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ハルヒ「ねえキョン、バトルロワイアルって知ってる?」 【中編】

132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:00:39.70 ID:GkcGu7CK0
とりあえず書けたんで投下しまっす。
といってもそんなに進んでないですけど…


133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:02:07.63 ID:GkcGu7CK0
くそ、ダメだ。
こんなぐだぐだ考えていたってどうしようもない。
もう割り切らなければやっていられない。
俺は俺の思ったことをするまでだ。
俺は国木田の目を閉じて、腕を組ませてやった。そうすることで一番慰められるのは
もちろん国木田ではなく自分自身だ。
弔うという行為自体、自己満足に過ぎないのだと思った。

「それで、だ。長門、俺たちはこれからどうすりゃいい? まずここから脱出するんだろう」

「この島の周りは巡視艦が包囲している。船やボートの類はすべて撤去されていた。
一番確実なのは本部を制圧後、関係者や優勝者を輸送するための船を呼び出し
内部を一掃したのち、この国以外のどこかへ密入国すること」

「気の遠くなるような道のりだな。本部ってのは俺たちが最初にいた廃校だろ?
あそこはもう禁止エリアになってて侵入できないはずだ」

「だからこの首輪の爆発機能、探知機能、盗聴機能を解除する必要がある」

この首輪がいかに高性能かは『必勝! バトルロワイアルマニュアル』という
政府折り紙つきの番組で毎回語られている。
恐らくプログラムに興味のある人間なら、この首輪の持つ三つの機能は空で言えるはずだ。
つまり今の俺達の会話も本部に丸聞こえということになる。
しかしこれくらいの会話で動く本部ではない。
きっと脱出がどうこうなんて誰でも考えることで、俺たちもその大勢の中の一部であり
結局失敗に終わるであろうと確信しているのだ。
今俺たちの首輪が爆発しないのはそういうことだ。





134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:04:08.26 ID:GkcGu7CK0
「解除するにはコンピュータが必要。でもわたしが回った民家には備え付けられていなかった」

長門はそこまで言うと国木田を見やって、辛そうな顔した。ように見えた。

「あと首輪のサンプルが欲しい。彼のを使おうと思っている」

許可を求めるように俺を見上げる。
俺に拒否権はない。もしここから出れて世界を元に戻せたら、国木田だって生きているはずだしな。

「わかった。長門はそれを解析しててくれよ。俺がどっかからパソコン持ってくる」

長門はうなずくと地図を取り出し、一点を指さした。

「わたしはここで待機している。コンピュータもしくは―――涼宮ハルヒと合流したら、ここへ戻ってきてほしい」

「ハルヒ?」

「涼宮ハルヒとあなたが出会った時点で、全てから抜け出せる可能性もある。
今はどの手段を使っても情報統合思念体にアクセスができない。でも、涼宮ハルヒがいれば
彼女を介するかたちで情報統合思念体にアクションを起こさせることができるかもしれない」

古泉も似たようなことを言っていた。
ハルヒはまだしも、俺に一体何の力があるってんだ。
時計を見ると六時を回っていた。ハルヒと離れてからそんなに経っちゃないのに
どうも寂しいような気がするのはどういうわけかね。

「なるべく早くに戻る。気を付けてな、やばそうだったらすぐに逃げろよ」

最後に国木田をもう一度見た。視界が歪みそうになったが、目がしらを押さえてなんとかやり過ごした。
泣くにはまだ早かった。


135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:11:19.18 ID:GkcGu7CK0
いくら待っても鶴屋さんは来なかった。
家に戻ってみるともう彼女は死んでいた。
長い髪が血にたゆたって、部屋を赤く染めていた。

今にも倒壊してしまいそうな精神を支えていたのは、他ならぬ鶴屋さんだった。
彼女はわずかな時間と言葉でいかに生きることがシビアなのかを教えてくれた。
そして言った、『最後くらいしたいことしなきゃ!』
あたしのしたいことってなんだろう。
もう未来へは帰れない。未来人としての役割はない。古泉一樹もそう言っていた。

あたしという“人間”がしたいこと。
それはなに?
思いつくのにそう時間はかからなかった。
ここ最近の様々な記憶がフラッシュバックする中、心に刺さった破片を拾い集める。

涼宮ハルヒに強引に部室へ連れてこられたこと。
そしてその後バニーガールに扮装させられたこと。あの人は止めてくれなかったな。
胸をコンピ研の部長に鷲掴みにされたこと。もちろん仕掛けたのは涼宮ハルヒだ。
映画の撮影で十月の汚れた池に投げ落とされたこともあった。
その後涼宮ハルヒは私にお酒を飲ませて、好きでもない男とキスさせようとした。
鶴屋さんからはあの後謝られたけれど、もちろん彼女から直接の謝罪はなかった。
あの人に怒られて少し萎れていたけれど、すぐにあの人は彼女に何か優しいことを言ったらしく
次の日の放課後には元気を取り戻していた。

―――それを見てあたしは何を思った?


