佐天「蟲が見える能力かぁ」【その4】






佐天「蟲が見える能力かぁ」の【その4】です。





516:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:06:53.55 ID:OVeBKgBu0

白井「ふふふ、大丈夫ですの、今日一日でこの手の使い方はマスターしましたのよ?下手をうって殺したりなんてしませんの」

白井「涙目で体を震わせて―――ああ、なんて愛おしいお姉さま」

白井「先ほどまでご自分で慰めていらしたからもうぐちょぐちょですの……けれどこれはあの女のことを考えていた結果ですのよね」

白井「忌々しいですの……汚らしいですの……ですから黒子が綺麗になめとってあげますのよ?」

白井「ああ、お姉さまの≪あまりに品が無い気がしますので省略されました≫」

御坂「ゃ、ぁ―――」

白井「―――お姉さまが悪いんですのよ?黒子の愛に、全く答えてくださらないかr」



寮監「有無を言わさず開けさせてもらうぞ御坂、白井ッ!!」バタンッ

佐天「失礼します御坂さん白井さん!!」


白井「―――あら」



517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:10:24.01 ID:OVeBKgBu0

―――回想

佐天「あれなんだったっけなー。うーん」

佐天「甘い匂い―――あ、そうだ、あの香り、光酒にそっくりだったっけ」

佐天「光酒……目玉……」

佐天「……――――――ああ!!」

―――回想終わり


佐天「(腐酒にやられた人間は倫理観だとかそういうものまで崩れてく……早い目に処置しなきゃと思って急いでやってきたけど)」

御坂「ぅ、ぅぅ……」ビクビク

白井「―――」

佐天「(遅かった……!くそ、不味い、白井さんは完全にあの手の使い方を―――ぉ!?)」

寮監「む……」

白井「―――佐天さんならわかるのですわよね?この手のことを」

佐天「く―――(体がすくむ……っ!うごけ、ない……!)」



518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:14:58.60 ID:OVeBKgBu0

白井「ああ―――そうですの。せっかくですから、ここで貴女を始末するのもいいかもしれませんの」

佐天「……っ」

御坂「!」

寮監「……何を、言っている白井」

白井「あら、この状態で口を聞けるとは大したものですの。さすが寮監様ですの」

寮監「こんなことをして後でどうなるかわかって―――」

白井「うるさいですの」

寮監「―――」ばたっ

佐天「―――ッ!」

白井「安心しなさいな、気を失わせただけですのよ?」



519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:21:20.37 ID:OVeBKgBu0

白井「さて、佐天さんならご存知ですわよね?この手で殺された獲物がどんな死を迎えるのか」

白井「貴女みたいな女なら、腐臭をまきちらしながら死ぬのがお似合いですのよ」

佐天「……っ」

白井「……気に入りませんの、その顔。今から狩られる獲物のくせに、生意気な目をしていますの」

白井「……そうですの」ヒュンッ  ざくっ

佐天「っ……!?ぁ、づ……!」

白井「どうですの?痛みがあると死への恐怖と現実感が増すでしょう?」

白井「さぁ脅えてごらんなさい、泣きながら許しをこうならば考えてさしあげてもよくってよ?」

佐天「ふー……ふー……っ」ギリッ

白井「……ちっ。馬鹿な女ですの」ひゅんっ ひゅんっ

佐天「―――――――――!!!!」ざくざくっ



521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:25:08.87 ID:OVeBKgBu0

白井「さて、そろそろ止めを―――」

御坂「――-の、馬鹿黒子っ!!」

白井「ああ、こっちに気をとられてそちらを押さえておくのを忘れてましたの」

御坂「あ、あんた、自分が何をしてるのかわかってるの?!」

白井「わかってますのよ。私と、お姉さまの愛を阻害する障害物を排除しているところですの」

御坂「何を、言って」

白井「そもそもお姉さまが悪いんですの。いつもいつもいつもいつもいつも!黒子はこんなにお姉さまのことを想っているのに!!
    お姉さまは、お姉さまは――――!」

御坂「―――そう。ねえ、黒子、こんな話知らない?」

御坂「二次元を愛する人間に、以前話を聞いたことがあるわ―――?好きすぎて性欲処理の対象にならない?」



525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:27:58.78 ID:OVeBKgBu0

白井「え……?」

御坂「つまりね、そういうことなの……私、黒子のことが本当に好きで、本当に大切で、一番のパートナーだと思ってる。
    だから、黒子をそんな目で見られない―――純粋に、お互い好きであり続けたいのよ」

