佐天「蟲が見える能力かぁ」【その1】

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:12:15.61 ID:LVlpCW9/0

初春「虫なら私たちでも見えますけど」

佐天「違う違う、虫じゃなくて蟲。虫が三つで蟲になる、あの蟲」

白井「違いがわかりませんの」

佐天「虫は昆虫で、蟲はひとつの命の在り方、ってところかな」

初春「ああ、ついに中二病こじらせちゃったんですね。まだ中一なのに」

佐天「うわあ信じてもらえてない。まあしょうがないけど」

白井「まあこのままでは話が進みませんので初春の発現は無視して、蟲とはなんですの」

初春「蟲と無視をかけたんですか?面白くないですよ白井s」ヒュンッ

佐天「ありゃ、どこに飛ばしたんですか?」

白井「屋上ですの。それで?」



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:12:48.03 ID:LVlpCW9/0

佐天「ああ、蟲が何か、ですか。さっき言った通り、私達とは違う命の形をもった何か、です。
   そうですねぇ、ちょっと非科学的な表現になりますけど、心臓を生命の源だと考えてください」

白井「まぁすでに蟲という存在が非科学的ですから構いませんのよ」

佐天「確かに。それで、人差し指、つまり心臓から一番遠い場所にいるのが私達人間だとしますね。
   他の親指や小指が植物、ほかの動物だとします。そして手首あたりが微生物、菌類とかですね」

白井「……なるほど、心臓に近づくにつれ、下等な生き物になっていくということですのね」

佐天「さっすが白井さん、そういうことです。で、腕をたどって肩を通り過ぎて、心臓のすぐ隣に位置するのが、
   蟲って存在です」

白井「心臓が生命の源だとすれば―――蟲とは、つまりほとんど生命そのものということですの?」

佐天「いくざくとりぃ!」

白井「しかし、どうしてそんな知識を?」

佐天「さぁ?私も朝起きたらいきなり理解してましたから。真理の扉を開いたエドみたいな感じですかね?」

白井「なんですのそれ」

佐天「ありゃ、そっか。白井さんはこういう漫画読みそうにないもんなぁ。御坂さんだったらわかったかもしれないのに」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:13:18.94 ID:LVlpCW9/0

白井「それにしても、どうしてまたいきなりそんな能力を?」

佐天「うーん、どうしてでしょうか。一昨日の研究所爆発事件とかと関わってたりしそうなんですけど。勘で」

白井「……そういえば、あそこは生命関係の研究所でしたわね」

佐天「やや、ビンゴっぽい。……ん、けど、だとしたら、」

白井「だとしたら?」

佐天「蟲が見える能力が手に入ったってことは……その辺りに、蟲が湧いてくる、ってことになるのかも」

白井「その蟲がいるとどうなりますの?ただの生命そのものであれば、特に害はないのでは?」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:13:50.37 ID:LVlpCW9/0

佐天「いえ、蟲は限りなく生命そのものですが、けど私達同様生きていますから。私達が生きるために動物を殺すように、蟲だって生きる為に他の生き物に結果的に害を与えることだってあります」

白井「はぁ……それも突然えた知識で?」

佐天「はい。ちなみに、蟲払いの知識も少しくらいは入ってるみたいですね」

白井「蟲払い……蟲を殺すということですの?」

佐天「まぁ、だいたいそんな感じです」

白井「……しかし、佐天さんには失礼ですけどここまで聞いておいてやはりその能力が本物かわかりませんの」

佐天「そりゃー確かめる術は今のところありませんからね。しょうがないですけど。ただ、もし原因不明の自体が起こったら、それは蟲の仕業かもしれないので、私に連絡してもらえませんか?」

白井「そういう事件が起これば、ですけれど」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:14:26.61 ID:LVlpCW9/0

――――。



佐天「(うーん、やっぱり信じてもらえなかったなぁ。ま、しょうがないか)」

佐天「(……お。野錆がいる。こんなところまで出てくるなんて、ありえないのに)」

佐天「(確か、野錆は独特の周波で仲間を呼ぶんだっけ……本来は山の分解者なのに、コンクリートなんかにへばりついてる)」

野錆「」カサカサ

佐天「ほらほら、お前たちの居る場所はここじゃないよ。ここには食べ物なんてないんだから、はやく山へ帰りな」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:14:43.98 ID:3DUA5z7bO

今までに佐天さんが目覚めた能力っていくつあるんだろうか



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:14:57.66 ID:LVlpCW9/0

野錆「」カサカサ

佐天「……あ、聞いてくれたのかな。なんか移動しはじめた―――って、蟲って私の言葉わかるの?」

佐天「(……ま、いっか。それより、あんまり壁に向かってぶつぶつ話してるとおかしく見られちゃうし)」


佐天「(それにしても……)」


蟲「」カサカサ


佐天「(いるなぁ……結構な数。見た感じ、有害な蟲はいないみたいだけど)」

佐天「(まあ、放っておけば問題ないモノだし、別にいいのかなぁ)」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:18:13.26 ID:LVlpCW9/0

ごめんもっと展開広がると思ったけど、わりと広がらなかった。

やっぱり美琴が阿とかにとりつかれたり、美琴が虹蛇触っちゃったり、美琴がかいろぎつかって上条の夢のなかへ現れたりする展開のほうがいいのかな。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:18:46.02 ID:38VjOx3VP

ギンコさんがやるからカッコいいのに
こんなキャピキャピした奴に蟲を語られたくないな



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:21:04.05 ID:LVlpCW9/0

>>13
言われてみればそうだった。すまねぇ
んじゃその辺り考えてなんか書いてくわ



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:26:45.56 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「(蟲がみえるようになってから一週間。そのあたりにふよふよしてるけど、特になんの問題も起こってないなぁ)」

