C.C.「それで、お前は何が聴きたいんだ?」
- 2010年11月02日 12:13
- コードギアス 反逆のルルーシュ、SS
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:17:41.18 ID:61eQaYyR0
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C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「……一体何の用事だ?」
C.C.「おや? 随分とまた不服そうな顔だな」
ルル「お前が突然来て、何かしらの良い事が今まで一つも無かったからな。
何らかの警戒くらいするのは当然だろう」
C.C.「私が来て嬉しいのは分かるが、そんなに肩肘を張ることないぞ?」
ルル「……お前は俺の苦い顔をそこまで前向きに捉えることが出来るのか」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
ルル「全く理由になっていない…のは普段どおりか。
まぁいい。 それで、一体俺に何の用事があるんだ?」
C.C.「おぉ、そうそう。 お前に一つ頼みごとがあってだな」
ルル(頼みごと…だと……!?)
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:19:47.73 ID:61eQaYyR0
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C.C.「ルルーシュ。お前は文明の利器を使いこなせるか?」
ルル「ふん、見くびるな。
俺ほど家電製品に詳しい組織のトップは歴史を振り返っても存在しないだろう」
C.C.「そうか、それなら安心だ」
ルル「いったい何を頼むつもりなんだ、お前は」
C.C.「それがだな…先日、咲世子にこれを貰ったんだが」
ルル「む? これは…」
C.C.「この『あいぽっど』というのは、どのようにして使えばいいんだ?」
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:23:35.92 ID:61eQaYyR0
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ルル「使い方は至極簡単だ。
i-Tuneを導入する。
パソコンに曲をインストール。
PCとi-Podを繋ぐ。
以上だ、俺は今から昼寝するんで邪魔するな」
C.C.「…言っている意味が全く理解できないんだが?」
ルル「それはお前の勉強不足だ」
C.C.「い、意地悪するな。 もう少し丁寧に教えろ」
ルル「『教えてください』、だろ?」
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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:27:28.93 ID:61eQaYyR0
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C.C.「……もういい。
こんな童貞貧弱運動音痴シスコン坊やに頼んだ私が間違いだった」
咲世子に教えてもらいに行ってくる」
ルル「咲世子は今日から2日ほど留守にするらしいぞ」
C.C.「じゃあロロに…」
ルル「あいつは防衛の為に中華連邦へと遠征中だ」
C.C.「じゃあ、一人でやってみる」
ルル「ああ、頑張れ。折角の休みだから俺は眠る。ガサガサ動いて起こすなよ」
C.C.「ふん、優しさのない非紳士的な男など永久に眠ってろ」
ルル「…減らず口を」
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8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:36:11.24 ID:61eQaYyR0
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C.C.「ど、どこからCDを取り入れるんだ…?」
ルル(……)
C.C.「こ、これがi-Tune?WINAMPって書いてあるが大丈夫なのか?」
ルル(………)
C.C.「そもそも最初はどこを弄れば『あいぽっど』が聞けるようになるんだ?」
ルル(…………)
C.C.「う、うう~。 まったく分からない…」
ルル「…貸してみろ」
C.C.「えっ!? か、構うな! これは私の手で繋ぐんだ」
ルル「なんとなく目が冴えたから、ついでにやってやるだけだ。他意は無い」
C.C.「そ、そうか。お前がそう言うなら仕方ないな。この場を譲ってやる」
ルル(やれやれ……)
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9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:38:59.13 ID:61eQaYyR0
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数分後
ルル「条件はクリア。これで大まかな準備は整った」
C.C.「上出来だ。今度ピザを奢ってやろう」
ルル「お前が食うピザの代金がどこから出ているのか知っていて、
尚且つその発言をするなら見事な器の大きさだな」
C.C.「そんなに褒めるな、照れくさい」
ルル「俺としては褒めたりないくらいだ」
C.C.「まぁ皮肉はその辺にしておけ。キリが無いのはお前も不毛と思うだろう?
何にせよ助かった。その辺は感謝するぞ、ルルーシュ」
ルル「…ふん」
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14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:44:07.89 ID:61eQaYyR0
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ルル「ところでC.C.。お前の持つソレは、一体どういうものなのか知っているのか?」
C.C.「まぁ大方は咲世子から聞いた。イヤホンを通して音楽を聴くんだろう?」
ルル「確かに正解だが、どうしてまたそれを扱うのに拘るんだ?」
C.C.「そ、それはだな…」
ルル「この部屋にも大型のスピーカーはある。
それなのに携帯プレーヤーに固執するのは、何かしらの理由を俺は感じるんだが」
C.C.「それは私の勝手だろう。 つまらん所に干渉する男は器が知れるぞ?」
C.C.(こんな理由、言えるわけ無いだろうが……)
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:48:20.53 ID:61eQaYyR0
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~前日~
咲世子「~~♪ ~~♪」
咲世子「響きあう~♪ 願いが今、覚醒めてく~♪」
C.C.「おい、咲世子。一体それは何なんだ?」
咲世子「ああ、これはi-Podっていう音楽プレイヤーですよ~」
C.C.「あいぽっど?」
咲世子「この中には1万曲くらい入っているので、
耳寂しいときや炊事等の家事をする際は心強いお供になるんです」
C.C.「ほぅ、それはまた便利そうだな」
咲世子「私が以前使っていた旧型で宜しければ、C.C.様に差し上げましょうか?」
C.C.「いや、結構だ。私はこのテの機器には疎いからな」
咲世子「そうですか。 …実はC.C.様、これにはもう一つの使い道がありまして」
C.C.「もう一つの使い道だと?」
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:53:20.71 ID:61eQaYyR0
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咲世子「C.C.様、少々こちらへ」
C.C.「なんだ? またえらく密着してきたな」
咲世子「お耳をお貸しくださいな」
C.C.「ひゃっ! お、驚かせるな!」
咲世子「ほら、こうして一つのイヤホンを二人で聴くというのはドキドキしませんか?」
C.C.「お前…まさかそういう趣味があるとは思わなかったぞ…」
咲世子「誤解ですよ、C.C.様。その手の性癖は持ち合わせておりません。
それにホラ、今は私が横にいるのですが、
もしもこれがルルーシュ様だとしたら?」
C.C.「…ふん、くだらん」
咲世子「その割には心拍数がしっかり上がってるんですがねぇ?」
C.C.「とりあえず、その旧式を貰っておこう。
勘違いするなよ。 私は昔から音楽が好きだったのを思い出しただけだからな」
咲世子「はい、了解しました~。後ほどお部屋に持って行きますね~♪
咲世子「あ、そうそうC.C.様。受け渡すi-Podなのですが
初期化してしまったので改めて曲を入れて頂くのをお忘れなく」
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18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:55:02.36 ID:61eQaYyR0
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ルル「どうした? 心なしか顔が赤くないか、お前?」
C.C.(間違っても言えないな…
お前の近くで一緒に曲が聴きたかったなんて…)
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19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 22:58:40.69 ID:61eQaYyR0
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ルル「さて、これでその型番を使う準備は万端だ。後は好きにしろ」
C.C.「……待て」
ルル「なんだ? まだ何か用事でもあるのか?
i-Pod自体の使い方もさっき教えただろう?」
C.C.「……曲が一曲も入ってない」
ルル「ああ、そんな事か。
近くのショップに行くなり俺の棚から引っ張るなりして、好きなのを選べばいい」
C.C.「お前の好きな曲は何かあるのか?」
ルル「ああ、あるにはあるが。…一体どうした? 何を必死になっている?」
C.C.「私は寛大だからな。 お前の選ぶ曲をいの一番に入れてやってもいいぞ」
ルル「それくらい自分で好きなのを選べ。 お前の趣味嗜好を俺は知らん」
C.C.「知らないなら今知っておけ。
お前の選んだものなら私は何でも構わない、と言ってるんだ」
ルル「そ、そうか…分かった」
C.C.(ん? 今何か妙な事を言わなかったか、私…)
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21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:02:15.60 ID:61eQaYyR0
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ルル「それじゃあ、この辺りはどうだ?
