唯「ブーンブンシャカブブンブーン♪」澪「ひゃぁ!!///」ピクンッ

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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:09:20.92 ID:/gJPAVT1O

唯「どうしたの、澪ちゃん? 突然大きな声で」

澪「い、いや、何でもない……」

澪(ななな、何が起こったんだ?)



唯「ふーん、変なの~」

唯「ブーンブンシャカブブンブンブーン♪」

澪「ひゃはぁぁっ!!///」ピクピクッ

澪(この感覚、自分の部屋でオn……あ、あんな事してる時と同じだ!)



律「ほほう……」ニヤリ



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:12:25.11 ID:/gJPAVT1O

唯「もうっ、澪ちゃん!」

澪「うぅ……」

唯「人が気持ちよく歌ってる時に邪魔するのはマナー違反だよ!」プンスカ

澪「す、すまん、唯……」

紬「唯ちゃん、さっきから歌ってるその曲は何なの?」

唯「『ミツバチ』って曲だよ、私のなかで最近のベストヒット!」

紬「なんだか口ずさむだけで楽しくなっちゃう素敵な曲ね!」

梓「……唯先輩、ムギ先輩、それ皮肉じゃなくて本気ですか?」

紬「もちろんよ、ブーンブンシャカブブンブーン♪」

澪「はうんんんんん!!///」ピ-ンッ

澪(とうとう、イってしまった……)ハァハァ




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:14:54.51 ID:/gJPAVT1O

唯「んもうっっ!!」プンスカ

澪「あ、ご、ごめん……」ハァハァ

梓「澪先輩……?」

紬「澪ちゃん……?」

澪「……ちょっと、トイレに行って来る」ガタッ

律「あっ、私も行く~」ガタッ

スタスタ

律「それで、さっきからどうしたんだ、澪?」ニヤニヤ

澪「くそっ、律……」ハァハァ

律「まさかとは思うけど、さっきの呪いが本当に……」ニヤニヤ

澪「そ、そんな訳ないだろっ!」




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:18:25.38 ID:/gJPAVT1O

昼休み!

律「……あそこにいるの、オカルト研の人じゃないか?」

澪「あっ、本当だ」

律「どーもどーも、学園祭の時はありがとう」

オカ研1「……こんにちは」

律「今は何してんだ?」

オカ研2「世界各地の呪いについての考察、まとめていたところ」

澪「の、呪い!?」ビクッ

律「おー、どうした澪。怖いのか?」

澪「そそそ、そんな訳ないだろ。呪いなんてないさ、呪いなんてうそさ」

律「『おばけなんてないさ』ってか……。さっそく逃避に入ったな」

オカ研1「……嘘、じゃない」




6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:21:42.02 ID:/gJPAVT1O

律「あー、ごめんな。気を悪くしないでくれ。澪は幼稚園児並みの怖がりだからさ」

澪「何だよ、その言い方! わ、私は別に怖いんじゃなくて、そんなもの信じてないだけで」

オカ研1「……呪いは実在する」

オカ研2「どうしても信じないと言うならば、その存在を証明してみせる」

律「証明するって、どうやって?」

オカ研1「……秋山澪、あなたを呪う」

オカ研2「実際に呪いをかけて、その効力を身をもって知ってもらう」

澪「えぇっ!?」

律「おいおい、大丈夫なのか!?」

オカ研1「……大丈夫」

オカ研2「あなたにかけるのは、一番軽い効力の呪い。魂も穢れないし、すぐに解ける」




7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:25:06.84 ID:/gJPAVT1O

律「うーん。よくわからないけど、お試し感覚のかる~い呪いなんだな」

オカ研1「……そう」コクリ

律「それならいいんじゃないか、澪。かけてもらおうぜ」

澪「へっ!?」

律「呪いなんて信じないんだから、かけられても平気だろ?」ニヤニヤ

澪「ももも、もちろん! 呪いなんて迷信に決まってる!」

律(こいつはどうしてオカルト研の前でそういう事を言っちゃうかな……)

オカ研1「……そう」ムスッ

オカ研2「わかった。これから実際に呪いをかける」

律「イェーイ、やっちゃってください!」パチパチ

澪(もう、後には引けなくなっちゃったーーー!)




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:28:54.44 ID:/gJPAVT1O

オカ研1「汝、悦楽に溺れし弱き者の……」ブツブツ

オカ研2「愚かなる人間の魂を喰らいて……」ブツブツ

律(なんか呪文のようなものを詠唱していらっしゃる……)

澪(さっき髪の毛を抜かれて、ちょっと痛い……)

オカ研1「……ふぅ」

オカ研2「終わった。秋山澪には呪いがかけられた」

澪「ひぇっ!」ビクビク

律「お疲れ様、どんな呪いなんだ~?」

オカ研1「……快楽天と呼ばれる呪い」

オカ研2「言霊によって、秋山澪は悪魔の快楽に身体を蝕まれる」

律「ふむふむ、その言霊ってのは何だ?」

オカ研1「……呪文のようなもの」

オカ研2「ある種の言葉には霊力が宿る。鍵となる言霊は、」




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:31:05.33 ID:/gJPAVT1O

再び放課後!

律『Bu~n』

澪「ひぃっ!?///」ピクンッ

律「……って聞くと、全身を快感が駆け巡る。そんな呪い、ある訳ないよな?」ニヤニヤ

澪「……そ、そんなもの、ある訳ないだろっ!」

律『Bu~n』

澪「はぁっ!?///」ピクピク

律「あはははは。澪の反応、面白いなぁ~」ニヤニヤ

澪「く、くそっ……」ハァハァ

律「安心しろよ、10日も経てば自然に呪いが解けるって言ってたし」

澪「10日って、結構長い……」




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:34:16.44 ID:/gJPAVT1O

律「さて、トイレに着いた」

澪「……」

律「どうした、早く済ませてこいよ?」

澪「へ、変な事するなよ」

律「何もしないって、さぁさぁ」

澪「うぅ……。大体なんで、トイレまでついて来るんだよ」

バタン

律「……」

澪「……」

律「ガンバンベ! 踊れミツバチ、Hey♪」

ガチャ

澪「やめろぉっ、その先を歌うなぁっ!!」

律「きゃはっ、冗談だよ、冗談!」




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:37:47.88 ID:/gJPAVT1O

紬「……あっ、2人とも帰って来た」

唯「トイレタイムが長すぎだよ~」

律「悪い悪い、澪がすっごい便秘でさ~」

澪「そうやって根も葉もない話ばっかりするな!」ゴチン

律「はべっ!」

梓「それより澪先輩、律先輩。どうか唯先輩とムギ先輩を止めてください」

澪「ん、何かあったのか?」

梓「次のライブで『ミツバチ』を演奏するって言い出して……」

澪「なにぃっ!?」

唯「いいじゃん、やってみようよ~」

紬「他のアーティストの曲をカバーするのも楽しいわよ?」

梓「カバーはいいですけど、よりによってあんな酷い曲じゃなくても!」




17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:40:39.54 ID:/gJPAVT1O

律「いいんじゃないか、私は賛成~」ニヤニヤ

澪「り、律っ!」

律「実は私もあの曲が大好きなんだよね~」ニヤニヤ

澪「お前、昨日まで『糞曲だ』ってボロクソに批判してたじゃないか!」

唯「りっちゃん隊員もわかってくれますか、この素晴らしさを!」

紬「それじゃあ早速、今日から練習してみましょうか!」

梓「そ、そんな……」

澪「だ……」

律「だ?」

澪「ダメぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」バンッ

律「うわっ、澪がキレた!」




19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:42:59.47 ID:/gJPAVT1O

澪「ヤダ、ヤダ、ヤダ! 私は絶対に認めない!」ウルウル

律(目に涙を浮かべて、どんだけ必死なんだ……。って、当然か)

唯「えー、いーじゃん、やろうよー。ブーブー」

澪「あふぅ!!///」ピクンッ

律(あっ、唯のブーイングに反応した。不完全でも言霊に認識されるんだな)

紬「私も、ブーブー!」

澪「はぁん!!///」ピクッピクッ

律(ムギ、えらい楽しそうだけど、本当にブーイングの意味わかってるのかな?)

梓「澪先輩、さっきから様子がおかしいですけど、大丈夫ですか?」

澪「と、とにかく、私は反対だからな……」ハァハァ

律(涙目で顔を真っ赤にした澪の表情、エロいなぁ)




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:45:58.17 ID:/gJPAVT1O

唯「澪ちゃんがそういう態度なら、私だって意地を張っちゃうよ!」

梓「唯先輩、何をする気ですか?」

唯「これから何の曲をやっても『ミツバチ』の詞で歌うからね、私!」

梓「……はぁ?」

唯「スタンバイOK、行くよギー太!」

澪「……な、何を?」

唯「ブーンブンシャカ、ブーンブンシャカ、ブンブン♪」ジャンカジャンカ
 (キミを見てると、いつもハート、DOKI☆DOKI)

澪「あふあぁっ!!///」ピクンピクンッ

唯「ブーリブリチャカ、ブーリブリチャカ、ビガッビガッ♪」ジャンカジャンカ
 (揺れる思いは、 マシュマロみたいに、ふわ☆ふわ)

澪「ひゃうんんんっ!!///」ピ-ンッ

律(あっ、澪がまたイったみたいだな)





272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:19:26.62 ID:+hlkp5iv0

>>20
唯「ブーンブンシャカ、ブーンブンシャカ、ブンブン♪」ジャンカジャンカ
 (キミを見てると、いつもハート、DOKI☆DOKI)

唯「ブーリブリチャカ、ブーリブリチャカ、ビガッビガッ♪」ジャンカジャンカ
 (揺れる思いは、 マシュマロみたいに、ふわ☆ふわ)

