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ハルヒ「ねえキョン、バトルロワイアルって知ってる?」 【後編】

298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 23:47:22.32 ID:GkcGu7CK0
保守ありがとうございます!
0時半から再開します。

303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:18:24.06 ID:nS4DryN2O
>>1は何だかんだで良いところで休憩するから皆が見たがるんだよな

頭の良いやつめ

307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:30:23.71 ID:v1ceAkxs0

俺とハルヒは長門有希が待つ展望台へと向かっていた。
天候はますます悪くなっていくばかりで、少しでも早く着こうと俺たちは躍起になって歩いた。
地図は手汗でくたくたになっていて見づらいし風は強くなってくるしで
俺はなんとなく焦っていた。午後二時、長門と別れてからもう八時間も経つ。
パソコンは手に入らなかったが、ハルヒは連れてこれるぞ、長門。

その時だ。

ぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ

さっきも聞いた、特徴のある発砲音。
探知機に反応はない。そこまで近くにはいないようだ。
俺はほっとした。音がしたのは進行方向とは逆の方だし、さっさと離れれば危険は及ばないだろう。

「キョン! あの音! 早く行きましょう!」

はあ?
思っていることがそのまま口に出てしまった。
何を考えているんだこいつは。
一度ならず二度までも銃をぶっ放してるやつに会いに行きたくなんてないぜ。

「もしかしたら誰かに襲われてるのかもしれないじゃない!」

「だってお前、さっきは撃たれそうになったんだろ?」

「そうだけどっ、でも誰かいるってわかってるのに放っておけないわ」

310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:36:47.87 ID:9nv24KswO
いよいよクライマックス


311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:36:51.07 ID:v1ceAkxs0

俺は今にも駆け出しそうなハルヒの腕を強く掴んだ。
駄目だ。何だかすごく、行かせてはいけないような気がする。
ハルヒが撃たれるシーンがとても鮮明に浮かび上がった。
直感が警鐘をガンガン鳴らしていた。
俺はハルヒの両肩に手を置いて言い聞かせた。

「駄目だ。あれが朝倉だったらどうするんだ?」

「説得してやるわよ、あんなやつ」

「今は長門に会いに行くのが先だ。俺もあいつを待たせてるし心配なんだ」

「……わかったわよ。でも、有希と合流したら早いところ他の人とも会いましょ。
みんなが集まれば、絶対なんとかなるはずよ」

こうなるように仕向けたのはハルヒ、お前だって言うのにな。
なんでそんなに善人キャラになってるんだよ。
俺のカルマは確実に下がっていく一方だっていうのに。

「絶対こんなところから逃げだしてやるんだから!」


313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:43:11.73 ID:v1ceAkxs0

「……入って」

長門は普段と変わらぬ仏頂面で俺たちを迎えてくれた。

「遅くなって悪かったな」

「いい。あなたたちが無事でわたしは安心している」

俺は思わず長門を二度見してしまった。
そしてこんな所にいてはいけないと強く思った。
こいつは感情のないロボットや、端末なんかじゃない。
情報統合思念体がどうとかこうとか、そんなことはどうでもいい。
長門有希は感情の備わった、れっきとした人間なのだ。

「こんな島に展望台があるなんて、結構栄えてたのかしら」

展望台は灯台をそのまま小さくさせたような外観だった。
中に入り赤錆びの浮いた螺旋階段を上ると、360度ガラス張りの展望室に続いていた。
晴れていたらなかなかの絶景だったかもしれないな。
今は灰色の雲が一面を覆っていて、室内に暗い影を落としていた。
東西南北にはワンコイン制の望遠鏡が設置してあったが、どれも塗装が剥がれて地の色が見えている。
この施設があるということは、ハルヒも言うようにこの島はある程度観光地として
機能していたのだろうか。

「でっ、有希! この島から出られそうなの?」

ハルヒが身を乗り出して聞いた。

315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:50:10.82 ID:v1ceAkxs0

結局、俺とハルヒが出会っても世界は改変されなかった。
残念だったな古泉、やっぱりお前の言うことはアテにならないぜ。
そうなってしまった以上は長門の案に従う他ない。
一旦ここから脱出して、その後で改変の手段を探す。
あるいはハルヒを介して情報統合思念体を動かすか。

長門はハルヒを見つめている。恐らく後者の方法を試みているのだろう。
そして俺の方をちらと見やった。

「できない」

俺とハルヒに二人に向けられた言葉だ。

「そう。そうよね、でもこのままじゃいられないわ」

情報統合思念体は動かせない、か。
また一つ可能性が消えたわけだ。
そして一番実現するのが難しそうなデカイやつが残ったってことだ。

長門は何ともなかったようにハルヒに向き直った。
すると自分の鞄から筆記用具を取り出し、ノートにボールペンで字を書き始めた。
惚れ惚れするほど綺麗な字だ。
将来習字の先生になれるかもしれないな。

『この首輪は盗聴されている。ゆえに筆談』

『まずしなくちゃならないのが、この首輪の解除』


316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:53:17.33 ID:v1ceAkxs0

『首輪の構造は理解できた。でもこの内部プログラムをいじるには
本部のメインコンピュータに接続するのが必要。それにはこちらにもコンピュータが要る』

『それにアクセス出来れば、わたしが内部プログラムを操作してこの首輪の爆破機能、探知機能、盗聴機能を
オフに出来る。そうした後に』

長門は凄まじい早さでノートに文字を書き連ねていく。

『我々が保有する限りで最大限の武装をし、本部へ乗り込む。後は敵を殲滅するだけ。
今回のプログラムの参加者は九人であることから、警備も手薄であると考えられる』

『全てがすんだらメインコンピュータから輸送船を向かわせるよう申請する。
あとは輸送船の中さえ制圧できればわたしたちは脱出できる』







317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 00:55:09.62 ID:uiT02rI40
わくわくしております。


318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:58:06.90 ID:CBKRJkeU0
うん!うん!



319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:59:00.04 ID:3DJ4VpvO0
wktk


320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 00:59:53.88 ID:v1ceAkxs0

俺は前にその話を聞いていたから話半分だったが、ハルヒは目を輝かせた。
何かを言いだそうと口を開けたので俺は慌てて手でふさいだ。
盗聴されてるって言ってるだろうが。

『じゃあパソコン関係は全部任しちゃって大丈夫ね?』

ハルヒの豪快な字が豪快にノートに書き殴られる。

『まかせて』

『じゃああたしたちは今んとこ、パソコン持ってくればいいのね』

『そう』

『有希も行く?』

『私はここで待機している』


ハルヒは自分の武器であるリボルバー式の拳銃を持って立ち上がった。

「行くわよ、キョン!」

「どこにだ」

「パソコンと、あとみんなを探しに!」



321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 01:04:46.08 ID:SDx8IdfzO
パソコンって言っちゃったらダメなんじゃないか

323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:09:32.11 ID:3DJ4VpvO0
>>321
落ち着け
もうちょっと待つんだ


324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:10:44.49 ID:nS4DryN2O
階段での辺りで言っちゃってたし良いんじゃね?