最近この曲を聞きながら眠りに就くのが習慣づいてきてな…」
C.C.「ふん、聴いた事の無い歌手だな。 嫌いじゃないぞ」
ルル「お薦めを入れたにも関わらず、見事な傲岸不遜っぷりだな」
C.C.「童貞坊やにしてはやたらとムーディーな曲を知っているじゃないか」
ルル「…お前は一体どういうのを普段聞くんだ?」
C.C.「私か? そうだな、そこの棚にあるCDみたいな感じのやつをよく聴くよ」
ルル「初めて見るものばかりだな。 i-Podの中に入れてみるか?」
C.C.「ああ、頼む」
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24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:13:29.01 ID:TmJeGny00
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>>21
何だこの曲物凄く耳に心地良いじゃないか
普段こういう曲聞かないから、幅が広がったようで何だか嬉しいわw
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23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:10:28.48 ID:61eQaYyR0
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C.C.「相変わらずの名曲だ。耳に心地いい」
ルル「一体どんな曲なんだ」
C.C.「星の数ほど女を抱いたら聞かせてやる」
ルル「……」
C.C.「冗談だ。ほら、片方だけイヤホン貸してやる」
ルル「せっかくなら両方貸してくれてもいいと俺は思うんだが」
C.C.「嫌だ。 そうしてしまうと私が聴けなくなるじゃないか」
ルル「全く、我がままというか何というか」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
C.C.(こ、これは予想以上に恥ずかしいぞ…。
な、なんでアイツは平然と隣で曲が聞けるんだ!?)
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:13:46.04 ID:61eQaYyR0
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ルル「おいC.C.。なんでそわそわするんだ。 動くと曲に集中できないぞ」
C.C.「う、うるさい。私は曲にノってくると小刻みに動く癖があるんだ」
ルル「こんなメロウな曲で小刻みに動くとは…リズム感が皆無だな」
C.C.「黙っていろ短小。 きょ、曲に集中するんだろう?」
ルル「…人の心をジワジワと削るのくらい、今は止めてほしい」
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27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:14:47.10 ID:TmJeGny00
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うはwこんなとこでzabadak聴くとは思わなんだww
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29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:19:23.79 ID:61eQaYyR0
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ルル「ふむ、お前の曲はどことなく懐かしさすら感じるな。
…昔、ナナリーとスザクと三人で暮らしていたのを何となく思い出す」
C.C.「感傷に浸っているのか、ルルーシュ」
ルル「この気持ちは感傷とは少し違う気がするが…まぁいい。
何にせよこれはいい曲だな」
C.C.「ふふん。 私の音楽のチョイスは素晴らしいだろう?」
ルル「まぁまぁだな」
C.C.「…そこで素直にならないのは可愛くないぞ、シスコン」
ルル「可愛げは俺よりもお前の方に求めたいところだ」
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30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:23:46.33 ID:61eQaYyR0
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ルル「他にもお前の好きな曲とかはあるのか?」
C.C.「私の好きな曲か…。
イレブンに来てから『邦楽』なるものばかりを聞いてきて、偏りがちだがいいのか」
ルル「構わんさ。 どうせ今日は無駄に時間もある。
眠気を吹き飛ばしてくれた分、お前の怠惰な時間に付き合ってやろうじゃないか」
C.C.「ほぅ、お坊ちゃんも女の退屈に付き合う余裕が出てきたのか」
ルル「ピザ食らいのNEET魔女を女として見るのは、些(いささ)か無理が生じそうだがな…」
C.C.「………」 ゲシッ
ルル「……無言で蹴りを入れるのはやめろ」
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31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:29:07.56 ID:61eQaYyR0
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C.C.「ルルーシュ、そこの棚にあるCDを取ってくれ」
ルル「ああ、分かった。 じゃあイヤホン外すぞ」
C.C.「CD取ってきたらまた耳に付けろ。いいか、これは命令だ」
ルル「それは別に構わないが、C.C.」
C.C.「……なんだ?」
ルル「……なぜ頬を朱に染める」
C.C.「いいから早く取ってこい」
ルル「あ、ああ。分かった」
ルル(……こんな妙なC.C.は初めてだな。現状は波風立てずに大人しくしておこう)
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33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:39:43.62 ID:61eQaYyR0
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ルル「これは…バンドか? お前がこういうのを聞くとは意外だな」
C.C.「長く生きているとな、様々な事柄に変化が欲しくなるんだ
本来は>>23のような民族調の曲を好んで聞くが、
あまりに同じものばかり聞くと音楽への視野が狭まりそうな気がするだけだ」
ルル「ほぅ…お前が音楽に対して思う節があった事には驚きだ」
C.C.「ただの気まぐれだ。深い意味はない」
ルル「俺も幼い頃はクラシックばかり聞いていたから、まぁ気持ちは分からなくもない」
C.C.「学園で人気者のルルーシュ様は、クラシックしか聞かないなんて周りから思われていたりしてな」
ルル「自分の趣味や嗜好くらい流されたくは無いが…まぁ、『良いものはいい』というやつか」
C.C.「それよりどうだ? この曲を次のゼロ登場シーンのBGMにしてみるというのは?」
ルル「ほぅ……悪くないな……!」
C.C.(おいおい、案外本気に聞こえてくるから困るぞルルーシュ。
センスの悪さは性質の悪さに通ずるモノを感じるな)
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36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:51:04.92 ID:61eQaYyR0
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C.C.「私ばかり曲を聞かせても面白みが無い。
ルルーシュ、次はお前の好む楽曲を教えろ。クラシック以外で」
ルル「クラシックは除外対象なのか?」
C.C.「眠くなる。それにイマイチ歌が無いと耳を傾ける気にならん」
ルル「クラシック意外となると…そうだな…」
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37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/18(木) 23:54:48.64 ID:61eQaYyR0
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ルル「こんな感じの曲はどうだ?」
C.C.「ほぅ、なかなかじゃないか。
お前のチョイスはティータイムを彷彿とさせるな」
ルル「最近は紅茶を飲みながら音楽を聴く事が多かったから、
ついそういう路線で曲を選んでしまうんだろう」
C.C.「それにしてもこの曲のタイトル…なかなか大胆とは思わないか?」
ルル「ああ、『Say you love me』か。
『愛していると言ってくれ』とは、情熱的なアプローチだな」
C.C.「ほほぅ…したたかさんだな、ルルーシュ。
私に愛していると言ってほしいからこれを選んだんだろう? この童貞坊や」
ルル「お前じゃなくてナナリーになら、何億回とでも呼んでほしいんだが」
C.C.「………」 ゲシッ
ルル「……だから無言で蹴りを入れるのはやめろ」
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40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:06:01.97 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「次は私のターンだな」
ルル「ああ。 さっさと聞かせてくれ」
C.C.「焦るな焦るな、この早漏」
ルル「お前はどうしても俺を罵倒したいのか?」
C.C.「癖だ。気にするな」
ルル「…魔女め」
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:08:07.67 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「さて、次に選ぶならコレだな」
ルル「これはまた叙情的な歌だな」
C.C.「『くるりくるり 命は廻る 色んな愛を 残して廻る』」
C.C.「長生きするとな、こういう歌詞も信じたくなるものなんだ」
ルル「…俺が殺してきた命も、そういう螺旋に組まれているのだろうか」
C.C.「さぁな。それは私の知る由では無いから何とも言えん。」
C.C.「まぁ、所詮は歌だ。 私達に感傷は『らしくない』」
ルル「ふん、確かにな。 歌は歌だ。 ただ、いい歌なだけだ」
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43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:16:43.19 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「さて、そろそろ夕飯の時間か」
C.C.「気がつけば部屋が真っ暗だな」
ルル「ああ、一旦この辺でi-Podを聞くのは休憩にしよう。
今日は咲世子もいないし、お前…に料理を期待してはいけないな。
夕飯のリクエストは何かあるか?」
C.C.「ピザ。モッツァレラチーズを多めに使ったヤツを頼む」
ルル「またピザか…そのうち絶対太るぞ」
C.C.「ふふん、私はチーズくんダイエットを実行しているからな。太るはずがない」
ルル「そのダイエット法がどういうものか知らないが、まぁ体調には気をつけろ。
もう若くは無いんだからn…」
C.C.「………フッ!」 ゲシッ
ルル「……今までで多分一番痛かったぞ。弁が立つなら口を使え」
C.C.「今のはお前が悪い。レディに対して失礼だろう?