当てはめて歌うとピッタリでわろたwww





21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:48:05.16 ID:/gJPAVT1O

梓「唯先輩、本当にやめてください。私たちの思い出を汚されたみたいで悲しいです」

唯「だってみんなが賛成してくれないんだもん~」

紬「これ、なんだか斬新で面白いかも!」

唯「でしょでしょ!?」

律「……なぁ、澪」

澪「あ、うー?」ハァハァ

律「まともに喋れないほどイきまくったか」

澪「そ、そんにゃこと」ハァハァ

律「いいか、お前が助かるには、唯たちに本当の事を話すしかないと思うぞ?」

澪「……」ハァハァ




22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:50:14.17 ID:/gJPAVT1O

唯「えーと、曲名は『ふわふわ時間 ~ミツバチver.~』かな」

紬「あと『わたしの恋はホッチキス ~ミツバチver.~』もいい感じね」

梓「唯先輩、ムギ先輩、私の話を聞いてましたか!?」

律「……あの調子だと、これから毎日のようにブンシャカ地獄になるぜ」

澪「はうっ」ピクッ

律「素直に呪いの存在を認めて、正直にお願いした方がいいんじゃないか?」

澪「わ、わかったよ……」

律「よしよし、いい子だ」ナデナデ

澪「うぅっ……」

律「さぁさぁ、みんな注目! ちょっと聞いてほしい事があるんだ!」

唯「ほえ?」




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:56:20.38 ID:/gJPAVT1O

律「……という訳で、澪には今、呪いがかけられてるんだ」

澪「だからお願いだ、本当に『ミツバチ』だけは勘弁してほしい」グスッ

紬「そういう理由があるなら、無理にとは言えないわね」

唯「えー、でも……」

紬「唯ちゃん!」

唯「……わかったよ。澪ちゃんの呪いが解けるまで我慢する」

澪「ありがとう、みんな……」ホッ

律「これで快感地獄から救われたな、澪」

梓「でも律先輩、澪先輩が悶絶するのを見て楽しんでたんじゃないんですか?」

律「いやー、なんか澪が苦しそうだからさぁ。かわいそうに思えてきちゃって」

梓「……律先輩、手ぬるいです」ボソッ

律「……えっ、何か言った?」

梓「いえ、何も」ニコッ




25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 21:59:28.49 ID:/gJPAVT1O

澪「じゃあ練習しようか。『ミツバチ』じゃない、普通の曲な」

律「えーっ、もうちょっと休憩しようぜ。学園祭も終わったんだし」

澪「学園祭が終わっても、卒業しても、このバンドは続いていくんだぞ」

律「……何だよ、そんな普通にいい話しやがって」

澪「こういう時こそ、ちゃんと練習する事が大切なんだ」

紬「うん、わかった。食器を片付けたら練習に入るわ」

澪「ありがとう。私は先に始めてるよ、今日はまだ一度も弾いてないんだ」

ブォ-ン

澪「ひゃぁっ!!///」ピクンッ

紬「澪ちゃん、どうしたの?」

澪「い、いや、何でもない……」

律「今の反応、まさか……」




27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:04:48.34 ID:/gJPAVT1O

澪「も、もう一回、弾いてみよう……」オソルオソル

ブォ-ン

澪「きゃふぅっ!!///」ピクピク

律「やっぱり、そういう事か」

紬「りっちゃん、何が起こってるの?」

律「どうやらベースの音が『Bu~n』の言霊として認識されちゃうみたいだ」

紬「つ、つまり?」

律「澪がベースを弾くと、澪は限界までイき続けるって事だ!」

澪「そ、そんなぁ……」ヘナヘナ

唯「自分で自分をイかせるなんて、まるでオn」

律「唯、その先は言わない方がいいと思うぞ」




29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:07:56.12 ID:/gJPAVT1O

澪「これじゃ、練習なんてとても出来ないよ」

梓「えっ、練習しないんですか? 澪先輩らしくない」

澪「……梓、一連の流れを踏まえてそれ言ってる?」

律「そうだな、今日はなんか凄くみんなで練習したい気分だ!」ニヤニヤ

澪「律、お前は普段そんな態度じゃないだろ!」

紬「キーボード、準備できました」

唯「こっちもOKだよ、あとは澪ちゃんだけ!」

澪「……う、」

律「……う?」

澪「うわああああああああん!!」ダッ

律「あっ、逃げた」

梓「今日はもう澪先輩で遊べませんね」

律「梓、今『で』って言った?」

梓「いえ、別に」ニコッ




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:12:30.07 ID:/gJPAVT1O

翌朝!

澪「うぅ、昨日は酷い目にあった……」

唯「澪ちゃん、おはよ~」

澪「唯か、おはよう。今朝は遅刻ギリギリじゃないんだな」

唯「その言い方、まるで私がいつも遅刻ギリギリみたいな!」

澪「事実だろ……」

ガラッ

姫子「おはよう」

唯「あっ、姫ちゃんだ。おはよ~」

澪「立花さん、おは……」

唯「朝の掛け声は!?」

姫子「ブーンブンシャカ!!」

唯「ブブンブーン!!」

澪「よおぉぉっっ!?///」ピクンピクンッ




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:16:57.63 ID:/gJPAVT1O

姫子「澪ちゃん、どうしたの?」

唯「……そっか、澪ちゃんの前でブンシャカしちゃいけないんだった」

澪「はうっ」ピクピク

唯「ごめんね、澪ちゃん」

澪「あぁ、次から気を付けてくれると助かる……」

和「……何なのよ、今の一連のやり取りは」

唯「あっ、和ちゃん!」

和「まず唯と姫子の掛け声は何なのよ」

姫子「えーと、あれは、その」

唯「私と姫ちゃんは『ミツバチ』の絆で結ばれているんだよ!」

姫子「うん、まぁそんな感じ。ハハッ」

和「……もういいわ。姫子も今さら恥ずかしがらないでよ」

姫子「てへへ……」




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:22:12.95 ID:/gJPAVT1O

和「それと、澪はどうしたのよ。いきなり変な声を出して」

澪「うん、実は昨日……」

カクカクシカジカ

澪「……という訳なんだ」

和「随分とふざけた話ね」

唯「和ちゃんは呪いって信じないの?」

和「まぁ、存在は認めるわ。ただし正体は別のものよ」

澪「別のものって?」

和「霊的な力じゃなくて、一種の催眠術よ。だから安心していいわ」

澪「そうなのか?」

和「澪は思い込みが激しいタイプだから、暗示にかかっちゃったのね」クスッ

唯「ふーん……」

姫子(あっ、唯ちゃんが何か企んでる)




37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:29:20.78 ID:/gJPAVT1O

昼休み!

「○月×日△曜日、お昼の校内放送を始めます」

澪「さて、お腹が空いちゃったな。お弁当を食べよう」

「今日の1曲目は、3年2組田井中律さんからのリクエスト」

澪「へぇ、律が何かリクエストを出したんだ。海外のロックバンドかな?」

「遊助の新曲『ミツバチ』です。どうぞお聞きください」

澪「……」ガタッ

「38℃の真夏日、夏祭り。こんな日は♪」ワチャカナドゥ

唯「あれ、澪ちゃん。どこに行くの?」

澪「何処か、できるだけ遠く! この放送の届かない場所へ!」

「ガンバンベ! 踊れミツバチ、Hey♪」

澪「いやあぁぁぁ、ばあぁかあぁりいぃつうぅ!!!」




39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:31:42.91 ID:/gJPAVT1O

律「あれ、澪がいない。一緒に弁当を食べようと思ったのに。いちご、知らないか?」

いちご「さっき奇声をあげて教室を出て行ったわよ」

律「……はぁ、何だそりゃ?」

いちご「こっちが聞きたいわよ、異様な慌てぶりだったし」

律(例の呪い関連かな?)

いちご「それより、律。軽音部のくせにアンタ、音楽の趣味悪いわね」

律「いきなり失礼な事を言うな、おい!」

いちご「お昼の校内放送に、あんな糞みたいな曲のリクエストを出すなんて……」

律「……んっ、それ何の話?」

いちご「だから、今日の校内放送。律が『ミツバチ』のリクエスト出したんでしょ」

律「いや、私そんなの知らないぞ?」

いちご「……えっ?」




44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:34:45.22 ID:/gJPAVT1O

その頃!

憂「梓ちゃん、一緒にお昼を食べようか」

梓「うん、いいよ~」

憂「さっき校内放送で流れた曲、最近お姉ちゃんが大好きなんだ~」

梓「あぁ、遊助の『ミツバチ』ね」

憂「そうそう。ちょっと私は歌詞の意味がわからないんだけどね」テヘッ

梓「あの曲、私がリクエスト出したんだ」

憂「えっ、そうなの? でも確か、律さんのリクエストって言ってたような」

梓「私が律先輩の名前でリクエストしたの」

憂「なんでわざわざそんな事を?」

梓「んー、ちょっとしたイタズラ心だよ」

憂「そうなんだ。梓ちゃんがイタズラするなんて、意外かも」

梓「……」ニヤリ




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:35:15.74 ID:JVzuTrs4O

中野か





50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 22:42:22.19 ID:dYLUxDT8O

あずにゃんひでえw




57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 23:58:31.91 ID:BpuOAgXaO

気分のぶんに反応しなかったということは、あやふやな呪いか…





61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:42:15.25 ID:NPFDf/9yO

途中までだけど溜まった分を投下

>>57
気付かなかった、スルーして





62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:43:21.49 ID:NPFDf/9yO

澪「はぁ、はぁ、はぁ……」

澪「息が苦しい、校庭まで全力で走って来たからな……」

澪「まぁ、それだけじゃないけど……///」

「次の曲は、3年2組琴吹紬さんからのリクエスト」

「ベートーヴェン、ピアノソナタ第8番『悲愴』より、第一楽章」

澪「スーッ、ハーッ。スーッ、ハーッ」

澪「よし、深呼吸したら落ち着いた」

澪「……落ち着いたら、怒りがこみ上げてきた」

澪「律、絶対に許さないからな。キッチリ仕返ししてやる!」イライラ

澪「そうと決まれば、あの人たちに協力してもらおう!」




63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:44:40.23 ID:NPFDf/9yO

律「もうすぐ昼休みも終わりだというのに、澪が帰って来ない……」

紬「さすがに怒ったんじゃないかな、『ミツバチ』のリクエストは……」

律「だから、あれは私じゃないってば!」

ガラッ

律「あっ、澪!」

澪「おぉ、律か」ニッコリ

律「さっきの校内放送だけど、あれ……」

澪「あぁ、律のリクエストした曲が採用されて良かったな」ニッコリ

律「え、あ、うん……」

ポンポン

律(ひっ、頭!)

澪「おかげで楽しい昼休みを過ごせたよ、ありがとう」ナデナデ

律(……その笑顔が怖すぎます、澪さん)




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:46:11.66 ID:NPFDf/9yO

放課後!

澪「あっ、唯」

唯「澪ちゃん、どうしたの?」

澪「私、今日はちょっと部室に行くのが遅くなるから」

唯「うん、わかった」

澪「だからそれまで、好きなだけ『ミツバチ』を歌ってていいからな」

唯「……えっ?」

澪「唯は歌いたくて仕方ないのに、私に気を遣って歌えないだろ?」

唯「う、うん」

澪「私がいない間は、何の遠慮も要らないからな」

唯「……よくわかんないけど、ありがとう澪ちゃん!」




65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:50:21.09 ID:NPFDf/9yO

澪「……失礼しまーす」

オカ研1「……どうぞ」

オカ研2「あなたを待っていた。田井中律の毛髪は持って来た?」

澪「はい、これ! 頭を撫でるふりをして採取したんだ」

オカ研2「それは、自然な動作の中で採取できたという意味?」

澪「そうそう。誰が見てもバッチリ自然な、私と律の普段のやり取りだった」

オカ研1「……そういう事にしておく」

オカ研2「では早速、田井中律に呪いをかける」

澪「うん、お願いします。えーと、呪いの種類は確か……」

オカ研1「……エンゼルフェザーと呼ばれる呪い」

オカ研2「言霊によって、田井中律は天使の愛撫に身体を包まれる」

澪「ありがとう。それで、その言霊は……」




66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 00:58:37.44 ID:NPFDf/9yO

その頃!