白井「ぁ―――おねえ、さま」

御坂「(力が戻った―――)いまだっ!」ビリビリ

白井「あぁんっ!!」ビリリッ バタンッ

御坂「ふー……助かったー」

佐天「……っはぁ、は、ぁ……助かったぁ」

御坂「と、そうだ、大丈夫佐天さん!」

佐天「え?ええ、まあ白井さんも本気じゃなかったんでしょうね。全部、皮膚を傷つける程度にしか放ってませんでしたし」

御坂「そ、そうなの?」

佐天「そういうことにしておきましょう。それより、早く白井さんの治療をしないと」



526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:31:45.94 ID:OVeBKgBu0

御坂「治療ってどうすればいいの?」

佐天「これです。これを飲ませれば治ります。ただ、気を失ってる今じゃ飲みませんし、かといって目を覚ましてからじゃ第二回戦突入ですし」

御坂「これを飲ませればいいのね?わかった、任せて」

佐天「?任せてって、どうするつもりですか」

御坂「言ったでしょ?この子のことが―――一番好きだって」

ズキュウウウウウウウウン

佐天「く、口うつし!!なるほどっ、確かにこれなら―――流石御坂さんッ!私には思いつかないことを平然とやってのける!!
    そこに痺れる憧れるゥッ!!」

御坂「震えるぞベーゼ!燃え尽きるほどディープ!」ワーオ


――――。

白井「役とくっ!?」

白井「っとと、頭がくらりとしますの……」



529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:36:09.31 ID:OVeBKgBu0

白井「むむ……確か、わたくし……」

御坂「やっほ、目さめた?」

佐天「腐酒は抜けてますね……ふー、よかったよかった」

白井「お姉さま、と、佐天さん……?―――はっ!わ、わたくし、なんてことを……」ハワワ

佐天「落ちついてください白井さん、全部蟲の仕業です。白井さんは悪くないですよ」

御坂「そういうこと。ま、自然災害にあったとでも思って水に流しましょう」

白井「……そういうわけにもいきませんの。自分の力に溺れてお姉さまや佐天さんを傷つけるなんて、黒子は、もう」

佐天「だぁー!辛気臭いの禁止!いいですか、蟲ってのはそういうもんなんです!」

御坂「よくわかんないけど、そういうことらしいし。私はギリギリで助かったし」

白井「でも、あんなことをしてしまってお姉さまも佐天さんも私のことを嫌いになったでしょうに……」

御坂「ばか、嫌いならこうして慰めてないわよ」

佐天「そうですよ!御坂さんなんて口うつしで薬を飲ませてたんですから!」

御坂「あ、ちょ、佐天さんそれは黙っててって言ったのに!」

白井「口……うつ、し?」



530:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:40:06.47 ID:OVeBKgBu0

白井「あ……ああ、あああああ!ついに!ついにお姉さまとワタクシの唇が結ばれたのですね!!
    ワーオ!ワーオ!しかし惜しむべくはワタクシの意識がなかったこと!さぁさお姉さま、
    意識の戻った今、もう一度熱いベーゼをっぷはぁあぁん!!」ビリビリ

御坂「調子にのるなこのばか!」ビリビリ

佐天「一件落着、佐天涙子はくーるに去るぜ」

御坂「あ、ちょ、まって佐天さん、なんだか今日の黒子しぶとい!!」

白井「負けませんのー!ついに公認カッポゥになったんですのー!」

御坂「ぅわくろこっょい」



白井さんが腐酒に支配されたようです  おわり


白井さんのキャラがたいそう残虐になってしまわれた……全て蟲の仕業なんだ
ほんとはもっとコメディで書こうと思ってたのに……佐天さんをいじめたくなるのは悪いくせですわ。
こんな感じでよろしければ>>535でまた書きます



536:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:53:13.04 ID:OVeBKgBu0

阿と吽か。
あれ、どういう蟲かいまいち理解できないんだ。
吽は塩水で駆除できるし、音を食べるってことで理解できる。
だが阿はどうなんだ?

弱点:他の生物の生きている音
   ⇒その音を消そうとする
   ⇒故に音を集めまくって、ひとつの音(この場合生き物の生きている音)を消そうとする
   ⇒結果、宿主が衰弱死。結果がでるのは一年

ってことだよな。
けど、そうするとどうして阿がギンコの耳に潜り込んだ時、真火が手をあてた瞬間に溶けだしたんだろうか。
その辺り、どうしても理解できないんだが。



570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:06:12.32 ID:E70EBr470

一通「ふー……不味ィ、そろそろバッテリー切れちまうか」

一通「……仕方ねェ、少しの我慢だ」カチッ


――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――

一通「……っ!くそがっ……なんだっつゥンだよこれは……!」

一通「(つい数日前からだ……いきなり馬鹿みてェに音が流れ込んでくるようになったのは)」

一通「(おかげでまともに眠れやしねェ……バッテリーが持つ間反射するくらいしか防ぐ方法はねェ)」

一通「どォしちまったンだ俺の耳は……」



571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:10:26.93 ID:E70EBr470

打ち止め「―――――――――?」

一通「……(他の音がうるさくて聞こえねェ)」

打ち止め「――-、-――-」

一通「……(つーかうるせェ)」

打ち止め「?――-!――--!!」

一通「っ……静かにしやがれ!!」

打ち止め「っ?!」ビクッ

一通「ァ……悪ィ、ちょっと向こういっててくれ」

打ち止め「……」


一通「(くそっ、何やってンだ俺は……うるさくてイライラするからって打ち止めに当たっちまうなンざ)」

一通「(仕方ねェ……アイツンとこいくか)」



572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:14:22.97 ID:E70EBr470

―――――。

医者「それで僕のところへ来たというわけだね?」(筆談)

一通「そォいうことだ。なンか原因とかわかンねェか」(反射中)