デザートに何らかのスイーツが付かないと、私は当分ご立腹だ」
ルル「……野蛮人め」
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45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:23:03.23 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「夕食が終わったあと、時間はあるか?」
ルル「シンジュクゲット-の新しい見取り図の作成。
黒の騎士団の人件費、工作費。
輻射波動におけるパイロットへのG負担ダメージ等、やるべきことは多々ある」
C.C.「そ、そうか…」
ルル「それが終われば、後は休日扱いだ。 何か用事でもあったか?」
C.C.「私は暇だ。 さっきの『あいぽっど』の続きを手伝え」
ルル「断る…といいたい所だが、報酬を一つ踏まえて貰えば手伝ってやらんこともない」
C.C.「報酬?」
ルル「なに、さして難しいものではない」
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46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:33:44.52 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「その報酬とやらを受けるか否かは内容次第だな」
ルル「では提示しよう。
俺の望む報酬は『お前が俺の言う事を一つだけ聞く権利』だ」
C.C.「却下。 何をされるか分かったもんじゃない」
ルル「だからさっきも言っただろう? さして難しいものではない、と」
C.C.「ま、まさか私の体とかじゃないだろうな!?」
ルル「いや、それはない」
C.C.「だ、誰も屋敷に居ないからといって不埒だな! こ、この童貞坊や!」
ルル「だからそれはない」
C.C.「張りのある乳、尻、流れるような脚線美…
幾人もの男を魅了した私なら仕方ない事か…」
ルル「おい、聞いているのか」
C.C.「し、仕方ない…今晩、今晩だけだぞ……」
C.C.「まったく…ようやくこのシスコンED坊やは私の魅力に気づいたのか…」ボソボソ
ルル(そろそろ補聴器の購入を考えた方がいいのか?)
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47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:40:08.13 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「さて、C.C.。受けるのか、受けないのか。 どっちだ」
C.C.「う、受けようじゃないか。お前如きの命令なんか恐れるわけもない」
ルル「受理したな!? いいだろう、結ぶぞ! その契約!」
C.C.「あ、ああ! なんでも来てみるがいい!」
ルル「…その前に、夕飯でも食すことにしよう」
C.C.「もう出来ていたのか。仕事の早さは流石だな」
ルル「では、夕飯が終わったら先ほどの続きを始めるか」
C.C.「ああ、分かった。今はこのピザを噛み締めるとしよう」
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49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:50:52.48 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「さて、一息ついたところで再開するか」
C.C.「こっちも『あいちゅーん』の準備は万端だ」
ルル「条件はクリア。 さて、どちらから曲を提示する事にするか」
C.C.「そうだな、私から提示させてもらうとしよう」
ルル「魔女らしからぬ曲の選択ばかりだからな。どういうのが来るか楽しみではある」
C.C.「ふん、ほざいていろ」
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 00:52:04.45 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「私の次の楽曲はコレだ」
ルル「なんというか、たゆたう感じの曲調だな」
C.C.「たまに聞きたくなる歌だ。 可愛らしい曲だろう?」
ルル「お前から『可愛い』などと聞くと、何かしらの不吉感を覚えるんだが」
C.C.「ふん、失礼なヤツだ。私だって淑女だぞ?」
ルル「淑女は男の部屋を下着姿で闊歩しないものと俺は思っているんだが」
C.C.「前時代的な考えだな、ルルーシュ。もっと柔軟に生きていけ」
ルル「…何故かお前から諭されると妙に腹立たしいな」
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 01:01:38.01 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「ところでC.C.」
C.C.「どうした?」
ルル「『i-Tune』ではスピーカーで聞けるようなシステムになっていてな…」
C.C.「ほぅ」
ルル「別にこうして、寄り添うように片方ずつのイヤフォンで聞く必要は無いんだが」
C.C.「おお、それはしらなかった。しらなかったし、このままでいいじゃないか」
ルル「なんで棒読みで喋る?」
C.C.「別に構わんだろう。それとも何か? 美人が近くにいると落ち着かないか?」
ルル「俺は一向にお前から離れても構わないんだが」
C.C.「まぁ細かいことは気にするな。
私はこの状態から動くのが面倒だし、別にいいじゃないか」
ルル「でもお前、顔が真っ赤だぞ」
C.C.「気にするな。チーズ君ダイエットの影響なだけだ」
ルル「まぁ、お前が言うなら別に問題ないんだろう。現状維持で進める」
C.C.(……よかった。
もう少し、お前の傍に居ても罰は当たらんだろう?)
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 01:45:19.45 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「次は俺の順になるのか」
C.C.「現状では私好みの曲ばかりだな」
ルル「勘違いするな、別にお前の好みに合わせているわけではない」
C.C.「わかっているよ。何もこんなところでツンデレなくてもいいじゃないか」
ルル「別にツンデレになったつもりはない」
C.C.「はいはい、分かった分かった。 で、お前の薦める曲は?」
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59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 01:48:01.43 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「これだな」
C.C.「イントロからキュンときた。何だこれは」
ルル「これはHirth Martinezの名曲、『altogether alone』のカバーだ」
ルル「数多のアーティストがカバーをしているが、
俺はこの曲が群を抜いて一番だと思う」
C.C.「ほぅ、英語のようだが一体何を歌っているんだ」
ルル「端的に言えば、『君はひとりぼっちじゃない』といったところか」
C.C.「随分と優しい言葉を訴えてくれるんだな」
ルル「C.C.。機会があれば歌詞を調べてみるのもいいぞ」
C.C.「それは面倒だ。断る。お前が知っているなら教えればいいんじゃないか」
ルル「…少しは検索する努力をしてもいいんじゃないか」
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62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 01:57:10.29 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「私のターン!」
ルル「なんでいきなり声を張り上げた?」
C.C.「気分だ」
ルル「お前の気分次第で、俺の鼓膜へのダメージが左右されたくないんでな。
今後いきなり叫ぶのは禁止だ」
C.C.「分かった!!!」
ルル「み、耳が……」
C.C.「どうしたルルーシュ? そんなに私の美声が耳に優しかったか?」ニヤニヤ
ルル(こいつ、いつか絶対屈服させてやる…!)
