

朝倉「あら、じゃあお言葉に甘えて……」



朝倉(この人事態把握してないのね)

長門(……………)





38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 13:53:06.86 ID:OAhqujP60

 

朝比奈「えっと……涼宮さんと古泉くんは今日はいないんですか?
     あ、もしかしてこちらの……えっと」

朝倉「朝倉涼子ですっ! よろしくお願いします! ふふっ」

朝比奈「あっ、こちらこそよろしくお願いします!
     …朝倉さんの関係でお出かけですか? えっと、依頼とか」

朝倉「いえ、朝比奈さん。あたしはお客とかじゃないです」

朝比奈「はい?そうなんですか?」

朝倉「キョン君の彼女です」

朝比奈「はい?…………………はい!?」





39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:03:25.76 ID:OAhqujP60

 

文芸部室から出て。

朝倉「うふふふふ。みんな忙しそうね。小泉くんは戻ってこないし朝比奈さんはわたわたしながら出て行っちゃうし。
    涼宮さんは何してるんだろ」

キョン「お前にとりあえずSOS団にでも入ってもらおうかと思ったんだが、無理っぽいな」

朝倉「あははっ、さすがにそれは無理でしょう」

キョン「やっぱりか」

朝倉「なに? あたしに教えてくれる面白いことって、SOS団のことだったの?
    ちょっと幻滅かな?」

キョン「面白ければ拾いもの、ぐらいの気持ちだったさ。面白いもの探しはこれからだ」

朝倉「ふぅん。じゃあこれからどうするの?」

キョン「明日とあさってが休みだろ。とりあえず遊ぶ。いいな?」





41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:08:02.74 ID:OAhqujP60

 

翌日。

朝倉「キョン君お待たせ。待った?」

キョン「いや」

朝倉「くすくすくす……」

キョン「なんだ」

朝倉「ふふ……まさにデートだなぁって」

キョン「事実デートだしな」

朝倉「あ、認めてくれるんだ」

キョン「じゃ、行くぞ」

朝倉「あっ、ちょっと待ってよっ。もう、意外と強引なんだから……」





42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:10:22.38 ID:OAhqujP60

 

動物園。

朝倉「デートの定番ね」

キョン「来たことあるか?」

朝倉「小学校のときに……って普通の人間は言うんだろうけど、あたしはないわね」





44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:12:54.71 ID:OAhqujP60

 

朝倉「あら、動物園ってさすがね」

キョン「なんだ?」

朝倉「ほら、こんなにサルがいっぱい」

キョン「どこだ」

朝倉「いるじゃない、こんなにうじゃうじゃ」

キョン「それはホモサピエンスだ」





45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:15:50.39 ID:OAhqujP60

 

キョン「これがサルだぞ」

朝倉「あんまり変わらないわ」

キョン「おいおい、じゃあこのサルの群れの中に潜入してもそう言えるか」

朝倉「うーん、やっぱりそんなに変わらないと思うわ」

キョン「お前もサルと同じ言葉をしゃべるわけだが」

朝倉「ごめんそれ無理」





48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:23:03.94 ID:OAhqujP60

 

朝倉「ゾウってなんでこんなに鼻長いのかしら」

キョン「知らん。お前そういうの知らないのか?長門はそういう進化とか生物とかなんでも知ってそうだが」

朝倉「長門さんと一緒にしないでよ。あの子がなんでも知ってるのはあの子がそういう子だからよ。
    あたしは涼宮さんを観察するうえで必要な程度の知識しかないわ」

キョン「お前らにも個性があるんだな」

朝倉「あたしたちっていうかあたしたちの創造主の意思ね。
    あたしたちは主に似るから。
    キリンってなんでこんなに首長いのかしら」

キョン「知らん」





50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:30:48.64 ID:OAhqujP60

 

朝倉「キョン君のスケベー」

「キョンクンノスケベー」

朝倉「キョン君の変態ー」

「キョンクンノヘンタイー」

朝倉「キョン君の色ボケー」

「キョンクンノイロボケー」

キョン「お前は何がしたいんだ」

オウム「キョンクンノイロボケー スケベー ヘンタイー トウヘンボクー」

キョン「絞めるぞトリ公」

朝倉「あはははっ」





51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:37:25.36 ID:OAhqujP60

 

キョン「知ってるか?ワニは口を開く力が弱いから、口を押さえるとなにもできなくなるらしい」

朝倉「へえ、やってみて」

キョン「だが断る」

朝倉「なんでよ。それが本当ならワニなんて怖くないじゃない」

キョン「それ以前に近付くのが怖いだろ」

朝倉「じゃあその知識役に立たないじゃない」

キョン「こんなもんが役に立つ人生は送りたくないね」





52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:39:24.08 ID:OAhqujP60

 

水族館。

朝倉「このガラス割ったらどうなるのかしら」

キョン「やめろ」






54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:47:11.61 ID:OAhqujP60

 

朝倉「思うんだけど」

キョン「なんだ?」

朝倉「動物なんて見て何が楽しいのかしら。
    特に水槽の中の生き物なんて絵と一緒よね。
    触れないしこっちの動きに反応しないし」

キョン「さあな。絵が綺麗だとか感じるのと一緒で、
    生きてる動物を見て楽しいって感じるとかじゃないか」

朝倉「分からないわ」

キョン「俺もわからん」

朝倉「じゃあなんで連れてきたのよっ」





55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:49:39.34 ID:OAhqujP60

 

キョン「お前が何が楽しいかなんて分からないしな。
    とりあえずデートの定番を押さえてみた」

朝倉「まずは形からって?」

キョン「ああ。
    じゃあ次いくか」





57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:54:05.83 ID:OAhqujP60

 

朝倉「……それで、次はここ?」

キョン「ああ」


美術館。


朝倉「てっきり次は遊園地だと思ってたわ」

キョン「さっき絵の話題が出たからな」

朝倉「面白さが分からないって言ったと思うんだけど」

キョン「まあ一応な」





58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:55:32.27 ID:OAhqujP60

 


キョン「正直何がどう違うか分からない」

朝倉「あなたエスコート下手よね」





59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 14:57:18.37 ID:OAhqujP60

 

ゲーセン。

朝倉「……ふぅ」

キョン「ワンコインノーミスクリアだと……!?」






62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:03:48.75 ID:OAhqujP60

 

朝倉「あたしたちの情報処理能力はデジタルのゲームと相性がいいもの。
    といっても、あたしは今制限受けてるから長門さんほどじゃないけど」

キョン「制限?」

朝倉「あの『現場の判断』を長門さんが情報統合思念体に報告したから、
    独断専行って怒られちゃった。
    情報制御にも制限掛けられちゃったし、
    今のあたしは人よりちょっと情報処理能力と身体能力が高いくらいなのよ」





64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:08:47.63 ID:OAhqujP60

 

朝倉「ほらほら、そんなのはどうでもいいじゃない。
    デートといったらあれでしょ」

キョン「……UFOキャッチャーはあまり得意じゃないんだがな」

朝倉「頑張ることに意味があるのよ。
   ほらほら、あたしあの青タヌキがほしいなー」

キョン「あれは猫らしいぞ」





65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:14:05.99 ID:OAhqujP60

 

キョン「よっ……っと」

ウィーン…グッ スルッ ボトッ

朝倉「あーん残念」


キョン「もう一回……」

ウィーン… スカッ

朝倉「全然だめじゃないのっ」


キョン「ちくしょっ!」


ウィーン… スカッ

ウィーン…グッ ズルッ

ウィーン…グッ スルッ ボトッ

ウィーン…グッ…… スルッ ボトッ

朝倉「もうちょっとっ」





66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:16:06.71 ID:OAhqujP60

駄目だ・・・・・書きたい物語はあるのにそれに必要なデート場面が書けん・・・・・・
自分で書いててイラっとくる

ごめん、あきらめるわ



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:17:42.76 ID:4nvf7QiuO

やめないでください><



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:25:04.92 ID:sh3lnKweO

こんな素晴らしい題材を投げるなんてもったいない



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:25:30.71 ID:94QSwybeO

こんないいのにな



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:28:39.03 ID:bQhZ8JAC0

新春早々いいSSが見れると思ったのに



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:31:59.57 ID:PlAL2GLy0

絶対再開しろよな!



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:29:05.99 ID:sh3lnKweO

我慢できん
俺も書く
>>1が戻ってきたら引っ込む



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:37:10.87 ID:sh3lnKweO

ハルヒ「この中に宇宙人未来人異世界人超能力者がいたら私の所に来なさい、以上!」


適当に自己紹介を終え、ぼけっとしていた俺だったが、後ろから聞こえてきたおかしな自己紹介に驚いてそちらを振り向いた。
驚いたね。
なかなか可愛い女子がふんぞり返っているんだから。


だが。
この時の俺は既に同じクラスの女子、朝倉涼子の事が気になっていた。



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:44:58.79 ID:sh3lnKweO

あのおかしな自己紹介を忘れてしまっていた俺は、席が近いって事で涼宮ハルヒに話しかけた。
なんでそんなことしちまったのかね。普段の俺なら絶対しないハズなのに。

キョン「なあ、自己紹介の時のアレ、どこまで本気だったんだ?」

ハルヒ「あんた宇宙人?」

キョン「いや、違うけど」

ハルヒ「なら話しかけないで」

ここで会話は終了。
とりつく島もない、ってやつだ。
会話を諦めた俺は前を向いたが、そこで俺に視線が集中している事に気付いた。
……まあそうだよな、あんな自己紹介したやつだもんなあ。



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:49:44.67 ID:sh3lnKweO

ハルヒ「ねえ、あんた前に私と会ったことない?」

ある朝席に付くと、いきなり涼宮に話しかけられた。
なんだそりゃ。逆ナンか?
こないだ話しかけるなとか言っておきながら。

キョン「さあな。多分無いと思うが」

ハルヒ「そう? 似てるんだけどな……」

知るか。
俺には電波なんか相手にする暇は無いんだ。



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:53:58.50 ID:sh3lnKweO

谷口「おい、キョン」

キョン「なんだよ」

谷口「俺は涼宮と同じ中学だったから言っておくがな、あいつだけはやめとけ」

何言ってんだ、こいつは。
どこをどうみたら俺が涼宮にちょっかいかけてるように見えるんだ。

国木田「キョンはおかしな女が好きだからねえ」

国木田、お前も脳みそいかれてるんじゃないのか。



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 15:56:48.70 ID:sh3lnKweO

国木田「そうは言っても、ねえ」

谷口「なあ」

キョン「なんだよ」

国木田「気付いてないの?」

キョン「だから何がだ」

谷口「入学してから、涼宮から話しかけられたやつはお前だけだぜ?」

知るかよ。なんでそんな細かい事気にしてんだよ。

国木田「だって、あの涼宮さんだからねえ」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:04:38.96 ID:sh3lnKweO