医者「検査の結果いたって正常。最近こういう病気が多くて困るね?」

一通「アンタでもわかンねェのか?となると手の打ちようがねェな」

医者「そうでもないね?以前こういうモノに対処できる人と知り合ってね?」

医者「まあ待ってなさい、あっちに遮音室があるから。そこなら能力使わなくても問題ないだろうからね?」

一通「悪いな」



一通「ここか―――反射解除」

一通「……っ。あのクソ医者が……完全な遮音じゃねェじゃねェか……ガチャガチャうるせェ」



573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:17:36.95 ID:E70EBr470

一通「だがまァ、確かに随分楽にはなったな」

一通「これなら少しは―――あ?」

一通「なンだこの頭のでっぱり」



医者「悪いね、彼女今学校だそうだから、夕方にこっちにきてくれるそうで―――なんだいその頭は?」

一通「俺が聞きてェよ。なンだこりゃ、角か?」

医者「皮膚が変化したものかな?ま、それも含めて彼女がくるのを待てばいいね」

一通「こンなトコ誰かに見られたくねェがな……」


土御門「残念もう見ちゃったにゃー」プークスクス

一通「土御門ォ!?」



574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:21:06.90 ID:E70EBr470

一通「な、てめ、なンでここにいやがる!!」

土御門「ちょっと病院に用事があってにゃー。んで、この先生と会っておもむくままに」

一通「先生ェ……」

医者「いやぁ別に隠す程のことじゃないと思うけどね?うん、似合ってるにあって―――ぶふぉっ」

一通「先生ェ!!」カッ

土御門「ホントだにゃー、まるで鬼みたいだぜぃ」

一通「……鬼、か」

土御門「……ん?どうした?」

一通「いや―――て、テメェらもう用事済んだなら出てけよ!」

土御門「了解、お邪魔しましたにゃー」ケラケラ



575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:31:50.02 ID:E70EBr470

一通「鬼、鬼ねェ……」

一通「懐かしなオイ……昔は能力のことで鬼子だなンだって言われたモンだ」

一通「あのころから俺は何か変わったか?―――変わったな」

一通「だってのに角なンざ生えてきちまって……って、何感傷にひたってンだか。だっせェ」




佐天「そんなわけでこんにちは。なんだ、患者の人って白髪の人だったんですね」

一通「白髪とか言うンじゃねェよ」

佐天「まぁまぁ。そういえば先日はありがとうございました」

一通「ありゃ別にオマエのためにやったもンじゃねェ―――って、さっきから何やってンだ?」

佐天「蟲払いの香を焚いてるんですよ。ちょっと前に友達が同じ蟲にかかっちゃいまして、その時と症状が同じだったので用意してきたんです」

佐天「珍しいんですけどね、阿にとりつかれるなんて。その割に吽の被害は全然聞きませんし―――っと、これで大丈夫です。反射?とかいうのを切っても大丈夫ですよ」



577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:41:48.86 ID:E70EBr470

一通「……ン、随分音が消えたな」

佐天「ここは遮音室だから外の音はカットできますけれど、蟲はそんなのおかまいなしにその辺りにいますからね。
    現代物理でも蟲の音まではカットしきれなかったみたいです」

一通「虫?」

佐天「蟲。ま、深く考える必要のないもんですよ。植物みたいなものです。さって、それじゃ治療しちゃいますか」

一通「そォいや、この角みてェなのはなンなンだ?」

佐天「この蟲につかれると生えてきたりするものですけど……(記憶にあるより早いんだよね。やっぱり、蟲の影響力が強くなってる?)」

佐天「ま、治療すればとれますから。それじゃ手で耳を塞いでください」

一通「舐めてンのか」

佐天「別にそんなつもりはないですよ。これが治療方法なんですってば」

一通「……」スッ



578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:55:27.88 ID:E70EBr470

佐天「どうですか?何か、地鳴りみたいな音が聞こえますよね」

一通「……ああ。筋肉と血流の音だな」

佐天「そんじゃあとはそれをじっと聞いていてください」

一通「はァ?ンなもンで治るわけねェだろォが」

佐天「いーから。ちゃんと治りますって」

一通「……ちっ」



どろり

一通「?なンか、手が濡れて―――っと、お?」

佐天「阿が死んだみたいですね。どうですか?もう普通に聞こえますよね」

一通「おォ」



579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 11:59:39.26 ID:E70EBr470

―――。

一通「助かった、礼を言う」

佐天「なにそれ堅苦しい。白髪の人は何時も通り不遜な態度でいればいいんですよ」

一通「俺をなんだと思ってンだ」

佐天「えらそうな第一位。ほらほら、お迎えもきたことですし、私はこれで」

一通「お迎え?」



打ち止め「病気が治ったって聞いてはせ参じたよってミサカはミサカはアナタにとびついてみたり!」

一通「っと、この馬鹿、危ねェって何度も言ってンだろォが」

打ち止め「あ、ホントにまともに会話できるようになってる!ってミサカはミサカh」

一通「おォ。迷惑かけたなァ打ち止め」



580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 12:02:28.38 ID:E70EBr470

―――。

打ち止め「からすがなくからかーえろーってミサカはミサカは科学的に全く意味のわからない歌をうたってみたり」

一通「―――」

打ち止め「?どうしたの、そんな難しい顔して、ってミサカはミサカはいつもの仏頂面よりさらに険しい顔になってるアナタにたずねてみる」

一通「―――いや。なァ打ち止め、ちょっと両手貸してくれ」

打ち止め「両手?こうでいいの?ってミサカはミサカは差し出したり」

一通「ん」ぴと

打ち止め「みっ、耳なんかにあててどうしたのかな?ってミサカはミサカはあんまりに意味不明な行動でちょっと同様してみたり」

一通「……いや、オマエの生きている音を聞いてみたかったンだよ」

打ち止め「えっ……それって、」

一通「……結婚しよう」

えんだあああああああああああああああああああああ



582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 12:05:45.37 ID:E70EBr470

佐天「さて、と。ほんとに蟲の影響力が強くなってきてる気がするなぁ」

佐天「阿なんて、数日で角まで生えてくるし」

佐天「これってどういうことなんだろ」



一方通行さんが他人の命をかみしめるようです おわり


一通さんが自分の音と打ち止めの音を聞いてる時に、今まで殺してきた妹達のことを回想さえようかと思ったけど面倒だからやめちまった。
なんだかんだで、命の重さを知ってそうな一通さんの話。
こんな感じでよければ>>586
こんな時間だし、ご飯たべつつ休憩しますわ。えんだあー



586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 12:15:12.88 ID:WAZG3UDS0

大禍時で



588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 12:16:29.95 ID:IfxzGV6MO

1日ですげえ老いるやつ
宗教みたいで怖かったけどよろしく



591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 12:37:16.22 ID:E70EBr470

大禍時とか、大好きな話なんだが
もういろいろやりきれない気持ちになるよねあれは。てか難しい、それじゃ話考える



593:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 13:01:15.88 ID:E70EBr470

佐天「たはー、日直の仕事してたら遅くなっちゃった」

佐天「日も随分長くなってきたってのに夕暮れ時か。だいたい6時くらいかな?」

佐天「っとと、そうだ、ご飯買いにいかなきゃならなかったんだ。急がないと―――ん」

佐天「何あれー……影だけしか――――」

大禍時「」

佐天「?こっちに近づいて――――っ!あぶなっ!」ばっ

佐天「お、思い出した……大禍時、だ、あれ……あっぶない、もう少しで踏まれる所だった……」

大禍時「」

佐天「……あ、消えてった」



594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 13:14:34.28 ID:E70EBr470

―――。

佐天「むー……大禍時までいるなんて」

佐天「それにしても、危ないなぁあれ。知らない人が好奇心で近寄ってったら不味いね」

佐天「……そういえば、考えたこともなかったけど」

佐天「なんだか、この街蟲多すぎな気がする……光脈筋にしかできない虚穴も出来てるし、なんだろ」

佐天「……なんだろう」

佐天「ま、それより今は大禍時の対処考えないと。白井さんに行って、風紀委員から呼びかけてもらおうかな?
    姿のない影を見た場合近づかないように、とか。能力者の仕業とか言ってさ」

