唯「じょうもんせいかつ!」【転】

181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 19:21:09.84 ID:KLaZNF8HO
中学の時、山道を通っていると一緒に登校していた二人が大きな声で笑った
その瞬間、すぐ横の竹林からくそデカイ猪が山に向かって猛ダッシュしていった
呆然とする自分、自転車から転げ落ちる友人、「熊!?熊!?」と必死な形相の友人
あれがこっちに向かって来ていたらと思うと、ちょっとヒヤッとする
何が言いたいかって、りっちゃん死なないで


185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 20:17:46.50 ID:+sNhsK3nP
猪vs野犬
ttp://www.youtube.com/watch?v=fGfKXq2rbVg


188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/10(水) 20:41:57.59 ID:Mtbnp5xA0
>>185
イノシシTUEEEE


189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 20:53:04.55 ID:ryfCkUb9O
イノシシでさえ恐ろしいのに石の槍でマンモスとか古代の暮らしはまさにモンハンだな




193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:14:13.10 ID:P8En1w+F0
ありがとうございます。
再開します。


194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:18:08.42 ID:P8En1w+F0
澪「先生!このデコッパチになんか言ってやてください!」

さわ子「うーん…りっちゃん?」

律「おうよ!」

さわ子「勝手にやりなさい。」

澪「せんせい!!」



195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:28:48.19 ID:P8En1w+F0
さわ子「ったく…」

さわ子(澪ちゃん、たしかにイノシシに遭遇してもあんたらじゃ
    傷一つ付けることはできないでしょうね。)

さわ子(逆に大怪我負うわ。)

さわ子(譬えるなら、dq6で本物のムドーに貧弱なレベルで挑むのと同じ。)

さわ子(ちょっと怖い目見たほうが今後のためよ。)



196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:41:50.84 ID:P8En1w+F0
澪(でも怪我とか…)

さわ子(そんときはあんたが上手く誘導して、皆を逃走させなさい。)

澪(そ、そんな無責任な…)

さわ子「そういうことでがんばってねー。」

澪「おっ鬼!!」



198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:47:39.85 ID:h+IjwD+J0
なんで1は「じょうもん!」にこんなに詳しいんだwww


199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:49:28.97 ID:P8En1w+F0
こうして唯たちは無謀にもイノシシ狩りを行うことになった。
ここでイノシシ狩りに臨む唯たちの装備を見てみよう。

唯「ドキドキするねー!」
 ・右手→鹿角のヤス
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→小型の投槍
      憂のまもり(憂から渡されたお守り)
      イグサのポシェット(イグサを編んで作ったポシェット、食料入り)  


200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 22:56:38.93 ID:P8En1w+F0
澪(果たしてどう逃げれば良いか…)
 ・右手→竹製の弓
 ・左手→なし

 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→黒曜石の矢×10
      黒曜石の石包丁
      イグサの矢筒(イグサを編んで作った矢筒)  



202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:04:43.75 ID:P8En1w+F0
律(狩りで私がリーダーシップをとって澪から軽音部の主導権を…)
 ・右手→石製のハンドアックス(石の部分は20cm×4cm×2cm)
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→イグサのポシェット(食料・修理器具・小型石器入り)
      小型の投槍  


203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:11:11.89 ID:P8En1w+F0
紬「ふんふんんふーん♪」
 ・右手→黒曜石の大型槍
 ・左手→黒曜石の大型槍
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→ハンドアックス(律のものと同じ)×2
      大型縄文土器のバックパック(蔓をつかって背に背負えるようにしたもの
      中身には食料、総量10kg)
      たくあん眉毛  


204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:16:19.34 ID:x9OxoxE40
ムギさんパネェ



206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:24:35.32 ID:P8En1w+F0
梓(や、やってやれないです…)
 ・右手→小型の投槍
 ・左手→なし
 ・頭→なし
 ・上半身→縄文人の服
 ・下半身→縄文人の半ズボン
 ・その他→いぐさのポシェット(食料・つぶて石入り)
      竹製の水筒×2

※つぶて石…投げて対象に打撃を与える石ころ。  


207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/10(水) 23:28:06.44 ID:F71LDdU30
投槍…ケラックか


208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:32:56.99 ID:P8En1w+F0
さっそく原生林奥へと足を踏み入れる一行

律「あっ、いつもの湧き水についたな。
  水分補給しとくか。」

澪「水筒は二つしかないし、ここを拠点にするか、
  遠くの水場を探すか…」

律「どうにかなるだろ、まー。」

澪「な!?適当すぎるぞお前!!」

澪「はぁ…本当に…
  あ、みんな、体を動かして大量に汗をかくかもしれないし、
  灰塩を食べて水を十分にとっておけよ。」

唯「おーけい!」



209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:39:59.39 ID:P8En1w+F0
こうしてさらに奥へと進む一行。

澪(帰り道をちゃんと覚えておかないと…
  でも方向感覚がぜんぜんつかめない…)

律(ぜーんぜん、出て来ねえなあ…)

梓「ムギ先輩、そんなにもって重くないんですか?」

紬「もっと持てるわよー?」 

このあと、ほぼ半日、一行は歩き回ることになる。
糞や足跡、イノシシが地面を掘り返したと見られるあとは見つかったが、
イノシシ自体に遭遇することは無かった。


210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:45:43.07 ID:P8En1w+F0
一行には、間延びした倦怠感が現れ始めていた。
そのときである!

唯「あっ!あそこっ!」

律「どうした唯?」

唯「なんか、変な動物がいるよ!!」

律「なにっ!?」

律(よし、こっからは声を抑えていくぞ!)



211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:50:44.57 ID:P8En1w+F0
律(鳥だよな…少し大きめだ…)

紬(あれは…雉(きじ)よ!)

律(キジか…まあシシ鍋じゃなく焼き鳥にランクダウンしとくか…)

律(よし!目標前方2時の方向のキジ!
  フォーメーショーンDだ!)

唯(ふぉーめーしょん?そんなのあったっけ??)

律(こういうのは気分なんだよ気分!それで士気が上がるんだって!!)



212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/10(水) 23:51:33.42 ID:n0iJvdNwO
イグサがイクサに見えて、思わずイクササイズしちまった…


213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/10(水) 23:55:56.90 ID:P8En1w+F0
キジ「アホー」※こんな鳴き方はしません

梓(変な鳴声ですね…それに、狩るのはちょっと可哀想…)

律(梓、変なヒューマニズムに惑わされるな!)