それから俺はえんえんと谷口と国木田に涼宮の事を聞かされた。
告白されても断った事がない、だの、決まって一週間以内に自分からふるだの。
学校中に御札を貼ったり、校庭に訳が分からない絵を描いた事もあるらしい。
校庭の絵のことなら俺も知っている。
なんせたいした事件も無いこの街が新聞に載ったくらいだからな。
……なるほど、あんな自己紹介するくらいだからどんなやつかと思えば……。

谷口「だからな、キョン。涼宮はやめとけ。……そうだな、俺のオススメは朝倉涼子、こいつだ」

朝倉「私がどうかした?」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:10:19.80 ID:sh3lnKweO

国木田「朝倉さん」

なんと言う幸運。まさか朝倉から話し掛けてくるなんて。
正直、谷口と友人になった時点で諦めていたのに。
こいつは何故か女子から嫌われてるからな。

キョン「よう」

朝倉「あ、キョン君、聞きたいことがあるんだけど」

キョン「聞きたいこと? 俺に?」

何だ? 一体。

朝倉「キョン君って涼宮さんと仲いいの?」



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:01:34.79 ID:1aYd+YVz0

>>87
>なんと言う幸運。まさか朝倉から話し掛けてくるなんて。
>正直、谷口と友人になった時点で諦めていたのに。
>こいつは何故か女子から嫌われてるからな。
谷口が女子に嫌われて、そのあおりで女友達ができないのを知っていて、嫌々谷口と付き合い続けるキョンって
もしかして
・・・友達いないの?



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:07:23.66 ID:sh3lnKweO

>>98

キョン「いいか、一度友達になった以上、多少の短所には目をつぶらなければいけない事もあるんだ」

キョン「友達を大切にしないやつは最低だとお婆ちゃんが言っていた」



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:28:04.20 ID:1aYd+YVz0

>>100
おいおい、それは本当か?
このキョンに女友達ができないのは、客観的にはキョンが根暗なのが一因なのに、谷口に責任転嫁している
という可能性高そうに見えるのは俺だけか?
原作と違い、キョンからでなく、涼宮さんから話かけられているし

それから、国木田はキョンと同じ中学だから、涼宮さんのことを知っているはずないよな?



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:34:15.42 ID:sh3lnKweO

>>107

古泉「最初は彼から話しかけてますよ」

古泉「国木田君が涼宮さんの事を知っているのは、彼も言っていたように新聞を読んで知っていたのではないかと考えますが……いかがでしょう?」



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:52:15.87 ID:1aYd+YVz0

>>112
原作と違って一回だけじゃん。それだけなのに入れ食い状態
原作でもかなり入れ食いだが(笑)

もしかして、国木田が涼宮さんのことを知っているということは
原作と違って、国木田のように、涼宮さんがアレな人であると涼宮さんの出身校以外の大部分の人も知っていて
キョン以外は、涼宮さんに話かけなかった設定?
ジョンに似ているだけでなく、自分に話かけた珍しい人だから興味を持ったということなら、入れ食いも納得できるね



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:15:54.31 ID:sh3lnKweO

キョン「へ?」

いやいやいや、それは勘違い、俺は涼宮と仲良くなんて無い、そう言おうとしたのだが。

谷口「ああ、そうだ。キョンは涼宮と仲いいよな!」

キョン「谷口!?」

お前何言ってんだ!? なんでここでそんな、

朝倉「やっぱり」

……あの、朝倉さん。なぜあなたはそんないい笑顔をしていらっしゃるんですか?

朝倉「涼宮さんって誰に対してもあんな感じでしょ? 委員長として心配で」



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:29:30.56 ID:sh3lnKweO

朝倉「本当は私も仲良くしたいんだけど……なかなか難しくて」

そんなもんかねえ。
まあ確かにクラスで孤立するなんて事はないほうがいいからな。

朝倉「でもキョン君が涼宮さんと仲がいいなら安心ね。徐々にでいいから、涼宮さんがみんなと打ち解けるお手伝いしてあげてね」

もちろん私も頑張るから、と続けて朝倉は友人達の所に戻っていった。

なんだ、谷口。その顔は。

谷口「ナイスアシスト、だったろ?」

誤解されかねない程のキラーパスだったっつーの。



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:38:07.77 ID:sh3lnKweO

まあ、朝倉にそんな事を言われた俺は、少しづつ涼宮と会話をするようになっていった。
大体は朝、ホームルームが始まるまでの短い時間だけどな。

ハルヒ「あんたは宇宙人はいると思う?」

キョン「さあな、一応計算上の可能性としてはいるらしいけどな」

ハルヒ「……夢の無いやつね」

そう言うと涼宮はそっぽ向いてしまった。
最初のうちは、怒らせちまったか、などと心配もしていたが、最近はこいつはこういうやつだと分かったので気にしなくなった。

まあ、なんだ。
相手が涼宮だろうと、会話するのは楽しいわけで。
いつの間にか涼宮に対する苦手意識は無くなっていた。



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:44:36.19 ID:sh3lnKweO

だからだろうな。
大抵涼宮から話しかけられるだけだった俺が、自分から涼宮に話しかけるようになったのは。


涼宮は何故か毎日髪型を変えていた。
朝倉はオシャレだとか言っていたが、俺はある規則性に気付いていた。
月曜日はポニーテール、火曜日はツインテール(怪獣では無い)と言ったように1日ごとに数が増えていくのだ。
この調子だと土曜日とかは凄い事になってそうだな。

キョン「なあ、毎日髪型を変えるのは宇宙人対策か?」

ハルヒ「!?」



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:51:18.06 ID:sh3lnKweO

こんなやり取りをした次の日、涼宮は髪の毛をばっさり切ってきた。
もったいない。あんなにポニーテールが似合っていたのに。

キョン「なあ、なんで髪の毛切ったんだ?」

ハルヒ「あんたには関係ないでしょ。ただの気分転換よ」

そうですか。



ちなみに、この日の放課後、朝倉に呼び出されてかなり問い詰められた。
涼宮に何かあったのか、涼宮に何かしたのか。
とにかく涼宮が気になるらしいな、朝倉は。



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 16:57:17.22 ID:sh3lnKweO

そして。

そんなこんながあり、何故か俺は涼宮と部活を作っていた。
まだ承認されていないけどな。

部員は涼宮が文芸部に話しをつけて借りるらしい。
その流れで文芸部員の長門さんも涼宮の部活に入り、涼宮が引っ張ってきた朝比奈さんも入部することになった。



だが。
朝倉はあんなに涼宮の事を気にしていたくせに、何故か部活に入ろうとしなかった。



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:03:40.09 ID:sh3lnKweO

キョン「よう」

朝倉「あら、キョン君。おはよう」

キョン「なあ、朝倉は今部活に入ってないんだろう?」

朝倉「え? うん。そうだけど、どうして?」

キョン「涼宮が部活作った事は知ってるよな?」

朝倉「うん」

キョン「なら、なんで涼宮に声かけないんだ? あんなに涼宮の事気にしてたろ?」

朝倉「え、あー、それはね」

朝倉「あ、涼宮さん来たわよ! 涼宮さんおはよー」

朝倉は涼宮の方へ行ったが、いつものようにあしらわれ席へ戻って行った。



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:12:10.40 ID:sh3lnKweO

朝倉が席に戻り、涼宮が自分の席についた。
なんだ、今日は不機嫌だな。

キョン「よう、おはよう」

ハルヒ「………………」

キョン「どうした? 機嫌悪いな。どっか具合でも悪いのか?」

ハルヒ「…………あんたってさ」

キョン「ん?」

ハルヒ「あんたって、朝倉と仲がいいわよね」

そう言い涼宮は机に突っ伏してしまった。


まったく、朝倉といい涼宮といい何なんだ一体。



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:21:56.31 ID:sh3lnKweO

そして。

転校生の古泉が俺達の部活に入部し、長門からは宇宙人、朝比奈さんからは未来人、古泉からは超能力者だとカミングアウトされた。

こいつらによると、涼宮は進化の可能性であり、時空の揺らぎであり、神様なんだと。
……阿呆か。

しかも、俺が涼宮に対する鍵なんだとよ。
知るかよ。

勝手に人を訳わからんことに付き合わせやがって。
なんだ、あれか。
三人がかりでおれにドッキリでも仕掛けてんのか?
そんな事する連中には見えなかったけどな。
古泉も転校したばかりで下らない事しやがる。
無理やりやらされたなら可哀想だが。イジメられてるなら相談に乗ってやらんとな。



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:30:55.76 ID:sh3lnKweO

長門がぱたん、と本を閉じ、今日の活動は終了した。
……まいどまいど、何をやってる部活なんだろうな、一体。

ハルヒ「それじゃまた明日ね!」

涼宮はそう言い、長門や朝比奈さんと帰って行く。
俺は、そのまま部室を出ようとする古泉を呼び止めた。

キョン「古泉。ちょっといいか?」

古泉「なんでしょう」

あー、呼び止めたのはいいが、なんも考えてなかったな。
流石にストレートには聞けないよな、イジメられてるのか、なんて。



113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:40:50.28 ID:sh3lnKweO

俺が古泉に話しかけられずにぐだぐだ悩んでいると、何を勘違いしたのか古泉は俺から距離を取り出した。

古泉「あ……すいません、今日は急ぎの用がありまして……帰ってもよろしいでしょうか?」

キョン「ん? ああ、すぐ済むんだ。ちょっと待ってくれ」

古泉「えー、すぐ、とは申されましても」

キョン「ああ、すまんな。ちょっと重要な事だから言葉を選ぶのに時間がかかったんだ」

古泉「え?」

キョン「あんまり人に聞かれたくない話だからな」

古泉「それはそうかも知れませんけども!」



114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:45:16.42 ID:sh3lnKweO

キョン「なあ、古泉」

古泉「あ、ちょ、僕はそんな趣味ありませんからね!?」

キョン「は? お前、何を言って」

古泉「近寄るなぁ! 僕はノンケなんだぁ!」



…………。


放課後の薄暗い教室。
二人きり。
なかなか話し出さない、呼び止めた本人。
言い出しにくい話題。


…………なるほどー。
勘違いしちゃうかもしれませんね、これは。

キョン「アホかー!!!」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 17:54:14.67 ID:sh3lnKweO