佐天「(だとするとこの能力、全然やくに立たないじゃん……うわあ……)」

佐天「(はぁ……まぁいっか。テレビテレビ、っと)」

テレビ『――――――、――――――』

佐天「……んー、やっぱ今の時間帯だとほとんどニュースかぁ。でも外雨降ってるし、やることないなー」

テレビ『―――です、最近何も無いところから人が降ってくるという奇怪な事件が多発しており、被害者はすでに5人―――』

佐天「……こっ、この感じ、蟲の事件……!勘だけど」

佐天「でも、なんの蟲だろ……私の知ってる中では何もないなぁ」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:29:49.83 ID:LVlpCW9/0

pllllpllll

佐天「お、電話。もしもしー」

白井『白井ですの。今よろしくて?』

佐天「大丈夫ですよー暇ですよ?というか珍しいですね、白井さんから電話だなんて」

白井『ええ、そのですね。以前蟲の話をして下さったでしょう』」

佐天「ああ、はい。何か、ありました?」

白井『……お姉さまが』

佐天「御坂さん?」

白井『……もしよろしければ、今から寮に来ていただきたいのですけれど』



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:34:43.68 ID:LVlpCW9/0

佐天「ん、わかりました。ちょっと待っててくださいね」

白井『雨の中迷惑かけますの』

佐天「あはは、私と白井さんの仲じゃないですか。一応聞いておきますけど、御坂さんがどんな感じになってるんですか?」

白井『よくわかりませんけれど、足が痺れると。病院にも行ったのですけれど、原因不明で』

佐天「足が痺れる?」

白井『ええ。能力者の仕業かと思いましたけれど、何故か同様の症状を訴える生徒が寮内に多数いまして』

佐天「はぁ……まぁ、行ってみますね」

白井『お願いしますの』ピッ


佐天「足が痺れる、かぁ……んー、なんだろ」

佐天「それにしても、ようやくこの能力の出番かー。ちょっと嬉しいかな」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:37:03.20 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「来ましたよー白井さーん」

白井『お疲れさまですの。今扉を開けますからお待ちくださいまし』

佐天「あーい……よし、それじゃ行きますか」


佐天「……って、地面に生えてるこれ、なんだろ」

佐天「白井さーん、開けてくださーい」コンコンコン

白井「お待ちになってくださいまし……ごめんなさいですの、雨のなか」

佐天「いえいえ。それで、御坂さんは?」

白井「あっちですのよ」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:40:03.27 ID:LVlpCW9/0

佐天「こんにちは御坂さん、なんだか久しぶりな気がしますけど」

御坂「こんにちは佐天さん、悪いわねこんな雨のなか」

佐天「だからいいですって……って、その足」

御坂「うん、なんだかずっと痺れてて……歩けないことはないんだけど、ずっとこうだと辛くってさ」

御坂「黒子に相談したらなんでかしらないけど佐天さんなら、ってことになって」

白井「わかりますの?佐天さん」

佐天「ん……やっぱり白井さんたちには見えないですか」

御坂「見える?」

白井「……蟲の仕業ですの?」

佐天「ええ、蟲の仕業ですね。足から木の芽のようなものが出てます。えっと、確か……ああ、そうそう、骸草、でしたっけ」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:46:04.44 ID:LVlpCW9/0

御坂「むくろ……なに?」

佐天「骸草。死骸を泥状まで分解する蟲で、生きている動物に踏まれると寄生して子株を振りまく蟲です。あの、本当に何も見えないんですか?」

白井「わたくしにはお姉さまの綺麗な素肌しか視えませんの」

佐天「(むぅ……頭のなかの情報だと、見えるらしんだけど……そういえば、見た瞬間に情報が入ってきたな。なんでだろ)」

御坂「ね、ねぇ佐天さん……私にはよくわからないんだけど、その、私の足泥になっちゃうの?」

佐天「え?ああ、いや、そんなことはないですよ。せいぜい足が痺れてるだけです、命に別条はありません」

御坂「よかったぁ……」

士郎「治療法は?」

佐天「……その、一応薬の作り方は頭の中に入ってるんですけど、材料が聞いたこともないような名前ばっかりでして……」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:49:45.09 ID:LVlpCW9/0

白井「どういうことですの……」

佐天「私だってよくわかんないですよ……」

白井「……ふむ。でしたら、一応その材料を書き出してくださいまし。それをパソコンで調べてみますの」

佐天「ああ、そうですね。それじゃあまず―――」


佐天「―――です」

白井「本当に聞いたことないような名前ばかりでしたの……」

佐天「もしかしたら、古い名前かもしれませんし。じゃあ、私はちょっと元凶を潰してきますね」

御坂「元凶?」

佐天「骸草の親株です。あと、被害が広がらないように子株の駆除。白井さん、感染してる人に今から部屋を出ないように言ってください。それから、食堂で塩もらってください」

白井「塩ですの?」

佐天「塩です」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:52:23.84 ID:LVlpCW9/0

白井「―――というわけですので、今から部屋の外に出ないようにと」

寮監「わかった、白井がそう言うのならそうしよう」

佐天「あ、寮監さんもかかってますね」

寮監「……どうやら、本当に何か見えているらしいな。痛みを訴えるような素振りはしていないはずだが」

佐天「そりゃあまあ。それじゃ、お願いしますね」



白井「はい、塩ですの。これだけあれば?」

佐天「ええ、十分です。それじゃ調べ物、お願いしますね」

白井「任されましたの。そちらも駆除、よろしくお願いしますの」



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 19:56:34.44 ID:LVlpCW9/0

佐天「さて、と……子株が続いているのは―――こっちか」


―――。


佐天「中庭、ねぇ……まぁ、この辺りしか可能性はないんだけどさ」

佐天「さて……っと、あったあった。この大きさからして、小鳥が死んでそこから発生したのかな」

佐天「それじゃ塩を―――」

骸草「」

佐天「……え?何?」

骸草「」

佐天「……駄目だよ、そんなこと言われても。だって皆困ってるもん」

骸草「」

佐天「んー、でもさ。ほら、私達人間だからさ。自分勝手な生き物で十分だよ。それじゃね。恨むんなら、こんな場所で育っちゃった運を恨んでね」パラパラ

骸草「」ドロリ



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:00:53.55 ID:LVlpCW9/0

佐天「よっし、これでおっけぃ。白井さんの方は成果でてるかなー」

―――。

佐天「どうですかー白井さん」

白井「どれも既存の植物の名前でしたの。佐天さんの言った名前は、ほとんどが地方の方言のようなものでしたのよ?」

佐天「なんと。それで、その植物は手に入りそうですか?」

白井「いくつかは可能ですけれど、今はもう希少になっていて手に入らないものも……ただ、成分だけでしたら揃えられますので、それでも?」

佐天「ええ、たぶん、大丈夫だと思います。どれくらいで揃えられそうですか?」

白井「常盤台での事件と、知り合いの医者に頼めば三時間ほどで大丈夫かと」

佐天「それじゃあそれで。私は、他に見落としないか見て回りますから」

白井「わかりましたのー」



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:04:29.14 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「―――よっし、薬完成!!じゃあ御坂さん、失礼します」