322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:09:30.92 ID:v1ceAkxs0

俺たちは住宅街にいる。
くすんだ家屋の一軒一軒を巡りパソコンを探している最中だ。

「もー。ほんっとうに、どこにあんのかしら」

ハルヒは支給されたパンをがじがじ噛みながら不満げに言った。
これは俺が考えた策だった。ハルヒが思ったことを口に出さない、なんてそもそも無理な話だ。
パンをくわえさせれば、何を言ってるか本部も聞き取れないだろう。

あのハルヒの言葉は本部には届いているのだろうか。
まあ今死んでいないことだし、きっと大丈夫だったんだろうさ。

「あ、見て。あの家、窓が割れてるわ。誰かいるかも」

「いや、探知機には反応ないな。もうもぬけの殻なんじゃないか」

割れた窓から入り込んだとき、俺は思わずせき込んだ。
濃い血の匂いが充満していた。
そして隣の部屋で鶴屋さんが冷たく横たわっているのを見つけた。
ハルヒがくわえていたパンを床に落とす音がした。

鶴屋さんの遺体は国木田に比べれば綺麗なものだった。
まぶたを柔らかく閉じて、唇の端が心なしか上がっているように見えた。
きっと彼女は彼女らしく死んでいったのだろうと俺は思うことにした。
そう思ってないとやり切れないからだ。
鶴屋さんの傍らにはゲーム機があり、マリオやドンキーコングやらのソフトが近くに散乱していて、
これで遊んでいたんだろうかと、彼女のマイペースさを思い出した。





325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:11:45.75 ID:b0lwhlx0i
支援

328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:17:53.76 ID:v1ceAkxs0

「キョン。やっぱりこんな田舎だし、普通の家にはないのよ」

ハルヒがようやく口を開いた。
今七件目のお宅を物色中で、その間ハルヒは一言も話さなかった。
SOS団名誉顧問である鶴屋さんの死は大きかったのだろう。
無論、俺にとっても。

「もっと大きい施設かなにかに行かないと。市役所とか図書館とか」

「……そうだな。ただ場所がわからないと」

地図を見る。簡略化されすぎていてそれらの情報は一切載っていない。

「あと、これ」

ハルヒは俺にリボルバーを渡した。
眉根にしわをよせ、口をヘの字に曲げている。
こいつのものすごく不機嫌そうに見える顔は、不安であることの表れなのだ。

「あたし、今は撃てないと思う」

「わかったよ」

リボルバーを受け取ると、あまりの軽さに拍子抜けした。


329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:22:41.68 ID:v1ceAkxs0

「もうついてないわね。最低よ!」

雨が降ってきた。
ハルヒは恨めしそうに天を睨んだ。
雨はどんどん勢いを増していき、俺とハルヒは拝借した傘をさして公共施設を探していた。
俺たちにはもう雨宿りをしている時間もない。
午後四時三十分。早くパソコンを探し当てて長門の元へ戻らなければ。

雨が傘を打つ音にすべて飲み込まれていた。
だから探知機が反応を示す音にも、銃声にもすぐに気付けなかった。
俺には生まれながらにして危機感というものがないんじゃないかと思う。

ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ

またあの音だ。

「キョン!」

ハルヒが叫んだ。俺がさしていた傘が吹っ飛び、五メートルほど後ろへ軟着陸した。
穴だらけで骨がめちゃめちゃに折れている。

前を向くとマズルフラッシュが見えた。
俺はハルヒの手を引っ掴んで建物の陰に隠れた。

いったい誰なんだ、あいつは。


332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:29:21.58 ID:v1ceAkxs0
思い当たる節は二つ。
朝倉か? それとも古泉か?

俺はハルヒから預かっていたリボルバーの撃鉄を起こすと、闇雲に撃った。
ただの牽制だ。大人しくどこかへ去ってくれよ。お願いだ。

「キョン、こっちくる!」

雨の向こうに人影が見えた。
早く逃げなければ蜂の巣にされる。

ぱん ぱん ぱん ぱん

走りながら撃ったって当たるはずがない。
んなこたわかってる。
それでももう少しくらい怯んだっていいはずだ。
あいつは恐れを知らないように俺たちを全力で追いかけ、弾をばらまいている。

ちくしょう、弾切れだ。
急いで弾を込めるが、視界が雨で霞むうえに走りながらなので手元が覚束ない。

ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ

容赦なく相手は鉛玉を浴びせてくる。






333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:34:39.04 ID:v1ceAkxs0
「うあっ」

体が跳ねた。
ついに被弾してしまった。しかも足にだ。
スピードが一気に落ちる。逃げなければ死ぬとわかっているのに、足が全く言うことをきかない。

「キョン、大丈夫?!」

「駄目だ先行け! 早く!」

俺は映画みたいなセリフを吐きながら、ああこれが主人公を命がけで守って死ぬ役の
気分なんだなと思った。
思ったよりかは味気ない。

「馬鹿! あんた置いていけるわけないでしょ!」

ハルヒが俺の首根っこを掴んだ。
俺がいくら立とうともがいても、左足が自分の重みを支えきれない。

「やっぱりお二人だったんですかあ」

俺はひどく場違いな声を聞いた。
きっと聞き間違いだろう、危機に瀕しているから彼女のような、存在だけで人を幸せに
するようなお方の声が聞こえてくるんだろう。

「ずいぶん探してたんですよお。やっと会えました」

目の前にはマシンガンを突きつける朝比奈みくるがいた。




334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:36:47.81 ID:RjkiCH6SO
ゴトゥーザさまぁぁぁ


335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:40:26.15 ID:Tcml0vcc0
脳内再生


336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:40:41.19 ID:v1ceAkxs0

「み、みくるちゃん?」

ハルヒがハルヒらしくない、動揺した声を出した。

「あなたが、あたしたちを撃ったの?」

「はあい」

朝比奈さんが首肯した。
普段と全く同じ、例えばお茶くれと頼まれた時の答え方と寸分の狂いもなかった。
ハルヒは俺の足の傷と朝比奈さんの顔を交互に見た。
足からは血があふれ出ている。雨が洗っても洗っても、血は止まらなかった。

「なに考えてんのよ! みくるちゃん、本気でやってんの?!」

「本気に決まってるじゃないですか……冗談でこんなことしませんよお」

朝比奈さんがマシンガンを持ってじりじりと詰め寄ってくる。

俺はリボルバーの銃口を朝比奈さんに向けた。
こんなことしたくない。したくないに決まっている。したくない、ないが!
朝比奈さんは笑っている。
あの天使のような微笑みだ。
俺はなんで朝比奈さんに銃なんて向けてるんだ。
恐らく俺は世界中の男を敵に回している。

「涼宮さんを殺しに来たんです。あなたはあたしにとって、ストレスそのものでしかなかったから」


337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:46:53.02 ID:v1ceAkxs0

「え、な、なにっ……? どういう意味よ……」

「あたしをいじめて楽しかったですか? あたしを池に投げ落として楽しかったですか?
あたしはあなたのために、ううん、未来のためにずっと我慢してきました。
でも、それも今日で終わりです。あたしは楽になりたいんです」