佐天「それくらいしないと危ないよね。とりこまれたら記憶失くしちゃうし」

佐天「明日にでも相談してみますか」


―――。


佐天「―――というわけでして」

白井「わかりましたの、一応あのお医者様を通して上へ報告しておきますの」



595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 13:24:12.84 ID:E70EBr470

白井「とっ、ところで佐天さん、その、傷はもうよろしくって?」

佐天「問題なく完治しました。痕も残ってませんし―――って、まだそんなこと気にしてたんですか」

白井「そんなことって」

佐天「それより!御坂さんとはあのあとからどうなんですか?」ニヤニヤ

白井「何時も通りですのよ。お姉さまは仰りましたの、あれくらいの事件で変わっていまうようなあやふやで脆い関係ではない、と」

佐天「はぁん。御坂さんらしですねー。ま、それじゃお願いしますね」

白井「りょうかいですのー」


―――。


13577「全く、じゃんけんで負けて買い出しなんてとんでもない役目をおってしまいました、とミサカは超悪態をつきます」

13577「むむ、MNWから文句言うなと流れこんできます、とミサカは頭のなかの情報を疎ましく思います」

13577「全く―――おや」

13577「なんとも怪奇的な現象ですね、とミサカは姿は見えないのに影だけ見えていることを不思議に思います」

13577「どこかの研究所の発明かなにかでしょうか、とミサカは推察しますが、影が見えてちゃ意味ねーよともつっこみをいれます」



596:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 13:26:24.84 ID:E70EBr470

13577「おや、近づいてきますね。ということは、何かスーツ的なものなのでしょうか、とミサカは―――――――――」



御坂妹「―――?」

19090「?13577の反応が突如途絶えました、とミサカは報告します」

10039「そんなこと言われなくとも同じ妹達なのですからわかります、とミサカはつっこみをいれます」

御坂妹「どういうことでしょう、とミサカは首をかしげます」

妹達「うーん?」



599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 13:55:00.30 ID:E70EBr470

―――数日

御坂妹「あれから13577からの反応は途絶えたままかと思いきや、」

19090「夕暮れ時のみ、その反応を感知することに成功しました、」

10039「と、ミサカはリレーをしながら解説します」

佐天「で、どう考えても異常だから私を呼んだと」

御坂妹「いぐざくとりぃ、とミサカは流暢な英語で肯定します」

10039「流暢(笑)とミサカは馬鹿にしたような言い方で10032を馬鹿にし、おっと」

19090「13577との会話を試みたものの、一方的に向こうから『暗いよ怖いよ寂しいよ』としか返ってこないのです、と
     ミサカは隣で馬鹿やってる二人とは違って真面目に対応します」

佐天「というかさ、スルーしてたけどどうして妹さんが4人もいるの?」

御坂妹「考えるな、感じるんだ、とミサカは便利な言葉をつかいます」

佐天「はぁ……まぁ、いいけどね」



600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:03:40.63 ID:E70EBr470

佐天「ともあれ、それは大禍時って蟲につかまっちゃんだね」

御坂妹「オオマガトキ?とミサカは聞き返します」

佐天「夕暮れ時のみ現世へ現れる、不思議な蟲。とは言っても、ほとんど現象のようなものだし、蟲って言ってもいいか怪しい存在だね」

10039「蟲ってなんでしたっけ、とミサカはたずねます」ヒソヒソ

19090「ほら、以前10032の体が冷えていく病気があったでしょう。あれですよ、とミサカは答えます」ヒソヒソ

佐天「大禍時がどうして現世に現れるのか―――仮説としては、?人から栄養分を得ているため?現世に住む小さな蟲を食べるため。
   とにかく、蟲のほとんどは生命に近い存在だから生きることを第一と考えてるし、だからこそ食欲のために動くものがほとんど。
   ?の人から栄養分を、ってのは、戻ってきた人の記憶がなくなってるとこから記憶を食べてるのかもしれないし」

御坂妹「……。えっと、よくわからないのですが、13577は助かるのですか?とミサカは本質的な質問をします」

佐天「……ん、っと。ちょっと、わかんない、かな」

御坂妹「えっ」

佐天「いや、助かると言えば助かるんだけどね。代わりに誰かが影をふめば、入れ替わるから。けど、それじゃ意味ないし」

佐天「ふーむ……ちょっと、いろいろ試してみよっかな」



602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:22:09.19 ID:E70EBr470

試行?

佐天「まずは他の生き物に影を踏ませてみます」

御坂妹「13577、補足しました、とミサカは座標を打ち出します」

白井「そこへ私がテレポですのっ」シュンッ



佐天「それでは解き放ちますはこのネコを」

猫「」ニャー

大禍時「」

佐天「駄目か……大きさで判断してるのかも」



603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:24:31.70 ID:E70EBr470

―――。

佐天「というわけで、次は人間の子供くらいの大きさのペンギンをもってきました」

佐天「はぁぁぁん、ペンギンもふもふかわいー」モフモフ

佐天「しかし容赦なく投下。さ、行っておいでー」


ペンギン「」カァー

大禍時「」


佐天「駄目か……やっぱり人間じゃなきゃだめなのかな」



605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:27:29.05 ID:E70EBr470

試行?