御坂「うん……ひゃぁっ」ビクンッ

佐天「うぁっ、どうしたんですか!?」

御坂「え、あ、ごめん。ちょっと冷たくてびっくりしちゃった」

佐天「あんまり不用意にそういう声あげると白井さんが大変なことになりますよ?」

白井「正直今にも押し倒したいのですけれど、ひとまず治療が終わってからということで」

御坂「黒子、アンタそういう発言がせっかくこうして治療のめどを立ててくれた感謝の気持ちを削ぎ落して言ってるって気付いてる?」

白井「……不覚ですの」

佐天「あはは、どんまい。―――と、これで終わりです。どうですか?」

御坂「あ……治った」

佐天「よっし成功!」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:08:25.75 ID:LVlpCW9/0

御坂「あー、こうして治ってみると、普段意識してなかった健康の大事さを気づかされるわね……ありがとね、佐天さん。助かったわ」

佐天「いやぁ、私は何もしてないですよ。それじゃ、他の生徒のとこにも行ってきますからー」

白井「さぁお姉さま、その付着した薬をこの黒子めがなめとってさしあげ―――おふっ」

御坂「ちゃんと自分て拭くから大丈夫よ」ぐりぐり

白井「ああ!お姉さまの素足で踏まれてますの!興奮しますのー!!」


―――。


佐天「ふー。これで全員ですね」

寮監「……すまんな、世話をかけた」

佐天「いえいえ、なんてことないです。私ひとりじゃどうしようもありませんでしたし」

寮監「いや、そもそも君がいなかったらどうにもならなかった。寮を代表して礼をさせてくれ」

佐天「はぁ……じゃあ、どういたしまして」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:12:38.40 ID:LVlpCW9/0

寮監「それにしても、蟲というのは全てが全て、こうなのか?」

佐天「いえ、そういうわけでも。見えないと思いますけど、今もこの辺りをふよふよしてます。まあこれは全く無害ですけどね(光が強いし)」ツン

蟲「」フヨフヨ ビクンッ

佐天「それじゃあ、私はこれで。雨も上がったみたいですし」

寮監「ああ、もう一度、本当に助かったよ。ありがとう」


―――。


佐天「ふー。終わった終わった」

佐天「お、虹だ……って、配色逆だから虹蛇か。珍しいー」

虹蛇「」 ジジジジジジジジジジジ

佐天「あー、凄いなぁ……この距離からでも声が聞こえてくる。て言っても、ナガレモノの声なんて全く意味をなしてないけど」

佐天「……まさか、蟲の声まで聞こえるなんて。しかも、言語として理解できるなんて、びっくりした」

佐天「……どうして殺す、かぁ。そんなこと言われても、ね」



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:16:43.23 ID:LVlpCW9/0

佐天「―――ま。今更かわいそうだとか、そんなことは思わないけど」

佐天「断末魔みたいなのが聞こえるのは、ちょっと、ね」

佐天「でも、ま。しょせん蟲は蟲だし。気にすることないよね」

佐天「……ないよね」



美琴が骸草に感染してしまったようです 終わり

ちょっと飯を。あと次は何の蟲にしよう。アニメの設定本にのってた蟲でも大丈夫よ>>45



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 20:57:07.97 ID:LVlpCW9/0

―――――。

佐天「ふぅ、やっと終わった」

初春「佐天さーん、今日一緒に帰りませんかー?」

佐天「あれ、初春今日は風紀委員の仕事ないんだ?」

初春「最近働きづめだったので、お休みもらえたんです。ほら、例の」

佐天「ああ、空から人が落っこちてくるって事件ね」

初春「はい、能力者の仕業かと思ってるんですけどね……衛星を調べてみたら、突然凄く高くまで飛び上がって、それから落下してるんですよ。
   これだけの力は、超能力者クラスの能力でも難しいはずなんですけどね」

佐天「ふぅーん……(なんだろ、やっぱり蟲かな)」

初春「手がかり無しで、行き詰まり状態です……」

佐天「なるほどねぇ。まぁ、それはそうとして、休める時は休んでおくべきだって。自然公園の近くに美味しいクレープ屋が出来たっていうし、行ってみない?」

初春「あ、いいですね。私そこ行ってみたいと思ってたんですよー」

佐天「おおーさすが私と初春の仲。考えることは同じだね。それじゃ行きますかー」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:00:21.20 ID:LVlpCW9/0

―――。

初春「うまし!」

佐天「このごく薄の生地とヨーグルトクリームの酸味がなんとも」

初春「そっちも一口もらっていいですか?」

佐天「ん、いいよ。ほら、あーん」

初春「あーん」

佐天「とりゃーっ」べちゃっ

初春「ふわっぷ!?ちょ、佐天さん勢いつけすぎですって!ああもう、口の周りとかほっぺたべたべたじゃないですかぁ!」

佐天「そしてそれをなめとる私!」ぺろっ

初春「うあうっ?!ひ、な、なんですかぁっ!?」

佐天「ふふふ、最近こうしてじゃれてなかったから初春が恋しくて恋しくて……」ペロペロ

初春「ぁ、ぅ……」カァァァ



通行人「おい、あれ……」

通行人2「ああ……いいな」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:04:31.35 ID:LVlpCW9/0