取り敢えずここからは古泉の誤解をとくのに必死だった。
いくら俺もノンケだと言っても信じず、逃げ出そうとする古泉を捕まえ部室の鍵をかける。
半狂乱になった古泉を押さえつけ、何故か部室にあった縄跳びで縛り付ける。
叫ばれると面倒なので猿轡を噛ませ、ようやく落ち着いてが出来るようになった。
古泉は完全に怯えた表情で俺を見ている。
はあ、まったく俺が何をしたと言うんだ。
お前がパニクったせいで使わんでもいい体力を使ったというのに。

少し落ち着いた俺は当たりを見回す。
もう日が落ちたなあ。
早いとこ帰らないと。

古泉に声をかけようとした時に気がついた。

キョン「あれ? なんで俺犯罪現場にいるの?」

古泉「ん゛ー、ん゛ー!」



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:04:08.02 ID:sh3lnKweO

俺はもはや号泣している古泉に話しかける。

キョン「な、なあ古泉」

古泉「!」

まあ、古泉が怯えるのも仕方ない。
まずは誤解を解くとしよう。

キョン「古泉、俺はノンケだ。まずはそれを分かってくれ」

古泉「む゛ー!」

涙目の古泉が必死に首を縦に振る。
本当に分かってくれたか?

キョン「ほら、古泉。これを見てくれ。俺の宝物だ」

そう言って俺は古泉に朝比奈さんの着替えの写真を見せる。
途端に食いついてくる古泉。

キョン「これはお前がくる以前にハルヒが撮ったものだ。みんなには削除してあると言ったが、実はそこのパソコンにまだ残っているんだ」

古泉「……ごくり」



126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:09:25.58 ID:sh3lnKweO

キョン「俺はノンケなんだ。それを信じてくれたら、これらのデータが入っているフォルダの場所を教えてやる」

そう言った瞬間、古泉が猛烈に頭を縦に降り出した。
そうか、分かってくれたか古泉。

古泉「ん゛ー!」

俺は古泉の猿轡を外し、向き合う。

古泉「あなたはノンケです。だから早く」

キョン「そうがっつくな。それより、ようやく本題だ」

古泉「はい?」

キョン「古泉」

キョン「お前イジメられてはいないか?」



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:16:55.67 ID:sh3lnKweO

結論から言うと、古泉はイジメられていなかったらしい。
俺の早とちりだったが、まあいいとしよう。

そんなこんなで学校を後にし、家へと帰ろうと……。


……忘れてた。今日は親が親戚の葬式でいないんだった。
飯どうするんだ?
取り敢えず妹に電話してみるか。

キョン「もしもし」

妹「はーい。どなたですかー?」

キョン「俺だ、お前のお兄ちゃんだよ」

妹「あー、キョンくんどうしたの?」

妹よ……、オレオレ詐欺には気を付けろとあれほど……。
まあいい。

キョン「今日の飯はどうする?」

妹「わたしミヨちゃんのとこでご馳走になったからいらなーい」

キョン「ん、分かった」

なら飯は俺の分だけで十分だな。何を買って帰ろう?



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:26:38.81 ID:sh3lnKweO

うー、晩飯晩飯。
今、晩飯を求めて走る僕は高校に通うごく一般的な男の子。
名前は他称キョン。
強いて人と違う所をあげるとすれば、部活仲間がみんな電波ってトコかナー。

そんなわけで学校帰りのスーパーへとやって来たのだ。



キョン「何にすっかな」

カップめんだけじゃ味気ないし、弁当ってのもなんだかなあ。
ん? ごはんがあるのか。そうかそうか。
これなら、ここにならんだ単品の惣菜が全ておかずとして立ち上がってくる。
湯葉さし、いくらのどぶ漬け。岩のり250円も渋くていいな。

そんな、孤独な感じで今晩の食事を選んでいると。

朝倉「あら? キョン君?」



139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:37:23.29 ID:sh3lnKweO

キョン「朝倉?」

こんな所で朝倉に会うなんてな。
朝倉も夕飯の買い出しらしく、買い物かごからはネギがはみ出していた。

しかし……うむ。いいね。
私服の朝倉。とてもいい。
いつも制服姿しか見ていないせいか、とても新鮮だ。
…………そのネギをもって初○ミクのコスプレも……俺は何を考えているんだ。

朝倉「キョン君? ぼーっとしてどうしたの?」

キョン「あ、ああ、いや、今日の晩飯どうすっかなって思って。朝倉も夕飯の買い出しか?」

朝倉「ええ。私の家、両親が海外にいるから全部自分でやらないと」

ええ娘やないですか、奥さん。



141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 18:45:02.32 ID:sh3lnKweO

朝倉「キョン君もお買い物?」

キョン「ん、ああ、今日葬式で両親がいなくてな」

朝倉「ふーん」

さ、しっかりと脳内フォルダに朝倉の私服姿を焼き付けたしな、そろそろ買うもの買って帰るか。
焼き肉もいいな。
一人で焼き肉なんて食うと休む暇も無くて楽しそうだ。



朝倉「家に来る? ご馳走しちゃうわよ?」



……んー、なんだか俺の耳が都合のいい幻聴を聞いたような。
でもなあ、もし本当だったとしたら。

キョン「え?」

朝倉「だから、私の家に来ない?」

フラグ?



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 20:13:53.28 ID:sh3lnKweO

誘われるままホイホイ俺は朝倉のお宅にお邪魔した。
ご飯が食べたいだけなんだからね!
別に下心がある訳じゃないんだから!

朝倉「どうぞ」

キョン「あ、お邪魔します」

朝倉の家は女の子の一人暮らしらしく、暖かみのある配色をしており、この間入った長門の部屋と正反対な印象だった。

まあ、長門は宇宙人(自称)らしいからな。
朝倉とは違うだろう。

朝倉「はい、どうぞ」

キョン「ありがとう」

目の前にはチンジャオロースや回鍋肉、麻婆豆腐など、いかにもな中華料理が並んでいた。
うん、旨そうだ。
しかし、この量は……。

朝倉「あはは、誰かとご飯食べるの久々だからはりきっちゃった」

絶対残すもんか。



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 20:23:56.37 ID:sh3lnKweO

キョン「ふぅ」

いやあ食った。
正直もう何もする気がおきん。
……いや、もとから何もする気なんてありませんでしたけどね?

朝倉「ふふ、残しても良かったのに」

キョン「それは勿体無いからな。ご馳走様」

朝倉「お粗末様でした」

キョン「んじゃ、俺はそろそろ失礼するよ」

朝倉「あら? 別に泊まっていっても構わないけど?」

そう言って微笑む朝倉。
だから反則だって。

キョン「妹が待ってるからな。帰らないと」

朝倉「残念。それじゃ、また明日学校でね」

キョン「ああ、それじゃ」



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 20:35:50.34 ID:sh3lnKweO

朝倉の家で夕食をごちそうになった数日後。

俺は不思議探索とかいう謎の活動の為に街にいた。
毎回俺がおごらなきゃいけないのはどうしてなんだろうな。
こいつら実は前日から泊まり込んでるんじゃないのか?

ハルヒ「今日は組み分け無し! 全員で不思議をさがすわよ!」

だから涼宮さん、毎回喫茶店で大声を出さないで下さいよ。
まったく恥ずかしい。

ハルヒ「ほら、何してんのよキョン! さっさと行くわよ!」

キョン「はいはい」



188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 20:41:18.61 ID:sh3lnKweO

こうやって歩いてると、ただ遊んでる高校生にしか見えんな。
まあ実際そうなんだが。
涼宮がどこまで本気だかは知らないが。

ハルヒ「ほらキョン! ぼさっとしない!」

へいへい。

朝倉「キョン君?」

へ?
振り向くとそこには朝倉がいた。

朝倉「涼宮さんも。こんにちは」

ハルヒ「朝倉……」

キョン「よ、朝倉。どうしたんだ、こんな所で」



190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 20:51:13.77 ID:sh3lnKweO