佐天「次は、記憶すなはち情報を食べてると仮定してみます」

佐天「というわけで、取り出し足りますは、1tbの外付けHD。中身は白井さんの御坂さん盗撮写真および映像でぎっしり」

白井「後生ですの!それだけは!それだけはおやめになってくださいですの!!」

御坂妹「観念なさい、とミサカは変態てれぽーたーをはがいじめにします」

佐天「というわけで、そりゃっ」


HDD「」ガシャンッ

大禍時「」


佐天「駄目か……」

白井「ひどいですの……(け、けれど!あれは耐衝撃性もかねたモノ!あれくらいでは大丈夫なはずですの!)」



607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:41:48.05 ID:E70EBr470

―――。

佐天「(あのあと色々―――それこそ白井さんを放り込む気でいろいろ試したけれど効果はなく)」

佐天「やっぱり人間じゃないとダメなのかな……」



そのころ。

従業員「最近ほんっと暑いっすねー。夕方でもむしあついっす」

ドルキさん「馬鹿野郎、この程度で音をあげてるんじゃねえ―――なんだありゃ」

大禍時「」ユラユラ

従業員「影だけっすか?変わった発明品っすねー。あ、そーいやドルキさんは昔やりましたか?影踏み鬼。
     ほら、こーやって影を踏んで―――」

ドルキさん「っ!」ゾクリ

ドルキさん「馬鹿野郎!それを踏むんじゃねえ!!」ばっ

従業員「え―――ぁ?ドルキ、さん?」

13577「おや、ここはどこでしょう、とミサカはMNWに繋いで記憶の共有を試みます」



608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:44:10.74 ID:E70EBr470

―――。

佐天「え?帰って来た?」

御坂妹「はい、当然現れまして。とにかく、お世話になりました、とミサカは頭をさげます」

佐天「はぁ……まぁ、誰かが影踏んじゃったのかなぁ」




ドルキさんが大禍時にとらわれたようです おわり


すまんなんかオチ付けられなかった。ワラキアよろしく現象を相手にするとどうしようもなくなるなホント。
ちなみにドルキさんはどっかでスキルアウトと入れ替わりました。

ごめん、こんな感じでよければ>>611で。あ、あんまり難しい蟲にされちゃうと困るんだからねっ



610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:47:54.53 ID:EDNsG+730

ドルキさぁぁぁぁぁん!!!?



612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:49:32.07 ID:YMeJd5ge0

ドルキさんうわああああああああああああ
なんてことするんだあああああああ



613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:50:38.09 ID:dJalJ0+RO

ドルキさんかっこよすぎワロタwwwwww



614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 14:51:31.83 ID:WAZG3UDS0

ドルキさんwwwww



615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 15:02:01.06 ID:mSQuofT0O

ドルキさんになら抱かれても良い



628:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 18:32:44.11 ID:E70EBr470

上条「え?明日こっちにくる?」

刀夜『あぁ、久々に息子の顔が見たくなってな。明日は学校も休みだろうし、一日付き合ってくれてもいいだろ?』

上条「そりゃ構わないけどよ。母さんはくるのか?」

刀夜『いや、母さんはちょっと前に仲良くなった、えっと、美琴ちゃん?のお母さんと旅行に行ってるんだ』

上条「……ああ、なるほどね。母さんもいないし、家で一人は寂しいからこっちへ来るってわけか」

刀夜『ははは、まあそんなとこだよ。それじゃ頼む』

上条「わかった、またターミナルに着いたら電話してくれよな」


――――。


刀夜「お。よぉー当麻。大きくなったなぁ」

上条「対して変わってないだろ」

刀夜「男子三日会わ……えっと、なんだったか。まあいいさ、親にとって息子の成長はよく見えるもんさ」

上条「そんなもんなのか―――えっと、久しぶり、父さん」

刀夜「ああ、久しぶり当麻。元気そうで何よりだ」



629:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 18:36:47.66 ID:E70EBr470

上条「んじゃまずは荷物をホテルに置いて―――」

刀夜「ん?何言ってるんだ、お前の部屋に寝泊まりするに決まってるじゃないか」

上条「えっ」



インデックス「すふぃんくすー、今日はなんだか美味しいものが食べられそうな気がするんだよー」

猫≪まじかよひゃっはー≫


上条「い、いやぁ、俺の部屋(バスタブ)はそんなに広くないしどうかなーと」

刀夜「男同士だ、雑魚寝もいいだろう?」

上条「雑魚寝する程のスペースがあるかどうか……」

刀夜「そりゃあるだろうさ。ほら、案内してくれ」

上条「(ええい、南無三)」



630:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 18:40:28.01 ID:E70EBr470

インデックス「それにしても今日はとうま随分早く出ちゃったね。制服でもなかったし、何だろうね」

インデックス「はっ!ま、まさか、あの短髪とデデデデデェトとかそんなんじゃないよね!?」

がちゃっ

インデックス「?とうまが帰ってきたのかな」


インデックス「お帰りなさいとうまー」

刀夜「やぁこんにちはお嬢さん」

インデックス「ふおっ!?ど、どちらさま!?」

上条「俺の親父。


ここまで書いてて思ったんだが、インデックスって上条さんの親父さんに大覇星祭の時会ってたっけ?



634:つーか四巻の時点で会ってたか:2010/10/03(日) 19:18:28.38 ID:E70EBr470

上条「俺の親父、大覇星祭の時会っただろ?」

インデクッス「そういえばその無精ひげに見覚えあるかも」

刀夜「はっはっは、まさか当麻にこんな可愛らしい居候さんがいるとはなぁ。母さんが知ったらびっくりするぞ」

インデックス「……ねぇとうま、私達のこと話したの?」ヒソヒソ

上条「来るって言って聞かなくてな……断れなかったし、嘘はついてないが真実は隠すかんじでな」ヒソヒソ

上条「ちなみに今日親父泊ってくからさ」ヒソヒソ

インデックス「んー……じゃあ私はこもえの家に行ってたほうがいいかな?」ヒソヒソ

上条「どうだろうな……ま、そこはおいおい考えるさ」ヒソヒソ

刀夜「なあ当麻、そろそろ中へ入りたいんだが」

上条「っと、悪いな。まぁ狭いとこだけどあがってくれ」

刀夜「よーし荷物置いたら観光行くぞー!インデックスちゃんも一緒に行くかい?」

インデックス「(観光=美味しいもの!)いく行く、行くに決まってるんだよ!」

上条「……財布の中身は十分か」ボソツ

刀夜「何か言ったか?」

上条「いや……何も」



635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:28:29.04 ID:E70EBr470

―――。

インデックス「クレープ!ジェラート!」

刀夜「ははは、indexちゃんはよく食べるなぁ」

上条「親父、あんまり甘やかさないでくれよ」

インデックス「刀夜は親切なんだよ!当麻はいっつもお金がないって言って奢ってくれないんだよ」

刀夜「そうかそうかー。けどな、indexちゃん、お金を稼ぐのは大変なことだから、それをあまり簡単に浪費しちゃいけないんだよ。
    だから当麻のやっていることは間違ってないんだ」