136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:17:59.92 ID:GkcGu7CK0
もうわかりきっている。
憎悪だ。

あたしには? あたしには何も言葉をかけてくれないの?
涼宮ハルヒにとってあたしはただの玩具でしかない。
ただの着せ替えの出来る動く人形でしかない。
今まで耐えてこられたのは、これは仕事であると割り切っていたからにすぎない。
上から許可を与えられなければ何もできない、そんな仕事で。
メイド服を着て、お茶を入れるどじっこキャラを演じ続けるのにも嫌気がさしていた。
未来の自分のため。そう思って我慢してきたことは、もうすべて水泡に帰してしまった。

ただ一つだけ、未来がなくなってしまったことで自由になれることがあった。
それは彼女の中で二つ目の目標として燦然と輝いていた。

あたしのしたいこと。
朝比奈みくるの中ですでに結論は出ていた。

涼宮ハルヒを殺す。



137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:20:15.17 ID:/rOA4QXt0
支援


138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:26:09.45 ID:GkcGu7CK0
タイムリミットが刻々と迫る中、谷口が焦っていた理由はそれだけではなかった。
いわば彼は首と背中に死を抱えているようなものだった。

「うわっ!」

刀の切っ先がブレザーの背中を裂いた。古泉の斬りつけるモーションが大きかったおかげで
二人の差が少し開いた。
これだけ狭い島で、どこかに隠れることもせずに堂々と歩いていれば狙われるのは当然だった。
できれば室内で丸くなっていたかったのだが、それは朝倉が許さなかった。

古泉はまた徐々に間隔を詰めていく。
このままでは今度こそ殺される。谷口は覚悟を決めた。
谷口は背負っていたディパックを投げつけ、古泉がひるんでいるスキにバットで殴りかかった。
手加減はしない。狙うは頭だ。
頭がい骨を砕く感覚が伝わってくる、はずだった。
バットは地面をほんの数ミリ抉るだけで、既に古泉の姿は谷口の視界からは消えていた。

くそっ。
反転するとちょうど古泉が刀を振り下ろすところだった。
駄目だ、かわせない―――。
谷口は身を守ろうとバットで刃を受け止める姿勢をとった。
きっと大根が切れるようにバットも真っ二つになると思い、谷口は恐怖に戦慄した。

「困りましたねえ……」

古泉が顔をしかめている。日本刀はバットに半分近く食い込んでいるものの断ち切ることはできなかったようだ。
よくよく刃を見れば、血と脂でギトギトだった。これでは切れ味も落ちるだろう。
谷口は刃を受け止めたバットを押して、古泉を突き飛ばした。
古泉はそのまま後ろに倒れる。隙だらけだ。
すっかり諦めモードの古泉を放置してそのまま走り去った。


139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:32:51.13 ID:GkcGu7CK0
あいつ、古泉だっけ?
なに殺されても構わない、みたいなカオしてんだ。
別に俺は殺したいわけじゃない。勘違いすんな。
にしても、なんなんだあの達観したような余裕さは。
死ぬのが怖くないのか、やめろよ、俺がアホみたいにみじめじゃないか。

思考が別のところをさまよっていた。
自身がどこを走っているかなんて全く意識になかった。
足を踏み外して落ちていくとき、死にたくないとひたすら願い続けていた。
どうしたらあんな表情ができるのか。

「ちょっ、もー! 痛いじゃない!」

突き抜けるような溌剌とした声。
体を乱雑に揺すられた。

「谷口でしょ? 早く起きなさいよ!」

やっと会えた。
爆弾の解除コードがやっと手に入った。
彼女に対しての様々な思いを、谷口は『解除コード』として一括りにすることにした。
そうでないと混乱してしまうからだ。

顔を上げると、不機嫌そうに谷口を見る涼宮ハルヒがいた。

142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:43:51.78 ID:GkcGu7CK0
窓ガラスを割って、部屋に侵入する。
一通り物色して役立ちそうなものを鞄に詰め込む。
しかしどこを見渡しても目当ての物はどこにもない。俺は諦めて外に出た。
ほんと、ただのコソ泥だなこれは。

パソコンとハルヒを探すことが俺の目下のところの使命だ。
探知機で誰もいないことを確認してから動き始める。
恐らくこの探知機、最後まで持たないだろう。電池残量がじわじわ減っていくのが見て取れる。
ただオンオフのスイッチもないからどうしようもない―――ん?