朝倉「私はお買い物。キョン君達は……デート?」

おいおい、何言ってるんだ。
この集団のどこをどう見たら……あれ? 古泉達がいない?
そういえば俺だけ遅れてたんだっけ。

ハルヒ「んな訳ないでしょ!」

涼宮が顔を真っ赤にして反論する。
そこまで嫌そうにしなくともなあ。
いくら俺でも少しは傷つくぜ。

キョン「今日は部活の活動でな。多分他のメンバーが先に行ってる」

ハルヒ「そう! そうなの! だから部外者はさっさと」

キョン「朝倉も暇なら一緒にまわるか? 一人くらい増えてもかまわんだろ」

ハルヒ「キョン!?」

朝倉「うーん、今日はやめとこうかな。また今度誘ってね」

そう言うと朝倉は去っていった。
残念だ。
しかし、何故涼宮がこっちを睨んでいるのかね。



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:05:10.84 ID:sh3lnKweO

古泉「何かあったんですか?」

朝倉と別れ、俺達が合流した後、古泉が俺にこっそりと問いただしてきた。
何か、って言ってもな。
特に何も無かったと思うが……。
…………ああ。

キョン「朝倉と会ったな」

古泉「それですね」

キョン「そうか? 俺としてはクラスメートに会ってなんで機嫌が悪くなるのか分からんのだが」

俺がそう言うと、何故か古泉と朝比奈さんが揃って溜め息をついた。
何時の間に仲良くなったんですか。

古泉「これは……」

みくる「……ですねえ」



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:17:33.06 ID:sh3lnKweO

例によって強制ハイキングコースを登り、程よく疲れながら登校した俺は、自分の下駄箱で見慣れぬ物を見ることになった。

白い封筒に薄いピンクの便箋。
書いてあったのは一言、『放課後、誰もいなくなった教室で』。

どこからどうみても果たし状には見えず、これはやはり……。

キョン「ラブレターってやつか?」

誰かが入れる所を間違ったか?
しかしまいったな、その事を手紙の主に教えようにも、差出人が書いていない。

どうしたものかね。



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:22:42.28 ID:sh3lnKweO

谷口「キョン、聞いたぜ」

キョン「なんだよ」

国木田「日曜日、涼宮さんとデートしてたんだって?」

キョン「はあ? なんだそりゃ」

一体誰がそんな事を。
全く、こんな事が涼宮の耳に入ったら一大事だな。

キョン「あのな、日曜日は部活の活動だったんだよ」

谷口「は? 別に誤魔化さなくともいいんだぜ?」

キョン「誤魔化してなんかねえよ。実際古泉達も一緒だったんだ」

谷口「なんでえ、つまんねえの」



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:28:19.47 ID:sh3lnKweO

そんなこんなで放課後。
部活の時間になった。

ハルヒ「キョン! 部室に行くわよ!」

キョン「ん、ああ、すまんな。今日は用事があって遅れる」

ハルヒ「何よそれ! 部活よりも大事な用なの!?」

キョン「まあな。もしかしたら部室に行けないかもしれん」

ハルヒ「…………ふんっ!」

涼宮は部室に行ったか。
まあ、流石にこの手紙の主も複数の人がいたら気まずいだろうしな。

そう。俺は間違いにしろ何にしろ、取り敢えず手紙の差出人を待つ事にしたのだ。



206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:35:54.80 ID:sh3lnKweO

間違いだった場合、まあこの可能性が一番高いだろうか。
この場合、手紙を読んでしまった事を差出人に詫び、手紙を返す。

間違いでは無かった場合。可能性は低いが。
果たし状では無いだろうから、この場合は相手の話を聞くことになるか。
しかし、俺なんかにラブレターを出すようなやつはいないだろうから、一体何の話なんだろうな。

そんな事を考えていると、ぽつりぽつりと人が減っていき、ついに教室の中には俺一人になった。

キョン「はあ」

俺はなんて間抜けだ。
もう一つの可能性を忘れていた。

イタズラ、だ。
むしろこの可能性が一番高いんじゃないのか?



207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:39:52.19 ID:sh3lnKweO

そんな事を考えると、途端に怪しくなってくる。
犯人の最有力候補は谷口あたりか。
わざわざ女の字まで真似てごくろうなこった。

キョン「ったく」

教室に一人になってもう三十分程度、そろそろいいか。
俺はカバンを持って教室から出ようとした。



朝倉「あら、どこにいくの?」



209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:44:34.95 ID:sh3lnKweO

キョン「朝倉」

何時の間にか、教室の中に朝倉がいた。
教室の扉が開いた様子は無かったはず。
一体いつからそこにいたんだ?

キョン「ああ、そろそろ部室に行こうかと思ってな」

朝倉「あら、てっきりキョン君は手紙の差出人を待ってるんだと思ったのに」


今、なんて言った?

キョン「朝倉? まさかこの手紙はお前が?」

朝倉「そ。驚いた?」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:52:11.86 ID:sh3lnKweO

相変わらず朝倉は微笑みながら、教室の真ん中に立っている。
だが、なんというか。
今の朝倉の笑顔はいつもの朝倉のそれとは違っていた。
まるで貼り付けられた仮面みたいな笑顔だ。

朝倉「人間ってさ、よく、やらないで後悔するよりやって後悔した方がいいっていうよね」

朝倉はゆっくりと俺に向かって歩き出す。

朝倉「キョン君はどう思う?」

キョン「さあな、そんなのは状況しだいだと思うが」

朝倉「じゃあ、行動を起こせば変化が起こるのは確実。でも、上の人達は頭が固くてぜんぜんダメ。こんな時は?」



212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 21:58:49.49 ID:sh3lnKweO

一体何を言ってるんだ、こいつは。

キョン「さあな。そんな話がしたくて俺を呼び出したのか?」

朝倉「ええ。キョン君なら教えてくれるかと思って」

俺は朝倉にバレないように溜め息をつく。
誰かが言ってたな、溜め息をつくと幸せが逃げる、とか。……知ったことか。
ああそうだよ! 手紙の差出人が朝倉だと分かって!
俺に出したのも間違いじゃないと知って!
嬉しかったんだよ! 悪いかこの野郎!
勝手に期待して勝手に勘違いした俺が悪いだけだ。さっさと切り上げて部室に行くか。

キョン「悪いが俺には答えられそうにないな。用がこれだけなら俺はもう行くぞ」



213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:04:12.75 ID:sh3lnKweO

朝倉「あ、ちょっと待って」

なんだ、まだあるのか。

朝倉「さっきの話の続きなんだけどね、私もう我慢できなくなっちゃったの」

朝倉は笑顔で話続ける。

朝倉「だからね」

朝倉の笑顔は崩れない。



朝倉「あなたを殺して、涼宮ハルヒの出方を見る」



何時の間にか、朝倉の手には巨大なナイフが握られていた。



221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:22:10.96 ID:sh3lnKweO

朝倉「ねえ、殺されるのって嫌? 死ぬのは怖い? 私には有機生命体の死の概念が良くわからなくて」

キョン「意味が分からないし笑えない。早くその物騒なものをしまってくれ」

朝倉「くすくす……知ってる? キョン君」

朝倉は俺の話など聞く気はないようだ。
笑いながら一人で語り続ける。

朝倉「私は長門有希と同じ、情報統合思念体に作られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」

朝倉「あの子はあなたにどんな説明をしたかは知らないけど……」

そう言うと朝倉はナイフを持った腕を振り上げる。

朝倉「こんな事が出来ちゃうって、知ってた?」

朝倉がそう言うと、教室の風景が一変する。
出入り口が無くなり、壁が崩れた向こうには見たこともないような風景が広がっていた。



223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:28:43.56 ID:sh3lnKweO

キョン「な……」

俺は驚いて声が出せなかった。
こんな事が現実に起きるなんて。

朝倉「あら、驚いて声もでない? まあ、この空間は今、私の情報制御下にある。だからあなたが何をしようと」



朝倉「ム・ダ・な・の」


朝倉のナイフが俺の頬を軽くなぞる。
ぷつ、といった音がし、血が少し出てきた感触がある。

朝倉「もう諦めたの? 人間って、もう少し諦めが悪いって聞いてたんだけど」



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:35:43.89 ID:sh3lnKweO

朝倉「まあいいわ」

そう言って朝倉はナイフを俺の左胸に突きつける。
ああ、本当にこいつは俺を殺すつもりなんだな。

キョン「なあ、朝倉」

朝倉「なあに、キョン君」

キョン「俺に夕食をご馳走してくれた事、あったよな」

朝倉「ええ。それが何か?」

キョン「あれも……お前の上司に言われてやったのか?」

朝倉「そんなわけないじゃない。私の使命は涼宮ハルヒの観察。それ以外はムダな事なの。」



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:44:53.45 ID:sh3lnKweO

キョン「そうなのか。じゃあなんであの時」

朝倉「うるさいわね、ただの気まぐれよ! 何? 今更命乞い?」

キョン「いや、違うさ。」

そう、この会話は命乞いでも、時間稼ぎでもない。
ただ、思い出してしまっただけなんだ。

キョン「あの時のお前の笑顔、最高だった」


朝倉「な……」

朝倉「何よ、それ」

朝倉がナイフを落とし、からん、と渇いた音がした。
そして、うろたえる朝倉の後ろからもう一人の人影が現れた。



228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:50:39.31 ID:sh3lnKweO

長門「もういい」

朝倉「長門さん……」

朝倉の後ろから現れた人影は、SOS団一の無口キャラ、長門有希だった。
そう言えば、長門も朝倉の同類だとか言ってたっけ。

長門「情報統合思念体は方針を変更した。彼の殺害は今回は見送られる」

朝倉「……本当?」

朝倉の問いかけに長門が頷く。
……そうか、助かったのか、俺。

朝倉「……よかった……」



230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 22:56:33.22 ID:sh3lnKweO

長門「情報統合思念体は今回の事態を重要視している」

長門「朝倉涼子があなたに接触した際、涼宮ハルヒは中規模な情報爆発を幾たびも起こしていた」

長門「あなたの殺害を提案したのは情報統合思念体の急進派だが、我々主流派でシミュレートした結果、想像も出来ない大規模な情報爆発が起こるといった結論が出た」

長門「我々が望んでいるのは自律進化の可能性。宇宙崩壊の可能性ではない」

長門「よってあなたの殺害は見送られた」

キョン「はあ」

なんだかつらつらと説明してくれてるが、やはり良くわからん。
まあ命が助かっただけでもありがたいか。



233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:03:53.08 ID:sh3lnKweO

長門「更に」

長門「朝倉涼子」

朝倉「はい?」

長門「情報統合思念体はあなたに、プログラミングしていない情報の発生を確認した」

朝倉「え?」

長門「あなたはもともと人間に近く作られた個体。だから発見が遅くなった」

長門「あなたには人間で言う、感情が発生している」

長門「我々情報統合思念体はこれも自律進化の可能性ではないかと考える」

長門「よって、その発生原因……彼とあなたとのこれからの交際を認め、様子を見るとの結論となった」

朝倉「は?」

キョン「はあ?」

長門「おめでとう」

いや、無表情で言わないで下さい。



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:07:02.63 ID:OAhqujP60

なんというおめでとう



240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:15:41.68 ID:sh3lnKweO

つまりはこういう事らしい。

朝倉が俺に近づくと、涼宮のやつが情報爆発とやらを起こすらしい。
てことは、俺と朝倉を恋人同士にしちまえば、もっと自然に朝倉を近づけられるって事だ。

更に、俺と付き合う事によって朝倉に芽生えた感情も変化していくかもしれない。
実に情報統合思念体にとっては一石二鳥って訳だ。


朝倉「ごめんね、キョン君」

朝倉は申し訳なさそうに頭を下げる。

キョン「また、夕食食わせてくれよ」

朝倉が顔を上げる。

キョン「これからよろしくな、朝倉」

朝倉「うん! こちらこそ!」

……そう、この笑顔。
やっぱり、最高だ。



終わり



242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:18:52.14 ID:sh3lnKweO

みくる「今度はセリフが一言しかないとかどう言う事でしゅか……」

古泉「…………」ガクガクブルブル

みくる「ああ゛ん!?」

長門「落ち着いて」

みくる「長門しゃん……」

長門「あなたは今回もヘリウムだっただけ……ぷっ」

みくる「うがー!!!」



今度こそ終わり



243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:21:44.32 ID:OAhqujP60

おつ



244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:21:56.18 ID:sh3lnKweO

>>1がいなくなったスレに書かせていただきありが……>>1さん、普通にいるじゃないすか

マジすんませんした!