律「やっぱり部室は落ち着くなぁ」ダラダラ

唯「卒業してもずっとここに住みたいねぇ」ダラダラ

紬「あっ、それ素敵! 毎日が学園祭の夜みたいになって!」

梓「本当に住み着かないでくださいね……。ところで澪先輩は?」

唯「何か用事があるみたい。遅れて来るって言ってたよ」

梓「へぇ、そうなんですか……」

唯「だから澪ちゃんが来るまでブンシャカやり放題なんだよ!」

紬「ブーンブンシャカブブンブーン♪」

律「ひゃっ!!」ビクッ

唯「りっちゃん、どうしたの?」

律「唯、変なところ触るなよ~」

唯「えっ、私は何もしてないよ?」

律「……あれ、マジで?」




68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:00:35.22 ID:NPFDf/9yO

紬「澪ちゃんが来るの遅くなるなら、先にティータイムを始めちゃおうか」

唯「うん、そうだね。紅茶とお菓子をお願いします、ムギちゃん!」

紬「わかりました~。しゃらんら、しゃらんら♪」

律「きゃははははっっっっ!!!!」ジタバタ

唯「ど、どうしたの、りっちゃん!?」

紬「なんだか楽しそうね~。しゃらんら、しゃらんら♪」

律「ひぃっ、ひぃっ、やめてぇぇっっ!!」ジタバタ

唯「……りっちゃんが笑い転げている」

梓「まるで狂っちゃったみたいな笑い方ですね」

唯「……あずにゃん?」

梓「いや、映画に時々出てくるじゃないですか。ダークナイトみたいな」




69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:02:34.88 ID:NPFDf/9yO

唯「おーい、りっちゃん。狂ったの?」

律「ち、違うっての、バカ……」ハァハァ

梓「顔も真っ赤だし、涙とよだれが溢れてますよ」

律「う、う、うるさい!」フキフキ

紬「紅茶の用意が出来たわよ~。しゃらんら、しゃらんら♪」

律「ム、ム、ムギ! それ、やめて、きゃはははっっっ!!!」ジタバタ

紬「えっ、私?」

律「そう、ムギが歌うと、全身がこそばゆくて仕方ないんだ……」ハァハァ

紬「歌……って、しゃらんら♪の事かな?」

律「そ、それそれぇぇっっ!!」ジタバタ

紬「あっ、ご、ごめん」

律「それを聞くと、まるで、身体中を誰かにくすぐられているような感覚が……」ハァハァ




71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:11:54.29 ID:NPFDf/9yO

唯「落ち着いてきたら、紅茶でも飲みなよ」

律「あぁ、ありがとう……」ズズッ

唯「ムギちゃん、今日のお菓子は何?」

紬「ラング・ド・シャーよ!」

律「きゃひひひひ、きた、来ちゃったぁぁっっ!!」バチャン

唯「うわっ、いきなり!?」

律「や、や、やめてぇぇっっ、助けてぇぇっっ!!」ジタバタ

梓「紅茶がスカートに溢れて、律先輩がお漏らししたみたいですね」

律「うる、ひゃい……」ハァハァ

紬「私、タオルを持って来るわ!」

律「おっ、お願い、ひまひゅ……」ハァハァ




72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:13:19.43 ID:NPFDf/9yO

唯「ねぇ、あずにゃん?」

梓「はい」

唯「この症状、やっぱりアレかな?」

梓「……呪いでしょうね。澪先輩の呪いとは、種類が違うみたいですが」

ガチャ

澪「やぁ、遅くなったな」ニッコリ

紬「澪ちゃん、りっちゃんが大変なの!」

澪「という事は、成功したみたいだな」

律「澪、お前、まさか……」ハァハァ

澪「悪いな、律。昼休みの仕返しをさせてもらったぞ」

律「だから私は無実だってばー!」

梓(面白くなってきた……)ニヤリ




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:15:04.69 ID:NPFDf/9yO

唯「澪ちゃん、これってやっぱり呪いなの?」

澪「その通りだ。私の呪いと同じように、一番軽くてすぐ解けるやつ」

律「すぐって言っても10日くらいだろ、長いって……」

澪「それは私だって一緒だ!」

梓「でも澪先輩の呪いと、効果がちょっと違う?」

澪「あぁ。エンゼルフェザーと言って、全身を天使の羽根で撫でられる感覚だとか」

律「私がくすぐり苦手だって知ってるから、それを選んだだろ!」

澪「あれー、そうだったっけ。忘れてたよ、ハッハッハ」

律「くっそー、澪めっ!」

澪「ちなみに鍵となる言霊は……」

梓「言霊は……」ゴクリ

澪『Sha』

律「また、また、やはははっ、やびゃいぃぃっっ!!」ジタバタ




77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 01:28:50.85 ID:DNsFlVdP0

梓「しゃーっしゃっしゃっしゃっwwwwwww」





80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 02:08:52.67 ID:mNKVpDUJ0

勝俣「しゃあーっ!」

龍騎「っしゃ‼」





84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 02:41:19.18 ID:5jsr7gmcO

亀田「ッシァァオラッッッ!」





89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 05:08:02.18 ID:kkWhs1780

>>84
何か違うから帰って良いよ






91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 05:20:39.30 ID:4ZxrY2lIO

Cagayake! の最後の方とかヤバいな





99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:32:06.31 ID:NPFDf/9yO

紬「りっちゃん、大丈夫? はい、このタオルを使って」

律「ありがと、ムギは私の天使だよ……」ハァハァ

紬「えへへ、どう致しまして」

律「まぁ今の私にとって、天使の羽根は凶器でしかないんだけど」

紬「えーと、喜んでいいの、私?」

律「このまま、やられっ放しのりっちゃんだと思うなよ?」

梓(律先輩の目に、復讐の炎がメラメラと……)

律「なぁ、唯!」

唯「ほえ?」

律「一番好きなコンビニは?」

唯「んーと、セブンイレブンいい気分♪」

澪「ひゃはぁぁっっ!?///」ピクンッ




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:33:57.78 ID:NPFDf/9yO

律「よし、ヒット!」グッ

澪「は、反撃、だと……」ハァハァ

唯「あわわ、やっちゃった。澪ちゃんごめん!」

律「……次は、そうだな、みんなで練習しようぜ!」

澪「なっ!?」

律「もうティータイム終わりだからな、早く準備しろ~」ニヤニヤ

梓(律先輩、普段からそんな姿勢だったらいいのに)

律「さぁ澪、ベースを持て! ドラムは準備万端だぞ!」

ドコドコチンシャ-ン

律「って、きゃはああぁぁっっ!?」ビクンッ

紬「どうしたの、りっちゃん!?」

律「……えっ、何だよ、これ」ハァハァ




101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:35:47.64 ID:NPFDf/9yO

澪「まさかとは思ったが、本当にそうみたいだな」

唯「えーと、どういう事なの?」

澪「楽器の音でも言霊として認識されるのは、知っての通りだからな」

唯「つまり……」

澪「おそらくシンバルの音が『Sha』の言霊として機能して、律の身体は……」

律「くすぐったひぃぃっっ!!」ジタバタ

澪「私に攻撃するつもりだったんだろ、自業自得だ」

梓「結局、自分だけ苦しい思いをするなんて。間抜けですね」

律「うぅっ、言いたい放題言いやがって……」ハァハァ

梓「それで律先輩、練習を始めるんでしたっけ?」

律「する訳ないだろっ、もう帰るっ!」グスン

梓(あっ、とうとう泣いちゃった)




102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:41:22.50 ID:NPFDf/9yO

翌日!

律「澪のために新しい曲を作ったぜ!」

唯「えっ、りっちゃんが作ったの?」

律「いや、ムギが前に作った曲に歌詞を付けただけ」

紬「嬉しいわ、歌詞の無いまま放置されてる曲が結構あるから」

澪「それでどんな曲なんだ?」

律「曲名は『Heart Goes Boom!!』だ」

澪「たひゃ!?///」ピクッ

『喜怒哀楽 ジャズベのボディに 全部私が詰まってる
 春夏秋冬 二十四時間 うなるハートは無休
 Bo Boom Boom Boom Boom!!』

澪「いやっ、ひゃはぅんんんん!!///」ピ-ンッ

律「どうだ、喜んでくれたか?」ニヤニヤ




103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:42:28.37 ID:NPFDf/9yO

澪「……奇遇だな、私も新曲の歌詞を書いてきたんだ」ハァハァ

唯「澪ちゃんも?」

澪「ほら、この前ムギが作曲して、唯が途中まで歌詞を作ったやつ」

紬「あの曲が完成したのね、嬉しい!」

律「えーと、タイトルは何だっけ?」

澪「『Cagayake! GIRLS』だよ。Cメロから先が未完成だったからな」

『永遠にループする
 サイズ down↑ up↓ down↑ up↓
 でも気分いつでも
 up↑ up↑↑ up↑↑↑ & up↑↑↑』

律「おぉ、なかなかいい感じ……」

『Shining Shiner Shinyest
 Girls be ambitious & shine』

律「って、きゃははははぁぁぁぁっっっっ!?」ジタバタ




104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:44:20.74 ID:NPFDf/9yO

紬「最後のところ、リピート6回も……」

唯「何か凄まじいものを感じるよ、明るい曲と歌詞なのに……」

澪「どうかな、これ?」ニッコリ

律「ぜぇー、ぜぇー、ひゅー、ひゅー」ハァハァ

紬「りっちゃん、呼吸できる?」

律「な、何とか……」ハァハァ

梓「律先輩も澪先輩も、自分は無傷で相手だけ呪いが発動するような歌詞を……」

澪「いやー、そんなつもりは無かったんだけどなー」

律「あぁ、私も、ただ、澪のために、と思って……」ハァハァ

唯「2人とも、にらみ合ってて怖いよぅ」




105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 10:45:31.36 ID:NPFDf/9yO

梓(片方だけしか発動しないのは、正直まどろっこしい)

紬「りっちゃん、澪ちゃん、動機は何であれありがとう!」

唯「きっかけが何であれ、出来上がったものは本当にいいものだよ!」

梓(2つの言霊を考えると、最も効率的に呪いを発動させるには……)

律「何だよもう、人聞きの悪い言い方しやがって」

澪「まるで私が、のたうちまわる律を見たくて歌詞を作ったみたいじゃないかー」

梓「ブーンブンシャカブブンブーン♪」ボソッ

澪「にゃひぃぃっっ!!///」ピクピクッ

律「あっ、らめ、らぁぁっっ!!」ピクピクッ

紬「梓ちゃん!?」

唯「あずにゃん!?」

梓「あっ、すみません。つい口に出して歌っちゃいました……」




123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:47:30.02 ID:NPFDf/9yO

夜!