律(澪、後方から援護を頼む。
  唯、私とギリギリまで近づいて投槍でしとめるぞ。)

澪(りょ、了解…)

唯(らじゃー!)

紬(ドキドキ)



214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:08:03.37 ID:Di0Bqfhw0
律(ギリギリまで近づけ…でも近づきすぎたら感づかれるから、あんまり近づくな…)

唯(え!?ど、どっちなの!?)

律(カンだカン!自分の感性を信じるんだ!)

ジリジリ…

キジ「アホーアホー」

律「いまだ唯!」

唯「応(おう)!」


215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 00:09:16.17 ID:4OchkFYS0
支援


216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:12:59.35 ID:Di0Bqfhw0
律「はぁぁーー!」

唯「えいっ!!」

キジから8mほどの距離から投槍を投げる!

キジ「アホー」

そして全く命中しない!

律「あ、あり??」

唯「ハズしたぁーー!!」


217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:19:45.63 ID:Di0Bqfhw0
紬(投槍は弓矢よりも狙いがつけられないのね。
  あと、飛んでいくスピードでも劣ってる…これじゃ威力も…
  鳥、というか素早い動物を狩るには不向きだわ。)

律「くっ…み、みお頼む!」

澪「ああ!」

矢をつがえ、弓を引き絞る澪。

澪(!)

ヒュン!

澪が放った矢はキジのほんの少し側面をかすめて外れる。

澪「くっ…」

キジ「アンタラバカー」

パサパサッツ…パサッ…

キジは優雅に空中へ舞い上がると、唯達の頭上を軽く旋回して
どこかへ飛んでいってしまった。


218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:26:59.70 ID:Di0Bqfhw0
律「くっそ!ああくっそー!!」

地団駄を踏んで悔しがる律。

梓(でも、殺さなくて、ほんとによかった…)

紬「あ、あのねりっちゃん…」

律「あっ!?なんだ!?」グワッ

紬「ヒッ!な、なんでもないわ…」


223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:56:15.50 ID:TUbMwYnxO
>>218
魚喰っといて殺さなくて良かったなんて
流石梓偽善者汚いな偽善者きたない


219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:33:25.05 ID:Di0Bqfhw0
澪「攻撃の連携がぜんぜん取れてないな。
  それに武器の選択も間違ってた。」

律「ああ!そう!そうだよな!くそっ…」

唯(りっちゃん荒れてるね…)

紬(アレがはじまっちゃったのかしら?)

それから小一時間周囲を探索したが、いかなる動物にも遭遇することは無かった。
唯たちは協議の上、途中で新しく見つけた湧水の近くまで引き返し、
そこで一晩明かすことに決めたのだった。


220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:41:20.74 ID:Di0Bqfhw0
パッ…パチッ…

闇の中、かがり火がうごめき煌く。

律「…」

律は口数少ないまま、食事をそうそうに切り上げ、
横になって目を瞑る。

唯「クッキーおいしいね♪」モグモグ

梓「はい…」

梓は曖昧に相槌を打つ。
唯は食料として持ってきたどんぐりクッキー(灰塩味)を
大そう気に入っているようだ。


221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:45:29.85 ID:BRcJYJkgO
支援


222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 00:49:06.80 ID:Di0Bqfhw0
澪「ふぅ…」

澪は時々、律の方に視線をやりながら、弓の"つる"の調整をしている。

紬(りっちゃん、それにみんなも…疲れがたまってるのかな…)

紬は、ぼんやりと、皆の方を心配そうに見やる。

始めた頃は、非日常の中に突然入り込んだ日常感覚、が生まれた。
しかし時間が経つにつれ、この二つは溶け合い、
まったく別の、はじめて経験する感覚へと、唯達を晒す。
彼女達も身をもって、それを覚えはじめている。

こうしてまた一日、日が過ぎていった。



224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:02:34.27 ID:Di0Bqfhw0
次の日、目を覚ますと唯たちは竪穴住居へと帰路を取る。
大体一時間半ほどかかるだろうか?
澪がかろうじて方向と目印を覚えていたため、何とか帰りつけそうだ。
律は今日もほとど喋らない。
いや、他の皆も。

唯「ふぁーー…」

紬「眠いの、唯ちゃん?」

唯「んーちょっとねー。」

ドン!!!

唯「!!??」

澪「な、なんだ…!?」

それは突然に訪れる。背後で大きな音がする。
重量のある何かが、何かに衝突したかのような…



226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:08:32.29 ID:Di0Bqfhw0
背後5mほどの木陰に、唯達が追い求めていた動物がいた。

律「いの…シシ!?」

梓(よりによって…皆さんのテンションが最悪なときに…)

イノシシ「フ…フー…」

イノシシは唯達に気付くと体躯を彼女達のほうに向ける。
本来なら臆病な動物のはず。何かに気がたっているのだろうか?

梓「こっち向いて…に、にじり寄って…きます!?」


227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:17:39.94 ID:Di0Bqfhw0
澪「くっ…に、逃げ…」

律「いーや狩る!!」

澪「ば、馬鹿っ!!昨日のキジとは違うんだぞ!?」

イノシシはゆっくり、ゆっくりと、相撲取りのように寄りきり進み、
体躯を前方に屈める。

紬「来るわっ!!」



228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:26:03.17 ID:Di0Bqfhw0
律「澪!怖いなら指くわえてみてろ!!唯、投槍用意!!」

唯「うん!」

イノシシ「フーーーーー!!!」

ドッドッドッ!!!

イノシシが突進し始める。
標的は…梓!

梓「あっ…!?」

律「早いっ!!」

紬「あぶないっ!!」

紬は覆いかぶさるようにして、梓をイノシシから庇う。

ドンッ!!!

イノシシはその横を突進し、そのまま別の大木に衝突する。


229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:35:39.67 ID:Di0Bqfhw0
律「!?」

梓「あ…あ…」

梓「ハッ!ムギ先輩大丈夫ですか!?」

梓は紬のほうに顔を向ける。
紬はすでに、槍を構えて起ち上がっている。

紬「ぜんぜん!」ニコッ!