それでは皆さん、これから>>1さんの続きがあると思われますので、僕は支援に戻ります



朝倉は俺の嫁
パイナポゥでした



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:22:12.88 ID:OdhWAxTl0

これでおわりかよw




246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:22:42.94 ID:OdhWAxTl0

>>1も書いてくれ・・・



247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:24:46.30 ID:OAhqujP60

途中で投げ出してすいませんでした。
落ち着いたので恐れながら書かせていただきます。
ではよろしくお願いします。



249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:25:46.25 ID:OAhqujP60

キョン「くそ、取れないな」

ウィーン… グイッ…

朝倉「でも少しずつ運べる距離は伸びてるわ。
   次の次あたりで取れそう……あら」

グイーン………

朝倉「あっ、もうちゃんと運べて……」

ズッ…

朝倉「ああちょっとずれてる落ちそうよ!
   ちょっとちゃんと掴みなさいよ落ちるわよ!」

キョン「いや俺にはもうどうしようも」





251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:27:01.87 ID:OAhqujP60

 

ウィー……ン

朝倉「あとちょっとあとちょっとああ落ちるぅ」

ズッ…

朝倉「あっ!」

ボトッ ガシャン!

朝倉「取れた!取れたわキョン君!」

キョン「よし!」





253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:29:56.03 ID:OAhqujP60

 

青タヌキを抱きしめる朝倉。

朝倉「ふふ。ふふふ」

キョン「なんだ、それ好きなのか。青タヌキ」

朝倉「ううん、全然。これが何かも知らないわ」

キョン「っておい」





255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:30:23.33 ID:OAhqujP60

 

朝倉「ふふ。まあいいじゃない。せっかくとってもらったし、全然興味ないけど大切にするわ」

キョン「……意外だな」

朝倉「え? 何が?」

キョン「人にもらったものとか関係無しにいらないものは躊躇わずゴミ扱いするイメージがあったんだが」

朝倉「ちょっと。人をどういう目で見てるのよ。
   ……まあ、確かにそうだけど」





260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:33:59.58 ID:OAhqujP60

 

キョン「やっぱりか。
    じゃあなんで大切にするんだ」

朝倉「……ほら、恋人になったんだし、
   そういう雰囲気?みたいなものも大切にしないとかなーって
   演技の一環?みたいな」

キョン「嘘だろ。眉毛が動いてる」

朝倉「えっ!?」

キョン「嘘だがな」

朝倉「ちょ…っもう!!」





262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:36:46.78 ID:OAhqujP60

 

キョン「しかしその慌てようだと、やっぱり嘘だったんだろ?
    第一俺は演技をするなと言ったはずだぞ」

朝倉「う………不覚だわ」

キョン「で? 実際の理由はなんなんだ?
    お前が人にもらったものを大切にするなんて、真夏に雪が降るぐらいの異常事態な気がするが」

朝倉「もう、うるさいわね。いいじゃないのそんなの。
   ほら、もう遅い時間よ。子供は帰って寝る寝る」

キョン「三歳児のお前が言うな……ってちょっと待て、人の話をだな」





265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:40:50.48 ID:OAhqujP60

 

朝倉「うるさいって言ってるの。あたしは帰るから。じゃあね」

キョン「ったく。わかった送ってく」

朝倉「いいわよ。一人で帰れるし、それに」

キョン「ん?」

朝倉「送り狼怖いし」

キョン「お前な」

朝倉「あははっ! こわーい!」

キョン「ったく………明日も大丈夫か?」

朝倉「ええ、遊んであげる。暇つぶしぐらいにはなるからね」

キョン「そんなレベルか」

朝倉「そんなものよ。……じゃあね、おやすみなさい」

キョン「ああ、また明日な」

朝倉「うん、また明日」





267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:46:13.20 ID:OAhqujP60

 

帰り道。

朝倉「なっさけないわねほんと。こういうときは無理にでもついて来て
   据え膳食わぬは~って勢いでいくものじゃないのかしら」

朝倉「それにしても遊んだわね。こんなに色々やった休日なんて初めてね」

朝倉「うん。いろいろやっただけで面白かったか、っていうとよく分からないけど。
    ……思い返してみると、別に面白くないわね」





269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:48:02.00 ID:OAhqujP60

 

朝倉「………面白くないのよね。
    本当、面白くない」

朝倉「つまんない。くだらないことばっかで、全然つまんない」

朝倉「なんていうか、どうでもいいのよね。あたしとは全然関係ないものしかなくて」

朝倉「………本当、つまんない」





272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:50:05.70 ID:OAhqujP60

 

朝倉「………………」

青タヌキを、抱きしめる。

朝倉「………『それでいいのか』、ね………」

朝倉「…………全然よくないわよ」

朝倉「面白くない。つまんない。どうでもいい」

朝倉「……ずっとこんなのばっかりで、いいわけないじゃない」





275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/01(木) 23:55:07.93 ID:OAhqujP60

 

朝倉「………………」

(お前が人にもらったものを大切にするなんて、真夏に雪が降るぐらいの異常事態な気がするが)

朝倉「うるさい」


朝倉「………………」

朝倉「………それはそうよ。異常事態だもの。あたしはそんなことするキャラじゃないわ」

朝倉「……でも。ううん、だから」

朝倉「あたしがそういう、これまでのあたしじゃないことをしたら。
    演技とかじゃなくて、そう、『新しいこと』をしたら」

朝倉「………もしかしたら……」





276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:01:21.02 ID:5eTXCi2y0

 



『ふふふ……いい傾向ですね』

『しかも、二日目でこれほどとは、やはり彼にはある種の他人に干渉する性質があるようです』

『ふふふふ………これからが楽しみです』






280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:06:27.50 ID:5eTXCi2y0

 

翌日。

キョン「さむ……」

キョン「………昨日より遅いな」

キョン「……まあ、約束の時間まではまだあるわけだが……」


朝倉「おはよう、キョン君」

キョン「お、来たか。よう……って」

朝倉「うん……ついてきちゃった」



長門「…………」





283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:12:31.02 ID:5eTXCi2y0

 

時間は少し遡る。

朝倉の住むマンション。


朝倉「さてと。時間は大丈夫よね。忘れ物はないし……うわ、寒い。
    もう夏も近いのに……。上着上着。あ、でもお昼には暑くなるかな……
    うーん、身体まで普通の人間に近付くと不便ねぇ」

長門「朝倉涼子」

朝倉「あら、長門さん。いきなり背後から声を掛けないでよ。びっくりするじゃない」

長門「あなたはその程度で動揺するような精神構造ではないはず」

朝倉「褒められてるのかけなされてるのか分からないわね」





284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:18:24.62 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「それで、何? あたしはこれから彼とデートなんだけど」

長門「あなたに聞きたいことがある」

朝倉「何かしら。彼とどこまでいったか?ええそんな!そんなの涼子恥ずかしくて言えない!」

長門「彼についてのこと」

朝倉「全力で無視しないでよ寂しいじゃないの」

長門「彼は、どこかおかしい様子はなかった?」





285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:26:30.66 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「どこまでも無視する気ね………まあいいけど。
    キョン君がおかしい? うん、かなり変よね。
    涼宮ハルヒに関わってることもそうだし、あたしにいきなり告白したりするし、
    相当な変人なのは間違いないわ」

長門「そうではない。彼が以前と比べて奇妙な点や、差異のある様子がないかということ」

朝倉「以前と比べて、ねえ。
    さあ。あたし彼のことよく知らないし。
    どっちかっていうとあなたのほうが『以前の彼』に詳しいぐらいじゃない?」

長門「………わたしも詳しくは把握していない」

朝倉「どうしたのよ、情報統合思念体になにかあったの?
    必要ならあたしにアクセス権限戻してほしいんだけど」

長門「そうではない」


長門「…………わたしも彼に会う」

朝倉「え?」





287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:33:25.73 ID:5eTXCi2y0

 

そして現在。

朝倉「……って感じで」

キョン「聞いても状況が掴めん」

朝倉「うふふ。この子もキョン君と遊びたかったのよ。
    でも素直じゃないから何か理由を付けたいけど、
    いい理由が思い浮かばなくてこんな感じになっちゃったの」

キョン「……そうなのか」

長門「…………違う」

朝倉「間が長いわよ? 長門さん」

長門「違う」

朝倉「うふふ」

長門「わたしは」


ハルヒ「あーーーーーー!!!!!!」






292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:45:52.30 ID:5eTXCi2y0

 

ハルヒ「ちょっとキョン朝倉さんだけじゃなくて有希まではべらせるなんていい身分じゃない
     二股!?二股なの!?サイテーねあんた!!」

キョン「違うわ」

朝比奈「おはようございます、キョン君。長門さんに……朝倉さんも」

キョン「って、朝比奈さんも? こんな朝っぱらからハルヒと何してるんですか」

ハルヒ「私たちは買い物よ。みくるちゃんがお茶の葉っぱ買うのに付き合ってほしいって誘ってくれたの。
     で?あんたは何?朝倉さんに飽き足らず有希まで連れ出して。
     あんたが誰と付き合うかなんて、その、あんたの、勝手だけど!
     有希まで巻き込んだら承知しないわ!!」

キョン「だから違うって……」





295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:51:36.39 ID:5eTXCi2y0

 

長門「…………」


ハルヒ「 (ぎゃあぎゃあ!) 」
キョン「 (ぎゃあ) 」
朝倉「うふふ」


朝比奈「うーん……せっかく涼宮さんにキョンくんのことから離れてもらおうと思って、
     お買い物に誘ったのに………」

長門「……………」

朝比奈「? …えっと、長門さん。どうかしましたか?」

長門「………本屋の陰」

朝比奈「え?……あ、古泉君!」

古泉「(おや、見つかってしまいましたか) どうも、おはようございます」





297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 00:57:42.46 ID:5eTXCi2y0