律「ただいま~」

聡「姉ちゃん、お帰り」

律「……何してんだ?」

聡「部屋の大掃除したら、色々懐かしいものが出てきた」

律「それ、いつまでも掃除が終わらないパターンだな」

聡「まぁまぁ。昔よく遊んでた、くだらないオモチャなんか眺めるのも楽しいよ」

律「気持ちはわかるけどな。んで、その手に持ってるのは?」

聡「スイッチを入れると、猿がシンバルを鳴らすやつ」

律「……待てっ、そのスイッチを入れるなぁっ!!」

聡「えっ?」カチッ




125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:49:19.13 ID:NPFDf/9yO

シャンシャンシャンシャン

律「ひゃははははははっっ!!」ジタバタ

シャンシャンシャンシャン

律「きひぃ、きひぃひひっっ!!」ジタバタ

聡「姉ちゃん、そんなに面白いのかよ……」

律「いや、ちが、そうじゃなくてぇぇっっ!!」ジタバタ

聡「気に入ったみたいだし、そのオモチャは姉ちゃんにあげるよ」

律「いら、いらな、ひぃぃっっ!!」ジタバタ

聡「じゃあ俺、部屋の掃除に戻るから」

シャンシャンシャンシャン

律「やっ、せめて、スイッチ切ってぇぇっっ!!」ジタバタ




126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:51:05.57 ID:NPFDf/9yO

律「……」ハァハァ

律「……笑い死ぬかと思った」

律「聡のやつ、たったひとりの姉を殺す気かよ」

律「……ふぅ」

律「認めたくないけど、ちょっと気持ちよくなってきた///」

律「……」カァッ

律「くすぐられ過ぎて、イカれ始めてるな」

律「……とりあえず」

律「この猿のオモチャは貰っておこう」

律「いや、観賞用、ただ机の上に置いておくだけだから!」

律「……誰に向かって言い訳をしてるんだ、私は」




129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:54:40.49 ID:NPFDf/9yO

翌日!

教師「……そして1912年、中華民国の樹立とともに清は滅亡しました」

澪(世界史は受験で使うから、ちゃんと勉強しないとな)

教師「この時に起こった革命を何と呼ぶか、真鍋さん」

和「はい、辛亥革命です」

教師「正解。では辛亥革命の中心人物で、中華民国を建国したのは……」

澪(孫文か、基礎知識だな。……って、それを発音されると困る!)

教師「後ろの席の、平沢さん」

唯「はい、えーと、そn」

チョンチョン

唯(んっ、どうしたの姫ちゃん?)

姫子(『ぶん』って言ったら、澪ちゃんが困っちゃうよ!)

唯(あっ、そうか!)




131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:56:18.97 ID:NPFDf/9yO

教師「……平沢さん?」

唯「そ、それじゃなくて、毛沢東かなぁ?」

姫子(ナイス回避だよ、唯ちゃん!)

澪(よくやった、ありがとう唯!)

教師「違います、孫文です」

澪「ん~~~!!!///」ピクンッ

澪(一瞬安心したところに、不意打ちだなんて!)

教師「どうかしましたか、秋山さん?」

澪「いえ、何でもありません……」ハァハァ

唯(結局、回避できなかったよ……)

姫子(仕方ないよ、唯ちゃんは頑張ったって……)




132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 14:58:11.35 ID:NPFDf/9yO

教師「毛沢東は、別の革命の中心人物ですね。何だかわかりますか?」

澪(わかるよ、わかるけど、それは言えない!)

教師「騒がしかった秋山さんに答えてもらいましょうか」

澪(ひぇっ、そんな!)

教師「基礎的な知識だから、わかる筈です」

澪「はい、えーと……」ドキドキ

澪(これを言っちゃったら、私、授業中に、みんなの前で!)

澪「ぶ……」ドキドキ

澪(えぇい、仕方ない、もうヤケクソ!)

澪「ぶんか、大かくめぇぇぇっっっ!!!///」ピクンピクンピクン

澪(あぁ、私、文化大革命でイっちゃったよぉ……)




134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 15:02:10.43 ID:NPFDf/9yO

キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

紬「澪ちゃんは頑張った、頑張ったよ!」

澪「うぅ……」

唯「別に誰もおかしく思ってなんかないよ!」

澪「そんな訳ないだろ……」

律「とにかく落ち込むなって、元気を出せよ!」

澪「元気、出せないよ……」

澪(事情を知ってるみんなが優しくしてくれる)

澪(それが余計に惨めな気持ちになるよ)

澪「うぅ、今日はもう帰りたい……」




151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 16:43:43.62 ID:XQ6rpsGz0

数取団見せたら澪死ぬな






166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:06:17.03 ID:NPFDf/9yO

昼休み!

純「やっほー!」

梓「あぁ、純か」

純「突然ですが質問です! 梓はS? それともM?」

梓「んー、どっちかと言えばSだね」

純「なぁんちゃって、私は服のサイズを聞いただけでした~」

梓「……」イラッ

純「勘違いして答えてくれちゃったみたいだけどひべぇ!?」ギリッ

梓「うん、わかってたよ。服のサイズでしょ?」ニコッ

純「ほっぺた、ちゅねらにゃいでぇぇっっ!!」ギリギリッ

梓「サドって意味じゃなくてね、身体が小さいからSサイズかな、と思って」ニコニコ

純(サドだよ……。梓、あんたはサドだよ……!!)




167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:07:20.94 ID:NPFDf/9yO

梓「まったくもう。あんまりふざけた事ばっかりしてると、調教するよ?」

純「……えっ、調教?」

梓「それで、用件は特に無いの? 私、行くところがあるんだけど」

純「あれ、今の発言、サラッと流されちゃうの?」

梓「五秒以内に納得のいく返答が無かったから、もう行くわね」

純「ちょ、ちょっと待って、梓!」

梓「……何よ?」

純「この前の話、憂と相談してみたんだ」

梓「あぁ、そうなんだ。ありがと」

純「それで、結論としては……」




168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:10:01.23 ID:NPFDf/9yO

放課後!