「…………」

ハルヒは朝比奈さんが向ける憎悪を理解できないようだった。
ただ自分がなにか取り返しのつかないことをしてしまった、と感づいたらしく真っ青になっていた。

「みくるちゃん、あたし、あの」

「何も言わないで。聞きたくないの」

俺には朝比奈さんが言いたいことがよくわかる。
そしてここまで思いつめていると考えもしていなかった自分を悔いた。

「朝比奈さん、俺が悪いんです。こいつは朝比奈さんが嫌がってるなんて思ってもみなかったんですよ。
本当に悪いのは俺です。俺は朝比奈さんが耐えてるのをいつも見てるだけでした。俺が本気になって
ハルヒに止めるよう言えばよかったんです。だからお願いです」

俺は両手をついた。

「ハルヒにだけは手を出さないでください」





338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:51:26.68 ID:L9E3dq5e0
裏ボス登場だな


339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:51:46.24 ID:LqWHH45oO
支援


340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 01:52:09.49 ID:x+2ua/NzO
キョンかっけえ


341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:55:22.54 ID:v1ceAkxs0
「……なんで、なんでですかっ……」

朝比奈さんは俺たちを見下ろして泣いていた。

「あたしはっ、キョンくんに謝ってほしいわけじゃないのに……どうしてかばうの?
なんでなの、わかんないよ……あたしは、涼宮ハルヒに……キョンくん。キョンくん」

ぱぱぱぱぱ、またあの音だ。
銃口は俺に向いている。
ああ、今度こそここで終わりか。まあ朝比奈さんにやられるんだったらそれほど悪い気もしないな。
天国で自慢できるだろう。

「キョン!」

黄色いカチューシャが見えた。
視界いっぱいにセーラー服が飛び込んでくる。
そこからはさっき抱きしめあった時にもかいだいい匂いがした。

「ハルヒ?」

人が死ぬのは一瞬だった。
俺が何かをしようとする前に始まって、終わっていた。

ハルヒは―――この世界の創造主であるはずの涼宮ハルヒは―――死んでいた。
いくら揺すってもその身体は何の反応も示さなかった。
本来だったら俺の体が受けるはずの弾丸は、全てハルヒの華奢な体で受け止められていた。



【残り三人】


342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:56:38.12 ID:6bAn8s+B0
えええええええええええええええええ


343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:57:18.60 ID:6bAn8s+B0
ハルヒーーーーーー……!!


344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 01:57:21.93 ID:x+2ua/NzO
ハああああああルぅヒいいいぃぃぃぃぃ


345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:57:29.72 ID:/hCxlUhz0
みくるしね


346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:57:43.11 ID:O+9AUzzCO
しんだろか

348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:59:06.05 ID:nS4DryN2O
何かが生まれて、何かが壊れる
繰り返し無駄なことさえ、やめない人たち、不思議な人たち、眺める私も含まれた。


349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 01:59:36.42 ID:eLVAG08BO
詰んだじゃねえか


350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:00:28.72 ID:nU3KaXP+0
春日ざまあ


351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:02:12.03 ID:gdDJN0ihO
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめ


352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 02:02:26.83 ID:k0FsOBr0O
ハルヒ…。


353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:03:11.19 ID:9nv24KswO
うわああああ


354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:03:13.80 ID:N/TXQ8Q30

え・・・?


















え・・・?



355朝比奈みくるの思うこと。[]:2009/10/21(水) 02:03:40.91 ID:v1ceAkxs0

「キョンくん」

あたしの言葉に彼は全く反応を示さない。
ただ必死に涼宮ハルヒの体を揺すぶっている。

もう死んでいるのに。
もう死んでるんだよ?

「キョンくん」

もう一回呼びかける。
彼は涼宮ハルヒを抱きしめたまま、微動だにしない。

あたしは取り返しのつかないことをしたんだな。
でも、別に後悔はしていない。
あたしは最期になって、やっと自分の思うままに動くことができたの。

だよね、鶴屋さん。
あたしはこれでいいんだよね。

「キョンくん」

もう一度呼ぶ。何度でも呼ぶ。


356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:04:52.41 ID:QrRW/zAK0
間違いなくみくるは今レイプ目

358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:07:13.45 ID:3y1TofoL0
か・・関羽も死んだ!


359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:07:44.97 ID:Tcml0vcc0
ざまあwwwwwwwwwwwwwwww


360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:08:00.91 ID:Sx7SXfgqO
これは予想出来なかったな


361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 02:09:00.68 ID:7RF/8HzY0
ハルヒざまぁ


362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:10:09.30 ID:/hCxlUhz0
古泉生きてるよな?長門、みくる、キョン

…四人じゃね? 


363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 02:11:03.25 ID:7RF/8HzY0
古泉死んでるよ
朝倉に殺された


364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:11:25.05 ID:4/a8FK/CO
>>362出直してこい

367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 02:13:09.62 ID:uiT02rI40
黒…は

371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:16:57.45 ID:v1ceAkxs0

彼はやっぱり答えてくれない。

でも今思うとね、あたしは最近、あたしなりにSOS団での楽しみを見つけてたのかもしれない。
涼宮ハルヒも以前のような振る舞いはしなくなった。
あたしが涼宮さんを殺した理由なんて、元から一つしかなかったのかもね。

未来にいつか帰る。
未来にいつか帰ると思っていたけど、彼に惹かれるのを止められなかった。
彼は優しかった。
涼宮さんはあたしが彼と仲良くするのを心底嫌がっていた。
あたしは彼と話すとき、もちろんそこには嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになった。
でもそれと同時に。毎回涼宮さんの刺すような視線に怯えなくちゃならなかった。

未来に帰れなくなって、あたしは普通の女になった。
あたしは彼に思い切り恋をしてよかったし、涼宮さんに怯えなくても良かった。

だから涼宮さんを殺そうとしたのに、彼は涼宮さんをかばった。

「キョンくん」

分かりきったことだったのにな。
彼はあたしなんか恋愛の対象として見てないって。


涼宮さんと両想いなことなんて、わかってたのに。


……どうしても許せなかったの。


372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:18:14.58 ID:Sx7SXfgqO
【生存者】
キョン
長門
みくる

【死亡】
鶴屋さん
国木田
谷口
古泉
朝倉
ハルヒ


支援

376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:26:08.42 ID:v1ceAkxs0
「キョンくん」

どこか遠くで呼ばれてる気がした。
でも答える気になれない。

「キョンくん」

「キョンくん」

「キョンくん」

うるさいな、何なんだよ! 放っておいてくれ!

「キョンくん」

すぐ目の前には朝比奈みくるがいた。
俺の手から拳銃を取ると、弾を一発だけ込めた。

「殺すなら早くしてくれ」

朝比奈さんは笑ってそれを自分のこめかみにあてると、少しも躊躇ずに引き金を引いた。


「―――さよなら」





【残り二人】


377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:28:55.27 ID:J3jC3cVzi
長門と2人か…

ハルヒ(´;ω;`)

379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:29:26.81 ID:Tcml0vcc0
なんてこったい


380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:31:22.55 ID:3DJ4VpvO0
ほほう……

384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:33:36.89 ID:v1ceAkxs0
完全に書き溜めが切れてしまったー
間に合うかなと思ったら全然間に合わなかったー

その場その場か、まとめて投下か、どっちがいいか教えてください。
本当に申し訳ないです


385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:36:09.84 ID:9nv24KswO
高品質だったらなんでもいい

388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:37:36.71 ID:Tcml0vcc0
あとどれぐらい続くんだ?