佐天「ごちそうさまでした」

初春「もうっ、今日は許しますけど、今度は人のいるとこではやらないでくださいね」

佐天「ということは人のいないとこではいいと。ありがとうういはるん」

初春「……今後一切やらないでください、と訂正します」

佐天「そんなこと言わないでさー」イチャリイチャイ

初春「あーうー歩きづらいですから肩に寄りかからないでくださいー」

佐天「甘えたい年頃なんだよー私はー」

初春「いつもは私を子供扱いするくせに……」

佐天「たまにはいいじゃん。ほら、初春もお姉さんぶりたいでしょ?」

初春「……わたしだって、佐天さんにあまえたいんですよぅ」ボソッ

佐天「……えへへ、かわいいなぁ初春はっ」



学生「あれが伝説の……」

学生2「百合、か……まさか実在するとはな……!」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:08:15.10 ID:LVlpCW9/0

佐天「それにしても……」

蟲「」ザワザワ

佐天「(多いな……どれも光を帯びてるから、たいしたことないけど。自然のなかのほうが多いのかな)」

初春「?それにしてもなんですか?」

佐天「え?あ、ああ―――いや、自然がいっぱいだなぁ、って」

初春「そういえばここに来たのって何気に初めてなんですよねー」

佐天「へぇ、そうなんだ?私は中学になってから学園都市に来たから勿論初めてだけど、初春もねぇ」

初春「ここまで遠出して自然に触れよう、って気にはなりませんでしたし。あ、ほらほら佐天さん、貸しボート無料って書いてありますよ」

佐天「結構大きな池だもんね、ここ。よっし、それじゃここはひとつ佐天涙子ちゃんのアウトドアテクニックを見せつけてあげようか」

初春「こげるんですか?」

佐天「まぁねー。これでも小学校のころはカヌーをやっていたのさ」



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:12:25.22 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「ごんどーらはーどこまーでもーいくよー」

初春「なみをーうんでーべねつぃあのまちをー」

佐天「ふぅ……ほんっとに広い池だね。まだ一周出来てない」

初春「本当ですねぇ……もう日がくれちゃいますよ」

佐天「うーん、それは不味いなぁ……ん」

蟲「」

佐天「……なんだろ、この感じ。下に、なんだか……」

初春「?どうしたんですか?」

蟲「」

佐天「……まずい。この感じ、不味い。声はまだ聞こえないけど―――初春、そっちのオールもって。急いで戻るよ」

初春「え?」

佐天「タイミング合わせてこげば大丈夫だから。この辺りは植物に囲まれてて日が落ちたらすぐに暗くなるから、もうほとんど時間がない。ほら、いち、にーの……」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:15:21.67 ID:LVlpCW9/0

―――。

初春「」ハァハァハァハァ

佐天「ふぅ……はぁ、疲れた……」

初春「ど、ごふっ……どう、したんですか佐天さん……」

佐天「……いや、ね。暗くなったら、本当に危ないからさ。急いでみただけだよ」

初春「確かに、あの辺りは照明も無さそうでしたけど……そんなに急ぐほどのことだったんですか?」

佐天「初春は都会っこだもんねー。暗いなか水の上に残される恐怖を知るまい」

初春「そ、それは確かに危ないし恐ろしいとは思死ますけれど……」

佐天「ま、急がせてごめんね。ほら、完全下校時刻になるし、そろそろ帰ろ」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:18:11.86 ID:LVlpCW9/0

―――。

―――――――。


佐天「―――さて」

佐天「あの感じは蟲だけど……随分大きかったな」

佐天「それに、凄く嫌な感じがしたし……ちょっと気になるし。調べてみますか。


佐天「さすがにボートであそこまでいくのは危ないし、森の中を抜けてくしかないか。うー、夜の森は怖いなー」

佐天「……と思ったけど、蟲の光でちょっと綺麗かも。それに学園都市だし、危ない動物もいないだろうし」

佐天「えっと、確かこっちであってるはず……ああもう、蜘蛛の巣邪魔だなぁ!」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:24:37.99 ID:LVlpCW9/0

佐天「ふぅ、ふぅ……この、辺り―――うわぁ」


蟲「」 リリリリリ


佐天「すご……水面が光ってる、というより水の中から光ってるんだ」

佐天「……そっか、木の枝でトンネル状になってるから、衛星でも発見できない、ってわけね」

佐天「けど、なんであの時はこの蟲を危ないって感じたんだろ……あ、なんか浮いてきた」

佐天「ん、もうちょっと近くに行けば……陸の端は……うおあっ!?」バシャッ

佐天「――-っはぁっ、はぁっ、はぁ―――あっぶな……足滑らしちゃった―――っ!?」


蟲「」リリリリリリリリリ


佐天「っ、ぁ……!な、引っ張って……!?」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:27:05.70 ID:LVlpCW9/0

蟲「」リリリリリリリリリリリリ


佐天「ちょ、やめっ……離してっ!」


蟲「」リリリリリ


佐天「なっ……エサ、って……!」ゾクッ

佐天「(や、ばい……!力、強すぎ……!)」

佐天「く、ぅ……あっ」ばしゃんっ



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:30:38.39 ID:LVlpCW9/0

佐天「(やばい―――やばいやばいやばい……!)」

佐天「(この蟲、私を食べようと―――)」ちらっ


蟲「」


佐天「……!(な……に、これ……)」

佐天「(―――ああ。なるほど)」

佐天「(これが、蟲か――――――)」ゴポッ




バシャッ

佐天「―――、は、ぁっ……げほっ、う、ごほっ……」

佐天「え……え?外……空気?」

佐天「蟲、は……?」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:34:52.67 ID:LVlpCW9/0

一方「おいクソガキ、夜遊びはほどほどにしとけ。こんな道のねェとこにわざわざ来てンじゃねェぞ」

佐天「へ……?」

一方「ったく……オラ、おぶされ。さっさとこっから出てけ」グイッ

佐天「へ……え?―――うあっ!?」




土御門「んー?どうしたんだ一方通行」

一方「一般人がいやがったンでちょっとな」

土御門「なんだ、森の外まで送ってきてやったのか。優しいとこあるじゃないか」

一方「うっせェ。で?時間はまだか?」

土御門「あと少しだよ。『取引先』が来るまでな」

一方「こンな森の中で、か。ま、こっちとしても、後片付けが楽でいいがな」

土御門「そうだな。文句を言うとすれば、蚊がいることくらいか」

一方「虫避けスプレー使うか?」

土御門「お、さんきゅ」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:37:43.40 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「なんだったんだろ、さっきの人……あ、お礼言うの忘れてた」