インデックス「じゃあどうして刀夜は今日はそんなに簡単に出してくれるの?」

刀夜「それは今日は観光に来たからさ。お金は出すべきとこと出さないべきところがある。今日は前者だからね。
    娯楽をするのに些細なことを気にしていても仕方ないだろう?だから今日は大盤振る舞いさ」

インデックス「なるほど、つまり今日は美味しいものがたくさん食べられるってことなんだね!」

刀夜「ははは、インデックスちゃんは賢いなぁ。その通り、だから普段は少し我慢することだ。我慢すれば我慢するほど
    今日みたいな日が嬉しくなるからね」

インデックス「わかったんだよ!」

上条「親父……」ホロリ



637:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:35:01.05 ID:E70EBr470

―――。

刀夜「お、ボートがあるな。よーし当麻、乗ろうぜ乗ろうぜ」

インデックス「私はあれが食べたいんだよ!」

刀夜「よしよし、ならこれで買っておいで。僕たちはちょっとボートに乗ってくるからね」

インデックス「いってらっしゃいなんだよー」


上条「おいおい、男ふたりでボートかい」

刀夜「いいじゃないか、久しぶりで。子供のころ、お前はボートが好きだっただろ?」

上条「……あぁ、そう、だったな」

刀夜「さぁ親子水入らず、ぎっこんばったんしようじゃないか」



刀夜「え?アヒルがたのボートしかない?じゃあそれで」

上条「おい」



638:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:42:57.85 ID:E70EBr470

―――。

刀夜「いやぁこうして息子と二人きりでボートに乗るのも、たまにはいいもんだな」キコキコ

上条「少なくとも俺は普通のボートに乗りたかったけどな」キコキコ

刀夜「はは、こやつめ―――っと」

上条「ん……なんだこれ。さっきまで晴れてたのに、いきなり霧が出てきたな」

刀夜「これは―――懐かしいな。あの時もこんな霧が出てたか」


刀夜「なぁ当麻。覚えてるか、昔こうして二人でボートに乗ったときのこと。あれは、お前が学園都市に来る前のことだったな」

上条「え?……あ、ああ、そんなこともあったっけな」

刀夜「あの時お前はその体質で、随分つらい目にあってたな」

上条「そうだったっけか。いいよ父さん、そんな昔のこと」

刀夜「そしてあの時も、この靄が出てた―――小さかったから覚えてないかもしれないが」

上条「……そうだな。あんまりに昔のことで、うまく思いだせない」



640:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:47:50.16 ID:E70EBr470

刀夜「あの時お前は陸が見えないと言っていたが―――今はどうだ」

上条「……え?」

刀夜「元の生活に戻りたいか、それともこのままどこかへ行ってしまいたいか―――どっちだ?」

上条「どうしたんだよ父さん、抽象的すぎて何言ってんのかわかんねぇよ」

刀夜「いいから、ほら。考えず、思うままに答えてくれ」

上条「……そうだなぁ」

上条「確かに今でも不幸なことは毎日起こってるし、それを辛いと思うこともあるけれど―――まぁ、今は楽しくやってるよ」

刀夜「……そっか。それで、陸はどっちに見える?」

上条「あっちだろ?」

刀夜「よし……それじゃ、そろそろ戻るとするか。こいつらが起きてしまう前に」

上条「?」

刀夜「さぁいそげいそげー全速力だー!」キコキコキコキコ

上条「うおっ!?」



641:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:50:51.27 ID:E70EBr470

刀夜「」ゼェハァゼェハァ

上条「ばっ……はぁ、はぁ……父さん、も、……歳なんだから、無理すんなよ……」ゼェハァゼェハァ


インデックス「あれー?随分遅かったねとうま」

上条「え?」

インデックス「もう日もくれちゃうよ?」

上条「?おかしいな、そんなに長い間こいでた気はしないんだけど……」

刀夜「アレはそういうものなんだ……気にしちゃいけない」

上条「?」

刀夜「さーて、それよりそろそろ夕飯の時間だな!インデックスちゃん待たせたね、何が食べたい?」

インデックス「なんでもいいの?それじゃあね―――――」


上条「……?なんだったんだ?」



643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 19:55:57.68 ID:E70EBr470

―――。

刀夜「なるほど、調査ってことで来てみたが、本当に随分蟲が多い」

刀夜「それでも大きな問題になってないところを見ると、ヌシの術を誰かが張ってるか、蟲師のようなことをしてるのがいるんだろう」

刀夜「ま、少し心配な面もあるが―――これなら問題なし、ってところか、っと」どんっ

佐天「あふっ。と、ごめんなさい、よそ見してました」

刀夜「いやいやこちらこそお嬢さん、すまないね」

佐天「(うわぁなんだかうさんくさい)いえいえ、それじゃ」

刀夜「……ふむ」



上条さんは昔陸に戻りたくなかったそうです おわり

考えた末、こんな感じでした。
昔の、子供のころの上条さんが海千山千の靄の中に入ったら見えなくなってただろうなぁーとか。
でも今は見えるんだろうなぁーとか。ちなみに、昔抜け出せたのは刀夜の説得のおかげ。
こんな感じで、他に何か書け!ってのがあれば。残りレスもあれだし、安価つけなくていいや。
適当に書かれた奴から話作り易そうなの選んで書いてみるぽ