391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:39:56.47 ID:v1ceAkxs0
じゃあゆっくりになっちゃうけど、ぶっつけで書きます。
絶対に完結させるんでそこは大丈夫です

>>388
あと10レス分くらいだと思います

398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:49:29.04 ID:v1ceAkxs0

俺はハルヒを抱きしめたまま動かなかった。
だんだん冷たくなっていくハルヒの体を自分の体温で温めたかった。
そうしたらハルヒが生き返ってくれるような気がした。

最後までハルヒに伝えられなかった思いを告げようとすると、喉が詰まって何も言えなかった。

『キョン、あたし―――』

俺もこいつも似た者同士だった。
あの後ハルヒは顔を赤くして何も言わなかった。
俺からあのとき言ってやればよかったんだ。
そうしてれば、言葉で確かめ合った同じ気持ちを共有できたのに。

当たり前だ。俺はハルヒが好きだった。

閉鎖空間に閉じ込められた時、俺はキスを手段として使った。
もちろんそこに愛情はあったが、だからこそどこかに罪悪感があった。
だから俺はここでキスするのを拒んだ。
世界が正常に戻ったら手段とかどうとか、そういうのを一切無視した本当の恋愛感情だけで
ハルヒを抱きしめて、キスがしたかった。

今ものすごく後悔している。
どうだってよかったんだよそんなことは。

生きていただけでよかったんだ。


ハルヒの唇はもう冷たい。


399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:52:11.88 ID:CBKRJkeU0
(´;ω;`)ブワッ


400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:54:27.69 ID:CBKRJkeU0
(´;ω;`)ブワッ


401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 02:54:37.79 ID:wYq++oGDO
あぁ…………

405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:00:45.62 ID:0qyWggNpO
おwwwwwwwまwwwwwwwえwwwwwwらwwwwwwww
こんなんで泣くなよwwwwwwwww









(´;ω;`)ブワッ


406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:05:24.64 ID:v1ceAkxs0

どれくらいの時間、ここにこうしていたか分からない。

俺はハルヒの顔をじっと見つめていた。
今でしかできない行為だ。

「なによキョン、あたしの顔になにかついてるわけ?」

そう言われてしまうだろうから。


時間が経った。
雨はもう止んでいたが、ハルヒの髪は濡れたままだった。
俺はそれを触っていた。

また時間が経った。
もう夜になっている。自分たちが住んでいる街では決して見ることのできない星空が広がっている。
綺麗だなあと素直に思う。
この頃になって俺はようやくまともになってきたのか、ハルヒ以外の物事に目がいくようになった。

前方には朝比奈さんの死体がある。
白い顔が夜空に照らされて蝋人形のように光っている。

俺はどこかに行かなければならなかった。
そのどこかが思い出せない。


「―――迎えにきた」

俺のすぐそばに長門有希が立っていた。


408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:10:58.84 ID:Sx7SXfgqO
描写が細かいからか、場面がちゃんと脳内再生される


409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:16:14.50 ID:At4z8w3Ui
支援

411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:22:34.04 ID:v1ceAkxs0

「涼宮ハルヒは死んだ」

長門は俺を見下ろして言う。
そんなことわかっている。
じゃあなんで俺はハルヒを抱きしめているのか?
そんなことわからない。

「涼宮ハルヒの意思はその死体にはもう存在しない。それはただの肉塊であって涼宮ハルヒではない」

「涼宮ハルヒが以前のように我々の世界で生活することは二度とない」

「涼宮ハルヒはもうあなたの前には現れない」


俺の理性はとうの昔に吹っ飛んでいた。
でなきゃ長門の首を絞めるなんてことは絶対にしない。
長門の首は細かった。
力を込めれば折れてしまうんじゃないかと思った。

長門は感情のない瞳で俺を見ている。
入学してまだ間もない頃の長門の目だ。
その瞳はずっと見続けていた、ハルヒの死体とよく似ていた。

そのことに気づいて俺は手を離した。
そして長門の細い体にしがみつくと、俺は初めて泣いた。


412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:24:05.34 ID:CBKRJkeU0
え、そこ怒るとこちゃうやろ


413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:24:24.31 ID:nrgpGhp4O
長門を殺したら俺がキョンを殺す


414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:25:08.12 ID:CBKRJkeU0
何度読み返しても長門は怒らせるような発言してないじゃん!

416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:28:54.80 ID:bPTf3kdzO
最愛の人が死んだ直後にその事実を感情の無い声で淡々と述べられたらそりゃ逆上すんだろ


417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:29:05.99 ID:w0fOHCJ1O
キョンの感情を逆撫でするような発言はしている

419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:30:24.20 ID:CBKRJkeU0
事実を述べられて逆上するとかキチガイもいいとこだな
キョン氏ね


420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:32:02.74 ID:UH7sb4gF0
感情移入しやすい話だ
良作

422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:37:01.69 ID:vS0NTiPsO
これはこの作品は素晴らしいと思えてきた

最後の完結の仕方によっては下半期オレが選ぶベストSS賞を是非とも授与したい


426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:40:20.11 ID:v1ceAkxs0

思えばここ何年も泣いたことなんてなかった。
卒業式やらのイベントで男泣きするような連中を遠巻きに見て、ああ若いっていいねえとか
親父臭いことを上から目線で思っていたような、ひねくれた人間だった。
涙腺塞がってんじゃないかと疑ることもあった。

そんな俺が今一人の女子生徒にすがって泣いている。
長門はなにも言わないし、なにもしなかった。

これ以上泣けないと思うところまで泣くと、涙は急に止まった。
悲しいと思っていても涙が出ないのだ。

「もうここにはあなたとわたししかいない」

俺がぼんやりハルヒの死体を見ていると長門が言った。
もうハルヒには触れなかった。
触れたらもう二度と離せなくなりそうだったからだ。

「他のやつらは?」

「六時の放送で死亡したと伝えられた」

そんなものが流れていたのか。
覚えていない。記憶にはハルヒの死に顔しかない。

「古泉も、朝倉もか?」

「……そう」

434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 03:58:42.59 ID:v1ceAkxs0

俺はあることを思い出した。

「そうだ、脱出はどうなったんだ?」

パソコンがどうこう……。
俺とハルヒが外に出た理由はそれを手に入れるためだったはずだ。

「そもそもコンピュータを手に入れること自体が、現在の我々には不可能だった」

長門の表情が揺らいだ。

「この島がプログラム会場として明け渡されたのは1993年で、今から十六年前のこと。
小さい島にはコンピュータそのものが存在していなかった。我々がここから抜け出すのは不可能」