 

古泉「奇遇ですね、こんなところでお会いするなんて。
   おや、お二人だけではなく涼宮さんに彼もいますね。
   もしかして僕の知らないところで召集でもありましたか」

朝比奈「違うんですよ、涼宮さんと私は一緒にお買い物してたんですけど、
     さっきたまたまキョンくんたちと会って」

古泉「ほう、偶然全員が揃うとは、SOS団は何か見えない力でつながっているのかもしれないですね」

朝比奈「ふふ、そうですね。きっとそうです」

長門「……………」





299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:03:48.84 ID:5eTXCi2y0

 

ハルヒ「……まったく。ほどほどにしなさいよ」

キョン「やれやれ」

朝倉(いっぱい叫んだらすっきりしたみたいね、涼宮さん)

ハルヒ「じゃあ私たちは行くから……あれ? 古泉君」

古泉「どうも、奇遇ですね。僕はちょっと散歩をしていたのですが」

朝倉(誰も聞いてないわよ)

ハルヒ「そうなの? なんていうか、さすがはSOS団ね。自然とみんな集まるなんて」

朝倉「すごいね。なにか運命みたいな、絆みたいなものがあるみたい」

ハルヒ「そ、そうね……」





302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:12:49.15 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「あ、ごめんね。お邪魔だったかな」

ハルヒ「ううん、そんなこと……」


キョン「なんだ古泉。監視でもしてたのか」

古泉「いえいえ、そんなことは」

キョン「自覚してないなら教えてやるが、お前のその白々しさが俺は信用ならん」

古泉「おや、なるほどこれは失礼を」


朝比奈「約束もしてないのにみんな揃うなんて、不思議ですね。素敵です」

長門「……………………」





308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:16:40.78 ID:5eTXCi2y0

 

結局。

ハルヒ「じゃあね。男なんだからしっかりエスコートしなさいよ。
     朝倉さん、気をつけてね。エッチなことしようとしたらぶん殴っていいから」

朝倉「ええ、もちろん」

キョン「お前らな」

朝比奈「じゃあ、また明日、学校で」

古泉「ではみなさん、ごゆっくり」





310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:20:41.92 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「……なんだったんだ。いきなり全員揃うとは」

朝倉「運命ってやつかもね」

キョン「冗談じゃない」

朝倉「まあ、現実的な話をすると、涼宮さんの力の可能性が一番高いけど……あら?」

キョン「全然現実的な話じゃないな……どうした?」

朝倉「長門さんどこにいったか知ってる?」

キョン「ん? ……あれ、いつの間にかいないな。帰ったのか」

朝倉「もう、せっかく来たのに、照れ屋なんだから」

キョン「そうなのか……?」





312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:23:23.67 ID:5eTXCi2y0

 

長門「……………」

長門「……………」

長門「……………」

長門「……………どういうつもり」


『うふふふ………』


長門「答えて」





313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:29:43.82 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「ね、怖い?」

キョン「この状況で平気な奴は頭がおかしいと思うね」

朝倉「遠回しね。素直に怖いって言いなさいよ」

キョン「なあ朝倉」

朝倉「なあに?」

キョン「ここにはお前がいろんな経験をするためにきたんであってな。
     俺がこれをやる必要は」

朝倉「えいっ」 トン


キョン「――――――!!!」


朝倉「バーンジーーーーーーーーー!」

キョン「――――――――



315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:35:04.83 ID:5eTXCi2y0

 


キョン「つぎは おまえの ばんだ」

朝倉「お、怒ってる? やだなあ、ただのお茶目じゃない。
    それにほら、やる準備して飛び降りないっておかしいじゃない。
    あたしはただ文字通り背中を押してあげただけで」

キョン「じゅんび かんりょう」

朝倉「な、なんでカタコトなの?そんなに怖かったの?
    え、え、ちょっと待」

キョン「おりゃ」 トン


朝倉「………―――――!」


キョン「聞こえんなあ」





319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:42:37.08 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「やっぱりね、そういうのじゃないの。
    ほら今のあたしってほとんど人間と同じじゃない。
    万が一ロープが切れたりしたら死んじゃうの。
    ううん別にね活動停止はいいの。それはなんともないんだけど。
    落ちたらさ、ね? ぐちゃっ、だよ。ぐちゃっ!
    嫌じゃない。汚いし醜いし情けないわ。
    活動停止するにしてもそれはちょっと御免こうむりたいの。
    あなたたちの生存本能から来る『スリル』とは違うのあたしにはそういうのないの。
    だけどそんな情けない終わり方嫌なの。だからさっきのは本当に」

キョン「悪かった。悪かったって」





325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 01:52:52.46 ID:5eTXCi2y0

 

次。


朝倉「いや」

キョン「いやって、あのな」

朝倉「嫌よ。絶対いや」

キョン「だがせっかくここまで来たわけだしな」

朝倉「なんであれのあとでもっと高い所に行こうとか思うの?
    さっきのは崖だったけど今度は空よ?
    洒落にならないわ。落ちたらどうするのよ」

キョン「プロが一緒にやってくれる、というかプロが飛ぶのに一緒についてくだけだぞ。
    それにバンジージャンプと違ってハングライダーは落下じゃなくて下降だ」

朝倉「言い方変えただけよ」

キョン「それに落ちた後の結果はバンジーもハングライダーも変わらん」

朝倉「嫌なこと言わないで!
    あなたさっきあんなに怖がってたのになんでそんなにやる気なの!?」

キョン「………なんでだろうな。なんていうか………うん(なんか楽しい)」





330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:01:49.42 ID:5eTXCi2y0

 

そして。
一日が終わる。


朝倉「……今日は散々だったわ」

キョン「お前が高所恐怖症とは意外だった」

朝倉「誰のせいよ! 昨日まで全然そんなことなかったわよ!!」

キョン「まあ力が戻ったら全然問題じゃなくなるんだろ。
    今のうちしか味わえないなら存分に味わっておいていいんじゃないか」

朝倉「あんなもの味わいたくないわ……」


朝倉「……じゃ、あたしはこっちだから」

キョン「送…」

朝倉「いいわよ。じゃあ、明日学校でね」

キョン「そうか。ああ、明日な」





333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:05:37.43 ID:5eTXCi2y0

 

帰り道。


朝倉「……今日は本当に嫌な日だったわ」

朝倉「なによもう。あんなのじゃなくってもっと他にもいろいろあるでしょう。
    だいたいなんであいつはあんなに楽しそうだったのよもう……」

朝倉「…………………」

朝倉「………まあ、つまらなくはなかったけど……」

朝倉「…………………」

朝倉「………よく分かんないわね」





335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:09:13.87 ID:5eTXCi2y0

 



長門「朝倉涼子」


朝倉「きゃっ!?」


長門「…………」

朝倉「ちょ、ちょっと、脅かさないでよ。
    今度は本当にびっくりしたじゃない」

長門「……………」

朝倉「………なに?」

長門「………やはり、変化が見られる」ボソッ

朝倉「え?」

長門「朝倉涼子。話しておくことがある」





338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:13:41.24 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「………? なに? 朝も同じようなこと言ってたわね」

長門「今朝のことと、同様のもの。
    ……正確には、今朝の疑問の解答」

朝倉「えーっと、彼が変、って話だっけ? それの解答?」

長門「そう」

朝倉「彼がどうかしたの?」


長門「彼の感情、行動指針は、第三者によって干渉されている」






339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:22:06.96 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「……どういうこと? 彼の意思が誰かに操られているってこと?」

長門「そう。彼は今、彼本来の行動基準とは違う基準で動いている……動かされている」

朝倉「なによそれ。誰が、何のために、なにをさせてるっていうの?
    彼がやってることなんて……」

朝倉「…………………」

朝倉「…………ねえ。その干渉って、いつからあったの?」

長門「三日前。あなたが彼に接触する、直前から」

朝倉「……彼は、どういうふうに行動指針を変えられているの?」

長門「………彼に与えられた暗示命令は……」


長門「―――― 『朝倉涼子のことを考えろ』 」





341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:31:51.72 ID:5eTXCi2y0

 

学校までの上り坂。


キョン(……さて、今日はなにするか)

キョン(あいつの怖いものは昨日わかったわけだが。怖いものが分かっても面白さにはつながらんな)

キョン(あいつを楽しませるためには何をするべきか)

谷口「お、今日は早いじゃねえかキョン。どんな気の迷いだ?」

キョン「その言葉そのままお前に返す。なんで早めに出てもお前と肩を並べるはめになるのか」

キョン(あいつはぬいぐるみが好き……ってわけでもないしな。
    そういえば結局、なんであれを大切にするのか聞いてないな)

谷口「おいおいひどいな。俺達は運命の赤い糸で」

キョン「キモいわ黙れ」

キョン(とりあえずそれ聞くか)





347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:36:20.67 ID:5eTXCi2y0

 

教室。

キョン「よう」

朝倉「、おはよう」

キョン「…? どうかしたか」

朝倉「ううん」

キョン「……なんか大人しいな。大丈夫か? 熱でも……出るもんなのか?」

朝倉「なんでもないわ。それより、ちょっと来てほしいんだけど」

キョン「今からか? もうすぐ予鈴が……」

朝倉「おねがい」

キョン「あ…ああ」





348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:39:33.38 ID:5eTXCi2y0

 

部室棟。

キョン「お、おい。どこに行くんだ。いったい……」

朝倉「ねえ、キョンくん」

立ち止まる。

朝倉「どうしてキョンくんは、あたしに『付き合え』って言ったの?」

振り向かない。





350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:43:53.08 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「は……? いや、まああの状況では生き残りを図った、ってのも確実にあるが、
    なんていうかこう、その、まあ、なんだ、お前のことが……」

朝倉「ねえ、キョンくん」

キョン「あ、ああ」

朝倉「あたし、情報制御能力、返してもらったんだ」

キョン「そうなのか?」

朝倉「まだ制限はあるけど、あたしは優秀だから、大丈夫」

キョン「……朝倉?」

朝倉「あなたに掛けられてる暗示を解くくらいなら、大丈夫」





352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:48:58.96 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「は? ……暗示?」