645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:01:06.76 ID:mSQuofT0O

旅する沼



646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:04:30.26 ID:WAZG3UDS0

陰魂



647:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:06:38.90 ID:YMeJd5ge0

招雷子



648:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:06:58.34 ID:m1xI2WhyO

ああ、そいつぁー蟲の仕業ですな



650:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:08:05.57 ID:UeTBBtHU0

鏡が淵



651:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:20:47.48 ID:E70EBr470

短編。

御坂「最近自分の意思に反して雷が落ちるの……」

佐天「意思に反して雷が落ちるって、変な話ですよねぇ。いや、蟲の仕業どうこうじゃなく会話が」

御坂「それで、これって蟲かしら?」

佐天「ショウライシ、って蟲の仕業です。雷、まぁようするに電気を食べる蟲ですね」

御坂「ああ、だからうまく能力が」

佐天「対処法は御坂さんなら簡単ですよ。自分のお腹あたりに電気を集中してやれば、成体になって勝手に
    体の外へ出ていきますから」

御坂「そうなの?」

佐天「ヘソの緒を使って薬を作るとか、お腹を裂いてとりだすとか、昔はそういうことしてましたし、普通はそうでなきゃ無理なんですけどね。
    御坂さんだからこそ出来る荒技です」

御坂「なるほど……」



652:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:23:00.33 ID:E70EBr470

―――。

御坂「それじゃ―――ん、」ビリビリ

佐天「あ、そーだ。一応蟲が出やすいようにおへそだしててくださいねー」

御坂「そ、そうなの?」ピラッ

佐天「(み、御坂さんの白い肌―――そしてへそ!)」ごくり

御坂「(なんだかいやらしい視線を感じるわ……まあ、その、佐天さんならいいけど)」


御坂「なんだかおへそのあたりがむずむずして―――んっ、あ、ひゃんっ!?」ビクンッ

蟲「」ふよふよ

佐天「お、出てきましたね―――どうしたんですか座り込んで」

御坂「な、なんれもなひ……」ハァハァ


おわり。



655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:40:43.46 ID:E70EBr470

インデックス「お団子美味しいんだよ」

上条「そりゃよかった。けど、たまにはいいな、こうやって木陰でのんびり食べるのも」

インデックス「じゃあ明日も―――」

上条「たまには、だからな」

インデックス「むぅ……――――警告」

上条「ぇ?」

インデックス「術式不明・奏者不明の記憶侵食を確認。対抗策の検出に失敗。防御策の代償として意識を遮断します―――」ぽてす

上条「え……インデックス?インデーックス!!」



上条「―――というわけなんだ」

ステイル「このおバカ!!」

上条「ぐあっ!!」

ステイル「君がついて居ながら、意識不明だと?何をしていたんだ君は……君は何をしていたんだ!!」



656:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:44:33.83 ID:E70EBr470

上条「んなこと、わかってるよ!!けど、原因がさっぱりわかんねぇんだからしょうがねえだろうが……!」

ステイル「しょうがない?しょうがないだと!?だから君は―――」

医者「はいはい病院で暴れないでね?」

ステイル「む……」

上条「く……」

医者「診察の結果脳波に異常無しだね?まったく、本当に原因不明の事件が多いね?」

ステイル「……とにかく、インデックスは一度僕らがイギリスへ連れ帰り検査してみる。文句は言わせないよ」

上条「……くそったれ」

医者「まぁ待ちなさい。こういう事件は彼女に限るね」



佐天「やはりこいつは蟲の仕業ですね」

上条「あ。君は確か」

佐天「おや、誰かと思えばあの時の―――い、いろいろありがとうございました」カァァ

上条「え?何が?」



657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:51:47.58 ID:E70EBr470

佐天「それはともかく!大きな木の木陰―――そしてkjさんが言う、記憶の侵食云々。そして患者さんを実際に見てみた結果、
    これは蟲―――カゲダマの仕業だとわかったわけです。蟲に対する説明は省略しますね」

ステイル「妖精のようなモノか?まあそんなことはいい、要は治せるかどうか、ということに尽きるんだけどね」

佐天「治療法は頭を割って日光を浴びせることです」

ステイル「イノケンティウスー!!」グアアアア

佐天「ナニアレー!?」

上条「落ちつけステイル!!」ソゲブ

ステイル「グアッ」

上条「えっと……佐天さん、だったか。あんたもいきなり物騒な言い方しないでくれよ」

佐天「ご、ごめんなさい」ビクビク



658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 20:53:58.16 ID:E70EBr470