民家や展望台の風化具合。
鶴屋さんが死んでいた家にあった古いゲーム。
ずっと思っていた。この島は時間が止まってしまっているみたいだと。

「でも電気が通っていたし、置いてあるものだってそこまでは劣化していなかったはずだ」

「恐らくプログラムで年に数回利用している。ライフラインを切断していないのは政府が望んだから」

長門は拳銃を俺に向けた。

「だから我々は殺し合うしかない」


452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 04:28:42.46 ID:v1ceAkxs0

朝比奈さんの手が握っているリボルバーをむしりとった。
別にこのまま殺されても構わないと頭で思っているのに、体は勝手に生存本能を発揮させる。
朝比奈さんの右前頭部ははじけ飛んでいたが、残った左目、鼻筋、顎のラインは驚くほど美しかった。


俺と長門は拳銃をお互いに突きつけ合う形で立っている。

「ひどいな、お前も」

「……あなたは私を信頼しすぎた」

「最初からこうするつもりだったのか」

「そう」

「……そうか」

引き金を引いたのは、俺も長門もほぼ同じタイミングだった。


かちん 



間抜けな音が二つ重なった。弾が入っていない拳銃に殺傷能力なんてない。

長門は口を少し開け、驚いた表情で俺を見据えていた。
どうやら俺たちは同じことを考えていたらしい。

459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 04:39:21.66 ID:SwuqydBa0
支援

462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 04:45:45.71 ID:v1ceAkxs0

長門と俺はその場に座り込んで話していた。
と言っても、俺が一方的につらつらと思っていることを口に出すだけだが。
すぐそばにはハルヒと朝比奈さんの死体がある。
全員が集まったら楽しいだろうなと思った。

「なあ、長門」

俺は何度もした提案をしつこく持ちかける。
しかし長門は聞く耳を持たない。

どうして断るんだよ。
この世界に情報統合思念体とやらがないんだったら、お前はここでは普通の女子高生だ。
生還して、一介の人間として一生を過ごす。
いいじゃないか、それで。

「あなたはどうして生き残ろうとしないの」

聞かずともわかるだろう。
俺はハルヒのいない世界には興味がないんだよ。
もっと正確に言えば、ハルヒ、朝比奈さん、古泉、鶴屋さん、国木田―――今なら朝倉と谷口を含めてやってもいい、
あともちろん長門、お前もだ―――そいつらが全員いない世界なんて何の意味もないからだ。

「同じ」

長門が笑っているように見えた。

「わたしも同じ理由。だからあなたの提案は拒否する」

466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 04:51:26.80 ID:Sx7SXfgqO
長門はやっぱりいい奴だ

470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 04:58:45.96 ID:v1ceAkxs0
時計が十二時を指した瞬間、首元で電子音が鳴り始めた。

ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。

「長門」

「なに」

「死ぬのって、やっぱ怖いな」

「……そう」

「まあ一瞬で終わるって思えばいいか」

ぴっぴっぴっぴっぴっぴっ

「でも俺はたぶん幸せなんだな。一人で死ななくて済むんだからさ」

「……わたしもそう思っている」


ぴーーーー



ぱぁん


【残り一人/ゲーム終了・以上第四十二号プログラム実施本部選手確認モニタより】



471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:00:58.38 ID:v1ceAkxs0
ここからラストまでは一気に投下します。
6時までには終わらせたい


472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:02:24.46 ID:S3KFBYN40
支援

477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:10:08.79 ID:KR8su7yJO
>>1文章読みやすいし面白いぞ
しえん

479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:12:55.65 ID:rwtE6dV0O
長門の策略か
ハルヒパワーでキョン生還自殺ENDか

491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:48:27.55 ID:v1ceAkxs0
もうちょっと待っててください、すいません
寝オチだけは絶対にないです

493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 05:50:32.23 ID:S3KFBYN40
>>491
がんばれ

499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:06:15.27 ID:v1ceAkxs0

俺は船の中の一室にいた。
目の前には担当教官とやらが鎮座している。
偉そうな態度の女で、プログラム中に何があったか根掘り葉掘り聞いてくる。
仕方なく俺は答える。

「あなた、キョンって呼ばれてるの?」

「ええ、まあ」

「キョンね、なかなか面白いニックネームだわ。キョン、知ってた?
あなたってこのゲームの参加者ほとんどと会ってるの。
涼宮、朝比奈、古泉、谷口、長門―――鶴屋と国木田はもう死んでたけどね。
まったく会ってないっていうのが朝倉だけっていうんだから驚き」

朝倉涼子。いつも俺に凶器を振りかざしてくるあいつは、今回に限って見逃してくれたらしい。

「そうねえ、朝倉さんはいつもキョンたちがいる所とは反対方向にいたりしてたわね。
まあ会わなくて良かったんじゃないかな。あの子は怖かったわねえ、盗聴記録見てびっくりしちゃった。
キョンも興味あったらみてもいいわよ。あなたはもう優勝者なんだから」

見ず知らずの年上の女性にこんなふざけたニックネームで呼ばれるのは、
普段だったら嫌悪感でいっぱいになるはずだった。
しかし彼女の口調と『キョン』という言葉の響きは不思議なほどマッチした。
俺は黙ったままで彼女を見つめる。

501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:08:10.68 ID:rwtE6dV0O
きたああああああた


502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:08:32.21 ID:S3KFBYN40
長門おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 06:09:32.60 ID:aeps/mICO
まさか担当教官が……


504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:12:18.54 ID:v1ceAkxs0
「ねえ、結局最後はどうだったのよ?」

「最後?」

「しらばっくれないの。長門さんと、どうなった? どうしてあなたが生還した?
あと三秒で首輪は爆発するとことだったのに」

その出来事から、まだ一時間も経ってない。
記憶は痛いほど鮮明だった。



あの時。

首輪がけたたましい警告音を鳴らしていた時。

長門は自分のオートマチック式の拳銃を拾い上げるとこめかみにあてた。

俺だけ生き残らせて、お前は何がしたいんだよ!
そう思った。

とっさにそれを止めようと俺は長門の手を掴んだ。
運悪く俺の親指がトリガーにかかってしまった。
無我夢中だった俺はそれに全く気付かずに力を込め、拳銃を引きはがそうとした。

ぱぁん

銃声がすると首輪の音は止んだ。
足元では長門有希が体を投げ出して倒れていた。
実にあっけない出来事だった。


505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:15:19.61 ID:rwtE6dV0O
なんという鬱END


506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:15:33.12 ID:Sx7SXfgqO
長門……

508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:18:11.08 ID:v1ceAkxs0
「ふうん……」

彼女は俺を見て薄く笑った。

「変な話ね。まあどこが、とは突っ込まないでおくわ」

彼女は立ち上がって部屋を出ようとする。
逃がすか。
俺には確かめなければならないことがある。

長門が使っていた拳銃を彼女に突きつける。
彼女は少しだけ驚いたようだったが、すぐにからかうような口調で俺に言った。

「それ、弾込めてないんでしょう。そうじゃなきゃ船内に持ち込めるはずないもの」

そう。
この銃に弾は込められていないはずだった。
長門と俺の拳銃、どちらともあの死ぬ間際では殺傷能力のない鉄の塊だったはずだ。
俺はあの後ずっと長門と一緒にいたが、あいつが弾を込めるのを見ていない。
それでも弾はここから発射され、長門有希の命を奪った。
なぜだ。




509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:19:30.78 ID:rwtE6dV0O
急展開ww

514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:26:43.34 ID:v1ceAkxs0

おかしい。
この世界はおかしい。
つなぎあわせで作られたハリボテだ。

俺は引き金に力を込めようとする。たぶんこの拳銃からは弾は発射されるだろう。
確信があった。
俺はこの女を殺して、みんなの敵打ちができる。

「キョン」

おかしい。ここはおかしいんだ!
担当教官であるはずの女が涼宮ハルヒに見えるなんて間違っている。
ハルヒはあの島で死んだはずなんだ。
死んだじゃないか、俺を庇って穴だらけになって!

