唯紬「秋、夏、春、そして冬」

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ムギちゃんは意地悪だ。
最初彼女に会った時、私はおっとりポワポワした人だなって思った。
だけど彼女はとても意地悪な人で、そんな彼女に私は怒りを感じてる。
私を怒らせるの彼女だけ
みんな私の事をのんびりしたいつもニコニコしている子だって思っていて、
私も自分の事を少なからずそう思ってるし、そんな自分が嫌いじゃなかったりする。
だから怒りたくなんてないのだけど、
今――いや、最近の私は今までのを取り返すようにイライラしたりムカムカしちゃっている。
両親も、妹の憂も、親友の和ちゃんも、軽音部の他のみんなも、今まで会ったどんな人達も私を怒らせたりしなかったのに……
彼女だけが私にこんな気持ちを抱かせるんだ。
だけど私は怒り慣れてないからいつもこの感情に自分が振り回されてしまって、だから2人っきりで彼女と帰える道すがら、
私は些細な抵抗として絶対自分から話しかけないと決めていた。
そんな私の心を読んでるのか、彼女も自分から言葉を発しない
それがお前のためでもある
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キョン「俺は、ここにいる」【起】

俺がこの県立北校に入学してから二回目の春が訪れた。
俺はまたこの一年も前年度と変わりなく、また色々と面倒くさい事態に出くわし巻き込まれることになるんだろうなと
うすぼんやりと予測していた矢先に、変な集団プラス旧友が俺の目の前に現れた。
そしてなんやかんや、まあなんやかんやとあった末に、事態は新たな勢力のせめぎあいを巻き起こしながらもなんとか現状維持へとこぎつけた訳だ。
そんなどたばたがあった一方、高校の方はそんなこと関係なしに平常営業を続けており、その後の中間テストは散々なものだった。
俺は来年はもう受験だという事実を胸になんとか期末で取り戻そうと決意するまでは良かったのだが、
中間テストの終了を待ちかまえていたと言わんばかりにまた面倒くさい事態が、主に団長によってこれでもかと降り注がれてしまい、
台風過ぎ去る季節の期末試験はそれはもう酷いものだった。
親が予備校のパンフレットをさもどこぞの印籠か何かのごとくいよいよ俺に突きつけ入学を迫ってきそうな予感のする、
この現状をどうにか打開できないかと思案する一方、俺はテストを終えて後は夏休みを待つだけという
何となく浮かれた教室の雰囲気に抗うことは到底出来ずにいた、そんな七月頭の出来事だった。
過ごしやすかったはずの教室内の温度はじわりじわりと上昇を続け、今年もまたうだるほどに暑い夏になりそうだななどと考えつつ窓の外をぼんやりと眺めていると、
季節問わず一年中真夏の太陽のようなテンションで周囲を振り回しまくっているSOS団団長こと涼宮ハルヒが、それこそ太陽のような笑顔で俺の椅子を叩いて話しかけてきた。
「ねえキョン、最近みんなで出かけたりはしてるけど部費って全然使ってなかったじゃない? でさ、その予算をどう有意義に使うか考えたのよ」
俺は成績の事で頭を悩ませているという時に、お前はそんなことを考えてたのかよ。
「そりゃご苦労なこったな。で、一体どんな使い道を考えついたんだ?
俺としてはこれからのために扇風機なんかじゃなくクーラーとかを設置してくれるとありがたいんだが」
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キョン「俺は、ここにいる」【承】
七月二日の世界改変一日目、キョンが周囲に動揺して部室から飛び出す。
二日目、朝倉登場。キョンが長門と古泉に普通の人間であることを確認。
三日目、朝比奈さんが普通の人間であることを確認。長門から呼び出し←今ココ
よくまとまってると思ったら、書いた本人だったか
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キョン「俺は、ここにいる」【転】
そんな土曜日が終わって翌日。今日こそは何もない、まっさらな休日だ。
なんだかそれがものすごく久々なような気がして、俺は惰眠をむさぼったりだらだらとテレビを見たりして過ごすことに終始していたのだが、
頭の中にはここが改変世界であり、元の世界を取り戻さなくてはいけないという俺一人が抱えるには重すぎる事実が俺の頭に延々とのしかかり続けていた。
そこで、ふと疑問が浮かぶ。
―――なんで、改変した奴は俺の記憶だけを残したのだろうか。
長門がまた俺に選択することを託したのか。いや違う。あいつが改変したにしてはあまりにも不自然な点が多すぎる
。俺がこの世界でやっていることは大体あの冬と同じようなもんだが、あの時は一年前までしかさかのぼっていないのに対し、
ここでは四年前のハルヒの記憶にまで改変が及んでいる。
しかし、長門がハルヒの力を利用したときほど改変は正確じゃない。
つい数日前までの世界の面影を残しすぎたせいでちぐはぐな部分が存在していて、
もしかしたら俺以外にも何かおかしいと気付いた奴がいるんじゃないかと思えるほどだ。SOS団の周辺にいる人物に限られるがな。
考えてみれば、ジョン・スミスがいなけりゃハルヒが北高に入る理由だってなかったんだ。
……もしかしたら、長門や古泉はしっかりその特異な属性を持ち合わせてはいるが、
自分がそうであるという記憶――自分が宇宙人であるとか超能力者であるとか――だけしか変わっていないんじゃないだろうか。
未来人であるはずの朝比奈さんについてはこの時間平面に存在している時点で確定的だ。
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キョン「俺は、ここにいる」【結】
実際にそうなったかは分からない。閉じた瞼の向こう側でそうなったように感じただけだ。
ゆっくり目を開けると、そこはどこまでも暗闇が広がる空間だった。
真っ暗という訳じゃない。俺の手も、足も見える。どこが地面の境目かさえも分からないのに、俺はその場に立っていた。
なんだこれは。とりあえず現実にある空間ではないことだけは分かった。
「………失敗か?」
頭に浮かんだ最悪のシナリオ。
元の世界に戻れるわけでもなく、改変世界にとどまったわけでもない。どこでも無い空間に、俺は放りだされたのか。
あの改変世界はどうなった?
俺のせいで全て崩壊しちまったのだろうか。ならあいつらに悪いことをしたな。
俺はどうなるんだろう。このまま暗闇を永遠に漂い続けるのか。
あいつらへの仕打ちを考えれば、この結果も当然かもしれない。
再び目を閉じようとすると、ほとんど暗闇と同化したような奴が恐らく数メートルほど離れた場所に浮かび上がった。
あまりにも暗闇と溶け合い過ぎていて、下手すればずっと気付かなかったかもしれんな。
「………やっぱりお前が犯人か」
そいつがゆっくりと、子供でもあやすような柔らかい笑みを浮かべた。
その貼り付けたような笑顔が、人間味の無さと相まって不気味さを加速させる。
服装はあの時と同じだった。光陽園学院の女子制服。
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キョン「長門、何読んでるんだ?」 長門「シグルイ」