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64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:03:39.88 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「私が次に提示するのはコレだ」
ルル「これはまた…随分と可愛い曲調だな」
C.C.「このピコピコサウンド、癖になりそうだろう?」
ルル「不思議な感じだ。
あまりエレクトロニカには触れていなかったから、新鮮な気持ちで聞けている」
C.C.「歌詞は少々カオスだがな。曲を聞く分には問題なかろう」
ルル「ああ。 メロはともかくサビの部分は充分評価に値する」
C.C.「意味を求めすぎず、頭を空っぽにしてゆっくり聞くのがベターだな」
ルル「俺は常日頃から考え事ばかりなんで、まぁこれも良い機会だ。
ゆっくり聞かせてもらう。」
C.C.(昼は学生、夜は騎士団。 疲れが溜まってるんだろうな、ルルーシュ…)
C.C.「…肩くらい貸すぞ?」
ルル「…今だけはお前の気まぐれに乗ってやろう」
-
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:07:36.29 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「ルルーシュ?」
ルル「……zzz」
C.C.「…眠ってしまったか」
ルル「……zzz」
C.C.「……」
ルル「……zzz」
C.C.「………」
ルル「……zzz」
C.C.「…………」チュッ
ルル「………zzz」
C.C.「…なんだこれ。思わずやってみたはいいが、死ぬほど恥ずかしいぞ。
おい、早く起きろ馬鹿ったれ」
-
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:10:34.82 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「……む、スマン。 眠ってしまっていたか」
C.C.「気にするな」
ルル「おいC.C.。顔がゆでダコのように真っ赤だぞ。 風邪か?」
C.C.「気にするな、と言ってるんだ」
ルル「ふん、お前がいいならそれで構わんのだが」
C.C.「そ、それより次はお前の番だぞ。お子様は寝起きの頭で考えられるのか?」
ルル「見くびるな。もうすでにいくつかの曲はチェックしてある」
C.C.「ほぅ、大した自信だな」
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68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:18:11.37 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「寝起きの頭を覚ます意味合いを兼ねて、少々ロックテイスト曲を」
C.C.「なるほど。最近の若い子はこういうのを聞くのか」
ルル「おばあちゃんには少々喧しかったか?」
C.C.「………」 ゲシッ
ルル「……同じ箇所ばかりに蹴りを入れるのはやめろ」
ルル「そもそも若いと言っても、20代中盤辺りの年の頃が聞くんだろうから
一概に『若い』と括っていいものかは悩むところだな」
ルル「俺がこういう曲を持っているのはリヴァルの影響でもあるんだが」
C.C.「この曲はイントロの落ち着いた感じから、サビへの疾走感が私的に好みだ」
ルル「奇遇だな。俺もこの曲はその部分を高く評価している」
C.C.「気が合うな、私たちは」
ルル「ああ、嫌という程にな」
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:23:10.42 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「さてさて、次は私だ」
ルル「お前の曲はどことなく睡眠を誘発してくるものが多いな」
C.C.「別段狙って選曲しているわけではない。
私自身がゆったりとした曲調を好んでいるだけだ」
ルル「ああ、分かっている。お前の趣向に文句を言うつもりは毛頭無い」
C.C.「ふん、分かっていればいい」
ルル「次もゆったりとした曲なのか?」
C.C.「当然だ。 次の曲は、以前私が眠る前に聞いていた曲をチョイスした」
-
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:28:04.59 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「曲のタイトルは『ダプネリーフ』。まぁ聞いてみろ、ルルーシュ」
ルル「これはまた心地いいメロディだな。
先ほどの曲で仮眠していなければ、多分俺はこの曲で眠っていたぞ」
C.C.「ふふん、どうだ。 素敵な曲だろう?」
ルル「ああ。確かに素敵だが、お前が威張ることではないな」
C.C.「まぁここは威張らせておけ。 何しろ私が選んだ楽曲だ。
部屋を真っ暗にして、深呼吸しながらこの曲を聞いてみろ。
アッという間に朝になっているぞ」
ルル「もはや気絶の領域じゃないか、それ。
まぁジャズテイストで素晴らしい曲という感想を言わせてもらおう」
-
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:33:59.88 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「俺の番か。交互に順番が回ってくると目まぐるしく感じるな」
C.C.「二人でババ抜きするよりも多少マシだろう?」
ルル「それを引き合いに出されると、口を紡ぐしかないぞ」
C.C.「まぁ、私は何気にお前が出す楽曲に期待はしているんだ。
この期待を裏切ってくれるなよ?」
ルル「また妙なハードルの上げ方をするな。挙げづらくなるだろうが」
C.C.「黒の騎士団を統べる身が、このくらいのハードルを越えられなくてどうする」
ルル「今のこの状況において黒の騎士団は全く関係ないと思うが…まぁいい。
次の曲の準備でもしてくるから待ってろ」
C.C.「ふん、とっとと行って来い」
-
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:44:04.43 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「次に選んだのはこれ。
盲目のギタリストが奏でる、ソウルフルな歌だ」
C.C.「…おいおい、これは一体どうなってるんだ?」
ルル「何度聞いても見事な曲だな」
C.C.「途中のあのトランペット。あれは一体どうなっているんだ?」
ルル「あれはボイスパーカッションの応用系だ。
唇を振るわせて音を出す技術の最上級系との事らしい」
C.C.「歌やギターだけではなく、パフォーマーとしても素晴らしいのか」
ルル「このアーティストが歌う曲はどれも力強く聞こえるのは、
俺だけじゃないと思いたい」
C.C.「その意見には概ね同意だ。なんかこう、キュンときたぞ」
ルル「それは心筋梗塞の前触れだ。歳が歳なだけに無理をするな、C.C.」
C.C.「……私はピチピチだ!」
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82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:57:35.34 ID:ZJnMLu5B0
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>>79
なんだこれすげえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
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80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:53:05.21 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「で、次はお前の番だぞ。C.C.」
C.C.「ああ、分かっている」
ルル「俺はお前の出すまったりとした曲調は存外気に入っている。
こちらも期待させてもらおうか」
C.C.「ふん、任せておけ」
ルル「それと、さっき俺が寝ている間にキスしなかったか?」
C.C.「!!?」
ルル「いや、スマン。気のせいだ。 なんでもない」
C.C.「…全く、何を聞くかと思えば。夢で私が出てきて夢精でもしたのか?」
ルル「おい、なんで目が忙しなく動きまくってるんだ?」
C.C.「気のせいだ、気のせい」
ルル「だったらその挙動不審を治してみろ」
C.C.(何故だ…なぜあのときキスしたのがバレていたんだ…!?
アイツはしっかり寝息を立てていたはずじゃないか…!)
ルル(…狸寝入りというのにも気づかなかったのか、あいつ。)
-
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:02:27.72 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「わ、私が次に選んだ曲はコレだ!」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「コ、レ、だ!」
ルル「ほぅ、またしても民族楽調の曲だな。」
C.C.「ZABADAKというアーティストなんだが、私はこいつらが結構お気に入りでな」
ルル「荷馬車に乗って旅をしたくなる気分だ」
C.C.「お前は意外と旅商人とか似合いそうな気がするぞ。
ひょっとして前世はそういう仕事をしていたんじゃないのか?」
ルル「前世とか、また馬鹿馬鹿しいことを」
C.C.「まぁお前みたいなモヤシっ子は、旅する前から
『ナナリー! ナナリー!』って泣き叫ぶんだろうな」
ルル「…」
C.C.「まぁもしも旅商人がしたくなったらカレンでも連れて行け。
あいつは用心棒として役立ちそうだ」
ルル(何故か分からないが、凄いデジャヴを感じる…
俺はどこかで旅商人をしていたのか?)
-
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:12:13.56 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「次は俺の番だな」
C.C.「もししょうもないものを私の『あいぽっど』に入れたら…むしるぞ」
ルル(どこをむしられるんだ、俺は!?)
C.C.「まぁむしるのは半分冗談として…」
ルル「半分本気だったことに恐れおののいてしまうんだが」
C.C.「次はどういうのを選ぶんだ?」
ルル「そうだな、洋楽あたりでどうだ?」
C.C.「英語は苦手だ。頭に入ってこない」
ルル「そういわずに聞いてみろ。
聞かず嫌いは音楽の幅を狭める勿体無い行為だぞ」
C.C.「お、お前がそこまで言うなら聞いてやらない事もない。
ほら、早く持ってこい」
ルル「全く…今持ってくるから待ってろ」
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87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:12:16.01 ID:yTRFZVZ/0
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ギアス見たことないけどこのCCのかわいさはヤヴァイ
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90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:22:13.05 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「ほら、これが俺のお薦め洋楽だ。
有名どころのカバーだから聞きやすいだろう」
C.C.「おぉ、これはコーヒーのCMで聞いたことがあるぞ!」
ルル「CMとはまた俗物的だな。カフェには行かないのか?」
C.C.「どこかの誰かさんは部屋から出してくれないからな。
女を囲うことを覚えた男はこれだから…」
ルル「勝手に俺の財布からカードを抜き出して色々好きにやっているヤツが
家主に向かって言う台詞ではないな」
C.C.「ピザを頼む際には欠かせない重要アイテムだから仕方ない。
で、この曲の詳細とか無いのか?」
ルル「この曲を歌っているのは日本人だ」
C.C.「ほぅ、やたらと流暢な英語で歌うんだな」
ルル「渡米してから本気で音楽を学んだらしいからな。
ちなみにこのボーカル、SPEEDというユニットで有名な島袋 寛子だ。」
ルル「彼女の個人名義で活動している『Coco d' Or』は、かなり本格的だ。
俺もアルバム二枚ほど持っているが、捨て曲は一つ足りとも無かったぞ」
C.C.(ルルーシュのお薦めか…顔で選んだんじゃないだろうな?)