ぱぱぱぱぱぱぱぱ

遠くで銃声が聞こえた。気がした。
本物なんて今までに聞いた覚えがないから判断がつかない。
誰かが爆竹鳴らしてると言われたらそれまでだ。まあこんな状況で誰がそんなことするかって話だが。
探知機に再び目を落として俺は驚いた。
二つのドットが物凄い勢いでこちらに向かってきたからだ。
あの銃声から逃げてきたのだろうか。
俺は身を物陰に隠しつつ二人に近づくことにした。
複数で固まっている時点で危険性は限りなく低いはずだ。


数分後に俺が見たのは、ぎゃあぎゃあわめき合う谷口と、涼宮ハルヒの姿だった。


143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:51:14.67 ID:Cci2jIiRO
支援


144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 05:52:36.96 ID:GkcGu7CK0
「だから逃げねーとお前死んじまうとこだったんだぞ!」

「うっるさいわね! もしかしたら間違って撃っちゃっただけかもしれないでしょ!」

「あんなぶっ放しといて誤射もクソもねえよ!」

傍から見てるとなんて平和な光景なんだ、という感想を俺は持った。
なんだかハルヒの顔を見るのが本当に久しぶりな気がする。

「おい。お前らなにやってんだよ」

俺が声をかけると、二人とも驚いた顔をして近づいてきた。

「キョン! 良かったあ、もうアホの谷口とは付き合ってらんないとこだったのよ」

ハルヒはいつも通りのハルヒだった。
その瞬間、無性にハルヒを抱きしめたくなるという意味不明な衝動に駆られた俺は、
馬鹿やめろ谷口がいるんだぞやめとけと五回念じてその欲望を鎮めることに成功した。

「よぉキョン、まだ生きてたのか」

「ああ。ところでお前ら何やってたんだよ」

「俺達襲われたんだよ。急に撃たれそうになってさ、そんで逃げてきたわけだ」

「違うわよ、撃った人もそんな気なかったはずよ!」

またそこで口論が起きそうだったので、俺は別の質問をして気を逸らせようとした。


146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/10/20(火) 06:02:11.69 ID:asbwzASpO
読みにくいな


147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:02:20.52 ID:GkcGu7CK0

「結局誰だったんだ? そいつ」

「わからない。全然姿が見えなくって……木の隙間から弾が飛んでくる感じだったから」

「まあいいじゃねえか、どっちにしろもう撒いたはずだ……って、いってえ」

谷口が突然足首を抑えて痛み始めた。
逃げている途中で捻ってしまったのだろう。
ハルヒが情けないわね、と一蹴する。
さすがハルヒだ。助けられた(だろう)相手に感謝の一つないどころかけなすとは。
仕方ない、本来なら長門のところへ帰るべきなのだが、一旦近くの民家で休もう。
谷口に肩を貸してやる。

「いってええ」

「すぐそこだ、頑張れ」

俺は谷口にグーパンチして気合いを入れてやった。
谷口は大げさに痛がるとアホみたいに笑った。
そうしてふざけあっている様は、以前の日常となんら変わっていないように見えた。


148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:11:11.74 ID:GkcGu7CK0
谷口がハルヒの制服を無理やり脱がそうとしている。
ハルヒは口から出る抗議の声を押し殺すように唇を噛んでいた。
セーラー服の上はブラジャーが見えるまでにずりあげられている。
細いくびれのラインを谷口の手が撫でまわしている。

目が覚めて一番に飛び込んできたのはそんな光景だった。
なんだこれは。
反射的に飛び出そうとして何故か後ろにのけぞった。手首が柱に縛り付けられている。
瞬きする度に視界が赤くなっていった。血が頭皮を液体が伝い額に垂れていく。
そういえば頭が痛かった。

「キョン!」

ハルヒが俺を見た。縋るような目だった。いつもだったらこんな目、絶対にしない。
谷口は俺を身動き取れない状態にしてハルヒを犯そうとしている。
俺は叫んだ。しかし何を言っていたのかは自分でもわからなかった。

「俺はこうするしかないんだよ、悪いな」

谷口の言葉の意味を深く考えようとはしなかった。
嫌がるハルヒの顔を見るだけで十分だった。

「いや! やめてよ! もういやっ!」

「いいのかよ、そんな態度で。こいつのこと殺したって別にいいけど」

鋭いナイフが俺に向けられた途端、ハルヒは手足を動かすのを止めた。
ぎゅっと目を閉じて、少しでも早く事が終わってくれないかと体を震わせている。
谷口の汚らしい唇がハルヒの唇と重なった。
なにかがぷちっと潰れる音がした。


149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:14:05.69 ID:r0zPyIP5O
支援


150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:16:45.91 ID:GkcGu7CK0
俺はこいつを殺す。
殺す。
殺す。
殺す。

殺す。
絶対に殺す。



死ね。
死ね。
早く死ねよ。死ねって。いいから。


谷口の顔は殴れば殴るほどその形を変えていった。
何本か歯が抜けている。全部抜いてやろう。
全部が真っ赤なままひたすら谷口を殴り続けていた。

ふと腰に何か重いものがまとわりついていることに気づき、俺はそちらを見た。
ハルヒだ。涼宮ハルヒ。

「やめてよお……やめてよキョン……もういいから、お願い」

ハルヒ。泣いている。
急に体から力が抜けていった。
そういえば、頭が痛かった。
もう何も考えたくなかった。


151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:19:02.90 ID:GkcGu7CK0
「ありがとう。とても興味深いものを見ることができたわ」