長門「……ユニーク」
キョン「そうか…(ちょっと読みたい気もするが…)」
長門「……読む?」
キョン「いいのか?」
長門「……」コクッ
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ハルヒ「お泊まり会しましょう!」

ハルヒ「聞いた通りよ。この時期はイベント事もないしね。なければ作るしかないじゃない!」
キョン「どういう理屈だ。しかもこの歳でお泊まり会なんて」
古泉「おや、いいじゃないですか」
キョン「古泉、お前まで何言いやがる」
古泉「一つ屋根の下皆で夜を明かし親睦を深める。僕はそのような青春に憧れていたのですよ」
ハルヒ「さすが古泉君!話がわかるわ。有希もみくるちゃんもいいわよね?」
みくる「はぁー、お泊まり会ですか。みんながいいならやってみたいです~」
有希「構わない」
ハルヒ「ほら決まりよキョン。多数決、実に民主的な決定だわ」
キョン「その裏では少数派の意見は抹殺されていることを忘れるなよ。で、誰の家でやるつもりなんだ?」
ハルヒ「もちろん>>5の家よ!」
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佳子さま「わたくしと……添い遂げて頂けませんか?」

庶民の俺と彼女とでは釣り合わないと断る
佳子さまは「家柄など関係ありません」と諦めきれず
ついには泣き出してしまう
そんな彼女に俺は露店の安物のブローチをプレゼントし
たとえ一緒にはいられなくても、お互いがお互いを忘れなければ大丈夫だと諭し
ふたりは泣く泣く別れる
ある日、佳子さまご成婚のニュースが流れる
静かな笑みをたたえてテレビに映る佳子さまの
胸元にはあの日渡したブローチが付けられている
番組に登場した専門家は
「あのブローチはおそらく純金で3000万はくだらないだろう」と吹聴している
そんな妄想
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梓「律先輩、行っちゃうんですね…」

軽音楽部の部員としても楽しませてもらったし、プライベートでもたくさん遊んでもらった。
気がつけば3月も終わってしまう。
同じ地域にいられるのも、今月でおしまいだ。
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「私、自衛隊に入るんだ」
「自衛隊…律先輩がですか?」
私が高校2年生に上がってからすぐに言われたこと。
自衛隊か、かっこいいな。
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憂「悪ふざけ」