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94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:56:00.98 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「次は私の番か」
ルル「しかして…お互いにネタが尽きないな」
C.C.「それだけ曲を知っているという事だろう。いいことじゃないか」
ルル「お前と寄り添って曲を聞き始めてから数時間も経過している。
ふん…なんか妙な気分だ」
C.C.「どういう意味だ?」
ルル「お前とこうして落ち着いた時間を過ごせているのが不思議だ、という意味だ」
C.C.「確かに、私たちは顔を合わせても喋らない事すらあったくらいだからな」
ルル「ああ。 だが今、こうして互いに身近な空間にいる。
俺はそれを、少しだけ心地いいと思っているんだ」
C.C.「…私もだ」
ルル「…少し照れるな、こういうのは」
C.C.「…フン、全くだ。お互い慣れない事はするものじゃない」
ルル「…ああ、慣れない事はするものじゃないな」
C.C.「でも今だけは、こういうのも、い、いいんじゃないかと私は思うぞ」
ルル「…ホント、奇遇だな。 俺もそう思っているよ」
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95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:01:10.84 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「さて、改めて私の曲紹介だ」
ルル「今まで気づかなかったが、C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルル「お前…可愛いもの好きだったのか……!?」
C.C.「本当に失敬なやつだ。チーズ君を愛でているのが何よりの証拠ではないか」
ルル「いや、アレはピザの香りで抱きしめているのかと思っていた」
C.C.「………」 ゲシッ
ルル「……もう蹴られるのを甘んじて受け入れ始めた自分が怖いぞ」
ルル「この曲はまた随分と可愛らしい感じに仕上がっているな」
C.C.「『僕の子犬が いなくなった』という切ないフレーズは印象的だな」
ルル「……」
C.C.「どうした?」
ルル「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
-
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:34:32.15 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「最初に思ったのは>>41のときだ
お前は何となく歌ったんだろうが、その、上手だった」
ルル「>>95のときだってそうだ。
お前の歌が妙に耳に心地よかった」
C.C.「……」
ルル「だから、歌ってほしい。そう思ったんだ」
C.C.「……」
ルル「これは報酬扱いだからな。却下は許さん」
C.C.「……」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! 歌え!」 キィン! ひ
C.C.「私にギアスは効かんと何度説明したと思っているんだ?」
-
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:07:55.34 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「そろそろ時間だ。眠らないと明日に差し支える」
C.C.「ああ、もう夜遅い頃合だな」
ルル「気がついたら日を跨いでいたとはな。夢中になるのも程がある、という所か」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「どうした、C.C.」
C.C.「今、この屋敷には私たちしか居ないんだろ?」
ルル「ああ、そういう事になるな」
C.C.「な、なんだ。その」
ルル「どうたんだ、急に口ごもって」
C.C.「今の私たちは、他者には一体どういう風に見えるのか分からないか?」
ルル「?」
ルル(状況を整理してみよう。
誰も居ない館。 夜の帳も降りている。
異性と小さな空間で二人きり。 相手は何故か照れている…?)
ルル「いまいち意味を理解しかねるな。」
C.C.「!?」
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97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:10:57.49 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「お、お前はムードというのを知らないのか!?」
ルル「馬鹿にするな、ムードくらいは知っている」
C.C.「だからそういう事ではなくて、…もういい!」
ルル「おい、何を怒っているんだC.C.」
C.C.「怒っているんではない、呆れているんだ…」
C.C.(やはり童貞坊やには女心が分からない、か…。
さっさとこいつを押し倒すのも視野に入れておかなくてはいけないな)
-
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:18:44.62 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「さぁ、もう眠る準備に取り掛かるか」
C.C.「ああ、そうだな…」
ルル「どうした? いきなり元気を無くしたように見えるんだが」
C.C.「なんでもない」
ルル「そうか。 ところでC.C.」
C.C.「どうした? 私はもうさっさとベッドに飛び込みたい気分なんだが」
ルル「俺の報酬の件、覚えていたか?」
C.C.「…すっかり失念していたよ。
今日はもういいじゃないか。このまま布団に入って一日を終えよう」
ルル「なに、簡単な事だからすぐに終わる」
C.C.「…なんだ、お前の望む事というのは」
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102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:28:32.09 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「歌ってくれないか?」
C.C.「……は?」
ルル「二度は言わん」
ルル「歌ってくれないか」
C.C.「……しっかり繰り返しているじゃないか」
-
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:31:27.48 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「突然どういった風の吹き回しだ?」
ルル「別に突然思いついたわけではない」
C.C.「ほぅ、では是非とも教えてもらいたい所だな。
どういうつもりで私に『歌ってほしい』とのたまったのかを」
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105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:36:50.17 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「その、なんだ。そんな願いでいいのか?」
ルル「?」
C.C.「もっと無茶な願いくらい、聞いてやってもいいぞ」
ルル「働いてくれ」
C.C.「無理だ」
ルル「…やっぱりこうなるじゃないか」
C.C.「だから、そういう事じゃなくてだな」
ルル「じゃあどういう事なんだ?」
C.C.「その…膝枕、とか。 ハグくらいなら、許してやってもいいぞ?」
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107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:41:25.00 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「膝枕…だと…!?」
C.C.「あ、ああ。 そのくらいなら今日だけ許してやる。
結構長い時間付き合ってもらったせめてもの礼というヤツだからな。
勘違いはするなよ」
ルル「C.C.の膝枕とか、おばあちゃんのぽたぽた焼きしか連想できないんだが…」
C.C.「………だから私はおばあちゃんじゃないと言っているだろう!」
ルル「お前にもし、せめてもの礼という気持ちがあるのなら。
俺のために歌ってくれ。 それが俺のせめてもの願いだ」
C.C.(ルルーシュ、そんなに私の歌を聴きたかったのか…)
ルル「なぁ、C.C.。ギアスは願いに似ているとは思わないか?」
C.C.「その台詞は今ここで聞きたくは無かったぞ」
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108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:44:17.36 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「ハァ…分かった。 根負けだ。
お前の望むとおり歌ってやろうじゃないか」
ルル「本当か、C.C.!」
C.C.「こんなサービスは滅多に無いぞ。感謝しろ」
ルル「ああ、今だけはお前の小規模な良心に感謝しておこう」
-
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:55:16.18 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「それで、お前は何が聴きたいんだ?」
ルル「お前の一番得意とする歌。 それを所望する」
C.C.「仕方ないな。『あいぽっど』には入らない生音だ。
聞き逃す事のないよう噛み締めて聞け」
C.C.「ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「今日は付き合ってくれて、ありがとう」
ルル「…こちらこそ。 有意義な休日だった」
C.C.「」
―終―
-
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:30:07.08 ID:OMg37zvz0
-
乙でした
やはりルルとCCの関係はよい
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113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:38:47.43 ID:hlXwxzjJ0
-
ありがとうございました
眠れなかった場合は番外編でも書いてみようかと
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118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 09:00:56.42 ID:jXE+8404O
-
おはおつ
C.C.かわいい
-
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 13:55:36.59 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだルルーシュ。深刻な顔をして」
ルル「俺にチョコレートをくれないか」
C.C.「……は?」
ルル「ついに耳まで遠くなったか。
繰り返す。 俺にチョコレートをくれないか」
C.C.「私の鼓膜は変わらず好調だ。
ただ幻聴が聞こえたかと思って呆気に取られていただけだ」
ルル「ほぅ、一体どのような幻聴が聞こえたというのだ?」
C.C.「お前がチョコがどうこう言っていたんだが、
流石に私も日頃の激務で疲れているのかな」
ルル「まさにそういう事をお前に頼んだんだが。
それとお前の生活を激務というのなら、
ナマケモノだってまともに木にぶら下がるだろうに」
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127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 13:58:21.10 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「で、どうなんだ? くれるのか、くれないのか?」
C.C.「その問いに答える前に、こちらから一つ聞いてもいいか?」
ルル「質問を質問で返すのは愚か者の所業だぞ、C.C.」
C.C.「じゃあやらん」
ルル「……いいだろう、何が聞きたい?」
C.C.「なぜお前は突然チョコを欲しがったのだ?」
ルル「ふん、簡単なことだ」
ルル「バレンタインにチョコを貰えなかったからに決まっているだろう!」
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128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:05:04.00 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「なぁ、ルルーシュ。 お前今日が何月何日なのか知っているのか?」
ルル「ああ、知っているとも」
C.C.「…バレンタイン・デイ・アフター・トゥモローとか言って
冗談交じりにチョコを催促できる期日すら過ぎているんだが」
ルル「そんなのは些事だ。
俺がチョコを貰っていない2月14日など、ただの製菓会社の祭りの日なだけだ」
C.C.「世間一般ではそれをバレンタインと呼んでいるワケなんだが」
ルル「五月蝿いぞ、C.C.!