エリ「ねぇねぇ、コーラ飲まない?」

律「おっ、サンキュ。でも珍しいな~」

エリ「えっ、何が?」

律「エリってコーラ大好きだから、手元にあったら全部飲んじゃうイメージ」

エリ「んー、これがペプシだったら自分で全部飲んじゃうな」

律「コカコーラは駄目なのか?」

エリ「駄目って訳じゃないけど、ペプシにこの身を捧げると誓ったからね!」

律「……じゃあなんでコカコーラ買ったんだよ」

エリ「アカネに頼んだら、赤いの買って来ちゃったんだもん」

律「そういう事ね。まぁいいや、ありがたく頂きます」ゴクゴク

澪「律、そろそろ部室に行くぞ」

律「ほいほ~い。エリ、ご馳走様!」




169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:15:43.50 ID:NPFDf/9yO

唯「ねぇ、ムギちゃん」

紬「ん?」

唯「今、この部室には私とムギちゃんしかいないよ」

紬「そうね」

唯「……やりますか!」

紬「はいっ!」

唯「ブーン☆ブン☆シャカ!!」

紬「ブブン★ブーン!!」

唯「ブーリ☆ブリ☆チャカ!!」

紬「ビガッ★ビガッ!!」

唯「……ふぅ、スッキリした~」

紬「久しぶりに部室でブンシャカしたわね~」





170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:17:18.18 ID:SJR3SO8dO

>>169
和んだ





171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:17:19.64 ID:NPFDf/9yO

唯「澪ちゃんとりっちゃんがいると、こんな事できないからね~」

紬「私たちしかいない時、限定だもんね~」

ガチャ

澪「一体何を隠してるんだ?」

律「最後の方の会話しか聞こえなかったけど、仲間はずれは寂しいぞっ!」

紬「澪ちゃん、りっちゃん!」

唯「違うよ、2人がいない間にブンシャカしてただけだよ」

律「にゃははぁぅん!!」ピクンッ

澪「あふぁぁっっ!!///」ピクンッ

唯「あっ、またやっちゃった」

紬「こうならないように気を付けてたのに……」




173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:18:52.18 ID:NPFDf/9yO

澪「それにしても暇だな」

律「私たち、楽器も弾けない身体だからな」

唯「かと言ってブ……、『ミツバチ』も歌えないし」

紬「紅茶とお菓子でのんびりするくらいしか、やる事がないわね」

律「そうだ、私たちはのんびり紅茶を飲む事しかできない」ズズッ

澪「それって普段とあまり変わらないんじゃないか?」

律「いや、普段ならそろそろ、澪と梓が練習しようって言い出す頃だ」

唯「そう言えば、あずにゃんは?」

紬「まだ来てないみたい……」

ガチャ

梓「遅くなりました、今日はビッグニュースがありますよ!」




175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:33:16.23 ID:NPFDf/9yO

唯「あずにゃん、ビッグニュースって?」

梓「ふふふっ。この軽音部、私以外の皆さんは来年卒業してしまいますよね」

紬「そうね、寂しいけど……」

梓「そしたら部員が私一人になって、廃部になっちゃいますよね」

律「せっかく私たちが廃部寸前から建て直したのにな……」

梓「だから、新しい部員に入ってもらわないといけないですよね」

澪「梓、もしかして……」

梓「そう、軽音部に新しいメンバーの入部が決まったんですっ!」

唯紬律澪「おぉーーっっ!!」

梓「……まぁ、皆さんの予想通りのメンバーかもしれませんが」

律「確かに何となく予想はつくけど、紹介してくれよ!」




177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:34:31.71 ID:NPFDf/9yO

梓「まずベース担当、鈴木純です!」

純「どーも、失礼します……」テレッ

紬「ジャズ研でベースを弾いてる子よね、本格派じゃない!」

梓「続いてドラム担当、平沢憂です!」

憂「えへへ……」テレテレッ

唯「憂!?」

憂「ごめんね、お姉ちゃん。今日まで秘密にしておこうって約束したから」

唯「そうなんだ。えへへ、嬉しいなぁ、憂が軽音部に入ってくれて」

梓「そしてギター担当、中野梓。ひとまず3人いればバンドは組めます」

純「あとは何とかもう1人、部員を勧誘すれば……」

憂「軽音部は潰れないから、安心してください!」

唯紬律澪「わぁーーっっ!!」パチパチパチパチ




178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:36:03.20 ID:NPFDf/9yO

梓「じゃあ2人とも、準備して」

純「わかった。私のベースをアンプに繋いで、っと」

憂「律さん、ドラムセットお借りしますね」

唯「あれっ、何をするの?」

梓「入部の挨拶を兼ねて、この場で3人の演奏を披露したいと思います!」

澪「えっ?」

律「えっ?」

憂「お姉ちゃんに見つからないように、こっそりドラムの練習を頑張ったんだよ!」

純「入部するって梓に伝えたのが今日の昼休みだから、まだ3人で合わせてないんだけどね」

梓「まだバラバラかもしれないけど、今の私たちの演奏を聴いてほしいんです」

澪「えっ?」

律「えっ?」




180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:39:40.02 ID:SJR3SO8dO

あずにゃんマジ外道www




181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:42:13.78 ID:TH6PzpzoO

あずにゃんは相変わらずあずにゃんだな




185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:48:22.11 ID:NPFDf/9yO

梓「そろそろ準備は出来た?」

純「いいよ~」

憂「こっちも~」

梓「それじゃ、始めようか」

澪律「ちょっと待ってくれ!!」

梓「……澪先輩、律先輩、どうしたんですか?」

澪「その演奏、今日じゃなきゃダメかな?」

梓「えっ、どうして?」

澪「えーと、できれば10日後くらいにしてくれると嬉しいな、なんて」

律「そうそう、やっぱりこういうのは、3人で練習を積んでからの方が」

梓「今日は私たち3人にとって記念日なんです、今日じゃなきゃ……」ションボリ




186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:52:50.80 ID:KG0O8zRU0

梓が悪魔に見えるwww




188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 21:56:19.76 ID:bN6yzxEYO

色んな人間の心を弄ぶあずにゃんマジ外道




189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:00:06.76 ID:NPFDf/9yO

純「これまでただの友達だった私たちが、一つのバンドになった日なんです」

憂「ご迷惑でなければ、今日、この日の私たちを、皆さんに聴いてほしいんです」

澪「いや、今日はちょっと、ね? 都合が悪いって言うか、ね?」

律「ちょっと色々あって忙しいかな~、みたいな、ね?」

梓「暇そうに紅茶を飲んでたじゃないですか」

澪「うっ!」

律「反論できないところを的確に……」

梓「わかった。きっと先輩たち、突然の事だから、照れちゃってるんだよ」

純「あっ、そういう訳ね」

憂「えへへ。照れなくていいんだよ、お姉ちゃん」

梓「だから私たちで勝手に始めちゃおう、ちゃんと聴いてくれるから」

純憂「おぉーっ!!」




192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:06:24.19 ID:NPFDf/9yO

梓「それでは聴いてください、『ミツバチ』です」

澪「選曲に悪意を感じるぞ!?」

梓「38℃の真夏日、夏祭り。こんな日は♪」ワチャカナドゥ

律「しかもお前が歌うのかよ、中野!?」

梓「ガンバンベ! 踊れミツバチ、Hey♪」

純「♪」ブォ-ンブォ-ン

憂「♪」ドコドコシャンシャ-ン

梓「ブーンブンシャカブブンブーン♪」

澪「あぐはふぁぁうんっ!!///」ピクピクッ

律「ふぁ、ひゃぎふぅぅっっ!!///」ジタバタ




193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:10:11.28 ID:NPFDf/9yO

紬「ベースとドラムの音だけでも呪いが発動しちゃうのに……」

唯「あずにゃんの歌まで加わったら、大変な事に……」

純「♪」ブォ-ンブォ-ン

澪(いっ、イったまま、収まらない、止まらない!?)ピクンピクンッ

澪(あたま、頭が、バカになっちゃう!?)ピクンピクンッ

憂「♪」ドコドコシャンシャ-ン

律(くすぐったい、気持ちいい、身体に、力が、入らない!?)ムズムズ

律(コーラとか、紅茶とか、色々飲んだから、漏れちゃう、かも!?)ムズムズ

梓「ブーンブンシャカブブンブンブーン♪」

澪「あへらああああぁぁぁぁっっっっ!!!!////」ピ-ンッ

律「出ちゃううううぅぅぅぅっっっっ!!!!////」ジョロロロロ




196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:15:44.61 ID:NPFDf/9yO

ジャジャ-ン

純「……ふぅ」

憂「……ほっ」

梓「どうでしたか、私たちの演奏は!?」

澪「あひゃ、しゅ、しゅごい……」ハァハァ

律「すごすぎて、漏らしちゃった……」ハァハァ

梓「ありがとうございます!!」

紬「いい笑顔ね、梓ちゃん……」

唯「あんなに満足そうなあずにゃん、初めて見たよ……」

梓「それじゃ、明日からもよろしくお願いしますね!!」

唯「……明日からも?」




198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:20:32.70 ID:NPFDf/9yO

純「これから毎日、先輩たちの前で『ミツバチ』を披露します!」

憂「私たちの成長を、日々見守ってください!」

澪「えっ?」

律「えっ?」

紬「純ちゃんと憂ちゃん、呪いの事は知ってるのかしら?」

唯「知らないんじゃないかな。つまり、容赦ない犯人はただ1人……」

律「……中野!」

澪「……梓!」

梓「という事です、よろしくお願いします!」ニッコリ

澪律「やめてくれぇぇっっ!!」



おわり?




201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/17(火) 22:22:50.01 ID:NPFDf/9yO

以上で本編は終わりです、ありがとうございました
この後、番外編(大人向け)があるかもね!





241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:32:38.99 ID:Y9zNDNHUO

という訳で、番外編その1
昨日はさるさんを喰らいまくったから、ゆっくり投下します

※地の文あり注意




242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:35:03.17 ID:Y9zNDNHUO

オカルト研の部室のドアは意外にもシンプルで、装飾も何も無い。
内装の禍々しさとは正反対だ。
そのドアの前に、私と和ちゃんが2人で立っている。

「……唯、そろそろ説明してもらえるかしら?
 どうして私が、オカルト研の部室に連れて来られたのか」

和ちゃんはいつもの調子で、淡々と私に疑問をぶつけてきた。
だから私もいつもの調子で、それに答える。

「だって和ちゃん、呪いなんて暗示にかかっただけだ、って言ったでしょ。
 だから、呪いは本物だって信じてもらうために連れて来ました!」

「どうやって私に信じさせるつもり?」

「実際に和ちゃんが呪われるんだよ」

「……はぁ?」

呆れた表情と声。これも、いつも通りの和ちゃんだ。

「澪ちゃんも最初は疑ってたけど、自分が呪われたら信じるようになったんだよ」

「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」

決め台詞を残して、和ちゃんは向こうへ歩き出した。




245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:40:31.00 ID:Y9zNDNHUO

「逃がさないよ!」

「……もう、離してよ」

「実は和ちゃん、呪われるって聞いて怖くなった?」

和ちゃんに抱きついて、その歩みを止めて、単刀直入に聞いてみる。
ちょっと今、私の顔はニヤけてるかも。
だって、たぶん、これは和ちゃんの本音だと思うんだ。

「……そんな訳、ないでしょ」

「じゃあ別に構わないよね。和ちゃんは呪いなんて信じてないんだし」

「霊的な力の存在を認めない、って言ってるだけよ」

あれっ、なんか期待してたリアクションと違うような?
本心を言い当てられて、焦っちゃう和ちゃんが見られると思ったのに。
すごく冷静というか、冷酷な態度でビックリしちゃうよ。

「だからって、誰かが私への悪意をもって儀式を執り行うのは、不愉快でしょ。
 そんな儀式を目の前で見せられて、笑って許せるほど大人じゃないわ」

「うぅ……」

「もう私、本当に行くからね。用事もあるし」




249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:44:03.87 ID:Y9zNDNHUO

再びこの場を去ろうとする和ちゃんに、思わず大声で呼び掛けてしまった。
今、焦っているのは、私の方だ。

「の、和ちゃん!
 本人がいなくても呪いはかけられるんだよ!」

「……どういう意味よ?」

「和ちゃんの髪の毛、こっそり取っちゃったからね!」

おかしいな、こんな言い方する筈じゃなかったのに。
確かに、念のため、と思って和ちゃんの髪の毛は事前調達しておいた。
けど、こんな脅すような使い方をするためじゃなかった筈だよね。
どうしよう、売り言葉に買い言葉で、思ってもない事が口から出ちゃう。

「……それがあれば、私に呪いをかけられる、って言いたいのね」

「そうだよ!」

「ちょっと理解できないわね。私、そこまで唯に恨まれるような事をしたかな」

「違う、違うよ、そうじゃなくて!」

「わかってる? 今、私、すごく怒ってるのよ」

あっ、なるほど。
空気が凍るって、こういう事を言うんだ。




251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:48:34.93 ID:Y9zNDNHUO

どうしてこんな事になっちゃったのかな。
和ちゃんは結局、怒って生徒会に行っちゃうし。
オカルト研の部室前で、1人で立ち尽くしていると、ドアが開いた。

「……ごめんなさい、中から話を聞いていた」

「真鍋和は行ってしまったようだけど、どうする?」

出てきたのは、例の怪しい衣装ではなく、制服を着たオカルト研の2人。
今は昼休みだから、制服を着ているのは当たり前なんだけどね。

「もう知らないよ、和ちゃんなんて」

怒りとか、悲しみとか、色々グチャグチャの感情が、そのまま言葉になった。
そして気が付けば私は、恐ろしい事を口に出していた。

「和ちゃんなんか、呪われちゃえばいいんだ!」

「……本当にいいの?」

「いいよ、呪いをかけちゃって!
 軽い呪いじゃなくてもいいよ、和ちゃんはどうせ信じないんだから!」




252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:52:20.86 ID:Y9zNDNHUO

元々の計画では、こうなる筈だった。

1. 和ちゃんをオカルト研に連れて来て「呪いをかける」と伝える
2. 拒否したら「それなら呪いが存在する事を認めて」と迫る
3. 認めなければ、一番軽い呪いをかけて、認めざるを得なくする

そもそも、なんでこんな計画を立てたのか。
呪いで苦しんでる澪ちゃんに、和ちゃんは「そんなの思い込みよ」と言った。
なんだか、すごく澪ちゃんに対して失礼だと思った。
だから、和ちゃんに、呪いが存在する事を信じてほしかった。