憂「えっ…今なんて?」
唯「だからぁ、お姉ちゃん子供ができたみたいなの」
憂「もう悪ふざけはやめてよ~」
唯「ふざけてなんてないもん!子供できたんだもん!」
憂「kodomo…あぁ!あのインドネシアとかにいるトカゲのことかぁ」
唯「それはコモドオオトカゲ!子供だよ、子供!赤ちゃんができたの!」
憂「え」
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キョン「また、会おう」

まぁな、こんな日に遅刻なんざ出来やしないさ。
「くっくっくっ、こんな日か・・・。しかし、中学時代の君には
考えられない事だよ」
ふっ、佐々木よ・・・。俺も4月からは大学生だ。そういつまでも
妹のボディープレスで目覚めるようなマネはしないさ。
それに、この3年間で学んだ事には待ち合わせに遅れないことも
入ってるんだぜ。
「それも涼宮さんのおかげかな・・・」
そう言った佐々木の口からは白い息が漏れていた。
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キョン「俺は長門を選ぶ」【その1】

キョン(こっちで文芸部に入ってみて…長門とのんびり、か)
キョン(それもいいかもしれん)
キョン「俺は長門を選ぶ」
長門「えっ?」
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キョン「俺は長門を選ぶ」【その2】
誰か続き書いてくれ
朝倉さんとほのぼの暮らしててキョンが普通に二人に接してて
何も事件も起こらない団欒ものとか。メシ食ってるだけとか
そういう終始けいおん!的な雰囲気で話が流れて行く本を作ってみたい
のために書こうか…
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キョン「俺は長門を選ぶ」【その3】
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キョン「俺は長門を選ぶ」【その4】
でも二回ともちゃんと終わらしたつもり…だったんだ…
しかもエロは書けない
またぐだぐだのろのろ
…でいいんですか
唯「あまがみ!」

唯「あずにゃん、ここだよ……」
梓「ここですか?」
唯「うぅん、違う違う。ここ」
梓「あ、ここですね」
ペロ
唯「ひゃうん!」
梓「ふふ、ひゃうんだって。唯先輩可愛い」
唯「あずにゃん……」どきどき!
/ ̄ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ ヽ
/ ( ●)(●) |
| (__人__) } うーっす
/、. ` ⌒´ ヽ
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ヽ_| ┌──┐ |丿
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| (__人__) } うーっす
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唯「あずにゃんが死んだ」

初めてビートルズをきいた時、初めてパンクを知った時、初めてライブに行った時。
きっと十人十色のきっかけがあるんだろう。
私の場合は軽音部に入りギターを弾き始めた時。
そして、中野梓に出会った時だった。
初めて会ったのは何年も前の話。
新入部員が来るのを今か今かと待ちかまえていた時。
部室のドアを遠慮がちに開けながらその子は入ってきた。
小さくてとっても可愛い女の子!それが私の第一印象だった。
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唯「あいのり!」

代理まじありがとう愛してるちゅっちゅ
初SS投下
けいおんでする必要がないのはご愛敬
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唯「」クンクン 唯「あ、憂ー」

唯「さぁ、買い物も終わったし帰ろっと!」
・平沢家
唯「…ふぁー…そろそろ寝ようかな」
唯「よし」
唯「…すぴー」
………
憂「お姉ちゃん、そろそろ起きないとー」
唯「んむぅ…」ムク
唯「…あれ?」
憂「お姉ちゃん?」
唯「前が見えないよぉ」
憂「え?」
唯「電気つけて、憂ー」
憂「お姉…ちゃん?」
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唯「べんりや!」

次女の憂は毎日朝五時に目を覚まし 朝食を作り 昼の弁当を作り
姉が遅刻せぬよう余裕のある時間帯に起こしてやる
その日も同じように 平沢憂は朝五時に目を覚ました
眠気の中で憂は気付いた
部屋に知らない誰かが いる
「ど、どなたですか・・?」
おそるおそる声をかけると
「私は便利屋でございます」
薄暗い室内から きっちりした身なりの老紳士がヌッと現れた
「便利屋・・?」
「さようで。人々が負う、日々の煩わしい手間を解消して差し上げる者です」
「はぁ・・。それよりも、どうして私の部屋に・・・何時の間に・・?」
老紳士は帽子を取り上げながら答えた
「これは御無礼を。この時代の作法習慣にはまだ慣れておりませんでしたので・・・」
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