朝倉涼子は無残な姿になった谷口に言う。
まだ息はあるものの、そよ風が吹いただけで消えてしまいそうな命だった。

「うん、涼宮ハルヒももちろんよかったけど、なんといってもキョン君はすごかった。
普段あんなに無気力そうなのにね。ここまでボコボコにしちゃうとは思わなかったな。
あれはちょっと狂気の域だったかもね。
やっぱりこれも『愛』だとか『恋』って概念のせいなの?
私には理解できないけど、結構楽しそうね。人間って本当に、面白い」

「…………」

「もう二人は逃げちゃったみたいね。これからも期待できる展開がたくさんありそうだわ」

「す、みや……」

「うん? どうしたの、谷口君」

朝倉は谷口の切れた唇に耳を近づけ、彼の言葉を聞こうとした。
ヒト―――もとい、有機生命体は理解できない。だからこそ興味深い。
谷口が朝倉を見る。その刺すような眼差しに朝倉ははっとした。
ついさっきまで情欲に駆られ、今死にかけている人間とは思えない。


152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:24:45.94 ID:GkcGu7CK0
「涼宮ハルヒ」

谷口が気丈な声でその人名を言うと、朝倉の全身が呼応したように、ぎゅうと締め付けられた。
鼻の奥から喉までを突き抜けていくかすかな痛み。
なに、これ―――。
苦しいし、重い。抉られるような感覚。
これはどこの器官? 
もしかして、ここが―――こころっていうの?

答えを聞こうとしても既に遅かった。
谷口は虚ろな目をして浅く呼吸を繰り返すだけだった。
瞳から涙だけが伝って落ち、彼の血まみれの頬を一筋だけ洗い流した。

「でもわたしには、まだよくわからない」

リモコンのボタンを押す。
ぴっ ぴっ ぴっ 音が聞こえる。
これは嬉しい音? それとも悲しい音?
ねえ、谷口君はどっちだと思うの?


ぴー


どんっ




【残り六人】


153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:29:52.16 ID:r0zPyIP5O
【生存者】
キョン
ハルヒ
古泉
長門
みくる
朝倉

【死亡】
国木田
鶴屋さん
谷口


という支援


154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:31:49.89 ID:GkcGu7CK0
ここまでしか書いてないっていう…

>>153
ありがとう助かります
結構書いてるつもりなのにまだこんだけいるのかw

156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:36:04.28 ID:r0zPyIP5O
>>154
死亡した順番、鶴屋さん・国木田・谷口でした
こちらこそすんませんでした

158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 06:44:07.04 ID:GkcGu7CK0
これから出かけなきゃならんので、ほんと申し訳ないですが保守お願いしていいですか?
携帯でぽちぽち書き溜めときます。
もし落ちてたら似たようなスレタイでまた立てます。
たぶん帰ってくるのが六時すぎくらいになっちゃうから、落ちてる気がするけどw

162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 07:15:24.17 ID:bAScSA2iO
この手のバトルものハルヒSSっていつもみくるが黒化するんだよなあ……。

原作もそうだけど、たまには全うに活躍するみくるちゃんが見たい


163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 07:25:05.95 ID:6yJC/GPvO
みくる一番ストレス溜まってそうだから仕方ない


229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:14:16.09 ID:GkcGu7CK0
帰ってきました。保守ありがとう!
書けたとこまで投下します。

231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:16:37.84 ID:GkcGu7CK0
気づけばもう日が高く昇っていた。
時間を気にする余裕など当然今の俺にはなかった。

俺はもう頭がおかしくなってしまったのだろうか。
あの時俺は谷口を本気で殴り殺す気でいた。
脳内はどこを殴ればこいつが死ぬかを考えるのでいっぱいだった。
なるべく醜く、原型を留めぬほどぶち壊してやりたいと思っていた。
ハルヒが必死になって止めていなかったら、それは実現していただろう。

「キョン、あたし、あの……ありがとう。助けてくれて」

やめてくれよ。
なんでお礼なんて言われなくちゃならない。
元はと言えば俺が悪いんじゃないか。甘かった。
俺は谷口を信用しきっていた。だから隙を見せた。頭を殴られて縛り付けられた。
そのせいでハルヒは俺の命を保証する代わりに自分の体を差し出すことになった。
全部俺のせいだ。

「……自惚れてんじゃないわよ! なによ、悲劇の主人公ぶって。
あたしはあたしのしたいことをしたまでよ。だから元気出しなさい」

ハルヒがアヒル口で怒鳴った。
男は叱られるのが好きというが、あれは本当なのかもしれない。
素直にされるよりよっぽど俺の精神は落ち着いた。
ふいにハルヒにどうしようもない感情を持ったが、それを止めたのは近くのスピーカーから流れるノイズの音だった。


232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:18:01.71 ID:DNiNXWBBO
おかえりー支援


233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:21:05.03 ID:GkcGu7CK0
『はーい、お昼の定時放送の時間です。って言っても、禁止エリアどうこうがないから死亡者を伝えるだけなんだけど。
鶴屋さん、国木田君、谷口君。今のところ死んだのはこの三人ね。
ちょっとペース遅いんじゃないかしら。あと十二時間で五人殺すように頑張って。
たぶん夕方の六時ころになったらまた放送を入れると思うわ』