梓「よかった…!」ジワ



230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:41:46.66 ID:Di0Bqfhw0
律「動かない!?死んだか…」

澪「いや、気を抜くな!!」

律「!」

律「ああ!ゆい、あいつに目掛けて槍を投げるぞ!
  澪も頼む!」

唯「うん…!」

澪「ああ!」



231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:48:43.12 ID:Di0Bqfhw0
紬(やっぱり…投槍は弓矢に比べて有効な武器じゃないんだ…)

唯「あずにゃんを睨んでるみたい!!」

梓「ヒッ…」

紬「また来るわ!」

律「澪、距離をとってあたし等の背後から狙え!ムギ、お前の長槍一本貸せ!」

紬「うん!」

紬は律のすぐ目前へ槍を放る。
律はすぐさま片手で掴みあげる。


232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 01:55:32.22 ID:Di0Bqfhw0
イノシシは再び唯達に向いはじめる。
いや、おそらくは梓に向って、だ。

澪はイノシシの側面に再び矢を射掛ける。

ヒュン!

わき腹に突き刺さりはしたがイノシシは動きを止めず、再び前かがみに。


233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:05:34.30 ID:Di0Bqfhw0
澪「く、頑丈…」

律「あきらめるな!何度も射掛けろ!!」

律「ムギ!イノシシ挟んであたしの反対側にいけ!両側から仕掛ける!
  唯は梓を庇いつつ逃げて引き付けろ!」

唯「うん!」

イノシシが突進する。


234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:15:13.70 ID:Di0Bqfhw0
律「やぁぁーー!!!」

律の長槍がイノシシの首の辺りを傷つけ、反動で律は背後に倒れる。
長槍は突き刺さりこそしなかったが、イノシシの動きを止めた。

紬(今!!)

紬は一直線にイノシシに突進する。

紬「はぁぁっ!!!!」

ズっ!ググ…

紬(嫌な…感触…)

紬の長槍はイノシシの下腹深く突き刺さる。

イノシシ「フーーーーーーーーーーー!!!!」

苦しげな声をあげ、打ち倒れるイノシシ。


235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:19:51.48 ID:Di0Bqfhw0
律「や、やたっ!!」

澪「律、ムギ!怪我ないか!?」

律の背後から澪が声をかける。

律「大丈夫だ!」

紬「私も!」

澪は律に近づこうとするが、
その刹那―


236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 02:24:05.85 ID:nPTB7S3T0
・F・セイエイ!未来を切り開く!


237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:26:29.62 ID:Di0Bqfhw0
イノシシはゆっくりと起き上がる。
そして律のほうへ…
最後の力で、律を道連れにしようとするかのように。

律「あっ…」

律とイノシシの距離で今突撃されれば…

律「や、ばっ…」

澪「くっそーー!!!」

ヒュン!

澪はすぐさま弓を引き絞り射掛ける。
が、澪の放った矢は外れてしまった、ように見え…


238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:34:10.39 ID:Di0Bqfhw0
?「…」

ヒュン!

外れたように見えた矢は、なぜかイノシシの眉間から深々と突き立っていた。
ゆっくりと、横臥するように倒れるイノシシ。

律「あ、あぶ、あぶなか…」

澪「りつーーー!!」


239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:40:58.21 ID:Di0Bqfhw0
澪は背後から律を抱きしめる。

澪「よ、よかっだ…よかっだぁーー!!」ヒッヒック…

律「へへっ…////」

紬(心のビデオカメラ起動開始。高画質モードon)ハァハァ





少し離れた木陰

?「たく、世話をやかせてくれるわね…」


240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:50:35.63 ID:Di0Bqfhw0
そして一行は、蔓と木の棒でイノシシを縛り上げると、
梓を除いた四人がかりで背負い、竪穴住居へと帰路についたのだった。

けれど…逆さまに木に括り付けられ、
次第に体温を失っていくイノシシを、横目に見て…

梓「…」

梓(気が落ち着いてみたら、やっぱり、生き物を殺すのって…)

梓(それに、なんだかわからないけれど、このイノシシ、
  何かに取り憑かれてるようだった…)



241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 02:56:46.02 ID:Di0Bqfhw0
-竪穴住居-

律「ただいまー!」

澪「重かった…百キロ近くあるぞコイツ…」

唯「さわちゃん!見てーーーー!!」

さわ子「あー?何よ昼間ッから…ヒック」

梓「またお酒飲んでる…」



242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:03:51.84 ID:Di0Bqfhw0
唯「イノシシつかえまえたよー!」

さわ子「へーやったわね!どらどら…」

さわ子「…」

さわ子(ふむ、コイツは…やっぱりね。)

さわ子「まずまずの大きさね!お昼ごはん食べたら解体しましょうか!」

梓「か、かいたい!?」

さわ子「肉片にしないと食べられないでしょうが…」

梓「う…」


243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:10:39.86 ID:Di0Bqfhw0
-そして解体準備開始-

さわ子「穴を掘って、それに木組みを立てて、
    イノシシを吊るす土台を作りましょう。」

唯「はーい!」

さわ子「コイツの重みに耐えれるのを作らないといけないから
    太くて頑丈なやつを持ってくるのよ。」

-土台作成中-


244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:13:28.79 ID:5gmWX8a20
支援


245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:16:41.26 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「よし、吊るし上げまで完了!」

さわ子「えっとりっちゃんは確か、イノシシの解体を見たことあるって言ってたわね?」

律「うん、田舎のじいちゃんちに行った時に何回かね。」

さわ子「解体プロセスもわかってる?」

律「もち!」

さわ子「じゃ、りっちゃんは補助お願いね。
    あんたらの腕じゃ無理だろうから私がメインでやります。」


246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:25:42.78 ID:Di0Bqfhw0
※澪は解体が怖いので竪穴住居に退散しました。
 イノシシ狩りに参加しといてなんですが。

律(ずっと気になってたんだけど、
  なんで先生はこの手のことに詳しいんだ?)

紬(サバイバル好きの彼氏でも居たのかしら?)