それだけ、たったそれだけの話だったんだよ。
別に和ちゃんを苦しめたいとか、和ちゃんが嫌いだとか、そんな訳ないじゃん。

「終わった。真鍋和には『囚われのロキ』という呪いがかけられた」

「言霊によって、真鍋和は拷問の痛みに身体を苛まれる」

「鍵となる言霊は……」

色々な事を考えているうちに、儀式は終わっていた。
オカルト研の2人の説明を、私は半ば放心状態で聞いていた。




256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 11:57:10.56 ID:Y9zNDNHUO

「失礼します」

「はい、……なんだ、唯じゃない」

ちゃんとドアをノックしてから、生徒会室に入る。
この時期の生徒会室にはあまり人がいないから、和ちゃんが1人でいる事が多い。
特に、昼休みにわざわざこの部屋に来るのは、和ちゃんくらいだ。

「何よ、謝りに来たの?」

「謝るのは和ちゃんの方だよ」

私はもう、完全に意固地になっていた。

「澪ちゃんやりっちゃんが苦しんでるのに、そんなの思い込みだって……。
 そんな事を言う和ちゃんには、呪いをかけちゃったからね!
 自分の身体で、思い知ればいいんだよ!」

涙目で、大声で、私は言霊を叫ぶ。

「ブーリブリチャカ、ビガッビガッ!!
 ブーリブリチャカ、ビガッビガッ!!」




258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:01:39.93 ID:Y9zNDNHUO

その瞬間、和ちゃんの身体が、ビクンと跳ねた。
少し遅れて、生徒会室に悲鳴が轟いた。

「きゃああああっっ!?」

悲痛な叫びに驚いて、私は我に返った。
和ちゃんは椅子から転げ落ちて、床にうずくまっている。
動作は、肩で大きく息をするばかりで、立ち上がる気配すら見せない。

「の、和ちゃん!?」

「……い、痛いよぉ」

絞り出すような声で、和ちゃんが呟いた。
真っ赤な顔で、涙をポロポロと流している。

こんな和ちゃん、見た事がない。
いつもしっかり者で、毅然とした態度の和ちゃんが、こんな……。
ようやく私は、自分が犯した過ちに気付いた。

『囚われのロキ』の効果は、茨のムチに叩かれる痛み。

お尻を叩かれなきゃいけないのは、和ちゃんじゃない。
悪い子は、私だ。平沢唯だ。




263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:06:50.21 ID:Y9zNDNHUO

午後の授業に、和ちゃんの姿は無かった。
とてもそんな状態ではないと判断して、私が保健室に連れて行った。
たまたま保健の先生がいなかったけど、ベッドだけは使わせてもらえた。
2時間くらい安静にしていれば、きっと快復する。……するよね?

キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

放課後になった。
近くにいたムギちゃんに、一言だけ伝えて、私は教室を飛び出す。

「ごめん、今日は遅くなるよ。もしかしたら部活に行けないかも!」

……もちろん、向かう先は保健室だ。
ドアに掛けられたホワイトボードには「本日、保険医不在」の文字。
もしかしたら和ちゃんは、眠っているかもしれない。
そっとドアノブを握って、静かにドアを開けた。

「失礼します……」

途端に、悲鳴のような、和ちゃんの声が聞こえてきた。

「あぁっ、はぁっ、はぁっ……」

まだ痛いんだ。まだ苦しいんだ。
私の心は罪悪感でいっぱいになった。




265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:10:03.74 ID:Y9zNDNHUO

静かに、静かに、和ちゃんのベッドに近づいた。
吐息の多く混じった声が、断続的に聞こえる。
でも、次の瞬間、私は自分の耳を疑った。

「もう一回、だけ……
 ブーリブリチャカ、ビガッビガッ……」

えっ、ダメだよ、その言霊を唱えたら……

「あふぁっ、あふぁっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!」

なんで、なんで自分から言霊を?
和ちゃんは誰に謝ってるの?
訳がわからないまま立ち尽くしていると、寝返りをうった和ちゃんと目があった。

「はぁっ、はぁっ、えっ、ゆっ、唯!?」

息を荒くした和ちゃんは、恋する乙女のようなトロンとした目で、私の顔を見た。
私は何も言えないまま、妙に色っぽい和ちゃんの寝姿を眺めていた。

「ちがっ、これは、違うの、その、えーと……」

慌てて何か言おうとして、和ちゃんはしどろもどろになった。
……と思ったら、急にため息をついて、ムクッと起き上がった。

「はぁっ、誤魔化そうと思っても無駄ね。バッチリ見られちゃってるし。
 ねぇ、唯。正直に話すから、私の事を軽蔑しないでね?」




271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:16:49.37 ID:Y9zNDNHUO

私は黙って、和ちゃんの告白を聞く事にした。
どんな話を聞いたって、私が和ちゃんを軽蔑なんかする訳ない。

「ずっと秘密にしてたんだけどね、私はマゾヒストなのよ。
 あっ、マゾヒストって意味、わかるかしら?」

うん、言葉の意味は知ってるよ。
だけど、和ちゃんの言ってる意味が全然わからないよ。

「特定のパートナーがなかなか見つからないから、
 ずっと自分で自分を虐めてたんだけど、物足りなくてね。
 特にムチ打ちなんて、自分の身体に当てるのは難しいから」

なんか吹っ切れた様子で色々語ってくれるのはいいんだけど、
聞く方にも少しは心の準備をさせてくれないかな?
こう見えて、結構ショックを受けてるんだよ、私。

「でも呪いをかけられて、言霊を唱えれば痛みを感じられるようになった。
 しかも外傷が残らないから、後処理の必要も無い。
 最初こそ驚いたけど、そう気付いたら嬉しくなっちゃってね。
 保健室で何十回も、セルフスパンキングしちゃった。ふふっ」

こんな和ちゃんの素顔、知りたくなかったなぁ。
スパンキングって言葉は意味がわからないけど、
出来れば知らないままでいた方が、いいような気がするよ……。




273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 12:21:15.51 ID:Y9zNDNHUO

「そうだ、唯。ひとつ謝らせてもらうわ」

「えっ、何を?」

「呪いは確かに実在するのね。疑って悪かったわ。
 この身体で体感してみるまで、イメージだけで語っていた自分が恥ずかしいわ。
 澪や律も、素敵な呪い体験ができて良かったわね」

そう言って和ちゃんは、ニッコリと笑った。
私も笑顔で返そうとしたけど、絶対に引きつってるよね、これ。

「わ、私こそ、ごめんね。和ちゃんの気持ちを考えないで、勝手に呪いをかけちゃって」

「唯は謝る必要なんて無いわ。
 だって私、呪われて、むしろ感謝してるもの!」

えーっと、今回の目的は、和ちゃんに呪いが存在する事を認めさせる。
だから目的は達成。……達成でいいのかな、本当に?
最初の計画と、だいぶ違う結末を迎えたような気がするけど……。
あー、もういいや。これでOKって事にします!



おわり?




302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 18:54:54.50 ID:Y9zNDNHUO

真っ白なテーブルクロスの上に、幾つもの綺麗な皿が並んでいる。
もちろん皿だけじゃなくて、料理も美味しいものばかり。
私がグラスを空けると、メイドがすぐにフレッシュジュースを注ぎに来た。

「お父様、お仕事の調子はどう?
 最近、海外に出掛けられる事も少なくなったわね」

「若手の部下が育ってきたから、仕事を任せられるようになったのさ。
 紬も近い将来、その一員として活躍してもらわないとな」

お父様はそう言って、ワインを飲み干した。
間髪入れずにメイドがボトルを持って来たが、それを柔らかく断る。
メイドは頭を下げて、元の場所へ戻っていった。

私のお父様は、琴吹グループの実質的な最高責任者だ。
その一人娘である私には、後継者としての役割が期待されている。

とはいえ、能力の無い者に世襲を認めるほど、世間は甘くない。
一日も早く、琴吹グループのトップにふさわしい人物となるために、
私には普通の高校生よりも高いハードルが設定されている。




304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 18:56:53.39 ID:Y9zNDNHUO

「……お父様。実はまた、素晴らしい逸材を見つけたのよ」

「……ほう、今度はどんな人だい?
 また先日のように、単なる勘違いじゃないだろうね?」

「前回はごめんなさい。でも、今度こそ本物よ。
 いとも簡単に呪術を使いこなす、才気に溢れる2人組を紹介したいの」

「呪術、か。詳しく話を聞かせてもらおうか?」

お父様は身を乗り出して、私の話に興味を示した。
権力者になるほど、科学で説明できない、オカルト的なものを信じる割合が増えるという。
きっと、お父様もその1人なんだ。

桜ヶ丘高校の卒業生には、どういう訳か、大きな成功を収める女性が多い。
学力偏差値だけで見れば、決して全国トップクラスの進学校ではないのに。
お父様はそれを知ってか、私が桜高に入学するとき、一つの課題を与えた。

「将来、琴吹グループの戦力となるような、金の卵を探すんだ。
 これは、と思う才能の持ち主がいたら、私に直接紹介してほしい」




305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 18:59:03.09 ID:Y9zNDNHUO

入学直後、私は立て続けに『才能の持ち主』と出会う事ができた。

1人は澪ちゃん。
ファンクラブを擁するほどの美貌と人徳、そして他に類を見ない言語感覚。
圧倒的なカリスマとなる素質を、澪ちゃんは持っていた。

1人は唯ちゃん。
やる気を出した途端に、凡人の数年間の努力を、あっという間に追い抜いてしまう。
天才としか形容できない、特別なものを持っていた。

当時はまだ中学生だったけど、憂ちゃんも金の卵の1人。
一点集中型の唯ちゃんに対して、万能型の憂ちゃん。
どちらも琴吹グループに欲しい人材だと、お父様も太鼓判を押した。

あっ、りっちゃんには何の才能も無かったみたい。
ごめんなさい、でも平凡は悪い事じゃないの。
どこにでもある平和な家庭を築いて、幸せに過ごしていけるって事なんだから。




306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 19:02:06.87 ID:Y9zNDNHUO

でも、それ以降はなかなか『才能の持ち主』を見つける事ができなかった。
次第に私は焦り始めて、だんだん選球眼が鈍ってきてしまった。
つい先日も、同じクラスのエリちゃんをお父様に紹介したところ、

「日本の伝統工芸を守り抜くほどの人物と聞いたが……。
 ただのにわか仏像ファンじゃないか、勘違いも甚だしい」

と、お叱りを受けてしまった。
そんな訳で今回、オカルト研の2人をお父様に紹介するのは、
私にとって名誉挽回・一発逆転の大チャンス!