『あ、そうそう、脱出なんて考えない方がいいよ。だいたい卑怯なのよ、正規の方法以外でここから
抜け出そうなんて。私はそういうやり方、気に入らない。
だからこっちが本当に危険性ありと判断したら、容赦なく首輪を爆発させるからね。それじゃあ、また』

彼女が一方的に話すだけ話して放送は終わった。
脱出云々は恐らく俺達に言っているのだろう。
まだ長門が生きているようだし、ばれないように上手くやっているか、あるいは何も思いついていないかの
どちらかなのだろう。
長門は元気でやっているだろうか。俺は意識を遠くに投げようとした。

「キョン……」

やめてくれ。

「三人も、死んだの? 谷口も―――」

もう言わないでくれ。

「ねえ、キョン!」

俺は何も知らない!
知らない知らない知らない知らない。
考えたくない。
人を殺したなんてもう考えたくない。

235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:27:48.31 ID:GkcGu7CK0
もうやめてくれ!

俺は叫んだ。この手で友達を殺した紛れもない事実が、どこまでも追いかけてくる。
多分俺一人だったらとっくに発狂していただろう。
ハルヒは冷静に俺が殺人犯でないという理論を組み始めていた。
ぶつぶつと独り言が聞こえる。

「おかしいわよ……違うわ。だって、あんたを引きずってってあの家から逃げたとき、
あいつまだ息をしてたもの。キョンはあいつのナイフを取り上げた後、それ放り投げてずっと
素手で殴ってた。それは覚えてる?」

俺は何も覚えていなかった。
どうして手かせを外せたのかも、ナイフ相手に立ち向かったかも、
逃げた最中のことも思い出せない。気づいたらこの小さな診療所のベッドで横になっていた。

ただ鮮明に覚えているのはこの手で谷口を何度も殴ったことだけだ。

「あいつ……でもそんなはず……ああもう!」

ハルヒが弾けるように立ち上がった。座っていたパイプ椅子が後ろに吹っ飛んでいった。
ハルヒは俺にずい、と顔を近づけて言った。

「あたしが確かめてくるわ! いい、あたしが戻ってくるまで大人しくしてるのよ!」

ちょっと待て、と起きあがろうすると体が悲鳴をあげた。
ハルヒを止める言葉を探そうとしている間に、猪突猛進の団長様はドアを勢いよく開けて出て行ってしまった。

237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:34:07.12 ID:GkcGu7CK0
外は危ないから大人しくしてろよ、そう言えなかったのはそれがあまりに白々しい嘘だったからだ。
ハルヒは嘘には鋭い。きっと俺の本心をそこから汲み取ってしまうだろう。

俺は一人でいるのがひどく心細いだけだ。
ハルヒにそばにいてほしかった。
ハルヒの駆けだす背中を見て、もうこれが最後に見るこいつの姿なんじゃないかと思うと
不安でどうしようもなかった。
俺もついていきたいのに古泉にやられた首の傷、谷口にやられた額の傷、そしてそいつを殴った時に
傷ついた両手、そして極度の疲れがそれを許さなかった。

俺はベッドで一人横になり、ただただ孤独と戦っていた。
自分が殺人犯かもしれないことに震えながら。
もしかしたらハルヒはもう俺の元に戻ってこないかもしれない。
殺人犯と一緒にいたいなんて思う奴なんていない。

全身が震えた。布団を被っても体の芯の冷たさが解れることはない。
目を閉じて、ハルヒが帰ってくるのを待つしかなかった。

239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:40:44.25 ID:GkcGu7CK0

わからないわ。人間って。
有機生命体の中では最も優秀であると言っていいだろうけど、一つの内面に矛盾を多く孕んでいる。

朝倉涼子は海岸を歩いている。
太陽の光がきらきらと海面に反射して眩しい。海水は透きとおったエメラルドグリーンだ。
沖縄の近くの孤島なのかもしれない、と朝倉は思った。
こっちと比べ物にならないほど沖縄の海は美しいのだと、以前クラスメイト達が話していたからだ。

『涼子ちゃん行ったことないの? あ、でも修学旅行があるから行けるよね!』

『もうめっちゃ楽しみだよねえ、涼子ちゃんと二年でも同じクラスになれるといいなあ』

クラスメイトの屈託のない笑顔。
自分は五月にはその存在を抹消されていたため、叶わぬ夢になってしまったが。
また体が異変を起こし始める。
心臓を細い針で刺されるような、そういう類の痛み。

「わたしがエラーを起こすのも、時間の問題だったのかもね」

しゃがみ込んで冷たい海水に掌を浸した。
海の向こうには地平線が広がっている。その上を政府の巡視艦が四隻ほど滑っている。
最後に色々見て回るのも面白いかもしれない。
朝倉は地図を広げた。
生きていようとさえ思えば、まだ十二時間は生きていられる。
自然と顔の筋肉が緩む。
足取りがいつもより軽いものに思える。