佐天「それにしても―――そっか。あれが、蟲、なんだ」

佐天「……蟲なんて、どうにでも出来ると思ってたけど。その辺りにいる、下等生物としか思ってなかったけど」

佐天「……」ゾクッ

佐天「……怖かった。ああ……ぅ、ぁ、っく……こわかったよぅ……」




佐天が沖つ宮に沈むようです おわり

さぁーて読んでくれてる人少なそうなんで安価はちかめの>>65



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:39:46.68 ID:dkCv1y/b0

全力支援だけど、蟲師あんまりよく知らん
st



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:47:05.35 ID:AAouvetnQ

蟲師よく覚えてないや
生みなおしの話とかあったっけ、あれ書いてみてほしい



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:51:28.31 ID:LVlpCW9/0

御坂妹「……ふむ」

御坂妹「他の妹達と差をつけるために、何か技能を身につけるべきだとミサカは熟考の末至りました」

御坂妹「女らしさ、そして大和撫子さを演出するためには、?華道?茶道?書道の三択しかありません、とミサカは案を提示します」

御坂妹「そしてこの中からミサカが選び出すのは―――書道でしょうね、とミサカは選択します」

御坂妹「何せ華道、茶道は見せるための舞台や道具が必要となりますが、書道でしたら手紙という形でもっとも自然にかつ簡単に
     技能をアピールできます、とミサカは考え抜きます」

御坂妹「というわけで、さっそく初めてみましょう。まずは簡単な字から―――木、日、と」さらりさらり


木「」 にょきにょき

日「」 さんさん


御坂妹「」



御坂妹「字を書いたらいきなり動きだしました、とミサカはあり得ない現実を受け止めます」



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 21:55:01.32 ID:LVlpCW9/0

御坂妹「待って、すとっぷ、何これ、とミサカは狼狽します」

日「」さんさん

木「」にょきにょき

御坂妹「あああさらに成長してます、とミサカは木の枝ののびっぷりに驚愕します」

木「」にょき……しなっ

御坂妹「あ、しなりはじめました……なるほど、確かに水もなく日を浴びていれば枯れるのは当然ですね、とミサカは納得します」

御坂妹「でしたら、」

雨「」ざああああ

御坂妹「あわわわ紙がびしょぬれに……あ、字が潰れたら何もかも元通りになりました、とミサカはぐしゃぐしゃに滲んだ字の痕を確認します」

御坂妹「しかし、これは一体なんなのでしょうか……とミサカは首をひねります」



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:01:08.29 ID:LVlpCW9/0

―――

御坂妹「あれからいろいろな字を試してみましたが、どうやら象形文字は動きだすようですね、とミサカは試行錯誤の末結論を打ちだします」

御坂妹「まさか鳥が飛びまわったり、魚が跳ねたりするとは思いませんでした……とミサカは、それらは潰してしまえば墨に戻ったことも忘れず付け加えておきます」

御坂妹「そしてここでひとつの可能性を提示します。象形文字とは元々が絵―――つまり、これは絵を実体化させるものでは?」

御坂妹「というわけで、いざ試してみましょう、とミサカは絵心がないままにイヌの絵を描いてみます」サラリサラリ


イヌ「にゃぁーん」


御坂妹「ほう……これはこれは」

イヌ「にゃぁーん」

御坂妹「ふふふ、イヌなのににゃぁーん……にゃぁーん」

イヌ「にゃぁーん」

御坂妹「にゃぁーん」



美琴「……何やってるのよアンタ」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:04:04.33 ID:LVlpCW9/0

御坂妹「おや、これはお姉さま、とミサカはああそういえば今日はお姉さまと合う約束をしていたのだなぁと今更ながら思い出します」

美琴「コイツは呼び出しておいて……それより、何それ」

イヌ「にゃぁーん」

御坂妹「イヌです」

美琴「いや、そうじゃなくて。何、どっかの新製品?なんでこんな立体感ないのが動いてるの?」

御坂妹「それがミサカにもよくわからないのです、とミサカは突然宿った自分の能力に戸惑います」

美琴「能力?」

御坂妹「ええ、かくかくしかじか」

美琴「まるまるうまうま……にわかに信じられないけど」

御坂妹「でしたら、そうですね……羊、とミサカはさらりと筆をすべらせます」


羊「」めぇー


美琴「」



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:06:57.14 ID:LVlpCW9/0

美琴「え……えっ?」

御坂妹「さぁアナタの役目は終わりです、とミサカは筆で羊を塗りつぶします」

羊「」めぇ

美琴「え……えー?」

御坂妹「と、このように象形文字および絵を描くと、それが現実となる能力なのですが、とミサカは己の才能に戦々恐々します」

美琴「……ちょっと待っててね」




ソラハアオイヨネーキミガホホエンダー

佐天「はい、もしもし……ああ、御坂さん。え?はい、大丈夫ですけど……はい、はい、わかりましたー」



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:11:27.93 ID:LVlpCW9/0

―――。

佐天「どうもっ」

御坂妹「どちら様でしょう、とミサカは突然現れた黒髪ロングの地味っ子名前を問います」

佐天「その言い方だと■■さんと被るからやめて。佐天涙子だよ、初めまして妹さん」

美琴「悪いわね、突然来てもらって」

佐天「いえいえ。それで、何ですか?」

美琴「まぁ、ちょっと見てみて」



御坂妹「さらりさらり」

弓「」ギリギリ

矢「」ヒュンッ

佐天「うあっはぁ!?」

美琴「ちょ、アンタ何してんの!?」

御坂妹「何と言われましても、言われたとおりにしただけですが、とミサカはまさか矢が飛び出して佐天涙子の頬を掠めるとは思っていなかったことを付け加えます」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:14:31.62 ID:LVlpCW9/0