「呪い、か……。その話が本当なら、彼女たちの力は非常に有用だね」

「この目で実際に見たのよ、すごい効果だったわ」

「よし、その子たちに一度会ってみたいな。
 ただし、その時に呪いの効果も一緒に見せてほしい」

「わかった、そのように手配しておくわね!」

久々にお父様に認められるチャンスを迎え、私は浮かれていた。
ここで軽率に、その条件を受け入れてしまった事が、後々で悩みの種となった。




308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 19:05:31.75 ID:Y9zNDNHUO

「……それは光栄な話」

「私たちは喜んで、琴吹の剣となり盾となる」

オカルト研の2人にこの話をしたところ、快諾してもらう事ができた。
普通、お父様に紹介する前に趣旨を伝える事は滅多にない。
事前に伝えておきながら、お父様のお眼鏡に適わなかった場合、とても失礼になってしまうから。
でも今回の場合、そうしないと、呪いの実演なんて出来ないからね。

「……ところで、ひとつ疑問がある」

「呪いの効果を見せるとは、どのようにすればいいだろう」

「えーと、そうね。お父様の目の前で、誰かに呪いをかけてくれないかしら?」

「……つまり、ターゲットもその場にいる必要がある」

「既に呪いのかかった秋山澪、田井中律、真鍋和を除く誰かを、そこに連れて行かなければ」

「その通りね。安心して、ターゲットの手配は私に任せてちょうだい!」

とは言ったものの、そんな依頼を誰にしようか?
呪われてください、と頼まれて、はいそうですか、と引き受けてくれる人なんて……。

校内の友達を、ひとりひとり思い浮かべてみる。
うーん、こんな事、どんなに仲の良い子でも頼みづらい。
ならば、屋敷の使用人やメイド?
いや、立場的に断れない人に、こんな役を押し付けるなんて非道すぎる。




309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 19:08:52.69 ID:Y9zNDNHUO

色々と考えるうちに、ふと気付いた。人に呪いをかけるには、それなりの大義名分が必要だ。
強い恨みや憎しみであったり、あるいは、誰かを守るためであったり。
そんな大義名分の成り立つターゲットならば、本人の承諾がなくても、遠慮なく呪いをかけられる。

「まったく……。酷い目にあったな、律」

「ちょっとイタズラにしちゃ度が過ぎてるよな。澪もそう思うだろ?」

ちょうど私がそんな事を考えている時に、澪ちゃんとりっちゃんが話し合っていた。
数日前、梓ちゃん・純ちゃん・憂ちゃんによる演奏のせいで、2人とも大変な事になった。
演奏後まともに歩けるようになるまで、確か30分くらいかかったっけ?

「さすがに我慢の限界だ。梓にお灸を据えてやらないと」

「おうっ。ビシッと仕返ししてやらないと、ますます調子に乗るからな!」

……見つけた、大義名分。

「ねぇ、澪ちゃん、りっちゃん」

私は、トーンを抑えた声色と、溢れんばかりの笑顔で話した。
新しい提案をする時は、謙虚かつ自信満々の態度で臨まなければならない。

「その手配、私に任せてくれない? いい考えがあるの」




310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 19:10:21.99 ID:s9CYKqjU0

やっときたか





341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:04:29.64 ID:Y9zNDNHUO

土曜日の早朝、私の家の最寄り駅に、梓ちゃんがやって来た。
斉藤の運転する車の窓から、チョイチョイと手招きする。

「おはようございます、ムギ先輩」

「おはよう、梓ちゃん。こんな早い時間から来てもらっちゃって、ありがとう」

「いえ、ムギ先輩のお宅にお邪魔できるなんて嬉しいですから」

梓ちゃんの笑顔に、一瞬だけ胸が痛んだ。
でも澪ちゃんやりっちゃんへの狼藉を思い返すと、情状酌量の余地は無し。
心を鬼にするのよ、私、ファイト!

「もうすぐ着くわ、ここが私の家よ」

「うわぁ、大きいですね……」

車窓から母屋を見上げて、梓ちゃんはぽかんと口を開けた。
澪ちゃんを連れて来た時も、唯ちゃんと憂ちゃんを連れて来た時も、
こんな感じのリアクションだった事を思い出す。
いつか、りっちゃんも家に来てほしいなぁ……。

梓ちゃんの右肩には、ギターケースが掛かっている。
今日は一応、練習の名目で梓ちゃんを呼び出しているからね。




343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:07:36.74 ID:Y9zNDNHUO

「大きな音を出すから、地下の部屋を使おうか。こっちに来てね」

「地下室まで備わってるんですね、本当に凄い……」

階段を下りて、廊下の奥の小部屋まで歩く。
教室よりちょっと狭いくらいの小部屋は、防音設備が万全になっている。
窓も無いし、出入り口の扉は一つだけ。おまけに携帯電話も通じない。
これだけ聞くと、都市部の貸しスタジオみたいだけど、ちょっと違う。

「この部屋よ。梓ちゃん、どうぞ」

「わぁ、広々としてますね。あれっ、でも……」

「どうかしたの?」

「なんでベッドがあるんですか。トイレも剥き出しで置いてあるし」

私に促されるまま部屋に入った梓ちゃんは、簡素なベッドと洋式トイレをすぐ発見した。
何も無い空間に、その二つだけ置かれていれば、当然目に付くんだけどね。

「……ムギ先輩。なんかこの部屋、スタジオというよりも、まるで監獄みたいな」

ガチャン

「えっ、ムギ先輩?」

部屋の中にいた梓ちゃんと、部屋の外にいた私は、強化ガラスの扉で隔てられた。
きょとん、とした表情でガラス越しに私を見つめる梓ちゃん。
閉じ込められた、という現状を把握するまで、もう少し時間がかかりそうだ。




344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:11:05.22 ID:Y9zNDNHUO

「ごめんね、梓ちゃん」

それだけ言い残して、私は小部屋の前から去った。
強化ガラス越しに、この声は梓ちゃんに届いたのかな?
こちら側からは、ドンドン、と内側から扉を叩く音しか聞こえない。
梓ちゃんは、何やら叫んでいるみたいだったけどね。

「皆さん、お待たせしました」

リビングではお父様と、先に来ていたオカルト研の2人が待っていた。

「やっと来たか、紬。お客様を待たせてしまったぞ」

「……大丈夫」

「それで、うまくいったの?」

「えぇ。ちょっとモニターを付けてくれる?」

モニターの電源を入れると、複数の角度から撮影された、小部屋の様子が映し出された。
梓ちゃんは相変わらず、強化ガラスの扉を叩いていた。

「……小部屋には現在ターゲットが一人だけ。
 今からこの小部屋に音楽を流すから、変化を観察してみてね」




345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:11:50.63 ID:RpPZrJyCO

おら久々にワクテカだぞ!






346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:13:25.09 ID:Y9zNDNHUO

ブーンブンシャカブブンブーン♪

聞き慣れたフレーズを耳にして、梓ちゃんはキョロキョロと辺りを見回した。
もっとも、スピーカーは壁に埋め込まれているから、見つけられないと思うけど。

「目立った変化は無いようだが?」

「えぇ、お父様。だってターゲットは『まだ』呪いにかけられていないから」

「……なるほど。こちらの2人が、今から呪いをかけてくれるのか」

「そういう事よ。じゃあ、お願いしていいかしら?」

オカルト研の2人が、スッと立ち上がった。
けれども、その表情には、まだ若干の躊躇いがあった。

「……最後に確認したい」

「本当に、三種の呪いを複合させてもいいのか」

思わず私は微笑んでしまった。
無感情な人たちだと思っていたけれど、意外に人間らしいところがある。
でも、その覚悟の壁を越えて来てくれないと、琴吹グループの戦力にはなれないの。

「……構わないわ。あなた達の、ベストパフォーマンスを見せて!」




347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:18:07.56 ID:Y9zNDNHUO

儀式が始まった。3種類分だから、とても時間がかかる。
意味不明な呪文を唱えるオカルト研の2人を、お父様は真剣な表情で眺めていた。
私はリビングの椅子に座って、紅茶に口を付けた。少しだけ、ぬるい。

ブーンブンシャカブブンブーン♪

「ふにゃぁっ、ひゃぁぁぁぁっ!?」

……どうやら、一つ目の呪いが発動し始めたらしい。
梓ちゃんの様子から察するに『快楽天』かしら。

ブーンブンシャカブブンブンブーン♪

「きゃはははっ、ひゃっ、きゃははははははっっ!?」

……続いて『エンゼルフェザー』も。
二つ目の呪いが、一つ目の呪いを上書きする事はないらしい。
つまり今、梓ちゃんの身体には『悪魔の快楽』と『天使の愛撫』が共存している。

ブーリブリチャカビガッビガッ♪

「ぎゃはああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

……最後は『囚われのロキ』。
しばらく痛いかもしれないけど、すぐに慣れると思うから頑張ってね、梓ちゃん!




350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:21:02.88 ID:Y9zNDNHUO

「……終わった」

「中野梓には、三種の呪いがかけられた」

オカルト研の2人は、かなり消耗した様子だった。
呪いを1つかけるだけでも、たぶん相当な体力と精神力を使うはず。
本当に、頑張ってくれた2人に、拍手を送りたい。

「明らかにターゲットの様子が変わったようだね」

「えぇ、お父様。それぞれの呪いについては、そちらの書類に詳しくまとめてあるわ」

「ふふっ。手際が良くなったね、紬。
 では申し訳ないが、そろそろ私は行かなければならないので、失礼させてもらうよ」

お父様はこれから泊まりがけで仕事に出掛ける。
帰宅するのは、明日、日曜の夜だ。

「2人とも、本当に素晴らしい才能をお持ちのようだ。
 今後ともお付き合いをさせて頂きたい。どうぞ、よろしく」

「……ありがとう」

「こちらこそ、よろしく」

「では、明日の夜に結果を確認させてくれ。頼んだぞ、紬」




352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:24:19.96 ID:Y9zNDNHUO

お父様が出掛けた後、役目を終えたオカルト研の2人も帰ってしまった。
帰り際に見た2人の表情から、迷いは消えていた。
依頼された仕事に対する、冷酷なまでの責任感。
琴吹グループに貢献するために、最も必要なものを、わかってくれたんだと思う。

「……さて、梓ちゃんの様子はどうかな?」

モニターを覗き込むと、梓ちゃんは小部屋の真ん中でのたうち回っていた。
エンドレスリピートの『ミツバチ』は、着実に梓ちゃんにダメージを与えているみたい。

特に『囚われのロキ』の痛さは、なかなか耐え難いものかもしれない。
でもね、安心して。その痛さは単独じゃないから。
『快楽天』の気持ちよさと、『エンゼルフェザー』のくすぐったさと、セットなの。
次第に、痛さを感じれば、同時に気持ちよさを感じるような回路が出来上がる。
そうすれば、ずっとずっと気持ちいい、最高の状態になっちゃうわ!