彼女は感じたことのない昂揚感を覚えつつ、また海岸を歩きはじめる。


240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:47:34.71 ID:GkcGu7CK0

さっきは殺されてもおかしくなかったのに、よく生きていたものだ。
僕も悪運が強くなったんだろうか。

古泉一樹は念入りに日本刀を磨き上げていた。
と言っても血や油を拭って、近くの金物屋で見つけた砥石を適当に刃にあてがっただけなのだが。
それにしてもバット一本も断ち切れないなんて、
日本刀一本ではせいぜい二、三人くらいしか殺せないと何かの雑学雑誌だか漫画だかで
読んだのは事実だったようだ。
まさかこんな形で知ることになるとはね。

古泉は自嘲ぎみに笑った。
三年前超能力に目覚め、機関に入ってから様々な種類の笑みを彼は会得してきた。
そして彼は何枚もの皮を被ってきた。
素を出せ、と言われたらきっと困ってしまう。
もう元の面がどんな風だったか思い出せないのだ。
普通だったら絶対に体験できないようなスペクタクルな日常だ。退屈という言葉とは無縁だった。
だが平凡な高校生活が失われてしまったことは事実だった。

それが良かったことだったのか否かは今考えるべき事項ではない。
首を振った。はあ、こんなのいつもずっと思い続けてきたことじゃないか。



241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:52:10.55 ID:r0zPyIP5O
支援


242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:52:35.56 ID:GkcGu7CK0
彼は涼宮ハルヒに会えただろうか?
こんなに狭い会場で探知機まで持っていればすでに接触できていてもおかしくない。
彼が素直に閉鎖空間を抜け出すときに使った手段を実行してくれればいいのだが。
しかし―――そうしても元の世界へ再改変されるという保証はない。
それどころか成功する可能性は低いと古泉は考えている。
でなかったら当然自分は彼を手伝っていただろう。
鶴屋さんを殺すこともなかったはずだ。

次々とあふれ出るifをやり過ごす。
いや人殺しは自分だけじゃない、他にも二人死んでいるんだ、と思うことでなんとか解消してみせた。
谷口と国木田。彼の友達だ。それに鶴屋さんで、見事に副団員から死んでいっているわけだ。
これは彼女の願望によるものなのか。それだと筋が通る。
表では思っていないだろうが、潜在意識で線引きしているに違いない。
それは仕方のないことだろうと思う。

それじゃあ今僕が生きているのも涼宮ハルヒのお陰なのか。感謝しなくては。
古泉は苦笑いに似た表情を浮かべた。全ての感情が笑顔となって表に出てしまうのは、
もう直しがたい癖のようなものだった。


243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:56:04.75 ID:pFJGnpE8O
スッキリしたし支援!


244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 18:57:49.59 ID:GkcGu7CK0

あたしは狂ってなんかない、今、ちゃんとした目標があるんだから。

朝比奈みくるはサブマシンガンを構えつつ、ゆっくりと歩を進めていた。
MP5Kという武器らしい。ドイツ製で取り扱いがし易いのだと説明書には書いてあった。
それでもさっき撃った時の反動は、元々運動音痴で力もない彼女には制御しづらいものだった。
よくわからないが、アタリ中のアタリ武器なのは確かだ。

それなのに、せっかく涼宮ハルヒを見つけたのに、みすみす逃してしまうなんて。
やっぱり。
やっぱりあたしは。
また自己嫌悪にとりつかれる。

とろくさい自分が大嫌いだった。
涼宮ハルヒのように溌剌とも振る舞えないし、長門有希のように淡々と意志を貫くこともできない。
鶴屋さんのような達観した明るさも身につけられない。
ただ馬鹿みたいな格好をして、へらへら笑ってお茶を淹れて、何かが起きても何もできない、
いつもぐずぐず泣いているだけの存在。

“女”を売り物にしているといつも思う。
胸元を露出したコスチュームや、気弱ですぐに涙を見せてしまうところが。
男子生徒の性的ないやらしい目つきの中を毎日生きている自分が本当に嫌だった。
どうしようもなく汚らわしいと感じる。

だからもう全てにケリをつけたかった。
全部終わりにしてしまいたかった。
あの人にも会いたかった。

涼宮ハルヒに及ぶところは一つもなかったが、今は彼女をこの武器で殺すことはできる。
それがみくるの唯一の強みだった。


245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:00:39.44 ID:GXroyfK30
黒い


246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:03:48.04 ID:GkcGu7CK0

長門有希は展望台の窓から外を眺めている。

南には、断崖絶壁の向こうに海が続いていた。
東には、不均衡な集落が見えた。
北には、高い山があった。
西には、灯台がそびえ立っていた。

長門は海を見続けている。
風の音もさざ波の音も自身の呼吸音も聞こえない空間の中で、ただ彼を待っている。


249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:10:55.62 ID:GkcGu7CK0
「喜びなさいキョン! あんたはあいつを殺してないわ」

ハルヒは部屋に駆けこむなりそう叫んだ。
夢と現実の狭間をさまよっていた意識が一気に引き戻される。
俺はハルヒの言葉より、ハルヒの存在を受け入れるのに必死だった。
戻ってきてくれた。