佐天「うへぇ……何今のー」

御坂妹「かくかくしかじか」

佐天「まるまるうまうま……はぁ、なるほど」

美琴「どう?蟲、ってやつの仕業?」

佐天「いや、これはそうじゃないみたいですけど……」

御坂妹「蟲とはなんですか?とミサカはたずねます」

佐天「かくしか」

御坂妹「まるうま。なんと、とミサカは驚愕をあらわにします」

美琴「言ってることは本当よ。私もお世話になったし」

佐天「でも、この能力は蟲じゃないですよ。えっと、ちょっと待ってください……なんだかあと少しで、いろいろ思い出せそうな……」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:19:08.67 ID:LVlpCW9/0

佐天「―――あ。思い出した。思い出しました。その能力のこと」

美琴「思い出す?」

佐天「ん、まあ言葉の表現はどうでもいいとしてですね……結論から言うと、それを治す術はありません」

御坂妹「……ということは、ミサカは一生字が書けないということになるのでしょうか?とミサカはたくらみが一日以内で破綻してしまったことに肩を落とします」

佐天「いえ、そんなことはないですよ。ためしに左手で書いてみてください」

御坂妹「左手、ですか?とミサカは慣れない手で字を―――?不思議と違和感がありません、とミサカは利き手でないにもかかわらず普通に字が書けることに驚きます」

美琴「ああ、それは私がもともと左利きだったからね。いろいろ不便だったから右ききに直したけど」

御坂妹「なるほど……あ」

佐天「どうですか?実態化しませんよね」

御坂妹「ええ、鳥も魚も飛びまわりません、とミサカは当たり前のことを口にします」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:24:08.84 ID:LVlpCW9/0

―――

佐天「―――とまぁ、そういうわけで。これから右手では字や絵は描かないでください」

美琴「確かに。あんな不思議な能力が研究所に知られちゃったら、何されるかわからないわよ。物質創造能力なんて、第二位の領分じゃない」

御坂妹「ミサカも実験所に隔離されるのは嫌なので、おとなしく指示に従うことにします、とミサカは右手を封印します」

佐天「すみません、これくらいしか力になれなくて」

美琴「ん、こっちこそ呼び出してごめんね」

御坂妹「しかしこれは、華道と茶道のどちらかをマスターするしかないようですね……とミサカは案を練り直します」

美琴「ん?案?」

御坂妹「あ、いえ、なんでもありません、とミサカはあの人の気をひくためにいろいろ画策していることを知られまいと誤魔化します」

美琴「……妹達って不便よねぇ」

御坂妹「いえいえそれほどでも、とミサカは素直になれないよりはマシだぜと開き直ります」

美琴「あははは」

御坂妹「ふふふ」

佐天「なにこれこわい」



86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:27:45.52 ID:LVlpCW9/0

――――。

―――――――。


――――――――――。

「ん……どこ、ここ。夢?明晰夢?」

そんなことないぞよ

「……だれ?」

だれといわれても
なまえなどないが
こうみゃくとでもいえばわかるか

「……光脈。ああ、なるほど、つまりこれは、蟲の宴みたいなものなんだ」

なつかしいなそのなまえも
もうなんびゃくねんときいていなかったよびなだ

「それで、光脈がなんの用さ」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:32:01.53 ID:LVlpCW9/0

いやなに
れいをしておこうとおもってな

「……妹さんの右手のこと?いいよ、終わったことだもん―――それに」

それに

「こうして、向かい合ってわかった……この蟲の知識は、あんた達がくれてるんだね」

―――

「どっからわいてきてるのかさっぱりだったけどさ……蟲師が、狩守家が、光脈になにかをたくしたってんなら話はわかるよ」

―――

「それがどうして私だったのかは知らないし、どうして今頃になって光脈がここにのぼってきたのかわからないけど、いいよ、わかった。
 それが私の役目だっていうんなら、それを全うしてみるのもいいと思う」