返答を聞こう…くれるのか、くれないのか!? どっちなんだ!」
C.C.「…お前、今年のバレンタインは何をして過ごしていたんだっけか?」
ルル「生憎今年は休日だったんでな。学校へと行く機会も無かったので、女学生からのチョコは無かった。
しかもゼロとしての仕事がその日に限って激務で、ほぼ丸一日仮面を被って過ごしていた」
C.C.「…カレンからのチョコは?」
ルル「中華連邦で紅蓮のパイロット訓練がどうこうとの事で、イレブンには居なかったぞ」
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129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:09:28.98 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「…そうか、残念だったな」
ルル「…普段の俺なら、バレンタインなどに気を取られている場合ではないと律するさ。
…だが、毎年のこの時期を思い出してみると、いつもナナリーからのチョコが貰えたんだ。
…今年はナナリーからチョコが貰えない。」
ルル「そう思うと無償にチョコが欲しくなったんだ」
C.C.「お前がそう感じたのはいつの日だ?」
ルル「2月15日だ」
C.C.「後の祭りじゃないか」
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130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:15:50.32 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「そうして悶々と過ごしていると、もうバレンタインから一週間が経過しそうになっているじゃないか」
C.C.「まぁ今日の段階で既に5日も過ぎているからな」
ルル「だが、こんな話を今更他のヤツに話すことは出来ない!
ましてや性別が♀に分類される者に話すことが出来ようか!?」
C.C.「……私も一応、生物学上では女に分類されるわけなんだが」
ルル「そこは俺とお前の仲だろう、C.C.?」
C.C.「私とお前の仲、だと?」
C.C.(馬鹿者、こんな言葉でドキドキさせるんじゃない…!)
ルル「俺とお前は共犯者だろう?」
C.C.「…ん?」
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132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:19:33.44 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「つまりある種の一心同体というワケだ」
C.C.「ま、まぁそういう事になるのか」
ルル「その片割れがこんなにもチョコの事で心が張り裂けそうになっている」
C.C.「見ていて非常に見苦しくもあるが」
ルル「そんな時、お前は俺に何が出来る!?
最善の策はチョコを渡すというたった一つの冴えた方法に凝縮されているだろう!?」
C.C.「もうバレンタインから5日も過ぎているが、貰っても嬉しいものなのか?」
ルル「ああ、俺にとってはチョコを貰うまでがバレンタインだからな」
C.C.「家に帰るまでが遠足、みたいに言うな」
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134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:28:20.07 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「そもそもだな、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「お前、ちゃんと家に帰って机の中とかチェックしたのか?」
ルル「何を馬鹿な事を。
そもそも机の中なんて、小物を確認するくらいしか俺は確認しない」
C.C.「…確かにお前の机の中は整理されていて綺麗なものだったな」
ルル「…どうしてお前が俺の机の中の有様を知っている」
C.C.「わ、私はC.C.だからな。 共犯者であるお前の事など知っていて当然だろう?」
ルル「お前…覗いたな?」
C.C.「いいや、覗いていないぞ」
ルル「おい、露骨に目を逸らすな!」
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136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:35:12.03 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「とにかく、だ。
ルルーシュ、家に帰ったら机の中身くらい確認してみろ。何かいいことあるかも知れないぞ」
ルル「……何の話か分かりらないぞ。
そんな事よりもC.C.。再度問おう!
くれるのか、くれないのか。 さぁ、どっちを選ぶんだ?」
C.C.「わ、私はだな」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる! チョコをくれ!!」 キィン! ひ
C.C.「私にギアスは効かんと言っているだろう。
…ん?」
C.C.「…なぁ、ルルーシュ」
ルル「どうした?」
C.C.「お前、ギアスで誰かにチョコを貰えば良かったんじゃないか?」
-
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:41:32.31 ID:hlXwxzjJ0
-
ルル「愚かしい事を、C.C.。
一人に一度しか効かないギアスだぞ?
そんな要求ごときで使うのは愚の骨頂ではないか」
C.C.「…私には躊躇いなくギアスを使った奴がよく言うものだ」
ルル「C.C.。もうこれ以上は繰り返さない。
チョコをくれるのか、くれないのか!!
はっきりしてもらおうか!」
C.C.「今日のお前が醸し出す元気の動力源を知りたいよ…」
ルル「どうしてもチョコが欲しい。 それだけが俺のアンビリカルケーブルだ」
C.C.「ハァ…あのなぁ、ルルーシュ。 私はもうお前にチョコを渡していr…」
C.C.(ん、待てよ…?)
-
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:49:48.31 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.(落ち着け、そもそも何故コイツはこんなにチョコを欲しがっているんだ?)
C.C.(中身は虚弱貧弱シスコンもやしっ子だが、生憎外見はそこら辺の男に比べて良い方だ)
C.C.(チョコを貰っていないわけがない…)
C.C.(なのに、何故こうも執拗にチョコレートをねだるのか?)
C.C.(しかも、時期を完全に外したこのタイミングで)
C.C.(もしかすると…)
C.C.「る、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「お、お前はそんなに私からチョコを手渡ししてほしかったのか…?」
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142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 15:02:52.24 ID:hlXwxzjJ0
-
さるさん頂きました
C.C.「し、仕方ないやつだな。それならそう早く言えば良かったものを」
ルル「別にそういうわけでは…」
C.C.「ふふん、私のような才色兼備の女性が近くにいてチョコを貰えなかったのがショックだったか?