「はー、本当によかった……キョンが殺人犯なんかにならなくて」

ハルヒの声は弾んでいたものの表情はどこか暗かった。わざわざ死体を見に行ったんだから当然だろう。
俺は痛む体をなんとか起こした。
さっきよりはよっぽどマシだった。ハルヒが適当に渡してきた薬が効いているのかもしれない。

「どうしてわかるんだよ」

「だって、谷口の首、もうめちゃくちゃだったのよ。原形とどめてないっていうか……もう思い出したくないわね。
キョンはあんなことしてないでしょ、あんたは無罪なのよ!」

首。また首か。
俺の顔を見てハルヒが眉をひそめた。

「なに、何か心当たりがあるの?」

「朝倉だよ」


250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:17:13.95 ID:GkcGu7CK0
「朝倉?」

「あいつは国木田も殺してる」

「じゃあっ、じゃあ鶴屋さんを殺したのは?」

それはわからない。が、朝倉だと考えればまだ心は休まる。
ジェノサイドを繰り広げているのがあいつ一人だけだと考えた方が精神衛生上いいじゃないか。
俺は鶴屋さんを思い出した。
あの人はすべてを悟っている人だ。鶴屋さんが退場したのなら俺もそれに従うべきだろうか。

「ちょっとキョン、なに考えてるのよ」

ネクタイを引っ張られた。痛っ、怪我人になにしやがる。

「あんた何か暗いこと考えてんじゃないの? 
後ろ向きなこと、言ったり思ったりしたら、あたし、絶対に許さないからね」

そう言って俺の目をのぞき込んだ。
俺は理性が思考回路を機能させる前に、ハルヒを抱きしめていた。
もう耐えきれなかった。
ハルヒはびくりと体を震わせたが、すぐに俺の背中に手を回してくれた。
この時間が永遠に続けばいい。
プログラム? 世界の改変? 知るか。
俺とハルヒが抱きしめあう。
それだけでいいのに。こうしていられれば俺は他に何も望まない。本当だ。
俺はいつかは終わってしまう抱擁を恐れながら、ハルヒの体温を感じていた。

「キョン、あたし―――」


252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:25:52.40 ID:GkcGu7CK0
厚い雲が急激に空の青を覆い尽くしていった。
太陽は南中高度を通り過ぎ下降線をたどる。

古泉は灰色に光る日本刀を一人の女子生徒に向けていた。

「古泉君、だっけ」

青い髪が風になびき、彼女はアーミーナイフの刃を愛おしそうに撫ぜている。
朝倉は頬に当たる髪を耳にかけた。
その仕草はあまりに魅惑的だったが、今の古泉にそんな下卑たことを思う余裕はない。

「どうしてわたしにそんな物騒なものを? あなたはやる気なの?」

こめかみから嫌な汗が滴ってくる。
以前に暴走を起こして彼を殺そうとし、涼宮ハルヒの情報爆発を観測しようとした情報統合思念体の急進派。
彼女のこの世界に立ち位置はどうなっているのだろう。
彼女はどう設定されてこの場に立っているのだろう。
古泉は朝倉を見据えた。
朝倉の制服は血に染まっている、白い靴下は元から色が赤なんだよと言っても通用するはずだ。
信じる気はさらさらないが。

「申し訳ないですが、僕はあなたを殺します」

「……そう」

朝倉が目を伏せたままナイフを構えた。
それが合図だった。



256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:33:46.96 ID:GkcGu7CK0
古泉は一気に間合いを詰める。
朝倉は人間と思えない動きで横に大きくジャンプした。
そのまま凄まじいスピードで古泉の懐に飛び込もうとする。
日本刀とアーミーナイフではリーチに大きな差がある。
刀の方が当然有利だろうが、それはある程度の距離がある場合の話だ。
朝倉の攻撃をすんでのところで避け、再び間を開けるために後ろへ下がった。
ネクタイとワイシャツがぱっくり裂かれていた。
接近戦はまずい。

「あのときを思い出しちゃうな」

朝倉の声が微かに聞こえた。
しかし辺りを見回しても彼女の姿はどこにもない。
耳に痛いほどの静寂が訪れる。

おかしい。
どこへ行った? まさか、逃げた―――

古泉が向き直った時、それが見当違いであるとわかった。
きらりと光る刃が古泉の心臓めがけて飛んできたのだ。
体を捻ってナイフをよけようとしたが、直後に固い異物がめりこんだ感覚で
失敗に終わったのだと悟った。

地面に倒れこむ。脇腹にナイフが根元まで食い込んでいた。
少し離れたところで、朝倉が木から猫のようにしなやかに着地したのが見えた。
やっぱり人間じゃないんだなと古泉は思った。木に一瞬で登ってそこからナイフを投げるなんて。
朝倉はするすると古泉の元へ近づいてくる。
眼球を動かして日本刀を探すと、三メートルほど遠くに放り投げられていた。
万事休す、だ。


257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:38:06.52 ID:HIuk+agHO
古泉ってロワだと汚れ役になりやすいよな…