―――
いまおきていることはいちぶをのぞいてわすれてしまうことだけつたえておく

「え?なんで?」

つぎがおまえか
まだはんだんしかねるからだ



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:36:10.55 ID:LVlpCW9/0

「?次?判断?」

さて
れいだけしておこうか

「え、ちょっとま―――」



佐天「―――ん、ぁ……朝、か」

佐天「う、なんか疲れたなぁ……変な夢見てたのかな」コツン

佐天「ん……なにこの、えっと、ひょうたん?」チャポッ

佐天「?なんか入ってる……って、これは―――えっと、確か……ああ、そうだ、光酒、光酒だ」

佐天「って何で光酒がここに……?わっかんないなぁ、寝てる間になーんかあったような気がするんだけど……」

佐天「……まぁ、いっか」



御坂妹は緑の座に立たなかったようです おわり

のんびり進行すなぁ。こんな感じでよいのかしら。おれもレンズは好きです。>>92



91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:41:19.28 ID:TjLZsANy0

一話がちゃんとまとまってて素敵
おれもウロよみたい



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:43:58.70 ID:RUa8X1ZMO

佐天さんにも蟲煙草ふかして欲しいなst



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:48:27.64 ID:AAouvetnQ

じゃあ>>70
即興でこのクオリティーは凄いな



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:55:27.02 ID:LVlpCW9/0

佐天「なんか昼寝してたら『蟲タバコ』って蟲払いの道具の作り方を思い出したわけで」

佐天「ちょっと作ってみた」

白井「たばこ?風紀委員として未成年の喫煙は見過ごせませんのよ」

佐天「いや白井さん、これは普通のたばことちがって、んーそうですね、出がらしを筒状に巻いたようなものですから、違法ではないですよ」

白井「そうですの?」

佐天「そうです。それにこれが上手くできてれば、今後蟲の被害にあった時に白井さんたちでもなんとかできるようになるかも」

白井「ふむ……そういうことでしたら、どうぞ」

佐天「わーい、それじゃさっそく……ごふぅっ!?」

白井「!?だ、大丈夫ですのっ!?」

佐天「げほっ、う、ごほっ……な、なにこれっ……ゾンビ味!?」

白井「どんな味ですの……」

佐天「STOのマスターの秘伝栄養ドリンクみたいな?と、とにかく、これは無理!ぜったい無理!」


おわり
>>93えっと、ごめん、生みなおし、つまり沖つ宮は二話目なんだ……わかりにくいけど。佐天さんはそこで蟲の恐ろしさを知りました。
さて、次は>>95



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 22:58:21.97 ID:ws4CFMKj0

スレタイだけで淫妖蟲余裕でした



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:04:11.15 ID:LVlpCW9/0

学園都市には海がないから、もうどうしようもなかった、すまねえ。

えっと、安価がエロゲだから、上であがってた虚繭の話でも書くか



99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:08:02.19 ID:LVlpCW9/0

佐天「はぁー、実習で自然公園ねぇ」

初春「薬草とかの名前を覚えるのは実際に生えてるところを見るのが一番だとか、そういう理由らしいですよ?」

佐天「なんで薬草?」

初春「能力開発には薬物つかってますから。薬は植物からつくられるものもありますし。ねーお花ちゃん」

佐天「こやつ頭の花に話しかけておる……」

初春「基本的な草花だけですから、そう難しくはありませんよ。それにほら、佐天さんいつも『机の前に座ってるだけが授業じゃない!』って言ってた
    じゃないですか。主にテストの点数が悪かった時に」

佐天「う……そりゃそうだけど」

初春「ほらほら、そろそろ実習のミソ、植物採集ですし。ちゃんと先生の説明聞いとかないとどれがどれだかわからなくなりますよ」

佐天「はぁーい……」



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:10:14.51 ID:LVlpCW9/0

―――。

初春「さっていきましょうか佐天さん!」

佐天「なんでそんなに張り切ってるのさ……」

初春「ふふふ、だって植物さんたちと触れ合えるんですよ?喜ばないでいられませんっ!」

佐天「さいですか。ま、この調子なら初春にくっついていけば問題なく採集できそうだけどね」

初春「ふふふー腕がなりますよー」

佐天「(あ、産土。学園都市にも居るんだ)」

初春「ほらほらーおいてきますよー佐天さーん」

佐天「って早っ!?もうあんな森の中に!?まってよ初春一人でいくと危ないよー!」



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:15:49.47 ID:LVlpCW9/0

佐天「ったく、初春ったら……」ぐにょんっ

佐天「ひぃっ!?」ビクッ

佐天「な、あ……び、びっくりしたぁ。ウロがわいたむしこぶか……って、うそっ、ウロまでいるの?危ないかも……」

初春「さてんさーん!こっちですー!」

佐天「あーはいはいわかったってば!もうちょっとじっとしてなさい!」

―――。

初春「いやーたのしかったですね佐天さん!」

佐天「私は疲れたよ……先生もちょっと引いてたじゃん。あんなにいろいろとってくるから」

初春「でもこれで成績はばっちりですよ?」

佐天「何言ってるんだか……とってきた植物を標本にして、名前を覚えなきゃいけないんだよ?初春が余計なものまでとってくるから
    覚える量すっごく増えちゃったじゃん」

初春「むぅ……楽したぶんそれくらいはしましょう」

佐天「そりゃそうかもしんないけどさっ」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:21:21.18 ID:LVlpCW9/0

――――。

佐天「ふぅ……さすがに30種もあると吸水紙で挟むのも大変だね」

pllllllllllpllllllllll

佐天「ん、お電話か……もしm」

美琴『佐天さんっ!!黒子知らない?!』

佐天「うおあっ、み、御坂さん?どうしたんですか?」

美琴『あ、あのね……』



―――。


佐天「……なるほど。わかりました。それは蟲の仕業ですね」

美琴『え……?』

佐天「場所は、その自然公園でしょう?そこにはウロが―――ああ、くそっ、どうしよ……それは、すっごく不味い状況ですよ……」

美琴『え……え……?』

佐天「とにかく、今から自然公園に行きますから。御坂さんも来てください」

美琴『う、うん』



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:25:55.35 ID:LVlpCW9/0

回想

白井「そろそろ暑くなってくる時期ですの」

美琴「そうねー。でも初夏の風って気持ちいいわよね」

白井「気持ちいいことでしたら黒子が毎晩お手伝いしますのよおぶっ!?」

美琴「アンタはいいかげんその変態グセを直しなさいっ!!」

白井「だ、だからといって足払いをしたあとゴミ箱を被せるのはどうかと思いますの!?」

美琴「何も入って無かったんだからいいじゃない」

白井「それはそうですけど―――」

美琴「だいたいね、アンタは自分のことを淑女っていうけどレディは公園で夜の営みの話なんか―――あれ?黒子?」

美琴「おーいくろこー?どこいったのー?」

回想終わり


美琴「ということがあって……」

佐天「これはひどい」



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:31:23.68 ID:LVlpCW9/0

美琴「電話も繋がらないし……いきなり消えちゃうなんて、今まで一度も……」

佐天「電話先でも言いましたけど、それがウロって蟲の仕業です。その、詳しくは言えませんけど……人を虚穴、ってところに飛ばしちゃうんですよ」

美琴「うろあな……?」

佐天「それが、その、すごく言いにくいんですけど……そこに迷い込んだら、もう」

美琴「……もう?」

佐天「……出てこられる可能性は、ほとんど無いんです」

美琴「……。」

美琴「……。で、でもっ。黒子は、ほら、空間移動使いだし!」

佐天「虚穴は次元としては少しずれたところにあります。たとえ11次元ベクトルをつかった能力だとしても、今現在の自分の座標がわからなければ、意味がないでしょう」

美琴「―――」

佐天「……信じられない、って顔してますね。ちょっと、こっち来てください」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:35:07.25 ID:LVlpCW9/0

佐天「あった……むしこぶ」

美琴「?こんな木が何って……佐天さんっ!?木に沈んで……?」

佐天「説明は省きますけど、ここ自体は危ないものじゃないですよ。ほら、御坂さんも手を」

美琴「う、うん……うぁ、なにこの感触」ぞぶっ


―――。


佐天「……これが虚穴、か。はは、初めて来たはずなのに、なんだか懐かしいや」

美琴「この狭いところに黒子が?」

佐天「ここは端っこですよ。もう少し進みます」



112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/29(水) 23:41:28.47 ID:LVlpCW9/0