さわ子「んっ!?なんか言った!!??」

律「な、なーにもー…」

紬「言ってないです…」アセアセ


247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:34:34.36 ID:Di0Bqfhw0
梓「…」ガクガク

さわ子「あずさちゃん、怖いなら、
    澪ちゃんみたいに竪穴住居に帰ってて良いのよ?」

梓「だ、大丈夫です…」

さわ子「じゃ、はじめますか。
    まず、イノシシのお尻の穴に布を入れておきます。」

唯「なんでー?」

律「ウンコで肉が汚れることがあるからなんだってさ。」

唯「ほー。」


248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:40:07.29 ID:Di0Bqfhw0
律「あ、その前に。」

イノシシに向って手を合わせる律。

さわ子「ずいぶんと信心なことじゃない。」

律「じいちゃんに、こうしろって言われてるんだ。」

そして、さわ子と律は石包丁でイノシシの皮を剥いでいく。


249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 03:46:33.00 ID:Di0Bqfhw0
梓「ぅ…」ガクガク

唯「…」

紬「…」

さわ子(この子たちよく頑張ってるわね…)

さわ子(さて…)

-皮剥ぎ完了-


250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:01:28.69 ID:Di0Bqfhw0
梓「ヒ…ヒ…」ガクガクガク

唯「…」ガクガク

唯と梓は身を寄せ合って震えている。

紬「あんまり脂肪がついてないですね?」

紬はもう慣れたようだ。

さわ子「まあ、そりゃそうよ。夏場だもの。
    冬篭り前が一番おいしいんでしょうけど。」



252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:05:47.60 ID:Di0Bqfhw0
律「でもその割には、コイツお腹がでっぷりしてない?」

さわ子(フフ…)

さわ子「じゃ、りっちゃん、はじめの一刀はまかせるわ。
    下半身のこの辺、一番膨らんでるとこに
    切れ込みを入れてちょうだい。」

律「あれ?先に頭は落とさないの??」

梓「ア、アタマ、オト…」ガクガクガクガク

さわ子「今日は特別工程よ。」

律は言われるまま、皮膚に切り込みを入れていく。


253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:12:29.88 ID:Di0Bqfhw0
律「あー!石器じゃ難しいな…」

さわ子「そう?この黒曜石の切れ味も中々のものよ。」

律は10cm程度の切れ込みを入れる。
イノシシの内臓が傍目にもよくわかる。

梓「…」ガクガクガクガクカ

唯「…」ガクガクガク


254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:15:13.47 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「さて、あななたち、もっと近寄ってきなさい。」

そう言うとさわ子は、内臓のうちの、ひときわ大きな袋のようなものに
切れ込みを入れ始める。

律「!?」

さわ子(りっちゃんは気付いたかしら?)

紬「それ、胃ですか?」


255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:15:45.43 ID:wAa8uoTFO
うわー、その展開は唯とあずにゃんが吐きそうです、先生
パンツ脱いで待ってます


256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:18:28.43 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「こんなとこに胃なんてあるわけ無いでしょう。」

律「さ、さわちゃん、そ、れ…」

さわ子が入れた切れ込みから赤紫色のような物体が見える。

律「あ…」

さわ子「これ、何だと思う?」


257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:20:24.54 ID:S4sjsJm60
支援してあげるわよ!!!かっかんちがいしなでよ!!べつに特別な意味はないんだから////


258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:24:29.78 ID:8+Fll3kpP
このさわちゃんは流石に引く


259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:25:26.41 ID:Di0Bqfhw0
梓「…」ガクガクガクガク

唯「え?え…?」

さわ子「これはね、イノシシの子宮、このなかに入っている赤紫の物体は…」

さわ子「イノシシの胎児よ。」

梓「え…」

梓はまじまじと赤紫の物体を凝視する。

そして、意識を手放した。


260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:28:39.02 ID:OkBcb3chO
「食卓のお肉が出来るまで」の動画を想像してるが、
よく考えてみるとかなりグロいな…今やってること。


261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:28:54.88 ID:Di0Bqfhw0
梓「…」

梓「ん…」

「!」

梓「んん…」

「あずにゃん!」

梓「ゆ、い、せんぱい?」

唯「よかった!あずにゃん!!やっと目をさましたよー!」ギュ

梓「あ…」


262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:37:07.35 ID:Di0Bqfhw0
梓「わたし、気を失って…」

唯「うん、もう夜だよ。」

梓「他のみなさんは?」

唯「外で火をおこしてご飯食べてる。」

梓「ご、はん…」

フラッシュバックするように、梓はイノシシの解体の場面を思い出す。

梓「あ、あ、」

唯「あ、あずにゃ…」


263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:38:59.97 ID:wAa8uoTFO
あれれー?おっかしいぞー
下呂シーン期待はまだかなー?



265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:39:43.06 ID:8qanRdttO
観てるぜ


266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:41:52.31 ID:Di0Bqfhw0
梓「あああーーーーーーーー!!!」

澪「どうしたんだっ!!」

澪たちが飛び込んでくる。

梓「うあああああーーーーーーーー!!!」

律「あ、ずさ…」

さわ子「やっぱりね…」


267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:46:25.41 ID:Di0Bqfhw0
梓「ひどいっっ!!ひどすぎるよ!!!残酷だよ!!!!!」

梓「せんせい!!!せんぱい!!!」

梓「最低です!!!!!!!」

梓「あの子、もう少ししたら生まれてこれたかもしれなかった…
  なのに…なのに!!!」

澪「先生!!いくらなんでもやりすぎですよ!!
  梓にも…生き物の解体なんて耐えられるはず無かったんだ!」

何を見て梓が気を失ったかについては、澪には伏せられている。


268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:50:30.99 ID:wAa8uoTFO
ふぅ…
流石に先生やりすぎだよな…


269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 04:52:38.42 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「たしかに、そうかもね。やりすぎだわ。」

律「肉食べてるのに、解体工程に文句言うやつはどうのこうのって、
  よく言うけど…」

律「さわちゃんはやり過ぎた。それに、事前に私に断っとくべきだった。」

さわ子「そうしたら、りっちゃんは私を止めた?」

律「ああ。」

さわ子「はぁ…」


270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:02:12.11 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「私もC・W・ニコルの真似したり、
    偽善者/偽悪者ぶるつもりはないんだけどね…」

澪「結果も、多分、動機も…両方最悪ですよ!とくに結果!!梓には、やっぱり…!」

梓「…」プル…プル…

唯「あず、にゃん??」

梓「もう…」

梓「もういやああああああーーーー!!!!!」

梓は竪穴住居を飛び出す。

澪「あずさっ!!」

唯「大丈夫!!私にまかせて!!」



272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 05:04:54.93 ID:NBHbip8I0
梓「さ…さ…」

梓「酸だああああああーーーー!!!!!」

ごめんなさい


273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:06:06.87 ID:svDxZNR10
軽音楽からどんどん離れていってる気がする支援