―――。

医者「脳へ日光を?」

佐天「たぶん紫外線とかでいいと思うんですけど」

医者「ふむ……危ない気もするが、それしか手がないのならなんとかしてみるね?
    なぁに、何ともできないことを何とかするのが僕の信条でね」


―――。

医者「できた」

上条「さすが先生!」


佐天「あと、カゲダマは感じで影魂です。陰魂だとインハクって呼んじゃうので注意してくださいね」

おわり



671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:34:06.35 ID:E70EBr470

TV≪―――の落下事件もすでに―――≫

佐天「(―――そろそろ、この事件にも決着付けないと駄目か)」

佐天「(何も無い空高くから人が降ってくる事件―――幸い、と言っていいのかどうかわからないけれど、まだ知り合いは一人も巻き込まれてない)」

佐天「(けれど、それも時間の問題、か)」

佐天「―――行くか」



――――。


佐天「白井さんに聞いたところ、落下者はだいたいこの辺りへ来て姿を消してる、だっけ」

佐天「衛星や監視カメラの様子だと、いきなり空へ舞い上がってそこで消えて―――で、また姿を現す、と」

佐天「姿を現す高度もだいたい決まってるらしいし、何か法則性があるんだろうな」

佐天「まぁ、それがわかったところで、蟲の仕業なら見えないし感知できないだろうけれど」

佐天「何せ、今まで対象にしてこなかった相手だから、感知器材もあるわけないしね」



672:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:39:40.71 ID:E70EBr470

佐天「ま、だからこそこうして私が出てるわけだけど」

佐天「それにしても、今思うと不思議なもんだよねぇ。なんで蟲が見えるようになったのが私だったんだろ」

佐天「……ま、くじ引きで当たったのがどうして私か、って考えるくらい無駄なことか」


―――。


佐天「ん……なんだろ、あの白い―――ヒモ?」

蟲「」ユラユラ

佐天「……あれ。おかしい、な。蟲なはずなのに、思いだせない」

佐天「新種の蟲……?な、わけはない、というか、あれ、そもそも、この記憶ってどこから―――考えたことも、なくて」

佐天「……っ。とと、どうしたんだろ私、いきなり頭のなかがぐるぐるしちゃった」

佐天「随分空高くまで続いてるなぁ……こんな蟲初めてみた」



673:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:44:46.83 ID:E70EBr470

佐天「風にかすかにゆられてるだけで全然動かないなぁ……ホント、なんだろこの蟲」スッ

「それに触っちゃ駄目ですっ!!」

佐天「え――――――――――――――――――――――――――――――」




――――――――――。




佐天「―――――――――――――!!」

佐天「高っ……!っ、息が、」

天辺草「」

佐天「……!(天辺草……!アレの触手だったか……くそ、なんで思いだせなかった!)」

佐天「(不味っ―――飲まれ、)」



674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:49:29.03 ID:E70EBr470

―――。

―――どこだろう、ここ。

明るいような、暗いような。

寒いような、暑いような。

ひどく、軽い気持ちになる。

「ったく……少しは蟲払いをして、蟲ってもんを理解してると思ったんだがな」

誰だろうこの人は。

あれ。この人に会うのは初めてじゃない気がする。

確か、前もこんなふわふわした気持ちの時に一度―――

「とっさで拾い上げたが……おい、俺がわかるか」

うなずく。

「よし。なら、自分が誰だか覚えてるか」

くびをふる。

「まいったな……」



675:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:54:31.05 ID:E70EBr470

「前に会えた時に注意しとくべきだったか……」

あ。やっぱり、この人とはまえに会ったことがあるんだ。

「仕方ない。あんまり居させてやれねぇが、二三日なら大丈夫だろ」

「あの」

「ん?なんだ、口は聞けるんじゃねえか」

「思いだせないの。私はだれだっけ」

「そのうち思いだすから安心しろ。ま、放っておけばそのまま蟲になっちまうが、そうはさせんさ」

蟲。

なんだろう、すごくききおぼえのある。

なつかしいような、こわいような。

「……よし、ほら、これ飲んどけ」

わたされたゆのみをのぞく。においをかぐ。

……いやなかんじ。



677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 22:59:58.74 ID:E70EBr470

「……そう渋い顔すんな。飲まねえと治らんぞ」

「……」

口をつけてすする。

「…………………………っっ」

「まぁ、なんだ。こらえろ」


――――。


「ここだと時間もわからんが、そろそろ眠るかね」

「……?なにあれ」

「ん―――ああ、ここでならよく見えるだろ。光脈筋だよ」

光脈筋。

「あんまり見るなよ。ほら、ここからなら空の明りもよく見える」

「――――」



678:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:02:51.25 ID:E70EBr470

指さされたほうを見ると、光の河に負けないくらいの青い河。

「どうだ?もう今となっちゃ、なかなか見られんもんだが」

「……きれい」

「そうだろ。俺達はあっちを見ておけばいい。何も、好んであちら側にいく必要なんてねえよ」


――――。

――――。

――――。

――――。





ん。

頭がぼんやりとする。体も、変な感じだ。
どこだろうここ。確か、私は―――



679:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:06:57.39 ID:E70EBr470

佐天「―――ぁ。そうだ、天辺草にのまれて、それから……えっと」

ギンコ「起きたか?……なるほど、もう記憶も戻ってるみたいだな」

佐天「おわっ、白髪の人その二!?」

ギンコ「……いや。まぁ、今更気にしねぇが。ほれ、一応コイツ飲んどけ」

佐天「な、なんですかコレ?」

ギンコ「蟲払いの薬。思いだしたんなら覚えてんだろ」

佐天「ああ、そうでした。天辺草に飲まれて、そっからよく覚えてないですけど、体に残る蟲の気配からすると
    私も蟲っぽくなっちゃったってとこですか?」

ギンコ「話が早いな。だからそれ飲んどけ。記憶は戻ってもまだ完全に抜けてねぇかもしれないからな」

佐天「はい………………っっ!?」

ギンコ「こらえろ。これからは初対面に白髪の人なんて言うんじゃないぞ」

佐天「根にもってる……というか、初対面じゃないでしょうに」



681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:17:03.14 ID:E70EBr470

ギンコ「む」

佐天「覚えてますよ、というか思い出しました。常闇に飲まれたとき、助けてくれましたよね」

ギンコ「……ま、そんなこともあったね」

佐天「その節は助かりました―――ところでここどこですか」

ギンコ「二つ目の瞼の裏―――とでもいやいいのかね。俺にも詳しくは説明できん」

佐天「二つ目の……何ですって?」

ギンコ「お前はどこまで知っていてどこまで知らないんだ。理の考えることはたまに理解できんね」

佐天「こ、ことわり?」

ギンコ「やれやれ……それじゃ、そろそろ帰ってもらうとするか。俺もいつまでもこっちにいるわけにもいかんのでね」

佐天「帰るって……どうやって?」

ギンコ「お前なら出来るはずだ。やってみろ。目を閉じて、さらにその奥の瞼も閉じ―――そして開け」



682:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:26:39.53 ID:E70EBr470

―――。

佐天「蟲師はご覧のスポンサーの提供でお送りしましたっ!?」バッ

佐天「ぁ……と、ここは……自分の、部屋?」

佐天「夢……なわけないか、口にまだあの苦い感じが残ってる」

佐天「―――二つ目の、瞼の裏、か」




佐天さんがあの蟲師に会うようです おわり

スイが地理的な部分ふっとばしてギンコと会えてたところから、二つ目の瞼の裏って時間的関係もふっとばせるんじゃね?!
とか思ったんだ。ギンコ爆誕。時系列的には最終話から数年後、かしら?
つーか今さら気付いたんだが、最終話に二つ目の瞼の裏を持ってきてるあたり、なんだか感慨深いものに襲われた。
受賞作で出したのも瞼の裏。降幕もまた、瞼の裏。うぅん、ほんっと今更気付いたなぁ。

さて、それじゃ時間もきてるし、そろそろ終わりの話にしますね。



684:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:31:16.92 ID:W3DmmuPQO

乙乙

でも最後に隠り江を



685:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/03(日) 23:31:18.81 ID:J/kk3s2Z0

もう最後かぁ…
楽しみにしてんぜ



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