涼宮ハルヒは記憶よりも少し大人びた風貌をしていて、軍服姿がよく似合っていた。

「残念ね。あんたとは仲良くできると思ったのに」

駄目だった。引き金を引けない。
涼宮ハルヒにしか見えないこの女を殺せない。

俺の好きだった涼宮ハルヒが死んでも、この涼宮ハルヒは生きている。
もうこれ以上俺はこいつの未来を奪いたくない。

「銃口を向けた以上、反逆罪よ。弾がなくともね」


涼宮ハルヒは俺の額に小型の拳銃を押し付けると、引き金を引いた。


515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:28:00.57 ID:rRcAQBmi0
え?


516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:29:10.96 ID:rwtE6dV0O
あるぇ


517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:29:48.71 ID:gSA8dm69O
カオスすぎる…

519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:34:46.48 ID:v1ceAkxs0

今日こそは一番乗りだろうと思った。
なんてったって集合時間の三十分も前だ。
俺は自転車を止め、公園へ向き直ると驚愕した。

「遅いわよ! キョン!」

ハルヒが怒ってるのか笑っているのか判別しづらい顔で言った。
見渡すと全員がそこにいた。

鶴屋さんが八重歯を見せて笑い、
国木田、谷口がいつもの馬鹿みたいな会話で盛り上がり、
古泉は雑誌からそのまま抜け出てきたような体で、
朝比奈さんは相変わらずの天使のスマイル、
長門は無表情、だけど心持ち嬉しそうに見える。

俺は少し遠くからこちらを眺めていた朝倉涼子に声をかけた。

「一緒に行こう。きっと楽しいから」

朝倉は恥ずかしそうにはにかんで輪に加わる。
これでいいんだ。
もう争いが起こることもない。

「おい、ハルヒ」

「なによ」

「早く行こうぜ」


520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:36:17.55 ID:Sx7SXfgqO
これは


521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:42:20.47 ID:v1ceAkxs0
「またわたしはあなたに再生されたの?」

「そう」

「今度は一体どんな役回りかしら、どうせ消える運命なんでしょうけど」

「わたしに溜まったバグは膨大。もう制御できない状態にある」

「そうみたいね。ここは情報統合思念体も介入できない空間みたいだし」

「だからわたしはわたしの抹消を試みることにした」

「なるほど? それにしては面倒な方法をとったのね。本のフィクションを
ベースにプログラミングするなんて」

「涼宮ハルヒが熱中していた本を適用した。説明は省く。あなたと記憶を共有する」

「―――わかったわ。一日だけ自由に振る舞えるってことね」

「……ただ」

「わかってるわよ、彼には手を出さない。一回消されたことがあるからよく理解してるつもり」

「それで? あなたは彼に何を望んでいるの?」

「わたしの破壊」

「それだけのために、わざわざこんなことを?」

「そう」


522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:44:36.86 ID:04ZKcQao0
味噌汁ウマ過ぎ


523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:46:53.06 ID:w0fOHCJ1O
カオス


524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:49:55.02 ID:v1ceAkxs0
「情報統合思念体に申請すれば、あっという間に処分が下るのに」

「……わたしは彼以外の人間には壊されたくない」

「ふうん。へえ、このなんだかどろどろしてて形が掴めないのが、あなたがバグをそこまで
溜めることになった要因ね」

「…………」

「わたしにも理解できるときがくるかしら」

「わからない」

「まあいいわ。結局わたしはあなたに従うしかないってことよね。
もしここでわたしが情報統合思念体にアクセスしようとしたら、あなたはわたしを消去するだろうし」

「……涼宮ハルヒの力をある程度制御できたとはいえ、彼女が何を引き起こすかは未知数。
私が把握できないもあるかもしれない。あなたはそのバックアップ」

「……わたしはもう集合場所へ行く」

「長門さん、心配しないで。ちゃんと転入してくるわよ」

朝倉涼子は朝日を見つめながら、明日を思った。








525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:52:01.36 ID:bXdrNhoBP
エピローグで伏線回収はあるのか?


526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:52:38.20 ID:rwtE6dV0O



527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:52:42.18 ID:LqWHH45oO
>>1乙!!!!


529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 06:53:10.88 ID:tsB+dBKBO
>>1お疲れさま!!

なんか目から汁が出てた…

534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:00:37.11 ID:v1ceAkxs0
初SSでお見苦しい点(最初の読みづらさとか)もあったと思いますが
完結できて本当によかったです。
最後のほうぐだぐっだになっちゃってすいませんでした><
保守、レスしてくれた方、みなさんありがとうございました!


535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 07:03:27.00 ID:1sEgzY500



536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:06:44.70 ID:I+sxzamZO
これは長門が自分の存在を消すために、SOS団+αを巻き込んだっていうこと?


539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:12:25.62 ID:Yc1JUSX5O

死んでく順が良かった


540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:13:03.15 ID:aiHtuUUe0
うーん、なんというか最終的に説明不足な感
携帯で二日にわたって保守してただけに残念だ


541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:17:35.17 ID:Sx7SXfgqO
>>1
グロになりがちな題材をよくここまでまとめたと思う
最後まで読めてよかった!


542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:20:05.76 ID:yoOXO/1n0
結局どうなったの?

547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 07:54:56.36 ID:Ot/LKzVB0
国語力0の俺に最後の展開の詳細を

549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 08:12:32.41 ID:uiT02rI40
おもろかったよ。
でもやっぱ補足エピソード欲しいな。wkwk

557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 10:15:19.84 ID:QQ8OnJjpO
うわぁ…最後ひでぇな


559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 11:10:12.20 ID:v1ceAkxs0
今起きました。
読み直すとラストが説明不足すぎですねw

レスでああだこうだ説明するのは恥ずかしいんで、補足話書いてきます!