274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:06:30.58 ID:qrfS8qdT0
                ハ        _
    ___         ∥ヾ     ハ
  /     ヽ      ∥::::|l    ∥:||.
 / 聞 え  |     ||:::::::||    ||:::||
 |  こ ?  |     |{:::::∥.  . .||:::||
 |  え      |     _」ゝ/'--―- 、|{::ノ!
 |  な 何   |   /             ヽ
 |  い ?   !  /               |ヽ
 ヽ      / ./        /  /|    | ト、
  ` ー―<  ./        /  / .|    / | ヽ   
       ,/      /  /ーナ  ̄ |/'|  / ! | ヽ
  .    |/|     |   ,' .--、、   | /\| | ヽ
 .       /   /^V   |( `-' |    |/_  | /  ヽ
       /    { v^|   |\_/    /、_, レ i\|
       /     Y`i   |     、i  ! / /
       レ'1    i |    | '┌- ____ `- '/ /         
         レ^i | |   | |、-v、/  / |
           ヽ| .| |\| ιヽ /  .人 |
           /   V:\   `υ/  |/
       __ - '   |   `ヽ- '   レヽ |
   - '´ ヽ _    |   /       V
  ̄       ̄ ̄` ヽ - `-、__
                ̄ `  \
    Y              ヽ  \
     |               \ |



275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:09:08.57 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「梓ちゃんは唯ちゃんに任せて、わたしは食事に戻るわ。」

澪「先生!!どれだけ無神経なんですか!?」

さわ子「じゃあ、あのイノシシの骨の前で、泣きながらひたすら
    許しを乞えっていいたいの?」

澪「な…!?」

さわ子「今日調理したものは内臓。土の中に埋めた部位と違って、
    早く食べないと傷んでしまうわ。」※

澪「話にならない…!」

※土中に埋めて熟成を促す過程


276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:11:10.07 ID:Ep/zs/XwO
のちのクロマニヨンズである


277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:18:38.96 ID:Di0Bqfhw0
澪「だいたい、律もムギも、解体工程見ておいて、
  よくも肉を口に出来たなっ!」

紬「…」

律「なっ!?お前だって食べてたじゃないか!!」

澪「わ、わたしは…!」

さわ子「先に戻ってるわよ。」

そういうとさわ子は、火のほうへと戻っていく。

紬「…」

紬も無言でさわ子に続く。

澪「ムギ…!?」



279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:23:28.30 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「…」モグモグ

紬「…」ヨリヨリ

さわ子「…」ゴクゴクゴク

さわ子は猪の内臓の煮物をビールで流し込むように食べている。
紬は時々、煮物を口にしながら、植物の繊維のようなもの―
イラクサを縒(よ)る作業を行っている。


280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:28:43.99 ID:Di0Bqfhw0
紬「先生、ビールを飲むペースが早くなってますよ。」ヨリヨリ

さわ子「余計なお世話。」モグモグ

さわ子「ムギちゃんもなに作ってんのよ?」

紬「これですか?ジ○ンちゃんの本に書いてあったんです。
  この縄文生活でも、楽器を作って演奏ができないかなって思って。」


281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:35:00.72 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「弦…ね。」

紬「ええ。それに、あの子の毛皮も骨も牙も腱も楽器の材料にできますし。」

さわ子「そう…」

紬(楽器を作って、演奏ができるようになれば、みんなも…)

澪「…」

律「ふぅ…」

律と澪が戻ってくる。
律は無言で自分の土器茶碗を手に取ると、煮物を口にし始める。
澪は、煮炊き用の大型土器―臓物の煮物が入っている―を少見つめた後、
黙って土器茶碗を手に取り、律にならう。


282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:44:14.30 ID:Di0Bqfhw0
―とある湧水の側―

チョロチョロチョロチョロ…

湧水の流れる音。

ジー…ジー…ジー…

ホー…ホー…

生き物の鳴き声。

梓「ぅ…ぅ゛ぅ…」

そして少女の、啜り泣く声。


283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:44:49.81 ID:vWLSk8v+O
存外本気で書いていらして関心しました支援


284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:49:37.42 ID:Di0Bqfhw0
梓は湧水のほとりで泣いていた。

梓「…」ヒック

周りは暗く、誰もいない。
けれど。

「あずにゃん。」

梓「!」


285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 05:55:43.49 ID:Di0Bqfhw0
梓「ゆい、せんぱい?」ヒック

唯「隣り、座っていい?」

梓「…」

梓「はい…」

唯は梓の隣に座る。


286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:00:02.62 ID:Di0Bqfhw0
唯は、梓の背に右手を伸ばし、梓の頭を自分の頬によせる。
唯は何も口にしなかった。
梓も同じく。

ただ、時間と人間以外の出す音のみが、ゆっくりと背後を流れてゆき。

どのくらいたっただろうか?
ふと、唯の目にほんのりとした灯りが目に入る。
黄金のような淡い翠のような、うっすらとした輝き。

唯「あれ?」

梓「せんぱい?」


287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:03:49.77 ID:Di0Bqfhw0
梓「どうしたん…です、か?」

唯「あれ見て。」

唯は輝きのほうを指差す。

梓「なん、だろう…?」

湧水からは小さな小川が流れ出しており、
唯の見つけた輝きはその小川の流れの先にある。

唯「…」

唯「あずにゃん、いってみよう?」

梓「え?」


288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:08:07.18 ID:Di0Bqfhw0
唯たちは小川を下る。
下るにつれ、灯りが散在するように輝いているのがわかる。
そして、それは小さな光が群れ集まって、舞うように、輝いているのがわかる。

梓「あ…」

そして唯と梓は、光の大群のすぐ目の前まで近づく。

唯「ホタル、だね。」

梓「はい。」



289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:14:13.05 ID:Di0Bqfhw0
無数のホタルが淡く輝くながら飛び交っている。

梓「キレイ…」

唯「うん。」

唯「…」

梓「…」

梓「せんぱい?」

唯「うん?」



291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:17:03.19 ID:Di0Bqfhw0
梓「ホタルは輝き始めたら、すぐに、死んでしまうんですよね?」

唯「そうなんだ?」

梓「はい。」

それから二人は言葉を交わさずに、ホタルの群れの中、
その輝きをぼんやりと、見つめていた。


292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:27:46.24 ID:Di0Bqfhw0
―竪穴住居前―

梓「ただいま…です…」

澪「おかえり。」

梓「はい…」

紬「梓ちゃんお腹すいたでしょう?果物を絞ったジュースとクッキーがあるから。」

梓「あ、あの、せんせい、せんぱい、いきなり飛び出してすいませんでした…」


293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 06:28:18.27 ID:fc+d5qMDP
じゅもんせつやくに見えた


294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:29:54.37 ID:Di0Bqfhw0
律「いいんだよ…、いいんだ。」

さわ子「ええ…」

さわ子(私も謝…)

さわ子(いえ、まだね。)


さわ子(最後の…)