……本音を言うとね。
それくらい壊れてくれないと、困っちゃうの。

お父様は、まだ完全には満足していない様子だった。
お父様は、もっと強烈な効果を呪いに求めているみたい。
だから明日の夜、お父様が帰って来るまでに、もっとグチャグチャになってほしいの。
私も全力で梓ちゃんを壊してあげるから、よろしくね♪




353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:26:08.79 ID:ROF/s+KyO

あずにゃん……





355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:27:25.97 ID:Y9zNDNHUO

携帯電話の着信音が鳴った。相手は澪ちゃんだ。

「いや~、ムギ。順調みたいだな!」

「うん、バッチリよ! オカルト研の2人には感謝しなきゃ」

「律なんか興奮しちゃって、呪いも発動してないのに笑いが止まらないみたい」

「あははっ、りっちゃんも喜んでくれてるのね」

澪ちゃんとりっちゃんは、別の場所でモニターの映像を見ている。
音声を流すと大変な事になっちゃうから、もちろんミュートでね。

「ところでムギ、梓の様子を見て、ひとつ気付いた事があるんだ。
 ビクンビクン跳ね上がってる時と、わりと落ち着いてる時と、両極端じゃないか?」

指摘を受けて改めてモニターを見ると、確かにその通り。
曲のサビの部分には言霊が多く含まれているから、呪いも多く発動する。
でも、それ以外の部分には言霊がほとんど無いから、何も起こらない。
私は澪ちゃんにお礼を言って、すぐに斉藤を呼んだ。

「『ミツバチ』のCDを10枚と、CDプレーヤーを10個用意して!」

解決策は、至極単純だ。
タイミングをズラして、何重にも曲を流せばいい。




356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:29:48.31 ID:l2arg96iO

すげえwwww容赦ねぇwwwwwww





357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:30:03.26 ID:Y9zNDNHUO

ブーンブンシャカブブンブーン♪

          超マニアック 特攻隊長 本日も絶好調♪

     ブーンブンシャカブブンブンブーン♪

               胸ドキドキワクワク体ノリノリ♪

ガンバンベ! 踊れミツバチ♪

          ブーリブリチャカビガッビガッ♪

     ダッセー飛び方でもいいから上へ飛べデッケー夢持って♪

ブーリブリチャカビガッビガッ♪

          ブーンブンシャカブブンブーン♪

     草食系とかマジ勘弁♪

「ぎにゃあああっっっ、ぎにゃあああっっっ!!!
 あふぅ、あひゃぅぅ、たしゅけてぇぇぇっっっ!!!
 やっ、やすみぃ、なしぃ、わっ、むりぃぃぃっっっ!!!」




362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:33:40.65 ID:Y9zNDNHUO

10個の音源から『ミツバチ』を流し始めてから、梓ちゃんは一切の休憩なく、
気持ちよさと、くすぐったさと、痛さを感じ続ける事になった。
でも、この状態があんまり長く続くと、ショックで本当に死んでしまうかもしれない。

「……そろそろ、いいかしらね。音楽を全部止めて!」

私の合図から数秒と経たずに、すべての音源のスイッチが落とされた。
私はメイドを一人携えて、地下の小部屋へと向かう。

「梓ちゃん、調子はどう?」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

梓ちゃんの身体は軽い痙攣を続けていた。
医者を呼ぶような症状でない事を確認して、メイドに水分と糖分を補給させる。
口の中に押し込まれたものを飲み込むくらいの力は、まだまだ残っている。

「ごめんなさい、遅くなっちゃって。そろそろ練習を始めましょうか?」

「はぁっ、はぁっ、……えっ?」

メイドが梓ちゃんのギターケースからムスタングを取り出した。
放心状態の梓ちゃんを立ち上がらせ、ストラップを肩に掛けさせる。




365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:37:32.99 ID:Y9zNDNHUO

「どうしてキョトンとした顔をしてるの、梓ちゃん?
 今日は元々、練習するために、私の家に来たんでしょ?」

「えっ、あっ、はい……」

「実は梓ちゃんのために、用意しておいたものがあるの。
 純ちゃんのベースと、憂ちゃんのドラムを録音した、練習用テープ!」

「あっ、えーと、ありがとう、ございます……」

梓ちゃんの思考は、まともに働かなくなっているみたい。
それだけ『ミツバチ』10重奏は過酷だったのね。

「今からこのテープを流すから、梓ちゃんはギターとボーカルで合わせるのよ?」

「わ、わかりました……」

「それじゃ、始めるわね。曲は『ミツバチ』よ!」

「……えっ?」




366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:38:19.93 ID:AMUt8JnJ0

ごうもん!






367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:40:22.51 ID:Y9zNDNHUO

カンッカンッカンッカンッ

憂ちゃんがスティックを鳴らす音。
この曲は出だしからボーカルが入るから、梓ちゃんは最初から歌わないといけない。

「梓ちゃん、ボーッとしてる間に曲が始まっちゃったわよ?」

「あっ、すみません……」

そうこうしている間にイントロ部分が終わり、ベースとドラムの音がテープから流れた。
この音だけでも呪いが発動して、梓ちゃんの身体はピクピクと反応する。
でも今は練習なんだから。梓ちゃんはギターを弾いて、歌わなきゃ、ダメだよ?

「ほら、ギターボーカル、しっかり頑張って!」

「うぅ……、行き先イケメン、ハイビスカス♪ うぅ……」

「ちゃんと全部の歌詞を言わなきゃ!」

「ブ……、ブーリブリチャカビガッビガッ!!」

自分で発した言霊によって、梓ちゃんの身体はピクンと跳ね上がった。
これに耐えるのも練習のうちだから、仕方ないわね。




368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:43:27.65 ID:Y9zNDNHUO

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

「情けないわね、梓ちゃん。たった一回、通しで練習しただけじゃない」

「だっ、だって、ムギ先輩……」

「言い訳をするような子は、武道館に行けないよ?
 さぁ、もう一回、通しでいきましょうか?」

梓ちゃんの表情は、次第に絶望的なものに変わっていた。
私はそれに気付かないふりをして、練習用テープを再生した。

「38℃の真夏日、うぅっ……。夏祭り、ぐすっ……。こんな日は♪」

「ほらほら、明るい曲なんだから、泣きながら歌っちゃダメよ」

「ひぐっ、ガンバンベ! 踊れミツバチ♪」

「そうそう、その調子よ!」

「ブーンブンシャカ、はぐぅ、ブブンブーン♪」

「もっと笑顔で歌って!」




370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:46:04.61 ID:Y9zNDNHUO

およそ30分の練習を終えて、私はリビングに戻って来た。
5分ほど休憩を与えられた梓ちゃんは、床に寝転がって、微動だにしない。
せっかくだからベッドの上で寝ればいいのに。

そして再び、10個の音源から『ミツバチ』が流れ始めた。
梓ちゃんの絶叫が、マイク越しに聞こえる。
大体30分くらいこのまま放置しておいて、その後また練習にしよう。

……30分練習、30分鑑賞。
『ミツバチ』尽くしの素敵なサイクルが完成した。
よし、日曜の夜まで、このサイクルを延々と繰り返す事にしよう。
そうすればお父様が帰って来る頃には、梓ちゃんもすっかり素敵な状態になっているはず。
きっとお父様も喜んでくれるわね!

次の日は月曜だから、学校か。
澪ちゃんとりっちゃんに、イタズラしてごめんなさい、って謝ってもらわないと。
その後、純ちゃんと憂ちゃんと一緒に演奏して、練習の成果を見せてもらおう。
耳栓をするから音は聞こえないだろうけど、澪ちゃんとりっちゃんも喜んでくれるわ!

「だから、頑張ってね、梓ちゃん♪」

「にゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」



おわり!




371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:49:59.32 ID:Y9zNDNHUO

これで本当に終わり!
本編、番外編ともに支援ありがと!

ドM和ちゃんまで書いて終わらせる筈だったのに、みんな梓に仕返ししろって言うから続けてみたら、えらい鬼畜になってしまった




373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:50:52.23 ID:zsePS8Zf0

壊れた所も見たかったけど、>>1乙!




374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:51:11.80 ID:1a/FIDLsP






376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/18(水) 23:54:19.58 ID:ROF/s+KyO

おつ。
ちと梓可哀想だが自業自得だからしかたないか
みつばち最低!!




381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/19(木) 00:02:09.59 ID:e8WNVGINO


ミツバチマジ勘弁


女子高生の日常を英語にしたら
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         コメント一覧 (16)

          • 1. 名無し
          • 2010年08月19日 14:10
          • けいおん!って、本当に良いものですねえ。

            和ちゃんも出たしな!
          • 2. 名無し
          • 2010年08月19日 20:01
          • 壊れた所も見たかった
          • 3. 774
          • 2010年08月19日 21:15
          • りっちゃんは澪ちゃんの些細な変化も見逃さないんだね///
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年08月19日 22:23
          • 画像のあずにゃん穿いてないだろ・・・
          • 5. 以下、VIPにかわりましてバンさんと彦一がお送りします
          • 2010年08月19日 22:41
          • クマンバチより
            何百倍もタフな男に憧れて

            だと思って期待したのに違った
          • 6. 名無し
          • 2010年08月20日 00:45
          • ミツバチ使われすぎワロタwww
            遊助も本望だろw草食系とかマジ勘弁www
          • 7. 名無し
          • 2010年08月20日 06:00
          • ゆうすけって幽々白書の?ミツバチはっちが流行ってるの??(カスだからググる!
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年08月20日 14:11
          • ドMの和とか最高だろ・・・とりあえずゴキにゃんざまぁwww
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2010年08月20日 15:14
          • なんというげすにゃん
            姫子マジいい子
          • 10. あ
          • 2010年08月20日 20:32
          • わちゃんが可愛すぎるwww
          • 11. ☆
          • 2010年08月21日 10:38
          • 4 興味わいた
            今度ミツバチ聞いてみる
          • 12. ななす
          • 2010年09月01日 22:02
          • あずにゃん「やってやるDETH!」
          • 13. ラグ
          • 2010年09月11日 08:59

          • 何これマジ勘弁

          • 14. シモジョウ
          • 2010年09月14日 04:40
          • 梓をおもちゃにするこのムギこそ
            まさに 外道!!
          • 15.  
          • 2010年09月27日 20:20
          • アオーアオー言いながらグチャグチャの顔で糞尿ぶちまけながら訳分からん痙攣してるあずにゃん

            うん最高
          • 16. 名無し
          • 2012年01月19日 12:08
          • 九州新幹線のCM曲の、マイア・ヒラサワのBoom!を思い出したww

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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