朝倉「そう。キョンくんには暗示が掛かられてる。あたしを気にしろっていう、暗示が」

キョン「はあ? なんだそれ。そんなの……」

朝倉「あるのよ。でも大丈夫、すぐに解いてあげるから」

キョン「……なんだそれ」

朝倉「うん、これであなたは元に戻るわ。
    不自然にあたしを気にすることもなくなる……」

キョン「いや、ちょっとまて、朝く…」

朝倉「すぐに終わるわ」


朝倉の指が、キョンの頬を触る。

その瞬間。

キョン「―――――――!!!」





353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:52:43.09 ID:5eTXCi2y0

 


『あの、ちょっと待っていただけますか』

『はい? ええと、なんですか?』

『ちょっと、お願いしたいことがあるのですけれど』

『お願い…ですか?』

『はい。ちょっと、妹のことを頼みたいんです』

『妹……? えっと、すみません、あなたは……?』

『あら、申し遅れました。私は――― 喜緑江美里と、申します』






362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 02:56:44.70 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「―――――――――!!!」

いきなり、思い出した。

呼び出された教室に向かう途中で、知らない上級生らしき女生徒に呼び止められ、
『すぐに済みますので』と見つめられてから、

………自分が自分らしくない行動をしてきたことに気付く。


キョン「……………………」



朝倉「…………目は、覚めた?」





367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:03:08.63 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「………ああ」

朝倉「よかった。やっぱり変だものね、あたしを口説くキョンくんなんて。
    変には思ってたけど、よく知ってるわけじゃないから確かな疑問にはならなかった。
    長門さんもそんな感じだったみたい。あたしよりもっと違和感を覚えてたみたいだけど」

キョン「確かに、俺らしくないな」

朝倉「そうそう。もうそんなことないわよね。
    やっぱりキョンくんは涼宮さんと仲良くしてなきゃよね。
    あ、でも、涼宮さんはあたしとキョンくんのこと恋人だと思ってるのよね。
    って、そう思わせたのはあたしか。あははっ!キョンくん、頑張って誤解解かないと」





371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:09:04.33 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「…………………」

朝倉「あ、大丈夫よ。もう殺そうとしたりしないから。
    このまま観察し続けるのも悪くない気もしてきたし。
    だから遠慮なく涼宮さんと仲良くやって?」

キョン「……朝倉。俺は」

朝倉「用件はこれだけ。じゃあ、戻ろうか。ごめんね、こんなところまで。
    なんとなく歩いてたらここまで来ちゃった。
    いやあ、われながらなにやってんだか」

キョン「朝倉」

朝倉「ほら、とっくに予鈴鳴ってるよ。
    それどころか、もう授業始まってそう。早く戻らなきゃ。
    ふふっ、それじゃあ急いで戻……」


キョン「 朝 倉 ! ! 」






375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:14:33.17 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「…………なあに、どうしたの。いきなり大声出して」

キョン「朝倉。確かに俺はよく分からんうちに変なことされてたらしい。
    それで俺らしくないことやってきたのは確かだ。
    だが、目が覚めたからって終わりにしなきゃいかんわけじゃないだろう」

朝倉「……何言ってるの。無理矢理やらされてたんだから、もういいのよ。
    もう、暗示は解いたんだから」

キョン「いや、だからな、確かに無理矢理ではあっただろうが、でも俺はお前と恋人みたいにやってたわけで」

朝倉「うん、もう終わったから、もういいの」

キョン「いやだから…」


朝倉「 も う い い の ! ! !」





379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:19:32.42 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「何よもう終わったんだからそれでいいでしょうもういいのよ!
    無理なんかしなくていいし演技も変な優しさもいらない!!!
    あたしは最初からあなたの恋人でもなんでもないんだから―――!!!!」


キョン「朝倉…!!」


走り出した朝倉を追おうとするが。


「大丈夫ですよ。あの子は感情というものに慣れていないので、
 あふれてくるものをどうすればいいか分かっていないだけですから。
 少しすれば、落ち着くはずです」






382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:27:09.09 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「……お前……っ!」

喜緑「どうも、妹―――みたいなもの、ですけど―――がお世話になりました。
    それと、先日は失礼いたしました。勝手に記憶を眠らさせたりなどして。
    ですが、どうしても記憶は消しておく必要がありましたので」

キョン「そんなことはどうでもいい!!
     お前、どういうつもりだ……!!
     なんでこんなことをした……!!!」

喜緑「申し訳ありません。
    勝手にあなたの心を操らせていただいたこと、
    どう言おうと申し開きはできませんが……」

キョン「それもどうでもいい!!!
     なんであいつを泣かせるような真似をしたんだって言ってるんだ!!」





386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:32:44.09 ID:5eTXCi2y0

 

喜緑「ふふ。やはりあなたを選んで正解でしたね」

キョン「何笑ってる。何がおかしいんだ」

喜緑「あなたが、自分のことよりもあの子のことに重きを置いているのが、嬉しいのですよ」

キョン「………お前、本当に何考えてるんだ。
     いや、そもそもお前は誰なんだ」

喜緑「あら、すみません。名前しかお教えしてなかったですね。
    私は朝倉さんや長門さんと同じ、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。
    情報統合思念体の端末。あなたたちからすれば、宇宙人ですね」

キョン「朝倉や長門の仲間、同類か。なら尚更だ。なんでこんなことをした」

喜緑「あの子を消させないためです」





391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:40:31.64 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「……朝倉を、消させないため?」

喜緑「はい」

キョン「意味が分からない」

喜緑「いいえ。分かるはずですよ、あなたならば。
    そう、彼女に殺されかけた、あなたならば」

キョン「………………」

喜緑「もし、私があなたの心に干渉せず、
    あなたがあなたのままで彼女と接触していたら、どうなっていたと思いますか?」

キョン「……俺が殺されてたか?」

喜緑「その可能性は低いですね。彼女の性格と、あなたの性格を考えると、
    あなたが殺されるまでにある程度の時間があったはず。
    その間に優秀な長門さんがあなたを救出に向かう。
    朝倉さんの性能では長門さんには敵わないですから、
    敵性として朝倉さんは処分されていたでしょう」





395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:47:26.95 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「それをさせないために、俺を使ったのか」

喜緑「あなたが彼女について真摯な態度で臨めば、あの子は混乱します。
    それほど極端な殺傷行為は行わないはず。
    明確な敵対状態ではないそこに長門さんが来ても、
    あなたがとりなせば彼女は処分まではされないはず」

キョン「………」

喜緑「もちろん彼女があなたへの攻撃をやめることが条件ですが、
    あなたはきっとあの子をなびかせることができると踏んで、
    こうして干渉を行わせていただきました」





397:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:49:57.17 ID:5eTXCi2y0

 

腹立たしいほどに正確な推測。
長門の演算能力を人間の心理にまで応用した結果か。

だが。

キョン「確かに朝倉は助かったが……こうなることは予想できなかったのか」

朝倉を泣かせる結果になると。


喜緑「分かってましたよ」





398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:55:09.63 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「お前!!!」


喜緑「涙は、止めてあげたらいい」


キョン「………あ?」

喜緑「悲しみは、埋めてあげたらいい。
    怒りは、静めてあげたらいい。
    彼女に必要なものならば。あなたが、与えてあげたらいいでしょう」

キョン「……………」

喜緑「感情なんてものは、簡単に変えられます。
    同じように感情で応えたり、ものや身体を使ってもいいでしょう。
    消えてなくなったら、どうしようもないけれど。
    こころの痛みなんて、どうとでもなります」





402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 03:58:15.78 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「………………」

喜緑「……事情説明は、終わりです。
    行ってあげて下さい」

キョン「……ああ」

喜緑「あらためて、言わせてもらいますね。
    ごめんなさい。あなたのこころを弄んで」

キョン「いや。
     むしろ、感謝してる」

喜緑「そうですか。
    ……どういたしまして」

キョン「じゃあ、行ってくる」

喜緑「あの子のこと。よろしくお願いします」

キョン「任せろ」





404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:02:03.07 ID:5eTXCi2y0

 

走り去っていく男の背中。

喜緑「……やっぱりいいですわね、こういうの」

長門「………………」

喜緑「あら、どうしました? 長門さん」

長門「あなたはなぜ、朝倉涼子を助けたの」

喜緑「あなたには、まだ分からないかもしれませんね。
    あなたの任務は、観察と報告ですから」

長門「………?」





405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:07:27.83 ID:5eTXCi2y0

 

喜緑「私はあなたたちのような、若い端末を管理・補助する役割です」

長門「……それが理由?」

喜緑「いいえ。暴走する端末の処理も職務ですから、今回のような手引きは職務外ですね」

長門「じゃあ、何」

喜緑「ふふ。ずっとその子を見ていると、なんだか変な気持ちになってくるんですよ」

長門「変な……?」

喜緑「親が子を見るような気持ち、でしょうか。どちらかというと姉妹でしょうね。
    私はきっと、あなたたちがまだ持っていない種類の感情を持っています」





407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:11:28.65 ID:5eTXCi2y0

 

喜緑「ですから、ずっと見てきたその子が馬鹿なことをして、消されるなんてことになってるのを見ると。
    とても伝えにくいんですけど、なんていいましょう、嫌なんですよ」

長門「…………」

喜緑「特にあの子やあなたみたいな子は、見てるだけで心配になってしまうから、
    つい手を貸してしまうの」

長門「……………よく分からない」

喜緑「でしょうね。ええ。いずれ分かります」





410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:18:15.74 ID:5eTXCi2y0

 

喜緑「さて。あの子のことは彼に任せましょう。私は元の仕事に……」

長門「……もうひとつ。理解できないことがある」

喜緑「あら、なんですか?」

長門「あなたの能力なら、朝倉涼子を傷付けずに彼と親しくさせることも可能だったはず。
    なぜ、私に自分の存在を気付かせるようなことをしたの。
    私に気付かせず、朝倉涼子の知らないうちに彼の暗示を解いて、彼に先程の話をしてもよかったはず」

喜緑「ああ、昨日あなたと彼を話させないようにしたことね。
    あなたが彼の暗示をといてしまうのを止めるという目的もあったのだけど。
    一番の目的は、ですね」



喜緑「女の子の涙に、男の子は弱いんですよ。………うふふっ」






412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:21:18.90 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「朝倉っ!」