296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:33:49.06 ID:Di0Bqfhw0
それからまた、日が過ぎていく。
軽音部の面々も、表面上はしこりを残すことなく、和気藹々とやっているように見えた。
そして、縄文生活開始から、ちょうど三週間後。

紬「できた!できたわ!!」

律「へー上手いもんだな…」

さわ子「ウクレレみたいな形してるわね。」

紬は、木片や猪の骨、イラクサを組み合わせて、
ウクレレに似た楽器を二つ作り上げていた。


297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:38:03.84 ID:Di0Bqfhw0
紬「本当はもう一個つくりたかったんだけど、時間がね…」

唯「いいよいいよ!澪ちゃんとあずにゃんが使ってちょうだい。」

梓「いいんですか??」

唯「うん!私はボーカルだけでいくから。」

澪「なんかそれも悪いな…」

紬「あ…」

律「ムギ、どうした?」



298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:42:27.51 ID:Di0Bqfhw0
紬「完成はしたんだけど、イラクサを全部つかっちゃったの。
  イラクサで作るとすぐ弦が切れちゃうから、もう少し予備の弦が欲しいなって。」

唯「じゃあ、私がとってくるよ!」

紬「いいの?」

唯「うん。水場の近くに生えてたよね?
  今日は私がお水汲む係だし、そのついでに。」

紬「ありがとう、お願いするわ♪」


299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 06:44:05.88 ID:Di0Bqfhw0
―湧水のほとり―

唯「よいしょっと。」

唯「お水も汲んだし。イラクサもたくさんとったし!」

唯「…」

唯「あ、採りすぎちゃった…」


300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:03:38.00 ID:Di0Bqfhw0
唯「持てるかな…」

?「持ちますよ?」

唯「え、ありがとう!」

声のした方へ振り向く唯。

唯「!!」

唯「な、なんで…」

唯「なんで君がここにいる…の!?」



303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:12:25.29 ID:Di0Bqfhw0
その日、日没間近になっても唯は帰ってこなかった。

―竪穴住居―

律「おい!どうだ??見つかったか!?」

梓「どこにもいません…」

紬「唯ちゃん…」

澪「立ち寄りそうなところはあらかた探したんだが…」



306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:19:33.53 ID:Di0Bqfhw0
律「キレイな蝶を見つけて、で、追いかけて、
  そのまま迷子になったとか…?」

梓「ありそうだから怖いです…」

さわ子「まだ見つからないの?」

律「ああ…って、さわちゃんも探すの手伝えよ!
  緊急事態なんだぞ!?」

さわ子「ええ…」

さわ子(そろそろ来るかしらね。)


307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:25:53.68 ID:Di0Bqfhw0
そのときである。

紬「あ、あれ!!なに!?」

律「どうしたムギ!?」

紬「あっち!変な灯りが近づいてくるわ!!」

澪「炎…??」

澪「たいまつか!!」

さわ子(やっと来たようね。)

たいまつを持った何者かが、竪穴住居に近づいてくる。


308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:33:26.09 ID:Di0Bqfhw0
澪「近づいてくる!?」

律「斉藤さんか?」

紬「たいまつを使うわけがないし、そんな悪ふざけだって…」

紬「あ!」

紬「先生!何か知ってますね!?」

さわ子「ぜーんぜん。」

梓(知ってる目です…)


309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:40:20.06 ID:Di0Bqfhw0
そして、その人物は律たちから5mほど離れて歩みを止める。
律たちと非常に親しい人物であった。

律「あっ!!」

澪「えっ!?」

紬「なんでここにいるの…」

梓「それに…その格好…」

「「「「憂(ちゃん)!!!」」」」


310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:51:52.31 ID:Di0Bqfhw0
律たちの目前に現れたのは憂であった。
しかし奇妙なのはその格好である。

長袖の、白いローブのような服を着込み、その上から黒色の、
美しい光沢を放つ鎧を着込んでいる。おそらくは木製で漆を塗ったもの。
剣道の胴を厚手かつ縦に引き伸ばしたような形をしている
いわゆるブレストアーマーの一種か。
よく見れば表面に、凹凸上の幾何学文様が彫りこまれている。

腰にはいびつな形の、銅色にかがやく剣を二本、両腰に佩き、
背中には鎧と同じ色、光沢の縦長の盾を背負っている。
そして首からは、緑色のガラス管を糸にとおした首飾り。


311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 07:53:56.66 ID:qZvqIJo/0
憂はそんなものまで自作できるようになったのか


312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 07:59:56.06 ID:Di0Bqfhw0
憂「みなさんをお迎えに上がりました。」

律「!!」ゾクッ

憂「唯のいるところまで…」

憂の声は底知れず冷たく、
その目からは何の感情も読み取れない。

梓「うい…」

梓の問いかけに対し、憂は何も答えない。


313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:05:14.88 ID:4H9t73tjO
Gokuri…


314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:11:03.03 ID:Di0Bqfhw0
憂「さあ、こちらへ。」

憂は、なおも促す。

律(なんかすげーやばい雰囲気だぞ…)

梓(でもついていかないことには…)

澪「憂ちゃん、唯はいったいどこにいるんだ?」

憂「…」

一瞬、間が空き、憂は答える。

憂「"わがきみ"の御許(おもと)にいます。」

澪「わが…きみ?」


315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:11:33.44 ID:gCR7O8vQ0
どうしてこうなった


316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:15:05.32 ID:3pkmBrop0
ぐだぐだ


317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:19:43.82 ID:Di0Bqfhw0
憂に先導される形で律たちは先に進む。

律「憂ちゃん、そこまでどんぐらいかかるんだ?」

憂は答えない。

律(すっごくやりづらい…)

澪「先生もついてくるんですね?」

さわ子「ま、私のことは気にしないように。」


318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:25:38.83 ID:Di0Bqfhw0
かなり歩いただろうか?一時間以上。
律たちは少し開けた、小高い丘のような場所に出た。

紬「あれ!あそこ!」

そこには何棟かの木製の住居らしきものがあった。
粗末な社(やしろ)とでもいったような形をしている。

梓「どっかで見たことがありますね…」

澪「高床式の建物だな。」

紬「弥生時代に現れたっていう?」

澪「ああ。」


319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 08:34:30.46 ID:96lmCeg+0
§;゜Д゜§<卑弥呼様ー!!