258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:40:14.61 ID:GkcGu7CK0

「じゃあね、古泉君」

朝倉がリモコンを古泉の首元に近づける。
今の彼女は油断しきっている。
まだ自分の体には凶器が刺さったままだと言うのに。
このまま死んでしまうのはやはり悔しい。

引き分けにしましょう、朝倉さん。

古泉は最後の力を振り絞って腹に刺さっていたナイフを抜き、彼にまたがる格好になっていた
朝倉に向かって突き刺した。
肉が切れる感触がした。奥底まで突き刺さっていくナイフに安堵を覚えながら、古泉の意識は飛んでいった。
死は、何かを考える余裕すら与えてくれなかった。

「あーあ、刺されちゃった」

朝倉は自身の腹から生えるナイフの柄を見つめていた。
赤い血がだらだらと地面に落ちていく。
痛みは感じない。そういう風に構成され、生み出されたからだ。
朝倉は自分の体が出る血をしばらく眺めたのち、歩きだした。






【残り五人】

260朝倉涼子の思うこと。[]:2009/10/20(火) 19:46:47.68 ID:GkcGu7CK0

わたしは―――わたしは死ぬ。
死ぬというのは肉体が動かなくなること。
死ぬというのは意識が消えること。

死ぬのはきっと、悲しいことだ。

なんでだろう。視界が変にぼやけてる。
原因がなんなのか把握できない。システム異常? バグの堆積?

エラー
エラー
エラー

わたしが消える時、いつもその音が頭の中で鳴る。
今も鳴っている。だからわたしはもうすぐここからいなくなる。

波の音が聞こえる。

海は綺麗。わたしの髪の色と同じ。
今のわたしが消えても、またどこか別の時間軸でわたしが生まれる。
わたしはきっと繰り返している。
情報統合思念体もこの海みたいに、次々と新しい生命体を生み出している。
わたしは消えてなくならない。

頭ではそうやってわかっているのに、体の真ん中が痛い。
最後に谷口君と話してた時に感じたものと同じだ。
ヒトは毎日、毎回こんな痛みを抱えて生きているのかなあ。
すごく大変そう。
でもちょっと、うらやましい気持ちもする。

262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 19:54:57.27 ID:ZVIhLTKqO
帰ってきてくれて本当に嬉しいしえん


263朝倉涼子の思うこと。[]:2009/10/20(火) 19:54:59.89 ID:GkcGu7CK0
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ

わたしの体に無数の穴が開く。
目の前にいる女の子と目が合う。

「なに、これ……?」

今まで体験したことのない波が一気に押し寄せてくる。
胸がきゅううと締め付けられ、体の下の方からゆっくりとなにかがせり上がってくる。
それは生温かくて気持ち悪くて、でもやわやわとしていた。

嬉しい、楽しい、面白い、
辛い、悲しい、怖い、憎い、

たぶんすべての感情はそこに内包されていた。

わたしの体は後ろに倒れていった。
海水とは違った透明できらきらした液体が宙に浮かんでいた。
これが涙っていうの?
どうしてわたしは泣いてるのかな。

そうか。
この丸っこい感情の塊が何かを、ようやく理解できたからだ。
あの人が考えていたことが―――いまやっと。

なんでかな、悲しいのに、少し嬉しい。



【残り四人】


266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/20(火) 20:02:44.00 ID:GkcGu7CK0
とりあえずここまでしか書けんかった。
でももう構想は出来てるから、今度は終りまで一気に投下するつもり。
日付が変わったころに来れればいいなあと思ってます

あと自分アニメ+原作暴走までしか読んでないから、なんか食い違ってるとこあったら
スルーしてくれ
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          • 1. グッチバックコピー
          • 2014年04月22日 14:30
          • まつだ寄しだれ<a href="http://www5.big.or.jp/~naori/mt/cgi-bin/yoyaku/data/HS-1/naori-gucci-65ox0p2ru3.html">gucci 靴 コピー</a>小田急新松田駅前より富士急湘南バス寄行きに乗車し、終点『寄』下車松田町では、松田山の早咲き<a href="http://www5.big.or.jp/~mints/ibara/scr/mints-gucci-p106fke7ze.html">グッチ ネックレス コピー</a>が有名ですが、寄地区では少し遅咲きのしだれ<a href="http://www5.big.or.jp/~larry/kyoex/larry-hermes-4c7d2nq8o.html">hermes コピー</a>「まつだ寄しだれ<a href="http://www5.big.or.jp/~mints/ibara/scr/mints-hermes-ecfzwzrhm4.html">hermes ピコタン コピー</a>まつり」が開催されますまつだ寄しだれ<a href="http://www5.big.or.jp/~naori/mt/cgi-bin/yoyaku/data/HS-1/naori-chanel-pxjq5yicjj.html">chanel 香水 偽物</a>まつりは、荒廃農地が増えるなか地域活性化になればと、地元の方々の協力を得ながら、やどりき<a href="http://www5.big.or.jp/~myaa/cgi-bin2/dlog/myaa-gucci-9q9uwag66g.html">グッチ 財布 偽物 見分け方</a>の会が中心となって始まりました。
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        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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