561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 11:14:07.32 ID:aitWJhd8O
>>559
待ってた

567>>514と>>519の間[]:2009/10/21(水) 11:41:35.04 ID:v1ceAkxs0

とても残念な気持ちになった。
人殺したことについてではない。そんなことは日常茶飯事だからだ。
優勝者がトチ狂って殺されるなんて、一年に一件程度はみられる事象だ。
でも。
彼女は目の前で死んでいる男を見下ろした。

「キョン」

青春に似た苦さが胸に突き刺さった。
彼女は今28歳で、こんな気分になるのは数年来なかった。
なぜ自分がこんな一介の男子生徒に心を奪われているのか理解できなかった。
キョンと呼ばれる彼をどこかで見たような気がする。
しかしいくら記憶を底から引っ張り出しても、彼には行きつかないのだ。
会ったことがないのにとても懐かしいのはなぜだろう。

彼女は彼の頬に触れた。
そして何かを考える間もなく、全く無意識のうちに、唇を重ねていた。
血の味を噛みしめながらしばらく呆然としてしまう。
初対面の男に、しかも死体にこんなことをするなんて、あたしは頭がおかしくなったのか。

「……キョン、あんた馬鹿よね。弾がない拳銃であたしを殺そうなんてさ」

あの時の彼の表情には鬼気迫るものがあった。
もし彼が冗談めいていたら、いくら自分でも反逆罪と見なすことはなかった。
彼の拳銃を確認すると、やはり弾は装填されていなかった。
彼もそれはわかっていた。なのに本気で自分を殺そうとしていた。

この世界はおかしい、と彼は言っていた。
いったいそれはどういう意味だろう。


569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 11:56:30.21 ID:v1ceAkxs0

長門有希の盗聴記録を思い出す。
彼女はとても大人しい人間でほとんど話すことがなかったので、声以外のものがよく聞こえた。
荷物を漁る音、食事を摂る音、そして拳銃をいじる音。

彼の言っていたことには矛盾があった。
長門有希は自殺しようとして、それを止めようとした彼ともみ合いになって死んでしまった。
彼と彼女はお互いを生かそうと、弾の入っていない拳銃を突きつけ合ったらしい。
拳銃が無害なものになったのはこの時で、それ以降長門有希の首輪からはマガジンを装填する音は
聞こえなかった。
そして十二時を迎える。
弾は長門有希の体を貫き、彼を優勝者にさせる。

と言っても、拳銃をいじくる音なんて小さなものだ。
首輪が受信しなかった可能性もある。

「あんたが有希をやったんじゃないの?」

口から出る言葉にまた驚いた。
見ず知らずの女子生徒を名前で呼んでいた。

彼が彼女を殺した。そう思っていた。

でも―――本当にこの拳銃に弾が込められてなかったとしたら。

いったい誰が彼女を殺した?


571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 12:04:40.04 ID:nrgpGhp4O
わくわく

573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 12:17:39.67 ID:v1ceAkxs0

考えれば考えるほど、この世界が整合性の取れていないものに思える。
鉛弾はどこから出てきたのか。
深く考える必要はないかもしれない、もうすべては済んだことだ、言い聞かせても
彼の存在が胸を引っかき回した。

そばのテーブルから資料を取る。
今回の参加者の個人プロフィールだ。

なぜか今見返すと、全員見覚えがあるような気がした。

みくるちゃん、朝倉、古泉くん、有希、鶴屋さん、アホの谷口、国木田。

そしてキョンと涼宮ハルヒ。

キョンは最後、あたしを涼宮ハルヒと呼んだ。
書類にクリップで留めてある涼宮ハルヒの写真。勝ち気そうな瞳でこちらを睨んでいた。
確かに自分に似ているかもしれない。

彼の顔、体のラインをなぞった。
ごつごつした指も長いまつげも少し茶色い髪も全てが好きだった。
……今まで会ったこともないのに。

「キョン」

名前を呼んだ。
あたしには涼宮ハルヒが乗り移ってしまったのかもしれない。

その時ドアが勢いよく開く音がして、ようやく警備にあたっていた兵士たちがやってきた。


575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 12:21:12.99 ID:Sx7SXfgqO
おお!
補足が来てた
支援

577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 12:38:32.51 ID:v1ceAkxs0

「どうされましたか!」

兵士たちは一列に並んであたしの名前を呼んだ。
もちろん涼宮ハルヒではない。もっと普通の名前だ。

「あたしに拳銃を向けてきたから、反逆罪として処断したわ。最後ボディチェックをしたのは誰?」

兵士の一人が申し訳なさそうに手を挙げた。
自分の行動がこの事態を引き起こしたことがわかったのだろう。

「あんた、こんな子供に言いくるめられたの? 武器を記念に持ち帰りたいって?
弾回収すればいいってもんじゃないのよ。原則禁止って上からも言われてるでしょう」

「申し訳ありません」

「まあいいわ。こんなのよくある事例の一件で片づけられるでしょ。私が始末書を書いておくわ。
あなたたちはこの死体の始末をして」

そう言うあたしはいつものあたしだ。
あたしの精神はどこも異常じゃないはずだ。でなかったら、こんなにキビキビと命令が出せるはずない。

「はっ、了解です」

部下たちが彼の死体を外に引きずり出す。
あたしは政府の人間だと言い聞かせ、涼宮ハルヒの思いを断ち切る。
彼が出ていくと血だまりが部屋には残った。臭いはしない。慣れてしまっているからだ。




582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 13:00:15.55 ID:v1ceAkxs0
兵士の一人が血だまりに浮かぶ拳銃を拾い上げ、一礼をして部屋を出ていこうとする。

「待って。それはあたしが預かっておくわ」

「なぜですか?」

「あたしが処分しておく。馬鹿正直に上に報告したら面倒じゃない。なんで銃を預からかなかったのかって
ちょっと問題になるわよ。だから銃の存在はなかったことにする。文面もごまかして書くわ」

兵士は、ありがたいですと事務的に笑んで拳銃を渡した。
ドアを閉めて一人になると、さっき座っていたソファに沈み込む。

彼のお陰で、この世界はひどくあやふやなものになってしまった。
拳銃には弾はない。
ひどく軽かった。

あたしはソファの背もたれに寄りかかって、口の中に拳銃を突っ込んだ。
ドラマや映画なんかだとこめかみに当てるのがセオリーだが死にきれないことも多々ある。

もしこの世界が完成されたものならあたしは死なない。弾がないのだから当然だ。
でも不完全なものならあたしはないはずの銃弾で死ぬ。
完成していない世界に生きるのは真っ平ごめんだ。

キョンという大好きな赤の他人の存在なんて認めたくない。
この先こんな気持ちになることがあるんだったら、あたしはこんな世界望まない。

「キョン」

あたしは引き金を引く。


583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 13:12:51.88 ID:7ZfW1aYS0
続きが気になるのう・・・


584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 13:22:42.42 ID:v1ceAkxs0

かちん

口内から聞こえてきたのは間抜けな音だった。
やっぱり―――そうだよね。
こみ上げてくる笑いを止められない。
なんと滑稽なことだろう。
現実はどこまでも現実だった。

考えすぎだ。世界がそんなに歪みきっているわけがない。
世界はきちんと構築されている。

いや。
突然面白い考えがふって湧いてきた。
世界は、今この瞬間にやっと構築されたのかもしれない。

写真の少女があたしを睨みつける。
涼宮ハルヒが望んだから、あたしがここに今いる、そんな可能性だってある。
参加者の立場でなく、それを統括する担当教官として。

あたしは涼宮ハルヒの写真をポケットに入れた。
あたしはあたしであると同時に、また涼宮ハルヒなんじゃないか、そう思った。

涼宮ハルヒ、あんたの好きな彼は、あたしが殺しちゃった。
でもいいの。
あたしはがこっちで生きていくには、たぶんキョンの存在は辛すぎるだけになっちゃうから。ごめんね。


涼宮ハルヒは鏡を見ると、おもむろに長い髪を一つにくくり始めた。
特に意味はなかった。

586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 13:32:14.25 ID:gSA8dm69O
うわああああ

長門じゃなくてハルヒがそうさせたのか


587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/21(水) 13:34:09.12 ID:uiT02rI40
二人の力が混沌化しているって感じかな?