全く、これだから色づいたお坊ちゃんは対処に困る」
ルル「いきなりモジモジし始めたお前の方が、どう見ても対処に困ると思うんだが」
C.C.「誰からも貰えなかったからと言って一番手頃な相手に頼るとは嘆かわしいなぁ。
まぁ、寛容な私だからこそ聞いてやった頼みだと思え」
ルル「いや、だから別にそこまでお前に求めているワケでは…」
C.C.「じ、時期は外してしまったのは仕方ない。 お前も何かと忙しい身なのは重々承知している。
今回…だけ、だぞ」
ルル「はぁ・・・もういい…って、何!?」
C.C.「こ、今回だけチョコをあげてもいいと言ったんだ」
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159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 18:55:17.19 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「本当か、C.C.!」
C.C.「ああ」
ルル「『冗談だ』とかは無しだぞ?」
C.C.「ああ」
ルル「チロルチョコとかではなく、ちゃんとラッピングされているものだぞ?」
C.C.「ああ」
ルル「『実はすでに私の胃袋に入っているから、息だけでも嗅いでおけ』とかもだぞ?」
C.C.「そこまでサディストではない」
ルル「本当の本当なんだな!?」
C.C.「ええい、そんなに反芻されたら恥ずかしくなるだろうが!」
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161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:01:00.75 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「で、その肝心のチョコは既に持っているんだろうな?」
C.C.「え?」
ルル「まさか今持ち合わせていないとでもいうのか?」
C.C.「そ、それはそうだ。
そもそもバレンタインを過ぎてからチョコを催促されるなんて思ってもなかったからな」
ルル「では、今すぐには渡すことは出来ない、と」
C.C.「まぁそういう事になる」
ルル「……チッ」
C.C.「おい、舌打ちはやめろ。 …地味に傷つくから」
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164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:06:04.81 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「俺は今欲しいんだ、今。
この胸に宿るモヤモヤとした何かを晴らす為には、現状で早急に甘味を食す必要がある」
ルル「それなのにチョコを持ち合わせていないなんて…お前は本当に共犯者として失格だ!
もう姿や形は問わん! お前の年齢から考えて羊羹とかでも構わないから!」
C.C.「あぁもう、駄々っ子か貴様!
しかもなんで私の年齢から羊羹を想像した! レディに対して失礼すぎるだろ!」
ルル「喧しいぞ年齢不詳!」
C.C.「兎に角…家まで待っていろ、私が送る最高級のチョコが用意してあるから」
ルル「待てん!」
C.C.「くそぅ、なんでこういう時に限って押しが強いんだ、お前!」
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165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:10:41.09 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「ギブ! ミー! チョコレート!」
C.C.「…そんなに元気の有り余るお前を見るのは久しぶりだな
こんな形で見る羽目になるとは予想だにしなかったが」
カレン「ちょっと、五月蝿いわよアンタたち!
外までしっかり音漏れるくらい何をしてんのよ!!」
ルル&C.C「!?」
ルル「なんだ、カレンか」
カレン「なんだとは随分な言い方ね。私じゃ何か問題でもあったの?」
ルル「まぁいい。とりあえず何も言わずチョコをくれ」
カレン「………は?」
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168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:18:10.11 ID:hlXwxzjJ0
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カレン「なに、ルルーシュ。 アンタ甘いものそんなに好きだったっけ?」
C.C.「実はだな、カレン。この馬鹿は今頃バレンタインを…」
ルル「ああ、大好きだ。
俺の大好きな甘味類をお前から貰うと、今日はより美味しく感じるだろう」
カレン「え、ちょ、何!? ど、どうしちゃったの!?」
ルル「俺たち黒の騎士団に穏やかに流るる日々など、今は有り得ない。
だからこそ、味覚から心を幸せにする甘味が俺は恋しいんだ。
その形で一番求めているのがチョコレートなだけだ」
カレン「へ、へぇ…」
ルル「そこに、信頼と信愛を兼ねる者からの贈り物でチョコレートを貰ってみろ。
その幸せはミカン畑3ha分は容易いだろう」
カレン「その幸せの計算法はイマイチ理解しかねるけど……って、信愛!?」
ルル「カレン…お前(からチョコ)が欲しい…」
カレン「ふ、ふえぇぇぇぇえ!?」
C.C.「ルルーシュ、一番大事な部分をなぜ省略した?」
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169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:25:01.40 ID:hlXwxzjJ0
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ルル(黙っていろ、C.C.!
今更「バレンタインだからチョコくれ」なんて頼みごとが出来るわけないだろう!!)
C.C.(お前…あれほど私に食いついて頼んだ癖に、今頃体裁を取り繕うとかどういう事だ)
ルル(頼めたのはお前だからに決まっているだろう、常識的に考えて)
C.C.(私はお前の常識が汲み取れないよ…)
ルル(いいか、ここで正直に言ってみろ!
「え~、ルルーシュってバレンタインにチョコ一つも貰ってないんだ」とか
「結局顔ばかりじゃ男のステータスには足り得ないのね」とか言われて、
俺の鉄の心はボロボロになってしまうだろうが!)
C.C.(それはまた随分と錆び付いた鉄の心だな。
…お前のカレンに対する信頼性とやらは、あまり高くは無いことだけは分かったよ)
カレン(…何をヒソヒソと話してるんだろう?)
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171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:32:17.14 ID:hlXwxzjJ0
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カレン(…え? 何? さっきの言葉は告白なの?
…ルルーシュから?)
カレン「ルルーシュから告白ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
ルル「突然どうした? そんな大声を上げて」
C.C.「ルルーシュ、決め顔作っている最中に悪いが
右耳から垂れている血はちゃんと吹いておけよ」
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172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:36:14.66 ID:hlXwxzjJ0
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カレン「わ、私でよければ、そ、その…か、彼女? とかいうのに、なってあげてもいい…けど?」
ルル「彼女…何の話だ?」
カレン「ふぇっ?」
ルル「それよりも、顔の赤さと動悸の荒さがとんでもない事になっているぞ」
カレン「こ、こここ、これはアンタが!!」
ルル「俺が?」
カレン「も、もういい! 知らない、馬鹿!」
ルル(よく分からないが罵倒されてしまった…)
C.C.(自業自得というものだよ、坊や)
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175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:41:22.51 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「さて、先ほどの話に軸を戻そう。
カレン…お前は私にチョコを渡せるほどの逸材か?」
C.C.「また随分と大層な言い方だな」
カレン「チョコ? あ、ああ…そういう話をしてたわね。
丁度良いタイミングだったし、そこで待ってなさい、ルルーシュ」
C.C.(何っ!? アイツ、いつの間にチョコを用意していたんだ!?)
ルル「おお! 本当かカレン!
流石は俺の右腕だ、信じていたぞ!!」 ガバッ
カレン「キャッ! きゅ、急に抱きつくな変態!!」 ガスッ!!