朝倉「!!」


校舎の裏。

壁に背を預けて、うずくまって。

朝倉涼子は泣いていた。



キョン「……………やっと見つけた」






415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:26:03.95 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「な、なによ。もういいって言ったでしょう。
    ほら、今授業中よ、なにさぼってるの」

キョン「………………」

朝倉「ほっといてよ。どうでもいいでしょ。あたしなんて」

キョン「………………」

朝倉「どっか、いってよ。本当、もう、放って、おいて……」


キョン「………そんなぼろぼろ泣いてるやつ、放っておけるか、馬鹿」





417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:32:30.42 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「う、うるさいわねっ、と、止まらないんだからしかたないでしょ。
    なに、よこれ。意味わかんない。ほんっと、なんっなのよ、これ」

キョン「……………」

朝倉「ほっとけば止まるかな、って思って、ほっといても。全然止まらないし。
    じゃあ、止め、ようか、とか思っても全然、無理だし。
    なによこれ。壊れたの?あたし、もう、こわれ、ちゃったの?」

キョン「……………」

朝倉「どうすんのよ。どうすればいいの、これ。なによ、これ。
    なんなのよ、これ……!」





418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:34:59.50 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「朝倉」

朝倉「こ、来ないでよっ!どうでもいいでしょ、あたしは、」

キョン「朝倉」

朝倉「あた、しは。もう、べつに。あんたの……」

キョン「朝倉」

朝倉「恋、人、でも、なんでも………」

キョン「………朝倉」


抱きしめる。


朝倉「……………ない、のに………」






419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:36:52.46 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「朝倉」

朝倉「…………………」

キョン「…………………」

朝倉「…………………」

キョン「…………………」


朝倉「……………なんなのよ、もう……」





424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:41:21.03 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「あんたなんて、ただ、操られただけでしょ」

キョン「………………」

朝倉「ただ、あたしを見るように操られてから、あたしを見ただけ」

キョン「………………」

朝倉「もう、暗示はないんだから、もう……見ないんでしょう」

キョン「………………」

朝倉「変な同情とか、義務感とか、そういうの、いらないから」

キョン「………………」

朝倉「あんたの好きに、すればいいのに」

キョン「………………」





425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:44:51.98 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「………………何か、言いなさいよ」

キョン「…………………」

朝倉「……何、よ。言いたいことがあるなら…」

キョン「自慢じゃないんだがな」

朝倉「え……?」

キョン「俺は、いまいち口下手なんだ。だから」




唇を、奪う。


朝倉「――――――!!!!?」




キョン「……言葉は、いるか?」





430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:49:14.79 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「なっ、なっ、なっ………!」

キョン「これ以上、いるか」

朝倉「、な、ちょ、ああ、も、」

キョン「……………もう一回するか?」

朝倉「だっ……から!!! なんで、あたしに……!!」


キョン「それでいいのか?」


朝倉「……え」

キョン「お前は、それでいいのか」

朝倉「…………なにが、よ」

キョン「お前は。
     お前は、どうしたいんだ」





431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:53:55.40 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「……あたし、あたしは…………」

キョン「俺は、答えたぞ」

朝倉「…………あたし、は…………」

キョン「……………………」

朝倉「……………………………」


無言で、見上げる。


朝倉「……………………………」


いくらか、ためらった後。



唇を触れさせる。




朝倉「…………………こうしたいわよ」




433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 04:58:31.95 ID:5eTXCi2y0

 

キョン「…………よし、よく頑張った」

朝倉「……っ!! 馬鹿にしないでよ! 頭撫でないで!!」

キョン「そんなに涙をぼろぼろと流されるとなんとなく慰めたくなるだろ」

朝倉「止まんないのよほっとけ馬鹿!!!」

キョン「やれやれ」

朝倉「手のかかる子供だなあみたいな反応するんじゃないわよ!!」

キョン「よしよし。何歳だー?」

朝倉「もーーーーー!!!!!!」





435:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:04:32.75 ID:5eTXCi2y0

 


そんな感じで。



ハルヒ「キョンー、お隣からパソコン持ってきてー」

キョン「お前が行け。どうせまた実力行使でもってこいって話だろ」

ハルヒ「あんたの彼女の分なんだからあんたがなんとかするに決まってるでしょ」

キョン「ほう、団長なのに団員の世話を放棄するということか」

ハルヒ「違うわね。団長の特権を特別にキョンに譲ってやってるのよ」

キョン「ものは言いようだな」

ハルヒ「まったくね」





437:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:12:14.87 ID:5eTXCi2y0

 

ガチャ

朝倉「ハルヒさん。お隣からもらってきたわ」

ハルヒ「おっ、さすがね涼子ちゃん。どっかのうすらとんかちにはもったいない出来た子だわ。
     言う前に仕事をこなすなんて素晴らしいわ。って意外とパワフルね。片手で持ってくるなんて」

キョン「……なあ朝倉。そのPCって部長が使ってた最新式のやつじゃないか。
    ハルヒが奪ってから新しく仕入れなおしてた」

朝倉「ええ。一番いいのがほしいって言ったら、気前よくいただけたわ」

キョン「………可哀想に部長」

朝倉「いいじゃないの。その代わりあたしと長門さんで高次元のOS組んであげたから、
    多少旧式でも並の性能じゃないパソコンになるわ」

長門「その代わりに寿命は短くなる」

朝倉「使い捨てればいいのよ。そういうものでしょ」





439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:15:22.09 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「さて、設定だけど……わかんない。キョンくん助けて?」

キョン「嘘つけ」

朝倉「助けて?」

キョン「抱きつく振りして首絞めるな」

朝倉「助けて?」

キョン「ぐっ………わか、わか、った、から」





443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:19:48.60 ID:5eTXCi2y0

 

朝倉「ほらここどうすればいいのかな」

キョン「分かってるだろ……確かこうだ」

朝倉「そうそう。それじゃあ次」

キョン「こうだな」

朝倉「正解っ」

キョン「答え合わせするな」





444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:20:47.16 ID:5eTXCi2y0

 
 
朝倉「ほら、いいから次、次」

キョン「抱きつくな、暑苦しい」

朝倉「嫌がるともっとするわよ」

キョン「よし、是非抱きつけ」

朝倉「わかったわ」

キョン「……………まあ、分かってたけどな」

朝倉「ほら、次」

キョン「はいはい……………やれやれ」

朝倉「うふふふふ…………」





                            ~ fin ~






446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:21:21.87 ID:daR9R+Vu0

全力で乙!
やっと寝られるぜw



447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:21:56.46 ID:lKgWm8N4O

乙!



448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:22:21.34 ID:IVQnvFLiO

おわたwww乙www



449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:23:02.28 ID:brrYhXRzO

乙!



452:帰れ ◆GETOUT//lU :2009/01/02(金) 05:25:03.46 ID:5eTXCi2y0

えー、序盤にてものすごい失態をお見せしました。申し訳ありません。
ですがその醜態を見てなお最後までお付き合い頂けた方。本当にありがとうございます。

ハルヒSSは初めてなので、正直キャラの書き方に慣れない部分がありましたが、
それを差し引いてもあの醜態は自分を殺したいくらいです。もう一回言います。すいません。

ではこの物語、以上とさせていただきます。

ではまた、機会があれば。



454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:28:43.31 ID:7xNlyKbZ0

面白かった!

スレ主のも、他の人のもな!



458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:33:29.25 ID:FEEmeJJgO

いちおつ



460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 05:35:07.42 ID:mvBnynANO

うるとら乙



497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/02(金) 10:35:25.41 ID:K1PuC0Pk0

おお残ってた、超乙
ハルヒ知らないけど良かったぜ



【涼宮ハルヒの驚愕(前編・後編同時発売) 】
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         コメント一覧 (16)

          • 1. 名無し
          • 2011年01月11日 21:02
          • 主がデウスで朝倉がミァン?

            凄くよかった。ありがとう
          • 2. 名無し
          • 2011年01月11日 21:02
          • 1ゲット
          • 3. なか
          • 2011年01月11日 21:52
          • 5 途中中断してもちゃんと完結させてて凄いな。
          • 4. 以下、VIP
          • 2011年01月11日 22:00
          • 唇を、奪う。
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年01月11日 22:40
          • あのおかしな自己紹介を忘れてしまっていた俺は、席が近いって事で涼宮ハルヒに話しかけた。
            なんでそんなことしちまったのかね。普段の俺なら絶対しないハズなのに。

            キョン「なあ、自己紹介の時のアレ、どこまで本気だったんだ?」


            矛盾しているじゃねえか。自己紹介忘れたとかいってんのに

            それとも禁則なのか
          • 6. ななし
          • 2011年01月11日 22:59
          • SSだぜ?
            矛盾点あげてドヤ顔されても^^;
          • 7.
          • 2011年01月11日 23:37
          • 最後にハルヒ発狂
          • 8. 別人だが
          • 2011年01月11日 23:40
          • SSだろうと矛盾点あげるのが悪い事だとは思わんが。

            『矛盾がある時点で糞SS』なんて言ってるならともかく。

            排斥的すぎると思うよ。
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年01月12日 04:24
          • 帰れ…か
            覚えておこう。乙

            あとパイナポゥのやつの続きも読んでみたくなった
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年01月12日 21:59
          • ドヤ顔禁止令

            2人とも乙。めがっさ面白かった
          • 11. 以下、エレファント
          • 2011年01月13日 13:38
          • ※4

            なんか、ワラタ
          • 12. 名無しさん
          • 2011年03月08日 22:37
          • 懐かしく切ない気持ちになれた…ハルヒSSはやっぱ面白かったな。

            驚愕発売後にまた盛り上がることを切に願う!
          • 13. あ
          • 2011年06月13日 02:04
          • 二人目のゆとり臭はなんなんだろう
          • 14. 名無し
          • 2011年06月15日 01:29
          • 5 矛盾だとか知ったこっちゃない。
            俺は面白いと思った。他人は知らん。
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年05月08日 21:15
          • 4 朝倉さんのキャラが本当に良い。
            ハルヒシリーズ良いSS多くてありがたい。
            今まで興味なかったのが勿体無く感じる。
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年03月26日 12:09
          • 俺も朝倉涼子と付き合いたいぜ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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