320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:35:17.88 ID:Di0Bqfhw0
そして一行は高床式の住居群でも、一際大きいものの前に到着する。
中はかがり火でかなり明るく、何人かの人間がいるようだ。

憂「この中です。」

律「わかった…」

律「入るぞ。」

梓「ゴクリ」

澪(あ、鼠返し。)


321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:47:31.04 ID:Di0Bqfhw0
一同は階段をのぼり、中へと入っていく。

「久しぶりね、みんな。」

そこには、軽音部の面々となじみのある人間が、
"あぐら"をかいて座っていた。

紬「あっ!!」

律「聡!」

梓「純ちゃん!」

澪「そして…和、か。」

和「そういうこと。まあ気楽にして。」


322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 08:52:54.31 ID:Di0Bqfhw0
和が一番奥に座り、和の両側から二列、入り口に伸びるような形で
他の三人が座っている。
皆、憂と似たような白い服を着ているが武装はしていない。

和だけは、さらにもう一枚、ノースリーブの紫色の服を着込んでいる。
装飾も和のみ、憂たちと同じ首飾りに加え、ヒスイの勾玉の首飾りをかけ、
頭には、金色の、金銅製とおもわれる冠をかぶっている。

憂はそのまま和の斜め前あたりに着座する。
いつのまにか、表情はいつものニコニコ顔だ。


323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:02:55.47 ID:Di0Bqfhw0
律「で、唯、お前も…」

和の隣りには唯が正座で座っており、
木製の茶碗片手にご飯をかきこんでいる。おかずは焼き魚のみ。

唯「はぐはぐはぐはぐはぐ…」

梓(ゆいせんぱい…お米たべてる…)ゴクリ

唯「あっいらっしゃーい♪」

律「いらっしゃーい♪じゃないだろ!!」



325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:10:19.17 ID:Di0Bqfhw0
唯「イラクサが持てなくて困ってたらね、聡君が運ぶの手伝ってくれたんだ。」

聡「いやぁ…そんな!!手伝いのうちにも入りませんて…あはは////」

律「この愚弟が…」

聡「ねーちゃん、その格好すっごく似合ってるよ。
  ねーちゃんの野性味が出てるってゆーか…」

律「な・ん・だ・とぉーー!!?」


326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:16:44.17 ID:Di0Bqfhw0
和「まあまあ、二人とも。姉弟喧嘩は家に帰ってからにして。」

律「くっ…」

澪「それにしてもさっきの憂ちゃん、すごく怖かったぞ。」

憂「え、そ、そんなにですか?」アセアセ

和「少し脅しをかけとけっていったのよ、憂には。」

澪「脅し?」

澪「そうだ!なんで、和たちがここにいるんだ?」


327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 09:18:19.24 ID:96lmCeg+0
こんまま昭和まで辿るきか


328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:28:05.29 ID:Di0Bqfhw0
和「そうね。澪、私たちの格好と、この住処、
  今の憂の武装を見てどう思う?」

澪「すごく…弥生人の格好だよな?」

和「まあそうね、一部古墳時代のものも混ざっているけれど。」

和「あんたたちの縄文生活。」

和「その"ラスト"は、始まる前から決定済みなの。」

律「そうなのか、さわちゃん!?」

さわ子「イエス!」


329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:36:48.00 ID:Di0Bqfhw0
和「で、私たちは、条件付きで『弥生人』になることを承諾したの。」

澪「条件?」

和「うすうす感づいてる人もいるでしょうけど…」

和「簡単に言えば、『縄文人vs弥生人』よ。」

紬「縄文人と弥生人が戦うってこと?」

和「そういうこと。」


330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:37:43.19 ID:gCR7O8vQ0
どうしてこうなった


331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:45:30.78 ID:Di0Bqfhw0
和「今から三日後、太陽が南中した瞬間に、」

和「私たちはあんたらに襲い掛かるわ。」

律「は??」

和「さわ子先生、弥生時代の戦争で捕虜になった人間は
  どういう末路をたどったんでしょうか?」

さわ子「捕虜として返還されなきゃ、まあ、かなり酷い末路をたどった可能性が高いわね。
    魏志倭人伝だと中国皇帝に、生口と呼ばれる人間が献上されたそうだから…」

さわ子「生口=奴隷かどうかはわからないけれど、まあ、他の国に献上されるのと
    同レベルの扱いは受けたでしょうね。」


332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 09:45:35.25 ID:RCWPyHz30
熱血バトルハジマタ


333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:51:38.92 ID:Di0Bqfhw0
和「そして、勝ったほうには勝者の権利が与えられる。」

その瞬間、律は聡が澪と唯に視線を送ったことに気付いた。
梓は、憂がとろん、とした目で唯を見ていることに気付いた。

和(唯たちが勝つほうが望ましいけれど、こちらが勝ったとしたら
  この子達の暴走は私が食い止めないと。)

和にはわざと敗れるという考えはない。
それは生徒会役員としてのプライドが許さないのだ。

また、そんなルールを設けないという考えも、さわ子の頭の中にはない。


334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:57:17.06 ID:Di0Bqfhw0
澪「ちょっと待て!お前ら金属製の武器持ってるだろ!?」

憂「銃刀法に引っかかるんで、刃はついてません。
  安心してください。」

澪「いやいやいや…」

さわ子「みんな!」


335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 09:58:06.85 ID:7A+6Uz9sO
まさかの展開…
しかしこの>>1はよく頑張りなさるな。



337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:02:05.71 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「私たちの先祖もまた、太古の昔から延々と続いてきた
    生活圏を求めての民族間闘争を生き抜いてきたのよ。」

さわ子「弥生人と縄文人を民族的人種的に区別することは
    あまり意味が無いと思うけど…」

さわ子「かつて…『土ぐも』や『まつろわぬひとびと』とされた集団が
    いたことも確か。」

さわ子「彼らの思いを身をもって知りなさい!」

律「いや意味わからんから!!」

和「ということで、三日後にまた会いましょう。」







純「私、一言もしゃべってない…」


338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:18:44.13 ID:Di0Bqfhw0
律「たく!」

梓「すっごく不安です…」

さわ子「あ、みんな。」

さわ子「一応安全を考えてね、矢や投槍みたいな飛び道具は全部
    これから用意するものと交換してもらうわ。」

律「はぁ…?」

さわ子「さきっぽが、朱肉と同じ塗料をしみこませた布を
    何十にも巻いたものになってて…」

さわ子「その塗料が付いた部分が負傷したとみなされるわ。
    死亡判断は、審判側がするけど。」

さわ子「斉藤さんたちの協力のもとね。」

紬「斉藤…」


339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 10:19:39.47 ID:qZvqIJo/0
少なくとも、聡だけは確実に殺しとかないとだな