589エピローグ >>524のあと[]:2009/10/21(水) 13:53:25.43 ID:v1ceAkxs0

長門有希は木枯らしに吹かれながら公園までの道のりを歩く。
ダッフルコートを羽織っているのは冬であるしるしのようなもので、彼女自体に寒暖の差は
意味を持たない。

これから起こりうる事態を彼女は全く予想できなかった。
涼宮ハルヒの力を出来る限り制御したとは言え、何を起こすのか分からないのが涼宮ハルヒである。
プログラムから抜け出そうとするのならば全力で阻止しなければならない。
彼に逃げだされてしまったら、情報統合思念体を裏切った意味がなくなる。
情報統合思念体に存在を抹消されるのは嫌だった。

嫌だと感じることが出来る。
今までの自分には出来なかったことだ。


わたしは、その反対の感情を抱くことも出来た。


わたしは彼に消される。消されなければならない。

わたしにバグが蓄積する原因をつくったのは、あなた。

594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 14:20:38.86 ID:v1ceAkxs0


12月18日。


わたしはあの中で永遠に存在できたらどんなにいいだろうと思っていた。
部室にはわたしと彼しかいなかった。

彼はわたしが改変させた世界を望まないだろうとわかっていた。
選択権を彼に委ね、やはり彼は元の世界を選び取った。

あの時、彼が病室で言ってくれた言葉。

わたしは解消したはずの自らのバグがますます膨れ上がっていくことに気づいた。

『お前の親玉に言ってくれ。お前が消えるなり居なくなるなりしたら、いいか? 俺は暴れるぞ。
何としてでもお前を取り戻しに行く』

彼はそう言った。
だが彼が選び取ったのは涼宮ハルヒがより身近にいる世界。
その力で彼の後ろに座り、彼のうなじをシャープペンシルでつつくとの出来る距離。

わたしはわたしのバグを対処することができなかった。
否定。
しようとしなかったのだ。

わたしは流れ込んでくる感情の波に疲弊していた。


全て終わらせたかった。彼の手によって。


595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 14:27:36.88 ID:Sx7SXfgqO
切ないのう……

597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 14:44:35.93 ID:v1ceAkxs0

「あっ、有希! 早くこっちにきなさーい!」

涼宮ハルヒの声が鼓膜に響く。
集合場所には彼を除く全員が揃っていた。

「珍しく遅いじゃない、んま、ビリはいつもと変わらないけどね」

わたしは当然彼を生き残らせるつもりでいる。

わたしはわたしを彼に終わらせてほしいと望むだけで、彼に恨みなどなかった。
別の手段もあった。が、涼宮ハルヒが読んだ本を影響させた世界の方が
彼女が自然にその状況を受け入れ、力が故意に働かなくなるだろうと考えた。
涼宮ハルヒの力とわたしの力のバランスがどうなるかは予測がつかなかった。

彼がこちらに向かってくるのが見える。

彼は恐らくわたしを頼ってくるだろう。
脱出の手段を探そうとするだろう。
わたしはいつでもこの空間を再構成し、歪みを元に戻せる。それを悟られてはならない。

―――わたしには弾を込めていない拳銃を発砲させることも出来る。

彼がわたしを見る。
わたしが彼を見る。


微笑もうとしたが、今のわたしにはとても出来なかった。

                                    終わり


598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 14:52:56.17 ID:zIp63Fr1O



599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 14:55:04.23 ID:rwtE6dV0O
補完乙
近年稀にみる秀作


604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 15:03:29.13 ID:v1ceAkxs0
これでちょっとは分かりやすくなったかな…
みんな付き合ってくれてありがとう、終わってよかった


605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 15:08:30.52 ID:7ZfW1aYS0
>>604
乙~


606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 15:09:57.22 ID:Sx7SXfgqO
>>604
乙!
そのうちまた何か書いてくれ

楽しみに待ってる

609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 15:29:15.63 ID:yPqgmVqAO

ごめん面白かったんだけど
教官の女は何だったんだ


621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/21(水) 17:34:31.03 ID:v1ceAkxs0
>>609
教官の女はハルヒの逃避願望の表れってことでひとつ

またSS書くときはちゃんと最後まで書き終わってからにするよw
暇つぶしになってくれたら幸い。あとモバゲーのコピペ云々は気にしてないから続けちゃってもいいです
みなさんありがとうございました。では!





1001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/25(日) 21:57:56.82 ID:tmg24news

はじめまして。エレファント速報の管理人です。
>>621にて>>1さんがモバゲーの件について言及していますが
SSの内容には直接関係がないと判断したので

モバゲーに関する他のレスは編集の際に割愛させていただきました。
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        コメント一覧

          • 1. キシリクリスタル
          • 2009年12月03日 20:37
          • 5 本当に秀作だった。
            心が動いたや。
          • 2. エレファント名無し
          • 2010年08月10日 13:23
          • 4 はぁ……

            素晴らしいSSでした。
            おっと、1時間30分が経っている。

            >>1乙です。
          • 3. 以下、VIPに変わりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年06月23日 02:26
          • 教官の女の件はいらなかったんじゃね?
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月09日 00:41
          • 5 おっともうこんな時間か
          • 5. ドットゾーン
          • 2011年10月15日 15:33
          • 5 いや、これは稀に見る素晴らしいSSを見たなー
          • 6.  
          • 2011年12月21日 00:54
          • 面白かった
          • 7. ま
          • 2012年07月13日 00:43
          • 4 最後の理由づけはちょっと納得しかねるけど、とりあえず最初から最後まで楽しんで読めたよ。
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年10月19日 01:28
          • 内容はすごく楽しめたのに、読みづらいとか最後までかいたら評価するとか評論家気取りのレスが合間に多くて萎えたorz
            とりあえず一区切りつくまでは支援だけしてればいいのに
            書き手はよくこれで不快な気分になって投げ出したりしなかったな…内容もさながら忍耐力もすげえよ
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年11月18日 01:19
          • 5 バトロワ嫌いな俺が読めたんだからもっと評価されていい
            よかったよ
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2016年07月23日 22:59
          • 評論家気取りはクッソうぜえけど作品を世に出してる時点で仕方ないこと、いや、普通に読みたい読者にとってはマジで害悪だけどね

            長門 ダイナミック自タヒ
            ハルヒ 長門のダイナミック自タヒに巻き込まれつつも能力で生存でいいのかね?

            まあラストを考察すると色々可能性が出るからすっきりしないが面白かった

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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