カレン「す、すぐ戻ってくるから待ってて」
ルル「………」
C.C.「…戻ってくるまでに息を吹き返すかどうかが問題だな」
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176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:49:55.77 ID:hlXwxzjJ0
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~数分後~
カレン「はい、アンタの求めてる物ってコレでいいの?」
ルル「お、おお…これはゴ○ィバの高級チョコじゃないか!」
カレン「紅蓮の修繕が終わって、さっきまで開発陣の慣らし運転に付き合っていてね。
ラクシャータさんから『今日の報酬よ』って貰ってたの。
封を開けずに部屋の冷蔵庫で保存してて良かったわ」
ルル「おお……おおぅ……おおおぅ……」
カレン(…まさかチョコ一つで泣かれるとは思わなかったわ)
カレン「それじゃあ、私はこの辺で失礼するわね。 まだ用事が残っているし。
アンタ達もくだらない事でいちいち大声出さないように」
ルル「ああ、善処する」
ルル「ありがとう、カレン」
カレン「…どういたしまして」
ルル(部屋を出る際、あいつの顔が林檎みたいに真っ赤だったな。
流石に日頃の訓練とかで疲れているのか? …今度休みでも取ってやるか)
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177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 19:54:22.23 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「ようやく獲得できたぞ…念願のチョコを…!」
C.C.「……」
ルル「流石はカレン。 俺の要望には完璧な形で答えてくれる」
C.C.「……」
ルル「それに比べて…」
C.C.「わ、私はちゃんとお前の机にだな…」
ルル「ハァ…やはりピザしか脳の無い人間は、スイーツにもタバスコをかけたりするんだろうな…」
C.C.「そんなワケあるか。 ピザはピザでしっかり楽しんで食べてる…って、そうではなくてだな、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「おいやめろ、その哀れみすら含んだ目で私を見つめるのは」
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179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:05:33.17 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「お、おいルルーシュ。 ちょ、チョコならもう少ししたら渡せるんだがな~」
ルル「ん? 一体何がだ?」 モクモグ
C.C.「もう食べてるとか手が早いな」
ルル「いやぁ…愛の篭ったチョコは美味しいな。
『チョコやるやる詐欺』でエアチョコを食べる必要性もないからな」
C.C.「エアチョコならまさにフンワリ軽い味がするだろうな」
ルル「やかましい。座布団取るぞ」
C.C.「だからだな、ルルーシュ。
ほら、屋敷に行ったら美味しいチョコがお前の部屋で待っているぞ」
ルル「もう俺はこのゴディ○で充分満足なんだが?」
C.C.「…私からのチョコはもう必要ないのか?」
ルル「ああ、もう俺は胃も心もしっかり満たされたからな」
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180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:11:19.51 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「あれだけ私に食いついて『チョコくれ、チョコくれ』って言ってた男なのに
身の翻しは見事なものだ」
ルル「馬耳東風だ。俺にとっては目の前のチョコこそ全て」
C.C.「そ、それなら…!」
C.C.「わ、私とカレンのどちらから貰った方が嬉しかったんだ?」
ルル「お前…一体何を聞いているんだ?」
C.C.「…なんでもない。
もう眠る。 お前の任務が終わったら起こせ」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「ふん」
ルル(…不貞寝か)
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181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:14:48.21 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「…寝ているのか、C.C.」
C.C.「……zzz」
ルル「まぁ、チョコはこうして手に入ったわけだ」
C.C.「……zzz」
ルル「でも、強いて言えば」
C.C.「……zzz」
ルル「…お前から貰えたら嬉しかったのかも知れない」
C.C.「……」
ルル「…ふん、冗談だ。 さて、任務に戻るとするか」
C.C.「……zzz」
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182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:19:52.58 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「おい、起きろ。C.C.」
C.C.「…む、いかん。本当に眠っていた」
ルル「今しがた全てのデスクワークも片付いた。 屋敷に帰るぞ」
C.C.「…ああ、分かった」
ルル「あんまり寝起きに目を掻くな。 近視になるぞ」
C.C.「…お母さんか、お前は」
ルル「むしろ介護士の心境なんだがな」
C.C.「………」ゲシッ
ルル「……なぜ内モモばかりを狙って蹴ってくる?」
C.C.「ふん、ダメージ蓄積で疲労骨折しろ」
ルル「全く…さぁ、久しぶりに屋敷へ帰るとするか」
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184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:25:38.50 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「私はまだ騎士団本部に残っておく」
ルル「何故だ?」
C.C.「気分だ」
ルル「そうか…あまり散らかすなよ」
C.C.「分かっている」
ルル「それじゃあ、また明日迎えにくる」
C.C.「ああ、分かった」
ルル「…おやすみ、C.C.」
C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」
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186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:28:24.07 ID:hlXwxzjJ0
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C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「屋敷に帰ったら、お前の机の中を調べておけ。損は無い」
ルル「…? まぁ分かった。眠る前に調べておこう」
C.C.「さて、今度こそ用無しだ。 さっさとドア閉めて帰れ」
ルル「本当に傍若無人だな、お前」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
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187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:37:16.92 ID:hlXwxzjJ0
-
~屋敷にて~
ルル「さて、自室に帰ってきたのはいいが」
ルル「俺の机には一体何があるんだろうか」
ルル「…流石にびっくり箱みたいなイタズラは仕込まれていないだろう」
ルル「一応、気だけは張っておこう」
ガタンッ
ルル「ん…? 仄かに甘い香りがする」
ルル「それに、箱?」
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188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:42:31.55 ID:hlXwxzjJ0
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ルル「これは…生チョコ?」
ルル「メッセージカードまで付いてるじゃないか」
ルル「どれどれ、何と書いてあるんだ?」
どうせ誰からもチョコ貰えていないんだろう?
美人からのチョコだ。有り難く思え。
C.C.
ルル「あいつ…」
C.C.「全く…こういう所には非常に鈍感だな、あの童貞坊や」
-
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:50:58.35 ID:hlXwxzjJ0
-
~エピローグ~
ラクシャータ「ねぇ、カレ~ン」
カレン「あ、はい」
ラク 「以前あげたチョコ、食べた?」
カレン「いえ、まだ食べていません」
カレン(本当はあげちゃったんだけど…)
ラク 「あら、良かった~。 どうやら間に合ったようね」
カレン「へ? 何の話ですか?」
ラク 「アレね~、消費期限を大幅に過ぎちゃってるから絶対食べちゃダメよ」
カレン「…どのくらい期限を過ぎてるんですか?」
ラク 「そうね~、少なくとも一年近く前の物らしいから…」
カレン「そんな危なっかしいものを人に渡さないでください!」
カレン(マズいわね…ルルーシュ、まだあのチョコを食べてなければ良いんだけれど…)
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194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:56:50.33 ID:hlXwxzjJ0
-
C.C.「そういえば」
C.C.「生チョコってどの程度までなら賞味期限が持つんだ?」
C.C.「まぁチョコだし、少なくとも一週間くらい大丈夫だろ」
C.C.「フフ…ルルーシュのやつ、きっと今頃飛び跳ねて喜んでいるんだろうな…」
C.C.「明日の朝には『C.C.…お前はやはり俺にとって必要な女だ…!』なんて言ったりしてな」
C.C.「…おっといかん、顔がニヤけてしまうな」
C.C.「…さぁ、早く迎えに来い。ルルーシュ」
ルル 「ほわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
咲世子「ルルーシュ様、おトイレからそろそろ出て貰えると有り難いんですが。
もうかれこれ一時間は篭りっぱなしですよ~。 お掃除させてくださ~い」
ルル(チョコなんて……金輪際、絶対に口にしないからな!!)
―終―
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195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:58:14.10 ID:hEdFd0Nu0
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乙でした!
-
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 20:59:39.12 ID:QHG0Mnhv0
-
おつ
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199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 21:03:50.45 ID:GP2X0awe0
-
乙
暇があればまた書いてくれ
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200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 21:04:27.71 ID:uRNqa6I0O
-
C.Cかわいいなあ
カヒミ・カリィ/LE ROI SOLEIL カヒミ・カリィ,小山田圭吾,MOMUS,アストラッド・ジルベルト,カテリーヌ,ユージン・ケリー,さくらももこ,デビッド・ジョーダン,フランシス・ミッキー,バートランド・バーガラット ポリスター 売り上げランキング : 20646 Amazonで詳しく見る |
コメント一覧 (12)
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- 2010年11月02日 20:24
- まさかC.Cに激しく萌える日が来るなんて…
本編でもこんななら良かったのに
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- 2010年11月02日 20:40
- 動画だけではなくジャケットもしっかり貼ってあるあたり
凄く丁寧な編集なのが伺える
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- 2010年11月02日 22:46
- 本編がまったりしていない作品のまったりSSは素晴らしい。
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- 2010年11月04日 11:02
- 曲張りが正直ウザかったけどおもしろかった
ギターすごかったw
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- 2010年11月04日 11:03
- ビッTサセコさんちーす
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- 2012年06月08日 20:00
- 多田葵さんの曲いいよね
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- 2012年07月19日 03:38
- 曲がまるで好みじゃなかったことを除けばよかった
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- 2013年06月21日 08:44
- こういうSS好き。
知らない歌も知れたし良かった。
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- 2013年12月10日 23:57
- SSでナナムジカの名前が出るとは思わなかった。
久々に聴いてみようかな・・・
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- 2014年07月28日 01:04
- 咲世子が聴いてた歌って超電磁砲の…
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- 2018年09月16日 13:56
- ↑ level5 w
てかSSを通して承認欲求を得る気持ち悪いスタンスの奴たまに見るが反吐がでるww
C.C.可愛いよぉぉぉ