340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:21:21.97 ID:gCR7O8vQ0
サバイバル


341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:27:32.34 ID:Di0Bqfhw0
さわ子「白兵戦の勝ち負け判定も、審判に委ねられてるわ。」

さわ子「そして一度負ければ、復活はなし。」

唯「むずかしそう…」

唯「それにさ、憂が使ってたような武器や鎧を、
  あっちは持ってるんでしょ?」

唯「勝ち目無いじゃん。」

澪「まあ、そうだよなぁ…」


342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:31:29.56 ID:gCR7O8vQ0
どこに着地するんだろうか・・・
わからない・・・ただ過ぎていく時間
みんなどこにいった



343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:32:10.01 ID:Di0Bqfhw0
梓「あの、例えばなんですけど…」

梓「今から何千年も前に縄文生活を送っていた人たちは
  鎧とか金属の武器もった人たちに、どうやって抵抗したんですかね?」

澪「抵抗したっていっても、すげなく殺されたか捕らえられるたかだろうな。」

律「いや。」

律「縄文生活をしていた人たちの中には、
  上手に抵抗した人たちもいたかもよ?」

紬「アテがあるの?」

律「○モン大先生は、文明の利器をもたずに大自然のなかで敵戦力と
  渡りあう方法についても書いておられるんだ。」


344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:33:02.41 ID:gCR7O8vQ0
こんなとき、カイジがいてくれれば


345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:40:34.20 ID:Di0Bqfhw0
唯「ほんとう!?」

澪「それはあの人だからこそできるんだろ…私たちじゃ…」

さわ子「あ、ブービートラップとかはだめよ?
    縄文時代の人が考え付くはずないでしょ?」

律「わかってるって!」

律「私たちは、今日まで、短い時間だけど、培った縄文生活の智恵が…」

律「たぶん…ある!」


346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:50:17.73 ID:Di0Bqfhw0
澪「多分じゃ意味ないだろ…」

律「とにかくだ!やってやれないことはない!
  今日明日で出来る限りの準備をするぞ!」

こうして残りの二日間は、万全を期するための準備に費やされたのだった。





三日後、縄文生活24日目

憂「太陽が南中しました。」

和「了解。」


347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:50:43.74 ID:5tjqXXsT0
なんかりっちゃんがおかしいです


348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/02/11(木) 10:52:10.77 ID:v9uHmbkJP
縄文人でも落とし穴くらい考えるだろ


349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 10:58:36.46 ID:Di0Bqfhw0
聡「和さん!はやくいきましょう!」

憂「聡君、和さん、じゃなくて『わがきみ』だよ!
 (聡君の下心は重々承知なんだから!)」

和「呼称なんてどうでもいいけれど…」

和「これより、"土ぐも"たちを討ちに行きます。
  各自装備の最終確認。」


350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:05:01.56 ID:Di0Bqfhw0
憂(お姉ちゃん…まっててね!)
  右手→青銅製七支刀
  左手→青銅製七支刀
  頭→なし
  胴体→木の鎧/弥生人の服
  足→わらじ 
  その他→唯の写真
      管玉の首飾り
      木製の大盾


351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:06:49.16 ID:Di0Bqfhw0
純(あの人を必ず倒す…)
  右手→なし
  左手→弥生人の弓
  頭→なし
  胴体→木の鎧/弥生人の服
  足→わらじ 
  その他→矢×10
      管玉の首飾り
      木製の大盾 
      青銅の小剣


352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:08:16.92 ID:Di0Bqfhw0
聡(勝者の権利!勝者の権利!勝者の権利!)
  右手→青銅の鉾
  左手→木製の大盾
  頭→なし
  胴体→木の鎧/弥生人の服
  足→わらじ 
  その他→管玉の首飾り



354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:10:59.23 ID:Di0Bqfhw0
和(この子たち…すさまじい欲望のオーラね…)
  右手→鉄剣
  左手→赤漆の大盾
  頭→金銅のかんむり
  胴体→赤漆の鎧/弥生人の服/紫衣
  足→わらじ 
  その他→管玉の首飾り
      ヒスイの勾玉
      眼鏡


355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:13:44.97 ID:tqlkHY4/O
聡ってこんなオープンエロだったのかw


356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:21:29.22 ID:Di0Bqfhw0
―竪穴住居―

和「当然ながら、いないわね。」

憂「竪穴式住居の中は空っぽです。土器も道具もありません。」

和「さて、これから探すのは骨が折れるわね。」

聡「遠くに逃げて、時間切れ狙ってるんじゃないすか?」

和「いえ、それはないわね。あの律が許すはず無いもの。」

和「無謀だけれど、勝ちをねらってくるわ。」


357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:26:57.26 ID:Di0Bqfhw0
和「二人ずつに分かれて、移動しましょう。
  この辺の半径5km内には、2箇所、飲用可能な水場があるらしいから
  それぞれのチームが、その水場の周辺を押さえる。」

和「あと、各チームごと、水筒と、食料を入れる携帯容器を忘れ…」

ヒュン!ヒュン!ヒュン!

突然和たちに矢が降り注ぐ。

聡「うおっ!?」


358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:34:23.79 ID:Di0Bqfhw0
憂「奇襲ですっ!和さん!」

和「落ち着いて!各自盾を構え十字に密集!」

和たち四人は、"+"の形をとるように互いの背をあわせると
大盾を構え矢に備える。

ヒュン!ヒュン!

和(矢は竪穴住居の背面からのみ向ってくる…)


359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:41:26.66 ID:Di0Bqfhw0
和(木陰に隠れているのは、律、澪、紬の三人だけ…
  唯と梓がいない…なんか企んでるわね)

和「全員盾構え!聡君と憂、竪穴住居の方向!背中合わせ!私と鈴木さんは逆方向!
  住居から遠ざかるわよ!」

二人ずつ背中合わせになる形で矢の攻撃から離れていく。

和「もう10m後退!木陰に退避!」

一方の縄文側

律「あいつら離れてくな…」

澪「木陰に逃げる気か…」

律「とにかくだ、あいつらをバラバラにして集団戦法を
  とらせないようにしないと…」


360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:43:49.45 ID:hlErCsET0
とりあえず聡バラバラにしてくれ


361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:47:11.96 ID:Di0Bqfhw0
すいません、少し眠ります。


362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/11(木) 11:49:50.67 ID:4H9t73tjO
とりあえず乙
再開楽しみにしてるよ





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