美琴「……」

佐天「(言えない……御坂さんが密室を作ったせいで白井さんが飛ばされたなんて言えない……)」

佐天「(それにしても、どうしよう……たしか、虚穴は長居すると記憶を失うらしいし、時間はあんまり無い、か)」

佐天「(とは言っても、見つける手立てなんて全く無いし……)―――っと、つきました。大虚です」

美琴「大虚……?」


美琴「―――なにこれ」

佐天「これが大虚。こっから、さっき通って来たみたいな道へ何十、何百と分かれていきます。そしてそれらが出口に繋がっている可能性は低くて、その、
   なんていうか……つまり、」

美琴「……嘘よ。だって、こんなの」

佐天「……上下左右、いったいどこまでこの暗闇が続いているか検討もつきません。迷い込んだら最後、二度と出てこられない、と言っても過言じゃありません」

美琴「……なんで、」

美琴「なんで、佐天さんはそんなに淡々としていられるの……?」

佐天「え……?」



119:さるめ……久々に我を怒らせたな、雑種ー!:2010/09/30(木) 00:16:23.83 ID:DIGNS6ya0

美琴「さっきから、黒子はもう助からないってことばかり……なんで?友達なのに、なんでそんなことばっかり言うのよ!」

佐天「(……そういえば、確かに)」

美琴「私は行くわよ。何があっても、黒子を探し出してみせるから」

佐天「……っ!ちょ、待ってください!無理です、無作為に探したところで絶対に見つかりません!」

美琴「離してよ!だって、こんなわけのわからないことで黒子を……!」

佐天「(う、まず……このままじゃ本当に御坂さんいっちゃう……)」

佐天「……わ、私に考えだあります!だから一旦退きましょう!」

美琴「考え……?」

佐天「はい、ですから一回出ます。その後にちょっとやってもらいたいことがあるんです」



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 00:21:43.35 ID:DIGNS6ya0

―――。

美琴「―――あった!これでしょ?」

佐天「ああ、はい、これです。というかこの公園に蚕住んでるんですね……」

美琴「それを、どうするの?」

佐天「ん、まぁ、ちょっと待っててください」



佐天「ねえ、聞こえてるでしょ?」

ウロ「」カサカサ

佐天「あのさ、あんた達の仲間に私の友達が連れてかれちゃったんだけど、返してくれない?」

ウロ「」カサカサ

佐天「え?無理?大虚は結果として出来ただけであんた達も中身がわからない?」

ウロ「」カサカサ

佐天「……まぁ、しょうがないか」



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 00:25:21.23 ID:DIGNS6ya0

佐天「駄目でした」

美琴「えっ」

佐天「ウロに頼んだんですけど、彼らもわからないって」

美琴「……」



滝壺「……北北東から信号をきゃっちした」

浜面「はい?」

絹旗「またいつもの超AIMですか」

滝壺「行かなきゃ……デウスエクスマキナ役として」

浜面「あの、滝壺さん?いったいなにを……」

滝壺「浜面、バイクだして。はやく。はりーはりー」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 00:29:53.93 ID:DIGNS6ya0

美琴「離して!お前を殺して私はいく!」

佐天「駄目ですって!落ちついてください!まだ何か方法を……」

美琴「そんな悠長なこと言ってられない!」

佐天「ああもうっ!元はと言えば御坂さんのせいでこうなったんですから!ちょっとは自制を―――あ」

美琴「……え?」

佐天「しまった……」

美琴「わたしの、せいって……佐天さん、どういう―――」

佐天「……その、実は、ウロってのは密室に発生して、密室が破られた時に消える蟲なんです。
    そしてもしその密室にほかの生き物が居た場合、それもつれて消えちゃうんです」

美琴「……は。何、それ。それじゃ、私のせいで、黒子は―――」

佐天「……大変申し上げにくいのですが」

美琴「……は、はは。あはは―――ああああああああああっ!!!」

佐天「うおあー!?」



滝壺「急いで急いで」

浜面「これでも飛ばしてるんだよ!!」



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 00:32:44.67 ID:DIGNS6ya0

御坂「あ、あああ、あああああ!!」

佐天「ちょ、あぶなっ、うわっ、びりっときたぁっ!?」

御坂「私のせいで私のせいで私のせいで……!!」

佐天「ぅわみさかさんっょぃ」



浜面「うおっ、なんだありゃあ……」

滝壺「懐かしいAIM。あの時は、まだ―――」

浜面「ん?どうかしたか?」

滝壺「―――ううん、なんでもない。今も、凄く幸せだよ」ぎゅっ

浜面「……なんだかわかんねぇけど、そりゃよかった。ほら、着いたぞ」

滝壺「うん、ありがと。ちょっと待っててね」


絹旗「サイドカーの私は超蚊帳の外です」イライラ



131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 00:36:42.40 ID:DIGNS6ya0

※この滝壺さんは訓練された滝壺さんなので体晶無しでAIMストーカーが使えます。


美琴「ああ、ああああ―――あ?」

佐天「……?と、とまった?」

滝壺「久しぶり」

美琴「……アンタは」

佐天「え、何、お知り合い?」

滝壺「昔にちょっと。それより、今困ってることがあれば助けになれるけれど」

佐天「急展開すぎてちょっと待って」


―――。


佐天「なるほど、AIMストーカー」

美琴「確かに、それがあれば……」

滝壺「正確な範囲はわからないけれど、微弱なものならなんとなくの方角がわかるから」

佐天「よし、協力してください滝壺さん」

滝壺「デウスエクスマキナ役として勿論」



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          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年10月07日 07:05
          • 蟲師だと!?
          • 2.  
          • 2010年10月07日 09:07
          • この蟲野郎!!
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年11月12日 23:34
          • 蟲師のあのなんとも言えない雰囲気が好きなのに・・・・
            これは淡々としすぎ
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年12月13日 18:51
          • これはこれで

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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